キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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屁理屈推理合戦withキャプ森

1 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2016/12/30(金) 03:30:43 ID:???






――この物語はどうせ幻想に決まってます。
      キャプ森本編・外伝及び「うみねこのなく頃に」本編と関係有る筈もありません――。











※このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品で、「うみねこのなく頃に」とのクロスオーバー作品です。
※内容は、「うみねこのなく頃に」本編中の赤字&青字による屁理屈合戦(推理)ゲームを、独自の謎を使って行うものです。
 「うみねこ」本編ストーリーの直接的なネタバレはありませんが、「うみねこ」本編の登場人物がスレに登場します。
※最初のエピソードだけ>>1が書きたいですが、それ以降は他の方も書けるようにしたいとか考えています。

☆出典☆
【うみねこのなく頃に】屁理屈推理合戦スレ@wiki
http://www19.atwiki.jp/herikutu/

231 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:54:45 ID:???
<今回のまとめ>
 
森崎「何だなんだで今回も長かったな、オイ」

ワルギリア「すみません。ですがこの定義も、ただコピペするだけならば簡単なのですが。
       詳細については色々の議論の余地があるところでして。
       これでも、本当に細かい部分については説明を割愛しているのですよ」

ベアト「『外部干渉の余地否定は、扉にも及ぶのか?』『壁や天井や窓はどうか?』
     『外部干渉により密室構築した場合も、ベアトリーチェの密室定義を満たすのか?』
     ……などについては、魔女の評議会においても度々議題とされる内容であるな。
    まぁ、そんな事まで考えても面白くないから、妾は語らぬがな!」

ワルギリア「定義の隙間を縫ったトリックは魔女のゲームの基本であるとしても。
        細かすぎる言葉遊びになってしまうと、それはそれで意見が分かれ面白くない。
        しかし、意外性のある面白い発想は時間により出尽くしてしまう。
        それは、このゲームの難しいところだと思います」

ベアト「それでも、妾たちはあの手この手で魔女幻想を振りまき続けるがなァ!
    うっひゃひゃっひゃっひゃははぁ! 妾もさっそく一つ新たな密室のアイデアが思い浮かんだところだ!
    今度ゲーム盤を片手に、そなたの家に遊びに行くから待っておれ!」

フワァァァッ……!

森崎「そ、それだけは止めろ! 親への説明が面倒だッ!? ……って、行っちまった」

ワルギリア「森崎くんも、厄介な子に好かれてしまいましたね。あの子、中々執念深いですよ?」

森崎「分かってらぁ。……はぁ。綺麗な女に気に入られて絶望的な気分になるなんて、生まれて初めてだぜ……」

ワルギリア「ほっほっほ。それもまた若さですよ。私もつい800年前は……と。
        話が逸れてしまう前に、今回のまとめを置いておきましょうか」

232 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:55:55 ID:???

〜『ベアトリーチェの密室定義』まとめ〜

 1.『ベアトリーチェの密室定義』とは、ざっくり言うと『とても強固な密室』

 2.『とても強固な密室』でも、幾つかの抜け穴はある(『脱出不能な隠し扉』など)

 3.『ベアトリーチェの密室定義』=『このゲームの謎の核心は密室じゃないよ』のメッセージ?

                                                   

233 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 18:59:52 ID:???
<補講・ロノウェのトラップ定義について>

ワルギリア「……森崎くんとベアトは去ってしまいましたが。
        折角の機会を利用して、もう一つ、魔女のゲームにおいて使われる単語を紹介しましょう」

ワルギリアはこの世界を『観劇』している名もなき無数のウィッチハンターに向かい、補講を始めた。

ワルギリア「定義系の言葉として、『ベアトリーチェの密室定義』に加え、
       『ロノウェのトラップ定義』というものがあります。定義は以下のとおりです」


【ロノウェのトラップ定義】
 仕掛け人が直接関与することなしに殺人を遂行できる全ての仕掛け。


ワルギリア「ええ。ええ。分かっていますよ。『ロノウェって一体誰やねん!?』……ですね。
        彼は、ベアトが使役する大悪魔の一人であり、彼女の家具頭として仕える執事。
        魔女の社交界では彼を雇用する事が一種のステータスで……
        ――とか、設定は色々あるのですが、特に重要ではありません。
        重要なのは言葉と定義です。魔女のゲームにはこうした単語があると言う事だけ、
        頭に入れておいてください。もっとも、議論の余地についてはあまりないのですが。

        強いて言えば、『殺人を遂行できる』とはどこまでの範囲を指すのか。
        そのトラップが直接殺人を行えるもののみか、
        そのトラップが発動した結果、間接的に人間が死亡する(餓死等)ものも含めるか、
        そのトラップ自体に危険性は無いが、事故により結果的に死亡した場合はどうか。
        ……などについては疑問がありますが、そこまで深く考える必要は無いと思います。
        まぁ、魔女のゲームを楽しむためのフレーバーとして、
        『こんな用語もあるんだ!』……程度に覚えて頂ければと思います。
        さて、それでは補講もおしまい。皆さん、次のゲームでもご武運を。ほっほっほ……」

                                                  〜TIPSA 了〜

234 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/14(土) 19:10:54 ID:???
ベアトリーチェの密室定義について、TIPSを書かせて頂きました。
書いてるうちに一部複雑になってしまいましたが、読んで頂ければ幸いです。

第三のゲーム盤について、当初構想していたゲームの他に、
『ベアトリーチェの密室定義』を使った、シンプルな問題が一問思いついたので、近い内に開催できればと思います。
(ソリマチ卿は出てきませんがw)
内容を詰めて、具体的な日程が決まれば、またアナウンスさせて頂きますので、参加して頂ければうれしいです。

235 :森崎名無しさん:2017/01/14(土) 19:19:29 ID:???
ワルギリアおb・・・先生の分かりやすい講義乙
要するに「そんな細かいところ突っつかなくていいから」という魔女の良心なわけですね


236 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/22(日) 23:47:45 ID:???
>>235
乙ありがとうございます。分かり易ければ幸いです。
そうですね、私もそう考えています。>「そんな細かいところ突っつかなくていいから」
ただ、中には定義の穴を利用した問題(脱出不能な隠し扉とか)もあるので、信じすぎても問題かもしれません。

第三のゲーム盤について、準備が出来ましたので投下したいと思います。
取りあえずNPCパートだけ投下しておいて、開始は明日以降人がいる時間にしようと思います。
(私以外にやりたい人がもしいたら、スレを押さえてしまっててすみませんが…)

237 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/22(日) 23:55:35 ID:???


   屁理屈推理合戦withキャプ森『もりさきのふっとぶ頃に』
     Episode 3  Revenge of the golden witch 〜黄金の魔女の雪辱〜


おはようございます。

黄金の魔女はあなた方のご活躍に大変驚いております。
魔女も是非雪辱を晴らしたいと意気込んでおられます。

とはいえ、これはあくまでも楽しいゲーム。そう、ゲームの世界の出来事なのです。
そのため、肩肘張らずにお付き合いして頂ければ幸いです。

難易度は王道。
王道の謎には王道の推理、王道の展開、そして王道の真相がつきもの。
どのような真相が待ち受けていようとも、決して諦めない事もまた王道かと思われます。

238 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/22(日) 23:58:08 ID:???

森崎「弘法は筆を選ばず、なんて死語だよな。良い選手には良い道具が必要なんだ」

全国中学校サッカー大会を終えた森崎は、Jr.ユースの合宿が始まるまでの束の間の休日を楽しんでいた。

森崎「……優勝したはいいが、大会MVPは翼のクソヤローに取られちまったしな。
    合宿を迎えるまでに、少しでも出来る事はやっておかなくちゃな」

今日の予定はショッピング。しかし森崎は当然、ただ遊び呆けるつもりは毛頭ない。
日本国内だけではなく、世界中に森崎有三の名を知らしめる第一歩として、
次のJr.ユース大会のキャプテン就任、そして優勝は必要不可欠。
そして、その為にはまずは自分自身の実力とコンディションを高めておく必要がある。

フワァァァッ……

ベアト「森崎、こんな所で会うとは偶然だなァオイ? こうもなったら妾が作ったゲーム盤で一勝負……」

森崎「……………」

森崎は暇な時間などない。仮に、スポーツ用品店を目指す道中に金色の蝶が羽ばたいても、
その蝶から現代日本には似つかわしくない豪奢なドレスを来た金髪の女が現れても、
そいつが馴れ馴れしく遊ばないかと誘って来たとしても、構っている暇など存在しないのだ。


239 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:00:42 ID:???
ベアト「おーい、相手してくれよォ。こないだの事なら謝るからさぁ……」

森崎「……………」

ベアト「……むぅ。こうなっては仕方あるまい。先にそなたの家に潜り込んでご両親にでも挨拶しておくか」

森崎「おいやめろ。話をややこしくするな」

と、言いつつこうやって理由を付けて構っているあたり、森崎も根はお人好しなのかもしれない。
以前ひょんな事で知り合ってしまった、黄金と無限の魔女・ベアトリーチェ。
傲然と煙管を吸う彼女に対し森崎は思いっきり舌打ちしながら睨み付けた。

ベアト「まぁまぁ。どうせ、【そなたは今日、これからスポーツショップに行ってグローブを新調する以外、
    特段の予定がない】のであろう? 妾は何でも知っておるぞ!
    なにせ妾は『読心の魔法を使い、そなたの思考を読み取った』のだからなァ! くっくっく!」

森崎「……何が魔法だ。『この通りにはスポーツ用品店以外、俺が好みそうな店はない。
    そして、中学大会の日向のシュートのせいで、俺のグローブは痛んでいる』から、
    推理してそんな事言ってるだけだろう。それが魔法なら、ポーやドイル、
    クリスティやエラリーは大魔術師だぜ」

ベアト「ほう! そなたのような無学な輩にも天界大法院の上席審問官の名が轟いているとは。
    妾も以前は、SSVDのご厄介になったものだ、懐かしい」

森崎「(何言ってるんだ、こいつ……)」


240 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:04:08 ID:???

森崎が幾ら面倒そうな素振りを見せても、この魔女はマイペースを崩さない。
とはいえ無視するともっと面倒なのは明らかなため、森崎は諦める事にした。

森崎「……どうしたらここから失せてくれるんだ?
   世界のてっぺんを目指す俺にはな、お前なんかとじゃれ合ってるヒマは無いんだっての」

だからせめて、森崎は少しでも時間の浪費を最小限にするべく、単刀直入に要件を聞くのだが。

ベアト「くっくくく……! そなたがそう言う位、妾とて推理……じゃなかった。
    地獄の魔女・サトリーヌ卿から学んだ『心を読む魔法』で予知済みよ!」

が。どうもこれがまた、ベアトの思い通りの返しだったらしい。したり顔で笑っている。

ベアト「だから妾は、そなたにゲームを挑むとともに……『ご褒美』を用意している。
    そなたの覇道を手助けする事間違いナシの『魔女のマジックアイテム』をな」

するとベアトの掌から蝶が一匹生まれ、それはみるみるうちに姿を変える。
姿を変えて現れたのは――小さく黄金の蝶の刺繍がなされた、上質なグローブだった。

森崎「……! お、お前。これ幾らで……」

ベアト「魔女に金策の心配とは愚かな。妾は無限の黄金すら生み出せる大魔女ぞ。
    この程度のグローブなど、使用人の支給品にするにも憚られるわ」

『良い選手には良い道具が必要』と主張し、サッカー用具の質には一家言ある森崎が見ても、
そのグローブは素材、製法、性能からして良質だった。
恐らく、これから行こうと思っていたサッカー用品店では売っていない――売っていたとしても、
到底今の森崎の小遣いでは買えるレベルで無い代物である事は間違いなかった。
森崎の目の色が変わった事を確認してから、ベアトは頷いてこう続けた。

241 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:05:34 ID:???
ベアト「妾はそなたに挑戦するため、一つのゲーム盤を用意した。
     もしもこのゲームで、そなたが妾に勝つ事ができれば、このグローブをそなたに贈ろう」

森崎「グローブは良いが、また人を殺すのかよ」

ベアト「なあに! 妾としても、これは自らの存在の為のゲームでは無い。
    純粋に、そなたと妾との知恵比べ。魔女と人間との勝負が楽しみたいだけよ!
    故に、【このゲーム盤の内容はフィクションであり、現実の人物・地名・事件と一切関係しない】事を、
    この【赤き真実】にて誓約しようではないか!」

森崎「現実では無い。これはゲームだ。賞品もある。……だから、勝負に応じろと言う訳だな。
    ケッ、相変わらずズルい奴だぜ。俺が断る理由を丁寧に潰して来てやがる」

ベアト「ほう。それは勝負を受ける……と言う意思表示で良いか?」

森崎「別に良いさ。どうせ帰っても家で基礎トレーニングをやって、漫画でも読んで寝るだけだ。
   だったら、基礎トレーニングの前に漫画みたいな奴とゲームしたって一緒だからな。それに――」

ベアト「それに?」

……ベアトリーチェは高貴なる魔女らしいが面倒なヤツだ。それは間違いない。
しかし、森崎は内心ではこうも思っていた。この魔女は面倒だが、この魔女との勝負は悪くない。
それは、かつて翼を殺しかけた相手に向かって思うには、あまりに不謹慎な感想なのかもしれない。
だからこそ、森崎はこれまでもずっと魔女を軽くあしらい続けていたが――一方で、
ソリマチ卿との戦いを入れれば3度目となるこのゲームに対しては、興味を抱いている事には間違いなかった。

森崎「――俺は勝つのが大好きなんだ。それはサッカーだろうが、魔女のゲームだろうが一緒だ。
    だったら勝ってやるよ。……もうお前が二度と俺に勝負なんて挑みたくなくなる位完璧になァ!!」


242 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:07:10 ID:???
なぜなら、森崎は結局のところ、純粋なまでの勝利主義者。
翼がどうとか、ソリマチ卿の野望がどうとかは勝負に挑む為の外形的な理由作りにしか過ぎない。
森崎は本心では――あの『魔女のゲーム』に挑み、そして勝利する事を心待ちにしていたのだ。

ベアト「……くーーーひゃっひゃっひゃひゃっひゃァァアッ!! よくぞ受け入れたな森崎ィ!!
    それでこそ妾が倒すに相応しい相手よ!」

そしてベアトは、そんな森崎の闘争本能を知っていて、今ここにそれを引きずりだせた事に対し喜ぶ。
同時に、彼が自分の見込み通りの好敵手である事を再認識する。
魔女幻想を認めさせ、人間を屈服させたいベアトリーチェ。相手が誰であろうとも、決して屈服しない森崎。
人命や世界の命運は関係せず、賭け合うのは互いのプライドのみ。
それにも関わらず、これまでで最も熾烈を極める魔女と人間の争いが、今ここに始まろうとしていた――。


243 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:08:57 ID:???
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
【地獄の悪魔の復讐】

航海を生業とする北欧の一民族の言葉に、「フラーノ」という言葉がある。
これは彼らの言葉で「地獄」を意味し、東の果てにある大きな島の、その中央に位置すると言われていた。

彼らの中には、本当に「地獄」が存在するのかと疑い、実際にこの眼で確かめたがる者も多く居た。
その者達は好奇心から、伝承の地への航海を試み――そして、実際に辿り着いた者すらも居た。

だが、その地から戻って来た者の全ては人格が変わり果て。そして、口を揃えてこう言ったのだ。

「良いよなァ……お前は。どぉせ俺なんか……」

――部族における協議の結果、彼らは地獄(フラーノ)にて悪魔に憑依されたとし、全員が処刑された。
そして、誰もがフラーノへと近づく事を固く禁じられた。


かの部族が滅んでから数百年の時が流れ、かつて地獄とされたフラーノの地にも開拓民の手が入り、
今では「ふらの」と呼ばれる美しき土地として、多くの人間が住み着くようになった。

しかし、地獄の悪魔はまだこの地に潜んでおり、闇より現れ人間を蹴り殺していると、一部の民俗学者は主張する。
その悪魔は、かつて滅んだ民族が使った言葉に準じて、今でも住民の間でこう呼ばれている。


「ヤグ=ルマ」


――と。

244 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:10:19 ID:???

***


――暗い暗い空間の中で、松山はひたすらに泣き叫んでいた。

「あにきぃ……あにきぃ……助けてよぉ……」

とある事件をきっかけに、ふらの中のサッカー部員はこぞって自分を虐めるようになった。
陰湿な嫌がらせが始まった時は、彼らを全く疑っていなかった。
しかし、それは少しずつエスカレートしていって、やがては決定的な事件が起き。
それでも、まだ仲間を信じたいという想いが残っていて……。
――そう考えている内に、自分はここに閉じ込められたのだった。

「あにきぃ……痛いよぉ……」

……結局は自分が悪いのかもしれない。だけどそれ以上に、仲間に裏切られたという想いが、
仲間を信じていただけに強く、重く、自分の心を蝕んでいた。
暗闇に支配された体育用具室の中で、松山は無力に泣き続ける事しかできなかった。

「光を掴もうと思っても、……結局はこうなんだ。痛いしっぺ返しを食らうだけなんだ……」

内心は絶望に覆われていた。光を目指して前に進んでいた筈の自分の人生は、もう無い。
あるのはただただ辛い現実と、真っ暗闇の無間地獄だけだった。


245 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:11:47 ID:???
それでも、松山は一度だけ泣くのを止めて、口元を歪めてみせた。
……笑うって、どうやるんだっけ。彼はそれすらも判らない様子だった。
だが――結果として、この行為は彼にとって致命的だった。
何故なら、伝承において悪魔は、人間の笑い声を聞いて現れるとされていたからだ。

「……今、……笑ったか? ……俺の事を……笑ったか?」

松山は無意識的な笑顔を止めて、顔を強張らせる。
……他には誰もいない筈の体育用具室。その暗闇が人間の形を取っていた。
背の高い、やさぐれた様子の『悪魔』は、落ちくぼんだ瞳で松山の事を見つめている。

「……笑うな。……笑うな。……笑うな笑うな笑うなワラウナワラウナァアァァァ!!」

――松山の笑いがきっかけとなり、悪魔はその怒りを剥きだしにした。
人間の形をとったシルエットが更に膨れ上がり、飛蝗と人間を掛け合わせた怪物となって、
松山の背丈の倍近くの跳躍を見せて襲い掛かる。

ドガン。ドガン。ドガンドガンドガンドガン。

飛蝗を象った悪魔は、跳ね回って何度も松山の頭を叩き付けた。
まるで特撮映画のワンシーンのように悪魔は飛び回り、その頭蓋を叩き割る。
その跳躍が何回か続いたところで――彼はもう、動かなくなっていた。

「あにきぃ。あにきぃ……ごめんなさいぃぃ……」


246 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:13:30 ID:???

「良いよなァ……お前は。どぉせ俺なんか……」

血塗れとなった松山の死体を見下ろす形で、
悪魔は伝承通りの言葉を呟きながら、暗闇の中、佇んでいる。
この暗闇を破ったのは松山の絶命から数分後の事だった。

「おい、さっきの音は一体どうした――って」

「えっ……!? あ、あれは……」

体育用具室に松山を閉じこめていたふらの中サッカー部員の数名――小田と加藤が、
先程の騒ぎを聞いてその扉を開け放った。
そして、彼らはその目で見てしまったのだ。――かつての伝承にあった、地獄の悪魔を。

「マブシインダヨ……オマエハ……!!」

悪魔は怨嗟の声と共に、次の標的に向かって襲い掛かる。
小田はその時漸く自分達の行為の愚かさを知ったが、時は既に遅かった。
彼は死の間際、薄れいく意識の中で自分を殺した伝承上の悪魔の名前を呼んだ。


「ヤグ=ルマ……!」



――ふらの中サッカー部は全員死亡。
新聞各社はこれを、「地獄の悪魔ヤグ=ルマによる所業」として大体的に報じた。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

247 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 00:15:44 ID:???
今回の敵は地獄の悪魔ヤグ=ルマ!……と、言ったところで今日はここまでにします。
もし参加者が1人でもいれば、明日の夜22時半〜24時半までくらいで、ゲームを始められればと思います。

248 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 00:31:49 ID:???
ゲーム参加させていただきます

「『ヤグ=ルマ』逆から読むと『マル=グヤ』。意味の分からない『マル』はノイズとして考えられるから消すと残る文字は『グヤ』……
つまりこの事件の真犯人は某姫様だったんだよ!」

249 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 22:29:09 ID:4z784tCM
こんばんは、予定通りゲームを初めていきます。
>>248
ゲーム参加表明ありがとうございます!某姫様「な、なんだってー!?」

250 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 22:30:32 ID:4z784tCM
〜???・魔女のサロン〜

森崎「……なあ、ベアトリーチェ」

ベアト「うむ。これが妾がそなたに出題するゲーム盤。題して『地獄の悪魔の逆襲』であるぞ。
    内容からしてまさしく、妾によるそなたへの雪辱戦として相応しかろう!」

森崎「いや、そうじゃなくて。……復唱要求。
    「このゲーム盤の内容はフィクションであり、現実の人物・地名・事件と一切関係しない」」

ベアト「くっくっく! 早速ゲーム開始とは気が早いなぁ森崎!
    まぁ復唱しよう、【このゲーム盤の内容はフィクションであり、現実の人物・地名・事件と一切関係しない】
    だが、【この事件はネットゲームの出来事だとか、そんな話ではない】ぞ!
    後述するつもりだったが、謎の本質はそこでは――」

森崎「――そういう事を聞きたいんじゃねーよ。……なんか、今の話に知ってるヤツが出てたから、気になっただけだ」

ベアト「なァんだ、そういう事か。さっきもこないだも言ったであろう、妾は無駄な快楽殺人はせぬと。
    そして、これはあくまでゲーム盤内での出来事。実際の松山とかふらの中とかには、一切危害を加えておらぬ」

森崎「そ、そうかよ……相変わらず悪趣味な事しやがって。てか、ここどこだ」

ベアト「細かい事を気にするでない。妾程の魔女となると、ゲームを楽しむ為の亜空間を作るなど造作もないからな。
     ここは、人目に触れず妾とそなたがゲームを楽しめる遊技場――その程度に思ってくれれば良い」

森崎達は気が付くと、上品な家具が並ぶ洋風屋敷のサロンで机を囲んでいた。
机上には紅茶とチェス盤が置かれており、チェス盤の局面は既に中盤を迎えている。

ベアト「……それでは始めるか。まずは、そなたへの出題の前提として、幾つかの赤を。
     そして、この問題の趣旨である謎について、この盤面を元に示しておこうぞ」

その状況を指しながら、ベアトリーチェは前提となる絶対の事実――【赤き真実】を紡いでいく。

251 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 22:31:33 ID:4z784tCM

ベアト「【松山は一人で体育用具室にやって来た】。
     【松山は体育用具室に閉じ込められていた】。
     【ゲーム開始時前、体育用具室には誰も居なかった】。
     【ゲーム開始時から終了時まで、体育用具室はベアトリーチェの密室定義を満たす】状況下だった。
     
     ベアトリーチェの密室定義とは、内外の出入りが一切隔絶された室内を指す。
     当然、内外からの一切の侵入・脱出は愚か、干渉もできない。
     それは包括的に、隠し扉の否定、外部干渉の余地一切の否定を含む。
     ――いきなりの単語で悪いが、頭の良いそなたにはすぐに意図が飲み込めるであろう?

     ……さらに、補足として。【ゲーム開始時とはふらの中メンバーが体育用具室を施錠した時を指し、
     ゲーム終了時とはふらの中メンバーが体育用具室を開錠した時を指す】」

ベアトリーチェが真実の赤を切る内に、チェスの盤面は更に進む。
ポーンは前に、ルークは王を守るべく動き。ナイトやビショップは中央の支配権を求め前進する。

ベアト「……キングはキャスリングを終え、守りは盤石。
     敵はナイトやビショップで切り崩そうとしておるが、ポーン・チェーンも堅く、中々に切り込めない状況よ。
     それにも関わらず、【ゲーム終了時、松山は死亡している】のだ。
     だが、それすらも今回の謎の本質を掴んでおらぬ。何故ならば――」

スッ……。

ここまで言うと、彼女はおもむろに自陣の最奥に鎮座する黒のクイーンを手に取ると。
……それを森崎側のキングの真横に堂々と置く。
そして彼女は、このゲーム最大の謎となる【赤き真実】を解き放った。


ベアト「……バックランクメイトだ。【松山はヤグ=ルマによって殺された】」



252 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 22:33:19 ID:4z784tCM
Episode 3   Revenge of the golden witch 〜黄金の魔女の雪辱〜 第一の晩 開始

−魔女の出題(幻想描写は>>243-246)−
【松山は体育用具室に閉じ込められていた】ところ、【松山はヤグ=ルマによって殺された】。
しかし、【松山は一人で体育用具室にやって来た】上に、【ゲーム開始前、体育用具室には誰も居らず】、
加えて、【ゲーム開始時から終了時まで、体育用具室はベアトリーチェの密室定義を満たす】状況下だった。
 ※なお、【ゲーム開始時とはふらの中メンバーが体育用具室を施錠した時を指し、
  ゲーム終了時とはふらの中メンバーが体育用具室を開錠した時を指す】。

魔女側はこれを、「地獄の悪魔ヤグ=ルマが暗闇から現れて松山を蹴り殺した」と主張する。
人間側は、「魔女の魔法」「悪魔の実在」以外の方法により、今回の状況を再現できる仮説を提示し
(仮説は、【赤き真実】に抵触しないこと)、以て魔術師の主張を否定する必要がある。

−ルールまとめ−
・人間側(=参加者)は、魔女(=GM)に対し、「復唱要求(=事実の確認)」および、
 『青き真実(=魔法を否定するための仮説)』を放つ事ができます。
 
 (復唱要求ならば、要求したい内容を「」に入れて書き込みを。
  青き真実ならば、事件の一連を示した内容を『』に入れて書き込みをしてください。)

・魔女は、参加者の「復唱要求」に対し、【赤き真実(=絶対的な事実)】にて復唱することができます。
 ただし、魔女は「復唱要求」に応ずる義務はなく、応じない理由を示す義務もありません。

・魔女は、参加者の『青き真実』に対し、【赤き真実】にて否定する義務があります。
 否定の方法は魔女の裁量に委ねられますが、ここで『青き真実』を否定できない場合は、魔女の敗北となります。

・人間側は、魔女の【赤き真実】に対し、打ち出せる『青き真実』が出なくなった場合、
 リザイン(=投了)を表明することにより、敗北となります。

・どうしても謎が解けない場合、森崎が自分でヒントを考えつきます。
 ヒントが欲しい場合は、「ヒントが無いか考える」と書き込みして下さい。ヒントを書いていきます。
 (ヒントが要る方と要らない方に別れた場合、ヒントが要らない方は申し訳ないですがスルーして下さい。) 

253 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 22:34:34 ID:4z784tCM

−これまでの赤字−※これまでに出ていた内容と、誤解が無いよう書き方を変える場合があります。

【このゲーム盤の内容はフィクションであり、現実の人物・地名・事件と一切関係しない】
【この事件は、このゲーム盤世界において現実に起きた事である】
【松山はヤグ=ルマによって殺された】
【ゲーム終了時、松山は死亡している】
【松山は一人で体育用具室にやって来た】
【松山は体育用具室に閉じ込められていた】
【ゲーム開始時前、体育用具室には誰も居なかった】
【ゲーム開始時から終了時まで、体育用具室はベアトリーチェの密室定義を満たす】
【ゲーム開始時とはふらの中メンバーが体育用具室を施錠した時を指し、
 ゲーム終了時とはふらの中メンバーが体育用具室を開錠した時を指す】

254 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 22:35:48 ID:4z784tCM

森崎「は……はぁ!? ヤグ=ルマは悪魔じゃなくて、実在するって。そう言いたいのかよ……!?」

ベアト「うむ。妾が今回そなたに応えて欲しい謎というのはズバリ、
     『ヤグ=ルマとは一体何者であり、如何にして密室に入って松山を殺害したか?』……と、いう事よ。

    ……もう一度赤を見れば分かるように、ニンゲンには誰も松山を殺せるようには思えぬだろう?
    一人で体育用具室に入り、鍵が閉められ、そこで鍵が開いた時にはもう、松山は死んでいるのだからな。
    この密室を掻い潜って松山を殺せたとしたら、それはもう『悪魔』の所業と言っても良いのではないか?

    ――妾はこれを根拠に、『悪魔ヤグ=ルマの実在』を主張する」

森崎「で、悔しかったら人間とトリックで説明してみやがれって奴か……。
    ――まあ良いさ。どうせ突ける穴なんて幾らでもある。面による推理でお前を倒してみせるぜ!」

☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

255 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 22:38:43 ID:???
『ヤグ=ルマは松山の別人格であり、ヤグ=ルマが身体を支配した状態で松山は自殺した』
まずはジャブ程度に

256 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 22:45:43 ID:4z784tCM
>>255
『ヤグ=ルマは松山の別人格であり、ヤグ=ルマが身体を支配した状態で松山は自殺した』

ベアト「定番のトリックであるな。だが勿論これが真相では無い。
     【このゲームに、一人で二つ以上の名を持つ人間は存在しない】!
     この場合、「ヤグ=ルマ」と「松山」で、一人が二つの名前を持つ事となる故、赤に抵触すると考えられるな」

森崎「要するに、二重人格とかはありませんよ、って事か。回りくどい表現しやがって……」

ベアト「さあ、勿論これでリザインと言う訳ではなかろう? どんどん来るが良い!
     くっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃはぁッ!!」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

257 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 22:47:28 ID:???
「ヤグ=ルマは生物である」
「ヤグ=ルマの目的は松山を殺すことである」
「カゲ=ヤマが実は存在する」

258 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 22:52:22 ID:4z784tCM
>>257
森崎「復唱要求!「ヤグ=ルマは生物である」、「ヤグ=ルマの目的は松山を殺すことである」
    「カゲ=ヤマが実は存在する」」

ベアト「あっはっはっは! なんだその復唱はァ! まず一つ目、これは復唱拒否する。
     何故なら、悪魔は生物という学者のチンケな枠組みに収まるモノじゃねぇからなァ〜!
     二つ目、これも復唱拒否! 「目的」という漠然とした表現では分からぬ!
     ……まぁ【ヤグ=ルマは自らの意志で松山を殺した】、この程度は出してやっても良いか!
     そして三つ目は復唱拒否、何故なら【カゲ=ヤマなど存在しない】からだひゃっひゃひゃッ!」

森崎「(コイツ、ゲームになると途端にテンション上がって更にウザくなるな……)
    ――まあ良いさ、次行くぞ、次だ!」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆


259 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 22:55:08 ID:???
「松山は体育用具室のカギを持って体育用具室の中にいた」

260 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 22:55:12 ID:???
「松山は体育用具室で死亡した」

261 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 22:59:28 ID:4z784tCM
>>259-260
「松山は体育用具室のカギを持って体育用具室の中にいた」
「松山は体育用具室で死亡した」

ベアト「二つ目については復唱しようぞ、【松山は体育用具室で死亡した】。
    そして一つ目については復唱できぬ、何故ならば、
    【松山は体育用具室の鍵を持っていなかった】からなァ」

森崎「殺害場所の誤認トリックでは無さそう、って事か……?」

ベアト「さ〜てなァ? どうだと思う?」

森崎「……ハナからお前が気の利いた事を言ってくれるとか、期待してねえけどな」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

262 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:00:48 ID:???
「松山は毒物によってヤグ=ルマによって殺された」

263 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:02:09 ID:???
「松山死亡時、ヤグ=ルマは体育用具室内に存在していた」

264 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:04:28 ID:???
「ゲーム開始時からゲーム終了時まで年単位の時間があった」

265 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:04:54 ID:???
「ヤグ=ルマは単独の存在であり、複数存在しない」

266 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 23:06:22 ID:4z784tCM
>>262

森崎「復唱要求だ。「松山は毒物によってヤグ=ルマによって殺された」」

ベアト「拒否だ。【松山はヤグ=ルマに蹴り殺された】からな。
    ――が。この辺りの死因は今回そこまで重要ではない。
    先程述べた通り、今回の謎のキモは、『ヤグ=ルマとは一体何者か?』
    『ヤグ=ルマはいかにして密室を抜けて松山を殺害したのか?』だからな」

森崎「いや、でも『ヤグ=ルマが事前に毒薬を松山に飲ませて殺した』とかなら、
    密室破りにも関係――」

ベアト「ええい、だからそこは謎の本質ではないのだ! 故にこれまでの赤を強化し切る!
     【松山は体育用具室にて、ヤグ=ルマの直接攻撃によって殺害された】!」

シャキーンッ! バシュッ!

森崎「へぇ、中々強い赤じゃねーか。だが、その程度で俺がビビると思ってたら、大違いだぜ!」

267 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:06:28 ID:???
「体育用具室内にはヤグ=ルマだけが知っている隠し扉がある」

268 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 23:10:33 ID:4z784tCM
>>263-265
森崎「復唱要求ッ!「松山死亡時、ヤグ=ルマは体育用具室内に存在していた」
    「ゲーム開始時からゲーム終了時まで年単位の時間があった」
    「ヤグ=ルマは単独の存在であり、複数存在しない」」

ベアト「一番目、……大サービスだ、復唱しよう!【松山死亡時、ヤグ=ルマは体育用具室内に存在していた】
    二番目は復唱できぬ、【ゲーム開始時からゲーム終了時まで年単位の時間は経過していない】からだ!
    三番目は復唱する、【ヤグ=ルマは単独の存在であり、複数存在しない】!」

森崎の復唱要求に合わせ、ベアトの周囲には赤い短刀が無数に現れる。

森崎「……中々良い赤が出てきたじゃないか。さーて、ここからはどうすっかな……」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

269 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:11:11 ID:???
「ヤグ=ルマは固体である」

270 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:13:09 ID:???
「ヤグ=ルマは初めから体育用具室に置かれていたものである」

271 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:14:33 ID:???
『ヤグ=ルマの正体はロボットである』

272 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 23:15:46 ID:4z784tCM
>>267
森崎「ま、まだだ……! 復唱要求、「体育用具室内にはヤグ=ルマだけが知っている隠し扉がある」」

ベアト「くっくくく……出たなァ隠し扉! だが残念だったな、
     【ゲーム開始時から終了時まで、体育用具室はベアトリーチェの密室定義を満たす】。
     故に、【体育用具室内には一切の隠し扉は存在しない】!」

森崎「チッ……。強固な密室を意味するベアトリーチェの密室定義を前に、
    隠し扉だの鍵開けトリックだのの介入可能性を混ぜ込むのは難しそうか……」

ベアト「当然よ。この密室定義こそ妾の持つ強力な結界魔法。
     並みのウィッチハンター程度には、この中の真相に触れさせなどはさせぬぞ!」

森崎「なーにが結界魔法だ! ……とはいえ、もう一遍考え直しか」

273 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:17:59 ID:???
『松山は体育用具室内の物体Xが崩れ落ちて頭に当たり死亡した』

274 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 23:20:40 ID:4z784tCM
>>269-271

森崎「復唱要求、「ヤグ=ルマは固体である」、
    「ヤグ=ルマは初めから体育用具室に置かれていたものである」!」

ベアト「こっちが生物と素直に認めぬからとは言え、またそのような屁理屈を……!
    ――分かった、ここで推理が詰まっても面白くないからな、認めてやるよォ。
    【ヤグ=ルマは人間である】! ……ま、ホントは悪魔なんだけどさ。
    ツマラナイ学者サマの分類学的には、人間って言えるかな〜? ……ってヤツさ。
    だが、二つ目の復唱要求については……そうだな。復唱を拒否する。理由は特にない」

森崎「言うならさっさと言えってんだ、全く……。
    (とはいえ、こっちの考えていた『ヤグ=ルマの正体はロボットである』の青が潰れちまったな。
     あの魔女、全然応えて無いみたいだから、ここはもっと攻撃を重ねるしかないか……)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆






275 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:23:29 ID:???
「ヤグ=ルマは松山のもう一つの人格である」

276 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 23:24:12 ID:4z784tCM
>>273

森崎「『松山は体育用具室内の物体Xが崩れ落ちて頭に当たり死亡した』!」

ドーーーンッ!

ベアト「ふん、その程度の青。既存の赤で切れるわ!
     【ヤグ=ルマは自らの意志で松山を殺した】! 【ヤグ=ルマは人間である】!
     故に、物体Xによる事故死はこれを否定できるッ!」

シャキーンッ、バギイイッ!

森崎「……その位想定済みだ! こっちの青はまだまだ十分だぜェ! 行くぞベアトォ!」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

277 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:25:12 ID:???
「ヤグ=ルマは道具を使った」
「異常気象は松山の死亡前後に発生していない」
『松山の死因は打撲である』

278 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:29:26 ID:???
やっちまった、275は取り消しで

279 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:31:52 ID:???
「松山を閉じ込めたのはふらの中メンバーである」
「松山を閉じ込めたのはヤグ=ルマである」

280 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:33:56 ID:???
「ヤグ=ルマは松山を閉じ込める前に体育用具室に入った」

281 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 23:34:06 ID:4z784tCM
>>278了解しました。
>>277
森崎「そんな簡単にあきらめるかってんだ! 復唱要求!
    「ヤグ=ルマは道具を使った」
    「異常気象は松山の死亡前後に発生していない」
    「松山の死因は打撲である」」

ベアト「くひゃひゃひゃひゃ、無駄な事ォ!
     一つ目は復唱拒否だ、【ヤグ=ルマは道具を使わず松山を殺した】からな!
     二つ目は復唱しようぞ、【異常気象は松山の死亡前後に発生していない】。
     まぁもっとも、密室がベアトリーチェの密室定義を満たす以上、
     異常気象による外部干渉Xの存在は一切無いんだがなァ!!
     そして三つ目、【松山の死因は打撲である】。くっくっく……妾のヒントを忘れたかァ森崎。

     ――このゲーム、松山が如何にして死んだかは重要ではない。
     何故なら、犯人は既に分かっており、自らの意志で殺した事も明白なのだからなァ。
     犯人が如何にして密室に入ったのか! それを可能とした犯人とは何者か!
     そこを見抜かねば、真相は見えてこねぇぞぉぉぉおぉぉぉ〜?????」


282 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:36:39 ID:???
「ヤグ=ルマは一人の人間である、人間の集団ではない」 

283 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 23:39:58 ID:4z784tCM
>>282
森崎「復唱要求、「ヤグ=ルマは一人の人間である、人間の集団ではない」!」

ベアト「二重人格が否定された次は共有人格説かァ?
     だが、これは復唱しようぞ。【ヤグ=ルマは一人の人間である、人間の集団ではない】」

>>279-280
森崎「……まだだ。俺のターンはまだ終わってないぜ! 復唱要求!
    「松山を閉じ込めたのはふらの中メンバーである」
    「松山を閉じ込めたのはヤグ=ルマである」
    「ヤグ=ルマは松山を閉じ込める前に体育用具室に入った」」

ベアト「……一つ目、二つ目は復唱を拒否する。特に理由は無い。
    そして三つ目。これはどういう意図の復唱要求だ?
    【ゲーム開始時前、体育用具室には誰も居なかった】という赤がある以上、
    ヤグ=ルマは松山を閉じ込める前に体育用具室に入る事は不可能。
    もし、そなたがそれ以上の何かを知るならば……青で掛かって来るが良い」

森崎「……!(――これは……俺は、真相に手を掴んだ、のか?
    その割には、ベアトの表情にはまだ余裕が残ってる気がするんだが……。
    ――とにかくまずは、挑発に乗って青を打ってみるべきか? それとも……)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

284 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:40:09 ID:???
幻想描写だとふらの中メンバーも死んでるのに、赤では一切それらについて触れられていないのがなんか気になるな

285 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 23:43:57 ID:???
>>284
あ、すみません。そこは悪魔のホラー感を出す為に死者を増やしただけで、謎の本質とは一切関係ありません(汗)
あくまで今回は、ヤグ=ルマとは何者で、松山をどう殺したのかについて考えて頂ければ幸いです。

286 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:45:25 ID:???
【松山は一人で体育用具室にやって来た】
【ゲーム開始時前、体育用具室には誰も居なかった】
誰が松山を閉じ込めたんだろう?

287 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:48:02 ID:???
「松山は一人で体育用具室にやって来た時、すでにヤグ=ルマによって傷を負わされていた」

288 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:49:23 ID:???
「体育倉庫に傷、何かがぶつかった跡はない」

289 :森崎名無しさん:2017/01/23(月) 23:54:21 ID:???
「松山が体育用具室に入室後、
ゲーム開始(ふらの中メンバーが体育用具室を施錠した時)まで
松山以外に体育用具室に入室した者はいない」

290 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/23(月) 23:59:22 ID:4z784tCM
>>287-289
森崎「まだ情報が足りない。復唱要求!
    「松山は一人で体育用具室にやって来た時、すでにヤグ=ルマによって傷を負わされていた」
    「体育倉庫に傷、何かがぶつかった跡はない」
    「松山が体育用具室に入室後、ゲーム開始(ふらの中メンバーが体育用具室を施錠した時)まで
     松山以外に体育用具室に入室した者はいない」」

ベアト「……一つ目は復唱拒否。理由は特にない。
    そして二つ目も復唱拒否。理由は、【松山はヤグ=ルマに蹴り殺された】以上、
    何らかの傷や跡は出来るが、それは今回の謎とは大きく関係しないからだ。
    ――もしも傷や跡を必要とするならば、青き真実を打つのだな。くくくっ……
    そして三つ目も復唱を拒否する。そのような復唱を要求する以上、
    何等かの仮説は出来ているのだろう? ならばそれを打てば良い。
    ……もっとも、それが真相に直結するとは限らぬが」

森崎「魔女側は青き真実に対しては、必ず赤き真実で否定しなければ負け、だからな……。
    (どうする? そろそろ青を出して行くか? それともまだ情報を集めるべきか……?)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆



291 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 00:02:50 ID:???
『松山が体育用具室に入室したとき、
体育用具室の外で待ち構えていた人物Xが松山のすぐ後に入室し、入り口を施錠。
その後、松山を蹴り殺した』

292 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 00:16:58 ID:fbZZMR3M
森崎「――だったら、お望み通りの青だ!
    『松山が体育用具室に入室したとき、体育用具室の外で待ち構えていた犯人Xが
    松山のすぐ後に入室し、入り口を施錠。その後、松山を蹴り殺した』!」

ドーーンッ!

ベアト「ふむ。中々しっかりと構築された青であるな。だが――無意味!」

カッ!

森崎が放った青き槍にも動じず、ベアトはその眼前で――

ベアト「――犯人Xは不要、【この事件の犯人はヤグ=ルマであり、共犯は無い】からな。
     その上で、【ヤグ=ルマは入口を施錠していない】【入口を施錠したのはふらの中メンバー】。
     【ふらの中メンバーは松山を殺害していない】【ふらの中メンバーにヤグ=ルマは存在しない】!」

カッ! カッ! カッ!

バギイイイイイイイイイイイイインッ……!!

森崎「……なにィ!?」

ベアト「くっくっく。そこそこの青き真実だったが、真相からは程遠い。
    妾に五つの赤を切らせた事は褒めて遣わすが、これで終わりとすれば片腹痛いわ!」

森崎「畜生……全然効いてねぇ……ッ!」

293 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 00:18:03 ID:fbZZMR3M

森崎はこのゲームで初めて狼狽した。しかし、それも無理はない。
松山の入室直後にヤグ=ルマと言う名の人間が入り、鍵を閉めてから殺す説は、それなりに筋が通っていた。
しかし、【ヤグ=ルマは入口を施錠していない】。
つまり、松山の殺害とは直接無関係なふらの中メンバーの目を掻い潜ってヤグ=ルマは用具室に入り、
そして松山を殺害しなくてはならないのだ。……そんな事が、本当にできるのだろうか?


森崎「(ヒント役が不在、ってのも相当辛いぜ……。ま、それに頼るってのもシャクだけどな……)」

森崎は気を取り直して、この事件の真相をもう一度考えてみる事にした。


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

294 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 00:23:37 ID:???
『ヤグ=ルマは松山と全く同じ外見をしていたため、ふらの中メンバーの目を掻い潜ることができた』

295 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 00:30:45 ID:???
これか?『ヤグ=ルマは藤沢である』

296 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 00:39:01 ID:fbZZMR3M
>>294-295
森崎「なら、こうだ……!
    『ヤグ=ルマは松山と全く同じ外見をしていたため、ふらの中メンバーの目を掻い潜ることができた』。
    それから先はさっきと同じ、松山が入った直後に体育用具室に入り、
    ふらの中メンバーが入口を施錠した直後に松山を殺害した!」

ドーーーーンッ!

ベアト「……ふん。中々しつこい男よ。では、少し大きいが――やはりここは温存せず、切ってしまうか」

シャキーンッ!

ベアト「【松山が体育用具室にやって来てから、ゲーム終了時まで、体育用具室に入って来た者はいなかった】!
     ――もっとも、これには悪魔は含めぬぞ。松山が体育用具室に入って来てから、暗闇から悪魔が生まれ。
     そして、松山を蹴り殺したのだ! くひゃひゃひゃひゃァッ!」

ズバァァァッ…! ――ガシャーンッ、ガラガラガラ……。

先程の青を発展させ、森崎が練りだした青き真実の槍は
――ベアトが放った巨大な赤き太刀の一撃により、粉々に砕かれてしまった。

297 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 00:41:19 ID:???
「ヤグ=ルマは松山から生まれた」

298 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 00:41:31 ID:fbZZMR3M
森崎「は……はァ!? 【松山が体育用具室にやって来てから、ゲーム終了時まで、体育用具室に入って来た者はいなかった】ァ?
    ふざけんなよ! だったら、いつヤグ=ルマが体育用具室に入って来たって言うんだ!?」

ベアト「だーかーらー。悪魔だから暗闇から生まれたんだってばァ〜。くひゃひゃひゃっひゃ!
     体育用具室はゲーム中ず〜っと密室。でも、松山は体育用具室にやって来て、そこで殺された!
     これをどう人間とトリックで説明するんだァ森崎ィ? そろそろ土下座の時間じゃねぇのかくひゃへおらァ!?」

森崎「ぐ、ぐぐぐ……!! じゃあこうだ、『ヤグ=ルマは藤沢である』!
    藤沢だったら、壁をすり抜けたり、密室を破ったり楽勝……!?」

ベアト「ざんね〜〜ん☆ 【ヤグ=ルマとは藤沢ではない】、っていうかァ、
    仮にヤグ=ルマが藤沢だったとして、どうやって密室に忍び込めるかの説明にはなってないよなァ〜?
    そこを説明しない限りは、どうあってもお前は勝てないんだよモロサキィィイイィィィィイイィ!」

森崎「く、くそっ……!」

くひゃひゃひゃひゃ……と、魔女の高笑いが鳴り響く。
第一の晩、森崎はいよいよ本気を出した魔女の手番に翻弄されるまま、
屈辱の時を過ごしたのだった……。

299 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 00:45:30 ID:fbZZMR3M
……と、言ったところで今日のゲームはここまでにします。
今回のゲームは難易度が高いのと、少し定義にイジワルな箇所があるので、
恐らく解けるまで最短で2〜3日かかるのではないかと思っています。

明日も夜10時頃から始めたいと思いますが、
それまでに復唱要求や仮説がありましたら、返してから開始としますので、
コメントして頂ければ幸いです。
本日は、ゲームに参加して頂き、誠にありがとうございました。

>>297
すみません、今日は終わりにしますが、それについて魔女は復唱を拒否するそうです。
もしも確信がおありでしたら、青で攻めてみるのも良いかもしれませんね。

300 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 00:54:57 ID:???
乙でしたー
「松山と書いてヤグ=ルマと読む」

301 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 08:24:17 ID:???
『松山は女であり、ヤグ=ルマは松山のお腹にいた胎児。松山の死因は破水』

302 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 10:26:42 ID:???
乗り遅れた…そして打ちたい復唱要求も青も思いつかない…

303 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 11:56:47 ID:???
「松山に外傷はある」
「ヤグ=ルマは成人している」

304 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 20:56:53 ID:fbZZMR3M
今日は予定通り、夜22時〜ゲームを始めようと思います。
現在残った復唱要求・青字にはその時答えますが、事前にこれまでの赤字を並べてみたので、
推理に使って頂ければ幸いです。
>>300
乙と復唱要求ありがとうございます!
>>302
今日からの参加でもOKです! これまでの赤字を見て、これはと思う推理をコメントして頂ければ幸いです。

305 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 21:04:38 ID:fbZZMR3M

〜黄金郷・魔女のテラス〜

ワルギリア「……ふむ。ベアトが森崎くんに新しいゲームを出題しているようですね」

ここは森崎達がゲームを行っている世界から見て上位に位置する世界。
神と同じ俯瞰の視点にて、有限の魔女ワルギリアは二人のゲームを人知れず観戦していた。

ワルギリア「――って、これ。私が昔ベアトに教えてあげたゲーム盤じゃないですか。
        設定や真相はあの子らしく充分嫌らしく捻ってあるけれど、もう……。
        どれだけ森崎くんに負けたくないのですか、あの子は」

ワルギリアの視点からは、森崎の手札だけでなく、ベアトの手の内すらも完全に読み取る事が出来る。
そこで彼女はこの事件の真相を一足早く知り、そして――その内容の悪辣さに呆れかえるのだった。

ワルギリア「外部から閉ざされた密室における不可能犯罪。居る筈のない人間による殺人。
        この手のトリックは魔女のゲーム盤では頻出ですが……。
        あの子は、そのトリックにもう一つ、嫌らしい仕掛けを施している。
        下手を打てばロジックエラーの謗りすら免れないでしょうに……」

ワルギリアはかつての弟子の意地汚さを思い出して溜息を吐く。
相手する森崎も負けじと悪辣だろうが――千年を生きたあの子に勝てるかしら。
……とはいえ、と。彼女は同時に少し安心した様子も見せた。


306 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 21:06:16 ID:fbZZMR3M

ワルギリア「――ですが、その中でもウィッチハンターの加護はどうやら大きいようです。
        苦しみながらも森崎くんは、このゲームの謎に少しずつ迫って来ている。
        これならば、私が出しゃばる必要もないでしょう。
        ……もっとも、二人とも、真剣勝負の最中に水を差されたくはないでしょうけど」

ワルギリアはベアトリーチェと同じ異世界から森崎達の世界へとやって来た。
しかし、老魔女のスタンスは、この世界においても魔女幻想を広めたいベアトとは少し異なる。
故に――彼女は魔女でありながら、中立の視点で今回のゲームを見守り続ける。

ワルギリア「さて。この世界をも『観劇』されている皆さんには、少しばかりの御駄賃をあげましょうかね」

彼女が言う『御駄賃』とは、その宣言通り彼女が中立であるからこそ出来る、ちょっとした魔法。

ワルギリア「これまでの戦いで出た赤き真実。これを纏めてみました。
        これを良くみれば、彼女が放った意地の悪い罠の正体が分かる……かも、しれませんよ?」

その魔法を唱えた後――有限の魔女は再び、穏やかな黄金の安らぎに身を委ねるのだった。

307 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 21:07:31 ID:fbZZMR3M
〜これまでの赤字〜※これまでに出ていた内容と、誤解が無いよう書き方を変える・統合する場合があります。


−松山について−
【松山は一人で体育用具室にやって来た】
【松山は体育用具室に閉じ込められていた】
【松山は体育用具室にて、ヤグ=ルマの直接攻撃によって蹴り殺された】
【松山が体育用具室にやって来てから、ゲーム終了時まで、体育用具室に入って来た者はいなかった】
【松山はゲーム終了時、死亡している】
【松山は体育用具室の鍵を持っていなかった】
【松山の死因は打撲である】


−体育用具室について−
【ゲーム開始時前、体育用具室には誰も居なかった】
【ゲーム開始時から終了時まで、体育用具室はベアトリーチェの密室定義を満たす】
【ゲーム開始時とはふらの中メンバーが体育用具室を施錠した時を指し、
 ゲーム終了時とはふらの中メンバーが体育用具室を開錠した時を指す】
【体育用具室内には一切の隠し扉は存在しない】



308 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 21:09:30 ID:fbZZMR3M
−ヤグ=ルマについて−
【この事件の犯人はヤグ=ルマであり、共犯は無い】
【ヤグ=ルマは自らの意志で松山を殺した】
【松山死亡時、ヤグ=ルマは体育用具室内に存在していた】
【ヤグ=ルマは単独の存在であり、複数存在しない】
【ヤグ=ルマは道具を使わず松山を殺した】
【ヤグ=ルマは一人の人間であり、人間の集団ではない】
【ヤグ=ルマは入口を施錠していない】


(ふらの中メンバーについて)
【ふらの中メンバーは松山を殺害していない】
【ふらの中メンバーにヤグ=ルマは存在しない】
【入口を施錠したのは、ふらの中メンバーである】


−この世界全体について・その他−
【このゲーム盤の内容はフィクションであり、現実の人物・地名・事件と一切関係しない】
【この事件は、このゲーム盤世界において現実に起きた事である】
【この事件は、ネットゲーム上の出来事ではない】
【このゲームに、一人で二つ以上の名を持つ人間は存在しない】
【ゲーム開始時からゲーム終了時まで年単位の時間は経過していない】
【異常気象は松山の死亡前後に発生していない】
【カゲ=ヤマなど存在しない】
【ヤグ=ルマとは藤沢ではない】

309 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 21:27:48 ID:???
「ゲーム開始時、松山は生存していた」
『ヤグ=ルマは体育用具室で待ち伏せしており松山を蹴り殺した。その後立ち去る前に道具Xを設置し、
用具室にやって来たふらの中メンバーに体育用具室内で松山が生きていると偽造しメンバーに鍵をかけさせた』

310 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 21:55:54 ID:???
「体育倉庫そのもの、体育倉庫内にあったものはゲーム開始前と終了直後に配置場所が違う、壊れるなどの変化は起こっていない」

311 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:03:11 ID:fbZZMR3M
Episode 3   Revenge of the golden witch 〜黄金の魔女の雪辱〜 第二の晩 開始

−魔女の出題(幻想描写は>>243-246)−
【松山は体育用具室に閉じ込められていた】ところ、【松山はヤグ=ルマによって殺された】。
しかし、【松山は一人で体育用具室にやって来た】上に、【ゲーム開始前、体育用具室には誰も居らず】、
加えて、【ゲーム開始時から終了時まで、体育用具室はベアトリーチェの密室定義を満たす】状況下だった。
 ※なお、【ゲーム開始時とはふらの中メンバーが体育用具室を施錠した時を指し、
  ゲーム終了時とはふらの中メンバーが体育用具室を開錠した時を指す】。

魔女側はこれを、「地獄の悪魔ヤグ=ルマが暗闇から現れて松山を蹴り殺した」と主張する。
人間側は、「魔女の魔法」「悪魔の実在」以外の方法により、今回の状況を再現できる仮説を提示し
(仮説は、【赤き真実】に抵触しないこと)、以て魔術師の主張を否定する必要がある。

−ルールまとめ−
・人間側(=参加者)は、魔女(=GM)に対し、「復唱要求(=事実の確認)」および、
 『青き真実(=魔法を否定するための仮説)』を放つ事ができます。
 
 (復唱要求ならば、要求したい内容を「」に入れて書き込みを。
  青き真実ならば、事件の一連を示した内容を『』に入れて書き込みをしてください。)

・魔女は、参加者の「復唱要求」に対し、【赤き真実(=絶対的な事実)】にて復唱することができます。
 ただし、魔女は「復唱要求」に応ずる義務はなく、応じない理由を示す義務もありません。

・魔女は、参加者の『青き真実』に対し、【赤き真実】にて否定する義務があります。
 否定の方法は魔女の裁量に委ねられますが、ここで『青き真実』を否定できない場合は、魔女の敗北となります。

・人間側は、魔女の【赤き真実】に対し、打ち出せる『青き真実』が出なくなった場合、
 リザイン(=投了)を表明することにより、敗北となります。

・どうしても謎が解けない場合、森崎が自分でヒントを考えつきます。
 ヒントが欲しい場合は、「ヒントが無いか考える」と書き込みして下さい。ヒントを書いていきます。
 (ヒントが要る方と要らない方に別れた場合、ヒントが要らない方は申し訳ないですがスルーして下さい。) 

312 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:09:56 ID:fbZZMR3M
>>300,>>303.>>309(復唱要求のみ),>>310
森崎「まだだ……まだ諦めん! 復唱要求ッ!
    「松山と書いてヤグ=ルマと読む」
    「松山に外傷はある」
    「ヤグ=ルマは成人している」
    「ゲーム開始時、松山は生存していた」」

ベアト「くくくっ……そうこなくては面白くない。
     一つ目は復唱拒否だ。何故なら、【松山と書いてまつやまと読む】からだ。当たり前だよなァ?
     二つ目は復唱しようぞ、【松山に外傷はある】!
     三つ目は復唱拒否だ。これは中学生同士の話だぞ? 成人が居る訳あるまい
     四つ目は……復唱拒否。理由は特にない。
     五つ目は復唱する、【体育倉庫そのもの、体育倉庫内にあったものは、
     ゲーム開始前と終了直後に配置場所が違う、壊れるなどの変化は起こっていない】。
     厳密に言えばミリ単位で動いている、破損が進んでいる事はあるかもしれぬが、
     そうした事は考慮に入れる必要が無いため、赤で切らせて貰った」

森崎「へぇ……?」

第一の晩において、森崎はベアトが放った悪魔ヤグ=ルマの謎に翻弄されていた。
しかし、少しずつ赤を重ねた事により――その形勢は、少しずつではあるが、逆転しつつあった。

313 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:12:40 ID:fbZZMR3M
>>301

森崎「成程な。大体推理が出来て来たぜ。松山が一人で誰もいない密室にやって来て、
    その中で、誰か別の人間に殺される方法がよ……!」

ベアト「ほう……? ならば撃ってみるが良い。妾に情けは要らぬぞ」

森崎「青き真実!」

カ ッ !

森崎の宣言と共に、これまでよりも更に練度と鋭さを増した杭が現出する。
そして、――指を思いっきり魔女の心臓に突き出すと同時に、それは放たれた。


森崎「『松山は女であり、ヤグ=ルマは松山のお腹にいた胎児。松山の死因は破水』」


ドオオオオオオオオオオオオオオッ……ンッ!!


ベアト「なにィ……!?」


314 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:15:07 ID:fbZZMR3M
その青はまさしくベアトリーチェの心臓を貫き得る、究極の青。
被害者しか居らぬ密室での他殺を可能にする、奇蹟の一手。
そう。松山が一人でやって来たとしても、その後二人になる可能性は途絶えていなかったのだ。

森崎「……松山は俺の知る松山光(ひかる)君じゃなくて、女の松山光(ひかり)ちゃんだったんだな。
    そして、そいつは体育用具室で子どもを産んだ。しかし、その時赤ん坊が暴れて難産になった。
    ギリギリになって赤ん坊は出生し、松山ちゃんはどういう発想か『ヤグ=ルマ』と赤ん坊に名付けた。
    が、その時。……松山は事切れたんだ。出産時による破水によってな」

ベアト「む、むぅううううぅぅぅ……! だ、だが! 【松山の死因は打撲】であるぞ!
     死因は破水では無いのでは――ぐううっ!」

ズウウ……ッ!

ベアトは敗北を回避する為に必死に赤を紡ごうとするが、森崎の青の方が早かった。
それはベアトの心臓を一直線に貫き、彼女は激しく吐血する。


315 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:18:58 ID:fbZZMR3M

ベアト「おのれ……おのれぇぇええぇぇぇっ! 一度ならず、二度までもこの妾がァぁぁぁ……!」

森崎「――それが痛いって事は、テメエの反論は意味がないって事を、自分自身が認めてるだけだぜ?
    この謎の肝は、ヤグ=ルマの正体探し。それにおいて、死因はさしたる意味を為さない。
    自分で言った発言が仇になったな」

ベアト「ぐうううぅううぅぅっ……!」

ポタ、ポタ……。

サロンに魔女の赤い血が流れる。森崎は、ゲームの勝利を確信していた。

森崎「……見苦しく負ける前に、リザインしたらどうだ? 黄金の魔女さんよ」

ベアト「――うむ。そうだな……。今のそなたの青で、漸く決心がついた」

ベアトリーチェは、自分の胸に刺さった杭を引き抜き、噴き出す血にも気にせずよろよろと歩いて行き――。






ベアト「――【松山の性別は男であり、出産は不可能】」




316 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:20:21 ID:fbZZMR3M
カッ!

その宣言の刹那、ベアトの周囲に黄金の魔力が溢れた。
すると、彼女のこれまでの傷はたち所に癒え、むしろ美しく輝いてすら見える。


ベアト「くくく……くわーーーーーひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっはやぁひぃふゥッ!!
    妾がそのような単純かつ古典的なトリックを、バカ正直に出して来ると思うかァ、バーカ!
    そなたが思案の末、そのような結論に辿り着く事位、御見通しよ!」

森崎「あ、あんだと……!?」

やられたフリをして相手をぬか喜びさせ、後でそれをひっくり返すような嫌味な性格の持ち主である事は、
森崎はとうに熟知していた。しかし今は、それよりも自分の仮説が否定された事に対し混乱を隠せなかった。

森崎「ヤグ=ルマは松山が生んだ子供じゃないのかァ……?
    でも、そうでもしないと密室の体育用具室には入って来れないって言うのに……!」

ベアト「くくく……悩むが良い、悩むが良い。そなたが苦しそうな顔をしているのを見ると、
    妾は心底、安らいで幸せな気持ちになれるのだ……くひゃひゃひゃひゃ!」

森崎「知ってたが、マジでゴミクズだな、お前……!(良い線言ってる推理だと思ったんだがな。
    畜生……! ヤグ=ルマはマジで何者なんだよ……!?)」

森崎は歯ぎしりしながらも、一度構築した推理の再検討を強いられ、苦しげな表情を隠せなかった。


317 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:23:24 ID:fbZZMR3M

>>309
森崎「なら、この青はどうだ……!『ヤグ=ルマは体育用具室で待ち伏せしており松山を蹴り殺した。
    その後立ち去る前に道具Xを設置し、用具室にやって来たふらの中メンバーに、
    体育用具室内で松山が生きていると偽造しメンバーに鍵をかけさせた』……ッ!」

ドーーーン!

ベアト「おやおや森崎、さっきと比べて青字にキレが無いぞ?
     この程度の青これで切ってやろう、【ふらの中メンバーは、松山の死を必ず間違えない】
     ……即ち、【死者の生存を誤認させるトリックXは、この事件において使われていない】とも言える!
     ホラホラホラぁ? どうした森崎ィ? 妾が応援してやろうかァ?」

森崎「テメエの応援なんて、耳が腐るだけだぜ……!」

ベアト「くっくっく……それは勿体ないのぅ。妾のソロモン七十二色の悪魔的ヴォイスで、
    そなたを魅了して止まなかったと言うものを!」

森崎「(ポロっとデカい赤を出したのに、ご機嫌って感じだな、ベアトの奴め……!
    畜生、俺はまだ何かを見落としている……『見落とすように仕向けられている』のか……!?)


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆


318 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 22:36:59 ID:???
「ゲーム終了時、松山の死体は用具室にあった」
『松山がヤグ=ルマに用具室で殺されたのは過去の話で、ふらの中メンバーは松山がそもそも死んでいるものと認識していた』

319 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:43:02 ID:fbZZMR3M
>>318
森崎「……復唱要求! 「ゲーム終了時、松山の死体は用具室にあった」」

ベアト「おお! まだ諦めてなかったか森崎。妾は嬉しいぞォ?
    諦めの悪いヤツ程屈服した後のサバトは楽しくなるからなァ!
    復唱しようぞ、【ゲーム終了時、松山の死体は用具室にあった】」

森崎「ちいっ……ならば、この青もダメか……!?
    『松山がヤグ=ルマに用具室で殺されたのは過去の話で、
    ふらの中メンバーは松山がそもそも死んでいるものと認識していた』!」

ベアト「うむ。これは先程の赤でも切れると考えるが……しかし、死体がずっと放置されている可能性もあるからな。
    故にこれを切ってやろう、【松山はゲーム開始時からゲーム終了時までの間に殺された】!
    どうだァ? 信じた可能性がどんどん切られていくこの絶望は?
    そなたが魔女や悪魔を信じれば、もう苦しまなくても済むのだぞぉぉおッ?」

森崎「ぐぐぐ……(ゲーム開始時からゲーム終了時に限定された以上、
    時間軸を使ったトリックを考えるのは大分難しくなったな……。――クソッ、もう一度考え直しだ!」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

320 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 22:51:22 ID:???
『ヤグ=ルマとは松山の深層心理に眠っていた別人格だ。松山が死んだのは、別人格のヤグ=ルマが表に出て暴走したからだ』
『死因は、用具室の壁に体をぶつけた事による打撲だ』

321 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 22:56:24 ID:???
『ヤグ=ルマは用具室にあったクローン生成装置により作られた松山のクローンである』
『ヤグ=ルマは用具室の鏡に写った松山の虚像であり、精神的に錯乱した松山はそれを見て自身を蹴り殺した』

322 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:58:32 ID:fbZZMR3M
>>320
森崎「――『ヤグ=ルマとは松山の深層心理に眠っていた別人格だ。
    松山が死んだのは、別人格のヤグ=ルマが表に出て暴走したからだ』
    『死因は、用具室の壁に体をぶつけた事による打撲だ』……ッ!」

ドーーンッ、ドーーーンッ!

ベアト「うむ。積極的に青を出すその姿勢ぞや良し! しかし既出の赤で切らせて貰おう!
    一つ目!【このゲームに、一人で二つ以上の名を持つ人間は存在しない】!
    別人格が別の名を持つ事は、一人で二つ以上の名を持つことと定義するッ!
    二つ目!【松山は体育用具室にて、ヤグ=ルマの直接攻撃によって蹴り殺された】
    壁に身体をぶつけた事と、直接攻撃によって蹴り殺された事とは相違するッ!」

キィィィインッ、バギイイッ!

森崎「畜生……! せめて少しでも赤を引き出したかったのに……!」

ベアト「無駄無駄ァ、妾をソリマチ卿のような雑魚と一緒にしないで貰おう。
    妾を殺したくば、相応の質と物量を用意せねば不可能ぞ! あーっはっはっは!」

森崎「ほんっと、ムカツク奴だぜ……! 絶対に泣かせてやるからな……!!」

323 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 23:06:21 ID:fbZZMR3M
>>321
森崎「お望み通り、物量で攻めてやるぜ!
    『ヤグ=ルマは用具室にあったクローン生成装置により作られた松山のクローンである』
    『ヤグ=ルマは用具室の鏡に写った松山の虚像であり、精神的に錯乱した松山はそれを見て自身を蹴り殺した』」

ドーンッ、ドーーーーーンッ!

ベアト「くひゃひゃひゃひゃ、クローン生成装置と来たか! お次に出るのは謎の青き狸型ロボットXえもんかァ!?
     面白い青には敬意を表するが、切らせて貰う!
     【出入り口の施錠を除く、用具室にある道具・器具の全てはこのゲームに関係しない】!
     便宜上舞台が体育用具室なだけで、あるのはドアが一つのみの監獄であっても、条件は一緒という事だ!
     もう一つの青は、これまでの赤を強化して切る。【ヤグ=ルマは一人の実体のある人間であり、人間の集団ではない】
     『実体のある』を付け加えた事により、この仮説は否定されるッ!」

シャキーンッ、シャキーン! ズバァァァァッ! ……ガシャァァァァァンッ!

森崎「くっ……いってぇ……!」

ベアト「痛いものよ。理論上、青は無限に放てるが、それを放つ際には人間の精神が削られる。
     精神を削って削って……それでも尚魔女に抗うか。それとも、痛みに耐えきれず屈服するか。
     森崎、そなたはどうするつもりだァ?」

森崎「……ふ、ざっけんな。勿論、前者に決まってるぜ……!
    テメエみたいなやつに指図される位なら、死んだほうがマシだ!!」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆


324 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 23:14:56 ID:???
「松山という名前の人間は一人しか存在しない」

325 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 23:20:24 ID:fbZZMR3M
>>324
森崎「復唱要求ッ、「松山という名前の人間は一人しか存在しない」」

ベアト「要求を認める。【松山という名前の人間は一人しか存在しない】。
     加えて、【このゲームにおいて、同性同名の人間・生物・物体は存在しない】。
     ……妾は、ソリマチ卿と同じような真相は用意しておらぬぞ?」

森崎「頼んでも無いのに、ヒントありがとよ……(名称トリックも駄目そうか……?
    でもこうなったら厳しいな。一体どうやって、ヤグ=ルマは松山の居る体育用具室に入り込んだんだ?
    ……何か、根本的な見落としがあるのか? う〜む。もう一度赤とにらめっこするしか無いか……)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

326 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 23:25:35 ID:???
「ふらの中メンバーには松山も含まれる」

327 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 23:26:36 ID:???
『ふらの中メンバーである松山は外から体育用具室の鍵を施錠。
そのあと、ふらの中メンバーではないヤグ=ルマが松山から鍵を受け取り、体育用具室の扉を解錠し、体育用具室の中に入った。
ヤグ=ルマは体育用具室に松山を招き入れ、松山に体育用具室の鍵を閉めさせた後に、松山を蹴り殺した。
その後、松山とは別のふらの中メンバーが体育用具室に来て扉を解錠するまで、ヤグ=ルマは松山の死体と共に体育用具室の中に居た』

328 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 23:32:39 ID:???
>>327 凄いなこれ、確かにこれなら赤には一切抵触しないな

329 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 23:33:31 ID:fbZZMR3M
>>326
森崎「復唱要求、「ふらの中メンバーには松山も含まれる」!」

ベアト「……復唱を拒否する。理由は特にない」

森崎「ん……? さっきまで気前よく赤を出してくれてたのに、どうしたんだと突然」

ベアト「ふん。サービス期間は終わったのよ! それよりも、そなたの手番はそれだけかァ?
     復唱要求の成果が無いと嘆くならば、青を打ってくるが良い、青を!」

330 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 23:36:58 ID:fbZZMR3M

>>327
森崎「言わずもがなだ、青き真実!」

カッ!

森崎「『ふらの中メンバーである松山は外から体育用具室の鍵を施錠。
     そのあと、ふらの中メンバーではないヤグ=ルマが松山から鍵を受け取り、
     体育用具室の扉を解錠し、体育用具室の中に入った。
     ヤグ=ルマは体育用具室に松山を招き入れ、松山に体育用具室の鍵を閉めさせた後に、松山を蹴り殺した。
     その後、松山とは別のふらの中メンバーが体育用具室に来て扉を解錠するまで、
     ヤグ=ルマは松山の死体と共に体育用具室の中に居た』」

ドーーーンッ!

ベアト「なるほど、なるほど……。【入口を施錠したのは、ふらの中メンバーである】の赤を活用して来たか。
    他の点においても、赤に抵触しないよう丁寧な工夫を施してある事は認められるし、
    先ほどの復唱要求にも頷ける……! だが、妾はこれでそなたを否定する!」

シャキーンッ!

ベアト「――【松山は入口を施錠していない】!」

バシュンッ! ズバァァッ!

森崎の練り上げた綿密な杭を、ベアトは真っ直ぐに鋭い赤のレイピアで切り伏せる。
それはまさしく、人間の努力を一笑に付す、魔女のみが扱いうる『真実の魔法』。

331 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 23:43:42 ID:fbZZMR3M
森崎「マジかよ……! 今のは完璧に決まったと思ったのによぉ……!」

ベアト「褒めてやりたいのは妾の方だ森崎。そなたは確実に、妾との最初の戦いの時と比べて、
    大きく成長している。魔女のゲームに慣れて来て、上達している。――しかし!」

カッ!

魔力が迸ると、ベアトの身を守るように、赤き結界が張り巡らされる。

ベアト「理詰めの『推理』はあくまでも、魔女を倒す為の両輪の一つにしか過ぎぬ!
     もう一つの車輪を使いこなせねば、妾の心臓には至れぬぞ!」

森崎「もう一つの車輪……?」

ベアト「それが何であるかは、これまでの妾や、ソリマチ卿とのゲームを振り返って考えてみるが良い。
     そなたは確かに真実には至りつつある。しかし今は至れておらぬ。
     その隙間を乗り越える為の力を、この妾に見せてみよ!
     さもなくば全裸首輪椅子となれ、森崎ィィィィィイイィィィィイイイィィィィィッ!!」

森崎「……!(もう一つの車輪……。それはきっと――真実をこじつける為の『屁理屈』だ。
    これまで当たり前だと思っていた事。当たり前だと思わされていた事。
    違うに決まっていると思っていた事。違うに決まっていると思わされていた事。
    その中に、きっと魔女を倒すための『何か』がある筈なんだ……!)」

ベアトの挑発に、一度折れかかった森崎の思考は再回転を始める。そして――。


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

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0ch BBS 2007-01-24