キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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屁理屈推理合戦withキャプ森

1 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2016/12/30(金) 03:30:43 ID:???






――この物語はどうせ幻想に決まってます。
      キャプ森本編・外伝及び「うみねこのなく頃に」本編と関係有る筈もありません――。











※このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品で、「うみねこのなく頃に」とのクロスオーバー作品です。
※内容は、「うみねこのなく頃に」本編中の赤字&青字による屁理屈合戦(推理)ゲームを、独自の謎を使って行うものです。
 「うみねこ」本編ストーリーの直接的なネタバレはありませんが、「うみねこ」本編の登場人物がスレに登場します。
※最初のエピソードだけ>>1が書きたいですが、それ以降は他の方も書けるようにしたいとか考えています。

☆出典☆
【うみねこのなく頃に】屁理屈推理合戦スレ@wiki
http://www19.atwiki.jp/herikutu/

315 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:18:58 ID:fbZZMR3M

ベアト「おのれ……おのれぇぇええぇぇぇっ! 一度ならず、二度までもこの妾がァぁぁぁ……!」

森崎「――それが痛いって事は、テメエの反論は意味がないって事を、自分自身が認めてるだけだぜ?
    この謎の肝は、ヤグ=ルマの正体探し。それにおいて、死因はさしたる意味を為さない。
    自分で言った発言が仇になったな」

ベアト「ぐうううぅううぅぅっ……!」

ポタ、ポタ……。

サロンに魔女の赤い血が流れる。森崎は、ゲームの勝利を確信していた。

森崎「……見苦しく負ける前に、リザインしたらどうだ? 黄金の魔女さんよ」

ベアト「――うむ。そうだな……。今のそなたの青で、漸く決心がついた」

ベアトリーチェは、自分の胸に刺さった杭を引き抜き、噴き出す血にも気にせずよろよろと歩いて行き――。






ベアト「――【松山の性別は男であり、出産は不可能】」




316 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:20:21 ID:fbZZMR3M
カッ!

その宣言の刹那、ベアトの周囲に黄金の魔力が溢れた。
すると、彼女のこれまでの傷はたち所に癒え、むしろ美しく輝いてすら見える。


ベアト「くくく……くわーーーーーひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっはやぁひぃふゥッ!!
    妾がそのような単純かつ古典的なトリックを、バカ正直に出して来ると思うかァ、バーカ!
    そなたが思案の末、そのような結論に辿り着く事位、御見通しよ!」

森崎「あ、あんだと……!?」

やられたフリをして相手をぬか喜びさせ、後でそれをひっくり返すような嫌味な性格の持ち主である事は、
森崎はとうに熟知していた。しかし今は、それよりも自分の仮説が否定された事に対し混乱を隠せなかった。

森崎「ヤグ=ルマは松山が生んだ子供じゃないのかァ……?
    でも、そうでもしないと密室の体育用具室には入って来れないって言うのに……!」

ベアト「くくく……悩むが良い、悩むが良い。そなたが苦しそうな顔をしているのを見ると、
    妾は心底、安らいで幸せな気持ちになれるのだ……くひゃひゃひゃひゃ!」

森崎「知ってたが、マジでゴミクズだな、お前……!(良い線言ってる推理だと思ったんだがな。
    畜生……! ヤグ=ルマはマジで何者なんだよ……!?)」

森崎は歯ぎしりしながらも、一度構築した推理の再検討を強いられ、苦しげな表情を隠せなかった。


317 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:23:24 ID:fbZZMR3M

>>309
森崎「なら、この青はどうだ……!『ヤグ=ルマは体育用具室で待ち伏せしており松山を蹴り殺した。
    その後立ち去る前に道具Xを設置し、用具室にやって来たふらの中メンバーに、
    体育用具室内で松山が生きていると偽造しメンバーに鍵をかけさせた』……ッ!」

ドーーーン!

ベアト「おやおや森崎、さっきと比べて青字にキレが無いぞ?
     この程度の青これで切ってやろう、【ふらの中メンバーは、松山の死を必ず間違えない】
     ……即ち、【死者の生存を誤認させるトリックXは、この事件において使われていない】とも言える!
     ホラホラホラぁ? どうした森崎ィ? 妾が応援してやろうかァ?」

森崎「テメエの応援なんて、耳が腐るだけだぜ……!」

ベアト「くっくっく……それは勿体ないのぅ。妾のソロモン七十二色の悪魔的ヴォイスで、
    そなたを魅了して止まなかったと言うものを!」

森崎「(ポロっとデカい赤を出したのに、ご機嫌って感じだな、ベアトの奴め……!
    畜生、俺はまだ何かを見落としている……『見落とすように仕向けられている』のか……!?)


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆


318 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 22:36:59 ID:???
「ゲーム終了時、松山の死体は用具室にあった」
『松山がヤグ=ルマに用具室で殺されたのは過去の話で、ふらの中メンバーは松山がそもそも死んでいるものと認識していた』

319 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:43:02 ID:fbZZMR3M
>>318
森崎「……復唱要求! 「ゲーム終了時、松山の死体は用具室にあった」」

ベアト「おお! まだ諦めてなかったか森崎。妾は嬉しいぞォ?
    諦めの悪いヤツ程屈服した後のサバトは楽しくなるからなァ!
    復唱しようぞ、【ゲーム終了時、松山の死体は用具室にあった】」

森崎「ちいっ……ならば、この青もダメか……!?
    『松山がヤグ=ルマに用具室で殺されたのは過去の話で、
    ふらの中メンバーは松山がそもそも死んでいるものと認識していた』!」

ベアト「うむ。これは先程の赤でも切れると考えるが……しかし、死体がずっと放置されている可能性もあるからな。
    故にこれを切ってやろう、【松山はゲーム開始時からゲーム終了時までの間に殺された】!
    どうだァ? 信じた可能性がどんどん切られていくこの絶望は?
    そなたが魔女や悪魔を信じれば、もう苦しまなくても済むのだぞぉぉおッ?」

森崎「ぐぐぐ……(ゲーム開始時からゲーム終了時に限定された以上、
    時間軸を使ったトリックを考えるのは大分難しくなったな……。――クソッ、もう一度考え直しだ!」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

320 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 22:51:22 ID:???
『ヤグ=ルマとは松山の深層心理に眠っていた別人格だ。松山が死んだのは、別人格のヤグ=ルマが表に出て暴走したからだ』
『死因は、用具室の壁に体をぶつけた事による打撲だ』

321 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 22:56:24 ID:???
『ヤグ=ルマは用具室にあったクローン生成装置により作られた松山のクローンである』
『ヤグ=ルマは用具室の鏡に写った松山の虚像であり、精神的に錯乱した松山はそれを見て自身を蹴り殺した』

322 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 22:58:32 ID:fbZZMR3M
>>320
森崎「――『ヤグ=ルマとは松山の深層心理に眠っていた別人格だ。
    松山が死んだのは、別人格のヤグ=ルマが表に出て暴走したからだ』
    『死因は、用具室の壁に体をぶつけた事による打撲だ』……ッ!」

ドーーンッ、ドーーーンッ!

ベアト「うむ。積極的に青を出すその姿勢ぞや良し! しかし既出の赤で切らせて貰おう!
    一つ目!【このゲームに、一人で二つ以上の名を持つ人間は存在しない】!
    別人格が別の名を持つ事は、一人で二つ以上の名を持つことと定義するッ!
    二つ目!【松山は体育用具室にて、ヤグ=ルマの直接攻撃によって蹴り殺された】
    壁に身体をぶつけた事と、直接攻撃によって蹴り殺された事とは相違するッ!」

キィィィインッ、バギイイッ!

森崎「畜生……! せめて少しでも赤を引き出したかったのに……!」

ベアト「無駄無駄ァ、妾をソリマチ卿のような雑魚と一緒にしないで貰おう。
    妾を殺したくば、相応の質と物量を用意せねば不可能ぞ! あーっはっはっは!」

森崎「ほんっと、ムカツク奴だぜ……! 絶対に泣かせてやるからな……!!」

323 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 23:06:21 ID:fbZZMR3M
>>321
森崎「お望み通り、物量で攻めてやるぜ!
    『ヤグ=ルマは用具室にあったクローン生成装置により作られた松山のクローンである』
    『ヤグ=ルマは用具室の鏡に写った松山の虚像であり、精神的に錯乱した松山はそれを見て自身を蹴り殺した』」

ドーンッ、ドーーーーーンッ!

ベアト「くひゃひゃひゃひゃ、クローン生成装置と来たか! お次に出るのは謎の青き狸型ロボットXえもんかァ!?
     面白い青には敬意を表するが、切らせて貰う!
     【出入り口の施錠を除く、用具室にある道具・器具の全てはこのゲームに関係しない】!
     便宜上舞台が体育用具室なだけで、あるのはドアが一つのみの監獄であっても、条件は一緒という事だ!
     もう一つの青は、これまでの赤を強化して切る。【ヤグ=ルマは一人の実体のある人間であり、人間の集団ではない】
     『実体のある』を付け加えた事により、この仮説は否定されるッ!」

シャキーンッ、シャキーン! ズバァァァァッ! ……ガシャァァァァァンッ!

森崎「くっ……いってぇ……!」

ベアト「痛いものよ。理論上、青は無限に放てるが、それを放つ際には人間の精神が削られる。
     精神を削って削って……それでも尚魔女に抗うか。それとも、痛みに耐えきれず屈服するか。
     森崎、そなたはどうするつもりだァ?」

森崎「……ふ、ざっけんな。勿論、前者に決まってるぜ……!
    テメエみたいなやつに指図される位なら、死んだほうがマシだ!!」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆


324 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 23:14:56 ID:???
「松山という名前の人間は一人しか存在しない」

325 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 23:20:24 ID:fbZZMR3M
>>324
森崎「復唱要求ッ、「松山という名前の人間は一人しか存在しない」」

ベアト「要求を認める。【松山という名前の人間は一人しか存在しない】。
     加えて、【このゲームにおいて、同性同名の人間・生物・物体は存在しない】。
     ……妾は、ソリマチ卿と同じような真相は用意しておらぬぞ?」

森崎「頼んでも無いのに、ヒントありがとよ……(名称トリックも駄目そうか……?
    でもこうなったら厳しいな。一体どうやって、ヤグ=ルマは松山の居る体育用具室に入り込んだんだ?
    ……何か、根本的な見落としがあるのか? う〜む。もう一度赤とにらめっこするしか無いか……)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

326 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 23:25:35 ID:???
「ふらの中メンバーには松山も含まれる」

327 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 23:26:36 ID:???
『ふらの中メンバーである松山は外から体育用具室の鍵を施錠。
そのあと、ふらの中メンバーではないヤグ=ルマが松山から鍵を受け取り、体育用具室の扉を解錠し、体育用具室の中に入った。
ヤグ=ルマは体育用具室に松山を招き入れ、松山に体育用具室の鍵を閉めさせた後に、松山を蹴り殺した。
その後、松山とは別のふらの中メンバーが体育用具室に来て扉を解錠するまで、ヤグ=ルマは松山の死体と共に体育用具室の中に居た』

328 :森崎名無しさん:2017/01/24(火) 23:32:39 ID:???
>>327 凄いなこれ、確かにこれなら赤には一切抵触しないな

329 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 23:33:31 ID:fbZZMR3M
>>326
森崎「復唱要求、「ふらの中メンバーには松山も含まれる」!」

ベアト「……復唱を拒否する。理由は特にない」

森崎「ん……? さっきまで気前よく赤を出してくれてたのに、どうしたんだと突然」

ベアト「ふん。サービス期間は終わったのよ! それよりも、そなたの手番はそれだけかァ?
     復唱要求の成果が無いと嘆くならば、青を打ってくるが良い、青を!」

330 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 23:36:58 ID:fbZZMR3M

>>327
森崎「言わずもがなだ、青き真実!」

カッ!

森崎「『ふらの中メンバーである松山は外から体育用具室の鍵を施錠。
     そのあと、ふらの中メンバーではないヤグ=ルマが松山から鍵を受け取り、
     体育用具室の扉を解錠し、体育用具室の中に入った。
     ヤグ=ルマは体育用具室に松山を招き入れ、松山に体育用具室の鍵を閉めさせた後に、松山を蹴り殺した。
     その後、松山とは別のふらの中メンバーが体育用具室に来て扉を解錠するまで、
     ヤグ=ルマは松山の死体と共に体育用具室の中に居た』」

ドーーーンッ!

ベアト「なるほど、なるほど……。【入口を施錠したのは、ふらの中メンバーである】の赤を活用して来たか。
    他の点においても、赤に抵触しないよう丁寧な工夫を施してある事は認められるし、
    先ほどの復唱要求にも頷ける……! だが、妾はこれでそなたを否定する!」

シャキーンッ!

ベアト「――【松山は入口を施錠していない】!」

バシュンッ! ズバァァッ!

森崎の練り上げた綿密な杭を、ベアトは真っ直ぐに鋭い赤のレイピアで切り伏せる。
それはまさしく、人間の努力を一笑に付す、魔女のみが扱いうる『真実の魔法』。

331 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/24(火) 23:43:42 ID:fbZZMR3M
森崎「マジかよ……! 今のは完璧に決まったと思ったのによぉ……!」

ベアト「褒めてやりたいのは妾の方だ森崎。そなたは確実に、妾との最初の戦いの時と比べて、
    大きく成長している。魔女のゲームに慣れて来て、上達している。――しかし!」

カッ!

魔力が迸ると、ベアトの身を守るように、赤き結界が張り巡らされる。

ベアト「理詰めの『推理』はあくまでも、魔女を倒す為の両輪の一つにしか過ぎぬ!
     もう一つの車輪を使いこなせねば、妾の心臓には至れぬぞ!」

森崎「もう一つの車輪……?」

ベアト「それが何であるかは、これまでの妾や、ソリマチ卿とのゲームを振り返って考えてみるが良い。
     そなたは確かに真実には至りつつある。しかし今は至れておらぬ。
     その隙間を乗り越える為の力を、この妾に見せてみよ!
     さもなくば全裸首輪椅子となれ、森崎ィィィィィイイィィィィイイイィィィィィッ!!」

森崎「……!(もう一つの車輪……。それはきっと――真実をこじつける為の『屁理屈』だ。
    これまで当たり前だと思っていた事。当たり前だと思わされていた事。
    違うに決まっていると思っていた事。違うに決まっていると思わされていた事。
    その中に、きっと魔女を倒すための『何か』がある筈なんだ……!)」

ベアトの挑発に、一度折れかかった森崎の思考は再回転を始める。そして――。


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

332 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 00:03:21 ID:???
「ゲーム開始前からゲーム終了時までの間、死亡した松山を除き、ふらの中メンバーの
人数に変動はない」

333 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 00:11:25 ID:qkMSAZPY
森崎「……第二の晩はこれで終わる。復唱要求!
    「ゲーム開始前からゲーム終了時までの間、死亡した松山を除き、ふらの中メンバーの
    人数に変動はない」」

ベアト「……復唱しよう。【ゲーム開始前からゲーム終了時までの間、ふらの中メンバーの人数に変動はない】」

森崎「今回は素直だな。……って、ん? 若干俺が言ったのと内容が違うんじゃねーか?」

ベアト「んっ? そうだったかなァ……? でも、意味としては全く問題が無かろう。
    ふらの中メンバーの人数に変動は無い。それは間違いなく絶対の事実なのだから」

森崎「ま、まあ。そうだけどよ……(絶対何かある気がする。が……、これも気のせいなような気もする。
    畜生、沢山の青を叩き割られて、俺の精神も弱っちまってるのか? らしくないぜ。
    何にせよ、次こそはお前の心臓を叩き潰してやるからな、ベアトリーチェ……!!)」

334 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 00:14:59 ID:???
「松山は双子である」


335 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 00:26:35 ID:qkMSAZPY
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜黄金郷・魔女のテラス〜

ワルギリア「……成程。あの子はこの窮地をそう凌ぎましたか」

上位世界に作りあげた庭園において、ワルギリアは引き続きこのゲームの趨勢を見守っていた。

ワルギリア「魔女のゲームにおける両輪。即ち、『推理』と『屁理屈』。
        『推理』だけでは、魔女が赤に潜めた悪意に気付けず、
        『屁理屈』だけでは、魔女を殺し得る的確な青が構築できない。
        ……その点において、あの子のゲームは両方の力が無くては解けぬ、良問と言えるかもしれません」

彼女は手元のチェス盤を動かして、今現在の局面を反映させる。
最初ベアトのクイーンがチェックを掛けていたが、森崎はそれを辛うじてではあるが掻い潜り、
今では戦況は五分と五分という所にまで達している。しかし、それだけである。
森崎は良い手も打ってはいるのだが、それから先が続かない。魔女を殺し得るチェックメイトが近いようで、遠い。
しかも、そうして攻めあぐねている内に、ベアトは着実に森崎の陣地を侵食している。

ワルギリア「この勝負には、私は不干渉の方針です。……少なくとも、あの子、ベアトリーチェと森崎くんとの間には。
       ――ですが。もしもあなた達がヒントを望むのであれば、私は応じる事ができるでしょう。
       もし良ければ、核心そのものとも言えるヒントすらも」

この盤面をも俯瞰する魔女は、凛とした声でそう断言する。しかし一方で語気を弱めて。

ワルギリア「……ですが、それを今この場で話すのは興が削がれてしまう。
        故に、私は今は、ごく当たり前の事のみを話しましょう――
        【現状出ている赤き真実。この中に、このゲームの真相に至る為の重要な赤が潜んでいる】と」

……その中で、彼女は赤を使ってまで明確にそう断言した。

ワルギリア「――さて。本日も私の独断ですが、赤を纏めさせてもらいました。
        これを見れば、このゲームの真相に至る事が出来る。かも、しれませんよ。ほっほっほ……」

336 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 00:28:49 ID:qkMSAZPY
〜これまでの赤字〜※これまでに出ていた内容と、誤解が無いよう書き方を変える・統合する場合があります。


−松山について−
【松山は一人で体育用具室にやって来た】
【松山は体育用具室に閉じ込められていた】
【松山は体育用具室にて、ヤグ=ルマの直接攻撃によって蹴り殺された】
【松山が体育用具室にやって来てから、ゲーム終了時まで、体育用具室に入って来た者はいなかった】
【松山はゲーム開始時からゲーム終了時までの間に殺された】
【松山はゲーム終了時、死亡している】
【ゲーム終了時、松山の死体は体育用具室にあった】
【松山は体育用具室の鍵を持っていなかった】
【松山は入口を施錠していない】
【松山の死因は打撲であり、外傷はある】
【松山という名前の人間は一人しか存在せず、双子でも無い】
【松山の性別は男であり、出産は不可能】
【松山と書いてまつやまと読む】


−体育用具室について−
【ゲーム開始時前、体育用具室には誰も居なかった】
【ゲーム開始時から終了時まで、体育用具室はベアトリーチェの密室定義を満たす】
【ゲーム開始時とはふらの中メンバーが体育用具室を施錠した時を指し、
 ゲーム終了時とはふらの中メンバーが体育用具室を開錠した時を指す】
【体育用具室内には一切の隠し扉は存在しない】
【出入り口の施錠を除く、体育用具室にある道具・器具の全てはこのゲームに関係しない】
【体育倉庫そのもの、体育倉庫内にあったものは、ゲーム開始前と終了直後に配置場所が違う、
 壊れるなどの変化は起こっていない】

337 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 00:30:54 ID:qkMSAZPY

−ヤグ=ルマについて−
【この事件の犯人はヤグ=ルマであり、共犯は無い】
【ヤグ=ルマは自らの意志で松山を殺した】
【松山死亡時、ヤグ=ルマは体育用具室内に存在していた】
【ヤグ=ルマは単独の存在であり、複数存在しない】
【ヤグ=ルマは道具を使わず松山を殺した】
【ヤグ=ルマは一人の実体のある人間であり、人間の集団ではない】
【ヤグ=ルマは入口を施錠していない】


−ふらの中メンバーについて−
【ふらの中メンバーは松山を殺害していない】
【ふらの中メンバーにヤグ=ルマは存在しない】
【入口を施錠したのは、ふらの中メンバーである】
【ふらの中メンバーは、松山の死を必ず間違えない】

−この世界全体について・その他−
【このゲーム盤の内容はフィクションであり、現実の人物・地名・事件と一切関係しない】
【この事件は、このゲーム盤世界において現実に起きた事である】
【この事件は、ネットゲーム上の出来事ではない】
【このゲームに、一人で二つ以上の名を持つ人間は存在しない】
【ゲーム開始時からゲーム終了時まで年単位の時間は経過していない】
【このゲームにおいて、同性同名の人間・生物・物体は存在しない】
【このゲームにおいて、死者の生存を誤認させるトリックXは使われていない】
【異常気象は松山の死亡前後に発生していない】
【カゲ=ヤマなど存在しない】
【ヤグ=ルマとは藤沢ではない】

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

338 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 00:32:28 ID:???
『ヤグ=ルマは死体の状態で松山に用具室に運ばれ、何らかの方法Xにより密室内で蘇生し松山を蹴り殺した』
久々にゴーストトリックやりたくなってきた

339 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 00:37:40 ID:qkMSAZPY
…と、言ったところで第二の晩はここまでにします。
明日も同じ時間帯(夜22時〜24時頃)で、第三の晩を行いたいと思っています。
赤の拘束が増え、難易度も高いかもしれませんが、また参加して頂ければ嬉しいです。
(難しすぎる! …などのコメントが多ければ、ゲーム開始前にヒントを出すかもしれません(汗))

>>328
素晴らしい推理だったと思います。
難度の高いゲームだと、発想勝負では勝てず、このような綿密な青を構築しないといけない場合も多々あります。
今回のゲームは……発想の比重がやや大きめで、ただ赤から推理もしないと解けないよ、って感じの塩梅だと思っています。

>>332
先ほど投下した赤字一覧にこれを載せるのを忘れていました。申し訳ございません。

>>334
今回は締め切らせて頂きましたが、ここについては、【松山は双子ではない】ため、
>>336の赤字一覧に盛り込む形で、復唱させて頂きました。

本日もゲームに参加して頂き誠にありがとうございました。
また明日もよろしくお願いいたします。

340 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 00:42:39 ID:???
>>338
すみません、この青については明日に返したいと思います。
ゴーストトリック知らなかったんですが、逆転裁判のシナリオの人が作ってるんですね…。
推理系のゲームは逆転裁判とダンガンロンパ(あとうみねこ?)位しかやらないんですが、これも面白そうです。

341 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 01:41:27 ID:???
「松山はふらの中のメンバーである」
「松山が傷を負った場所は頭だけである」
「ヤグ=ルマの姿、あるいは正体をゲーム開始以前にふらの中のメンバーは知っている」
「(↑を知らない場合)メンバーがヤグ=ルマの姿を見たのは松山の死亡を確認してからである」
「(知っていた場合)ヤグ=ルマと富良野中のメンバーは知り合いである」
「ヤグ=ルマはちゃんとした地球の人間、宇宙から飛来した宇宙人、あるいはワーム、ネイティブなどではない」
「ヤグ=ルマはNINJAであり忍術を持っていた」
『実は男同士でも子供はできないこともない時代でありさらに松山はホモであり出産した』


342 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 21:02:47 ID:???
すみません、今日はゲーム開始時刻が遅れそうです…
22時半位には始められると思います

343 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 22:31:54 ID:qkMSAZPY
Episode 3   Revenge of the golden witch 〜黄金の魔女の雪辱〜 第三の晩 開始

−魔女の出題(幻想描写は>>243-246)−
【松山は体育用具室に閉じ込められていた】ところ、【松山はヤグ=ルマによって殺された】。
しかし、【松山は一人で体育用具室にやって来た】上に、【ゲーム開始前、体育用具室には誰も居らず】、
加えて、【ゲーム開始時から終了時まで、体育用具室はベアトリーチェの密室定義を満たす】状況下だった。
 ※なお、【ゲーム開始時とはふらの中メンバーが体育用具室を施錠した時を指し、
  ゲーム終了時とはふらの中メンバーが体育用具室を開錠した時を指す】。

魔女側はこれを、「地獄の悪魔ヤグ=ルマが暗闇から現れて松山を蹴り殺した」と主張する。
人間側は、「魔女の魔法」「悪魔の実在」以外の方法により、今回の状況を再現できる仮説を提示し
(仮説は、【赤き真実】に抵触しないこと)、以て魔術師の主張を否定する必要がある。

−ルールまとめ−
・人間側(=参加者)は、魔女(=GM)に対し、「復唱要求(=事実の確認)」および、
 『青き真実(=魔法を否定するための仮説)』を放つ事ができます。
 
 (復唱要求ならば、要求したい内容を「」に入れて書き込みを。
  青き真実ならば、事件の一連を示した内容を『』に入れて書き込みをしてください。)

・魔女は、参加者の「復唱要求」に対し、【赤き真実(=絶対的な事実)】にて復唱することができます。
 ただし、魔女は「復唱要求」に応ずる義務はなく、応じない理由を示す義務もありません。

・魔女は、参加者の『青き真実』に対し、【赤き真実】にて否定する義務があります。
 否定の方法は魔女の裁量に委ねられますが、ここで『青き真実』を否定できない場合は、魔女の敗北となります。

・人間側は、魔女の【赤き真実】に対し、打ち出せる『青き真実』が出なくなった場合、
 リザイン(=投了)を表明することにより、敗北となります。

・どうしても謎が解けない場合、森崎が自分でヒントを考えつきます。
 ヒントが欲しい場合は、「ヒントが無いか考える」と書き込みして下さい。ヒントを書いていきます。
 (ヒントが要る方と要らない方に別れた場合、ヒントが要らない方は申し訳ないですがスルーして下さい。) 

344 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 22:40:26 ID:qkMSAZPY

ベアト「グッモーニィィイン、ハワイユゥウウウゥッモロサキィ!
    今宵もお待ちかね、魔女のゲームを始めようでは無いか!」

森崎「……お前しか待ってねぇよ、それ。つか何だよそのテンション」

ベアト「くくくくくっ! 妾は幼少の時から川で溺れるケルピーに石を投げつけるのが大好きだったのだ。
    今のお前のように、赤き真実の海で溺れもがいてる惨めな姿を見るのがもうたまんなくてよォ!
    嬉しくなるとついやっちまうんだァァァ〜〜ッ!!」

森崎「お前の性格のクズっぷりをすっかり忘れていたぜ。
    これ以上の茶番は時間の無駄だ、ゲームを再開するぞ」

ベアト「うむ。かかって来るが良い森崎ィ!」


345 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 22:42:45 ID:qkMSAZPY

>>341

森崎「まずは復唱要求だ、
    @「松山はふらの中のメンバーである」
    A「松山が傷を負った場所は頭だけである」
    B「ヤグ=ルマの姿、あるいは正体をゲーム開始以前にふらの中のメンバーは知っている」
    C「(↑を知らない場合)メンバーがヤグ=ルマの姿を見たのは松山の死亡を確認してからである」
    D「(知っていた場合)ヤグ=ルマと富良野中のメンバーは知り合いである」
    E「ヤグ=ルマはちゃんとした地球の人間、宇宙から飛来した宇宙人、あるいはワーム、ネイティブなどではない」
    F「ヤグ=ルマはNINJAであり忍術を持っていた」」

ベアト「これはまた、物量で攻めてきおって……良い!
     @一つ目、復唱を拒否する。理由は特にない。
     A二つ目、復唱を拒否する。松山の負傷部位については詳細を定めておらぬからだ。
      その理由は、今回の事件の真相においては、松山が直接攻撃によって殺された事さえ分かれば充分だからだ!
     B三つ目、復唱を拒否する。理由は特にない。
     C四つ目、復唱を拒否する。理由はBの復唱を拒否する以上、これに応える義務はないからだ。
     D五つ目、復唱を拒否する。理由は同上だ。
     E六つ目、【宇宙から飛来した宇宙人、ワーム、ネイティブの類は、このゲームにおいて『悪魔』とみなす】!
      くっくっく、当然だよなァ? 人の姿に擬態できる怪物を認めるなど、悪魔を認めると同義だからな!
     F七つ目、【ヤグ=ルマは忍者では無い】し、【忍術、超能力などの類は、このゲームにおいて『魔法』とみなす】!」
      ヤグ=ルマは悪魔でも忍者でも無く、実は魔女だったのかもしれないしなァ! そういう仮説なら妾も大歓迎よ!


346 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 22:46:50 ID:qkMSAZPY
    
森崎「収穫は殆どなし、ってか……ならこれはどうだ、
    『実は男同士でも子供はできないこともない時代でありさらに松山はホモであり出産した』!」

ドーーーンッ!

ベアト「そのような青、恐れるに足らぬわ! 既出の赤で切る!
     【松山の性別は男であり、出産は不可能】! 性別とか時代とか性癖とかは関係ないわ!」

ズバッ、ガキィイインッ……!

森崎「くそっ……!」

第三の晩。森崎の初撃は相も変わらず余裕を隠さぬ魔女によりあしらわれる。
しかし当然、ここで諦める森崎ではない。

森崎「(……これまで考えた仮説の中にだって、真相に至れる発想はあった筈なんだ!
    後は、この発想を有力とする為の推理……どこか。ヤツの赤字には、どこか穴がある筈なんだ!
    前回は失敗したが、今回こそは……!)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

347 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 22:49:59 ID:???
>>338の回答お願いしていいですか?

348 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 22:53:22 ID:???
松山はふらの中のメンバーではないのか?
でも成人がいるわけないって言ってたけどどうなんだ?
松山が教諭か顧問の可能性を今考えてる

349 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 22:56:31 ID:qkMSAZPY
>>347
申し訳ありません、忘れてました!

森崎「……すまん、もう一つ青だ!
    『ヤグ=ルマは死体の状態で松山に用具室に運ばれ、何らかの方法Xにより密室内で蘇生し松山を蹴り殺した』」

ドーーーンッ!

ベアト「――うむ。ならばそれはこう切ろう! 【このゲームにおいて、死者が蘇生する事はない】!
     故に、死者蘇生装置Xの存在は認めぬ!」

シャキーンッ、ガシャァァッンッ!

森崎「死者が蘇生する事は無い……か。ヤグ=ルマはマジでどうやって用具室に入って来たんだ?」

ベアト「だーかーらァ。悪魔だから暗闇から這い出る位楽勝なんだって!
     いい加減認めちまえよ! くけけけけけっ!」

森崎「……(畜生。言い返す気力も奪われて来やがるぜ。でも、ここで諦めたらもっと悔しい!
    だったら、やれるだけやるしかないな……!)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

350 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 22:59:47 ID:???
「松山とヤグ=ルマはゲーム開始以前からお互いを知っていた」
「ヤグ=ルマは体育倉庫に向かう必要があった、松山を殺すには体育倉庫でなければならなかった」

351 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:01:07 ID:???
>>348ふらの中メンバーではないっぽい気がするけど教諭とか顧問だったとしても密室はどうにもならないんじゃないかな?
やっぱりゲーム開始と終了、それと施錠ってのが鍵な気がする。全く分からないけど

352 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:05:59 ID:???
>>351 >>350での返答次第でちょっとできるんじゃないかって青き真実がある
それでも確実とは言えないけど

353 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:07:02 ID:???
「松山とヤグ=ルマは同時に用具室に入った」

354 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 23:07:03 ID:qkMSAZPY
>>350
森崎「……復唱要求だ。
    「松山とヤグ=ルマはゲーム開始以前からお互いを知っていた」
    「ヤグ=ルマは体育倉庫に向かう必要があった、松山を殺すには体育倉庫でなければならなかった」!」

ベアト「――いずれも復唱拒否だ。
     理由は……そうだな。前者は復唱する事も出来るであろうが……いや、これは復唱できぬ。
     後者を拒否する理由については、【松山を殺すには体育用具室である必要性は無い】からだ」

森崎「なんか歯切れの悪い答えだな……」

ベアト「もしかしたら、妾が真相を隠しているとでも思うか? ならば青を打ってみるが良い。ひゃっひゃっひゃっ」

森崎「(前者の復唱拒否理由が気になるな。互いを知っているような、知らないような。
     松山とヤグ=ルマは、一体どんな関係なんだ……?)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

355 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:08:43 ID:???
これなら試せるかな
『ヤグ=ルマはやとわれた暗殺者であり攻撃を逃げた松山を追い詰めるために体育倉庫に追い込んでそこで蹴り殺した
 ふらの中のメンバーはグル』

356 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 23:10:38 ID:qkMSAZPY
>>353
森崎「更に復唱要求、「松山とヤグ=ルマは同時に用具室に入った」!」

ベアト「……復唱を、拒否する。理由は……特に無い」

森崎「(松山とヤグ=ルマは同時に用具室に入った……訳では無いのか。
     聞いといて難だが、ますますワケが分からなくなるぜ……これも作戦なのか?
     密室が堅い以上、この辺りの事実関係は重要になりそうなんだが……)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

357 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:11:40 ID:???
>>355 体育倉庫はたまたまあった逃げ場のない密室だっただけって感じで

358 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 23:23:09 ID:qkMSAZPY
>>355
森崎「青き真実! 『ヤグ=ルマはやとわれた暗殺者であり、
   攻撃を逃げた松山を追い詰めるために体育倉庫に追い込んでそこで蹴り殺した。
   ふらの中のメンバーはグル』!」

ドーーーーンッ!

ベアト「甘いッ、既存の赤字!【松山が体育用具室にやって来てから、ゲーム終了時まで、
     体育用具室に入って来た者はいなかった】!
     ついでにもう一つ既存の赤字!【この事件の犯人はヤグ=ルマであり、共犯は無い】!」

シャキーンッ、ズバァッ、ズバァァァッ!

森崎「ぐっ……! い、いっこも新しい赤を出せねえなんて……!」

ベアト「くっくくく! 追い詰められたようだな、森崎ィ?」

森崎「まだだ、まだやれるはずなんだ……!(今の青や、これまでも青だって。
    少し内容を弄れば魔女と戦えたりもする筈なんだ! 後は、どこをどうすれば良いか、だけなんだが……!?)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆



359 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:25:34 ID:???
『松山とヤグ=ルマは同時に用具室に入り松山を蹴り殺した』

360 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:27:49 ID:???
「今までの赤で出た入り口の施錠、解錠は全て松山が死んでいた体育用具室の入り口のことである」
「ゲーム上の体育用具室はただひとつである」

361 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:29:39 ID:???
「松山は忍術でヤグ=ルマを召喚した」

362 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 23:31:16 ID:qkMSAZPY
>>359
森崎「青き真実! 『松山とヤグ=ルマは同時に用具室に入り松山を蹴り殺した』」

ドーーーーーーンッ!

ベアト「ぐっ……! 既存の赤!【松山は一人で体育用具室にやって来た】!」

カッ! バギイイイッ!

森崎「……一番最初に提示された赤だったな」

ベアト「く、くくくくっ……! そう! 【松山は一人で体育用具室にやって来た】のだ!
    故に、同時に体育用具室に入って来て殺害というのは不可能であるぞ!」

森崎「(だったら……なんでアイツはさっき、あの復唱を拒否したんだ……?
    もしかして、ここに何かアイツのミス――このゲームのハラワタが隠されているのか……?)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

363 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:32:32 ID:???
「松山は人間である」
「ゲーム中において登場人物の改名、及びふらの中への入学、卒業、転入、退学は起きていない」

364 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:34:04 ID:???
【松山は体育用具室にて、ヤグ=ルマの直接攻撃によって蹴り殺された】
【松山の死因は打撲である】
一つ目だけでも死因としては足りてるように見えるのに、二つ目があることでなんとなく転落死のイメージが浮かんできた。
密室を破るのには何の役にも立たなさそうだけど

365 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 23:34:49 ID:qkMSAZPY
>>360
森崎「復唱要求、「今までの赤で出た入り口の施錠、解錠は全て松山が死んでいた体育用具室の入り口のことである」
    「ゲーム上の体育用具室はただひとつである」!」

ベアト「うむ。それは大事な事だ、復唱してやろうぞ。
     【今までの赤で出た入り口の施錠、解錠は全て松山が死んでいた体育用具室の入り口のことである】
     【ゲーム上の体育用具室はただひとつである】
     同一名称の別物を指した赤による錯誤……魔女のゲーム盤では常套手段よ!」

森崎「(そんな性格の悪い手が常套手段とか、つくづくロクなゲームじゃねえな、コレ。
     でもこうなると、このゲーム盤にも、性格の悪い定義付けがあったって不思議じゃないな……)」

366 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:36:58 ID:???
『松山とヤグ=ルマはそれぞれ、別々の入口から同時に用具室に入りヤグ=ルマは松山を蹴り殺した』
これなら【一人で来た】を掻い潜れるかな?

367 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:37:27 ID:???
「体育用具室は複数存在する」

368 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 23:39:01 ID:qkMSAZPY
>>361
森崎「復唱要求、「松山は忍術でヤグ=ルマをしょうか――」」

ベアト「ほほう、それはつまり、リザインという事で良いな?
     【忍術、超能力などの類は、このゲームにおいて『魔法』とみなす】としたが……?」

森崎「し、しねえよ。何でもねぇ!」

>>363
森崎「復唱要求、「松山は人間である」
    「ゲーム中において登場人物の改名、及びふらの中への入学、卒業、転入、退学は起きていない」」

ベアト「ふむ……そこも確認しておく必要があるか。よかろう、復唱!
     【松山は人間である」
     【ゲーム中において登場人物の改名、及びふらの中への入学、卒業、転入、退学は起きていない】!」

森崎「(『小田あたりが用具室に入って、松山に改名』とかは無さそうか……)」

>>367
森崎「(体育用具室は複数存在……は、しないんだな。【ゲーム上の体育用具室はただひとつである】から。
     悔しいが、ここはもう一遍考え直しか……)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

369 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:39:22 ID:???
あ、更新忘れてた。367はなしでお願いします

370 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:46:30 ID:???
>>366の回答をお願いできますか?

371 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:49:12 ID:???
「ヤグ=ルマと松山に血縁関係はない」

372 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/25(水) 23:55:11 ID:qkMSAZPY
>>370
すみません、見落としてました。

森崎「『松山とヤグ=ルマはそれぞれ、別々の入口から同時に用具室に入りヤグ=ルマは松山を蹴り殺した』!」

ベアト「【体育用具室の出入口は一つしか無い】!」

森崎「……(体育用具室の出入口は一つ、か。
    これで松山は一人で体育用具室に入って来たをクリアするのは難しそうだな……)」

ベアト「そうそう! 分かるぞ森崎!【松山は一人で体育用具室にやって来た】に悩んでいるのだろう?
     くーひゃっひゃっひゃッ! そうだよ、松山は一人で体育用具室に入って来たし、
     体育用具室の出入口も一つだから、同時に入って殺すのもムリ。
     そして、【松山が体育用具室にやって来てから、ゲーム終了時まで、体育用具室に入って来た者はいなかった】!
     見ただろ? こりゃもうヤグ=ルマは暗闇から這い出るしかないんだってェ!」

森崎「(……くそっ。まさに八方ふさがりだ。一体どうやって、『どのタイミング』でヤグ=ルマは体育用具室に入ったんだ……?)」


>>371

森崎「復唱要求、「ヤグ=ルマと松山に血縁関係はない」」

ベアト「ああん? 血縁関係ィ? ……復唱を拒否する。理由は特に無い!」

森崎「(血縁関係か……でも、妊娠説はさっきベアトに否定されたしなぁ。
     いやでも、もう一度考えてみる必要はあるか……?)」


☆ベアトリーチェに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

373 :森崎名無しさん:2017/01/25(水) 23:58:45 ID:???
「ゲーム開始と終了はそれぞれ1度ずつしか無かった」

374 :森崎名無しさん:2017/01/26(木) 00:03:06 ID:???
『ヤグ=ルマは松山を体育用具室で出産し、出産後に松山を蹴り殺した』

375 :森崎名無しさん:2017/01/26(木) 00:04:20 ID:???
>>374 言われたァ!

376 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/26(木) 00:06:38 ID:PmhmxqWM
>>374
リザイン! 只今森崎の推理描写を書くので少々お待ちください。

377 :森崎名無しさん:2017/01/26(木) 00:06:48 ID:???
>>374 なるほど、と思ったけどこれどうなんだろう……
【松山は一人で体育用具室にやって来た】

378 :森崎名無しさん:2017/01/26(木) 00:09:17 ID:???
>>377
こじつけだけど、双子じゃないから「一人で来た」とも言えるかなって

379 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/26(木) 00:51:52 ID:PmhmxqWM
>>374

森崎「(……そうか。あの時の青は……まだ死んでいなかったんだ!)」

ふと。混迷する森崎の心に、一筋の発想――『屁理屈』が生まれた。
しかし、その『屁理屈』はそれ単体では脆弱であり、現に一度魔女に踏みつぶされた弱い青。
真相を掴みはしても、心臓を貫くまでには至らなかった。

森崎「(だが――これだけでは勝てない。組み立てるんだ。
    この俺の屁理屈を、あのクソ魔女の心臓にぶち当てるだけの道筋を……!)」

故に、森崎は思考を深め、『推理』を開始した。
これまでの赤字に抵触せず、森崎の発想を通すためには、どのような理論が必要か。
そして、暫くの思案の後――森崎は果たしてそれに辿り着いた。

森崎「……なあ、ベアト」

ベアト「……どうした、森崎よ」

ベアトリーチェは落ち着き払った声で森崎に応じる。
そこに先程までの下品さは感じられず、むしろ千年の時を経て磨かれた気品すらあった。

森崎「てめえの問題は本当に嫌な問題だった。ミスリードに次ぐミスリード。
    それでも何とか真相を掴んだと思ったら、更にミスリードを呼んで真相を包み隠す」

ベアト「くくくっ……それは褒め言葉と捉えても良いのか?」

森崎「罵倒だよ。こんな性格の悪い問題、よっぽどの捻くれ者じゃねえと出せねえ。
    ――まず、問題の前提からしてミスリードだしな」

森崎は自身の推理について順を追って説明するべく、
ゲーム盤の導入となる幻想描写シーンから解説を挟めていく。

380 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/26(木) 00:53:24 ID:PmhmxqWM
森崎「まぁ。幻想描写で嘘をつくのは今更の事ではあるが。お前はただ単に魔法で誤魔化すだけじゃなく。
    この時点で効果的なミスリードを入れて来た。
    ……ヤグ=ルマ、いや矢車と松山の兄弟関係を押し出す事による性別誤認トリック。
    松山の描写の後にヤグ=ルマを登場させる事による登場順序誤認トリック。
    松山が俺達の知る少年では無い事を隠す年齢誤認トリック。
    お前の問題の心臓であるこれらの点を、あの幻想描写は補強していたんだ」

ベアト「ふむ。続けよ」

森崎「――そして、ベアトは俺に対し、問題の趣旨は『ヤグ=ルマの正体を当てる事である』と言った。
    これはまあ、確かに間違っていない。しかしお前は同時にヤグ=ルマの不可解性にスポットを当て、
    この謎を解くにあたって真に重要なピース――『松山の正体当て』から焦点を外させたんだ」

ベアト「……成程、成程。そう考えたか。しかし、この赤はどう説明する?」

ベアトはこれまで自身の周囲に展開されていた赤き真実の一つを抜き取り、提出する。

【松山は一人で体育用具室にやって来た】

ベアト「……松山がヤグ=ルマから生まれた赤子とすると、この『やって来た』という表現は不自然。
     外部から体育用具室に入って来たと誤認されても仕方ない。
     ――この妾が、そのようなロジックエラーを起こすとでも思ったか?」

森崎「いや。だからお前はちゃんと、フェアプレーに即して手掛かりは残していた。
    ……卑怯な手であるのは変わりねえが。お前は、そこは守ったんだ」


381 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/26(木) 00:55:08 ID:PmhmxqWM
【松山が体育用具室にやって来てから、ゲーム終了時まで、体育用具室に入って来た者はいなかった】

ベアト「ふむ。この赤字がフェアプレーの手掛かり、と。そなたは何を思ってそう言ったのだ?」

森崎「『やって来た』と、『入って来た』の違いさ。お前は赤き真実において、
    松山が体育用具室に入って来たとは書かなかった。
    そして、『やって来た』――とは、『赤ちゃんがやって来た』と、
    どこか漠然とした場所から特定の場所にやって来る場合にも使われている。
    だから思ったんだ。『松山は一体、どこからやって来たんだ?』……ってな。
    その結果が、一度お前に潰された妊娠出産説だった訳さ」

ベアト「くくく……! 見事な屁理屈よ。そうか、そこに気付くとはなァ……」

森崎「――俺も出産説だけはここで分かった。松山が男である事は証明されたが、
    ヤグ=ルマが女である事は証明されていないからな。
    後は、ヤグ=ルマが先に用具室に入れる可能性を検討したんだが……入れるんだな、これが」

森崎はそう言って、二つの赤き真実を取り出した。

【ゲーム開始時前、体育用具室には誰も居なかった】
【松山が体育用具室にやって来てから、ゲーム終了時まで、体育用具室に入って来た者はいなかった】

森崎「これの解釈がもう少し早ければ、この謎も解けていたかもしれないな……。
    ――コホン。つまり、『松山は体育用具室にやって来た』のは、上の赤よりゲーム開始時以降ではあるが、
    ゲーム開始時〜松山がやって来るまでには、タイムラグが起きる事が分かるな。つまりこうだ」

ゲーム開始時前→ゲーム開始→松山がやって来る→松山が殺害→ゲーム終了

森崎「俺は最初、先入観でヤグ=ルマが後に入って来たと思ってしまった。
    しかし、実際は違った。ヤグ=ルマの方が、松山よりも先に入室していたんだ。つまり、こうだ」

ゲーム開始時前→ゲーム開始・ヤグ=ルマ入室→松山がやって来る→松山が殺害→ゲーム終了 

382 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/26(木) 00:56:37 ID:PmhmxqWM
森崎『そして、それさえ分かれば、後は俺の発想を通すだけさ。
    つまり――密室下での不可能殺人は、密室下で人間が増える事によって行われた!
    増やしたのは男の松山じゃない、ヤグ=ルマだ!
    故に、俺はこの青を放つ!」


森崎「――『ヤグ=ルマは松山を体育用具室で出産し、出産後に松山を蹴り殺した』」


カッ! ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


ベアト「ぐ、ぐぐぐぐ……!」


森崎が窮地になって放った青は、これまでにない輝きと勢いを持って、ベアトの心臓を貫こうとする。
ベアトはその青き光に苦しそうに顔を歪ませ、そして無様にも地面に這い蹲る。
今にも舌を噛み千切って死にそうな状況の中、彼女は……。

ベアト「良かろう。妾の負けを認める。……リザインだ」


――勝負師らしく、潔く自身の敗北を認めてみせた。

383 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/26(木) 01:06:12 ID:PmhmxqWM
無限と黄金の魔術師ベアトリーチェ卿は、
>>374さまの提出した青き真実に対し、リザイン(投了)を表明しました。
よって、このゲームは人間側の勝利となります。お疲れ様でした。

――――――――――――――――――――――――――――――――


……と、言ったところで今日の更新はここまでにします。
次回以降は幻想描写抜きの真相等を描写の上、第三話完、としたいと思います。

今回の謎の心臓は、「(性別誤認トリックを前提とした)出産による人数トリック」と、
「体育用具室に入った順序の誤認トリック」の二つでした。
単に思いつきで、「松山がヤグ=ルマを出産したんだろ?」……だけでは解けないよう、
幻想描写や赤字を使って、松山とヤグ=ルマが用具室に来た順序をミスリードさせる事を目指しました。
(『やって来た』の表現は少々意地悪だったかもしれませんが、一応判断可能となるよう気を配りました)

今回は謎を二重に重ねており、順序誤認トリックを看破するには赤を読んで推理する必要があったため、
(直観で、『松山が出産してないなら、ヤグ=ルマが出産したんだ』と読む事も出来ましたが)
第一回、第二回と比べて難易度は大きく上がったと思います。
第四回のゲームはもう少し後になると思いますが、今回の難易度が難しかったようでしたら、
次回は少し箸休め的に簡単なゲームにしようかな? とも思っています。
なので、また感想を頂ければ幸いです。

参加して頂いた皆さまにおかれては、長時間にわたってゲームに参加頂き本当にありがとうございました。
お疲れ様でした。

384 :森崎名無しさん:2017/01/26(木) 01:20:29 ID:???
乙なのです
難しかった、けど楽しかったです
もう選択肢ないじゃんってなって行き着いたのが、最初に否定された出産説の逆転とは……
最初否定されたときには、頭に思い浮かびすらしませんでした(汗)


385 :森崎名無しさん:2017/01/26(木) 01:32:19 ID:???
お疲れ様でした、いやーやられたやられた見事に欺かれた。でも非常に楽しかったです。
幻想描写見返すと赤ちゃんだから泣いてるのは当たり前か、とか色々考えさせられますね……
真相描写は見たいような見たくないような……ホラー映画を観てるような気分ですw

386 :森崎名無しさん:2017/01/26(木) 20:51:55 ID:???
出産説をはっと思い出して閃いたのにぎりぎりで出し負けました・・・ちょいとくやしい!

387 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/01/27(金) 00:28:26 ID:???
今日は描写をお休みします(汗)
>>384
乙ありがとうございます。楽しんで頂ければ幸いです。
松山出産説は比較的導きやすいかな?と思いつつ、
そこから逆転で矢車出産説に行かれないよう工夫しました。
(もしすぐに矢車出産説が出ていたら即リザインせずに、
 どうして矢車が松山より先に体育用具室に入れたのか、…という方向で粘ろうと思っていました。)
>>385
ありがとうございます。適度に悩みつつも答えが出てスッキリした、位が丁度良い塩梅かと思っています。
幻想描写は若干叙述トリック風味にしました。
(文中の「自分」及び台詞を言ってるのは、松山では無く全部ヤグ=ルマだったというオチです)
真相描写はちょっとエグい表現が入るかもしれません…
>>386
魔女のゲームは協力制です。誰かが正解の青に至るまでの道筋も、
他の誰かが築いてくれたものですから、答えが出た時点で本来は皆さんが褒められるべきだと思います。

388 :森崎名無しさん:2017/01/27(金) 12:30:42 ID:???
ちょっと見てない間に面白いスレがたってますな
しかしベアトに出産トリックを提示した時の全く効いてないと見せかける演技力には騙されたな

389 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 00:48:36 ID:???
大分間が空いてしまいましたが、真相描写を書いていきます。
>>388
ありがとうございます。新しい試みとして何かできないかと思い始めました。
ベアトの出産トリック外しは少し不親切でしたね…
生まれた順番が鍵だったのでリザインは出来なかったですが、もう少し上手い方法があったと思います。

※今回の真相描写ですが、暴行・惨殺描写が含まれております。
  露骨な表現は(多少は)避けていますが、苦手な方は無理して読まない方が良いかもしれません。

390 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 00:49:41 ID:???
**************************************
【とある少女の復讐】

オギャァ、オギャアァ……と、喉を枯らして泣く赤子の声。

暗い暗い空間に立ち尽くす私を苛立たせるのが、その泣き声だった。
私は堪らず、殺していた筈の情けない声を漏らしてしまう。

「あにきぃ……あにきぃ……助けてよぉ……」

上京した兄が助けてくれる筈もない。しかし、今の私には他に頼れる人はいないのだ。
性別を偽っていた事がバレたのをきっかけに、ふらの中のサッカー部員はこぞって自分を虐めるようになった。
陰湿な嫌がらせが始まった時は、彼らを全く疑っていなかった。
しかし、嫌がらせは少しずつエスカレートしていって、最初はかけがえの無い仲間だった筈の彼らは、
私を人気の少ない場所に誘い込んで、――とても口では言えない事を、私にやった。
それでも、まだ仲間を信じたいという想いが残っていて……。

「ねぇ、私。……誰かの、母親になるかもしれない」
「……はァ? ふざけんじゃねーぞ! そうしたら俺達、どうなるか……!」
「俺の父ちゃんは議員なんだ。父ちゃんに迷惑はかけたくねえ……だから降ろしてくれよ。な?」
「つーか、お前だって満更じゃなかったクセに……」
「そうだ……閉じ込めようぜ。俺達には関係ないからな。お前が勝手に産んで、お前が勝手に死なせるんだ……」
「いいなそれ! 普通ならバレるけど、あいつ孤児で、唯一の身寄りの兄貴は東京だからさ……!」
「……えっ?」

――そう考えている内に、私は閉じ込められた。
サッカーではそんじょそこらの男に負けない自信はあったけど、
単純な力勝負では、私は男に勝てなかった。


391 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 00:50:45 ID:???
「あにきぃ……痛いよぉ……」

彼らに殴られた時、押し倒された時、そしてここに追いやられた時。
色んな時に出来た傷が今も痛む。しかし一番痛いのは、「あれ」をこの世に放り出した時だった。

どうしてこんな痛いのだろうか?
……結局は自分が悪いのかもしれない。だけどそれ以上に、仲間に裏切られたという想いが、
仲間を信じていただけに強く、重く、私の心を蝕んでいたからだろう。

オギャァ、オギャアァ……。

暗闇に支配された体育用具室の中で、「あれ」は無力に泣き続ける事しかできなかった。
……いや、正確には「あれ」には名前があった。
と言っても、それは名前というより呪いに近かったのかもしれない。
なんせその名前は、とあるの部族の言葉で「不幸」を意味しているのだから。

「光を掴もうと思っても、……結局はこうなんだ。痛いしっぺ返しを食らうだけなんだ……」

私の内心は絶望に覆われていた。光を目指して前に進んでいた筈の自分の人生は、もう無い。
あるのはただただ辛い現実と、真っ暗闇の無間地獄だけだった。
だから――そこにもう、普通の人間と同じような良心だとか感情だとかは、残っていなかった。

……キャッキャッ。

「……笑って、いるの」


392 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 00:51:59 ID:???
気付けば、その子は笑っていた。口元を歪めて、泣き声以外の音を出そうとしていた。
……笑うって、どうやるんだっけ。彼はそれすらも判らない様子だった。
そう。その子は――彼は、何も知らない。無垢な赤子に罪は無いのだ。
そして彼は決して、彼の父親と同じようにはなるとは限らない。彼には、無限の可能性が残されている。

「――何、笑ってんのよ……!」

……にも関わらず、私は、その無垢さが泣き声以上に腹立たしかった。
全てを失い、暗闇の狂気に囚われた私は、光を掴もうと笑うそいつが憎らしかった。

「……今、……笑ったか? ……俺の事を……笑ったか?」

サッカーは楽しいが、男のスポーツだ。女はマネージャーとして男を支えるべきだ。
少なくともふらのの町では、その認識が絶対だった。
だからこそ、私は小さいときからずっとサッカーに夢中であるとともに――自分の性別を偽り続けて生きて来た。
「俺」の一人称は使い慣れているし、好きだ。使っていると、自分も強い男になれる気分になれるから。

…………。

私の表情に本能的な恐怖を覚えたのか、赤ん坊はもはや笑っていなかった。
しかし、私の怒りは、私の狂気は、私の憎しみは――もう止まらない。

「……笑うな。……笑うな。……笑うな笑うな笑うなワラウナワラウナァアァァァ!!」

女の癖に男のスポーツをして、男に勝って、でも結局は力に負けてしまう道化な私を笑うな。
お前もあいつらと同じ男だ。結局は私の事を笑うんだろ?そうに決まっている。
ふざけるな。何がママだ。何が母親の務めだ。何が母性だ。
世間一般で語られる赤子に対する印象など、今の私には無い。あるのはただ殺意だけだ。

393 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 00:53:56 ID:???
ドガン。ドガン。ドガンドガンドガンドガン。

「あはっ! あはははははははははっ! 何よ! 弱すぎィ!
 あいつらも生まれて来た時にこんな風に潰したかった! 潰してやりたかったァ!!
 アハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」

そんな中、あの愚かな赤子――「不幸」を意味するマツ=ヤマと名付けられた忌み子の頭蓋を潰した時、
私は麻薬的な快感に包まれた。こんなに気持ちいいのなら、あいつを産んだ時すぐに首を捻っておくべきだった!
そんな後悔すら抱きながら、私は何度も、何度も、まだ柔らかい骨が千切れるまで踏みつぶし続けた。
暗闇に閉じ込められてからマツ=ヤマを一人で産んで以来、私は最高に満たされた時間を過ごした。

「あにきぃ。あにきぃ……ごめんなさいぃぃ……」

――にも関わらず、私は何故泣いているのだろうか。
それは残った理性か、我が子への愛情か。それとも命を奪った事への純粋な謝罪か。
どっちにしろ、私の感情の残滓こそがこの涙であり。
それから先の私は、単純に光を憎むだけの悪魔に過ぎないのだから。

「良いよなァ……お前は、どぉせ俺なんか……!」

どうせ私なんか、絶対に幸せになれない。
暗闇に閉ざされて、禁忌を犯して、そして罰せられるのがお似合いだ。
でも、どうせ罰せられるんだったら――俺だって、罰してやる。

394 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 00:54:59 ID:???
「おい、さっきの音は一体どうした――って」

「えっ……!? あ、あれは……」

バンという音と共に、まぶしい光が私の目を刺す。
体育用具室に私を閉じこめていたふらの中サッカー部員の数名――小田と加藤が、
先程の騒ぎを聞いて、扉を開け放ったようだった。
――我が子すらも喜んで殺したような私が、最も悪逆な方法で私を穢した男達を許す筈がない。

「マブシインダヨ……オマエハ……!!」

ドンッ! ……ブウンッ、ガシイッ!

私は、二人を思いっきり弾き飛ばすと、近くにあった角材で彼らの頭を吹き飛ばした。
この細い身体のどこにこんな力があるのか分からなかった。
これこそまさに、悪魔が取り憑いたからなのだろうか。
しかしもはやどうでも良い。どうせ、私はこれから残りの奴らも殺すのだから。
我が子の父親かもしれず、私の夫かもしれない名もなき男達を。

「――夜具、瑠真(やぐ るま)……!」

……その決意を後押ししてくれたのは、皮肉にもあの時真っ先に私にのし掛かって来た小田だった。
彼は私の名前を呼んだだけなのだが――それが、私の過去を再認識させる。
――そう。そうだった。私もまた、望まれない子なんだった。
この辺りの部族で「悪魔」を意味する言葉。それが、……捨てられた私に付けられた名前だった。

395 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 00:58:29 ID:???

***

――ふらの中サッカー部は全員死亡。
警察はただちに容疑者とされる15歳の少女を逮捕したが、すぐに心神喪失と判定されて病院に送られた。
犯行前の彼女を知る者達は口を揃えて、「明るく、快活な性格だった」と語るのに対し、
病院での彼女は、常に自分自身を罰する為に鎖を巻き、「闇の底にはどんな声も聞こえない」と、心を閉ざし続けるのだった。

後日。面白がった新聞各社はこれを悪魔憑き――「地獄の悪魔ヤグ=ルマによる所業」として、大体的に報じた。


+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

396 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 00:59:52 ID:???
…と、言ったところで一旦ここまでです。

397 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/01(水) 23:44:36 ID:???
今日は更新をお休みします。

398 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/03/03(金) 00:04:24 ID:???
すみません、今日も更新をお休みします…

399 :森崎名無しさん:2017/03/05(日) 21:36:42 ID:???
おおっと、更新が来ていた
お疲れ様です、「からだ だいじに」でいきましょう

400 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/16(日) 01:52:07 ID:???
〜???・魔女のサロン〜

ベアト「『ヤグ=ルマの正体とはふらの中の女子生徒。彼女はふらの中メンバーに体育用具室に閉じ込められ、
     そこで松山という名の男児を出産。しかしその直後殺害した』。
     ……これが、この出題における残酷なる真実よ」

森崎「フィクションとはいえ、胸糞の悪い話しやがって……やっぱり魔女は悪趣味だぜ」

ベアト「魔女に悪趣味は褒め言葉よ。……しかし、妾もちと意地が悪かったかもしれぬな。
    これは本来、そなたとの親睦の為のゲーム盤であったが、つい妙な方向に気合を入れ過ぎてしまったかもなぁ……」

勝負が終わった後、森崎はベアトが振る舞う最上級の紅茶と共に感想戦に興じていた。

森崎「『やって来た』の赤字は良いとしてもだな。やっぱ出産説を否定しといて、オチは出産説でしたーってのもズルいぜ。
    思いつきで解かせたくないってのは分かるけど、オーバーリアクションし過ぎだっての」

ベアト「や、やかましい! そなたはいつも悪いトコばかりをぐちぐちぐちぐちと……!
    そこについては妾だって反省しておるッ! 次のゲームでは改善する事を約束する」

森崎「次のゲーム、って言われてもなぁ。お前をぶっ倒すのは確かに超楽しいけどさ、
    そもそも俺、別に推理ゲームはそこまで好きってワケじゃねーし……。
    それよりサッカーしようぜ。お前と、ワルギリアって魔女と、他にも魔女の眷属とか居るだろ。
    そいつらをかき集めりゃ、11人位にはなるだろうしさ」

ベアト「妾は汗水を垂れ流す運動は好まぬ。サッカーをするよりも、サッカー中に起きた事件を、魔女幻想に満たして惑わす方が好きだ。
    ……まぁ、そなたが教えてくれるのなら、別に、やってもいいかなーなんて思わないでもないけど……」

401 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/16(日) 01:54:05 ID:???
森崎「最後の方、聞こえなかったんだが」

ベアト「べ、べっつにー? 妾別に魔女だしサッカーになんて興味無いし」

森崎「ま、そうだろうな。じゃいいや」

ベアト「うぬぬ……! そなたはわざとやっておるのか?」

こうしてみると、ベアトリーチェは最初と比べると随分と柔和な、そして子供っぽい印象を抱かせる。
――もしかしたら、これが彼女の本来の姿なのかもしれない。
森崎は何故か苛立つ彼女の想いをどこまで汲んだのかは分からないが、
ミルクと砂糖をたっぷり入れた紅茶をぐいっと品なく飲み干すと。

森崎「……ま。人に迷惑をかけないってなら、たまに遊んでやるのもやぶさかじゃないけどな」

ベアト「…………」

……と、少しだけ照れた横顔を見せてそう言った。
ベアトはその表情を見て、少しだけ安心したような様子を見せると、

ベアト「――くひゃひゃひゃひゃ! 何はともあれ、森崎よ。
     一度ならず二度までも、よくぞこの妾を打ち破ったな!
     先の約束通り報酬はくれてやる。だがこれで増長するではないぞ。
     何故なら、魔女は執念深いとどの御伽噺でも決まっておる。
     今にそなたを屈服させうる、極上のゲーム盤を用意するからなァ!
     それまで首を洗って待ってろよ、森崎、いやモロサキァ!」

パァァァァァッ! シュウゥゥゥゥッ!

――最後に、これは初めて会った時と寸分たがわぬ最高に下品な笑い声を立てながら
これまで森崎がくつろいでいたサロンごと、黄金の霧に形を変え、どこかへと消えてしまうのだった。

402 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/16(日) 01:55:16 ID:???

〜南葛市・商店街〜

森崎「……はっ!? ゆ、夢か!?」

気づくと森崎は再び、南葛市内のスポーツ用品店を目指す道中に戻っていた。
そこには黄金の蝶も、ゲーム盤も、あの小憎らしい魔女もどこにもいない。
幻想が入り込む余地など、この町のどこにはありはしなかった。

森崎「……いや、夢じゃねーか。残念ながら」

しかし、森崎の体験して来た幻想は真実だった。
彼の手には、小さく黄金の蝶の刺繍がなされた上質なキーパーグローブが握られている。
これは確かにベアトリーチェが、ゲームの前に報酬として提示した『魔女のマジックアイテム』だった。

森崎「だが、落ちてる物は都合良く利用するのが俺様だ。
    こいつはかなりの代物だからな。少々シャクだが、ありがたく使わせて貰うとしよう」

森崎はそう言いながら、入手したグローブを嵌めてみる。自分の手のサイズにピッタリだった。
勿論魔法の力でボールをセーブできるとは到底思えない、ただの高級なキーバーグローブではあったが。
しかし、それでも何だか温かみがあって、確かに自信が湧いて来るような気もした。

ベアト「……森崎ィ。大事にしろよ、そのグローブ。なんせそれは妾が手ずから選び、
     そして刺繍を施したものであるからな。妾の『魔法』、しっかりと受けるがいいぞォ……くっくくく!」

森崎「……あん? 今、アイツのクソ忌々しい声が聞こえたような……気のせいか」

ともあれ、森崎は先を行く。彼の覇道は魔女の介入程度で決して妨げられるものではないからだ。
……後に『キャプテン森崎』がその頭角を初めて世界に示した大舞台。
フランス国際ジュニアユース大会は、すぐそこまで迫っていた。

403 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/16(日) 01:56:54 ID:???



    屁理屈推理合戦withキャプ森『もりさきのふっとぶ頃に』
         Episode 3   Revenge of the golden witch 〜黄金の魔女の雪辱〜


                         完

404 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/16(日) 02:02:38 ID:???
気力があったので、こちらの方も更新しました。
エピソード4については構想はありますが、リアル事情も相まって安定更新が難しいので、
暫くはお休みorTIPSの更新のみになると思います。

前にも言いましたが、このスレは私だけでなく皆さんで共用したいので(その割にはep3更新せずすみません…)、
もし良ければ皆さんも魔女として、このスレにてゲームを出題して頂ければ嬉しいです。私も参加します。

>>399
ありがとうございます。身体を一番に、できる範囲で楽しんでいきたいと思いますので、
もし良ければ次のゲーム盤にも参加して頂ければ幸いです。

405 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:08:35 ID:???
こんばんは、自分が簡単なゲームを思いついたのと、
魔女さんのゲーム作成・出題促進を目的として、一つゲーム盤と連動したTIPSを作りました。
簡単に出題するので、読んで頂ければ幸いです。



406 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:10:43 ID:???
【TIPSB・魔女のゲームの作り方考察】
<実践編・魔女の絵本を読んでみよう>
〜黄金郷・魔女のテラス〜

ワルギリア「突然ですが、今日は森崎くんにあるゲームを解いてもらいます」

森崎「いや、突然すぎるだろ。せめて意図を説明しろよ」

ワルギリア「前置きは短く終えたかったのですが……。まあいいです、簡単に言うとですね。
        この魔女のゲームを、ここに居る皆さんに広めるため、
        一度「魔女ゲームの作り方」というのを考察してみようと思ったのですよ。
        そうしたら、出題者が出て>>1も嬉しい…もとい、
        魔女とウイッチハンターの戦いもよりレベルの高いものになり、有意義ですからね。
        ……で、折角作り方考察をするんでしたら、一度簡単なゲーム盤を解いて貰って。
        そのゲーム盤を通して、色々なポイントを解説できれば面白いかと思いまして」

森崎「そこまでして、出題者が出るかねぇ。余程の物好きじゃねえとやんねえだろ」

ワルギリア「……まあ、屁理屈推理合戦自体が今そこまで熱いとは言えないのは認めますが。
        それでも、各種SNSを見ていると様々な魔女がゲーム盤を作り遊ばせている姿も見えます。
        決して、作り方考察に需要が無い訳ではない、……と、信じていますよ。ええ、信じていますとも」

森崎「まあ、趣旨は分かったが。簡単なゲーム盤を通して……ねえ。ちゃんと準備はしてるんだろうな?」

ワルギリア「ええ。ええ。勿論ですとも。……これをご覧ください」

スッ……。

それだけ言うと、ワルギリアは魔法で亜空間から一冊の古びた絵本を取り出した。
豪奢な革張りの本には、金色の装丁でこう題字がなされている。

407 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:12:17 ID:???

<よいまじょのえほん ざんにょうロベルト と みずのまじょ>


森崎「……すまん。俺、帰っていいか」

題字の時点でこれまで数少なかったやる気がゼロとなった森崎だったが、

ベアト「うっひゃーー! 超懐かしいぜお師匠様ァ!」

クルリと後ろを向いた森崎を押し出すように、小うるさいベアトが絵本に食いついた。

ワルギリア「そういえば。ベアトが幼い頃は、寝る前によくこれを読み聞かせていましたね。
        ああ、あのころは素直で可愛かったのに、どうして今はこんな風になったのやら……」

森崎「いや、そんなタイトルの絵本を読み聞かせてる時点で、どう見てもお前の教育の成果だろ」

ベアト「まあまあ、そんな辛辣なツッコミに回るなよォ森崎ィ。今から妾とこの本読んでみようぜぇ。
    まだ20歳の赤ちゃんだった頃の妾がドハマリした傑作絵本だからさァ〜〜〜!!」

ワルギリア「今も1000歳の赤ちゃんみたいなものですけどね。……まあ、とにかくです。
        折角なので、この絵本を読んでみてくれませんか?
        ごくごく基礎ながら、魔女のゲームにおいて大事な要素が詰まってると思いますので。
        中身はともかく。教材としては、決して悪くない筈ですよ?」

森崎「中身についてはノーコメントかよ……まあわかったよ。そこまで言うなら一度解いてやろうじゃないか」

ワルギリア「そのフットワークの軽さ。流石は森崎くんです。では、読み聞かせてあげましょう。
      良い魔女の絵本、『残尿ロベルトと水の魔女』、はじまりはじまり……」


408 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:13:33 ID:???

++++++++++++++++++++++++++++++++++++

【よいまじょのえほん  ざんにょうロベルト と みずのまじょ】


むかしむかし、あるところに、ロベルトというひげづらのおっさんがいました。

ロベルトはサッカーがじょうずでしたが、ざんにょうのせいでいつもおしっこくさく、みんなからきらわれていました。



あるひ、ロベルトがひとりでたちションをしているときのことです。

ロベルトはざんにょうなので、ひつよういじょうにオチンチンをぷるぷるしていると、おしっこが、

とおりすがりのみずのまじょにひっかかってしまいました。



409 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:14:54 ID:???


「よくもこのわらわに おっさんとくゆうのあまいにおいがする きたないおしっこをひっかけおって!」

だいじなローブにおっさんのおしっこがついた、みずのまじょはおおいかり。

「そなたは わらわのみずのまほうでころす!」

そういうと、まじょはロベルトにたいして、みずのまほうをはなちました。


「うわーん まだどうていなのにしにたくないよー」

まじょのすご〜いまほうに、もちろんロベルトはおおあわて。

とくいのこうそくドリブルでまじょをふりきって、ロベルトはじぶんのおうちににげこみました。

だけどまじょはしゅうねんぶかい。このままではきっと、まじょはロベルトのおうちをつきとめ、ころしにやってきます。




410 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:16:03 ID:???


「そうだ! みずのまじょがはいってこないように おうちをがんじょうにふうさしよう!」

そんなとき、ロベルトはいいことをおもいつきました。

そうです。まじょがおいかけてきても、ロベルトのおうちにいれなければいいのです。

ぜんはいそげと、ロベルトはさっそくまじょがはいってこないよう、おうちのふうさをはじめました。



「まずは、おうちのドアとマドを とてもがんじょうにしよう。カギもかければあんしんだ!」

【ロベルトのおうちのドアとマドは、ないがいからのいっさいのでいりがふかのう】になりました。

「まじょは てっぽうみずのまほうで、おうちをこわすかもしれない。カベとかもじょうぶにしたら もっとあんしんだ!」

【ロベルトのおうちは、はかいふかのう】になりました。

「まじょは おうちにあるみずをあやつって ころすかもしれない。すいどうをこわしてしまえば もっともっとあんしんだ!」

【ロベルトのおうちでは、じゃぐちやいどみずなど、いっさいのすいどうせつびがしようふかのう】になりました。

あ、もちろん、【ロベルトがおうちにはいったとき、おうちにはいっさいのみずはありませんでした】。




411 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:17:36 ID:???

「ふー これであんしんだぜい! んじゃ TSU○AYAでかりてきたAVでもみながらねーようっと」

がんばって、がんばって。すべてのこうじをおえたロベルト。これでまじょがはいってくるよちはありませんね。

ほっとしたロベルトは、まじょからにげているときにかりてきた、えっちなビデオをみながらひとしごと。

しかし、です。



「くっくっく そのていどでわらわからにげたとおもっていたのか?」

まよなかのことでした。ひとしごとをおえ、いつのまにかねむっていたロベルトがめをさますと、

みずのまじょはふしぎなことに、ロベルトのおうちにしんにゅうしているではありませんか。



「ど どうしてまじょがオレのおうちのなかにいるのー!?」

「わらわのまほうがあれば このくらいよゆうだ! というわけでしね!!」

そして、みずのまじょは、まほうをつかってみずをよびだして、そのままロベルトにぶちまけました。

「うわーん! まだしにたくないよー がぼがぼがぼ・・・」



――こうして、【ロベルトは、じぶんのおうちで、おぼれしんでしまいました】。



412 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:19:00 ID:???


でも、ふしぎですよね。ロベルトはニンゲンとして、できるかぎりのたいさくをねったはずです。

だって、【ロベルトのおうちのドアとマドは、ないがいからのいっさいのでいりがふかのう】ですから、

まじょはロベルトのおうちにはいることはできません。

それに、【ロベルトのおうちは、はかいふかのう】ですから、

カベをこわしておうちにはいることもできません。


もちろん、がいぶからのえんかくそうさトラップXをりようして、ロベルトをできしさせたかもしれませんが、

【ロベルトがおうちにはいったとき、おうちにはいっさいのみずはありませんでした】けれども、

【ロベルトのおうちでは、じゃぐちやいどみずなど、いっさいのすいどうせつびがしようふかのう】なので、

みずをつかって、ロベルトをころすことはふかのうです。

 ※ちなみに、【ここでの「みず」は、ロベルトのたいえきをのぞくすいぶんいっさいをさす】ので、
  ふつうのみずいがいにも、おゆ、おちゃ、ジュース、ウイスキーるいも「みず」にふくむとします。




413 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:21:13 ID:???


でも、【ロベルトは、じぶんのおうちで、おぼれしんでしまいました】。

ふしぎですよね? まじょはぜったいにロベルトのおうちにはいれないし、そもそもおぼれしなせるための「みず」もなかったのに。

なのに、【ロベルトは、おぼれしんでいる】のです。


え? ロベルトがおうちにはいるまえに、もうまじょがひそんでいた?

いいえ、それはありません。【ロベルトのおうちには、ロベルトいがいのせいぶつXがはいってきたことはない】

のですから。もちろん、まじょはれいがいですけどね。


どうですか?

ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? まほうがじつざいしないと、ロベルトはころせませんよね?

ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ロベルトはみずのまほうでしんだにきまってますよね?

ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? みずのまじょはじつざいするとしか、いいようがありませんよね?




414 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:23:28 ID:???


ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?

ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?

ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね? ニンゲンとトリックじゃせつめいできませんよね?

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415 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/04/22(土) 23:25:39 ID:???



つーわけで、ニンゲンとトリックじゃ、説明不可能なんだっつーーーーの!!!!!!
何回も言わせてんじゃねーぞこのクソガキ共ぐわぁぁあぁぁぁぁ!!!!!!
という訳でさっさとテメエラ無能どもはさっさと屈服して妾に跪けやゴラァァアアアァァァァアアアアッ!
屁理屈ゴネてる暇があるんだったら舐めたい靴の種類でも選んどけィェェェイィェェェェェッ!!!!!



―――くーひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっっひゃ!!
あーーーーーひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃふひゃぁッ!!!!!!!!!





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0ch BBS 2007-01-24