キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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屁理屈推理合戦withキャプ森

1 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2016/12/30(金) 03:30:43 ID:???






――この物語はどうせ幻想に決まってます。
      キャプ森本編・外伝及び「うみねこのなく頃に」本編と関係有る筈もありません――。











※このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品で、「うみねこのなく頃に」とのクロスオーバー作品です。
※内容は、「うみねこのなく頃に」本編中の赤字&青字による屁理屈合戦(推理)ゲームを、独自の謎を使って行うものです。
 「うみねこ」本編ストーリーの直接的なネタバレはありませんが、「うみねこ」本編の登場人物がスレに登場します。
※最初のエピソードだけ>>1が書きたいですが、それ以降は他の方も書けるようにしたいとか考えています。

☆出典☆
【うみねこのなく頃に】屁理屈推理合戦スレ@wiki
http://www19.atwiki.jp/herikutu/

469 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:18:33 ID:nPx5i6AA
   屁理屈推理合戦withキャプ森『もりさきのふっとぶ頃に』
     Episode 4  Catenaccio of the golden witch 〜黄金の魔女の閂〜


おはようございます。

黄金の魔女は久々のゲームを楽しみにしておられます。
一人でも多くの客人を丁重にもてなしたいと仰っております。

もてなしの内容は勿論、極上の意地悪と極上の屁理屈。
魔女は何時でも、ニンゲンを陥れる為には知恵を惜しみません。

難易度は姑息にして陰湿。
皆様、魔女の善意には何卒ご注意下さいますよう、僭越ながら私からも忠言申し上げます。


470 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:20:32 ID:nPx5i6AA
〜イタリア・市場〜

「……………」

女が独り、佇んでいた。

「……どうして、ストラット」

彼女の手には、つい先ほど雑貨屋で購入したアイスピック状の杭が握られていた。
捩れた海蛇を象った装飾をしたそれは、さしずめ中世の呪術に用いられた魔道具にも見えるが、
柄には「MADE IN USA」の文字が小さく彫られている。
彼女は、呪いをするために態々これを買った訳ではないのだ。
しかし、オン・ザ・ロックでブランデーを呑むために購入した訳でも無かった。
それを示すかのように、美しいロングの金髪に隠れたその表情は――暗く歪んでいる。

「どうして、他の女なんかと一緒に会話なんてしてたの……?
 どうして、他の女なんかが吐きだした空気を吸っているの……?
 どうして、他の女なんかが存在した場所に存在しているの……? もう許せない……」

彼女の心は強い深い嫉妬に苛まれていた。きっかけはふとした事であったとしても、
その闇はもう、どうしようも無いまでに彼女を蝕んでいたのだ。

「……くすくすくす」

――そして、『魔女』と言えば、人間の心が生んだ闇につけ入る事が世の常だった。
普段来る事の無い雑貨屋に入り、普段使う筈の無い道具を買い、
そして往来にて悩んだように佇む彼女を、黒き魔女は決して見逃さない。

「やるって決めといて、それで立ちすくんで、ウジウジしちゃうなんて。
 ……ばっかみたい。ヘソでも噛んで、死んじゃえばぁ……?」

471 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:22:37 ID:nPx5i6AA
夜の帳のような紫のドレスを身に纏い、腰には子供っぽく可愛らしいリボン。
レースに大きな薔薇の花飾りのついた帽子を被る、まるで御伽噺に出て来るお姫様のような姿をした
愛らしい魔女は、醜く唇を歪めながら、今宵の贄を見定めていた。

「――まぁ。お試しは、あの子で良いかしらね」

果たして、――黒き魔女は黄金の蝶を一羽、天へと放った。
それは濃密な魔力の籠った鱗粉を振りまきながら、項垂れる少女が手に持つ道具を照らすと。

フワァァッ、パァァァァァッ。ギュイーーーン……。

「この力は……!?」

嫉妬に駆られた少女は、魔女の薫陶を受け、新たなる魔女へと変貌する。
……反魔法の毒素に満ち満ちた、雑踏を通り過ぎるニンゲン共には、
この大いなる変身の意味など決して解りはしない。

「フ……ウフフ……! これなら、殺せる。殺して、愛せる。私は今日、真実の愛を知ったのよ……!!
 待っててねストラット。今から貴方を愛しに行くから……。
 ウフフフフッ、ウフフフフフフフフフフフブブブフヒィィィィイイヤァァァァヤアァァッ!!」

――だが、周囲の理解など得られずとも、今の彼女には関係が無かった。
そもそも、いずれ老いさばらえ朽ち果てる肉の檻から解放された彼女にとって。
原始的かつ野蛮な肉欲を捨て去り、真実の愛を知るに至った彼女にとって。
もはや、下等なニンゲンが勝手に創り出した倫理や世界等はどうでも良い。今の彼女にあるのは、果てぬ愛と憎悪のみ。

「くすくすくす……さ。後はお手並み拝見ってトコかしらぁ。
 新しい魔女と、先代様の古くさぁい『家具』と。……二つが合わされば、そこそこの退屈凌ぎにはなるでしょうし。
 ったく、あのクソババアめ。こんなに楽しい世界、あんたなんかに独り占めなんて、させないんだから……ッ」

その様子を見届けて、黒き魔女は黄金の蝶に姿を変えて消え果てる。
後に遺されたのは愛憎の魔女と、その魔力に呼応して緑色に輝く、悪魔の杭のみだった……。

472 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:23:43 ID:nPx5i6AA
***


〜イタリア北部・山奥〜

ブロロロロ……

バスが軽快な音を立てて、先が見えない山道を走る中、
やがて背の高い尖塔が全日本ジュニアユース代表一同の視界に入った。

森崎「へぇ。あれがイタリアの合宿施設か」

早田「けったいな形してるなァ。あれがボンジョルノの趣味か?」

次藤「物の本によると、古代エトルリア人が作ったオーパーツ的施設らしいタイ。
    なんでも、宇宙人との邂逅を目指したとか、バベルの塔に対抗して作ってみたとか。
    ……むむむっ! これはヤバいタイ。来年、イタリアに恐怖の大王が……」

佐野「次藤さん、多分それ観光ガイドじゃなくてムーとか、それ系の雑誌です」

森崎は仲の良い早田や、国内合宿中に日向との一件で絆を深めた次藤達と、バス内での談笑を楽しんでいる。
修学旅行のようにも見える彼らの穏やかな会話を、代表選手らしからぬ気の緩みと謗る者はいない。
というのも、今回の遠征先への旅程は、明らかに長い旅路だったからだ。


473 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:25:06 ID:nPx5i6AA
松山「Jr.ユース大会を前に、ハンブルグとの練習試合で5−4の勝利を挙げた俺達だったけど、
    それでヨーロッパ中のサッカー協会が警戒しちゃって、どことも練習試合を組ませて貰えなかった。
    その中で漸く、イタリアJr.ユースとだけは『合同合宿』という形で遠征が出来たのは喜ぶべき、なんだろうけど……」

石崎「くーっ、それにしても合宿会場が遠すぎだぜ!? 俺達今、何時間くらい山登りしてんだ?」

説明口調の松山が言う通り、彼らの目的地はイタリアJr.ユース代表との合同合宿会場だった。
イタリアとスイス国境を隔てるアルプス山脈、その中でも最高峰とされるモンテ・ローザの中腹に位置する
その施設への所要時間は、空港から車でおよそ38時間。その間ずっと、彼らはバス生活を強いられていたのだ。

反町「(日本サッカー協会が金欠で、国際サッカー界での発言力が乏しいからって、幾ら何でも舐められ過ぎだろ……)」

日向「喉が渇いたな。オイタケシ、コーラ持って来い」

沢田「はい! 今本社に頼んでコンコルドを手配しました!」

若島津「(モンテ・ローザの奥地にはイエティが棲むという。手合わせしたい物だ)」

とはいえ、彼らの表情は決して暗くはない。それは現状を愚痴っても仕方ないという、
彼らの前向きな気質が現れたとも言え。……あるいは、日本代表という重圧を離れて、
普通の中学生のように友人との旅を楽しむ事が出来る喜びもあったのかもしれない。


474 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:26:12 ID:nPx5i6AA
ブロロロロ……キキッ。

見上「……着いたぞ。ご苦労であった」

……やがて、彼らが到着したのは森崎が尖塔を目撃してから6時間後の事だった。
バスは古びた城塞のような施設の前で止まり、代表選手達を降ろしていく。

滝「ホテル・プルガトリオか。……ダンテもこんな場所で『神曲』を書いたのかな」

井沢「山の中にある煉獄(プルガトリオ)だからな。となると、次に出て来るのはベアトリーチェか?」

森崎「!? ベ、ベアトリーチェだと!?」

来生「……? 森崎、何ベアトリーチェに過剰反応してるんだ?」

森崎「う、うるせぇ。黙ってろ!」

……中世のイタリア人作家のダンテは、『神曲』という有名な叙事詩の中で、
『ベアトリーチェ』という名の女性を登場させている。
永遠の淑女として描かれ、天国と地獄の狭間たる煉獄山の頂上で主人公のダンテを迎える彼女は、
やがて彼女の導きによって天界へと昇天する、……という話だったろうか。

森崎「ったく。昔の奴はベアトリーチェを理想化し過ぎだぜ。
    あんなの、エログロナンセンス好きの、ロクでもねえ魔女なだけじゃねぇか……」

勿論、森崎の知人であるベアトリーチェは、ダンテの作品の登場人物とは何の関わりもないが、
森崎はそうこっそり悪態を突きたくなる。……しかし一方で、彼は鞄の中のキーパーグローブを撫でつけてもいた。
黄金の蝶の刺繍がなされた、魔女・ベアトリーチェからの贈り物は確かに上質だったし、
森崎は奇跡的にもシュナイダー相手に1失点に留め、チームを勝利に導く事が出来たのだ。
もっとも、「魔女のお蔭じゃねえ。俺の実力だ」と、森崎はそう言って憚らなかったが。

森崎「(流石にJr.ユース合宿までは付き纏ってこなくて助かったぜ。ま、お土産位は買ってやってもいいかな)」

475 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:28:50 ID:nPx5i6AA
すみません、日本語的に気になった部分を修正します。
誤:永遠の淑女として描かれ、天国と地獄の狭間たる煉獄山の頂上で主人公のダンテを迎える彼女は、
  やがて彼女の導きによって天界へと昇天する、……という話だったろうか。
      ↓
正:永遠の淑女として描かれ、天国と地獄の狭間たる煉獄山の頂上で主人公のダンテを天界へと導いた
  ……という話だったろうか。

476 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:30:09 ID:nPx5i6AA

森崎が古めかしいホテルの看板と、滝達の何気ない会話に想いを馳せていると――。

和夫「ウキャッ、キャッキャッ!(うわっ、すげー!)」

政夫「キャキッ、キキウキッ!(なんだこれ!?)」

……立花兄弟が興奮のあまりの猿語で騒ぎ始めた。
一体何事かと思って、森崎や周囲の仲間が双子の方へと向かうと、そこには巨大な像が鎮座していた。

山森「これは……大きな、鳥の像ですか?」

新田「こいつだけ、ボロホテルの外装と比べて綺麗だな……」

山森と新田は物珍しげに、双子が驚いた像に触れている。森崎が興味本位で覗き込むと、
それは大きな鷲の彫像だった。斧の付いた木の束を掴み、翼を大きく広げたそれは、この山奥のホテルにおいて、
誰とも知れずその雄々しさを示していた。

三杉「ファスケス……翼を広げた鷲の像、か」

翼「何か意味があるのかい?」

三杉「多分、サロ共和国との繋がりかな。木の束と、それを掴んで翼を広げた鷲は、彼らの国旗だったし」

若林「……となると、この施設は戦中に建てられたのか?」

山奥の果てにある、中世古城のようなホテル。そこに佇む鷲の像。
何もかもが御伽噺のような断絶された世界に戸惑う、日本代表の少年達に声を掛けたのは。


477 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:36:22 ID:???

ストラット「……いや、違う。建物自体はずっと昔のものだ。
      それを、サロ共和国――イタリア王国を追われたムッソリーニの建てた臨時政権が、
      ここを軍事施設や実験施設として転用していたらしい」

森崎「お前は……?」

ストラット「名乗るならば、まずはそっちの方だろう、ジャッポネーゼ。
       ……とでも言ってやりたいが。まあ良いか、俺の名はチェザーレ・ストラット。
       今日からの合同合宿には、イタリア代表として参加させて貰うぜ」

声を掛けたのは、ストラットと名乗る。
……強がりながらも、どこか暗い表情をした、イタリア人の少年だった。

森崎「……………」

そして、この少年に対して森崎が覚えた印象は、敵意とか好意とか。
そうした尋常かつ分かりやすい感情では決してなかった。
……魔女との戦いを通して、魔法への適性を知れずの内に深めていた森崎だけは、
彼を単なるアンニュイな印象の少年という風には評価しなかった。

森崎「(こいつ。……生きているのに、死んでいるような。いや違う。
     ……こいつは、きっと殺される。それもただ殺されるだけじゃない。
     陰残かつ、むごたらしく、惨めに殺されるような。そんな気がする……!)」

――森崎は察知した。ストラットという少年は、近い内に必ず、死ぬ。
否、殺される。……きっと恐らくは、魔女の手によって。

478 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 01:40:51 ID:???
今回の敵は愛憎の魔女ミアータ、被害者はストラット!
……と、言ったところで一旦ここまでです。
前置きが長くなりましたが、事件自体はシンプルで登場人物も少ないです。

また、今更ですが当ゲーム盤では「うみねこ」原作の明示または暗示の要素・ネタバレを含みます。
「うみねこ」原作を知らずとも楽しめるようにしたいと思っていますが、もしネタバレが嫌ですとか、
原作要素が多すぎてついていけない等ご意見ありましたら、極力は反映させたいです。

今の所、予定通り明日の夜にはゲーム盤に入れるかと思っています。
それでは、また明日宜しくお願いいたします。



479 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 13:36:16 ID:???
〜ホテル・プルガトリオ ロビー〜

支配人「遥々と日本からよくお越しくださいました。
     私は支配人のカスティリオーニでございます」

漆黒のタキシードを身に纏った老人は、見上を先頭にした全日本Jr.ユースメンバーを恭しく出迎えた。
見上はその老人の恭順さには目もくれず、要件だけを伝える。

見上「……イタリアJr.ユースメンバーはもう着いていますか?
    玄関口に一人散歩しているのを見かけた。出来れば、挨拶をしておきたいのですが」

支配人「かしこまりました。今、会議室を借りてミーティングをしているとの事ですので、
     只今私の方からお呼びつけいたします」

見上「分かりました。……お前達、少しの間自由行動だ。ただし、ここを離れるんじゃないぞ」

そう言うと、老練の支配人は音もたてずにロビーを離れ、薄暗がりの廊下へと消えていった。

来生「えー!? 俺達、こんな所に泊まるのかよ。シャワーってあるの? カラオケは? wi-fiは!?」

滝「おい、失礼だぞ来生! あとwi-fiってなんだよ。今は1980年代だぞ……」

支配人の姿が見えなくなると、空気の読めない来生は早速不平不満を言い始める。
癒し系常識人タイプな滝は慌ててそれを押し留めるが、皆も語らないだけで、概ね来生と同意見だった。


480 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 13:37:25 ID:???
……ホテル・プルガトリオは本当にダンテの時代からあったかと見紛う程に古い。
観光地などで良くある古民家や古寺を利用した民宿等は、その実現代的な電気設備等が整っている事が多いが、
少なくとも森崎達が視る限り、灯りは全て蝋燭だし、テレビも、ラジオも何も見当たらない。

三杉「僕達が考古学者だったら、今頃狂喜乱舞していただろうけどね。
    ……サッカー選手の合宿先としては、およそ最悪の部類かもしれないな」

松山「もうちょっと言葉を選べよ! ……って言葉がすぐに出て来ない自分自身が情けないよ」

古城を改装して作られたらしいが、前の改装は果たしていつの事なのだろうか。
それこそ、古代ローマ帝国期の城をルネサンス期に改装されて以来、そのままなのかもしれない。

森崎「『城は現代的に改装されている。ただし、その現代とは14世紀時点の事を指す!』
    ……って暴論がまかり通っちゃ、ゲームならともかく現実なら投石ものだぜ」

森崎もまた、どこかの悪趣味好きの魔女が好きそうな空間に放り込まれた事に辟易していた。
現実逃避紛いの屁理屈を一つ捏ね上げながら、しかし、と考えを巡らせる。
……いくらハンブルグに勝ったとはいえ、俺達全日本Jr.ユースが国際社会から舐められ、
あるいは不自然に警戒されているのは事実だ。
だが、だからと言って、そんな俺達をこんな辺鄙な場所に閉じ込めたりするだろうか?
いや、更に言うと、さっき挨拶だけしたストラットが居る通り、今回はあくまで、イタリアJr.ユースとの合同合宿という体なのだ。
即ち、こんな辺鄙な場所に閉じ込められたのは、俺達だけじゃない。
……国内中から期待を背負った、イタリアJr.ユースのメンバーもまた、俺達と同じ憂き目に遭っているのだ。


481 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 13:38:32 ID:???

森崎「一体何故だ? そもそも、他の海外が断る中で俺達との合同合宿を呑んだイタリアJr.ユースにも、
   何らかの事情があるのか? ……っと。これは何だ? 扉に……デカイ閂……?」

そんな中、森崎は自分達が入って来た入口とは真向かいに、大きな扉があるのを見つける。
城門のように大きな木製の扉には、来る者を必ず拒まんとする意思を表す、巨大な閂がかかっていた。

支配人「これは、中庭への通路口でございます。中庭には離れの祠がございまして、
     そこに通じる唯一の道となっております。
     ロビーと中庭を隔てるこの扉は、聞くところによると14世紀に造られたとか」

森崎「って、うわっ!?」

その疑問に答えたのは、先ほど闇に消えた筈の支配人だった。彼はいつの間にか仕事を済ませて戻り、
一人思念に入る森崎に声を掛けたのだった。

支配人「今からイタリアJr.ユースメンバーとの顔合わせ会を行うようです。他の皆さんはもう行かれましたよ?」

森崎「……げ。マジか」

森崎が少しロビーを見回り思案に暮れているうちに、一同は薄情にも森崎より先に居なくなっていた。
森崎は支配人の案内を受けて、慌ててホテルのうす暗い廊下を走りだす。
……その刹那、少しだけ、見る。不気味なまでな堅牢さを演出する、あの巨大な閂を。

森崎「まるで、冥府の門みたいだぜ……」

あらゆる生者を寄せ付けぬ、その門が開かれる時。その時こそ、誰かが死ぬ。
森崎はそんな幻想的な錯覚を抱いていた。


482 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 13:40:13 ID:???
〜ホテル・プルガトリオ 会議室〜

森崎「キャプテンでゴールキーパーの森崎有三です。今回の合宿では、イタリアのカティナチオが本物なのか、
    それとも守る事しか能の無い馬鹿の勘違いなのかを見極められればと思っています」

見上「(こいつは……! まあ、イタリアサッカーを凌辱するだの言い出すような、最悪の想定は免れたか)」

見上が胃を抑えるのを尻目に、無難から最もかけ離れた自己紹介をやってのけた森崎は、
不敵にイタリアJr.ユースの面々を一瞥した。

ランピオン「……なんだ、こいつ」

ジェンティーレ「…………チッ」

ヘルナンデス「……へぇ」

森崎「(デキそうな奴らは多分……今、明らかにイラっとした態度を見せたこの3人だな。
     それにしても、さっきのストラットってのはいないのか。アイツも中々の腕前だと思ったんだが。
     ……もしかして、手に余る問題児でチームから孤立しているのか?
     とりあえず、この辺りは後で中里の巻物で能力値を確認しておくか)」

挑発の合間にも、森崎は戦力分析を怠らない。
……本気で、イタリアサッカーが攻撃の出来ない雑魚集団であると、森崎が思っている訳がなかった。
森崎は周囲には尊大な態度を見せつつも、内心では周囲の溢れる才能と実力に絶望し、
それでも諦めず努力を重ね、絶対の奇跡を手にし続けて来た、そんな人間なのだ。
故に彼はどこまでも傲慢で、どこまでも謙虚。
二つの矛盾する姿勢を両立こそが、森崎有三という人間の本質だった。

483 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 13:41:47 ID:???
ジェンティーレ「だったら、早速後で試してみようぜ。お前達の蹴鞠と、俺達のカルチョ。
          どっちが本物で、どっちが馬鹿の勘違いなのかをな?」

森崎「(このジェンティーレって奴は直情型で、大分プライドも高いみたいだな。
    ……こういうヤツ向けの挑発セリフ、また考えとこうっと)」

ランピオン「よせよジェンティーレ。……やるなら、お前達だけじゃない。全員でだ」

森崎「(ランピオンも優等生ぶってるが、本性の短気な性格が隠せてねぇ。
     こういう中途半端な奴が、後々大事な大試合で一発レッドでも食らって退場するんだよな)」

ヘルナンデス「面白いスピーチを有難う。後でまた聞かせてくれ。……できれば、こうした公的な場以外でな」

森崎「(で、こいつがキャプテンのジノ・ヘルナンデスか……。実力はジェンティーレに劣りそうだが、
     その分キャプテンシーとメンタルに優れているタイプだな。ちょっとだけ厄介そうだ)」

見上「(挨拶の時点で情報戦は始まっている、か。
    やりたい事は分かるが、どうしてお前はそう、我々を安心させてくれないんだ……)」

冷や汗を隠しきれない見上が見守る中、森崎は早速に新たな難敵への対処法を考察している。
しかし状況判断力としては見上の方が正確で、プライドを傷つけられたアズーリの戦士達は、
早速極東からの来客の実力を判断し、……そして必要無ければ嘲り笑い切り捨てようと考え始めていた。

ジェンティーレ「さあ、早速実戦練習とでも行こうじゃないか? ホテルの横には広い平地があるから、
          ここで試合をする事も出来なくはない。あれだけのビッグマウスに相応しい実力を見せてくれよ?」

早速ジェンティーレが、穏健派のヘルナンデスの指示も聞かずに森崎に喧嘩を買いに行った、その時だった。

――カッ! ドオオオオオオオオオオオオオオンッ!
 ……ビュオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ…………!

辺りが光り、そして風が吹き始めた。

484 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 13:42:54 ID:???
支配人「失礼いたします。……どうやら、突然の吹雪に見舞われたようです。
     恐らくはこれより明日の朝まで、下界の街へ戻る事は出来なくなりそうです」

神出鬼没の支配人がノックして報告せずとも、辛うじてガラス張りだった窓を見れば、一目瞭然だった。
このホテルはロの字型に造られており、客室や会議室はロの字の内側に面している。
よって、森崎達は既に会議室の窓からロの字の内側――即ち、ホテルの中庭を見ていたのだが。

ビュオオオオオオオ……ッ! ゴオオオオオオ……ッ!

翼「……雪、だね。それも、猛烈な猛吹雪だ」

若林「確かここは、モンテ・ローザの標高3800メートル地点に立っているんだったか。
    富士山の頂上よりも高い場所にあれば、夏場でも吹雪があってもおかしくない……」

早田「って、いやいや! なんでやねん!? 俺達一応、サッカーの合宿に来てたんだろ!?
    一体どの世界に、こんな山奥の山荘でサッカー合宿をするバカが居るんだよ……!?」

松山「なんだと!? 早田お前、俺が2年の時に企画したふらの中サッカー部冬合宿をバカにする気か!?
    網走の強烈な地吹雪にも負けずに走り続けた、俺だけじゃない、小田や加藤も……皆の想いまで、
    お前は否定するって言うのかよ!?」

――謎な激昂をする松山を邪険に扱いながら、森崎もひょいと窓から中庭を見ると、
その一面はすでに銀色に覆われていた。これを見て、森崎はますます疑念を募らせる。

485 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 13:46:11 ID:???
森崎「おかしいぜ……」

次藤「まっこと、おかし過ぎるタイ。イタリア人は皆、松山みたいな奴らばっかりなのタイ?
    そんな訳あるまい。ワシらが巻き込まれた理由はさて置いて、ヤツらはなぜ不平も言わんタイ?」

そして、森崎の疑念に真っ先について来たのは、その体躯に見合わず理知的な次藤だった。

森崎「ああ。見上さんに聞いたが、イタリアJr.ユースの連中が来たのは今日の午前。
    ――つまり、俺達の到着とさして時間的な差はない。にも拘わらず、あいつらは不平も言わず、
    むしろ雪が降っても好都合と言わんばかりに無反応だ。
    さっきまで、俺達との練習試合まで申し出て来たような奴らが、だぜ?
    要するに、あいつ等は、自らこんなクソみたいな場所で合宿する事を望んでいるんだ。……どういう訳か、な」

次藤「他にもずっと不思議に思っちょる事がある。玄関口で遭ったストラットタイ。
    ワシは最初てっきり、ヤツは問題児で勝手に行動していると思っとったが、
    ……誰しもヤツについて、何も語りたがろうとせん。まるで、最初からここに居ないかのように……タイ」

お前はタイを語尾に付けないと死んでしまうのか、というツッコミは避けつつ、
森崎は再び思索に暮れていた。古めかしい雪の山荘。不自然なイタリアJr.ユース。
そして、玄関口で顔を合わせたきり、吹雪が吹いても戻らぬイタリア人の少年・ストラット。
謎を孕んだサッカー合宿は、やがて……『魔女』の手に完全に堕ちる。


愛憎の魔女ミアータ・ベアトリーチェ「ウフフ……みぃつけた、ストラット」


雪の降りしきるホテルの中庭。小学校の校庭程の広さを持つその中に、ポツリと佇む『離れの祠』。
その祠の小さな丸屋根の辺りで、金色の蝶が一匹、フワリと舞った。

486 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 13:48:01 ID:???
……と、言ったところで一旦ここまでです。
ゲームの開始時刻ですが、もう少し更新して、本日の午後22時00分頃を予定しています。
(可能であれば、前倒しで開催したいです。)

487 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 21:52:47 ID:???
すみません、ちょっと遅くなりそうですが、ゲームを初めていきます。
まずは前提となる幻想描写と、その前置きの展開を投下していきます。
(文章を読みたくない人は、幻想描写だけ見て頂ければ結構です)

488 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 21:54:26 ID:???
+++++++++++++++++++++++++++++++++++
【愛が無ければ死ねない】

ストラット「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……!!」

ストラットはひたすらに逃げ出していた。
雪の積もった山奥を、遭難の危険すら厭わずに。

パァァァァッ……!

彼が逃げているのは、黄金の蝶の大群からだった。
それらの群体は一つの意思を持っているかのように彼を追いかけ続け、
そしてたった今、追い詰めようとしていた。

ストラット「くそっ。やはりホテルに戻るしか……」

一方で、これ以上の逃走には限界があった。逃げ場も無ければ体力もない。
想像以上の追尾性能を誇る蝶達を前に、彼は逃走場所を再検討する必要があった。

タタタタタッ……ガチャッ、バターンッ!

支配人「ど、どうされましたか!?」

ストラット「『閂の扉』を開けてくれ。そして――『離れの祠』の鍵をくれ!」

支配人「状況は察せませぬが、分かりました。今すぐお開けしましょう」

蝶を振り切り、滑り込むようにホテルのロビーへとたどり着いたストラット。
その只ならぬ様子に気圧された支配人は、彼の要求を呑んで、
急いでロビーの向こう側にある大きな閂の扉へと向かう。
支配人が呪文を唱えると、数百年は使われていないであろう閂はギイ、と重厚な大きな音を立て。
――そして、中庭に向かう扉は開け放たれる。

489 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 21:55:56 ID:???
支配人「さあ、急いでください!」

ストラット「ああ、感謝する!」

ダッ!

暫く前に、雪はもう止んでいた。ストラットは新雪の積もった中庭を一直線に走り、
中庭の中央に佇む『離れの祠』へと向かう。
黄金の蝶のうち、幾つかは閂の扉の抗魔力に阻まれているようだったが、
その一部は屋根を越えて空からストラットを追い続ける。

ストラット「……くそっ、間に合え。うおおおおおおおぉぉぉぉぉぁあぉぉぉぉぉっ!」

バァァァァァッ!

それから得意なオーバーヘッドキックの要領で、祠のドアに向かって飛び込んで。
蝶々がストラットに死の魔法をかけるよりも早く、ドアを開き、部屋に入り、
そして、……ドアを閉めて鍵を掛ける!

ガチャァァァァァァアッ!!

ストラット「はぁ、はぁ……よし。逃げられたァァァアアッ!」

――『離れの祠』は、中世時代の修道士の瞑想場所として用いられていたらしい。
狭い場所で精神を集中し、神への交信を深めるには、この場所は打ってつけだったとか。
だがしかし今となっては、使用する者も殆ど居らず、雪かき用の梯子やシャベル位しか置かれていない。
そしてストラットは視認する。密室には、誰もいないと。

490 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 21:57:27 ID:???
ストラット「……とにかく、これでもう安心な筈だ」

内側の施錠がしっかりとなされている事を確認しながら、改めてこの密室の強固さを振り返る。

自分の居る『離れの祠』に至るには、ロビーにある『閂の扉』を潜り抜け、
足跡の残る中庭を進み、祠そのものに施された施錠を破る必要がある。

しかし、『閂の扉』にかかっている閂は非常に強固であり、破壊する事は不可能。
奇跡的に扉を破壊出来たとしても、人間は足跡を残さずには中庭を通れぬし、
もし足跡が残れば、それは重大な証拠となる。
それらの困難を潜り抜けて、祠の前まで辿り着く事が出来ても……ダメなのだ。

ストラット「この祠の鍵は、今俺が持っている一つだけ。そして、事前に忍び込むにしても、
      この部屋には、隠れられるようなクローゼットやベッドの類は存在しない。
      そして何より、今、この部屋には『アイツ』はいない。……俺は、助かったんだ!」

本人による内側からの施錠。そして鍵はその内側にある。
事前に密室内の家具類に隠れている可能性もない。
シンプルながらも最強の密室構築を、ストラットは完成させる事ができた。
これならば、魔女の魔法が入り込める余地などどこにも―――



ミアータ「無いと思ったぁ? ウフフ……ストラットったらお馬鹿さん」

ストラット「!?!?!?!?!?!?!?!?」




491 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 21:58:46 ID:???
――いや、いた。魔女は既に忍び込んでいた。
金色の鱗粉に姿を変え、扉の隙間から、壁の外側から、地下から、天井から、平行空間から!
魔女の魔法に、ニンゲン風情が考えた密室如きが通用するはずもない。
緑色の体表で体よく草葉に擬態したと思い込んでいる芋虫を、人間が見つける事の如何に容易い事か。
ストラットの必死の努力は、魔女にとっては芋虫の体表程度の欺きにしかならないのだ。

ストラット「ま、待てミアータ! 俺が、俺が悪かった。許してくれ!」

ミアータ「うん、許してるわ。私、貴方の事だったら全てを許そうと思っているもの♪
      クビになっても、犯罪をしても、浮気をしても、私を裏切っても。
      どんな事をしたって許してあげるわ。だって、私は貴方を愛しているもの」

ストラット「じゃ、じゃあ……頼む。殺さないで……殺さないでくれ!」

同世代のエースストライカーとして、夥しい数のゴールを挙げた彼は今や、
魔女の前では哀れなる乞食も同然だった。しかし、彼に落ち度がある訳ではない。むしろその逆。
彼はあまりに、魔女に愛されていた。それが故に、彼は今こうして、全てを失いつつあるのだから。

ミアータ「あのね、ストラット。私は、貴方を殺す為にここまで来たわけじゃないの。
      私は――貴方を黄金郷に招待しに来たのよ?」

ストラット「またそれか! それは聞き飽きた! 何が黄金郷だ。君の言う黄金郷は、ただの無理心中じゃないか!」

ミアータ「……はぁ。本当に可愛そう。反魔法の毒に染まってしまって、黄金の真実が見えなくなっちゃったのね。
      でも大丈夫よ。私がそうだったみたいに、すぐに良くなるからね?」

シャキーンッ! カランッ、カランカランカランカランカランッ!

ミアータが――愛憎の魔女が指示を出すと、虚空から一本の杭が現れた。
邪悪なる海蛇を象ったそれは、カランカランと部屋中を音速で飛び跳ねまわり、
ストラットの命のカウントダウンを告げる。5、4321……………そして、ゼロ。

492 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 22:02:38 ID:???
ミアータ「人間の大罪を象りし、煉獄の七姉妹が一。嫉妬のレヴィアタン! あの人を黄金郷に招待しなさい!」

バッ! ズバァァァァァァァンッ!

ストラット「あ、が……。な、んで……み、あ……………」

バタリ。

――彼女が黒き魔女から譲り受けた高級の家具は、あまりにも慈悲深く、男の心臓を貫いた。
そして、倒れ伏せたストラットの亡骸の至る箇所に口づけをしながら、
……魔女ミアータは、悲し気にこう呟いた。

ミアータ「ごめんね、ストラット。誰よりも愛してるわ。……こんなの、他の男にはしないのよ?
      貴方の事が好きで好きで。愛して堪らないからなのよ? 愛が無ければ、殺す事なんてできないんだから」

ある魔女は言った。愛が無ければ、視えないものも存在すると。
ならば、その愛が有り余る場合、一体その風景はどうなるのだろうか?
愛が無ければ、少女は魔女にならなかった。少年は命を落とさなかった。

……愛が無ければ、視えない。

愛憎の魔女の双眸には、凡百のニンゲンは勿論のこと。
千年以上を生きた大魔女にすらも、視えない風景が広がっているのかもしれない。
彼女を観測する者達は、その風景が、せめて美しいものである事を祈るしかなかった。


+++++++++++++++++++++++++++++++++++

493 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 22:04:18 ID:???
************************************
〜上位世界・魔女のサロン〜

ベアト「な、なんだこれは……! 妾以外の魔女が、ニンゲンの少女に力を分け与えたと言うのか!?」

ワルギリア「どうやら、そのようです。……航海者権限を与えられたのは、私達だけじゃなかったようですね」

ミアータによる魔法殺人の様子は、森崎達がサッカー合宿を過ごす世界よりも上位に位置する視点にて、
ベアトリーチェとワルギリアによって観測されていた。
碑文を媒体にこの世界へと渡り歩いてきたベアトリーチェとワルギリアだったが、
今回の事件は彼女達にとって想定だったようである。

ベアト「あれだけの力を容易く分け与えられる存在かつ、妾専属の家具であった煉獄の七姉妹を
    貸し与えられる者と言えば、おおよそ検討は付くが……今は、犯人探しをしている場合ではない」

ワルギリア「その通りです。彼女を放置しておけば、今殺されたストラットくんだけじゃない。
        イタリアJr.ユースのメンバー全体……引いては、この世界のサッカー情勢に致命的な影響が生じます。
        そうなると、この世界はロジックエラーを起こし破綻してしまうかもしれない」

ベアトとワルギリアが観測し、今森崎が居る世界は、基本的には『キャプテン森崎』という、
ニネー卿のゲーム盤を下敷きにしたものである。寛大なる彼女の方針もあり、このゲーム盤は
大体の改変や変更は許可されているのだが……その前提となる世界観に破綻が生じた場合、
その波紋はどこまで広がるかは底知れない。別のカケラ世界、別のゲーム盤からやって来たベアト達にとって、
世界の破綻は望む事ではなかった。

ベアト「……魔女の魔法には、ニンゲンのトリックでしか対抗できぬ。
    今の妾とお師匠様で魔法対決に持ち込んでも、口惜しいが返り討ちに遭うのがオチか。
    ……となると、やはりアイツに。森崎に動いて貰うしかないかァ」

ワルギリア「それが賢明でしょうね。後は、森崎くんが私達の意思に気付くかどうかですが……」

???「それについては心配ないわ」

494 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 22:09:12 ID:???

パァァァァッ……。

不意に、靄が生じて人の形をとった魔女が現れる。
ベアトとワルギリアが腰かける椅子の間に立った彼女は、はあ、と溜息を吐きながらもそう応じた。

ベアト「に、ニネー卿ではないかァ! どうもどうも、今日はこのような僻地まで遠路遥々と……」

ニネー「なーにが僻地よ。人の領域で好き勝手に暴れちゃってさ。確かに私、逆転若林とか、
     ときめきメモリサキとかはやったけど、屁理屈推理合戦を持ち込まれるとは思わなかったわ。
     ……ま、面白いから良いのだけれど」

彼女こそが、話題にも出ていた運命の魔女にしてこの領域の主・大ニネー卿。
あらゆる無限の可能性から絶対の1を抽出し、選び取る魔法に長けた彼女は、
自在に変動する1を無限に並べる魔女のベアト達にも決して引けを取らぬ――いやむしろ、
彼女達を圧倒する佇まいと風格を持って、この場に君臨していた。

ニネー「……で、今回の事件なんだけど、これは一応私の想定の範囲内です。
     ストラット君にはナイスなボートが似合うしね。だから、私の方で、もう既に策は打ってあるわ。
     いや。策を打たずとも問題無かった、と言うのが正しいかしら」

ワルギリア「ニネー卿。貴方はこの事態を予期していた……と。
       私達以外にも、新たな魔女が乱入し、世界を侵食しようと企むであろうと。
       そう、仰られるのですね」

ニネー「……ええ。貴女達を前にしては、本音はまだ話せないけれど。大筋はそうね」

おぞましいまでに長く美しい金髪をはためかせ、運命の魔女はそう答える。
決して雄弁ではなく多くを語ろうとはしない彼女であるが、
その言葉の全てには他の者には無い重みがあった。


495 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 22:21:11 ID:???

ニネー「下。見てみなさい。……さっそくはっちゃけてるからさ。色々と」

ベアト「……む。こ、これは……!?」

故に、ベアトはニネーの指示通りに再び下位世界――森崎達が生活し、今殺人が起きた世界を覗き込む。
すると、そこには――想定外に手早く、事が進んでいるようだった。


************************************


ミアータ「な、何なのよぉアンタは……私とストラットの愛をジャマしないで!」

森崎「……何なの、って言いたいのはこっちだぜ!
    クソみたいな合宿場に連れていって、結局やらせるのは殺人事件の屁理屈ゲームかよ!
    あんのクソ魔女のせいかは知らんが、後で絶対泣かせてやる!」

――森崎は既に、愛憎の魔女ミアータの存在を認知し、そして早々に勝負を始めようとしていた。
魔女とのゲームもこれで4度目ともなると、森崎も既に手馴れているようだった。

*********

ニネー「(領域の住民たちに、ウイッチハンターの権限を与えておいて正解だったわ。
      お蔭で視点である森崎君の志向が強まっている。これなら、少なくとも勝負はすぐに始まりそうね)」


*********

もっとも、それにはニネーの後方での力添えがあってこそ、ではあったが。
ただし少なくとも、彼女の先見の明は、事件の複雑化を防ぐという効果はあった。
早速、森崎とミアータとの間にチェス盤――今回のゲーム盤の情景が再構築されていく。

496 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 22:25:29 ID:???

森崎「いいか。ホテルの構図は、こうだ」

森崎はまず、支配人からもらったホテルの平面図を見せながら、状況確認を進めていく。

〜ホテル・プルガトリオ 平面図〜


  □□□□□□□□□□□□□□□
  □                    □
  □                    □
 会□      □□□□□       □
 議□      □     □       □
 室□      □ 離れ □      □  
 ・□      □□■□□       □
 客□          ・          □
 室□          ・          □
 等□          ・          □
  □       (閂の扉)        □
  □□□□□□□■□□□□□□□□              
          (ロビー)
        
□=壁
■=扉・ドア
・=ストラットの足跡(ロビー→離れ行きの片道のみ)

※壁と壁・扉との間には隙間は無いものとする。
※その他、魔女側の補足をここに記すものとする。

497 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 22:35:18 ID:???
森崎「問題の焦点は3つ――■で記された扉・ドアの密室と、・で記された足跡のトリックの関係だ。
     ひとつ、ロビーと中庭を繋ぐ、『閂の扉』。ここにはストラットが入るまでずっと、閂が掛かっていた筈だ。
          そして、ストラットの入室後、閂は降ろされた。にも関わらず、犯人は如何にしてこの扉を抜けたのか?

     ひとつ、中庭にある足跡。中庭にはストラットの足跡、それもロビーから中庭に向かう足跡しかない。
          もしもミアータなり外部犯が殺したのなら、そいつの足跡が無くてはおかしい筈だ。
          ではなぜ、中庭にはストラットの足跡しか無いのか?

     ひとつ、死体発見現場である『離れの祠』の施錠。これはストラットが内側から施錠し、
          警察が死体を発見するまで、一度も開かれていない。また、内部に潜んでいた可能性を示すにも、
          部屋の内部には、隠れられるような家具類・秘密の部屋類は存在しない。
          ではどうやって、犯人は密室に入り、ストラットを殺したのか?
          またどうやって、犯人はストラットを殺した後、姿を消したのか?

     ……まずは、俺が定義した今回の問題の焦点に間違いが無いならば、関連する赤き真実を貰おうか」

ミアータ「ええ、分かったわ。……分かったけれど、ちょっと提案があるのよ。
      私は今からその3つの問題全てに関連する赤を出す事が出来る。でも、そうすると赤の量が膨大になり、
      推理に不要な手間がかかる。……これじゃあ、どっちも楽しくないわ。
      そこで提案なんだけど――」

そう言いながらも、ミアータは前提となる赤き真実を組み上げていく。
しかしそれは……完璧では無い。彼女が出した赤き真実は、ごく一部のみだった。

498 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 22:44:03 ID:???
ミアータ「【ロビーから『離れの祠』に通じる扉には、閂がかかっている】!
      【ストラットが中庭に入った瞬間のみ、閂はかかっていなかった】!
      【ストラットと同時に中庭に入った人物Xは存在しない】!
      【『閂の扉』を通らずして、中庭に行ける手段Xは存在しない】!」

バシュッ、バシュッ、バシュンッ!

ミアータが出して来たのは、たった四つの赤き真実。
……すべてが、第一の論点。『閂の扉』に関する謎についてのみだった。

森崎「……ご丁寧に、どうも。魔女が密室を破った順番通りに、俺も順番に密室を破っていけってか」

ミアータ「そうよぉ? そうした方が楽しいし、楽だし、どっちにとっても得でしょお?
      あ、ちなみに今回の謎。私は勿論、『愛の魔法で扉をすり抜けた』!と主張するけれど。
      もしもニンゲンとトリックで説明できるってんなら、やってみればぁ? くすくすくす……!」

森崎「言われなくとも、そうしてやるさ。……さあ来い愛憎の魔女! テメエが作ったカティナチオ、
    この俺がオーバーラップからのリバーシブルボレーで、メチャクチャに凌辱してやるぜ!!」 

499 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 22:46:27 ID:???
Episode 4   Catenaccio of the golden witch 〜黄金の魔女の閂〜 第一の晩 開始

−魔女の出題(幻想描写は>>488-492)−
【ストラットは離れの祠で、ミアータにより殺害された】。
しかし、
 @【ロビーから離れの祠に通じる扉には、閂がかかっている】
 A【ロビーと離れの祠を繋ぐ中庭には、ストラットの足跡しか存在しない】
 B【離れの祠の扉は、内側から施錠されていた】
すなわち、ストラットの死体は、@閂、A足跡、B内側からの施錠という、巨大な三重密室の中にあった。

魔女側はこれを、『愛憎の魔女ミアータが魔法で扉をすり抜け、魔法で空を飛んで中庭を超え、
魔法で壁をすり抜け祠へと入り、魔法の家具の力でストラットを殺害した』と、主張する。

人間側は、「魔女の魔法」以外の方法により、今回の状況を再現できる仮説を提示し
(仮説は、【赤き真実】に抵触しないこと)、以て魔女の主張を否定する必要がある。
なお、【今回限りの特別ルールとして、人間側は@の魔法から順番に謎を解く必要がある】。

−ルールまとめ−
・人間側(=参加者)は、魔女(=GM)に対し、「復唱要求(=事実の確認)」および、
 『青き真実(=魔法を否定するための仮説)』を放つ事ができます。
 
 (復唱要求ならば、要求したい内容を「」に入れて書き込みを。
  青き真実ならば、事件の一連を示した内容を『』に入れて書き込みをしてください。)

・魔女は、参加者の「復唱要求」に対し、【赤き真実(=絶対的な事実)】にて復唱することができます。
 ただし、魔女は「復唱要求」に応ずる義務はなく、応じない理由を示す義務もありません。

・魔女は、参加者の『青き真実』に対し、【赤き真実】にて否定する義務があります。
 否定の方法は魔女の裁量に委ねられますが、ここで『青き真実』を否定できない場合は、魔女の敗北となります。

・人間側は、魔女の【赤き真実】に対し、打ち出せる『青き真実』が出なくなった場合、
 リザイン(=投了)を表明することにより、敗北となります。

500 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 22:53:50 ID:nPx5i6AA
ミアータ「さあ、ゲームの始まりよッ! ……だけどその前に、もう少しだけ赤で補足をしておこうかしら。
      【ストラットは離れの祠で、ミアータにより殺害された】……今回はフーダニットは不要よ。ハウダニットを考えて頂戴。
      【当スレ>>496にある平面図が正しい事を保証する】……ガタガタに見えるのは、>>1の不手際という事で許してね。
      本当のホテルは、ロの字型で正方形の本館があって、その中に狭い離れがあって、間は雪の積もった中庭。
      ……ってイメージよ」

森崎「問題の区分けにせよ、平面図にせよ。嫌に親切な魔女サマだな。
    だがしかしその余裕、刈らせて貰うぜっ、さあ行くぞ!」

☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆
 ※現在は、@閂の扉の謎についての出題をしております。
   A足跡、B内側からの施錠に関する復唱要求・青き真実は保留にされる可能性があるので、
   ご了承をお願いいたします。(ゲーム全体に関わる内容であれば、GM判断で復唱等を行います)

501 :森崎名無しさん:2017/08/26(土) 22:56:16 ID:???
「ミアータは閂を外していない」
「『閂の扉』は一つだけ」
「閂を外さずに『閂の扉』を開けることはできない」

502 :森崎名無しさん:2017/08/26(土) 22:58:54 ID:???
>>501で『閂の扉』としてしまっていますが、全て復唱要求「」ということでお願いします
紛らわしくしてしまい、すみません

503 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 23:01:52 ID:nPx5i6AA
>>501
森崎「早速行くぜ復唱要求ッ!
    「ミアータは閂を外していない」
    「『閂の扉』は一つだけ」
    「閂を外さずに『閂の扉』を開けることはできない」!」

ミアータ「さぁて、どうしようかな。……じゃあ、上二つについてはサービスしちゃおうかしら。
      【ミアータは閂を外していない】
      【閂の扉は一つだけ】
      最後のは復唱拒否よ。理由はぁ……ウフフ。ストラットを愛しているから、よ……♪」

森崎「キチガイスイーツ野郎が……何が愛しているから、だ」

ミアータ「恋もした事も無い貴方には分からないでしょうねぇ? この私の謎も、魔法も、全部ぜぇんぶ。
      ウフフフ……ぶひゃひゃひゃひゃひゃふひぃっ!!」

森崎「(男が居ても逃げてきそうな下品な笑い方しやがって。さて、次の手は……)」

☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆
 ※現在は、@閂の扉の謎についての出題をしております。
   A足跡、B内側からの施錠に関する復唱要求・青き真実は保留にされる可能性があるので、
   ご了承をお願いいたします。(ゲーム全体に関わる内容であれば、GM判断で復唱等を行います)

504 :森崎名無しさん:2017/08/26(土) 23:10:04 ID:???
「閂をかけ直したのはストラットである」
「閂を閂の扉にかけ直した後、今に至るまで閂も閂の門も壊れたり開いたりしていない」

505 :森崎名無しさん:2017/08/26(土) 23:11:51 ID:???
「ロビーから『離れの祠』に通じる扉は複数存在する」

506 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 23:18:08 ID:nPx5i6AA
森崎「復唱要求ッ!「閂をかけ直したのはストラットである」
    「閂を閂の扉にかけ直した後、今に至るまで閂も閂の門も壊れたり開いたりしていない」!」

ミアータ「ウフフ……さて、どう返そうかしらね。
      上は、こんなのはどうかしら、【閂をかけ直したのはホテルの支配人である】けれど、
      【ホテルの支配人は、閂をかけ直した以外に、事件に関与する事はない】。
      下は、復唱できるわね。
      【閂を閂の扉にかけ直した後、今に至るまで閂も閂の門も壊れたり開いたりしていない】
      更に言うと、【閂も閂の門も、決して壊れる事はない】わぁ。ウフフ……頼んでも無いのに
      赤を切ってあげるなんて。私ったらなんて慈悲深い魔女なのかしら……」

森崎「(コイツ、幾ら何でも気安く赤を切りすぎじゃねぇか?
    不気味だ……まるで、俺に謎を解かせたがってるみたいに思える。魔女の余裕か?それとも……)」

507 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 23:23:24 ID:nPx5i6AA
>>505
森崎「じゃあこれはどうだ。「ロビーから『離れの祠』に通じる扉は複数存在する」
    ロビーから中庭に通じる扉が一つしかない、とは言っても、
    ロビーから離れの祠に通じる扉は複数あってもおかしくねぇもんなァ?」

ミアータ「あらあら……でも、それは復唱できないわね。
      だって、【当スレ>>496にある平面図が正しい事を保証する】って赤があるでしょ?
      アレを見たら、ロビーにしろ、他の部屋にしろ、直接離れの祠に通じる扉は無いって言えるじゃない」

森崎「だが、隠し扉の類は考えられるぞ。『ロビーや会議室の地下に、離れの祠直通の扉がある』
    って推理なら、平面図の赤には抵触しねぇしな」

ミアータ「はいはい、ほんっとにストラットと違って陰湿な男ね。分かったわよ。
      【ロビーを始めとするホテル本館から、『離れの祠』に通じる扉は『閂の扉』を除き存在しない】
      ……これで良いでしょ?」

森崎「はいはい、どーも。(……今はダメだったが、仮説も切り出していく必要があるか。
    いや、それともまだ早いか……?)」




☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆
 ※現在は、@閂の扉の謎についての出題をしております。
   A足跡、B内側からの施錠に関する復唱要求・青き真実は保留にされる可能性があるので、
   ご了承をお願いいたします。(ゲーム全体に関わる内容であれば、GM判断で復唱等を行います)

508 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 23:26:34 ID:nPx5i6AA
>>507補足
 ミアータ「……ああ。『離れの祠』に通じる扉の定義だけど。
       これについては、中庭を挟んで祠に通じる、という意味を採用したわ。
       『閂の扉』が直接『離れの祠に』繋がってる訳じゃあないわよ」

 森崎「『閂の扉の先が祠直通のワームホールだった』っていう可能性は無い、って事だな。了解だ」

509 :森崎名無しさん:2017/08/26(土) 23:30:31 ID:???
「閂の扉は閂を開けなければ通ることができない」

510 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 23:33:44 ID:nPx5i6AA
>>509
森崎「復唱要求ッ!「閂の扉は閂を開けなければ通ることができない」!」

ミアータ「ウフフ……くすくすくす……フヒ、ふひひひひひ……あ、復唱拒否よ?」

森崎「だったら、さっさとそう言えよ……」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆
 ※現在は、@閂の扉の謎についての出題をしております。
   A足跡、B内側からの施錠に関する復唱要求・青き真実は保留にされる可能性があるので、
   ご了承をお願いいたします。(ゲーム全体に関わる内容であれば、GM判断で復唱等を行います)

511 :森崎名無しさん:2017/08/26(土) 23:36:53 ID:???
『閂の扉には隙間があり、ミアータは閂を開けずに閂の扉を通過した』


512 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 23:46:07 ID:nPx5i6AA
>>511
森崎「さあ、そろそろ攻撃開始だぜミアータ!
    青き真実!『閂の扉には隙間があり、ミアータは閂を開けずに閂の扉を通過した』!」

ドオオオオンッ!

このゲーム盤にて初めて放たれた森崎の青き真実は、
強烈にミアータの喉元へと肉薄する。しかし、

ミアータ「【閂の扉には一切の隙間は存在しない】ッ!」

シュンッ、バキイッ!

――ミアータは鮮やかな赤き短剣を振るい、その弾丸を切って見せる。
もっとも、この程度は森崎も想定済みである。

森崎「フン。その程度でリザインしてくれる程甘い敵だとは思っちゃいねえよ。
    面による推理で、お前を圧倒してやる。見てろよ」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆
 ※現在は、@閂の扉の謎についての出題をしております。
   A足跡、B内側からの施錠に関する復唱要求・青き真実は保留にされる可能性があるので、
   ご了承をお願いいたします。(ゲーム全体に関わる内容であれば、GM判断で復唱等を行います)


513 :森崎名無しさん:2017/08/26(土) 23:53:42 ID:???
「『閂の扉』の閂は元々飾りであり扉を密閉できるものではなかった」

514 :森崎名無しさん:2017/08/26(土) 23:54:13 ID:???
『閂は飾りであり、閂を外さなくても扉は開く』

515 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/26(土) 23:56:22 ID:nPx5i6AA
>>513-514
@閂の扉の謎、魔女側リザインです。描写は少しだけお待ちください。

516 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 00:01:02 ID:???
初撃のジャブが軽ければ軽いほどこの後の謎への不安が大きくなるなぁ……

517 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 00:17:14 ID:???
>>513-514
森崎「……とは言ったが、前言撤回。この問題は楽勝だったな」

ミアータ「ウフフ……ブフフフ……グヒヒヒィフヒィ……だったら、さっさと青でも何でも出しちゃいなさいよ。
     ストラットみたいに、もっと早く出しちゃって」

森崎「汚ねぇ下ネタほざくんじゃねえ。……簡単な言葉遊びを仰々しく引っ張りやがってよ。
    閂の扉の謎はこうだ。『閂は飾りであり、閂を外さなくても扉は開く』……だろ?」

ミアータ「ふふふ……リザインね。【閂の扉には、巨大な閂がドアノブに”かかっていた”】だけなんだもの。
      【ドアノブ自体に鍵は無いから、閂がかかっていようがいまいが、誰でも何時でも中庭に出入りできる】。
      これが、第一の謎。『閂の扉』の真実よォ……?」

ドーーンッ、バギイイイッ!

ミアータが赤く宣言したのと、森崎が青き弾丸を振り下ろしたのは同時だった。
鋭く鋭利な一撃は、『閂の扉』という仰々しい名前で彩られた幻想を粉々に粉砕し。

ガチャッ。ギイッ……

単なるドアノブ式の古扉は、何の障害も無く容易に開く。
そして次に見えたのは、真っ白な雪に覆われた中庭に、『離れの祠』へと続く一筋の足跡。
ミアータの謎の第二段階、一筋だけの足跡の謎が、森崎の前に立ちふさがっていた。

518 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 00:24:58 ID:Lxl+GgP6

ミアータ「【ロビーと離れの祠を繋ぐ中庭には、ストラットの足跡しか存在しない】
      【足跡を付けずに、雪の積もった中庭を歩く事は不可能】
      【ゲーム開始時からゲーム終了時まで、雪は常に積もっており、天気は晴れていた】

      ……ほぉら、とってもシンプルな謎でしょう?
      足跡を付けずに、雪の積もった中庭を歩く事は不可能。
      だけど、ゲーム開始時からゲーム終了時まで、雪は常に積もっており、天気は晴れていた。
      だから、足のついたニンゲンが、ストラットの部屋がある離れの祠に入るのは不可能。
      『私は魔女だから、蝶々の姿になって、ストラットの部屋まで飛んで行った』んだけどね?
      ……あんたは、これもニンゲンとトリックで説明できるって言うのおぉ?」

森崎「ああ。……さっきとは趣向が違いそうだが、でも簡単だ。何故なら、俺はかつまで諦めないからな。
    いわゆる勝率100パーセントってヤツだ」

ミアータ「あっははははははははは何ソレクッソつまんなぁぁぁああああいいっ!
      ストラットみたいにもっと面白いジョーク言いなさいよぉぉおおおおおくおらぁぁぁああっ!
      こっちは愛する恋人喪って鬱状態なんだぞおぉぉぉぉぉおおおらァァッ!?
      お前に分かるか!?!?!?!!? 大好きな人を失った悲しさをよォォォオォオ〜〜〜ッ!?」

森崎「自分で殺したくせに、よく言うぜ! さっさとくたばりやがれ!!
    (……とは言っても、今のままじゃ無限に仮説が思い浮かぶな。まずは可能性を絞っていくか)」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆
 ※現在は、A足跡の謎についての出題をしております。
   B内側からの施錠に関する復唱要求・青き真実は保留にされる可能性があるので、
   ご了承をお願いいたします。(ゲーム全体に関わる内容であれば、GM判断で復唱等を行います)


519 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 00:27:52 ID:???
『ミアータはストラットの足跡の上を歩いて部屋に侵入した』

520 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 00:33:00 ID:???
「離れの祠までにはストラットの足跡以外の跡は存在しない」
「ミアータは離れの祠に行くのに、スキーやソリなどの道具を使用していない」

521 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 00:38:16 ID:Lxl+GgP6
>>519
『ミアータはストラットの足跡の上を歩いて部屋に侵入した』

森崎「まずは軽いジャブだ。『ミアータはストラットの足跡の上を歩いて部屋に侵入した』」

ドオオオオンッ!

ミアータ「うふふ……【ストラットの足跡は、すぐに彼の足跡だと視認できた】!
      そして、【他人の足跡の上を歩いた場合、下にあった足跡は誰のものか不明とみなす】!
      発想は悪くないけれど、言い当てのレベルで貴方の負けね?」

>>520
森崎「だったら復唱要求だ!
     「離れの祠までにはストラットの足跡以外の跡は存在しない」
     「ミアータは離れの祠に行くのに、スキーやソリなどの道具を使用していない」!」

ミアータ「ええ、良いわよ。
      【離れの祠までにはストラットの足跡以外の跡は存在しない】
      【ミアータは離れの祠に行くのに、スキーやソリなどの道具を使用していない】!
      ほらほら、もっと来てよぉ。ストラットみたく激しくさぁ……うふ、うふ、うふふふひひひひひィッ!」

森崎「誰が来るか、魔女め! 俺の攻撃を食らえ!」

☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆
 ※現在は、A足跡の謎についての出題をしております。
   B内側からの施錠に関する復唱要求・青き真実は保留にされる可能性があるので、
   ご了承をお願いいたします。(ゲーム全体に関わる内容であれば、GM判断で復唱等を行います)






522 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 00:44:31 ID:???
『ミアータは周りの雪で全ての足跡を隠した後、ストラットの靴を使いストラットの足跡を雪につけた』

523 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 00:52:58 ID:Lxl+GgP6
>>522
A足跡の謎、魔女側リザインです。描写は少しだけお待ちください。

524 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 00:53:11 ID:???
「閂の扉から離れの祠までは、5m以上距離がある」
「中庭に空からヘリなどが入ることはできない」
「ミアータが中庭に入ってからストラット殺害まで、30分以内である」

525 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 01:28:14 ID:Lxl+GgP6
>>524
森崎「復唱要求、「閂の扉から離れの祠までは、5m以上距離がある」
    「中庭に空からヘリなどが入ることはできない」
    「ミアータが中庭に入ってからストラット殺害まで、30分以内である」」

ミアータ「ええ、良いわよ。復唱してあげる。
      【閂の扉から離れの祠までは、5m以上距離がある】……と言ってもまあ、10メートルくらいかしら。
      離れの祠はそんなに広くて大きな建物じゃないし。

      【中庭に空からヘリなどが入ることはできない】……ちなみにサービスすると、
      【中庭の広さは、ちょっとした公園くらい。25メートル四方位】で、
      【離れの祠の広さは、中庭の真ん中から、4〜5メートル四方位】よ。

      【ミアータが中庭に入ってからストラット殺害まで、30分以内である】。
      中庭も、離れの祠も、そんなに広々とした場所じゃないからね」

526 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 01:32:20 ID:Lxl+GgP6
>>522
森崎「『ミアータは周りの雪で全ての足跡を隠した後、ストラットの靴を使いストラットの足跡を雪につけた』
   ――これでどうだ!」

ミアータ「そうねぇ……ちょっと正確じゃないけどリザイン、しちゃおうかしら。
      あ、ちなみに正解は私、【ミアータはストラットがいつも履いてる靴と寸分違わぬ靴を着用していた。
      足跡が一筋とは赤で記載が無い以上、ペアルックの靴で普通に祠へと向かった】……よ?
      フフフ……恋人同士なら、ペアルック位同然だものね。
      脳味噌脊椎心臓生殖器全てがペアルックにするのが、私の目標だったもの……ふききききっ!!」

森崎の気迫あふれる青に対し、ミアータは……存外にあっさりと敗北を認めてしまう。
第一の論点の時はまだ分かった。一つを落としても、相手にはまだ二つも駒があるのだから。
しかし、今の論点でも落とすのは流石に不味いのではないか。

森崎「……そんなに自信があるのかよ。第三の謎に」

ミアータ「うふふ……さあ、どうかしら」

そのため、畢竟、森崎は警戒する。第三の謎――内側からの施錠の謎の難易度に。
そうだ。これまでの謎が簡単だったのはきっと、ここで森崎を罠にハメる為である。
だからこそ、森崎は警戒して彼女から赤を切り出そうとするのだが……。


527 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 01:37:35 ID:Lxl+GgP6

ミアータ「じゃあ、第三の謎についての赤、出すわね。
      【離れの祠の扉は、内側から施錠されていた】
      【離れの祠の扉を施錠したのは、ストラットである】
      ……この辺りは良いわね? そして……
      【ストラットによる施錠直後からストラットの死体発見時まで、離れの祠は、
      ベアトリーチェの密室定義を満たす】わ。
      
      なお、【ベアトリーチェの密室定義とは、 内外の出入りが一切隔絶された室内を指す。
      当然、内外からの一切の侵入・脱出は愚か、干渉もできない。
      それは包括的に、隠し扉の否定、外部干渉の余地一切の否定を含む、という定義を指す】わよ」

森崎「……?(ん? 案外平凡だな。まあ確かに、【ベアトリーチェの密室定義】が出て来たのは、
    いよいよもって強固な密室だって事なんだろうが……)」

想像していたよりは、当初に提示された赤き真実が平凡だ。
勿論それは、様々な仮説を想定して戦わなくてはならないという困難も意味してはいるが、
決して解けぬ事の無いような問題にも見える。


528 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 01:38:52 ID:Lxl+GgP6
************************************

ベアト「……! こ、この謎は……!? あいつめ、何たる業を使いおる……!」あ

ワルギリア「これまでの単純なトリック問題も、これまでの幻想描写も。
        全ては、この問題の為の布石だったのですね……」

ニネー「ちょ、ちょっとどういう事よ。私、このゲーム初心者なんだから、教えてよ!」

ベアト「ああ失礼、ニネー卿。……妾達は、ただただ関心しておったのだ。
    このゲームを作りし魔女にな」

しかし、実際にゲームに取り組む森崎を後方から支援(応援だけだが)していた、
上位世界の魔女たちは、真相を知るが故に舌を巻く。

ワルギリア「ニネー卿。この謎自体は、決して難しいものではありません。
        むしろ、かなりシンプルかつ単純な問題です。
        恐らくは、これ単品での出題であれば、すぐに正答が飛んで来るでしょう」

ニネー「単品での出題であれば……つまり、これまでの問題が、
     この問題を複雑にしている、っていう訳?」

ベアト「正確には、この問題だけでない。このゲーム盤全てだ。
     ……少々大袈裟に言えば、これまでのゲーム盤での描写・謎解き。
     これら全てが、今、森崎に出された謎の為の壮大なる前フリであったと言えるだろう」

狭苦しい、6畳一間位の大きさの祠で、驚愕のあまり目を見開いた死体
――心臓には蛇竜・レヴィアタンを模した装飾の杭が刺さっている――を観測しながら、
ベアトは深く溜息をついた。

529 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 01:40:14 ID:Lxl+GgP6

ニネー「勝てるの? 森崎君は……?」

ベアト「分からぬ。ヤツの諦めの悪さ故、ほぼ負ける事は無いと思うし、
     案外一発で解けてしまう可能性も無きにしもあらずではあるが……。
     それでも、絶対の保証はできぬ」

ニネー「そ、そんなァ……」

魔女の中ではゲーム盤への理解が低いニネーは、森崎の安否が気が気でならない。
そんな彼女を優しく包み込むように、最年長のワルギリアが言う。

ワルギリア「大丈夫です。今の森崎くんならば、決して勝てない相手じゃありませんから。
       ですから、貴女も信じてあげてください。ほっほっほ……」

ニネー「そうよね……。森崎君は、ハンブルグ戦もそうだけど、西ドイツ戦も、
     サンパウロ戦も、紅白戦も、そしてブラジル戦も。全部の試合に諦めず、
     最後まで戦い続けたんだものね。諦めんと言ったら、諦めん!」

森崎の名言を口にしながら、ニネーは、上位世界の魔女たちは森崎を応援し続ける。
彼が黒き魔女の眷属に打ち勝ち、この世界に安定を取り戻してくれるように……。


************************************

530 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 01:49:02 ID:???
森崎「(何はともあれ、まずは整理だ。今回の赤は……)」

森崎は復唱要求や仮説の提示に先立って、今回の謎に役立てそうな赤を見つくろう。
それは、たった今ミアータによって提示された赤だけではない。
これまでのゲームで出て来た赤にも、有益な事実は記載されている筈だ。
森崎はそう思って、関係しそうな赤字を纏めたところ、以下の通りとなった。

【ストラットは離れの祠で、ミアータにより殺害された】
【離れの祠の扉は、内側から施錠されていた】
【離れの祠の扉を施錠したのは、ストラットである】
【ストラットによる施錠直後からストラットの死体発見時まで、離れの祠は、ベアトリーチェの密室定義を満たす】
【離れの祠の広さは、中庭の真ん中から、4〜5メートル四方位】
【当スレ>>496にある平面図が正しい事を保証する】
【ミアータが中庭に入ってからストラット殺害まで、30分以内である】

森崎「(とりあえずは、この程度か……? 本当に有益なものと、単なるノイズとは分ける必要があるだろうが。
    まずはこの辺りの事実を鑑みた上で、いくつか当たってみようか……)」

――勿論、今の時点で革新的な事実は思い浮かばない。
しかし、これらを繋いでいけば、絶対の真実にだって辿り着ける筈なのだ。
そう思いつつ、森崎は――嫉妬の力を帯びた、第三形態のミアータと対決することとなった。

531 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 01:57:08 ID:???
……と、言ったところで今日のゲームはここまでにします。
明日は早めの時間(目標20時〜)にゲームを再開したいと思います。

復唱要求や青き真実があれば、次の再会時にまとめて回答等したいと思っていますので、
今の時間帯でも書き込み等頂ければ幸いです。

>>516
@とAは簡単め、Bは難しめになる事を想定していました。
Bについては、適度に苦戦しつつギリギリ勝てる程度の難易度を目指していますね。
……と、言いつつ一発リザインの可能性も捨てきれませんがw

それでは、本日はご参加いただき誠にありがとうございました。

532 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 01:58:04 ID:???
「ミアータは離れの祠の中でストラットを殺害した、もしくは致命傷を負わせた」
「離れの祠の扉が施錠されたとき、中にいたのはストラットだけである」
「ゲーム上で登場する離れの祠は一つだけである」

乙です

533 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 03:22:57 ID:???
いやまさかとは思うけど・・・
「死んだストラットは間違いなくイタリアのFWであるチェザーレ・ストラット本人である」


534 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 12:33:54 ID:???
「ストラットの死因は毒殺である」

535 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 20:04:48 ID:Lxl+GgP6
こんばんは。ゲーム盤を再開します。
まずは復唱要求を出していただいている、>>532→>534さんへの回答から始めます。
>>532
乙ありがとうございます!

あと、遅い補足ですが、>>502さんが配慮して頂いた『閂の扉』『離れの祠』につきまして、
GMはこれを固有名詞を表すものとして書いていました。
ですが、復唱要求等するとややこしいので、ゲーム上においては、『』の有無は問わない事とします。
(そのため、普通に閂の扉、離れの祠、で『』は付けずに復唱要求等して頂ければ構いません)

536 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 20:11:31 ID:Lxl+GgP6
>>532-534
森崎「まずは第一の晩の打ち残しだ。復唱要求!
     @「ミアータは離れの祠の中でストラットを殺害した、もしくは致命傷を負わせた」
     A「離れの祠の扉が施錠されたとき、中にいたのはストラットだけである」
     B「ゲーム上で登場する離れの祠は一つだけである」
     C「死んだストラットは間違いなくイタリアのFWであるチェザーレ・ストラット本人である」
     D「ストラットの死因は毒殺である」!」

ミアータ「五つもあるのね? いいわぁ、答えてあげる。
       @については、既存の赤を補強する形で応えるわね。
       【ストラットは離れの祠の中で、ミアータにより殺害された】!
       Aについて、そうね。こう答えようかしら。
       【ストラットが離れの祠を施錠した時、ミアータの姿は祠のどこにも見えなかった】。
       つまりは、中にはストラットしか居なかったという事よねぇ?
       Bは少しだけ表現を変えるわ。
       【離れの祠は、一つしか存在しない】。より強い表現にしてあげる。
       Cはそのまま復唱ね。
       【死んだストラットは間違いなく、イタリアのFWであるチェザーレ・ストラット本人である】
       Dについては、ハッキリとこう言ってあげるわね。
       【ストラットの死因は、アイスピックのような杭での刺殺による失血死】
       煉獄の七杭には、どんな密室だって通用しない。最高に素敵な家具だわぁ……くすくす」

森崎「メルヘン女め。……何が煉獄の七杭だ。単なるメイドインアメリカの、土産物じゃねーか。
    待ってろよ、俺が必ずテメエのハラワタをぶちまけてやって……お前の幻想を否定してやる!」


537 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 20:12:40 ID:Lxl+GgP6
Episode 4   Catenaccio of the golden witch 〜黄金の魔女の閂〜 第二の晩 開始

−魔女の出題(幻想描写は>>488-492)−
【ストラットは離れの祠で、ミアータにより殺害された】。
しかし、
 @【ロビーから離れの祠に通じる扉には、閂がかかっている】
 A【ロビーと離れの祠を繋ぐ中庭には、ストラットの足跡しか存在しない】
 B【離れの祠の扉は、内側から施錠されていた】
すなわち、ストラットの死体は、@閂、A足跡、B内側からの施錠という、巨大な三重密室の中にあった。

魔女側はこれを、『愛憎の魔女ミアータが魔法で扉をすり抜け、魔法で空を飛んで中庭を超え、
魔法で壁をすり抜け祠へと入り、魔法の家具の力でストラットを殺害した』と、主張する。

人間側は、「魔女の魔法」以外の方法により、今回の状況を再現できる仮説を提示し
(仮説は、【赤き真実】に抵触しないこと)、以て魔女の主張を否定する必要がある。
なお、【今回限りの特別ルールとして、人間側は@の魔法から順番に謎を解く必要がある】。

−ルールまとめ−
・人間側(=参加者)は、魔女(=GM)に対し、「復唱要求(=事実の確認)」および、
 『青き真実(=魔法を否定するための仮説)』を放つ事ができます。
 
 (復唱要求ならば、要求したい内容を「」に入れて書き込みを。
  青き真実ならば、事件の一連を示した内容を『』に入れて書き込みをしてください。)

・魔女は、参加者の「復唱要求」に対し、【赤き真実(=絶対的な事実)】にて復唱することができます。
 ただし、魔女は「復唱要求」に応ずる義務はなく、応じない理由を示す義務もありません。

・魔女は、参加者の『青き真実』に対し、【赤き真実】にて否定する義務があります。
 否定の方法は魔女の裁量に委ねられますが、ここで『青き真実』を否定できない場合は、魔女の敗北となります。

・人間側は、魔女の【赤き真実】に対し、打ち出せる『青き真実』が出なくなった場合、
 リザイン(=投了)を表明することにより、敗北となります。

538 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 20:13:58 ID:Lxl+GgP6
〜これまでの赤字〜
 ※これまでに出ていた内容と、誤解が無いよう書き方を変える・統合する場合があります。
 ※今回は問題が3問あるため、>>1の判断で今の問題(B内側からの施錠)に関する赤を抽出しています。
   (>>530のまとめから、>>532-534の復唱要求と、事件現場全体に関する赤を追加しています)

−ストラットについて−
【ストラットは離れの祠の中で、ミアータにより殺害された】
【ストラットの死因は、アイスピックのような杭での刺殺による失血死】
【ミアータが中庭に入ってからストラット殺害まで、30分以内である】
【ストラットが離れの祠を施錠した時、ミアータの姿はどこにも見えなかった】
【死んだストラットは間違いなく、イタリアのFWであるチェザーレ・ストラット本人である】

−離れの祠について−
【離れの祠の扉は、内側から施錠されていた】
【離れの祠の扉を内側から施錠したのは、ストラットである】
【ストラットによる施錠直後からストラットの死体発見時まで、離れの祠は、ベアトリーチェの密室定義を満たす】
【離れの祠の広さは、中庭の真ん中から、4〜5メートル四方位】
【離れの祠は、一つしか存在しない】

−事件現場全体について−
【当スレ>>496にある平面図が正しい事を保証する】
【閂の扉から離れの祠までは、5m以上距離がある】
【中庭の広さは、ちょっとした公園くらい。25メートル四方位】
【中庭に空からヘリなどが入ることはできない】

539 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 20:16:12 ID:Lxl+GgP6
森崎「(設問自体はいたってシンプルなんだが……どうにも、全てにおいて不気味で不自然だ。
    まるで、魔女の手のひらの上で踊らされているような。
    ……くそっ、とにもかくにも、まずは攻めるだけだ!)」

☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

540 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 20:27:53 ID:???
「ストラットは多重人格者ではない」

541 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 20:30:57 ID:???
「ストラットは離れの祠に入った際に視力を失っていた」

542 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 20:35:10 ID:Lxl+GgP6
>>540
森崎「復唱要求、「ストラットは多重人格者ではない」!」

ミアータ「応じるわぁ、【ストラットは多重人格者ではない】!
      『犯人は多重人格者』、なーんてどっかのクソザコ四流ミステリーみたいな
      クッソツマラナイ真相にするわけなぁいじゃないぃぃいいぃ!?」

森崎「ちっ、ダメか。……それだけ言っといてクソみたいな真相だったら、張っ倒してやるからな」

>>541
森崎「復唱要求、「ストラットは離れの祠に入った際に視力を失っていた」!」

ミアータ「復唱拒否ね。……でも、そうしたら『ストラットは盲目だったため、
     密室に潜むミアータに気付かず殺された』なーんて青を出して来そうだから、
     事前に答えてあげるわ。【ストラットの視力は正常】! あっはははははは!」

森崎「この辺りの質問も想定済み、ってか……! 成程確かに、1問目や2問目とはレベルが違いそうだな」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆


543 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 20:37:24 ID:???
「ストラットは刺された後に離れの祠の扉を施錠した」

544 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 20:43:01 ID:Lxl+GgP6
>>543
森崎「復唱要求、「ストラットは刺された後に離れの祠の扉を施錠した」!」

ミアータ「復唱拒否。理由は……とくになーし。だって、青き真実じゃないと、赤を出してあげる義務なんてないし。
      どうしても気になるんだったら、青で推理を構築してみればぁ?
      それが正しいとは限らないけどね……ウフフ、フヒ、ぐふふぶひぐふうぇぉおおァァッ!?」

森崎「(魔女は下品かつ謎な笑い方をしないといけないってルールでもあるのか……?
     しかし、アイツの言う事も最もか。復唱要求に応じるのはあくまで魔女のサービス。
     真実を煙に巻く為か、それとも単なる気紛れか。その理由は分からんが、仕方ねぇか……)」

☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆


545 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 20:51:12 ID:???
『ミアータは変わり身の術の要領で祠の中に潜んでいた』

546 :545:2017/08/27(日) 20:53:02 ID:???
訂正
『ミアータは隠れ身の術の要領で祠の中に潜んでいた』
とりあえず書いてみた程度のやつで誤字るととても恥ずかしい……

547 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 20:53:19 ID:???
『ストラットはミアータに刺された後に離れの祠の扉を施錠した。
そのあと失血死で死んだ』

548 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 20:59:20 ID:???
>>545

森崎「復唱要求が飽きたってんなら、そろそろお望みの青を出してやるぜ。
    『ミアータは隠れ身の術の要領で祠の中に潜んでいた』!」

カッ! ドオオオオオオオンッ!

ミアータ「うふふ……面白い青ね。でも私はニンジャじゃないのよ。
      【ミアータの身体能力は一般的な成人女性と同じ】
      【隠れ身の術及びそれに準ずる隠密術は、一般的な成人女性には使用不可】!
      これで切れてると思うけど更に、サービスで赤を出してあげるわ。
      【祠の中には、人間が隠れられるような家具Xは存在しない】、
      家具Xとは、通常のホテルの客室にある、ベッド、クローゼット、机椅子類を指すわ!
      つまり、祠の中に隠れ潜む事は土台無理、って訳よねぇ……うふふふふ!!」

シャキーンッ、ズバァッ、バシュウッ、ズドンッ!

ミアータは森崎の青にひるまず、むしろ待っていたと言わんばかりの様子で叩ききる。
赤き短剣を自在に操り、踊るように森崎の青き弾丸を砕いていった。


549 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 21:00:00 ID:???
「離れの祠にはミアータがストラット殺害のために仕掛けたトラップXは存在しない」

550 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 21:07:16 ID:Lxl+GgP6
>>546さん、了解です。とりあえずでもどんどん書いて頂ければ幸いです。
魔女にとって、青は必ず切らないと行けない分、
赤を出すのは魔女の裁量次第な復唱要求よりも赤が出やすいというメリットがあります。
>>547
森崎「もう一発だ、『ストラットはミアータに刺された後に離れの祠の扉を施錠した。そのあと失血死で死んだ』!
    密室殺人では良くあるパターンだが、有効な筈だ。どうだッ!?」

ミアータ「うっふふふふふ……! 良いわねモロサキ。ストラットの0.00000000000001倍素敵だわぁッ!
     でもざぁんねぇん。【離れの祠の扉を施錠した時、ストラットは傷一つなく、健康体だった】!
     つまりッ、あんたの仮説は一掠りもしてないってわけぇぇぇええぇぇぇぇぇッ!!」

ドオオオオオオオオオンッ、キンッ!

森崎の二発目の青も同様だった。この内容は一度復唱要求を拒否されているため、
真実につながる為のヒントが隠されていると思われたが……実際は、魔女の気まぐれだったのだろう。

森崎「(……やっぱり、今までのベアトやソリマチ卿とは違う。このゲーム盤は、謎だけじゃねぇ。
     これを出題する魔女の実力も、これまでより数段上だ! 油断しては、こっちがやられちまう!)」

551 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 21:11:41 ID:Lxl+GgP6
>>549
森崎「基礎的な確認だ。復唱要求、「離れの祠にはミアータがストラット殺害のために仕掛けたトラップXは存在しない」!」

ミアータ「ええ、応じるわ。【離れの祠にはミアータがストラット殺害のために仕掛けたトラップXは存在しない】!
      このトラップXには、直接的な殺害装置だけでなく、眠りガスや催眠装置など、
      間接的にストラットを死に追いやるようなトラップも含まれるわ。
      だってそうでしょ? 愛するからこそ、この私が手ずから殺してあげなくちゃ、失礼だものね……あはははッ!」

森崎「(装置殺害の線も消されたか……マジで一体、アイツはどうやって殺したんだ。
    そしてそもそも、隠れ潜むような家具も技術も無いってのに、アイツはどうやって密室に入り、脱出したんだ?
    謎ばかりだが、一つひとつ、整理していくしかないな)」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

552 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 21:14:50 ID:???
『ミアータは変装して自身を別人だと偽りストラットと共に祠に入り、ストラットを殺害した』


553 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 21:16:58 ID:???
「ゲーム上のミアータとは、今目の前にいるミアータ本人である」

554 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 21:21:27 ID:Lxl+GgP6
森崎「『ミアータは変装して自身を別人だと偽りストラットと共に祠に入り、ストラットを殺害した』!
    これはどうだ!」

ミアータ「あはははっ、面白い面白い面白い面白い面白くなぁぁあああああああああぁぁぁあいいいッ!
      【ストラットは変装していても、ミアータの事を間違えない】!
      当たり前だろうが糞チビハゲ童貞ぃぇえぇぇいぇごるるるるあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁッ!!
      私とストラットは愛し合ってるんだぜぇえええッ、ストラットが私の事を間違えるわけ、
      ねぇだろぉぉぉおおがよおぉぉいおおおおおおおおおおおううらぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

ドオオオオオオオオンッ! バギイイッ!

ミアータ「はぁ、はぁ、はぁ……。ま、【ストラットは一人で離れの祠に入った】んだから、
      そもそも共に祠に入り、って時点で間違ってるんだけどね」

森崎「(こいつ……狂ってやがる! これが魔女の力の影響か……。
    まあ、根暗な常識人の反町ですら魔女化した時はイケイケだったんだから、
    想定内と言えんでもないが……)」

555 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 21:29:59 ID:Lxl+GgP6
>>553
森崎「復唱要求、「ゲーム上のミアータとは、今目の前にいるミアータ本人である」」

ミアータ「う〜ん、今目の前に居る私は魔女で、ゲーム上のミアータも魔女なんだから、
      当然復唱したいんだけど……これはダメね。だって、”ステイルメイト”になっちゃうもの」

――魔女のゲームにおける『ステイルメイト』。すなわち千日手による引き分けとは、
赤字で、【自分こそが魔女である】【魔法は実在する】と宣言する事を指す。
 ※GM註:上の行にある魔法肯定の赤字は、今回のゲーム盤に適用されません。念のため。
こうなると、人間側である森崎には何の反論の余地も無くなるのだが、
赤で一方的に魔法の実在を示された人間側は納得する訳がない。しかし抗弁できない。
その結果は――ゲーム盤の永久停滞。要するに、引き分けである。
よって、ミアータはこの赤に応じられない。

ミアータ「だから代わりに、こう宣言してあげる。
     【犯人のミアータは間違いなく、ストラットの恋人であるミアータ・コリーニ本人である】。
     あんたがどんな青を構築したいのか分からないけど、これが分かれば十分でしょ?」

森崎「……分かったよ。だったら、もう一度考え直してみるか」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

556 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 21:33:36 ID:???
『離れの祠の扉と言う名の扉が別にあり、離れの祠自体の入り口は施錠されていなかった』

557 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 21:34:14 ID:???
『離れの祠は二階建てであり、ミアータは二階に潜んでいた』

558 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 21:43:25 ID:Lxl+GgP6
>>556
森崎「こんな言葉遊びはどうだァ!?
    青き真実、『離れの祠の扉と言う名の扉が別にあり、離れの祠自体の入り口は施錠されていなかった』!」

カッ、ドオオオオオオオンッ!

ミアータ「無駄ァ、【離れの祠の入り口、即ち扉は、確かに施錠されていた】!
      つまり、【離れの祠の扉という名の扉は、別に存在しない】ッ!」

シャキーンッ、ズバァッ、バギイッ!

>>557
森崎「じゃあこれはどうだ!『離れの祠は二階建てであり、ミアータは二階に潜んでいた』」

カッ、ドオオオオオオオオオンッ! ――キイインッ!

ミアータ「【離れの祠は、1階しか存在しない】! これは、祠内には天井で区切られた上部スペースは無いという事であり。
     すなわち【離れの祠には、ストラットの死体が発見された部屋しか存在しない】と言う事ね。
     さあ、どう? そろそろ苦しくなって来たんじゃなぁい?」

森崎「ぐっ……!(いや、……まだ諦めるな。少しずつ、真相は見えて来てる筈なんだ!
    後は、そのゴールに向かって走り続けるだけ……!)」

☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆


559 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 21:46:21 ID:???
『ストラットはミアータ・コリーニと名付けた人形にアイスピックを持たせ、そのアイスピックで自らを刺した』

560 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 21:52:01 ID:???
『祠内は完全な暗闇であり、ストラットはミアータの存在を視認できなかった』

561 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 22:10:11 ID:Lxl+GgP6
>>559
森崎「分かったよ、密室にミアータが入り込める余地はないとしてだ。青き真実!
   『ストラットはミアータ・コリーニと名付けた人形にアイスピックを持たせ、そのアイスピックで自らを刺した』
   これなら、ミアータが入れなくてもストラットは死ねるよなァ!?」

ミアータ「ストラットが私をオカズに自殺してくれるなんて超嬉しいんだけどォ、残念ッ!
     【ストラットは他殺】!【名前を付けた人形に凶器を持たせ自害する方法は、自殺とみなす】!
     だから、この青は通じないわァァアアッ!」

>>560
森崎「じゃあこれだ、『祠内は完全な暗闇であり、ストラットはミアータの存在を視認できなかった』!」

ミアータ「【祠内に居るストラットの周囲には、充分な照明があった】。
      だから、ミアータの存在を視認できないとは言えないわねぇッ!?」

ドオオオオオンッ、ドオオオオオオオオオオオオンッ!!

キイイインッ、バシュッ、ザシュウウッ!

――青と赤が激しく入り乱れても、愛憎の魔女――ミアータ・ベアトリーチェは全く怯む様子を見せない。
それは真の余裕なのか、それとも核心に至りかけた青の存在を隠すポーカーフェイスか。
……狂った笑顔を振りまく彼女の真意を、森崎は読み取れない。

森崎「(大丈夫だ。俺の方向性は間違っていない筈。後は、発想の勝負だ。
     これまで出された赤を掻い潜る、必殺の青がある筈なんだ……!!)」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

562 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 22:16:25 ID:???
『ストラットはミアータと名付けたアイスピックを持った第三者により殺害された』

563 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 22:25:43 ID:Lxl+GgP6
森崎「……青き真実!『ストラットはミアータと名付けたアイスピックを持った第三者により殺害された』」

ドオオオンッ、バシュウウウウッ!

ミアータ「【B内側からの施錠の謎の部分について、ストラットとミアータ以外の第三者Xは存在しない】!
      Bに限定したのは、@の閂の扉で、支配人さんが外れていた閂をかけ直したからよ。
      【支配人が閂をかけ直した部分以外について、第三者Xの関与はない】と言い換えても良いわね。
      そう。この世界は私とストラットの二人きり! 私とストラットこそが新世界のアダムとイブなのよッ!」

森崎「(ちょっと理屈が分からないが、赤は分かった。……チッ、可能性は順調に狭まっている筈なんだが、
    後一歩が思いつかねぇ……一体どうやって、ミアータは密室に潜んでいたんだ?
    隠れられる家具類は無い。隠密の技術は無い。二階とか別の部屋の可能性も潰された。
    ……他に、何か方法があるのか? どうやっても、ミアータは密室に存在できないんじゃないのか?)」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

564 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 22:39:53 ID:???
『ストラットは記憶を失っており、ミアータをミアータと認識できなかった』

565 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 22:44:10 ID:???
>>496にある平面図の離れとは離れの祠のことである」
「ストラットは一人しか存在しない」

566 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 22:49:01 ID:Lxl+GgP6
>>564
森崎「青き真実。『ストラットは記憶を失っており、ミアータをミアータと認識できなかった』!」

ミアータ「既出の赤、【離れの祠の扉を施錠した時、ストラットは傷一つなく、健康体だった】!
      そして、【記憶喪失状態は、健康体では無いとみなす】!
      ほらほらほらほらァ? 私がどんどん消えていく。魔女の魔法で消えていくのよォォッ!?」

ドーーーンッ、ガキインッ!

森崎「くそっ………またかよッ!」

567 :吹飛の魔女モロサキーチェ ◆85KeWZMVkQ :2017/08/27(日) 22:53:31 ID:Lxl+GgP6

>>565
森崎「復唱要求。「>>496にある平面図の離れとは離れの祠のことである」
    「ストラットは一人しか存在しない」」

ミアータ「応じるわ。【>>496にある平面図の離れとは離れの祠のことである】
      【ストラットは一人しか存在しない】。……さあ、これでどうッ!」

森崎「ああ……満足したぜ(様々な可能性が赤で潰されてしまった。
    これこそが魔女の閂(カティナチオ)。あらゆる形でのミアータの存在可能性を否定する、
    ガチガチに塗り固められた赤き真実の集合体!
    謎はシンプルなのに、頑としてゴールを崩せねぇ……くそっ、どうすればいいんだ!?)」


☆ミアータに対する復唱要求「」あるいは青き真実『』をコメントしてください☆

568 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 23:02:50 ID:???
「離れの祠の扉は一つだけである」
「ストラットが離れの扉を施錠したのは一回だけである」

569 :森崎名無しさん:2017/08/27(日) 23:06:24 ID:???
あ、「ベアトリーチェの密室定義を満たす」から>>568の一つ目はありえないのですね
すみませんでした

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