キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【不屈の心は】鈴仙奮闘記40【この胸に】

1 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/16(日) 23:34:44 ID:???
このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品で、東方Project(東方サッカー)とのクロスオーバー作品です。
内容は、東方永夜抄の5ボス、鈴仙・優曇華院・イナバがサッカーで世界を救う為に努力する話です。
他の森崎板でのスレと被っている要素や、それぞれの原作無視・原作崩壊を起こしている表現。
その他にも誤字脱字や稚拙な状況描写等が多数あるかと思いますが、お目こぼし頂ければ幸いです。

☆前スレ☆
【追う蜃気楼は】鈴仙奮闘記39【誰が背か】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1488553934/
☆過去ログ・攻略ページ(キャプテン森崎まとめ@Wiki内)☆
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/104.html

☆あらすじ☆
ある日突然幻想郷にやって来た外来人、アラン・パスカルと中山政男との出会いにより、
師匠に並ぶ名選手になると決心した鈴仙・優曇華院・イナバ。
彼女は永琳の庇護下で実力を大きく伸ばし、幻想郷中の勢力が集まった大会でMVPを勝ち取った!

しかしその夜鈴仙は、自身の成長は永琳の計画であった事、その計画の副作用で
月に眠る大いなる厄災――「純狐」が八雲紫の身体を乗っ取り目覚めつつある事を明かされる。
そして、鈴仙は永琳に懇願される。「純狐」の純粋なる狂気を止めるべく、
次に紫が計画した大会――『幻想スーパーJr.ユース大会』に優勝し、世界を救って欲しい……と。

鈴仙は戸惑いつつも、永琳の願いを受け入れ、
幻想郷の秩序の変革を狙う新チーム・リトルウイングズの一員として、大会に優勝することを誓った。
その後、修行のため鈴仙は単身ブラジルに渡り、様々な困難や出会いを経験しつつも、
アルゼンチンで成長した佳歩達の助力により、リオカップの準々決勝・フラメンゴに見事勝利した。

しかしここで、鈴仙と行動を共にしていた謎の記者アヤソフィアこと射命丸文がチームを離脱。
同時に彼女は語る。自分はかつて「コインブラ」と名乗り、ブラジルに滞在していた事。
自分の愛した義弟アルツールが、暴徒化したファンにより植物人間にさせられた事を。
――いくつもの謎を残しながら、鈴仙達の戦いは続く。次なる相手は準決勝・パルメイラス戦!
森崎の意思を色濃く残し、また、サンパウロへの逆襲に燃える彼らの実力は高く、鈴仙達は苦戦を強いられるも、
イギリスで光を掴むべく覚醒したさとり達の力もあり、前半終了間際で2−0と優位を保っていたが……?

301 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/29(土) 15:39:07 ID:3e8aMZ9U

先着2名様で、

★サトルステギ→ダイナマイトヘッド 63 ( ! card )( ! dice + ! dice )=
★さとり→とびだす 62 (! card)(! dice + ! dice)+(覚妖怪+5)+(人数補正+1)=
 ミャージ→ブロック 52 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=
 穣子→オータムスカイラブブロック 62 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=★

と書き込んでください。カードやダイスの結果で分岐します。

【シューター】−【ブロッカー】
≧2→サトルステギの「ダイナマイトヘッド」がコリンチャンスゴールを突き破る!
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(ネイがねじ込み)(パルメイラスのコーナーキック)(お燐がフォロー)
≦−2→コリンチャンスボールに。
【補足・補正・備考】
サトルステギの『ダイナマイトヘッド』には吹飛係数2があります。
穣子はスキル・丈夫な身体により必殺ブロック発動時、吹き飛び・負傷を無効化します。

302 :森崎名無しさん:2017/07/29(土) 15:40:14 ID:???
★サトルステギ→ダイナマイトヘッド 63 ( クラブ8 )( 2 + 6 )= ★
必要ないだろうけど一応★足しときますね

303 :森崎名無しさん:2017/07/29(土) 15:42:36 ID:???
★さとり→とびだす 62 ( スペードJ )( 5 + 3 )+(覚妖怪+5)+(人数補正+1)=
 ミャージ→ブロック 52 ( ダイヤ6 )( 6 + 5 )+(人数補正+1)=
 穣子→オータムスカイラブブロック 62 ( ハート7 )( 2 + 2 )+(人数補正+1)=★

304 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/29(土) 15:42:38 ID:???
…と、言ったところで外出します。続きは出来れば夜少しやりたいです。
>>302
すみません、ミスでした。★を足した>>302さんの判定を有効として進行いたします。

305 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/29(土) 20:26:11 ID:???
すみません、今からリアルで付き合いが入ってしまったため、更新をお休みします。
明日こそは多めに更新したいです。

306 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/30(日) 06:10:16 ID:???
★サトルステギ→ダイナマイトヘッド 63 ( クラブ8 )( 2 + 6 )=71★
★さとり→とびだす 62 ( スペードJ )( 5 + 3 )+(覚妖怪+5)+(人数補正+1)=76
≦−2→コリンチャンスボールに。

サトルステギ「よし、絶好のポジショニング、そしてタイミングだ!」

さとり「――だとしても、それは既に私の手の内です!」

ビュンッ、ガシイイイイッ!

サトルステギ「ん、ん、んなぁぁぁあっ!? さっきはトニーニョ達のシュートをアッサリ決められてたクセにー!?」

さとり「言ったでしょう。……ペナルティエリア内のシュートは必ず止める、と」

実況「サトルステギ選手、決して悪くない。いやむしろかなり好調な状態でのシュートだったにも関わらず、
    さとり選手には全く敵わない! PA外では惜しくも2失点を喫してしまったさとり選手ですが、
    PA内における不敗神話はここブラジルでもまだまだ続きそうです!」

観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
   「畜生、ダメだったか」「このまま同点か?」「いや、ロスタイムがまだある」「うどんげー! お前も決めろー!」

翼(観客席)「(やっぱり、彼女のPA内での強さはマグレじゃないみたいだね。
         俺の『ドライブオーバーヘッド』でもゴールは難しいかな。でも、『アレ』が出せれば……)」

妖夢(観客席)「(さとりさんの能力はやっぱり厄介ね。でも、私の全力ならばPA内の彼女が相手でも……きっと勝てる。
           いや違う。勝たなくてはならないんだ。負けてはいけないんだ……)」


307 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/30(日) 06:11:26 ID:???
鈴仙「さとりさん、ナイスセーブ! さて、次の攻撃はどうしようかしら……」

さとりは実力通りにサトルステギのシュートを完封し、攻撃権はコリンチャンスに移る。
そしていつものように、残り少ない後半戦の攻めを鈴仙が考えている時――異変が起きた。

てゐ「(……………)――さとりっち、私に持って来な」

さとり「え? ええ……。さとりっちって言う雑かつ唐突なあだ名については言うべき点が多々ありますが。
    ボールを渡すという事については構わないけれど……」

これまで基本、鈴仙のサインを受けて動いていた筈のてゐが、独自にさとりにボールを要求した。
ネイやオルヘスはねじ込みに向かってPA深くまで切り込んでいたし、疲弊したトニーニョは守勢に転じていたため、
それを邪魔する者は居らず、ボールは順当に渡される。

鈴仙「(ん……ここでてゐ? さとりさんが独自に判断したのかな。
    まあ確かに、1秒でも早く点が欲しい今としては、てゐのロングパスは有用だけど…………)」

――しかし、鈴仙の想像とは裏腹に、てゐが出た行動は違った。
そしてそれは、これまで自発的には目立とうとしない、裏方気質のてゐらしからぬものだった。
つまり。

てゐ「――さ、そろそろ私の出番だね!」

ダッ! タタタタタタタッ……!


308 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/30(日) 06:12:48 ID:???
実況「こ、これは……てゐ選手、ボランチの位置からドリブルで中央突破!
    今までは中盤の守備と前線へのロングパスで活躍していたてゐ選手らしからぬ行動です!
    これには一体、どのような意味があるのでしょうか〜〜!?」

鈴仙「えっ……!(てゐ。あんたってばもしかして……)」

てゐ「(ここで失敗すれば、逆転負けのリスクもあるっていう意味じゃあ、
    冷静で的確な判断力に定評のある私らしくもないけどさ。
    ――でも。やっぱり悔しいじゃんよ鈴仙。私らの技が、あんなチャラ男とイモ男の専売特許だと思われちゃあさ)」

――てゐはこの時果敢にも前線へと上がり、そして『インビジブルデューパー』を狙っていた。
得意の『エンシェントデューパー』をシュートに使いかつ、そのシュートを鈴仙が更に蹴りだす事で、
圧倒的な速度と変化を持った兵器へと変貌する、鈴仙達の切り札ともいえる超必殺シュート。
もしもこれが放たれれば……膠着し切ったこの試合の流れを打ち砕く事は不可能ではない。

トニーニョ「くっ……。やはり攻めて来たか!」

リンコン「しゃらくせえ、一気に奪い返してやる!」

てゐ「――どきな。今の私に近寄るんじゃないよ!」

ダッ!

――かくして、竹林の仕事師は今、自分自身と親友のプライドの為に、一世一代の大仕事に出た。
その賭けは果たして吉と出るか、それとも……。


309 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/30(日) 06:14:43 ID:rIgDt3Vo


先着2名様で、

★てゐ→ドリブル 55 (! card)(! dice + ! dice)+(本気モード+1)=★
★トニーニョ→タックル 54 (! card)(! dice + ! dice)+(ガッツ300未満ペナ-1)+(人数補正+1)=
 リンコン→タックル 52 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→てゐ、ドリブル突破! そして……!
=1、0、−1→ボールは零れ球に。そして左から順に
(鈴仙がフォロー)(反町がフォロー)(ゲレーロがフォロー)
≦−2→パルメイラスボールに。
【補足・補正・備考】
てゐのマークがクラブ以外で「シロウサギドリブル(+3、吹飛2)」が発動します。

310 :森崎名無しさん:2017/07/30(日) 07:30:43 ID:???
★てゐ→ドリブル 55 ( ダイヤQ )( 5 + 6 )+(本気モード+1)=★

311 :森崎名無しさん:2017/07/30(日) 07:56:34 ID:???
★トニーニョ→タックル 54 ( スペード2 )( 4 + 5 )+(ガッツ300未満ペナ-1)+(人数補正+1)=
 リンコン→タックル 52 ( ダイヤ8 )( 5 + 4 )+(人数補正+1)=★

312 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/30(日) 13:09:49 ID:rIgDt3Vo
早朝に目が覚めて更新したのは良いですが、そのまま二度寝してました(汗)
これからもまた外出したりするので、超ゆっくりになりそうですが更新します。
それと、今回てゐが11以上で勝利しましたが、ドリブルフラグについて確認したところ、
38スレ目の>>100で習得しているにも関わらず能力値欄で反映されていなかったので、
今回はフラグ回収、という事にします。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★てゐ→ドリブル 55 ( ダイヤQ )( 5 + 6 )+(本気モード+1)+(シロウサギドリブル+3)=70★
★トニーニョ→タックル 54 ( スペード2 )( 4 + 5 )+(ガッツ300未満ペナ-1)+(人数補正+1)=63*吹き飛び!
 リンコン→タックル 52 ( ダイヤ8 )( 5 + 4 )+(人数補正+1)=62★*吹き飛び!
≧2→てゐ、ドリブル突破! そして……!

てゐは感情任せに正面突破を選んだかのように見えたが、その実、何の打算も無かった訳ではない。
面倒なサトルステギやネイが、ダイレクトシュートやそのねじ込みに向かうために
てゐへのマークがかなり薄めていた事や、中盤を支配するトニーニョが疲労しており、
中盤の守備力が減少していた事が、正面突破の成功率を高めていた。
無論、後はてゐ自身がそのトニーニョに勝利し、中盤を制圧する必要があったのだが――。

てゐ「あんたらのシュートを見て、思い出したよ。私にも――プライドを賭けて戦うべき理由があった事をね!」

ブンッ! ダダダダダダダダダダッ! ――ドゴオッ、ドゴオオオッ!

トニーニョ「ぬうっ……!」

リンコン「ぐわぁぁっ!?」

――結果として、その心配は不要だった。
自分と鈴仙。ひいてはチーム全体の矜持を抱く今の彼女のプレーは決して軽いものではなく。
大きな男二人を吹き飛ばした『シロウサギドリブル』が示すように、一見は小さくか弱いながらも、
その芯には熱く激しい感情の炎が渦巻いていた。

*トニーニョのガッツが200を切りました。以降回復するまでガッツ200未満ペナ(−2)が発生します。
*てゐがドリブルフラグを回収。『シロウサギドリブル』の発動率が3/4になりました。

313 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/30(日) 13:12:16 ID:rIgDt3Vo

実況「てゐ選手、トニーニョ選手とリンコン選手を吹っ飛ばし、悠々と中盤を越えていきます!
   そして……後半戦ロスタイム! 試合は2−2の同点の中、恐らく最後のシュートチャンスがやってまいりました!」

キーガン「(……ここまで来ては、やるしかあるまい)――皆、全力で止めるぞ!」

アレクセイ「2点を取ってくれたトニーニョやネイ達の為にも、守り抜く!」

ブランコ「俺に美しいブランコを見せてくれ、コリンチャンス!」

ミラ「ここで負けたくないのは、俺達もお前らも一緒。だから後は、気持ちの勝負だ!」

サルサノ「(皆……震えているのに堂々としている。――でも、そうか。俺だけが、特別って訳じゃなかったんだ。
       皆も俺と同じように不安や無力感を抱きながらも、屈する事無く足掻き続けていたんだ。
       そしてそれは、モリサキも一緒……)――皆! 俺も頑張って止めるから手伝ってくれ!」

てゐ「鈴仙。……私がやりたい事は分かってるだろうけど、他の方法だってある。
    だから――我儘かもしれないし半ば押し付けっぽいかもしれんけど、鈴仙。
    それでも、最後はあんたの判断に任せるよ。それに……」

佳歩「(鈴仙さまとてゐ様の友情は素晴らしいです。でも、私だって…………!!)」

てゐ「(……ま、これ以上は言ってもヤボかな)」

鈴仙「てゐ……(――確かに今は、最初で最後と言っても良い位の大チャンス。
    何も『インビジブルデューパー』に頼らずとも、佳歩や反町君も得点圏内に居るし、
    アリスさんのドリブル突破だって有効。そして、てゐ自身も突破力と強力な一対一シュート
    ――『ロビングシュート』があるから、このままドリブルで突っ込ませてもいい。

    ……てゐの気持ちに応えるためにも、私は、私自身の手で最後の決定をしないといけないわね)」

314 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/30(日) 13:15:12 ID:rIgDt3Vo

A:……これで終わりだ。『インビジブルデューパー』で決める!(威力:67)250消費×2
B:――いや、今は『インビジブルデューパー』よりも良い手がある。(更に選択)

鈴仙のガッツ:460/990

先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

315 :森崎名無しさん:2017/07/30(日) 13:15:37 ID:QGehamks
A

316 :森崎名無しさん:2017/07/30(日) 13:18:25 ID:Z7T/2vOo

真実の友情があるし

317 :森崎名無しさん:2017/07/30(日) 13:25:04 ID:QGehamks
Bに変更します。

318 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/30(日) 13:38:28 ID:rIgDt3Vo
B:――いや、今は『インビジブルデューパー』よりも良い手がある。(更に選択)

鈴仙「(――いや。違うわね。ここは『インビジブルデューパー』よりも良い手があって。
     そして、てゐはそれを敢えて話していない。きっと、私にしっかりと判断させるために。
     一人の想いだけじゃなく、周囲の想いを汲み取り。そしてその上で最も勝率の高い選択をするために……!)」

A:佳歩を含めた、『真実の友情』で終わらせる。(威力:69、ポスト・枠外無し)250×3消費
B:てゐとワンツーでPA内を切り込む。そしててゐの一対一で決める。
C:混戦状態のPA内でポストプレイ。そこから佳歩の『ラビットダイブ』で決める。(鈴仙のポストプレイ:58)
D:混戦状態のPA内でポストプレイ。そこから反町の『ポイゾナスオーバー』で決める。(鈴仙のポストプレイ:58)
E:アリスさんにバックパス。ドリブルゴールを狙う。
F:その他 『マインドスパークルマイン』や『マインドエクスプロージョン』を狙いたい場合はこちらで

鈴仙のガッツ:460/990

先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

319 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/30(日) 13:39:51 ID:???
……と、言ったところで一旦ここまでです。続きは数時間後〜遅くとも夜には更新します。
(おそらく)今日で、パルメイラスとの試合が終了する予定です。

320 :森崎名無しさん:2017/07/30(日) 13:42:59 ID:Z7T/2vOo

一旦乙でした

321 :森崎名無しさん:2017/07/30(日) 13:43:45 ID:ydHAy5O2
A

322 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/30(日) 22:30:45 ID:???
>>320
一旦乙ありがとうございます。遅くなりましたが更新再開します。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
A:佳歩を含めた、『真実の友情』で終わらせる。(威力:69、ポスト・枠外無し)250×3消費

鈴仙「(てゐは私との『インビジブルデューパー』に拘って、わざわざ慣れないオーバーラップまでしてみせた。
     だけどそれは即ち、『インビジブルデューパー』以外の選択肢を切り捨てる事を意味しない。
     ――私はこのチームのキャプテンなんだもの。感情と理性、その両方を大事にしなくちゃいけないのよ……!)」

――鈴仙は溢れる感情を一旦制御し、より良い手段を考える。
そして幸運なことに、今回の場合その『より良い手段』は至極簡単だった。

鈴仙「……佳歩。私は――あなたの力も借りたい」

佳歩「……はい。鈴仙さま!」

鈴仙にとって相棒とはてゐだけではない。すぐ横で共に戦う小柄な少女――佳歩もまた、
鈴仙と共に数多の窮地を乗り越え、そして成長して来た大切なパートナーである。
パルメイラスという名の森崎の魂が未だ残る難敵を打ち破るには、一人でも、二人でもなく。
三人の力が無ければ、恐らくは足りない事だろう。鈴仙はすぐに決意し、てゐにサインを送ると。

てゐ「……さっすが鈴仙だね。それでこそ、この私が見込んだ女だよ」

と、ニヤリと笑った。そして――。

323 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/30(日) 22:33:31 ID:???
            てゐ「――さァて、久しぶりの大仕事だ。いっちょやったるよ!」

              ―――バシュンッ! ギュン、ギュン、ギュン、ギュン……!
     
     鈴仙「(佳歩は変わった。元々の賢さに加えて自信と実力を付けて、文句なしのFWに成長した。
          でも、変わったのは佳歩だけじゃない。アイツも――てゐも、変わった。
          自分のプライドに拘らず、私やチームの為に献身的に動いてくれるようになった)」
     
          グワアアアアアアアアアアアアッ、バシイイイイイイイイイイイイイイイッ!
       ギュォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!

      佳歩「(私では、鈴仙さまとてゐ様の長年の絆に割り込めないのかもしれない。
          だけど、試合の場では私も鈴仙さまの近くに居れる。それなら、私にもこのシュートを撃つ資格はある!)」

                ―――バシュッ。ガキイイイイイイイイイイイインッ!

       カルロス(観客席)「(このシュートは。まさか彼女達が、こんな隠し玉を持っていたなんて……!)」

       翼(観客席)「(――へぇ。これは少しだけ面白いなァ。今度岬君を実験台に、俺もやってみようかな)」

     妖夢(観客席)「(このシュート……! このシュートは嫌いだ。これを見ると、辛くて、胸が苦しくなる……!)」

             ―――バシュンッ! ギュン、ギュン、ギュン、ギュン……!

     鈴仙「てゐによる不可思議な軌道のパス。そして佳歩の正確なシュートコントロールによる跳ね返し。
         これを私が撃ち返す事で、シュートは無限の破壊力と変化を描き続ける!
         喰らいなさいパルメイラス! これが私達の――『真実の友情』よッ!!」
     
          グワアアアアアアアアアアアアッ、バシイイイイイイイイイイイイイイイッ!
       ギュォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!


324 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/30(日) 22:39:09 ID:rIgDt3Vo
先着4名様で、

★鈴仙→「真実の友情」 69 ( ! card )( ! dice + ! dice )=★
★アレクセイ→ブロック 55 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+2)=
 キーガン→ブロック 57 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+2)=★
★ブランコ→ブロック 54 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+2)=
 ミラ→ブロック 54 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+2)=★
★サルサノ→がんばりセービング 63 (! card)(! dice + ! dice)=★

と書き込んでください。カードやダイスの結果で分岐します。

【シューター】−【ブロッカー】
≧5→シュートは邪魔される事無く放たれた!GKとの勝負へ。
=4〜2→シュートは放たれた。しかしこの数値差の人数分威力が落ちてGKとの勝負へ。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(反町がねじ込み)(コリンチャンスのコーナーキック)(サルサノがフォロー)
≦−2→パルメイラスボールに。
【シューター】−【キーパー】
≧2→鈴仙達の「真実の友情」がパルメイラスゴールに突き刺さる!
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(反町がねじ込み)(コリンチャンスのコーナーキック)(アリスさんがフォロー)
≦−2→パルメイラスボールに。
【補足・補正・備考】
鈴仙達の『真実の友情』はポスト・枠外が発生しません。
鈴仙のスートと敵スートが一致時、スキル・狂気の瞳により敵の数値が−2されます。
アレクセイのマークがダイヤで「顔面ブロック(+6、150消費)」が発動します。
アレクセイのマークがハートで「頭突きブロック(+4、100消費)」が発動します。
キーガンのマークがダイヤで「ソウルブロック(+8、250消費)」が発動します。
キーガンのマークがハートで「反転ブロック(+6、150消費)」が発動します。
キーガンのマークがスペードで「ダイビングブロック(+4、100消費)」が発動します。
ブランコのマークがダイヤで「ダイビングブロック(+4、100消費)」が発動します。

325 :森崎名無しさん:2017/07/30(日) 22:39:50 ID:???
★鈴仙→「真実の友情」 69 ( スペードK )( 4 + 4 )=★

326 :森崎名無しさん:2017/07/30(日) 22:41:11 ID:???
★アレクセイ→ブロック 55 ( スペードA )( 4 + 6 )+(人数補正+2)=
 キーガン→ブロック 57 ( クラブ10 )( 4 + 1 )+(人数補正+2)=★

327 :森崎名無しさん:2017/07/30(日) 22:42:08 ID:???
★ブランコ→ブロック 54 ( ハートK )( 1 + 2 )+(人数補正+2)=
 ミラ→ブロック 54 ( JOKER )( 3 + 4 )+(人数補正+2)=★

328 :森崎名無しさん:2017/07/30(日) 22:47:31 ID:???
★サルサノ→がんばりセービング 63 ( スペードA )( 4 + 3 )=★

329 :森崎名無しさん:2017/07/30(日) 22:48:02 ID:???
スキルが無かったら枠外

330 :328:2017/07/30(日) 22:48:52 ID:???
よかった…真実の友情に枠外判定が無くてw

331 :森崎名無しさん:2017/07/31(月) 00:00:05 ID:???
サルサノってまじで何物なんだ……

332 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/31(月) 00:54:32 ID:???
★鈴仙→「真実の友情」 69 ( スペードK )( 4 + 4 )=77★
★アレクセイ→ブロック 55 ( スペードA )( 4 + 6 )+(人数補正+2)=67
 キーガン→ブロック 57 ( クラブ10 )( 4 + 1 )+(人数補正+2)=64★
★ブランコ→ブロック 54 ( ハートK )( 1 + 2 )+(人数補正+2)=59
 ミラ→ブロック 54 ( JOKER )(JOKERよりダイヤ15)+(人数補正+2)=71★
★サルサノ→がんばりセービング 63 ( スペードA )( 4 + 3 )=70★
≧2→鈴仙達の「真実の友情」がパルメイラスゴールに突き刺さる!

――キィイインッ!

アレクセイ「うぐ……!」

キーガン「(――彼女達のシュートは、凄い。俺達には無い何かを、間違いなく持っている……!)」

ミラ「(全力のブロックだった。なのに俺は、その勝負に入れる事すら許されねえのか……!?)」

ブランコ「ブランブラーンッ! はははっ、愉快なりレイセンとその仲間達!!」

サルサノ「あきらめん。俺は諦めないぞおおおっ!」

……パルメイラスの守備陣は、それぞれが持ち得る力を全て振り絞った。
しかし、それでも彼らは鈴仙達に追いつけない。
彼らの結束は確かに尊く強固だったが、それでも、彼女達の友情に勝てなかった。――そして。

ズバァァッ! ピピイイイイイイイイイイイイイイイッ!

ボールは無慈悲にもパルメイラスのゴールネットを揺らす。
後半戦ロスタイム1分。混迷に混迷を重ねた試合は、
最後にコリンチャンスへと傾き、その終焉を迎えようとしていた。


コリンチャンス 3 − 2 パルメイラス

333 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/31(月) 00:55:45 ID:???
実況「決まった〜〜〜! ゴ〜〜ル! 鈴仙選手、てゐ選手、佳歩選手。
    三位一体のトリオシュート・『真実の友情』が、パルメイラスのゴールに突き刺さった〜〜!
    これで試合は終了直前に3−2! コリンチャンスの勝利を決定づけるゴールとなりました!
    しかしそれにしても、何というシュートでしょう! トニーニョ選手とネイ選手の『ブースターシュート』もまた
    鮮烈で強烈なシュートでしたが、今しがた放たれたコレは、練度も威力も速度も技術も、
    『ブースターシュート』を遥かに上回っている! とても一朝一夕で放てるシュートでは無い、この切り札を、
    鈴仙選手達は今の今まで隠し持っていたというのか〜〜〜〜!?」

観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
   「何だ今のシュート?!」「すげええ!」「間違いなく今大会ナンバーワンシュートだ!」
   「レーイーセン!」「テーイ!」「カーホ!」「レーイーセン!」「レーイーセン!」「ですよねー」

カルロス(観客席)「(……威力もそうだが、このシュートを実現までに持って行った努力こそが信じられない。
             かくも強固に、人と人との絆を結び付けられるレイセンならば、アーサーお姉ちゃんの心すらも……)」

アヤソフィア(記者席)「(これこそが、鈴仙さんが持つ力。……チームに入ってでも、間近で見たかった絆の力。
               だけど、今の私にはもう、関係が無いわね)」

翼(観客席)「どうしたの、魂魄さん。顔色が悪いけど?」

妖夢(観客席)「な、何でもない……!(――どうして。どうしてあんなに不完全な三人が、
          あんなに完璧なシュートを放てるの。選手としては、私の方が絶対に完璧な筈なのに!)」


334 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/31(月) 00:58:49 ID:???
鈴仙「はぁ、はぁ……! 決まった……!」

てゐ「鈴仙、疲れすぎ……! 何やってんの……!」

佳歩「お二人とも、流石です……!」

反町「(あんな連携プレイ。俺もいつかは穣子さんや静葉さんとやってみたいな……)」

アリスさん「(友情って何だろう。取り繕った笑顔しかできない私は笑われるだけの道化。
        嫉妬の感情すら抱く事が烏滸がましいのよ、ウフフ……)」

穣子「三人ともお疲れ様〜。後は私達に任せてね!」

静葉「……相手も、ここから僅か数分で攻め切れるまでの戦力を有していないわ。
    慌てず、ゆっくり守れば大丈夫よ」

お燐「いや〜ナイスゴール! お姉さん方ならやってくれるって、信じてたよ」

さとり「びっくりする程の白々しさですが、お燐の言う通り。この一点は貴重です」

チームメイトからの祝福を受けながら、鈴仙達はなんとかもぎ取った1点を前に安堵する。
パルメイラスはこれまで彼女達を苦しみ続けたが、それ故に、この1点が大きい。
勿論ロスタイムはまだ数分残っているため、油断は禁物であるが――それでも、
鈴仙は静かに、自分達の「真実の友情」が未だ確かにここにある喜びを、噛みしめたかった。


*鈴仙とてゐのガッツが300を切りました。以降回復するまでガッツ300未満ペナ(−1)が発生します。
*佳歩のガッツが200を切りました。以降回復するまでガッツ200未満ペナ(−2)が発生します。


335 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/07/31(月) 01:09:44 ID:???
……と、言ったところで今日はここまでにします。
文章が思ったより膨れて、試合終了まで書けませんでした(汗)
試合終了後からの予定としては、試合後のちょっとした交流イベントを描写後、
仲間の章の選択に移っていく予定です。

>>329-331
サルサノ君のポスト枠外率はマジでヤバいですね……。
妖夢はポストの魔力にやられてしまいましたが、鈴仙は仲間の力で助かった感じでしょうか。
ここまで凄い引きをさせられた以上、何か今後の再登場+スキル習得位はさせてあげたいですね……。
ブラジル代表第3ゴールキーパーになるとか。

336 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/01(火) 01:06:17 ID:???

トニーニョ「……」

ネイ「はぁ……レイセン。美しかったよ。後願わくば、キミが俺達のチームに居てくれればもっと良かったんだけど……」

サトルステギ「ちくしょーーっ! 流石に悔しすぎるぜ!」

キーガン「(サルサノはよくやってくれた。今回の失点は、俺の失策だ……)」

そして一方で、パルメイラスは絶望に覆われていた。
あと僅かで掴めた勝利の糸が、ほんの鼻先で自分達の前から消え去った事を、
まだ未熟な彼らは全く気にしないで居る事は困難だった。

トニーニョ「『ブースターシュート』は――俺達の、真実の友情はまだ弱い。
       もっと強い友情と絆で結ばれた奴が、まだまだ居たという事だ」

ネイ「そーだね。あーあ。あんなチビっ子姑じゃなくて、俺がレイセンのシュートの起点になりたいのに……。
   ――って、悪かったトニーニョ。今のは失言だ。だからそんな辛そうな顔をしないでくれ」

とりわけ、冷静にチームメイトを律するべきトニーニョと、ムードメーカー気質のネイが、
今回に限っては動揺を隠せないでいる事はチームにとって痛手だった。
自慢の『ブースターシュート』の使い手は他にも居たどころか、更に上回る使い手が居た事実は、
チームメイトの中でも優れたメンタリティを持つ二人であっても素直に受け止めきれなかった。

キーガン「(キックオフシュートでも出来れば、まだ同点の芽はあるだろうが……それも無理だ。
       サトルステギはダイレクトでしかシュートは撃てないし、オルヘスの攻撃力ではDFに防がれる。
       トニーニョの『フライングドライブ』ならば、運が良ければGKに届く可能性はあるが――あくまで、届くのが精一杯だ。
       それにそもそも、満身創痍のアイツは今、『ドライブシュート』すら撃てやしない。……もう、打つ手はないのか)」


337 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/01(火) 01:08:45 ID:???
後半戦ロスタイム。試合は残り数分。現実的な勝機は見えない。冷静なキーガンが下した結論は残酷なまでに的確だった。
自分達は頑張った。しかし、相手の方が更に一枚上手だった。
いつしかそんな雰囲気すら流れるパルメイラスの選手達を律したのは――。

サルサノ「……皆。諦めるな!!」

パルメイラスメンバー「「「「!!!!????」」」」

皆を律したのは、サルサノだった。
パルメイラスの補欠GKで、特に森崎の登場からは良い所が無く、
仕舞いにはチームから最後通牒を突きつけられて、当然その試合でも大量に失点をして。
そしていよいよ荷物を纏めてチームを去る事となった次の日。
――森崎の失踪によるGK不足により、急遽退団が撤回され正GKとなった、サルサノだった。

サルサノ「……俺はこの試合、ずっと考えていた。実力も才能も無い、ただ運だけが良かったというそれだけで、
      実力も才能もある皆と同じ舞台に立てた事について。
      そして、俺には無い物を全部持っていて、これからもっと凄い物を捕まえる予定だったモリサキが、
      良く分からないままに姿を消した事について」

キーガン「………」

周囲の反応を気にもせず、サルサノは続ける。自分の鬱屈とした感情に任せるままに。

サルサノ「世の中、結局は運なんだ。持って生まれた運が優れたヤツだけが、
      華やかな栄光を浴びて、自分の夢を叶えるんだ。……退団予定の前日、俺はそう考えていた。
      だけど、森崎が不運に遭って、俺が幸運にも退団を免れ大舞台に立つ事になってから、
      その考え方は間違っているんだと……俺は、この試合を通して気付いたんだ」


338 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/01(火) 01:10:15 ID:???
サトルステギ「なげーよ。三行にしてくれ」

トニーニョ「茶化すな、サルサノ。……審判が見ている、もうすぐキックオフだ。
       しかし俺はお前の考え方に興味がある。そしてそれは――俺達に最期の奇跡を起こさせるかもしれん。
       (そう。最後まで諦めずに奇跡を掴み続けた。あの男のようにな……)」

トニーニョはキャプテンらしくサトルステギを窘めながらも、彼の姿に憧憬を抱かずにはいられなかった。
それは彼もまた、諦めずに奇跡を掴もうともがき続けた、とある少年を尊敬していたからに他ならない。
トニーニョに勇気づけられたサルサノは、力強く皆に投げかけた。

サルサノ「俺が、幸運にもこの場に居て気付いた事。それは……勝負は、決して時の運なんかじゃない。
      勝負は――幾ら不運でも、諦めない方が勝つ。という事だ。だってそうだろう?
      モリサキはきっと、どんな不運に遭っても決して諦めない。そして、最後の最後に勝ってみせて、
      あの高慢ちきな高笑いをかまして来るに決まってるんだ。だったら、やる事は一つだ。
      ――あきらめんといったら、あきらめん! 最後の最後まで諦めない事だろう!?」

ネイ「……まさか、サルサノに言われちゃうなんてな。諦めない、か。
   口で言うのは簡単だけど、実践するのは案外難しいんだぜ?」

――特殊な位置に居るからこそ、運否天賦の勝負の世界における不条理さを誰よりも知り、
そしてその不条理さを知りながらも尚、諦めない事の尊さを語るサルサノを見て、
……一番に奮い立ったのは、ネイだった。

ネイ「……どんなに絶望的な局面でも。どんなにキツい状況でも、どんなに努力が報われなくても。
   それでも、泣きながら前を向き続ける子に、本気で惚れちまったんだ。
   でも、だからこそ思う。俺があの子に釣り合う為には――俺自身も、前を向き続けなくちゃってな!」

天才肌で泥臭い特訓よりも女子との交流を好む彼が、真っ先に影響される事は昔ならばあり得なかったかもしれない。
しかし、かつての森崎や今のサルサノと同じような姿勢でサッカーに臨む少女に惚れた今の彼は、
ある意味ではチームの誰よりも、サルサノの言葉を敏感に受け止めていた。だから、ネイは真っ先に志願する。

339 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/01(火) 01:11:32 ID:???
ネイ「――最後のキックオフ、俺にやらしてくれ」

――自分が、この試合の最後の希望として、コリンチャンスの前に立ちふさがる事を。
そして、仲間達も彼の選択を止める事はない。

オルヘス「ネイ。まさかお前、ドリブル突破で……!」

キーガン「――だが。キックオフシュートが非現実的な今、点を決められるのは、お前のドリブルしか無いのかもしれん」

トニーニョ「……無謀な賭けはするな、と昔の堅物な俺は言っていただろうな。
       だから言おう。ネイ、無謀な、賭けはするな。……もっとも、お前の辞書には『無謀』という単語など、無いだろうがな」

サトルステギ「俺の恨み、絶対に晴らしてくれよー?」

それは決して無謀でも捨て蜂でも無い。彼らは単に、『あきらめない』だけである。
運命すらも操り得る幸運のGKすらもが貴んだ、『あきらめない』彼らの精神。
その強さが、コリンチャンスのメンバーに最期の牙を剥くまで、あと数十秒。


*****

340 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/01(火) 01:14:43 ID:???
――そして。

ピイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!

実況「さあ。恐らくこれが正真正銘最後のキックオフでしょう。
    ボール権のあるパルメイラス、ボールをネイ選手に回して……!」

ネイ「レイセン。俺は君を諦めない。俺の愛のドリブルを見てくれ!」

タタタタタタッ……!

実況「ネイ選手はなりふり構わず、中盤をドリブル突破〜〜〜!!
    試合がロスタイムを迎えた以上、これ以上は無駄なパスワークすら許されない。
    そんな気持ちがにじみ出るまでの強行突破で、ネイ選手はゴールまで詰め寄ります!」

鈴仙「……私にはまだ、愛が何なのかはよく分かんない。
    だけど――チームの皆と勝ちたい気持ちなら、負けるつもりはないわ……!」

佳歩「ハァ、ハァ……! 鈴仙さま。私だって、いっしょです……!」

実況「ですが」、ここはコリンチャンスのツートップが仲良く妨害に!
    ネイ選手、間違ってもここでボールを零す訳にはいきません!



341 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/01(火) 01:16:31 ID:NRb9CWMI
先着2名様で、

★ネイ→ドリブル 56 (! card)(! dice + ! dice)+(ガッツ300未満ペナ-1)=★
★鈴仙→タックル 52 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)+(ガッツ300未満ペナ-1)=
 佳歩→タックル 50 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)+(ガッツ200未満ペナ-2)=★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→ネイ、ドリブル突破。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(トニーニョがフォロー)(反町がフォローし試合終了)(アリスさんがフォローし試合終了)
≦−2→コリンチャンスボールに。試合終了。
【補足・補正・備考】
ネイのマークがクラブ以外で「消えるフェイント(+4)」が発動します。
ネイはスキル・ファンタジスタにより、ダイスで2が出た場合数値を12、3が出た場合数値を11とします。
鈴仙のマークと敵スートが一致時、スキル・狂気の瞳により敵の数値が−2されます。
鈴仙のマークがダイヤで「マインドストッパー(+3)」が発動します。
鈴仙のマークがハートで「アイドリングウェーブ(+2)」が発動します。
鈴仙はスキル・フェアプレイ精神により反則を犯さず、代わりに鈴仙が反則の条件を満たした場合−3のペナを負います。
佳歩のマークがダイヤで「野兎タックル(+2)」が発動します。

342 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/01(火) 01:18:30 ID:???
…と、言ったところで短いですがここまでです。
当初は真実の友情が決まった時点で試合終了にしようと思ってましたが、
もう少し描写をしたくなったので、イベント的に判定を入れました。
明日こそは試合終了になる……と、思っています。本日もお疲れ様でした。

343 :森崎名無しさん:2017/08/01(火) 01:19:53 ID:???
★ネイ→ドリブル 56 ( クラブK )( 5 + 1 )+(ガッツ300未満ペナ-1)=★

344 :森崎名無しさん:2017/08/01(火) 01:29:34 ID:???
★鈴仙→タックル 52 ( クラブ9 )( 4 + 1 )+(人数補正+1)+(ガッツ300未満ペナ-1)=
 佳歩→タックル 50 ( スペードK )( 6 + 3 )+(人数補正+1)+(ガッツ200未満ペナ-2)=★

345 :森崎名無しさん:2017/08/01(火) 01:39:53 ID:???
これはラキスケ

346 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/01(火) 23:24:39 ID:???
★ネイ→ドリブル 56 ( クラブK )( 5 + 1 )+(ガッツ300未満ペナ-1)+(狂気の瞳-2)=59★
★鈴仙→タックル 52 ( クラブ9 )( 4 + 1 )+(人数補正+1)+(ガッツ300未満ペナ-1)+(フェアプレイ精神-3)=54
 佳歩→タックル 50 ( スペードK )( 6 + 3 )+(人数補正+1)+(ガッツ200未満ペナ-2)=58★
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そしてトニーニョがフォロー

ネイ「はぁ、はぁ……それっ!」

鈴仙「(ネイ君。疲れのせいでプレーに精彩を欠いているわね。
    しかもこのままじゃあ衝突してしまう。だったら……避けさせてもらうわ」

スッ……。

実況「おっと鈴仙選手、ここでネイ選手とはぶつからない!
    反則の危険性を察知したのか、タックルを止めてボールカットに動きました。
    『フェアプレイ精神』溢れるプレイです! ですが……!」

佳歩「……でりゃーーーっ!」

ズザアアアアアアアアッ、バシイッ……。

実況「これには佳歩選手が食いついていた! 佳歩選手もネイ選手や鈴仙選手同様、
    いやそれ以上の満身創痍ぶりですが、ガッツあふれるプレーで鈴仙選手をサポートだ!
    そして零れたボールは……!」

トニーニョ「ネイ……サルサノ……キーガン……サトルステギ……オルヘス……皆。
       俺も……諦めんぞ!」

グワァァッ、バシュウウウッ……!



347 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/01(火) 23:26:14 ID:NRb9CWMI
実況「トニーニョ選手がフォローし、即座に折り返しの『ドライブパス』だ〜〜!
    この試合、攻守に渡り活躍し続けたトニーニョ選手は疲労困憊ですが、
    最後の意地でパスを撃ち抜きました〜〜〜!!」

アリスさん「貴方達の友情物語もここまでよ! この私が破壊してあげるわ!」

反町「(なんかアリスさんが悪役っぽいぞ……?)」

実況「コリンチャンス、ここで奪えば勝利は確実という中、
   アリスさん選手と反町選手の二名がパスカットに飛び出しました!」

先着2名様で、

★トニーニョ→ドライブパス 58 (! card)(! dice + ! dice)+(ガッツ200未満ペナ-2)=★
★アリスさん→パスカット 56 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=★
 反町→パスカット 51 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+1)+(軽傷治療済-1)=★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

MAX【攻撃側】−MAX【守備側】
≧2→ネイ、パスキャッチ。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(オルヘスがフォロー)(お燐がフォローし試合終了)(てゐがフォローし試合終了)
≦−2→コリンチャンスボールに。試合終了。

【補足・補正・備考】
アリスさんのマークがダイヤで「ムーンサルト上海(+4)」が発動します。
アリスさんのマークがハートで「上海人形カット(+3)」が発動します。

348 :森崎名無しさん:2017/08/01(火) 23:27:06 ID:???
★トニーニョ→ドライブパス 58 ( ダイヤ6 )( 2 + 2 )+(ガッツ200未満ペナ-2)=★

349 :森崎名無しさん:2017/08/01(火) 23:28:50 ID:???
★アリスさん→パスカット 56 ( ダイヤ9 )( 4 + 3 )+(人数補正+1)=★
 反町→パスカット 51 ( クラブA )( 4 + 2 )+(人数補正+1)+(軽傷治療済-1)=★

350 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/02(水) 01:09:15 ID:zPI53KrM
★トニーニョ→ドライブパス 58 ( ダイヤ6 )( 2 + 2 )+(ガッツ200未満ペナ-2)=60★
★アリスさん→パスカット 56 ( ダイヤ9 )( 4 + 3 )+(人数補正+1)+(ムーンサルト上海+4)=68★
≦−2→コリンチャンスボールに。試合終了。

バシュッ……。

――パルメイラスメンバーそれぞれに宿る、不屈の心は確かに本物だった。

アリスさん「この程度……!」

しかし、如何に心が本物であっても、目の前の現実を崩す事はできない。

バァァァッ……パシイッ!

つまり、トニーニョが放った『ドライブパス』は、先程のネイのドリブルと同じく、全くの精彩を欠いており。

トニーニョ「……くそっ!!」

このリオカップの場では、容易く奪われても致し方無い程度の威力しか込められていなかった。

アリスさん「……反町君、後は任せたわ」

そして、コリンチャンスに集まる皆もまた、それぞれがそれぞれの信念を持っている。
――ならば、現実は勿論幻想ですらも、今となってはパルメイラスのみを味方しない。
アリスさんが胸で完全にトラップしたトニーニョのパスは、反町の居る中盤へと流れていき。
残り少ないロスタイムは彼の空気を読んだ繊細なパスワークでみるみると溶けていく。
そして――。

351 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/02(水) 01:12:02 ID:zPI53KrM
ピイッ、ピイイッ。ピイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!


実況「試合終了〜〜〜! コリンチャンス、パルメイラスをも下してリオカップ決勝戦に進出だ〜〜!!」


――互い互いに爆発する感情がぶつかり合った、リオカップの準決勝戦は、
一瞬だけ輝いた閃光のように鮮烈に、しかし呆気なく、その幕切れを迎えたのだった。



コリンチャンス  3 − 2  パルメイラス  試合終了!



352 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/02(水) 01:13:32 ID:zPI53KrM


観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
   「マジか!?」「あのコリンチャンスが決勝進出かよ!」「パルメイラス、惜しかったな……」
   「ネイ、トニーニョ! お前達もよくやったぞー!」「サルサノも良いプレーしてたぜ」「ああ、メオン以上かもな」
   「レーイーセン!」「カーホ!」「テーイ!」「(ソリマチ)」「アリスさん!」「サルサノ サルサノ」

妖夢(観客席)「(何なの、この気分の悪くなる。……胸がざらつく試合は)……帰る」

新田(観客席)「あっ、待ってくださいよ姉御!(鈴仙……あの一見トロそうな女の子のプレーを見るたび、
          姉御は複雑な顔になっていた。……やっぱり、今度会ってみよう)」

翼(観客席)「両チームとも、まあまあ良かったね。でも、俺が作るサッカーキングダムに入れてあげるには、まだまだかな」

カルロス(観客席)「(ネイ、トニーニョ、そしてレイセン……。皆が未来を向いて、前に進んでいた。
             俺も、そろそろ先に行かなくちゃな。大切な過去を守り……大切な人と、未来を創る為にも)」

アヤソフィア(記者席)「悔しいけれど、素敵でした。……もうちょっと、貴女と一緒に居たかった。
               そんな身の丈に合わない後悔すら覚えちゃいますよ」


パルメイラスとコリンチャンスとの準決勝戦は、これまでに無い総力戦だった。
観客席からはまるで決勝戦かと見まごうまでの大歓声と、両チームの選手をいたわり労う声が聞こえた。
彼らは間違いなく、鈴仙とてゐの、あるいはトニーニョとネイの見せた友情に心を打たれている。
――不屈の心は、真実の友情は、人間を心地よい熱狂へと誘ったのだ。


353 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/02(水) 01:19:09 ID:zPI53KrM

ネイ「……お疲れ様、レイセン。完敗だった。どうやら俺はまだまだ、君のお婿さんには相応しくないようだ」

鈴仙「……ネイ、君」

これまでに無い心地よさに包まれたスタジアムで、ネイは穏やかに鈴仙に声を掛けた。
鈴仙のひたむきさに惹かれている彼は、これまでにない優しく、自らの敗北を認めている。

ネイ「俺は君に色んな事を教えてくれたよ。自分の道を信じ続けるまっすぐさ。
    失敗をしても決してあきらめず、次へと結びつけるひたむきさ。
    仲間を愛し、仲間に愛される心の温もり。……少なくとも俺は、これら全てにおいて、君に負けていた」

鈴仙「(最初はいけすかないヤツ、って思ってたけど。本当にサッカーについては真摯なのよね……)」

鈴仙はこの試合から数日前、ネイと一緒に食事をした時の事を思い出す。
あの時の彼も、こうして穏やかに、そして真摯に、自分のサッカーについて語ってくれていた。
……もしかしたら、これこそが、ネイの本当の姿なのでは? 鈴仙はそんな妄想すらしてしまう。

鈴仙「(どうしよう。折角話しかけてくれたんだし、何か気の利いた事でも言ってあげたいんだけど……)」

そんなネイに対して、鈴仙は何と声を掛けようか悩んだ。そして――。


A:「まさか。この試合で勝てたのは本当に偶然だと思ってる」
B:「私達の不屈の心が、あなた達の不屈の心に僅かに勝利した。……それだけよ」
C:「そんなに褒めないで。今日勝てたのは私のお蔭じゃない。皆のお蔭なんだから」
D:「……ちょっと、今さら真面目キャラで私を落とそうたって、そうはいかないわよ!」からかってみる。
E:「あんたって意外とマジメね。『RE! I! SEN!』の一つや二つ言わなくちゃ、影が薄くなるよ?」
F:その他 鈴仙に言わせたい事があればこちらで


先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

354 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/02(水) 01:25:40 ID:???
…と、言ったところで本日の更新はここまでにします。
明日は付き合いがあるので、更新できないかもしれません。

355 :森崎名無しさん:2017/08/02(水) 01:40:09 ID:2elWb5lM

リアルは大事に、乙です

356 :森崎名無しさん:2017/08/02(水) 08:12:58 ID:Q2wywVO+


357 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/03(木) 23:28:27 ID:???
明日が早いので少しだけですが、更新再開します。
>>355乙ありがとうございます。リアルと更新を両立させたいですね…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
B:「私達の不屈の心が、あなた達の不屈の心に僅かに勝利した。……それだけよ」

鈴仙「あんた達は確かに強かったわ。これまでのリオカップの対戦相手の誰よりも、
    あんた達は最後まで全力を出し切って、最後まで諦めなかった。
    ……運が悪ければ、私達の方が負けていた。けれど」

ネイ「けれど?」

鈴仙はすうっと息を吸って、周囲の仲間達を見渡しながら、続ける。

鈴仙「――私達だって、こう見えても皆がそれぞれが悩んでいるのよ。
    押し潰されそうになった時だってある。でも、諦めずに一歩ずつ進んでいる。
    それで今回はたまたま、私達の不屈の心が、あなた達の不屈の心に僅かに勝利した。……それだけよ」

ネイ「ハハハ……たまたまか。俺はそんな風には見えなかったけどな。レイセンは謙虚だなぁ、可愛いなぁ……」

鈴仙「(ヤバイ、ちょっとアレなスイッチが入ったかも)」

ネイ「ああ。レイセン……俺は君の赤い瞳に釘付けだよ。はうぅ……お持ち帰りしたいよぉ……って、イテテ」

トニーニョ「――あまり迷惑をかけ過ぎるな……。レイセンよ。口下手な俺は、お前に言い残す事は何もない。
       だが、一言だけ言わせて貰う。良い試合だった。君の強さ、しかとこの心に焼き付けておこう。
       さ、帰るぞ、ネイ」

ネイ「いやだー! 俺はレイセンと結婚して幸せな家庭を築くって決めたんだー!
   子供は兄弟でサッカーリーグが出来る位欲しいって話してたんだーー!」

ネイは何やらうわごとを言いながら、何時の間にかやって来たトニーニョに引っ張られながら退場していく。
試合に敗れこそすれ、彼らの間には真実の友情がある事は間違いないと、鈴仙は軽口を叩き合う二人を見て確信していた。

358 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/03(木) 23:29:41 ID:???
鈴仙「(私は謙虚……か。僅かな勝利ってのは、わりと正当な評価だと思うんだけど)」

やがて一人になり、鈴仙はネイとの会話を思い出す。
ネイは決して自らの強さを押し出さない鈴仙の言葉を、彼女なりのいじらしさとして解釈したようだが、
しかし鈴仙は決して、謙遜してそう言った訳では無かった。

鈴仙「(……私達は。いや、私はまだ、弱い)」

先程言った、不屈の心という意味では他の仲間には負けていないかもしれない。
しかし、……この試合、鈴仙は純粋な実力において多くの仲間達に負けていると感じていた。

鈴仙「(ドリブルやシュートは佳歩の方が強い。パスは反町君やアリスさんの方が強い。
    タックルや、パスカットでも、今日の試合のてゐみたいな活躍はできない。
    ――皆のお蔭で、何とか勝てただけだった)」

仲間達を信頼しない訳ではない。しかし、自分も仲間達に信頼されたい。
無論実力など無くとも、ひたむきで暢気な今の鈴仙はチームの精神的支柱になっているのだが、
だからこそ、自分ももっと沢山の事を仲間達に与えたいと思い始めていた。

鈴仙「(今は良いけど、このままの状態がずっと続いたら……私はきっと、昔と一緒になる。
     師匠の――永琳様のような強者に付き従い、怯え、すぐ諦めてしまうようになっちゃう)」

ネイやトニーニョを始め、鈴仙と対峙した者の多くは、彼女を中山や森崎のような、
強靭な精神を持つ選手だと考えるだろう。しかし、それは鈴仙の全てでは無い。
強くなった今も尚、鈴仙は臆病な脱走兵としての陰を心の中にしまい込んでいる。
だから、そんな時に『彼女』と久しぶりの会話を交わした事は――。

妖夢「……鈴仙。久しぶりだね」

鈴仙「……えっ。よう……む?」

――普段よりもより一層、鈴仙の心を強く、そして深く抉りだす事となった。

359 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/03(木) 23:31:30 ID:???
妖夢「……今日の試合、見てたよ。――情けなかったね」

鈴仙「な、何よ。いきなり来ておいて……!」

チームメイトが遠巻きに不安げに見守る中、妖夢は気弱な鈴仙を見下すかのように、そう吐き捨てる。
永い間彼女と言葉を交わしていなかった鈴仙は、不意に自分を貶められた事に対してついカッとなって言い返す。
かつての親友の久しぶりの再会としては、到底あり得ないまでの険悪ぶりだった。

妖夢「明日は、私達サンパウロの準決勝戦だ。対戦相手はフルミネンセ。
    ……超絶的なクジ運と相手の腹痛と良さで、ここまで上がって来ただけの弱小チーム。
    だから、まず間違いなく、決勝戦は貴女達コリンチャンスと当たる」

鈴仙「……そう、でしょうね。フルミネンセの試合は、私もブン屋(アヤソフィア)から情報を貰ってたわ。
    試合前になって悉く敵チームが全員食中毒になったり、敵チームの寄宿舎に超巨大隕石が落ちてきたり、
    挙句の果てにはフランス国籍の審判が、敵チーム全員にレッドカードを渡したりしたお蔭で
    準決勝まで上がって来れたけど、実力は大した事が無いって話でしょ?」

妖夢「いや、普通に敵チームも同じ位弱小で、辛うじて勝ち続けただけなんだけど……まあ、それは関係ない。
    とにかく。決勝戦は私達サンパウロと、鈴仙達コリンチャンスの試合になって。
    そして間違いなく――鈴仙達コリンチャンスは、負ける。今日の試合を見て、私はそう確信した」

鈴仙「……どうしてそう言えるの? 言っておくけれど、こっちはまだベストメンバーじゃ……」

妖夢「それも知ってる。でも――仮に今のコリンチャンスに、パチュリー・ノーレッジのような
    大型選手が入ったとしても。……それでも、鈴仙は私達に勝てない」

妖夢は訥々と、まるで久しぶりに人間と会話をしたかのように、機械的にそう述べていく。

妖夢「何故なら。鈴仙……それは貴女が、弱いから」



360 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/03(木) 23:34:45 ID:???
……機械的、と表現したのは間違いかもしれない。
何故なら、努めて冷酷かつ威圧的に語ろうとしている妖夢の言葉の端々には、
本来の彼女らしい、未熟さや弱さが垣間見えていたからだ。
だからそれは、ある意味で一種の自己暗示だったのかもしれない。自分が強いと思い込むための。

鈴仙「私は、弱い……」

しかし、そんな拙い言葉でも、今の鈴仙には効果があった。
ネイとの会話で自分の弱さと向き合いかけていた鈴仙にとって、
妖夢が振り絞った言葉にすらも過敏に反応してしまう。

妖夢「仲間の力と言えば聞こえはいいけれど、今の鈴仙は違う。
    強い仲間達に依存して、頼り切りになっている。
    一人の選手としての弱さの言い訳として、仲間の絆だとか不屈の心だとか言ってる。
    ……ずっと聞きたかった。鈴仙。貴女は、それでいいの?」

鈴仙「……………」

――妖夢こそ、それで良いの? とは言えなかった。
鈴仙は過去、妖夢を信じて彼女を今の状況――幻想郷の政治的支配を企む豊聡耳神子が
人間の力を示威する為に始めた計画・『ハイパーカンピオーネ』の一員となる事を止めなかった。
むしろ、それで妖夢が自らの道を進めるのならばと、応援すらした。
今の妖夢は本当に、妖夢自身が望んだ道を進めているとは、鈴仙には思えない。
しかしそれを認めると、鈴仙は過去の自分の決断を後悔してしまいそうだったために、彼女に強く反論できなかった。
だから、妖夢は逆にこう切り出した。


妖夢「鈴仙。もしも貴女が弱さに悩んでいたのなら、私達の所に来れば良い」



361 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/03(木) 23:39:30 ID:???

鈴仙「……えっ?」

妖夢「私は鈴仙の試合を見ていて、思った。どうして鈴仙は、試合で上手く行かなくても、
    すぐに立ち直れるんだろう。自分の失敗を後悔するよりも、仲間の成功を祝福できるんだろうって。
    最初私は、鈴仙が強いからだと思った。……でも、本当は違うよね。
    鈴仙だって、私と一緒。本当は泣きだしたいんだ。だけど、そうすると皆に見限られるのが怖いから、
    気丈に前を向き続けて来たんでしょう? 力が無いから」

妖夢はこの時、鈴仙が自分の傍に来て欲しいと真剣に考えていた。
自分なら、鈴仙の弱さを理解できる。そして自分のように完璧な存在に近づいていけると思っていた。

妖夢「私は――だから強くなった。失敗するのが怖いから。皆に見限られたくないから。
    そして神子はそんな私の才能を、短時間で開花させてくれた。
    鈴仙。貴女にもまだまだ、隠された才能は沢山ある。私達に――『ハイパーカンピオーネ』につけば、
    鈴仙だってもう、自分の弱さに悩む事は無い。強い自分一人だけで、勝ち続けるようになれる」

鈴仙「……(妖夢。私は決して、そこまで自分を追い詰めていないよ。
    失敗は怖いけれど、だからと言って、それで貴女の価値が下がる訳じゃない。
    皆の失望も怖いけれど、だからと言って、ずっと貴女の事を想ってる人だっている。
    それで良いんじゃないの? ……って、頭の中では言えるんだけど)」

勿論、鈴仙にとって妖夢の考えは的外れだった。鈴仙は確かに悩みはするが、それ以上に彼女は暢気である。
また、悩んでいて、それで失敗しても決して自分は否定されない事を、周囲の仲間達を通じて良く理解している。

妖夢「……強くなれば、皆はもう私を蔑まない。強くなれば、私はもう、皆に迷惑をかけなくて済む。
    その事がどれだけ大切な事か、私と同じような場所にいた鈴仙なら、分かってくれるよね?」

鈴仙「……………」



362 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/03(木) 23:42:11 ID:???
これまで彼女を成長させ、同時に縛って来た負の感情をむき出しにした妖夢。
それに対し、鈴仙は彼女の誘いを断る為に――一言、こう口火を切った。


A:「そんなのお断りよ。あんたの強さは私が求める強さじゃない」
B:「そもそもお門違いかな。私、そんなに悩んでないし」
C:「……妖夢。あんたこそ私のトコに来なさいよ。今でも私は大歓迎よ」
D:「説得力が皆無ね。妖夢……あんた、強いクセして悩み過ぎだもの」
E:「とりあえず。私は妖夢がどうなったとしても、友達でいたいかな」
F:「妖夢と組むとポスト率が上がりそうなのでちょっと……(^ ^;」
G:その他 鈴仙に言わせたい事をロールプレイしてください。


先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。


363 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/03(木) 23:44:33 ID:???
……と、言ったところで今日の更新はここまでです。
シリアス目で選びづらいかもしれませんが、自由にロールプレイをして下されば幸いです。
明日は多めに更新出来れば良いなぁ…と思っています。

364 :森崎名無しさん:2017/08/03(木) 23:50:18 ID:JU3fJNBo
D

乙なのです

365 :森崎名無しさん:2017/08/03(木) 23:55:52 ID:tr4iywU6


366 :森崎名無しさん:2017/08/03(木) 23:59:22 ID:iuCzKInI
D

367 :森崎名無しさん:2017/08/04(金) 00:02:10 ID:1nt9F/Lc
D

368 :365:2017/08/04(金) 00:02:56 ID:z65+NKKI
G「妖夢がいうような想いがないとは言わないよ、私も弱いから
  強くなりたいと思うよ
  でもね、私が望む強さっていうのは、みんなが笑っていられる強さなんだ
  ここで『ハイパーカンピオーネ』に行ったら、私が大事にしたい人たちが笑顔でいられない
  ……妖夢、そのなかにはアナタも入ってる
  私が『ハイパーカンピオーネ』に行ってもアナタは笑っていられないと思う
  だから……私は行かない」

こちらに変更します

369 :森崎名無しさん:2017/08/04(金) 00:14:13 ID:???
 ポスト率を上げてるのはサルサノではないのだろうか

370 :森崎名無しさん:2017/08/04(金) 00:25:53 ID:???
妖夢さん、あんまり完璧思想を他人に押しつけてるとこわーい将軍様が断頭台かけに来るよ

371 :森崎名無しさん:2017/08/04(金) 10:07:56 ID:???
サルサノさんはマグネットパワーでも使えるんじゃないかな。

372 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/05(土) 03:11:06 ID:???
すみません、寝落ちしてました(汗)また明日の昼頃に更新します。
>>364
乙ありがとうございます!
>>368
自由選択ありがとうございます。
妖夢を通して、鈴仙の目指すべき強さがよりハッキリすればと思っています。
>>369
第一部時点でもポストってた印象はあるんですが、サルサノ君の印象の方が大きいですね…w
>>370
パイプ椅子攻撃されちゃいますね…
>>371
マラカナンスタジアムは地球のエネルギーを活動させたり停止させたりする鍵穴だった…?

373 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/05(土) 18:18:19 ID:???
昼ごろと言ってたらこんな時間になってました(汗)
もう少し文章を書きたいのと、付き合いがあるので今日の深夜〜明日の朝に更新します。
妖夢関係の描写は次回更新で終わり、次は仲間の章選択に入る予定です。

更新の代わりに、少し相談させていただきたいのですが、
第3章のストーリー進行について、若干微修正したいと思います。具体的には、

@:これまで仲間が全員揃ってからリオカップ決勝としていましたが、
  今から残った仲間の章(イタリア組、メキシコ組)を2回連続でやるのもテンポが悪いと思ったので、
  決勝で合流できる仲間はイタリア組(パチュリー・慧音)か、メキシコ組(星、にとり、ナズーリン)の、
  いずれか1組にしたいと思います。

A:新チームが全員揃ってから試合1回でいきなり最終章はちょっと寂しい気がしたのと、
  イベントより試合が多い方が楽しいかと思ったので、新チームの章をボリュームアップします。
  (これに付随して、当初予定していた??の章を削除し、描写のみの展開とします)

374 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/05(土) 18:27:11 ID:???
以上の内容を反映させた新フローチャートがこれになります。

☆第三章のフローチャート・改定案☆
          第三章開始
             ↓
       ○妖夢の章(試合)
             ↓
      ○鈴仙の章(練習2回→試合)※最初(リオカップ開会前)のみ練習8回→試合
       ↓            ↑
次ココ→○仲間の章(イベント+成長)※終了後は鈴仙のチームに合流
             ↓
次の次ココ→○鈴仙の章ラスト(練習2回→決勝戦)
             ↓
     ○仲間の章ラスト(イベント+成長)※終了後は新チームに合流
             ↓
 ○新チームの章(練習4回→試合→練習4回→試合→練習4回→試合→練習8回)
             ↓
       第三章完、最終章へ…

全体的なイメージとして、これまで描写中心の進行だったところ、
テキストを(極力)簡略化して、もう少し試合・育成寄りにしていく方針です。
(前は試合・育成判定をカットし、テキストで穴埋めしていく方針としていましたが、
 最近の更新を見るとそのテキスト描写で苦戦しているようなので……)

このスレの基本方針として、自分がやりやすいように書いていく、というのがあるので、
基本的には今お知らせしたとおりに進行をしていきたいと思っていますが、
出来る所はより良くしていきたいので、色々とご意見も頂ければ助かります。
(例:イベントよりも試合が見たい、判定の数はもっと多い方がいい、育成にもっと自由度が欲しい、等)

方針等が色々と変わったりして申し訳ないですが、引き続き拙作に参加して頂ければ幸いです。

375 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/06(日) 13:52:41 ID:???
D:「説得力が皆無ね。妖夢……あんた、強いクセして悩み過ぎだもの」

鈴仙「『ハイパーカンピオーネ』に行けば、自分の弱さに悩まなくて済む……ねぇ」

妖夢「私は強くなった。そして今も勝ち続けている。私は……もう、昔の弱い私じゃない」

振り絞るように言う妖夢の顔を見て。鈴仙は改めて確信を持った上で、こう言った。

鈴仙「説得力が皆無ね。妖夢……あんた、強いクセして悩み過ぎだもの」

妖夢「……ッ!」

そしてそれは、妖夢にとっても図星だったのか。彼女は悲痛に顔を歪めて唇を噛んで、

妖夢「私は、……悩んでない! 求めていた力が手に入って、全ての敵に勝ってみせて。
    これが私が望んでいた道なんだよ? 強くなりたいと思って、実際に強くなれた。
    なのにそんな事言うなんて……鈴仙は、私を僻んでるだけなんだ!」

激情に身を任せながら、これまでの彼女が一度も見せなかった怒りを鈴仙にぶつける。

鈴仙「悩んでない、って……。じゃあどうして、あんたはそんなに辛そうな顔をしているの。
    昔の。幻想郷で一緒にサッカーをしてた時のあんたは、そんな顔をしてなかった!」

妖夢「それは……鈴仙が、私の事を何も分かって無かったからだ。
    私は何時だって、弱い自分が嫌いだった! だから強くなった! それだけのこと!」

日頃は暢気な鈴仙も、かつての親友の豹変を前に思わず声を荒げてしまう。
そして妖夢もまた、そんな鈴仙を拒絶する事しかできない。
そんな状態では一度離れた二人の想いはつながる事など当然なく――。

376 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/06(日) 13:54:05 ID:???
妖夢「……これ以上は、話していても意味が無い。後は、試合で白黒付けよう。
    私の方が正しいか、鈴仙の方が正しいかは――その結果で分かるはずだから」

吐き捨てるようにそう言うと、彼女は鈴仙に背を向けて去っていく。
その背中は孤独と、呪いのように重く痛々しい覚悟に塗り固められていた。

鈴仙「自分が悩んでいる事にすら気付かないなんて。……妖夢のバカ」

元々馬鹿が付く程の正直で一本気な少女だった妖夢。
だからこそ、彼女は自分が進むと決めた道を妄信し猛進し続けるのだろう。
――その道が間違っているかもしれない、という疑念すら押し殺してでも。

鈴仙「(今の私には妖夢を止められない。止める資格がない。
    だけど、私は信じてる。私の道と妖夢の道は、いつか絶対、もう一度重なり合うって事を……!)」

それでも、鈴仙は妖夢を信じていた。いつかきっと、妖夢は自分を縛る鎖をも断ち切ってくれる事を。
そして――妖夢の道は、決して今目の前に広がる物だけではないと気づいてくれる事を。


377 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/06(日) 13:55:37 ID:???


新田「(姉御……やっぱり、あの鈴仙ってヤツに因縁が。俺も、一度会って話してみたいな……)」

彼女達の様子を見守る者は幾らか居た。
サンパウロに派遣された新田はチームに来て以来ずっと、妖夢の事を一方的に慕っており、
彼女の技術の高さだけでなく、心の弱さの一端にも触れる機会があった。
だからこそ、彼はこの場を最も悲痛な想いで見ていたし――より一層、鈴仙への興味を深めていた。

コーチ「(……鈴仙。彼女――魂魄妖夢こそ、君がこのブラジルの地にて越えねばならぬ試練。
     君と共に歩む道を自ら切り捨て、覇道を歩むあの娘を。君は救う事が出来るのか?
     救うに足るだけの力と正義を、君は示す事が出来るのか? それを……この私に見せてくれ)」

鈴仙を見守るのは、ブラジルに来て以来鈴仙を見守り続けた老コーチだった。
自堕落な老人と化したかつての名選手は、鈴仙の心に打たれて、過去の光を取り戻した。
彼は見てみたかった。鈴仙が、自分の時と同じようにあの少女の心をも動かし得るのかを。

コーチ「ゴホッ、ゴホゴホッ! ガボッ! ゲェーーーホッ! ゴホッ。
     ――ふ、フホホ……。ワシも、もう時間はないでの。早く見せとくれよ、鈴仙。
     あの娘を救うだけじゃない。その後……お主がサッカーで、世界を平和にしてみせる日を、な」

赤黒い血に塗れた両手を拭いながら。
彼は、自らの希望を託した少女の未来に想いを馳せる事にした。

378 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/06(日) 13:58:47 ID:???



―――鈴仙と妖夢。
同じ志を抱きつつも、道を違えた二人の決着が付く『その時』は、すぐそこにまで迫っていた。



                                                 〜鈴仙の章 その4 終わり〜 


379 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/06(日) 14:06:29 ID:???
鈴仙の章その4終了時の能力値

選手名   ド  .パ シ タ  カ .ブ  せ  総  高/低 ガッツ フラグ
鈴仙    55  54 55 52 52 47 53 368  3  4 990 ―――
反町    53  55 55 54 51 49 54  371 4 / 4  870  ドリブル、パス、パスカット、スカイラブ
静葉    55  53 51 55 53 50 50  367 3 / 2  830  (特殊スキル)
穣子    50  49 48 55 53 56 51  362 3 / 3  880  タックル、競り合い
アリスさん .57  54 .52 54 56 52 50 .375 3 / 3  800  タックル、ブロック、特殊スキル
佳歩    56  55 56 50 54 47 49  367 2 / 3  850  ドリブル、タックル、パスカット
てゐ    55  56 54 51 54 45 48  363 2 / 3  810  パス、シュート、競り合い、アシ○、コンビプレイ(鈴仙)、OT
つかさ   52  46 50 53 51 56 51  358 2 / 3  900  ブロック
お燐    ..54  55 52 53 55 53 47  369 1 / 2  730 ドリブル、パス、シュート、タックル、パスカット、ブロック、特殊スキル
さとり    49  48 48 48 48 47 55  343 2 / 2  825 セーブ力56、セービング

380 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/06(日) 14:08:18 ID:???
   鈴仙
※所持中のフラグ:ドリブル(15/20)、低シュート(10/20)、タックル(10/20)、アリスさん操作(特殊)
ルナティックブラスト(1/4でドリブル+4)
ラビットスターター(1/4でドリブル+2、吹飛2)
マインドシェイカー(シュート+5、1/4で敵GKにバランス崩しペナ(−2))160消費 
マインドブローイング(シュート+7、1/4で敵GKにバランス崩しペナ(−2)、吹飛5)200消費
マインドエクスプロージョン(シュート+9、1/4で敵GKにバランス崩しペナ(−2)、吹飛2、常時使用不可)250消費
マインドスターマイン(空シュート+4、1/4で敵GKにバランス崩しペナ(−2))200消費
マインドベンディング(近シュート+5)120消費
インビジブルデューパー(シュート+12、要てゐ(※)、1/4で失敗)250×2消費
真実の友情(シュート+14、要佳歩、てゐ(※)、ポスト・枠外無効)250×3消費、1試合1回限り
 ※発動の起点はてゐ。発動には(佳歩と)てゐと鈴仙がゴール前まで上がっている事が必要。
リフレクトバレット(低シュート+6、要パスカル、200×2消費)
玉兎スルー(スルー+3)150消費
月人師弟コンビ(パス+2の連続ワンツー、要永琳)60消費
タイガーバニーシンフォニア(パス+2の連続ワンツー、要星)80消費
マインドストッパー(1/4でタックル+3)
アイドリングウェーブ(1/4でタックル+2)
ディスオーダーアイ(1/4でパスカット+3)
アキュラースペクトル(1/4でパスカット+2)
スキル・狂気の瞳(全判定につき、スート一致時で敵能力−2)
スキル・心象操作(自分が反則時の判定1段階緩和)
スキル・足が速い(細かい判定で有利になるかも?)
スキル・オフサイドトラップ(前線へのスルーパスを1/2でオフサイドにできる)
スキル・フェアプレイ精神(鈴仙は反則を犯さず、代わりに鈴仙が反則の条件を満たした場合−3のペナを負う)

381 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/06(日) 14:09:25 ID:???
      反町
毒々しいドリブル(1/4でドリブル+2)
トリカブトパス(パス+2)60消費
オオゼリパス(パス+3)80消費
毒の空と乙女の心(パス+2の連続ワンツー、要静葉、穣子)100×3消費
強烈なシュート/ヘディング/ボレー(1/2でシュート+2)
アキュラシーシュート(シュート+4、ポスト無効)120消費
ソリマチドライブ(シュート+9、ポスト・枠外無効)250消費
ポイズンヘッド(高シュート+4)
トクシックインパクト(低シュート+4)200消費
ポイゾナスオーバー(低シュート+6、吹飛5)250消費
ネオポイゾナスタックル(1/2でタックル力+3)
スキル・秋ジスタ(9月〜11月限定でスキル・ファンタジスタを得る)
スキル・オータムスカイラブ(オータムスカイラブの土台になれる)
スキル・ポイゾナスセンス(反町のパス時(ワンツーは含まない)、敵の人数補正に−1)

   穣子※ブロック成長限界
山神キープ(1/4でドリブル+3)
毒の空と乙女の心(パス+2の連続ワンツー、要静葉、穣子)100×3消費
オータムスカイラブハリケーン(空シュート+5、要土台)200×2消費
秋の大三角(空シュート+8、要穣子or静葉&ゴールバー)300×2消費
ウォームカラーハーベスト(1/2でタックル+2)
オヲトシハーベスター(1/4でパスカット+2)
オータムスカイラブタックル(任意でタックル+5、要土台)150×2消費
オータムスカイラブパスカット(任意でパスカット+5、要土台)150×2消費
オータムスカイラブブロック(任意でブロック+6、要土台)150×2消費
ロイヤルスイートポテトルーム(1/4でブロック+8)250消費
スイートポテトルーム(1/4でブロック+6)150消費
ポテトルーム(1/4でブロック+4)100消費
オータムスカイラブクリアー(任意で空クリア+3、要土台)150×2消費
スキル・オータムスカイラブ(オータムスカイラブの土台になれる)
スキル・丈夫な身体(必殺ブロック発動時、吹き飛び・負傷無効)

382 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/06(日) 14:11:03 ID:???
    静葉
落葉ターン(1/2でドリブル+4)
ダスクフォーリンパス(パス+3)80消費
フォーリンパス(パス+2)60消費
毒の空と乙女の心(パス+2の連続ワンツー、要静葉、穣子)100×3消費
落葉シュート(シュート+5)160消費
無回転落葉シュート(シュート+7)200消費
オータムスカイラブハリケーン(空シュート+5、要土台)200×2消費
秋の大三角(空シュート+8、要穣子or静葉&ゴールバー)300×2消費
オータムスカイラブタックル(任意でタックル+5、要土台)150×2消費
ロストウインドロウ(3/4でタックル+2)
フォールカット(1/2でパスカット+2)
オータムスカイラブタックル(任意でタックル+5、要土台)150×2消費
オータムスカイラブパスカット(任意でパスカット+5、要土台)150×2消費
オータムスカイラブブロック(任意でブロック+6、要土台)150×2消費
オータムスカイラブクリアー(任意で空クリア+3、要土台)150×2消費
スキル・オータムスカイラブ(オータムスカイラブの土台になれる)

     アリス
プリズムターン(1/4でドリブル+4)
都会派なドリブル(1/4でドリブル+3)
頭脳的なドリブル(1/4でドリブル+3)
アーティクルサクリファイス(パス+2)60消費
ドールミラセティ(パス+2の連続ワンツー、要上海or蓬莱)80×2消費
ひとりドールミラセティ(パス+2の連続ひとりワンツー)160消費
アーティフルドライブ(シュート+8)250消費
ドールズ・ウォー(低シュート+5)250消費
トリップワイヤー(1/4でタックル+2)
ムーンサルト上海(1/4でパスカット+4)
上海人形カット(1/4でパスカット+3)

383 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/06(日) 14:12:51 ID:???
  佳歩
情熱的なドリブル(1/4でドリブル+4、吹飛2)
頭脳的なドリブル(1/4でドリブル+3、吹飛3)
華麗なドリブル(1/4でドリブル+3、吹飛3)
野兎シュート(シュート+4)120消費
ラビットテイル(シュート+7)200消費
ラビットダイブ(空シュート+8)300消費
真実の友情(シュート+14、要鈴仙、てゐ(※)、ポスト・枠外無効)250×3消費、1試合1回限り
 ※発動の起点はてゐ。発動には(佳歩と)てゐと鈴仙がゴール前まで上がっている事が必要。
野兎ボレー(低シュート+3)160消費
プランスラビット(近シュート+4)120消費
野兎タックル(1/4でタックル+2)

  てゐ
シロウサギドリブル(3/4でドリブル+3、吹飛2)
バックスピン兎玉(パス+3)80消費
エンシェントデューパー(パス+6)150消費
オリジンデューパー(パス+8)300消費
ロビングシュート(近シュート+7)200消費
シロウサギチャージ(1/2でタックル+2、吹飛4)
フラスターエスケープ(3/4でパスカット+3)
スキル・本気モード(後半以降リードできていない時点から試合終了まで全能力+1、必殺技発動率+1/4)
マリーシア(接触プレイの攻撃時クラブで負けた時相手の反則に出来るが、5以上の差で負けた場合はバレてしまう)

  つかさ
竹林兎キープ(1/4でドリブル+3)
根性タックル(1/4でタックル+3、吹飛2)
反転ブロック(1/4でブロック+6)150消費
顔面ブロック(1/4でブロック+6)150消費
ソウルブロック(1/4でブロック+8)250消費
スキル・ムーンラブ(ムーンラブの土台になれる)※ウサギDが居ないため技は封印中
スキル・ど根性(ガッツが0になるまでガッツペナ無効、ガッツ0になると強制交代)

384 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/06(日) 14:18:14 ID:???
    さとり
パンチング61、キャッチ58
光を掴みます!(1/2でセーブ+3(敵リード時はセーブ+4))
スキル・覚妖怪(PA内のシュートについてセーブ・とびだし・一対一+3、読み違え発生しない)
スキル・とびだし+5
スキル・一対一+3
スキル・想起(相対する選手の知り得る技をコピーして使用可。その技に使用するガッツの1.5倍を消費)
 ※フィールダー時は任意使用可。セービング時は使用決定後、判定により想起内容が変動

    お燐
キャットランダムウォーク(1/4でドリブル+5)
キャッツウォーク(1/4でドリブル+3)
スプリーンイーター(シュート+5)160消費
火焔の車輪(1/2でタックル+3、吹飛2)
ゾンビフェアリーカット(1/2でパスカット+3)
ゴーストブロック(1/4でブロック+4、コーナーキックの時は+6)100消費
ゴーストタウン(1/4でブロック+6、コーナーキックの時は+8)150消費
スキル・サイドプレイヤー(ライン際に居る時、全能力+2)

385 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/06(日) 14:19:51 ID:???
***これより第4回目の仲間の章へと移ります。遊びたい仲間のシナリオを選択してください***

×:佳歩、てゐ、つかさの章(アルゼンチン編)→攻略済み!
  ストーリー:永遠亭の仲良し兎、佳歩とてゐとつかさの三人は異国の地でパスカルと再開し、懐かしい思い出を語り合う。
         しかし、パスカルが持つ、ディアスの「相棒」としての覚悟は彼女達の想像を超えていた。
         そんな中起こった「偽ディアス異変」を乗り越え、三人がそれぞれ選んだ「道」は……。

B:パチュリー、慧音の章(イタリア編)
  ストーリー:世界最高のレジスタと世界最高のカティナチオマステリーを目指し、
         それぞれやって来たパチュリーと慧音。彼女達の任務は弱小チームを「戦術」で優勝させる事。
         「理想」と「現実」の間で揺れ動きつつ成長する二人だったが、豊聡耳神子の魔の手が迫り……。

C:星、ナズーリン、にとりの章(メキシコ編)
  ストーリー:「ヒューガー」のメキシコ進出により、メキシコシティの街の「貧富の差」は決定的となった。
         空中に浮かぶ豪奢なプレート都市と、その下で排気ガスにまみれるスラム街。
         「平等」を夢見る大富豪・寅丸星は、反ヒューガーテロ組織の一員・河城にとりと再会し……。

×:反町、秋姉妹、アリスさんの章(フランス編)→攻略済み!
  ストーリー:反町達が転入したフランスのサッカースクールでは、もうすぐ「文化祭」のシーズンがやって来た。
         学級委員の反町は、個性的なクラスメートの意見を纏め上げ、何とか祭りを成功させようと試みる。
         しかしどうやら、秋姉妹の二人の中にはもっともっと大事な問題があって……? アリスさんの「未来」はどっちだ!

×:さとり、お燐の章(イギリス編)
  ストーリー:ロンドンで精神科医となった古明地さとりは、その能力から、一流の「探偵」としても街で一目置かれる存在となった。
         そしてそんなある日、彼女はかつての戦友・矢車想と「運命」的な再開を果たす。
         しかし、それは地獄に満ちた、謎の連続「凌辱」事件の幕開けだった……。


先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。

386 :森崎名無しさん:2017/08/06(日) 14:21:08 ID:q6DCofwo
B

387 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/06(日) 14:24:44 ID:???
…と、言ったところで外出するので一旦ここまでです。
仲間の章はアナウンスした通り決勝までで1回(イタリアorメキシコ)です。
サンパウロは強敵なので、基礎力の高いパチュリー達がいるイタリアを取るか、
第二GK確保+今後の覚醒機会を見込みメキシコを取るか、考えて頂ければ嬉しいです。


388 :森崎名無しさん:2017/08/06(日) 14:28:53 ID:38zqCmuU


389 :森崎名無しさん:2017/08/06(日) 14:30:47 ID:bZELQIVM
B

390 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/08(火) 00:22:16 ID:???
今日は更新をお休みします。イタリア編のバランス&プロットを整えて、また更新再開します。

391 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/09(水) 00:01:36 ID:???
今日は更新をお休みして、その代わり只今色々とスレ(拙作、本スレ、外伝スレ…)を読み返したりしてます。
今回と次回の仲間の章はそれぞれ、これまで置いてけぼりになっていた、
『ハイパーカンピオーネ』関係と『プロジェクトカウンターハクレイ』関係について、
掘り下げを行いたいと構想しています。というわけで、という訳ではないですが、
もう少し待って頂ければ幸いです(汗)

392 :森崎名無しさん:2017/08/09(水) 09:19:32 ID:???
乙です
ゆるりといきましょー

393 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/12(土) 23:29:26 ID:???
更新が遅くなってますが、明日くらいにはそろそろ再開したいと思っています。

東方新作が出ましたね…私はまだネタバレを少し見た程度ですが、今回のBGMも大変素晴らしいです。
メロディアス風味が増して、少し前(風神録〜星蓮船くらい?)の曲を思い出しました。
キャラについても5ボスの子とか6ボスの子とかで色々妄想が捗ります。
拙作でも、これまでのストーリーにより深みが出て来そうであれば、出していきたいですね。


394 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/12(土) 23:42:42 ID:???
>>393
遅れましたが、乙ありがとうございます!そう言って頂けると助かります。
纏まった形で更新再開したいと思いますので、またご参加頂ければ嬉しいです。

395 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/15(火) 03:49:57 ID:???
すみません、まだ更新できませんでした(汗)

396 :森崎名無しさん:2017/08/17(木) 22:26:22 ID:???
遅くなりましたが、スレ主さん乙です。
次の話が書きあがって来るのを気長に待っております。

>>393
新作といえばアリスさん、魔法の森の地蔵さんに笠プレゼントしていた
みたいですけど、ひょっとしたらボッチじゃあなかったかもとも言われています。
あの地蔵さん優しそうですし、友達になれるかも?


397 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/08/19(土) 02:04:31 ID:???
更新が無くすみません。展開を色々考えてとっちらかってしまってました(汗)
>>396
乙ありがとうございます。このスレでは判定とノリでぼっち化してしまったアリスさんですが、
実際のアリスさんはそこそこ程度には社交的だと信じてます。
魔法地蔵の子は魔理沙とも仲いいみたいでしたし、人気出そうですね…私は5ボスの二人組が結構気になってます。

398 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/10/06(金) 14:16:34 ID:???
B:パチュリー、慧音の章(イタリア編)

〜イタリア・サンシーロスタジアム〜

実況「さあ〜いよいよ決勝戦を迎えました、イタリア・カルチョフェスタ!
    決勝戦まで残ったのは、異界から来た謎めくプリンセス、パチュリー・ノーレッジが率いるフィオレンティーナか!
    それとも、ブラジルからやって来たトリックスター・シニョーリを中心に、強力な選手陣が集うパルマか!
    世紀の一戦が今ここに、開かれようとしております!!」

観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

パチュリー「………………」

――イタリア・ミラノを代表するサッカー専用スタジアム。
そこに萃まった10万近くの観衆の声を聴いているにも関わらず、パチュリーは全く動じる気配を見せない。
彼女の興味や関心は、周囲の有象無象には全く向けられていなかった。
代わりに、パチュリーはこれから90分間の死闘を戦い抜く敵陣の面々を品定める。

パチュリー「(パルマはごく最近になって、他チームや世界各国から有望な選手を引き抜き、
        ここまでの強豪チームに上りつめた。元々資金が潤沢なチームだったとはいえ、
        その急な補強は常軌を逸しているとまで、新聞各紙には報じられていたけれど――)」

その中でも特に、パチュリーの目に留まった選手は――二人いた。
その内一人は、好戦的なぎらぎらとした目を既にパチュリーに対して向けているために、
期せずとも互いに目が合う形となってしまう。
少年はそれに気づくと、子どもらしくアカンベーをしてパチュリーを挑発してみせた。

パチュリー「あれが……シニョーリ。神子が『妖夢以上の傑作』として評価した選手ね。
       確かにここまでの成績は輝かしいけれど……」

399 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/10/06(金) 14:17:39 ID:???
かつてパチュリーが単身ブラジルに渡り、大きく変貌を遂げた妖夢の姿を見た時。
その仕掛け人として暗躍する豊聡耳神子から話を聞いた人物。それがシニョーリだった。

パチュリー「(――妖夢と平行して、自分達の手駒候補として育て上げたって訳ね。
        どちらかに欠陥があっても、どちらかを保険として残す為に用意した。
        ……そう考えた方が素直かしらね)」

幸運にも、パチュリーはこのあどけない少年の裏に渦巻く陰謀を知っていた。
知っていたからこそ、自分はこの試合を通じて確かめたかった。
彼女らの――豊聡耳神子が永らく潜伏しながら少しずつ進めて来たであろう、
『ハイパーカンピオーネ』構想が今、どのような状態にあるのか。
そして、……それは果たして、どのような形で自分達の脅威となり得るのかを。

パチュリー「(妖怪を駆逐した、人間を中心とする、人間の為のチーム。……素晴らしい理想を掲げ、
        実体は自らの人気を確固にする為の私兵集団。まずは、そんな風に見ているのだけれど……。
        ――もう一つ、気になる事もあるわ)」

パチュリーが気になっている事は、ハイパーカンピオーネ計画の裏に蠢く陰謀だけでは無かった。
ここで視線を外し、シニョーリの他にもう一人、パチュリーの意識を惹いたパルマの選手に対して目を向ける。

パチュリー「(妖夢があそこまでの力を手に入れた謎の理由。
        ……貴女は、このチームに所属する事でそれを掴んだのかしら?)」

慧音「……魔術師殿。やはり貴女お一人でも、ここまで上がって来たか」

――その選手の名は、上白沢慧音。
当初は魅魔の命により共にフィオレンティーナへと着任し。
……そして。後に対立し、豊聡耳神子の息がかかったチームであるパルマのCBとして、
今、パチュリーの眼前に立つ、凛とした女性だった。
彼女は思い出す。慧音と共に自らを研磨し、そして、思いをぶつけあった日々を――。

400 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2017/10/06(金) 14:23:20 ID:???
−練習フェイズ@−
〜フィオレンティーナ・練習場〜

パチュリー「……ふう。初日から有意義な練習だったわね」

慧音「ああ、そうだな。やはり幻想郷には無い、理論立ったサッカースタイルは、私――いや、我々には向いているようだったな」

パチュリーと慧音がフィオレンティーナに加入し、初めての練習を終えた夕方。
二人は丁寧ながらもやや砕けた様子で、練習の成果について情報を交換し合っていた。

パチュリー「『プロジェクト・カウンターハクレイ』――博麗の巫女を中心とした、幻想郷の封建的な
       支配体制に一石を投じ、外界との交流を広げていくという革新的な計画――
       この流れで編成された、幻想郷の既存勢力をサッカーで打ち破る為の新チーム。
       その中で、私はチームのレジスタとして。そして貴女はチームのディフェンスリーダーとして。
       それぞれに役割が規定されていると感じるわ」

慧音「……うむ。そうした大役が今の私に務まるかは据え置いて、そうした役割が求められている事は分かる。
    新チームのDFは、つかさ、穣子、ナズーリン――もしかしたら、他にDFへコンバートすべき選手もいるかも
    しれないが――の3人だ。しかし、三人とも必殺ブロックやオータムスカイラブ等、体力を浪費する大技に長ける一方で、
    長期的な視点で試合を俯瞰し、DFの布陣を動かした経験のある選手は少ないと認識している。
    無論、ゴールキーパーの古明地殿あたりは、一勢力の主として高い指揮能力をお持ちだろうが、
    彼女は特殊な性能を持った選手だと認識している。全試合において、不動のGKたりえる事は無いだろうな。
    ゆえに、DF陣の舵取りを行う人物が、一人はいなくてはならない」

慧音の正確な分析眼に、パチュリーは少しだけ舌を巻く。

パチュリー「……貴女と話すと理解が早くて助かるわ。そう言えば、人里FCを率いてルナティックスと戦った時も、
       ゼロトップの布陣を引いて、八意永琳を数で封じ込めようとしたんだっけ。
       成程。当時の幻想郷においてそこまで考えられるだけあって、決してボンクラでは無いみたいね」

慧音「お世辞はよして頂きたい。古明地殿のように心を読めずとも、
    『まあ、頭があっても選手としては三流だから、意味無いけど』という貴殿の本心が、私には透けて見えるよ」

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