キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【SSです】幻想でない軽業師

1 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/01/20(土) 21:45:02 ID:???
Act.1 その時の結末

後半16分。

45分ハーフ、現時点で5−3でのビハインドという劣勢。

佐野「ハァ……ハァ……!」

フランス国際Jrユース大会、準決勝。
全幻想郷Jrユース対、魔界Jrユース。
どこからどう見てもJrユースという年齢層には見えない選手たちを抱えながら、
両チームはぶつかりあっていた。

ぶつかり合った結果が、先に出したスコアである。
電光掲示板に映るその数字を見ながら、魔界Jrユースの――キャプテンですらない、一選手。
"彼"は、走り回る。
走り回る事しか、今の自分に出来る事は無いと知っているから。

佐野「(ふざけんな……! ふざけんなふざけんなふざけんな!!!!)」

叫びたい気持ちを、押し殺しながら"彼"はひた走る。
その脳裏に、ここまでの道程がフラッシュバックした。

ボール運び程度なら出来ると、幻想郷へと召喚され。
しかしながらゲームメイカーには到底足りないと勝手気ままに烙印を押され、あっさり現実へと送還。
かと思えば使い道はあると言われ、妖怪の賢者に送り込まれた先はサッカー未開の地、命蓮寺。
まるでサッカーの素人ながら、素質はある彼女たちと切磋琢磨をし、
召喚の根本となった賢者の傍らにいる天才に羨望の目を送り、そして要因となった魔王をめざし。

241 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/15(木) 00:54:46 ID:???
咲夜「ですがお嬢様、私が留学中は屋敷の事は如何いたしましょう? ……妖精メイドはいずれも殆ど役に立ちませんが」
レミリア「あー……そこはあれ、美鈴、小悪魔、頑張りなさい」
美鈴「や、やっぱり私達が咲夜さんの穴埋めするんですか……」
小悪魔「こぁー……(パチュリー様の手伝いをしながら咲夜さんの仕事をこなすって、ベリーハードってレベルじゃないですよー……)」

一方、留学をするに当たり問題となる咲夜の不在中の館の管理であるが――。
そこは当然、レミリアの配下である美鈴。そしてパチュリーの使い魔である小悪魔へとお鉢が回ってきた。
上の都合で仕事を増やされる、それに対して文句も言えない。
ブラックではあるが悪魔の館である以上ブラックであるのも当然と言え、美鈴たちは聞き入れるしかない。

咲夜「では留学の日時まで2人には教育をしておきます。
   お嬢様も私がいなくなったからといって、あまり朝更かしをされず規則正しい生活を」
レミリア「はいはい」
咲夜「それと食事中はあまり食事を零さないように注意下さい。 館内でのモケーレ・ムベンベごっこも控えるように。
   お菓子は必ず3時に1日1回のみ。 外から帰ってきたら手洗い、うがいは忘れずに」
レミリア「う、うー?」

そして次に咲夜の心配は不在中のレミリアが果たして自分がいなくても無事に過ごせるかという事であった。
日ごろから何度か言われている小言を集中的に言われ、レミリアは思わずうーうー唸る。
唸るのだが、咲夜が己を心配して言っているのも理解しているので止めない――のだが。

242 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/15(木) 00:56:16 ID:???
咲夜「ああ、あと、寝る前に水分の取りすぎはお気を付けください。
   私がいませんので、これからは粗相をされても誰にも気づかれずに処理する事が出来ません」

時が止まる――。

美鈴「――へ?」

――そして動き出す。

小悪魔「そ、粗相……って……」

思わず一同は、レミリアへと視線を向ける。

フラン「お姉さま……もしかして、まだ……」

5歳年下のフランドールは、信じられない表情で姉を見つめていた。

パチュリー「………………」

親友であるパチュリーは、この時、
もう起きている時間帯の筈なのにレミリアの自室を訪ねても迎え入れてくれない事が稀にある理由を悟った。

243 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/15(木) 00:57:45 ID:???
……… ……… ………

レミリア「しゃくやーっ!!?」
咲夜「えっ!? ど、どうされましたかお嬢様!?」

思わず顔を真っ赤にして激昂するレミリアに、しかし咲夜は狼狽えるばかりである。
彼女としては心から心配をしての発言である為、それは必然。
狼狽する咲夜を見て、やはり何を言っても無駄であると思ったのか。
それともこれ以上周囲が自分を注視する事に耐えられなかったのか、
イスから飛び跳ねるようにして席を立ち、自室へと走り去っていったのだった。

咲夜「おっ、お嬢様……? ど、どうしたのかしら?」
美鈴「(あ……また何が悪かったのかわかってない顔……)」

十六夜咲夜――紅魔館を取り仕切り、サッカーでも優秀な能力を持つ紅魔館が誇る悪魔の狗。
完全で瀟洒な従者は……残念でKYな従者でもあった。

244 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/15(木) 00:59:22 ID:???
という事で一旦ここまで。
紅魔館からの留学選手はKY長に決定しました。

それでは。

245 :森崎名無しさん:2018/02/15(木) 22:09:32 ID:???
咲夜さんやらかし過ぎてついに左遷される
左遷…もとい留学先はどこなんだろう?ボランチ向きの留学先ってパッと思い浮かばない

246 :森崎名無しさん:2018/02/15(木) 22:38:28 ID:???
よっしゃDMFの留学先ならヤウンデかポルトや(サカつく脳)
まあ真面目に考えたらイタリア辺りが良さそうではある

247 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/15(木) 23:49:22 ID:???
>>245-246
留学先についてはまた後々判明させる事が出来ればなと思います。
あとあまり中の人はリアルサッカー事情詳しくないので、
なんつートコ送っとんねんというツッコミもあるかもしれませんがご容赦を。

本日は更新はお休みです。
明日には更新出来ると思います。それでは。

248 :森崎名無しさん:2018/02/15(木) 23:49:42 ID:???
本編でボランチ強くて苦戦した国って無かった気がする
日本のボランチが一番強いかもしれない…日本留学してもなー
イタリアかドイツで組織的な守備を学ぶとかかな

249 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:18:31 ID:???
>>248
本編ですと、大体守備が強い選手はDFって感じだった気がしますね……。
WYでのドイツはカルツとシェスターをDMFに配置してましたが、この2人もDMFってイメージはあまり強くないですね。

短いですが投下します。

250 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:19:59 ID:???
命蓮寺や紅魔館とは逆に、所属をする選手が少ないという勢力もある。

妖夢「(…………どうしましょうか)」

魂魄妖夢――今は他チームに在籍をしているが、彼女の大本の所属である白玉楼もまた、
その所属選手が数少ない勢力の1つであった。
彼女はつい先日、主人である幽々子に留学の件について言い渡されていた。
白玉楼に所属をする選手といえば、今は幽々子ただ一人。

しかしながら当然、Jrユース大会の時のような短期間ならまだしも、
亡霊であり冥界の管理者である幽々子が外界に3年間も留学をするという事が出来る筈もなく、
白羽の矢が立てられたのは白玉楼を離脱した筈の妖夢であった。

幽々子から通達をされてから数日。妖夢は考えに考えていた。
留学をする――即ち、己を鍛え直す環境に身を置けるというのは、彼女にとって大きなメリットである。
元々、彼女はよく比較をされる人間組――霊夢や魔理沙といったグループと一括りにされながらも、
実力においては一枚も二枚も下回る。
才能はあるが半人前、才能はあるが運が無い、才能はあるがまるで芽が出る様子も無い。
そういった声が幻想郷サッカーファンから上がる事も多々ある。

妖夢「(厳しい環境に身を置けば……みんなとの実力差も縮まる。
    ……流石に、リグルよりも下なんて地位に甘んじる事は無くなる筈)」

ナチュラルに自分には才能がある筈なのだから、と考えるあたりが非常に甘い。
終ぞ幻想郷Jrユースでは出番が来なかった身という、崖っぷちの状況にありながらも、
己は強いと無自覚に思える――中途半端な実力を身に着けていたのが彼女の悲劇である。

ただ、彼女が己の評価をどうするかはともかく――留学によって力をつける事が可能だろうというのは事実である為、
それは一旦置いておこう。

251 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:21:16 ID:???
妖夢「(ただ……留学をするとなれば、当然幽々子様の元から離れる事になる……それに……パルスィたちとも)」

白玉楼を離れ、妖夢が選んだ――というよりは半ば無理やり引き入れられた新天地、ネオ妬ましパルパルズ。
キャプテンである橋姫、水橋パルスィの強引過ぎる勧誘により、
妖夢だけならず幻想郷では名だたる選手として知られる八雲藍、アリス=マーガトロイドまでもが加入。
ついには強豪とも呼ばれるまでのチームへと成長へと遂げた。

そんなパルパルズに対して、妖夢は愛着を持っている。
当初は強引に引き込まれた事に対して乗り気ではなかったものの、
白玉楼を離れ――幽々子の従者としてではなく、1人の魂魄妖夢としてサッカーをする事が出来たのは楽しい経験だった。
交流の深かった藍や、人当たりのいいアリス。気さくで面倒見のいいヤマメや無口だが仲間思いなキスメ。
サッカーを通じて彼女たちと仲を深めるのも、今までにない事だった。
……一部、あまり仲を深めたくは無い者もいたが。

なんにせよ、パルパルズから離れがたい――妖夢にはそういった感情もある。

妖夢「(パルスィたちに話した時は、みんな私の好きにすればいいと言ってくれたけど……)」

この悩みを、妖夢は既にパルスィたちへと相談していた。
元々義理堅く、隠し事などが苦手な妖夢。
おまけに藍はこの留学計画を提案した紫の式――妖夢にその話が渡っている事もわかっていただろう。
留学をして今よりも強くなりたい……しかし、チームから離れる事も嫌だ。

なんとも我儘な本心を彼女はぶちまけたが、それに対して明確な答えが返ってくる事はなかった。
行くも行かぬも、結局は妖夢本人。妖夢自身が決めるしかない事なのだから、当然と言えば当然であったが。

妖夢「(…………まぁ、当のパルスィ本人はまともに返事をしてくれもしませんでしたけどね)」

パルスィ『妬ましい……! あっさりと強くなる機会を貰えたあなたが妬ましい……!!』

脳裏に相談をした時のパルスィの言葉がよぎり、思わずため息を吐く妖夢。
藍やヤマメといった者たちは真摯に答えてくれただけに、なんとも言えない気持ちである。

252 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:23:18 ID:???
シェスター「サムラーイ! どうしたんだい、ボーッとして」
妖夢「あ、シェスター。 ……練習はもういいの?」
シェスター「うん、ちょっと休憩だよ。 ヨームはしなくていいのか?」
妖夢「うん……まぁ、色々集中できなくて」

こうして妖夢が悶々と1人悩んでいた所、声をかけてきたのはフランツ=シェスター。
かつてアリスが呼び出した、外界からの助っ人選手であった。
ニンジャフリークが高じて日本の文化(多分に間違った知識もある)を好む彼は、
先日のJrユース大会後、戻っていた西ドイツを離れ再び幻想郷のネオ妬ましパルパルズへと復帰をしていた。

西ドイツの元いた所属チーム――ブレーメンへとそのまま戻る選択肢もあったが、
彼の燃えに燃える日本愛が優ったという事だろう。
或いはカルツ……もとい、西尾?や反町も残るのならば、と気持ちの上で楽になった面もあるだろう。
無論、ネオ妬ましパルパルズへの愛着もまたあったのは言うまでも無い。

そんなシェスターは、幻想郷へと戻ってきて――しかし、観光に勤しむ訳でもなく、
パルスィ達と共に練習に明け暮れていた。
普段から彼が練習をしないという訳ではないが、その熱心さは以前にも増しているように妖夢には見えた。
あまりの練習に対する熱意に、松岡監督からも太鼓判を押される程である。

今もまた、朝早くからネオ妬ましパルパルズが本拠としている練習グラウンドで、
松岡監督に付き合ってもらいながら汗を流していたシェスター。
今日の練習は昼からの予定であるにも関わらず、だ。

妖夢「本当にここの所熱心ね。 帰ってきてから……ほぼ毎日じゃない?」
シェスター「そうかな? ……うん、そうかもしれない」

タオルで汗を拭いながら、シェスターは肩を竦める。
でも、まだまだ満足はしていないとばかりに。

253 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:25:30 ID:???
シェスター「Jrユース大会じゃ悔しい思いしたもんね。
      俺もカルツも、それにヨームのオヤカタサマであるユユコさんも……。
      幻想郷でつけた力を見せつけられず、ギャフンと言わされちゃったからね」

そう、先のJrユース大会――シェスターが参加をした西ドイツJrユースは幻想郷Jrユースにやはり完敗をした。
西ドイツの皇帝カール=ハインツ=シュナイダーをキャプテンとし、
幻のゴールキーパーと呼ばれたデューダー=ミューラーを招集。
ここに幻想郷へと召喚をされて大きく力をつけたカルツ、シェスター。
更にはレミリア、幽々子、神奈子といった派遣選手を取り入れ、正に万全とも言うべき体勢を取りながら……。
しかし、割とあっさりと敗れてしまったのである。

その敗北の原因を、シェスターは自分が不甲斐なかったせいであると認識していた。

シェスター「シュナイダーもレミリアさんも、反町や魔理沙さん達には負けてなかった。
      ミューラーだって相当なキーパーだよ。 西ドイツが負けたのは、やっぱり中盤が支配できなかったからだ」

カルツ、シェスター、共に力をつけたとはいえ――しかし、幻想郷の中盤は圧倒的だった。
霊夢、咲夜、ヒューイ。攻撃においてオールマイティな性能を持つOMFと、ボール狩りにとにかく長けたDMF。
これに前後半どちらかしか出場出来ないとはいえ実力は抜きんでているパチュリーや、
シェスターらの誇るキャプテンであり極限までドリブルを磨き上げたボールキープの鬼パルスィまでいる。

彼女たちを前に、シェスターたちは為すすべなくやられたのである。

妖夢「…………」
シェスター「俺達がもっと上手くやれてれば、
      シュナイダー達にボールを供給する事が出来たし反町達に打たせる回数も減らせたんだ。
      まぁ、今更言い返してもたらればでしかないけど……次の戦いを見据えて、今からもっと練習しておかないとね」
妖夢「次……」
シェスター「そうさ! 幻想郷にいれば、みんなに対してリベンジが出来る機会があるだろ?」

254 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:26:48 ID:???
この時、思わず妖夢は感心をした。
元々呑気なように見え、実際妖夢や藍を見かけてはサムライだのキュービだのと声を大にして叫ぶシェスター。
どこかおちゃらけているように見えて、その実かなり熱いハートの持ち主だという事に。
いや、思い返してみれば――パルスィの異常なまでの嫉妬心に感応しチームの為にとパルパルズに貢献してきた男である。
普段が普段でも、根っこの部分を見ればサッカーに対する情熱はかなりのものなのだろう。

妖夢「(単純にこの幻想郷が日本の原風景を残しているからという理由で残った訳じゃなかったんだ……)」

それも理由ではあったのだろうが、幻想郷の選手たちにリベンジをしたいという気持ちも嘘ではないのだろう。
シェスターに対して内心謝罪しながら、妖夢はそして、1つ溜息を吐く。

妖夢「(次って言われて気づいたけど……そうか、また皆と戦うんだ)」

幽々子からの留学の件が頭にあった為に忘れていたが、時が来ればまた幻想郷サッカー界も動き出す。
しばらくすればどこかの勢力からまた、大会の知らせが入るだろう。
再び全幻想郷Jrユースとして戦うのではなく、各々のチームに戻っての戦い。
今この時、練習をしているのも――その戦いで勝利を収める為なのだ。
しかし、である。

妖夢「(今の私で……他のチームのGKから点を奪えるだろうか)」

255 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:28:30 ID:???
妖夢は自分の実力には自信を持っていた。
先にも言った通り、ナチュラルに己を強者であると認識をしていた。
実際に彼女は相応の実力者ではあるのだが――あくまでも、それなりのである。

例えばそれが紅魔スカーレットムーンズのように、キーパーが名無しならば妖夢でも点が取れる。
或いはそれが永遠亭ルナティックスのように、ザルキーパーの代名詞が守るゴールからなら――多分妖夢でも点が取れる。

ならばこれが守矢フルーツズの早苗が相手ならば?
早苗でなくてもいい、その守矢に移籍をした大妖精が相手ならば?
どこのチームに所属して参加をするかわからないが、伊吹萃香が相手ならば?
否、それどころか――このネオ妬ましパルパルズのゴールキーパー、黒谷ヤマメからもゴールを奪えるだろうか?

妖夢「………………」

自分を強者であるとは思いながらも、それでも彼我の実力差を図れない訳でも妖夢は無かった。
故に、自問自答をして――その確率が低いという事もわかっていた。

妖夢「(勿論私も練習をする、して、でも……それと同じだけ、周りも練習をするだろう。
    差は縮まるのだろうか。 次の時までに)」

その確率もまた、恐らくは低いのだろう。
このまま幻想郷に残る――それでは結局、このまま幻想郷サッカーの歴史の中で、
自身の名は反町や魔理沙らといった者たちに埋もれてしまうのではないかと考えてしまう。
それならば、やはり――環境を変えてみるのもいいのでは、それもまた魅力的に感じてしまうのだ。

256 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:29:55 ID:???
シェスター「ヨーム、どうしたんだい?」
妖夢「あ、ごめん。 考え事を……」
シェスター「ヘタの考え、釈迦寝に似たりだよ!」
妖夢「……思いっきり寛いでますねそれは」

微妙に惜しいシェスターの間違いに苦笑いをしつつ、妖夢はもう一度相談をしてみるのもいいかと考え、
シェスターに対してぽつりぽつりと悩みを打ち明けだした。

シェスター「うーん、前も聞いたけど留学かぁ……ヨームはどうしたいんだい?」
妖夢「それが私にもさっぱり。 ……強くなりたいという気持ちは確かにある。 その為には、留学が1番だとも思う。
   でも……不本意ながら、私もこのチームからはやっぱり離れたくない」

強くはなりたい、だがチームは離れたくない。
離れなければここで練習をして強くなるしかないが、それでは周囲と成長速度もほぼ同じになるだろう。
二律背反、どちらも取れず、だからこそ妖夢は悩んでいる。

妖夢「白玉楼を離れてサッカーをするのは、本当に楽しかった。
   ……いや、幽々子様とサッカーをするのが嫌だという訳じゃないけど。
   ただ、藍さんやアリス。 ヤマメやキスメ、シェスターと一緒に過ごすのが楽しかった」
シェスター「俺も!」
妖夢「うん……だから、離れたくない。 でも……留学に行けば、チャンスが広がる。
   もしかしたら、反町や魔理沙にだって追いつけるかもしれない」

257 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:31:03 ID:???
そこまで言ってから、妖夢は「どう思う?」と、視線でシェスターに問いかけた。
シェスターはその意図に気づき、しばらく無言で腕を組み、唸っていたが……。

シェスター「ヨームがしたい道を選ぶのが1番。 1番だけど……」
妖夢「だけど?」
シェスター「……ヨームはここでするサッカーが楽しいって言ったよね?」
妖夢「? うん」
シェスター「……楽しくないサッカーっていうのも、知るべきかもしれない」

次に口を開いて出た言葉に、妖夢は思わずすぐ反応出来なかった。

妖夢「……楽しくないサッカー?」

そして、反応がようやく出来ても――それはただの鸚鵡返しとなってしまう。
だが、シェスターはそんな妖夢の反応にも真剣にコクリと頷き返した。

――無論、妖夢もサッカーをしていて楽しい以外の感情を抱いた事はある。何度もある。
例えばそれはドリブルやシュートが失敗をした時。
例えばそれは試合に負けてしまった時。
例えばそれは他の強者に居場所を奪われ、ベンチから試合を見つめるしかなかった時。

しかし、シェスターは妖夢がそんな気持ちを抱いた事があるのも知っている筈だ。
ならばきっと、楽しくないサッカーというのは、そういったものとはまた違うものなのだろう。
では、何故そんなものを『知るべき』だというのか。

シェスター「ヨームはパルパルズでのサッカーが楽しいって言ったよね?
      でも……外のサッカーは、楽しいだけじゃ出来ない」
妖夢「? 楽しいだけじゃ出来ない?」
シェスター「少なくとも、楽しむと強くなるを両立するのは難しい。 俺はそう思う」

258 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:33:36 ID:???
基本的に、幻想郷のサッカーというのは、趣味の延長線上のようなものである。
競技に準じる者たちも、本職を持っている場合が多く、
だからこそ草サッカー的な楽しみを第一とした主義主張といったものが色濃く出る。
しかし、外界のサッカーはそのような甘いものではない。

シェスター「外の世界の……少なくとも、俺がいた世界でのサッカーは、金を稼ぐ為のサッカーだよ」
妖夢「お金を?」
シェスター「うん。 サッカーをすることで、お金を――お給料を貰う。
      俺がいたのは、そういうチームの更に下部組織。
      将来的には、外の世界にもし戻っていれば、そこを目指していただろうからね」

それは幻想郷サッカーではありえない話であった。
例えば、大会の副賞として現金などが貰える事はある。あるが――しかし、サッカーをしていて恒常的に給料を貰える事などはない。
基本的に、先にも述べたように幻想郷サッカーは道楽なのである。
そこに金銭や何かという、野暮なものが介入する余地は無い。

シェスター「ただ、外の世界は違う。 ……俺はまだマシな方だよ。
      でも、もっと生活が苦しい者は、サッカーで一山当てようとする。 そうすればどうなるか……」
妖夢「…………どう、なるの?」

含ませるようなシェスターの言葉に、しかし、妖夢は首を傾げるだけで……。
それに苦笑いをしながら、やはり妖夢は外の世界に行くべきだ、とシェスターは思う。

シェスター「強くなりたい。 単純に強くなるだけなら、信念さえあればなれるかもしれない。
      楽しみたい。 単純に楽しむだけなら、このチームにいれば草サッカーの延長が出来るかもしれない」
妖夢「………………」
シェスター「でも……更にその先を目指すなら、やっぱりヨームは外の世界に行くべきだと思う」
妖夢「…………うん」
シェスター「俺も強くなりたい、楽しみたいっていう気持ちがあった。 でも、それでもここを選んだ。
      ヨームも、楽しくないけど強くなれるかもしれない――他に得るものがあるだろうサッカーか。
      それともただ楽しいというだけのサッカーか。 どちらも知った上で、選んだ方がいいんじゃないかな?」

259 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:35:42 ID:???
それはシェスターが、パルパルズでする楽しいサッカーと、外の世界の楽しいとは言えない事もあるサッカーを通して下した決断。
敗北を受けてからは人一倍熱心に練習に繰り出し、反町達へのリベンジに燃えながらも――。
それでも、より成長出来るような環境を選ばなかったシェスターの言う、『楽しくないサッカー』。

妖夢「(一層、行きたくはなくなった……けど……)」

厳しい環境に置いてこそ、己は磨かれる。
少なくとも妖夢はそう師匠に教えられたし、そう信じていた。
今の言葉を聞いて、尚一層、外の世界の環境は厳しいものなのだと感じた――ならば。

妖夢「ありがとう、シェスター」
シェスター「ん?」
妖夢「ようやく迷いが晴れた」

思えば、迷いを断ち切る刀を持つ自身が、迷いを見せるなど言語道断。
それでも迷いを見せていたが、しかし、今の問答でようやく妖夢は答えを導き出した。

妖夢「私は……留学に行く」
シェスター「……そっか。 うん、なら応援するよサムラーイ!!」

260 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:37:45 ID:???
強くなる。
厳しい環境に身を置いて、一層の修行を持って強くなる。
楽しくないサッカーというものがどういうものなのか、それは未だに妖夢にはわからない。
ただ、それでも、恐らくは幻想郷の中で一番(反町は秀才ではあるがあくまで日本出身、西尾?はそもそも本国の事情を喋りたがらない)、
外の世界のサッカーに精通をしている者の助言である。

妖夢「それまで、パルパルズの事はお願い」
シェスター「もっちろん! 任せてよ、打倒オータムスカイズ!ってね」

迷いを持っていた少女は、井の中――の外を知る少年の言葉を受け、空へと飛び立った。
厳しい環境に身を置き、知らない事を知り、そして今いるチームの助けとなる事を信じて。
彼女がはばたくか、それとも地に堕ち、幻想郷界隈ではその他大勢も多くいるFWの一員と成り下がってしまうのか。
それはまだ、誰も知らない。

261 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:39:00 ID:???
反町、魔理沙、リグルにポジションを独占されてはしまったものの――それでも、彼女の実力が低い訳ではない。
スピードを生かしたダイレクトシュートと、半霊も使った特有のドリブル能力。
得点を取るのは妖夢に任せるかパルスィのドリブルゴールかの二択というのがパルパルズの方針。
その内の1つが無くなる――というのは、あまりにも痛い損失ではある。
痛い損失ではある、のだが――。

かといって、いなくなったからといってまるで点が取れない可能性が無い、という訳でもない。
藍もアリスも、ダイレクトシュートならば妖夢にも負けない程のシュートを打てる。
自己を過大評価をする妖夢に対して、周囲の評価と言えばその程度である。残念ながら。

ただ――かといって、彼女が不要だからと言って留学に向かわせた訳ではなかった。
事実、先に書いた通り、彼女たちの多くは今回の件に関して、妖夢に一任をするつもりだったのだから。

パルスィ「……いいえ、これでいい。 妖夢は、これでいいのよ」

しかし、それを鶴の一声で妖夢を外界へと向かわせるよう仕向けたのがパルスィである。
妖夢とシェスターが語り合う後方、藍達と共に茂みの中から顔だけを覗かせてそう呟くパルスィの姿は、
滑稽を通り越して非常にシュールであったが……彼女が妖夢を想う気持ちは本物である。

パルスィ「我がネオ妬ましパルパルズ。
     打倒オータムスカイズを目指し、ここまでやってきた」

弱小から這い上がり、ついには幻想郷有数のチームへとなったパルパルズ。
藍、アリス、妖夢、シェスター……といった数多くの実力者を備えてここまでの地位に上り詰めたチームでもあったが、
しかし、その基本形は前身である妬ましパルパルズ時代からのものである。
即ち、ヤマメ・キスメという最終ラインが守り、パルスィが攻める。
ドリブル・ブロック・一対一。いずれにも精通をした強者がいたからこそ、彼女たちはここまで這い上がってきた。
弱者が強者を食い破る、才能の無い者が才能のある者を圧倒する、ただ一つの道筋を信じて。

262 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:40:40 ID:???
………
……


アリス「なんとかうまくいったけど……これでよかったの?」

そして、この妖夢とシェスターのやり取りを生暖かい目で見守っていたのはその他のネオ妬ましパルパルズの面々である。
本日は午後からの練習、にも関わらずここにはアリスをはじめとして、
チームを構成する全員が揃っていた。
……それもこれも、キャプテンであるパルスィが、
シェスターになんとしても妖夢を外の世界に留学に行かせるように説得せよと命令し、その様子を見守っていたが為である。

ヤマメ「妖夢は確かにいい子だよ。 才能だってある。 でも、このままじゃそれも腐っちまうってパルスィの判断だね」

妖夢は、基本的に常識的な人物である。
一時的に見た人を定期的に斬り殺そうとしていた時期もあるが、それはそれ。
温厚で真面目で、力をつける事に対して貪欲でありながら――しかし、幼稚であった。
力をつけたいが愛着のあるチームも捨てがたい。
彼女が迷っていたのは、そんな彼女の性格も多分に影響をしているだろう。

藍「いいか悪いかで言えば、パルパルズにとっては大きな損失だ。
  現時点でも、妖夢の得点力はパルパルズにとって必要不可欠だからな」

263 :>>261は無視してください ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:42:50 ID:???
反町、魔理沙、リグルにポジションを独占されてはしまったものの――それでも、彼女の実力が低い訳ではない。
スピードを生かしたダイレクトシュートと、半霊も使った特有のドリブル能力。
得点を取るのは妖夢に任せるかパルスィのドリブルゴールかの二択というのがパルパルズの方針。
その内の1つが無くなる――というのは、あまりにも痛い損失ではある。
痛い損失ではある、のだが――。

かといって、いなくなったからといってまるで点が取れない可能性が無い、という訳でもない。
藍もアリスも、ダイレクトシュートならば妖夢にも負けない程のシュートを打てる。
自己を過大評価をする妖夢に対して、周囲の評価と言えばその程度である。残念ながら。

ただ――かといって、彼女が不要だからと言って留学に向かわせた訳ではなかった。
事実、先に書いた通り、彼女たちの多くは今回の件に関して、妖夢に一任をするつもりだったのだから。

パルスィ「……いいえ、これでいい。 妖夢は、これでいいのよ」

しかし、それを鶴の一声で妖夢を外界へと向かわせるよう仕向けたのがパルスィである。
妖夢とシェスターが語り合う後方、藍達と共に茂みの中から顔だけを覗かせてそう呟くパルスィの姿は、
滑稽を通り越して非常にシュールであったが……彼女が妖夢を想う気持ちは本物である。

パルスィ「我がネオ妬ましパルパルズ。
     打倒オータムスカイズを目指し、ここまでやってきた」

弱小から這い上がり、ついには幻想郷有数のチームへとなったパルパルズ。
藍、アリス、妖夢、シェスター……といった数多くの実力者を備えてここまでの地位に上り詰めたチームでもあったが、
しかし、その基本形は前身である妬ましパルパルズ時代からのものである。
即ち、ヤマメ・キスメという最終ラインが守り、パルスィが攻める。
ドリブル・ブロック・一対一。いずれにも精通をした強者がいたからこそ、彼女たちはここまで這い上がってきた。
弱者が強者を食い破る、才能の無い者が才能のある者を圧倒する、ただ一つの道筋を信じて。

264 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:44:30 ID:???
パルスィ「だからこそ私は妬ましい。 才覚ある妖夢がこのまま腐ってしまうのは。
     あいつは……私を差し置いて、このチームのエースになれる才能を持ってる。
     それだけで妬ましいのに、それを腐らせるなんて……ああ……妬ましい、パルパル……」
ヤマメ「……心配ないと思うけどねぇ、妖夢って真面目だし。 練習をサボるような奴じゃないだろ。
    反町達に負けてるって言ったって、それで腐るようなタマじゃないだろうさ」
パルスィ「いいえ、腐る。 ……何せ、妖夢は綺麗過ぎる」
ヤマメ「うん?」

パルスィの言ってる意味がわからない、と思わず首を捻るヤマメであったが――。
しかし、藍やアリスなどは理解出来たのか、納得をしたように首を縦に振る。

パルスィ「藍やアリスはまだ……私の思想に共感を抱いて、このチームにいてくれる。 シェスターもそう。
     ただ……妖夢は、あくまでも『楽しいから』というただそれだけでいる。 ……それでは駄目」
藍「……言わんとする事はわかる」

何をするにも、信念――折れない根本が必要である。
ここにいる腐れ縁であるヤマメやキスメだけではなく、
アリス、藍といった者たちも――パルスィの掲げる、たった1つの題目に引き寄せられた。
当初は成行き任せだったとはいえど、今では彼女たちも心から信頼出来る仲間である。

そして、それはシェスターもまた同じであった。

パルスィ「あいつは尚更そう。 外の世界とこちらを知っていながらも、私達を選んだ。
     確固たる信念で」

265 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:46:11 ID:???
パルパルズに残留する事を決め、この幻想郷に残ったシェスター。
外の世界とパルパルズとを知る彼だからこそ、パルスィは彼に妖夢の説得役を任せた。
彼女の言う、妖夢の綺麗さを――汚すように、と。
当初、シェスターはこれに対し、妖夢の自由にさせるべきではないかと考えていたが――それもパルスィに説得され、了承する。
彼としても、妖夢の有り余る才覚を腐らせてしまうのはあまりにも勿体ないと考えたのだろう。

パルスィ「ああ、妬ましい……穢れも知らぬまま、のうのうとサッカーをしようとする妖夢が妬ましい……」
ヤマメ「あちゃ……また始まっちゃったよ」
アリス「ま、今回ばかりはいいんじゃないの?」

爪を噛み、呪詛を呟き始めるパルスィを見て溜息を吐くヤマメに対し、
アリスは肩を竦めながらそう言い放った。
彼女の視線の先には――妖夢とシェスターがいる。

妖夢「私は3年間で、必ずこのチームに不可欠な選手として帰ってくる」
シェスター「ヨームなら出来るさ! っていういか、今でも不可欠だよ!」
妖夢「…………ありがとう。 ごめんね。 みんなに迷惑をかける事になるけど」
シェスター「大丈夫さ。 みんなも言ってただろ、ヨームの好きにしたらいいって!」

いる。いるのだ。パルスィが大好きで大嫌いな、年頃の男女(しかも美形)が。がっつりと将来の事を話し合っているのだ。
無論、彼女たちに他意はない。互いに好意こそ持っているものの、恋愛的なあれそれではない。
無いが、それを見てパルスィがどういう反応をするのかはまた、別問題である。
それを考えれば、パルスィが勝手に妖夢の才覚に嫉妬をしてくれている方が遥かにマシというものだろう。

松岡監督「身体も心も熱くなってきた!!」
しっとマスク「ムハハ! どれ、ここは私がシェスターと同じく妖夢を後押ししてくるとするか!!」
ヤマメ「よしなしっとマスク! あとついでに監督!!  それ以上、いけない」
キスメ「…………」←><という顔をしてる

こうして将来を語り合う男女と、それを見守る仲間たちと、あと賑やかし要員。
てんやわんやもありながらも、こうして未完の大器と言われた少女――。
魂魄妖夢は己の殻を破る事を胸に、世界へ羽ばたく事を決断したのだった。

266 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/16(金) 23:49:26 ID:???
一旦ここまで。
自信家だけどPK外しちゃうみょんすき。

それでは。

267 :森崎名無しさん:2018/02/16(金) 23:54:33 ID:???
乙です
これはオランダゆきかな?

268 :森崎名無しさん:2018/02/17(土) 00:13:41 ID:???
オランダ留学でダーティなサッカーを学んだ妖夢
そして3年後、大事な場面でマリーシアがバレて赤紙を貰う妖夢の姿が!

269 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/18(日) 01:42:11 ID:???
>>267
乙ありです。
オランダは思想はともかく、FW陣が高いレベルのドリブラーダイレクトシューターと妖夢が手本にすべき見本がいますね。
>>268
これにはパルスィも苦笑い

本日も更新はお休みさせてもらいます。それでは。

270 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/18(日) 23:07:46 ID:???
本日もお酒を飲んでしまったので、更新はお休みさせていただきます。

271 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/19(月) 22:17:13 ID:???
本日も更新はお休みさせていただきます。
明日には更新出来ると思います。

272 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/20(火) 23:16:51 ID:???
悩める者もいる一方で、留学を打診されて喜ぶ者もいる。

輝夜「……という訳でイナバ。 八雲紫から持ち掛けられた留学の件……。
   今回はあなたに行ってもらう事にしたわ」
うどんげ「は、はいっ!!」

宵の帳も落ちた迷いの竹林の更に奥、まともな人間ではまず到達できないような場所に佇む屋敷――永遠亭。
ここでは主人である蓬莱山輝夜自らが、留学に向かわせる選手をじきじきに選定し、その密命を言い渡していた。
これを受けたのは永遠亭の誇る薬師――。
の見習い兼家事担当兼雑事担当兼お庭に沢山いるうさぎのまとめ役兼つまりは雑用担当、鈴仙=優曇華院=イナバである。

通称をうどんげとする彼女は、非常に元気よく返事をした。
先ほどから懇々と輝夜が留学について説明する内、もしかしたら自分が選ばれるのかもしれないと考え、
実際に自分が選ばれたのだから当然でもある。

永琳「頼んだわようどんげ。 永遠亭の未来は貴女の双肩……もとい、両足にかかっているわ」
うどんげ「は、はい! お任せ下さい師匠!(師匠にも期待されてるんだ!!)」

尊敬する師匠――永琳にも叱咤され。

てゐ「ま、頑張ってきなよ。 逃げ出さないようにね〜」

(一応)部下であり気心知れた仲である因幡てゐにはかつての汚点をしっかり皮肉られながらも応援され。
うどんげは完全にやる気に満ち満ちていた。

うどんげ「(サッカー留学……私にもこんなチャンスがようやく巡ってきた!
      これでやっと地味で毎日慌ただしい生活とはおさらばだ……うぅ、これまで耐え忍んできた甲斐があったよぉ)」

273 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/20(火) 23:18:53 ID:???
彼女も勿論、永遠亭の者たち――そして、生活自体が嫌いな訳ではない。
月の戦争が嫌で嫌で、思わず逃げ出した臆病兎。
そんな彼女を受け入れてくれた永遠亭に、感謝の気持ちはある。あるが――。
地上の人間は穢れているというエリート意識と、そんな地上で毎日あくせく働いている自分へのストレス。
それらはいかんともしがたい問題として、うどんげの心中に存在をしていた。

元々、彼女自身――サッカーについても弾幕ごっこについてもリアルガチの戦闘力でもそこまで低いものではない。
無論高い方ではないのだが、幻想郷全体の尺度で考えれば、まぁ、ギリ上位から数えた方が早いんじゃないかなというレベルである。
にも関わらず、彼女は自身が軽んじられていると感じていた。

部下のウサギは自分の言う事をまるで聞かないし(ウサギからの人望はてゐの方がある)、
里に薬売りに出かけてもあまり人は買ってくれないし(単純にうどんげの営業がド下手であるだけ)、
家事全般など雑事は全部丸投げされるし(輝夜は姫なのでしない。永琳も色々忙しい。てゐが手伝う筈もない)、
おまけにサッカーではそこそこの実力があるにも関わらず何故かいつも伏兵呼ばわりである。
名無しばかりのチームに行けば、自分だってエースになれる実力はある筈だ、とうどんげは自負していた。
――誰だって名無しばかりのチームに行けばエースになれるとは言ってはいけない。

なにはともあれ、彼女は現状に対して小さくない不満を抱いていたと言える。
しかし、これもサッカーが上達すれば――きっと事態も好転をする筈だと考えてもいた。

274 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/20(火) 23:20:42 ID:???
うどんげ「(名無しの妖精だってサッカーで活躍すれば人気が出るんだもん。
      私だって活躍出来れば人気者になれる筈! そうすればきっと待遇だって変わってくるわ!)」

問題はどうやってサッカーの技術を高めるかである。
1人で練習をしたところで上手くなれない、上手い人に教えて貰って初めて上達すると考えていたうどんげとしては、
これが忌々しき問題であった(なお、この考えを他人に吐露した所、『情けない奴!』という感想を抱かれた)。

何せ永琳は多忙の身――幻想郷一の薬師である彼女は、常に多くの患者を抱えている。
月の天才の異名を持つ彼女にサッカーの教えを乞えれば万事解決だったのだが、
残念ながら永琳はうどんげに最低限の基礎能力を備えさせたまではいいものの、その後はうどんげの自主性に任せていたのだ。
練習を見てくれと言っても、簡単なアドバイスをしてくれるだけで大きな変化は無い。

うどんげ「(でもサッカー留学をすればきっと詳しいコーチの人とか上手い人とかに教えてもらえるはず!
      そうすれば私の実力なら師匠の相棒を名乗るに恥ずかしくないくらいになれる筈だよ!)」

そこに降って沸いた、サッカー留学の話。
幻想郷Jrユースとして戦ってきた彼女は、外の世界でのサッカーというものも見てきた。
そこでは多くのコーチといったものや先輩選手などが、まだ未熟な選手を指導している姿もあった。
もしも自分が同じように指導を受ける事が出来れば――実力は飛躍的に上がるだろうと考える。

うどんげ「(そう! これは間違いなく……)」

うどんチャンスなのである。

275 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/20(火) 23:21:45 ID:???
うどんげ「(毎日の家事雑事から解放される。 サッカーは上手くなる。 私は師匠や皆に褒めてもらえる。
      わぁ、一石二鳥どころか一石三鳥だ!
      もう人生ライン際な状態からはおさらばだよ!)」

このうどんチャンスを見逃す程、うどんげは間抜けではなかった。
留学から帰ってきた後、自分がちやほやされる姿を脳裏に描き思わず表情を綻ばせる。
そんなうどんげの様子に対し、永琳は小さく咳払いをして意識を自分に向けさせ――。

永琳「ともかくうどんげ――留学の具体的な日取りについてはまた後日話すわ。
   あなたはそれまでにここでの仕事を片付け、身支度を整えておきなさい」
うどんげ「あ、そ、そうですね! わかりました!」
輝夜「話は終わりよ。 ……ところで夕餉は何かしら?」
うどんげ「今日はニンジンたっぷりのシチューとにんじんしりしりとにんじん山盛りの炊き込みご飯です」
てゐ「うどんちゃんの壮行会も兼ねるんだし、キャロットジュースもつけといて〜」
うどんげ「もう、しょうがないなぁ。 特別だからね!」

これからの輝かしい己の未来の前では、目の前の雑事など些細な事。
てゐのお願いを快く受けながら、うどんげは今にもスキップをしそうな足取りでお台所へと向かっていた。

今、彼女の中では周囲に期待されているという歓び。
ようやく地味で目立たず軽くみられるという損な役回りからの解放感。
そして敬愛する師匠に褒められるかもしれないという高揚感もある。
それだけ浮かれてしまうのも、仕方ない事なのかもしれない。

廊下を歩くうどんげの、ご機嫌な鼻歌を聞きながら部屋に残った3人はしばし無言でその場に座し。
やがてその鼻歌が聞こえなくなった所で……。

てゐ「…………アカン。 うどんちゃん、完全に浮かれとるウサ。
    もう強くなった後の事考えてる顔じゃんあれ」

まずはてゐがその肩をガックリと落とすのだった。

276 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/20(火) 23:23:19 ID:???
輝夜「いやいや……まあ、やる気は十分だったみたいだし平気でしょ……多分」

輝夜もまた、不安そうに溜息を吐いていた。
うどんげの事を腐そうとするてゐに対し諌めるような発言もするが、そんな彼女の口元も引きつっている。
言っている彼女自身も、完全に浮かれているうどんげに不安があるのだろう。

永琳「とはいえ、うどんげしか送るものがいないのも事実だし……こればかりは」

そして、うどんげが敬愛するお師匠様――永琳もまた、それはそれは盛大な溜息を吐く。
何のことはない。
うどんげは大きな期待をされて留学選手に選ばれた訳ではなかった。ただそれだけの話である。

永遠亭という組織は、決して大きな勢力ではない。
主要とされる人物は4名であり――まず、当主である輝夜はこの屋敷を離れる訳にはいかない。
その輝夜の従者でもある永琳もまた、離れられる筈もない。この時点で2名に絞られる。
うどんげかてゐの二択となった時、どちらが永遠亭に残らないと影響が大きいか。
うどんげにとって悲しい事に、てゐの方が永遠亭に与える影響が大きい。

先にも述べた通り、配下のウサギたちが言う事を聞くのは、てゐの命令のお蔭である。
普段うどんげがやっている家事雑事なども、ぶっちゃけ誰でも出来る事だ。
てゐがその分を請け負っても――てゐの負担は大きいが問題無い。
つまりはうどんげが今やっている事はてゐにも大体出来る事だが、
てゐが今やっている事はうどんげにはとても出来ない事なのである。

よって、留学に行かせるのはもううどんげしか選択肢が無い状態であったのだ。

とはいえ、それを正直に言った所でうどんげがショックを受けるだけ。
だからこそ、こうして4人揃って会議のような形で言い渡したのである。
……正直な所を言えば、少し考えればうどんげ自身でも自分の立ち位置というものに気づき、
選ばれた理由にも察しがつくかもしれないが――残念ながら彼女は完全に有頂天となっていた為、気づく事が無かったという。

277 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/20(火) 23:24:31 ID:???
輝夜「……まぁ、単純な実力を考えても私やてゐよりはイナバが行った方がいいとは思うんだけどさ」
てゐ「うどんちゃんだからなぁ……」
輝夜「ねぇ……」

ただ、彼女たちがうどんげに対して全く期待していないという訳ではない。
少しは期待していた。少しは。
実際問題、輝夜は自他ともに認める三流キーパー。
てゐもパス精度に関してだけならば一流レベルにも通用するが、それ以外はこれもまた三流といった程度。

それに比較をすれば、うどんげはまだ永琳に基礎能力を鍛え上げられている為にそれなりには強い。
ここから更に一段、二段とレベルアップをしてくれれば――やがては永琳を超える……のは無理としても。
永琳の相棒として恥ずかしくないだけの実力はつけてくれる可能性はある。
……無論、可能性の話であり、それ以上に彼女がただうどんげである、というだけで失敗しそうな気が彼女たちはするのだが。

永琳「……賽は投げられた。 ここから先は、流石の私でもどうなるか読めない」

天才の頭脳を持ってしても、うどんげが更なる飛躍をするか否かは見当がつかない。

278 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/20(火) 23:26:02 ID:???
輝夜「これが駄目だったらいよいようちも終わりよねー」
てゐ「他の勢力はどんどんメンバー吸収してるからね。
   うちなんか酒商店の奴らとか人里の連中くらいしかそういうのいなさそうだけど」
輝夜「あーあ……昔のサッカー界だったら、永琳1人でも大会で優勝とか出来たのにねぇ」

幻想郷Jrユースとして戦ったうどんげとてゐは、ろくすっぽ試合にも出れぬその他大勢要員。
アルゼンチンJrユースに参加をした永琳は、その幻想郷と対戦しまさかの大敗。
そして、幻想郷に帰ってきてみればその永琳しかほぼ見るべき選手がいない――。
現在の世情を考えれば時代錯誤とも言える典型的なワンマンチームである。

既にその名は失墜し、更には這い上がる事も困難。
辛うじて強豪と呼ばれるだけの知名度はあるものの、それだけである。

だからこそ、彼女たちはこの留学の話に乗らざるを得なかった。
そして彼女たちは信じるしかない。
うどんげがしっかりと成長をして、この永遠亭に帰ってくる事を。

永琳「(うどんげにはポテンシャルがある……切っ掛けさえあれば、それが発揮されれば……。
    必ず、どのチームにも引っ張りだこになるだろう程のものが。
    ……問題は、彼女がそのポテンシャルについてまるで気づいていなさそうな事だけれど)」

小さく溜息を吐き、小窓から見える満月を見上げる永琳。
それに気付けた時、あの情けなく鈍くさくその癖プライドだけは一人前で割と打たれ弱いバカ弟子は、
きっとサッカーの実力面だけでなく精神的な面でも大きく成長をする事が出来るのだろう。

師匠の心配をよそに、有頂天になり――人生のライン際で飛んで跳ねる幸せ兎。
跳ねて跳ねて飛び跳ねて、その手が月に届くのか。
それとも転んでラインの外に飛び出してしまうのか。

それもまた誰にもわからない。

279 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/20(火) 23:27:19 ID:???
といった所で短いですが一旦ここまで。
人生のライン際なうどんちゃんすき。

280 :森崎名無しさん:2018/02/21(水) 00:38:25 ID:???
乙でした
永遠亭は人材不足が深刻ですなぁ
うどんちゃんが反町クラスに育っても厳しそう

281 :森崎名無しさん:2018/02/21(水) 01:50:31 ID:???
乙でした
超鈴仙伝説始まったな(始まるとは言ってない)

282 :森崎名無しさん:2018/02/21(水) 12:27:50 ID:???
助っ人でゴールデンフリーザを呼ぼう(提案)

283 :森崎名無しさん:2018/02/21(水) 22:01:31 ID:???
ふと思い立ってうどんげの能力値を推測してみた(過去スレ見ながら本スレ換算、一部推測)

名前    ド パ シ タ カ ブ せ 高/低 ガッツ  総合
うどんげ 71 73 70 69 70 68 71 3/3  750/750 492

   うどんげ
やや華麗なドリブル(1/4でドリブル力+2)
マインドシェイカー(1/4でドリブル力+4)
カローラヴィジョン(パス力+2)60消費
インビジブルハーフムーン(高シュート力+4)200消費
ロケットインミスト(高パス力+4)200消費
スキル・人生ライン際(うどんげが焦ったとき(?)、全能力+1)

ポストプレイが実は優秀(なお必殺シュートは反町のただのシュートと同値)
全能力+1されて、ドリブルかシュートが+2されて、何か技を習得できれば葵・山森クラスにはなれるかな?

284 :森崎名無しさん:2018/02/21(水) 23:04:19 ID:???
素質自体は有りそうだけどそれを自分で蓋をしてる典型だな

285 :283:2018/02/21(水) 23:40:46 ID:???
ミスった、ロケットインミストはたぶん(高パス力+3)150消費だ

286 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/21(水) 23:59:59 ID:???
>>280
乙ありです
人里の慧音先生や商人民族の方々の力を借りる事もできますが、
こちらの方々は「慧音は置いてきた、このレベルの戦いにはついてこれそうもない」状態に近いので……如何ともしがたいですね。
縁深いもこたんもオータムスカイズを離れる事は無いでしょうし。

>>281
乙ありです
割と強くはなると思うんですよ、強くは(活躍するとは言ってない)

>>282
フリーザ様が参戦してくれればまだ戦えますかねぇ。
問題はフリーザ様としては百貨店の経営の方が忙しくてサッカーやってる暇が無いという事ですが。

>>283 >>285
あわわ、どうもお疲れ様です。
わざわざ過去スレを辿っていただき正確な数値出していただけて感謝。
実際、それなりには文中で書いている通り強いんですよね……次レスで、
もしもこの留学編を実際にゲームとしてやっていたらどの程度の数値でスタートしていたかを公開させてもらいます。

>>284
自分に自信は持ってるけど、かといって超一流には届かないと蓋をしているタイプですね。
ついでに言うとそんな超一流に頼りまくりの精神面もあります。
近くにいるのがディアス互換の永琳じゃ仕方ないと言えば仕方ないですが。

287 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/22(木) 00:02:45 ID:???
Jrユース編終了後、これから始まる「留学編」更をにゲーム形式でスレを続けていた場合、
こちらの予定ではある程度のキャラは技などを削除し能力値の見直しをするつもりでした。
Jrユース時点で多くのキャラが多くの技を習得していた為、差別化などが難しくなっていた為ですね。
妖夢とうどんげに関しても、この留学編をするにあたって一新しました。ちょっと詳しく見ていきましょう。

名前   ド パ シ タ カ ブ せ 高低 ガッツ 総合
妖夢   72 69 71 70 70 69 72 2/4  750/750 493
うどんげ 71 73 70 71 72 70 71 3/3  750/750 498

    妖夢
天女返し(1/4でドリブル力+2、吹っ飛び係数2)
未来永劫斬(シュート力+6、吹っ飛び係数2)200消費
待宵反射衛星斬(低シュート力+5、吹っ飛び係数2)250消費
スキル・幽明の苦輪(ドリブル時、任意発動。二度判定)120消費

    うどんげ
マインドシェイカー(1/4でドリブル力+4)
カローラヴィジョン(パス力+2)60消費
ルナティックレッドアイズ(シュート力+5、1/2で相手GKに転倒ペナ)200消費
インビジブルハーフムーン(高シュート力+4)200消費
スキル・人生ライン際(後半以降発動。
           一度も得点に絡んでいない時点から自身が点に絡むまで全能力+1、必殺技発動率+1/4)

288 :幻想でない軽業師 ◆0RbUzIT0To :2018/02/22(木) 00:05:20 ID:???
妖夢のコンセプトは強化版新田です。
幻想のポイズンでは当初は一定以上の実力を有しており、しかし周囲の成長速度についていけなかった妖夢。
東方サッカーでの互換対象は新田ですが、
流石にJrユース時点の新田程弱くは無いだろうという事もあり特殊スキルはそのまま残し、ダイレクトも合計+9補正はかなりのものです。
ただ、素のシュート力が弱い。ドリブルもスキルとの兼ね合いを考えると素の数値はこれくらいかなという所。
まずもって反町リグル魔理沙といる幻想郷ではJOKERやクラブAでも出ないと起用されない感じですね。

うどんげは総合力では佐野と同格です。仲間だもんげな妖夢にも実は勝っています。
が、ご覧の平均的な配分と半端な技のせいで微妙な評価を受けざるを得ない選手。弱くは無いんだけど……という感じですね。
スキル・人生ライン際はネーミングが気に入ったので削除せず残しています、こちらもまた強力なスキル。
ポジション的には本編での山森……からグライダースマッシュを抜いた感じが近いでしょうか。
シュートを打てない山森となると、やはり主役にはなれない感じですね。そんな彼女も強くなれる要素があるのですが。




本日は更新は無しとさせていただきます。
それでは。

289 :森崎名無しさん:2018/02/22(木) 00:12:46 ID:???
プレイヤー目線だと人生ライン際が強いしSBに転向させた方がと思うな
FWからSBって比較的ポピュラーなポジ変更だし守備の素質もまあ問題はなさそう

285KB (08:00PM - 02:00AM の間一気に全部は読めません)
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