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【どん底からの】キャプテンEDIT2【出発】
[581]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/18(木) 20:16:24 ID:HdLKyJYM 清栄MF「す、素通しだと? どういうことなんだ!?」 金成「(野郎、何考えてんだ!?)い、いいから渡せ! せめて一発、ぶち込んでやる!」 清栄MF「お、おう!」 指示に従い、金成にボールを戻す。 実況「おおっと!? ここで金成くんにボールが渡ります。清栄学園、最後の意地の見せ所です!」 金成「これが入っても、到底勝ちはねえが、森崎ィ……てめえの鼻っ柱は叩き折ってやる!」 グワァァァァ…… 金成の右足が、鎌首をもたげる。 金成(去年の大会のVTRは、テープが擦り切れるほど観させてもらった! そして気付いたぜ。 森崎、てめえのセービングにはかなりのムラがあることをな! 体力に余裕がある時と無い時、敵のシュートが強い時と弱い時! 動き出しの速さや飛びの大きさに明確な差があった! つまり、お前の武器は体力を大きく消耗する本気のセービング! この前後半、今まで俺たちの攻撃を零封してきたお前に、どれだけ体力が残っている? これを止める力が残っているか!?) 実況「金成くん、シュートに行く! これまで翼くんに抑えられていた格好の金成くんですが、この試合初めてのシュートです!」 金成「(もうほとんどスタミナは無いだろう? 無力を噛みしめやがれ、森崎……!)喰らいやがれェェェッ!!」 バコンっ! ドシュっ! 金成が得意とする、ミドルレンジからのシュートが放たれた。 先月には県大会で輝かしくハットトリックを挙げた、必殺のシュート。 インパクトの瞬間、金成は自分のゴールシーンを甘美に夢想した。それほどまでの手ごたえを感じていた。 だが、それを防がなければならないはずの森崎は、まったくと言っていいほど動揺を見せない。
[582]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/18(木) 20:18:46 ID:HdLKyJYM 森崎(インパクトの瞬間に、ボールを擦り上げるようにしたのが見えた……十中八九、回転を掛けてやがるな。 おそらくバナナシュートか。そんなもんが今更俺に通用すると思っているとは、とんだ田舎者だぜ!!) ググググッ…… クンッ! 果たして金成のシュートは、森崎の看破したとおりに、弧を描いて曲がった。 そして、コースを読み切った森崎は、あらかじめ曲がるボールへ完全に手が届く位置取りにつき―― 森崎「そらっ!!」 ――事もなげに、拳で弾き返した。 金成「…………えっ?」 テン、テン、テンっ……。 我が目を疑う金成の耳に、自分の後ろでボールが跳ねる音が聞こえた。 実況「ああっと!? 金成くんの放ったバナナシュートが南葛ゴールを脅かしましたが、森崎くんが危なげなくパンチング! 流石は全国少年サッカー大会の昨年度優秀GK! 中学に入ってから、セービング技術に磨きが掛っています!」 観客「へえ、森崎ってキーパーもそれなりに凄いんだ?」「けど、大方のボールは翼が中盤で止めてたしな……」 「まあ、悪くは無いんじゃね?」「やっぱり翼は(ry」 森崎「ぬぎぎぎ……翼の野郎にMVPを掻っ攫われた時の称号で褒められても、嬉しくも何ともねえ……。 観客も翼評価一色かよ。清栄とかいう連中、歯ごたえが無さ過ぎるぞ。これじゃ、俺の株の上げようがないじゃねえか」 石崎(まだベンチにも入れない)「ちぇっ。試合に勝てて森崎のヤツだけに恥掻かせる、良いチャンスだったのに。あの10番、情けないぜ!」 高杉(この時点ではまだ森崎派閥)「DFを自分が目立つための駒みたいにしやがって……そろそろ潮時か? もう森崎の下で我慢を続けるのも限界だし……」 南葛DF「一時はどうなるかと思ったが、なんとかなったか。それ!」
[583]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/18(木) 20:19:55 ID:HdLKyJYM 実況「おっと弾かれたボールは前線へと大きくクリアー。一方、前掛かりになった清栄は守備が手薄だ! しかし、大量のリードを守る南葛、ここは丁寧に攻めていきたいところ――」 金成はシュートを放った位置に立ったまま、動けずにいた。 場内に響くアナウンスの声も、観客の声援も、再び追加点を許しそうな戦況も、全てが思考の埒外にあった。 彼の脳裏には、今の森崎のセービングが、くっきりと焼きついている。 それが、何度も何度も反芻されていた。 金成(い、今のセービングは何だ!? 森崎のヤツに、完璧なポジショニングを取られていた……。 この試合に初めて見せたシュート、しかも変化が加えられているのに、どうして事前に絶好の位置取りを把握できるんだ!? そ、それにあの動きには淀みも強張りも無かった……ま、まるで疲労させられていないじゃないか!!) 実況「――ボールを取ったのは、翼くんだ! そして、チェックに着くディフェンス陣も陣もなんのその、圧倒的な速度で突破――」 金成(も、森崎のスタミナが、去年に比べて改善されていたのか? だから全力のセービングも可能に――) 清栄MF「金成ィ!! 何をしているんだ! 戻れェ!!」 清栄DF「り、リトリートが間に合わない! 撃たれるとヤバいんだ!!」 金成(――いや、違う! さっきの動きには、VTRで観た瞬発力も何も発揮されていなかった! アイツに全力のセービングを、……つ、使わせることさえ出来なかったというのか、俺はっ!?) その事実に思い至った瞬間、金成の耳に音が戻ってきた。そして、それは彼に残酷な現実を告げる。
[584]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/18(木) 20:21:30 ID:HdLKyJYM 実況「翼くん、バイタルエリアに切り込みパスを……ああっと、これはワンツーだ! 折り返しで高い球が上がる! これは翼くん得意の――」 翼「いっけえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」 金成「あ、れは……」 実況「――オーバーヘッドキックだぁ!!」 喧騒に気付き振り向いた金成の目に、その名の通り大空高く舞う翼の姿が目に移った。 清栄の守備陣は県大会の鳴紋戦と同じく、5バックの陣形でガッチリとエリア内を固めてはいる。 間に合わなかったMFも巻き込んだリトリートには及ばないまでも、充分に堅固な布陣だった。 だが、あれほど高く跳ばれてはクリアーも覚束ないだろう。 そして、その名の通り頭を越えるようにして、呆れるほどに高い打点から打ち下ろされるシュート。 それは、まるであらかじめゴールすることが定められていたかのように、誰にも触れられないままネットに突き刺さった。 実況「決まったあァァァ!! なんと、ここで駄目押しの六点目です! そして、翼くんはこれでこの試合、ハットトリック達成! MFに転向しても、その決定力は衰えません! やはり、この少年だけは物が違う! 正にサッカーの申し子だァ!!」 ウオォォォォォォォッ…………!! 観客「か、かっけえ……!」「翼っ! 翼っ!」「中学でも、翼がナンバーワンだ!」 翼「よぉし、やったぞ!(池上先輩の顔を立てて、あの人もハットトリックするまで我慢してたけど、ずいぶん待たされたよ。 こんな連中からなら、前後半合わせて五得点は固いのに。ま、義理は果たしたし、二回戦からはハナから本気でいいか。 観客もそれを期待してるみたいだしね)」 森崎「けっ。勝ちの決まった試合で、不必要に目立ちやがって。この俺のように、格下には加減する度量を身につけろってんだ」 あまりにも美しいゴールシーンに、会場が一丸となって沸き上がる。 金成はその大歓声に打ちのめされたかのごとく、ピッチの芝に膝をついた。
[585]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/18(木) 20:22:49 ID:HdLKyJYM 金成(こ、これが……これが去年の小学生ナンバーワンの強さなのか? この戦いが、全国のレベルなのか? お、俺たちが地元でやっていたサッカーは、何だったんだ……。 小豆沢を謀略で退場に追い込んでまで全国に来た結果が、これなのか?) 自問自答の中に沈む金成。 金成(そういえば、小豆沢も全国では勝てなかった……俺たちと鳴紋は、エース級以外の選手のレベルに、それほど差は無い。 なら……その小豆沢すら実力では倒せなかった俺たちに、最初から勝ち目は無かったということか? ば、馬鹿なのか俺は!? どうしてそんなことに、初めから気付けなかったんだ!!) 小学校時代、チームに恵まれず全国で戦ったことが無かった。 周りには自分より優れたプレイヤーはいなかった。例外は、中学に上がるまで対戦機会の無かった小豆沢のみ。 それが彼に『自分が全国有数のプレイヤーである』という過信と、格下を苛め抜く邪道なプレイスタイルを植え付けたのだった。 だが、それは今日完全に粉砕された。 金成「ちく……しょう……」 中盤の攻防は、完全に翼に制された。 必殺であるはずのシュートは、完璧に森崎に防がれた。 清栄学園サッカー部10番・金成優。彼はこの日、サッカーを知ってから初めて、心から負けを認めた。 ピッ、ピッ、ピィイイイイイイイイイイイイイ!!! 試合終了を告げるホイッスルが鳴る。 虐殺試合を戦わされていた清栄イレブンにとって、それは解放を告げる福音にも聞こえた。 ――ようやく終わった。 それが彼らの偽らざる心境だろう。
[586]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/18(木) 20:25:03 ID:HdLKyJYM 実況「試合終了です! ともに1年生が10番を背負う両校の戦い、終わってみれば南葛の圧勝! 6−0という圧倒的な大差です!」 観客「やっぱ、10番の差がデカかったな」「金成とか聞いたことねーし」「やっぱり翼はすごいなー」 「森崎も何気に上手くなってね?」「いやあ、相手がショボイだけだろ?」 森崎(ぬぐぐぐぐ……! あのアホが悪目立ちしたせいで、俺の活躍が不当に低く評価されているじゃねえか! くそっ! こうなったら、二回戦からはオーバーラップを解禁だ! 派手に目立って、活躍しまくってやる! そうと決まったら、さっさと帰ってドリブルの練習だ!) 苛々した表情で、この後の練習計画を考える森崎。 試合前に交わした金成との挑発合戦は、既に忘れていた。 普段ならば、負かした相手の傷に塩を塗りこむような追い打ちをかけるのが常である。試合前の挑発も、その下拵えのはずだった。 だが今の森崎にとってはそれよりも、今後の試合で翼以上に目立って活躍する方が、優先するべき課題だった。 あるいは、思っていたより弱過ぎた相手に、拍子抜けしていたのかもしれない。 金成「もり、さき……」 森崎「あん? なんだよ?」 話しかけてきた金成に、森崎は鬱陶しげに応じる。興味や関心といったものが、一切感じられない表情と声音。 それは下手に勝ち誇られること以上に、金成の矜持を傷つけた。 そして敗北にうなだれていた自尊心に、強く火を点けた。
[587]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/18(木) 20:26:08 ID:HdLKyJYM 金成「憶えていやがれ……来年だ……! 来年こそ、てめえからゴールを奪い、そして南葛を打ち負かしてやる! その時まで、精々鼻を高くしていやがれっ!!」 森崎「ふーん……あっ、そう(どこにでもいるよな、こういうヤツ。それより練習だ練習。 出来るだけで派手で、見栄えのするドリブルを考えなきゃ――)」 翼(あれ? 中盤で何度もやりあった俺じゃなくて、森崎の方に行くの? ……ま、俺にはどうあがいても勝てないだろうしね。 相手を見てケンカを売るタイプなんだろうな) 滾るような憎悪を叩きつけても、森崎は金成の相手をしようとしない。 だが、それが却って金成の闘志を煽る。 金成(……認めてやる。死ぬほど嫌だが認めてやる。今の段階じゃ、てめえらの方が圧倒的に格上だ。 だが、それが永遠にそうだと決まったわけじゃねえんだ。来年には、俺が上になってやる……! 小豆沢の実力を『3年になれば超えられる』と思っていたが、止めだ! そんな悠長なことは言っていられねえ! 秋の大会までには小豆沢を完全に超し――ヤツのいない鳴紋を完膚なきまで血祭りに上げて、来年への前祝いにしてやらあ!!) 屈辱と憎悪、そして更なる悪意を胸に、金成はピッチを後にする。 秋には宿敵が更に牙を砥ぎ上げた姿で現れるだろうことを、鳴紋中サッカー部員たちは未だ知らない。
[588]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/18(木) 20:27:25 ID:HdLKyJYM ――その後の大会は、南葛の快進撃の一言に尽きた。 初めは翼という巨星の輝きに隠れていた森崎も、二回戦、三回戦と勝ち進むにつれてそのセービングの堅固さを周知させていく。 南葛のキャプテンが真紅の優勝旗を手にする頃、誰ともなく『南葛の要・攻めの翼、守りの森崎』という言葉を囁いていたという。 優勝の原動力となった二人の1年生。彼らを擁する南葛イレブンの前途を阻む者はいないと、誰しもが感じていた。 翼(森崎って日を追うごとに邪魔になるよなぁ……俺の活躍を妬むのはわかるけど、足を引っ張らないでほしいよ。 いい加減、身の程を知ればいいのに。ちょっとは上手くなったみたいだけど、俺に比べたら圧倒的に格下だって分かればいいのに) 森崎(ムグググ……! 翼の野郎、毎試合俺より目立ちやがって。俺様のキャプテン就任への道を、邪魔するんじゃねえよ! ロベルトも、こんなヤツはトランクにでも詰めて、一緒にブラジルに持って帰れば良かったんだ。まったく目障りな野郎だぜっ) …………当の二人は、例外の様だが。
[589]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/03/18(木) 20:29:42 ID:HdLKyJYM 〜1年目8月4週・自由選択〜 合宿から帰ったばかりの鳴紋中は、当然、全国大会で清栄がたどった顛末を知らない。 大前もまた、今後の試練の予兆さえ感じえぬまま、日々を過ごしていた。 大前「合宿が終わって街に戻ってきたけど、練習を頑張らなきゃいけないのには変わりないよな。 よ〜しっ、秋に向けて心機一転、張り切っていこう! さて、今週は何をしよう? 秋までに必殺技の一つは完成させたいから練習か? それとも、月初めの早瀬さんの指示に備えて、仲良くなれそうな人とは話しておくべきか?」 現在の能力値: ド/パ/シ/タ/カ/ブ/せ/ 総 /高/低/ ガッツ /選手名 |32|31|36|30|29|29|38| 226 | 3/2 | 620 | 大前 | 2 | 9|16| 0 | 0| 0 | 1 |←現在の必殺技経験値 幻想ポイント:0 所持金:10000 今月のノルマ:比良山を派閥に勧誘せよ!(※達成済み) 先に2票入った選択肢で進みます。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。 A.必殺技の特訓をする 必殺技の経験値を稼ぎます(どの特訓をするか分岐) B.街に出てみる 買い物をしたり、新たな出会いが発生したりします(知っている場所に行くか探索するか分岐) C.チームメイトと交流する 味方チーム内で人脈を作ります(どんな方針で交流するか分岐) D.お金を稼ぐ アルバイトをしてお金を手に入れます(どのアルバイトをするか分岐) E.瞑想する 新しい必殺技フラグを取得したり、幻想ポイントを得たりします(必殺フラグ、幻想ポイントのどちらを取得するか分岐)
[590]森崎名無しさん:2010/03/18(木) 20:32:01 ID:J1oLfZBA A
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0ch BBS 2007-01-24