※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
【そんなタイトルで】アナザー カンピオーネ1【大丈夫か?】
[30]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:04:04 ID:??? >>20 こんちゃっす! えっと…はい、物語は繋がっています。 >>21 何はともあれただいま戻らせて頂き申した。 これまで描いた展開は基本的にそのままです、展開以外で変わる部分はあります。 >>22 ズバリ言ってしまうと無粋なので、エッセンスだけ少し書いてるつもりです。 人によって、少しだけこの物語が違って見えるかもしれません。 でも私の妄想を簡単に読み切る人も居るようですねw >>23 ありがとうございます! 書いてきた&書いている世界は全て繋がっていますですよ! 楽しんで頂ける物を書けたらいいなと思います。 あと差し入れのお返しに・・・ フライドチキン
[31]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:05:07 ID:??? >>24 どうもありがとうございます! 妄想は生きる活力ですね! いい妄想仲間になれそうな気がします、ウヒヒw >>25 ジノさん、ただいまなのぜ! そちらもセリエBが始まって、順調ですよね! オリンピックでも数多くの選手が出てきそう… 夢の競演を楽しみにしてます! >>26 わー! ロワさんありがとうございます! 期待が重いですが、裏切らないよう頑張りたいです…! はい、更新速度については気にしすぎないようにします!
[32]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:06:14 ID:??? >>27 あっざーっす! こちらもポイズンさんの話はいつもwktkしています。 JY編はこれからどうなっていくのか…いやはや楽しみすぎですよ。 あと・・・一番いいポイズンを頼む。 >>28 ひゃっほう、ありがとうございます! 岩見さんの所はズッポリとバトルストーリーですよねw こちらも楽しみにしています。 勇者岩見の必殺技の数々に魂を揺さぶられるのは皆同じなはず! >>29 EDITさんありがとうございます! そちらはいよいよ2年時の大詰めですね!楽しみですがファウルトラブルが怖い… そして南葛が強すぎますが、それが更にwktkさせてくれていいですよねw 色々と勉強させて貰いつつ楽しんでいけるものを書いていきたいとこです。
[33]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:08:06 ID:??? 1‐4)シャペウ・ド・ファルカン ボールの複雑な軌道がジョアンの目に入ってきた。 ジョアン(ふむ…) それなりにかかっていた強い回転を突風が煽り、このような軌道になっている事は簡単に解った。 ジョアンはボールの軌道を読み、そして柔らかく、吸い付くようなトラップでボールを足元に収めた。 少年「わぁ…!」 少年が感嘆の声をあげるのをジョアンは聞き逃さなかった。 理屈が解る事と、軌道を読み回転や勢いを吸収せしめるトラップをやってみせる事は別。 ジョアンが軽くやって見せたトラップの中には、彼の芸術の片鱗が散りばめられており… 少年はその事を正しく理解してみせたという事だ。 ジョアン(まさか…な。) だがこのくらいの小さな少年の場合、普通なら派手な足技やシュートにばかり目が行くもの。 トラップ、ボールタッチについてなど、そこまで関心を引く事は無い。
[34]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:09:27 ID:??? クラブチームで指導を受けているならばその限りではないが… しかしながら目の前の少年はどう見てもそんな年齢には見えなかった。 (当時ユーゴの下部組織に所属するのは普通14歳くらいからだが、目の前の少年はどう見ても10歳弱。) ジョアンは目の前で目を輝かせている少年に興味を持ち始めていた。 試してみるか…と、ボールに足をかけた。 すると、少年もすぐにジョアンの意図に気付き、グッと膝を落とした。 ジョアン(広場の端…言わば右サイドラインの際だ。 …と、なれば。) ジョアンは指でチョイチョイと少年にジェスチャーを見せた。 つまりは「かかって来なさい」という事である。 それを見た少年は、顔に喜色を湛(たた)え遠慮なく飛び掛ってきた。 ジョアンはボールに乗せていた左足裏を滑らせ、逆足側にボールを移動させた。 そのボール逆足(右)でダブルタッチ…と見せてアウトからインまたぐ。 少年が「あれ!?」という声をあげて体勢を崩したのをジョアンは見逃さず… またいだ右足の足裏ですぐさま転がるボールを止め、同時に左足の方向へボールを転がし、 そのままアウトサイドでコントロールして抜き去った。 これがシャペウ・ド・ファルカン……ファルカンフェイントとも呼ばれるこの技は、 サイドでボールを受けて、スピードに乗る前に相手と対した時にこそ真価を発揮する。 今も丁度、ジョアンはサイドの袋小路から抜け出したような形になっていた。
[35]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:10:28 ID:??? 少年「すっごい! おじさん、今のどうやったの!?」 少年が満面の笑みでジョアンに問いかけてきた。 太陽のように明るい笑顔がジョアンの目には眩しすぎるよう映った。 ジョアン「教えて欲しいかい?」 少年「うん!」 ジョアン「もう一度だけやるよ、よく見ていなさい。」 そう言うと、ジョアンは先程のフェイントを再び少年に見せた。 今度は2連続でフェイントをかけ、左ではなく右から抜くというおまけ付きで。 ジョアンはすぐに振り返り、少年にパスを送った。 ジョアン「ポジションは真ん中?」 少年「うん、センターハーフ!」 ジョアン「そうか、がんばりなさい。」 少年「うん!!」
[36]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:11:42 ID:??? それだけの会話を交わし、ジョアンは少し先のホテルへと向かった。 ホテルの扉の前でチラリと後方を窺うと、少年は一心不乱にボールと格闘していた。 正しい子供の姿だなと確認し、ジョアンはホテルに入ってチェックインを済ませた。 少し休んだら様子を見ることにしようと思っていたが、長距離移動の疲れが思いのほか大きかったのか、 ジョアンは部屋に入るとベッドに倒れこんで眠りについてしまった。 …彼が目を覚ました時、既に時計は19時を回っていた。 窓から広場を覗いてみると、何人かでストリートサッカーが繰り広げられていた。 ジョアンは目を凝らしてあの少年を探してみたが、その姿は見当たらない。 どうやら既に家へと帰ってしまったようだ。 ジョアン(寝過ごしたのか…。) ジョアン見たかったものを見逃した事を理解した。 歳を取ると疲れやすくて困るな…と自嘲を浮かべつつ、仕方なくジョアンはTVのスイッチを点けた。 大きな失態にも関わらずジョアンの心には後悔の念が生じていなかった。 これも一つの縁、自分の目が正しければ自分が関わらずとも世に出てくる筈と思えたからだ。 明日同じ時間に広場に居れば、また会えるとも思ったが、既にジョアンはそうするつもりもない。 電源がonになったTVの画面を見ると、そこには2匹のネズミが映し出されていた。 正確には、青い蝶ネクタイと赤いチョッキを身に着けた、ネズミのアニメーションだ。 有名なアニメーションだが、ジョアンは特に興味を持った事はない。 彼はチャンネルを変更し、ニュース番組を観る事にしたのだった。
[37]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:13:02 ID:??? 1‐5)昼と夜との狭間に デサンカは今、夫と団欒の時を過ごしていた。 息子は既にベッドに就き、今頃は夢の中である。 明日はレッドスターとラドニツキの試合を家族で観に行く約束であり、 そのため「明日に備えて早く寝るんだ」と早々に部屋に引き上げてしまったのだ。 もしかしたら、またネバーランドに行っているのかも知れない。 ドブリボエ「デサンカ。」 デサンカ「なあに?」 夫がリビングから名前を呼んできた。 何か頼もうとしている時の声である、時間からしてきっと紅茶を頼もうと言うのだろう。 ドブリボエ「紅茶を一杯貰えるかい?」 デサンカ「ふふ、今淹れているところです。」
[38]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:14:04 ID:??? 以心伝心と言っても良いだろうか? こういう遣り取りが出来る事は妻として誇らしく感じる。 この後の会話も予想がついている。 少しだけ手綱を絞ってあげないと。 ドブリボエ「あぁ、そうかい?流石だね。あとブランデーも…」 デサンカ「はい、ブランデ−を少し。」 ドブリボエ「たっぷり…」 デサンカ「少し。」 ドブリボエ「ハハ、参ったな。」 いつもの日常を今日この会話から確認でき、デサンカは安心を得ていた。 地元で大学の講師をしている夫のドブリボエの声がデサンカは好きだった。 ただ、それが今この一時の安心である事を、本当は彼女も理解していた。 適時に蒸らし終えた紅茶をカップに注ぎ、少しのブランデーを垂らした。 それを持ってリビングに向かい、夫の隣に腰をかける。
[39]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:15:18 ID:??? デサンカ「どうぞ。」 ドブリボエ「や、ありがとう。」 ドブリボエは淹れ立ての紅茶を早速口にして、間髪を入れずに舌包みを打った。 どうやらデサンカは、今日も紅茶にうるさい夫の心をグッと掴む事に成功していた。 その事を喜ばしいと思いつつも、デサンカは今日は団欒だけでない会話をするつもりでいた。 デサンカ「あなた…この国はどうなるのかしら。」 ドブリボエ「ん、どうしたんだい?」 デサンカ「先日、ベオグラードで小規模だけど決起集会があったと聞いたの。」 ドブリボエ「……セルビア民族主義者のかい?」 デサンカ「ええ……ユーゴはどうなってしまうのかと…。」 民族主義…これまでティート大統領により保たれていた民族融和を否定する考え。 それは即ち、他民族の排他や地域エゴに繋がっていく思想を表していた。
[40]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:16:44 ID:??? これまで(問題は水面下に存在しつつも)平和的に共存する多民族国家だったユーゴが、 互いに反発し合い 隣人と手を取り合えない多民族“主義”国家へ変貌する…。 民族主義が誘導する恐ろしい未来が、聡明なデサンカには透けて見えていたのだ。 ドブリボエ「そうだね…。まずティート公は天才かつ勤勉な統治者であったけれど、 一つだけ大きな過ちを侵し、そしてそれは修正されなかった。」 カップを置いた夫が大学講師の顔になるのが分かった。 デサンカ「それは…?」 ドブリボエ「共産主義者同盟の一党制をこの国に固めてしまった事だよ。 政策という物は、競争相手が居てこそ磨かれていくものだ。 ある意見を持つ人が居るとして、それを実現する為にたった一つの政党に属するか、 それとも属しないで諦めるかの選択しか出来ないのでは、正しい社会の発展は 有り得ないんだ。」 デサンカ「………」 ドブリボエ「それでもこの国がこれまで正しく発展してこれたのは、ティート公だけの力だった。 彼が亡くなって、これから人々はその事を実感していくのは間違いないだろうね。 その時に、民族主義が自分達を豊かにしてくれると囁いて来たならば… 人々はその民族主義へとに誘導されてしまうかも知れない。」
前
次
写
名前
E-mail
0ch BBS 2007-01-24