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【見開き1ページの】キャプテン森崎43【晴れ舞台】
[55]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/05(土) 23:40:40.32 ID:05rRlL0l ヘルナンデスがこの指揮能力を誇る事は無かった。とてもそんな気にはなれなかった。 頼もしい味方が敵を止めてくれるのに越した事はないが、それは決して彼自身の力ではないのだ。 増してやそれに頼る様になってしまってはGKとしての成長は停滞する。 それを恐れた彼が得たもう一つの力もまたフィールドの中からではなく外から得た力だった。 ヘルナンデス「(大事なのは今、俺に再びチャンスが与えられたと言う事だ。 何時でも来い、ディアス!俺の4年間の集大成を見せてやる!)」 この時ヘルナンデスは覚悟していた。如何にジェンティーレと言えども確実にディアスを止め続けるのは不可能であり、 その時は自分がディアスを止めなければならないと。そして遂にその時は訪れた。 ガッ! マンチーニ「あっ!」 ディアス「よっしゃー!」 放送「マンチーニくんボールを奪われた!再びアルゼンチンの攻撃チャンスです!」 ディアス「(よし、そろそろ仕掛けるぜ!ついてこいよ皆!)」 ダダダダッ!
[56]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/05(土) 23:40:56.73 ID:05rRlL0l ヘルナンデス「来たぞ!ラインを2m下げてから囲め!」 イタリアメンバー『おう!!』 前半20分ごろ、間を空けて体力を回復したディアスはボールを奪い返してから再び自力で切り込んできた。 これ自体はイタリアユースの選手たちも予期しており、何ら驚きはしなかった。 ディアス「(さっきから嫌らしい配置ばっかりしやがって、やり辛いったらありゃしないぜ… 認めてやるよ、お前らの組織的守備はすげえや。だけどな、俺はそんなセオリー何度も強引に覆してきたんだよ!)」 グルッ! タタタタ… イタリアメンバー「な、なにィ!?」「なんだそりゃあ!!」 アルゼンチンメンバー「うおっ…!?」「マジかよ!」「いや、ディアスなら出来る!」 しかしディアスが突如自陣側に向き、背中を見せたままドリブルを始めた時は彼らも目が飛び出さんばかりに驚かざるを得なかった。
[57]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/05(土) 23:41:43.14 ID:05rRlL0l ディアス「そらよっ!」 バババッ! スタッ! ディアス「もいっちょう!」 ササッ! イタリアメンバー『そ、そんなァ!?』 ディアスはボールをまるで見ず、敵と視線も合わせず、通常ドリブルに使う頻度が少ない踵で ボールを主に蹴る非常識なドリブルを繰り出した。こんな物は見かけ倒しのパフォーマンスにしかならない。 しかし彼のそれは背を向けたままなのにも関わらず上下左右に小刻みに動き、 前を向いたままのドリブルと比べてもあまり見劣りしない複雑さと機敏さを保っていた。 放送「な、なんとォ〜〜〜っ!?!ディアスくん、後ろ向きにドリブルしています!私は目がおかしくなったのでしょうか? しかしどうやらこれは現実な様です!しかも後ろ向きのままイタリアDF達をどんどん抜き去っています!」 ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!! 観客「うっそーっ!?」「そんなのアリかよ!」「目を瞑ってドリブルするんならまだ分かるが…!」
[58]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/05(土) 23:41:58.26 ID:05rRlL0l バルバス「(よし!ディアスのギアが上がってきた!)」 ジョアン「(ほう!こんな芸当をその場の思いつきで出来るとは)」 アルシオン「(…良い技だ)」 そしてそれ以上に驚異的なのは、背後を見ていない筈のディアスが 正確にイタリアのDF達の動きを察知し丁寧にかわしていた事だった。 逆にイタリアの選手たちはこんな非常識過ぎるドリブルの動きを予測する事など出来ず、 更に迂闊にファウルになったらバックチャージになるかもと言う恐れもあって次々とディアスに手玉に取られていった。 ジェンティーレ「ふっ…ふざけるなァ!!そんな大道芸など!」 ダダッ! シュッ! 頼みの綱のジェンティーレでさえそれは例外ではなかった。流石の彼も動揺は禁じ得ず、判断を誤ってしまったのだ。 彼は相手の動きを読めないから最速で足をボールに向けて突き出すしかないと考え即それを実行した。
[59]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/05(土) 23:42:09.81 ID:05rRlL0l ディアス「大道芸、大いに結構!」 ガッ! クルルッ、ヒューン… ジェンティーレ「………!!?」 ディアス「ピエロに負けた奴はピエロ以下なんだよ!覚えておきな!」 そして瞬時に後悔した。ディアスが足の間のボールを挟み、自分の前に蹴り上げてから頭上を越させ、 ヒールリフトの逆バージョンの様な動きで彼を突破した時思い知らされたのだ。自分の判断は完全に見透かされていたと。 こうしてディアスはイタリアの5バックを全て突破し、とうとうヘルナンデスの目前に辿り着いた。 森崎「うわあっ…相変わらず馬鹿げた事ばっかりしやがる!」 翼「………流石ディアスだ」 三杉「(あれ程の天性は羨ましいとしか言い様が無いな)」 松山「とうとうジェンティーレが抜かれた!」 若林「(…だが何故だ?この予感は)」 放送「抜いた!遂にジェンティーレくんまでもが抜かれてしまったァ!難攻不落の新星が遂に! 残るはヘルナンデスくん一人だけ!5人抜きした直後のディアスくんを止めるのは至難の業だァ!!」
[60]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/05(土) 23:42:21.45 ID:05rRlL0l パスカル「(行ける!相手がヘルナンデスでも、ディアスなら大丈夫だ!)」 サトルステギ「(こぼれだまを押し込んで俺がヒーローだ!)」 この瞬間多くの者達がアルゼンチンの同点ゴールを予感した。ディアスが一対一に驚異的に 強いタイプだと言うのは有名な事実だったし、実際にアルゼンチンユースのゴールの半数近くが このパターンで生まれてきたのだ。分かっていても対策が非常に難しい上に、なんとか弾く事に成功しても すぐさまツートップのパスカルとサトルステギが捻じ込める攻撃パターンは今まで多くの敵チームを泣かせてきた。 ヘルナンデス「ディアス!勝負だァッ!!」 ダダッ! だがヘルナンデスのもう一つの力こそがこのディアスの武器への対抗策だった。 ディアス「(勝負になんねーよ、俺が一対一で負ける訳が…!!?)」 後はキーパーを抜くだけ。恐れる必要はない、何時も通り無数のフェイントを瞬時にかけ、 反応される間もなくボールをゴールに蹴りこむ。ディアスには勝利の方程式が既にイメージ出来ていた。 ゾワッ! ヘルナンデスに睨まれるまでは。
[61]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/05(土) 23:42:37.66 ID:05rRlL0l ディアス「(な…なんだこの感じ!?俺は焦っているのか!何故だ!有り得ないぞ!)」 途端にディアスは錯覚に囚われた。ヘルナンデスの体が何倍にも大きくなりゴールを塞いで行く錯覚に。 そんな筈は無い、ただ単に体格差でそう見えるだけだと理性が叫んでもその錯覚は消えない。 バシュルルルッ! ヘルナンデス「ここだァアアッ!!」 バッ! ガシィイイッ! スタッ… ディアス「な…なにィ!」 ヘルナンデス「フッ!」 それがようやく消えたのは彼が撃ったループシュートがワンハンドキャッチされた時だった。 ほんの数秒前ジェンティーレが味わわせた相手の掌で踊らされる屈辱を今度は彼が味わった。 これこそがヘルナンデスが身に着けた洞察眼の賜物だった。 放送「あ…あぁああああああっ!?し、しかしヘルナンデスくん止めた!物凄い反応速度で ディアスくんの得意のバナナループをガッチリとキャッチ!アルゼンチン、最大最強の攻撃パターンが防がれました! なんと言う事でしょう!ディアスくんの突撃がこれ程まで鮮やかに防がれるとは!」
[62]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/05(土) 23:43:11.98 ID:05rRlL0l 今夜はこれだけです。また明日お会いしましょう。
[63]創る名無しに見る名無し:2011/11/07(月) 10:43:56.99 ID:lnGvlgl8 乙でした ディアスにも1点くらいは取ってほしいなー
[64]がんばりセービング!:がんばりセービング! がんばりセービング!
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0ch BBS 2007-01-24