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【運命が】ファイアーモリブレム39【迫る】
[90]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:31:55 ID:??? 若林「どんなシュートだろうと抜かせるものかよ!はああああああっ!!」 バギィッ!!ミシミシィッ!! だが、若林は両手の拳を固めると突き上げるようなパンチで完全にシュートの勢いを殺して止める。 マーガス「そんな…!これでも駄目なのか!」 若林「ワントラップするってことはそれだけGKに冷静さを取り戻させる猶予を与えちまうんだぜマーガス!」 彼の数度に渡るパンチングがようやく実を結ぶ。このこぼれ球をついにハンブルガーが確保した。 若林「俺がいる限りハンブルガーのゴールは絶対に割らせねぇぜ!!」 カルツ「ゲンさん……ヨォし、そろそろ俺達の攻める番だ。カウンター、しかけるぜよ!」 メッツァ「僕のパスで一気に送っちゃうよ〜。ほら、走って走って」 カペロマン「ヘイヘイヘイこっちだこっち!ようやく巡ってきたこの出番、俺がスパスパっと決めてやるからよ!」 前回の試合で台詞をカットされ……もといあまり活躍できなかったメッツァとカペロマンは 自分の最も得意とする戦術でブレーメンの中盤の攻略にとりかかる。 シェスター「そうはさせるかっ!とぉっ!」 中盤は自分が必ず制圧する。チームメイトにそう誓ったシェスターはすかさずカペロマンのマークに付く。 そうして潰したパスコースの変更先を予測し、中里に指示を出す。 中里「御意!」 ポブルセン「ぐっ…またかよ!また自分の力じゃなく金の力で悠々とプロの世界に割り込んできたのかよ脆弱ジャポン風情がァ!!」
[91]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:33:40 ID:??? 中里「否定はせん。だが、今は試合中。拙者への文句はあくまでもサッカーの技術で訴えるでござるよ、小童」 ポブルセン「ぐぎぎ……ぐがあぁぁぁっ!!」 中里「(せめて精神を動揺させなければとても拙者が太刀打ちできる相手ではござらん。 さて、暫くは時間を稼げそうだが…彼奴ら、どう動く?)」 シェスターの華麗かつ執拗なマークを振りきれないカペロマン。 そしてポブルセンは中里のマークを抜けようともせず、周りが見えていないのか自ら動いてスペースを作ろうともしない。 メッツァ「(困ったなぁ。…でも、今日の試合だけは少し時間をかけて戦術を練ることが出来る。 いつもなら前線で素早くボールを狩ってくるビクトリーノがいたからなるべく早くボールを手放していたけれど…)」 この状況での迂闊なパスは危険だ。かといって自分が直接ドリブルで持ち込むだけの自信はない。ならば。 メッツァ「やっぱりここは仕事師の出番でしょー」 カルツ「ゲンさんがあんな無茶してゴールを守ってやがるんだ。そろそろワシも本気を見せちゃるかのう」 プッ! 爪楊枝を吐き出し、一度大きく息を吸い込むとカルツは態勢を低くして一気にドリブルで突破を図る。 カルツ「(懐かしいのう。ワシがこのハンブルグというチームの中で、 こうして中央のラインを堂々とドリブルで駆け巡ったのはいつ以来だったか……)」 そうだ。まだシュナイダーがこのハンブルガーというチームにいた頃。 若林が挫折と失意を強烈な反骨心で押さえつけながら入団してきたあの日。 あの頃まだ自分たちは下部組織の選手で、それでもトップの選手たちを脅かすほどの注目を浴びていた。 カルツ「(ワシら3人がいればなんでもできると思っていた。ゲンさん、シュナイダーちゃん……そしてワシがいれば……)」
[92]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:34:53 ID:??? 若林が守り、カルツが繋ぎ、シュナイダーが点を取る。見事なまでの縦の中央ラインの形成。 ハンブルグjrチームは無敵の強さを誇っていた。しかし、この夢の様な時間はそんなに長くは続かなかった。 彼があっさりとバイエルンへの移籍を決めたことを、カルツは表には出さないが長年疑問に思っていた。 しかし徐々にその疑問は解かれていく。WY大会で日本に敗れ、まだまだ自分たちの実力は未熟だと理解した頃から特に。 カルツ「(ワシは薄々恐れていたのかもしれん。シュナイダーと正面から戦うことを。 同じチームにいる限り、ワシはあの『皇帝』と戦うことはない。競い合うことも争い合う事もない。 シュナイダーの実力はワシらの世代ではこのドイツの中で紛れも無いナンバーワン。 シュナイダーが必ず決めてくれる。若林なら必ず止めてくれる。 ……そんな甘えが、驕りが……ワシ自身がワシの成長を妨げていたんだ!!)」 爪楊枝を吐き出すだけではこの心のもやもやは晴れてくれない。 先ほど吸い込んだ息を思いっきり声に乗せて吐き出す。 カルツ「どけっ!今のワシに近寄るんじゃねぇ!!」 ドガッ! ボガッ! ズドッ! 並み居るブレーメンの守備網を跳ね除けながら掻い潜る姿はまさに興奮し針を逆立てたハリネズミそのものだ。 両サイドの二人を囮に使うことで、普段はあまり使わないこの中央ラインからの攻撃でブレーメン陣営を切り裂いていく。 森崎「カルツが切り込んでくる…!だが、奴にはミドルシュートはないはずだ。だったら!」 ブローリン「任せろ。万が一の時はちゃんと止めてくれよ、キーパー」 ブローリンは積極的にプレスを仕掛け、カルツの侵攻を食い止める。 まるで巨人と小人のような体格差である。この圧倒的なミスマッチでは いくらカルツの相手の突進を利用する技術を用いてもパワーで押しつぶされてしまう。 カルツ「ワシはドイツの仕事師ヘルマン=カルツ!ワシのゲルマン魂は……!!」
[93]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:35:55 ID:??? グイッ!! ブローリン「(こいつ……態勢を上げてきただと!?)」 彼の意図に気がついたときは全てが遅かった。彼は突破を目的としていない。 彼が成そうとしている仕事。それはより確実に得点のチャンスを得ること。 絶好の位置での『フリー』の状態を得ること。すなわち―― カルツ「げふぅっ!!」 鮮血が舞った。鼻血を盛大に吹き出しながら倒れるカルツ。 ブローリンは赤く染まった自分の肘をまじまじと見せつけられ驚愕するしか無かった。 ブローリン「き、貴様…!味な真似を!」 カルツ「(ワシの仕事っぷりといったらたまらんじゃろ?さ、手はずは整った。後は……)」 フリーキックを得たハンブルガーはこのチャンスをものにするべく布陣を整える。 対するブレーメンもこのピンチをなんとしても防ぐべく守備を固める。 森崎「やはり得点力の高いポブルセンか?いや、コーナーからのシュートが得意なカペロマンの線もある…」 ミドルシュートの連発だけは絶対にやらせてはいけない。森崎はこの二人へのマークを徹底させる。 しかし、彼は見落としていた。いや、見落としてはいない。なぜなら『アイツ』がまさか あの戦術で仕掛けてくるなんてそれこそ夢にも思わなかったのだから。 ブローリン「な……馬鹿な!信じられん!」 シェスター「うっそー!まさかこんなことが!」 マーガス「日本のキーパーはみんなこんなアグレッシブな性格なのか…?」
[94]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:37:09 ID:??? フリーキックのキッカーはなんと若林だった。 そしてこれは長年オーバーラップを武器として使ってきた森崎に対しての ようやく同じ目線でぶつかり合えるようになった若林からのちょうせん状のような気がしてならなかった。 若林「(お前がキャプテンを目指す理由。周りの皆に認められたかったと言っていたな。 俺はお前のオーバーラップをただ自分が目立つことだけのエゴの塊だと決めつけていた。 しかしお前はその予想を覆すために努力を重ね、全日本でもトップクラスのキープ力を身につけた。 自分の行動に責任を持つ。そのためにはどんな手段だろうと厭わない。 お前がずっと抱えてきたその気質は決して他人を蹴落としてのし上がろうとするためだけのものじゃない)」 周りを認めるためには実力を身につけるしか無い。そうして身に付けた実力をどう振るうかはやはりその身につけた本人次第だ。 それをようやく飲み込み、理解した若林は自らの意志で森崎の面前へと立つ。 森崎「……まさかお前がこんな派手なことを好むとは驚きだぜ」 若林「何言ってやがる。昔から俺は派手好きさ。過去の俺のイメージはいい加減捨てたほうが身のためだ」 森崎「どんな事があろうとも、お前にだけはゴールは奪わせない…!」 若林「お前が何故この戦術を選びとり、そして武器にしてきたのか。その真実を俺は……手に入れる!!」 ピピーーーーッ!! 若林「走れメッツァ!ぬおおぉぉぉ〜〜〜〜っ!!」 バコォン!! 森崎「パスか!センタリングに注意しろ!マークを外されるな!」 思い切り逆サイドに振って守備陣の視線を一気に逸らす。と、同時に若林はPA内へと切り込んでくる。
[95]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:38:12 ID:??? メッツァ「まったく、若林にも困ったものだよ。こんな無茶をするんだ。絶対に決めてきてくれよな!」 バコォッ!シュルルルルルッ!! トップスピンパスが優雅な弧を描き絶妙なクロスとしてあげられる。 このボールに競り合うのは当然のごとく若林と森崎の二人だった。 若林「勝負だ森崎ィ!」 森崎「来い!若林ィ!」 二人のちょうど間に潜りこむようにして入り込むボール。若林はダイビングヘッドの体勢で突っ込みシュートを放とうとしている。 森崎「俺は……俺は世界一のGKになるんだ!だからこんなところで負けるわけにはいかないんだ〜〜〜〜!!」 若林「俺だってもう負けるのは沢山だ!俺は夢を叶える!日本を、あいつと一緒にワールドカップで優勝させるんだ!だからァ〜〜〜っ!!」 互いの夢への思いを乗せた競り合い。ドライブ回転するボールが若林の頭と森崎の両手の間で激しい摩擦音を響かせる。 バ シ ュ ウ ン ! !
[96]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:39:13 ID:??? 後にこの試合を見ていた観客は語る。 森崎「うっ……」 その時のフィールドに広がった衝撃はまるで星々の爆発。 若林「ぐあっ……」 それはあまりにも眩過ぎて眩しすぎて。 森崎・若林「「(ボールは……ボールはどこだ)」」 二人の『目』は笛が鳴るまでボールの行方を捉えることは出来なかった。
[97]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:40:16 ID:??? ギャルンッ! トップスピンの回転が若林の被っている帽子をふわりと舞い上がらせる。 そしてその帽子は森崎の判断力を一瞬停止させる『ブラインド』となった。 森崎「あ、ああっ!!」 バサァッ!! 若林「ぐっ…うぅ…は、入ったのか……?それとも外しちまったのか……?」 カルツ「ゲ、ゲンさん!しっかりしろ〜〜〜っ!!」 額からは溢れる血が目に入ったせいなのか、周囲の景色がぼんやりしている。 ああ、なんてこった。ただでさえ右手の拳を潰しているのに。 どうしてこうも昔から身体は頑丈なはずなのに怪我をしやすい体質は治らないのかね。 森崎「わ、若林…!?」 若林は赤色に染まる視界の中で、自分の中の『光』が急速に失われているのが分かった。 さっきのあまりの光の眩しさのせいかな。なぁに、すぐに治るさこんな傷。 故意じゃなかったんだろ?だったら何も気にすることなんかありゃしない。 お前や俺が中山にしてしまったことはたとえ故意じゃなかろうとも簡単に償えるようなことじゃないかもしれないが。 それでも俺達がこうして仲直りできたんだ。お前と中山なら何も難しいことなんかないさ。 若林「ただ無邪気にサッカーボールだけを追いかけていたあの黄金の日々。 俺たちはもうあの頃には戻れない。楽しいだけのサッカーはもうできない それでも俺は言える。今でも俺は……サッカーが大好きだ!!」
[98]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:41:30 ID:??? 豪快に顔を拭った赤く滲んだ拳を高く掲げ、若林は高らかに叫んだ。 きっとこれから先も辛く厳しい試練が自分の前に立ちふさがってくるだろう。 それでも乗り越えて行ける気がするのは、もう自分の心に一切の迷いがないからだ。 森崎と同じ目線で戦い、ぶつかり、そして勝利したという喜びが若林の新たな『光』となる。 ピピイィ〜〜〜〜〜!!! ハンブルガーの得点を告げる笛が歓喜と落胆が交じり合った悲鳴が轟くスタジアム中に響き渡る。 この特典が決勝点となり、ハンブルガーSVはウェルダーブレーメンを下した。 そして別会場では大方の予想通りケルンが危なげなく勝利を収め、そのまま優勝を飾ったのである。 そして数日が過ぎた……。
[99]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/19(木) 11:43:23 ID:??? 拝啓 親愛なる友人 アリティア王子マルス殿 あの激闘から数日後。今季のリーグ戦を3位という成績で終えた俺たちブレーメンは より上質なチーム作りのために当初の予定を少し早めて強化遠征へと乗り出したんだ。 コーチ陣たちはなるべく各国リーグの最強のチームと戦わせたいようだがどうなることやら。 ブンデス3位という成績は少なくとも恥ずべき結果ではないらしいがね。 世界一のGKを目指す俺としてはやっぱりまだ納得ができないわけで。 まぁいつまでも過去の試合の愚痴を書き連ねてもしかたがないよな。で、気になる一番初めの遠征先はというと…… ☆どこだったかな? A イタリア B フランス C イングランド D オランダ E ブラジル F アルゼンチン G ウルグアイ H 日本 I その他(お好きな国をお書きください) 2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。
[100]森崎名無しさん:2012/07/19(木) 11:44:51 ID:jxBX8wEQ D
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0ch BBS 2007-01-24