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【運命が】ファイアーモリブレム39【迫る】
[101]森崎名無しさん:2012/07/19(木) 12:02:13 ID:siUbGv9I D
[102]森崎名無しさん:2012/07/19(木) 17:44:15 ID:??? 若林はレヴィンに欠片を取られてた、かな?光でも星でもない自分のやつ 変にきれいになってて何か不安 こういうのNGだったらスルーしてくれ、すまぬ
[103]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 09:38:57 ID:??? >>102 特に不安になる心配はないと思います。今回の試合も 原作のハンブルグVSバイエルンや若林の目の怪我のオマージュというだけですから。 森崎自身が拒まない限り、若林は味方として一緒に戦ってくれることでしょう。 =========== >D オランダ 〜アムステルダム。アヤックス寮〜 三杉「ええ、了解です。彼がこちらに到着したら必ず渡しておきますよ。それでは失礼致します」 三杉は先ほど届いた小包を小脇に抱えながら、電話先の相手に快い返事をする。 三杉「(全ては森崎が来てからだな。だが、今はそれよりも……)」 三杉淳。彼は3年ほど前からここ、アヤックスの研修生として力をつけ先日正式にプロ契約したばかりである。 ユース時代に共に学んだ戦友たちと揃ってプロの舞台に駆け上がれる喜び。 未知の世界でどこまで自分の力が通用するか分からない不安と期待に その病魔に苛まれていた心臓は自分でもわかるほど鼓動を早めている。 三杉「(WY大会で日本が優勝し、さらに日本サッカー協会はその立場を大きなものとしている。 無事に自国でプロリーグの発足に成功し、力ある選手をこうして 各国の一流リーグへと送りつけることも出来るようになった)」 かつて夢でしか無かった海外でのプロクラブの日本人対決という図式が、今ならば当たり前のように行われる。 三杉たち黄金世代の選手たちが切り開き繋いできた線はいつしかここまで太く力強いものとなり、 サッカー後進国などと言う言葉を過去のものにするほどへと成長していた。
[104]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 09:40:07 ID:??? 三杉「(ブンデスリーグ3位、ウェルダーブレーメン。相手にとって不足はない。 だが肝心のうちのチームが……今のままではとても太刀打ちできそうにはない。 何より相手方のチームに失礼に値する可能性のほうが高い……)」 三杉は寮の窓から見下ろせるグラウンドにてボールを蹴る選手たちを見てため息を吐く。 貴公子と呼ぶに相応しい整った顔立ち、やや細面の顔が儚さを醸し出す実に絵になる光景だ。 が、彼の心境はそんな芸術思考とはかけ離れた焦燥と無念さで埋め尽くされている。 三杉「また始まったか。勘弁してくれ。今では心臓より胃の病気のほうが心配になってきてるんだから…」 クライフォート「さぁ、そろそろ本格的な練習へと切り替えていこうか」 ディック「へへへ…お前のその無駄にデカイ図体があればすぐにものに出来るさ。頑張りな」 リブタ「う、うう……やだよぉ。お、俺には無理だよ。できっこないよぉ」 現在アヤックスのキャプテンを任されているブライアン=クライフォートの指導のもとでディフェンスの練習が行われていた。 ドールマン「いいからやるんだよ!この『ダーティディフェンス』さえ覚えれば 俺たちアヤックスはどんなチームが相手だろうと勝てるチームになれるんだ!」 リブタ「そ、そんな事言ったってぇ……」 クライフォート「……まったく。そんな弱気ではとてもアヤックスの、引いてはオランダ代表のゴール前は任せられんな。 監督に進言しておこう。リブタは新体制のアヤックスに馴染められない落ちこぼれだとな」 リブタ「ま、待ってよぉ!やるよ!やるから!だからそれだけは堪忍してくれよ〜! (そうだ……俺は守らなくちゃいけない。あいつが、イスラスが戻って来られる場所を……!)」
[105]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 09:41:23 ID:??? クリスマン「ふん、あんな弱気なくせにレギュラーにはしつこいくらいに固執してやがる」 カイザー「いいんじゃねぇの?実際アイツの守備力は確かなものなんだしさ」 レンセンブリンク「しかし彼にはもう少し痩せていただかないと。 『彼』のような俊足系のストライカー相手に翻弄されるのがオチです」 クライフォート「フン。ろくに結果を残せずに逃げるように消えた『負け犬』の話はもうやめないか」 リブタ「な、なんだと…!?」 聞き捨てならない。許せない。体が大きいというだけで心ないことばかり言われていた自分に それは立派な個性だと尊重し、共に戦ってくれた『相棒』を負け犬呼ばわりされるなんて黙ってられない。 丸い顔の真ん中についた鼻の穴をふくらませて、迫力よく息を吐き出す。 クライフォート「ほう。貴様、俺に逆らうつもりか?面白い。ならばここからは俺が実践で稽古をつけてやろう。 このアヤックスの『真』のキャプテンであるブライアン・クライフォートがな」 リブタ「ブ、ブブ…ブヒィ〜〜〜〜ッ!!!」 ボールを持つリブタを一斉に取り囲む5人の選手たち。 周囲を見渡しドリブルコースを探ろうとするリブタに クライフォートは素早く接近すると、鳩尾深く肘を押し当て体重を乗せる。 ミシィッ…… リブタ「ブフォッ!?」 クライフォート「どうした、所詮は口だけか『豚野郎』!お前もアイツ同様『負け犬』さ! 負け犬は負け犬らしく強い者に引きずられておとなしくしてればいいんだよ!」
[106]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 09:42:29 ID:??? リブタ「(う、うう……どうしてこうなっちゃったんだ。イスラス…… どうして君はこのアヤックスからいなくなっちゃったんだよ……)」 かつてこのアヤックスの中心的存在だったイスラス。彼はWY大会敗退後、謎の失踪で行方をくらませていた。 敗戦の責任を取っただの、再起不能の怪我をしていただの様々な憶測で騒がれる中、 新しくキャプテンとして指揮をとることになったクライフォートは このアヤックスというチームの態勢を革命でも起こすかのようにして次々と変えていった。 クリスマン「ドリブルで突出する攻撃なんて時代遅れさ」 ドゴッ! レンセンブリンク「一人のエースに負担をかける非効率な戦い方」 ガスッ! カイザー「チームの和を乱す自己中プレイはダメ、ゼッタイ!」 ボゴッ! ディック「チーム皆で力を合わせて勝利をもぎ取る。これこそ真の勝利。そうだろリブタァ!!」 ズッギャアアアアン!! リブタ「ブヒィ〜〜〜〜〜〜ッ!!!」 三杉「止めろ!これ以上やれば怪我では済まないぞ!」 ゴール前で行われている乱取り稽古のような練習に三杉は割って入る。 チームの参謀役でもある三杉が出てきたことでクライフォートもようやく動きを止める。
[107]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 09:43:32 ID:??? クライフォート「はは、失敬失敬。少し練習に熱が入りすぎてしまっていたようだね。 君の判断にはいつも助けられているよ。クールダウンも時には必要だからね。 でないと……いつ『彼』のように選手として使い物にならなくなるか分からないからな」 三杉「……それが分かっているのならすぐにマネージャーを呼んでくるんだ。 数日後のブレーメンとの親善試合前に彼を失うわけにはいかないだろ」 ディック「けっ。DFの要ならここにいるじゃねぇか。そいつがいなくたってどうとでもならぁ。 それにブレーメンって言ったってリーグ3位の半端チームだろ? どうせなら1位のケルン、最低でも2位のハンブルガーとやりたかったぜ」 三杉「いいから早く呼んでくるんだ。ボクの目が黒いうちは誰一人だろうと怪我なんかさせない」 クリスマン「さすがは医者との両立を目指してるご大層な人は言うことが違うねえ。偉い偉い」 カイザー「じゃあ俺が呼んでくるぜ!ヒャッホー!」 レンセンブリンク「安心しなさいリブタくん、きっとすぐに来てくれますから。 なにせうちのマネージャーの俊足はチーム内でも有名ですから」 数分後。チーム内でもトップクラスのスピードを誇るカイザーと並走しながら アヤックスのチームマネージャー、シャルが慌てて駆け込んでくる。 シャル「リブタ、痛くない?平気?」 リブタ「だ、大丈夫だよシャル。俺、頑丈なのがとりえだからさ、へへへ……」 三杉「僕も一緒に診よう。シャル、フォローしてくれるかい」 シャル「お願いします」
[108]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 09:44:49 ID:??? 膝にこびりついた芝と泥を剥がし、すりむけた患部をガーゼで塞ぐ。 幸い軽い打撲で済みそうだ。暫く安静にしていればすぐにまた走れるだろう。 リブタ「助けてくれてありがとう三杉。でも俺……悔しいよ。イスラスのこと馬鹿にされて…悔しかったんだ」 三杉「だからといって感情的になるのは得策じゃなかったな。それこそ奴らの思う壺だ。 お構いなしに『守備練習』させてもらえる立派な口実作りをしてくれたんだから」 シャル「……でも、いい加減我慢の限界。わたしも……ううん、今は殆ど下部に落とされちゃってるけど 旧アヤックスのみんなたちだってリブタと同じ事考えてる」 彼らは長い間名門クラブという下駄を履き、イスラスだけに頼って戦おうとする腑抜けた男たちだった。 だが、三杉が日本から研修に来たことで彼らは変わった。体が大きいだけと貶されていたリブタを鍛え、 自ら孤独を選び続けていたイスラスの心を解かし、チームの方向性を見事一つにまとめあげたのだ。 三杉「だが時が経てば季節が変わるように、人の意識や気質も変わってしまうものさ。 今の新体制を見ればわかるだろう?クライフォート……彼の統制はボクやイスラスが築いた時よりも もっと厚い、一枚岩へとなっている。悔しいけれどこればかりは認めざるを得ない」 一つの大きな派閥として有無をいわさず引っ張っていくチーム態勢。この状況を三杉はよく知っている。 三杉「jrユース時代のボクたちのチームもそうだった。そしてそうなったチームはたしかに強い。 主張や理念など試合の中では技術や精神へと取って代わられる。誰もが勝利を目指しボールを追いかける」 淡々と語りながらリブタの治療を進める三杉。シャルは包帯を巻き終え、薬箱をパタリと閉めてうつむく。 シャル「それでも……このままじゃダメだよ。いくらなんでも相手を狙って怪我をさせる守備だなんて……」 三杉「君の主張ももっともだ。道徳的には君のほうが正しい。だが、ボクたちがいるのは勝負の世界。 綺麗事だけでは語れない世界で戦っていることを、君も十分学んできたはずだろう?」
[109]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 09:46:17 ID:??? シャル「うん……。だからわたしは待ってる。イスラスがいつか帰ってきてくれるって。 イスラスは再起不能の怪我なんかしてない。あのときの試合で倒れた時もすぐに目を覚ましてくれたもん……!」 リブタ「でも、いったいどこに行っちゃったんだろう。俺達に何も告げずにいなくなっちゃうなんて…何か事件にでも巻き込まれてるんじゃ」 三杉「しっかりしろ!今の君たちがそんな態度でどうする!これでは昔と同じだ!イスラスに頼りきっていた昔のアヤックスと同じなんだ!」 シャル「三杉……!」 リブタ「う……」 三杉「彼が帰ってくる居場所を守ると決意したんだろ?だったら彼が帰ってくるのを信じて待つんだ。 本当に彼のことを信じ続けることが出来る覚悟があるならば、耐えられるはずだ。 ……諦めちゃダメだ。自分から希望を捨てるようなことをしてはいけない。心が弱くなってしまうから」 重い病気に苛まれ、長い間苦しんできた自分だからこそ言える言葉だった。 体の状態が悪くなることよりも、心が弱り切ってしまうことこそが三杉にとってよほど怖かったのだ。 三杉「(ボクはサッカーを辞めないよ。もし1分や2分しかプレーできなくても、 ボクは必ずフィールドに立つ。いつかボクは必ずこの心臓病にも打ち勝ってみせる。 未だ叶わないこの夢も、ボク自信が諦めない限り、心が折れない限りいつか必ず叶うはずなんだ。だから…)」 だからどうか君たちも。自分を見失わずに信じ続けることを止めないで欲しい。そう三杉が語りかけようとしたその時。 ????「どうした。辛気臭い顔しやがって。誰かの葬式でもやってるのか?」 リブタ「え……う、嘘…!」 シャル「夢……じゃないよね?」 三杉「(おやおや。こうもあっけなく夢が叶うこともあるんだね。全く……。だけどこれでアヤックスは再び変われる。 森崎、君とプロの舞台で戦える日が来るのを楽しみに待っているよ。そして、あの人との約束も……)」
[110]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/07/20(金) 09:47:44 ID:??? クライフォート「今さら何をしに戻ってきた…イスラス!」 その夜。月夜に照らされた静かなグラウンドにて二人の男が睨み合っていた。 一人は現キャプテンであるクライフォート。そしてもう一人は元キャプテンのイスラス。 イスラス「別に。ただ、お前も知っているだろ?最近噂になっている『謎のチーム』のことくらい」 クライフォート「ああ、知っているとも。あの伝説の監督と呼ばれていたジョアン氏が突如活動を再開し 各国から素質ある選手を集めてはコーチングをしていると……ま、まさか!」 イスラス「ククッ…そのまさかだとしたらどうだと言うんだ?」 クライフォート「う、嘘だ……どうしていつもお前は……俺の行先を邪魔をする! お前はいつだってその足で先頭を走り続け目立ち続け……俺の出番を奪っていった! 俺が入念に練習の計画を立てレベルアップしても、いつもいつもコーチたちはお前ばかり注目する! 何故だ!実力も才能も俺はお前に絶対に負けていない!それなのにどうしてお前は!!」 イスラス「……ああ、知ってるよ。お前の真の実力に気づけない馬鹿なコーチ陣には俺も長年辟易していたさ」 クライフォート「なっ…!?」 イスラス「だからだよ。お前の才能と実力がとんでもなかったから、俺はこの『足』で 分かりやすく自分の長所をアピールし続けたんだ。休むこと無くひたすらな」 クライフォート「…イスラス、お前は…」 イスラス「ああ、察しの通りさ。俺はお前から逃げていたのさ。お前に目立たされちゃ俺の居場所が消えちまう。 だから慎重なお前がもったいぶって時間をかけて入念に才能を磨いている間にお前の出番を尽く奪い続けてきたんだよ」 クライフォート「……ふざけるな!俺の実力に怯え逃げていただと!?お前が! あの皇帝シュナイダーと並ぶほどの天才だと評されていたお前が!」
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0ch BBS 2007-01-24