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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】
[440]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 12:03:07 ID:??? *** //馬術1 「うわっと、と……と!」 演習場の一角に設けられた林の中、情けない声を上げたのは森崎有三である。 「ふう……相変わらず慣れないぜ、馬ってやつは」 「お前が怖がるからだ。馬は乗り手の怯えを敏感に読むからな」 鞍上、バランスを崩しかけた森崎に言うのはトニーニョだった。 共に腕を磨こうと、森崎の誘ったものである。 しかし馬とのコミュニケーションの初歩で四苦八苦する森崎に比べ、仏頂面の白人は 僅かな体重移動と手綱捌きだけでいとも容易く馬を操っているように見える。 こうも腕が違うと、共同訓練というより個人教授に近い。 「ちぇっ……要はナメられてるってことかよ」 「かもな」 「お前にゃそんな素振りも見せやしねえのにな……何かこう、特別な手綱とか使ってるんじゃねえか? 桂剥きの人参でできてるとかよ」 「……」 「……? おい、トニーニョ」 お前の努力が足りないんだ。 馬鹿なことを言っていないで鍛錬に戻るぞ。 そんな、いつも通りの説教臭い返しを期待した森崎の軽口は、しかし無言によって粉砕される。 見れば、トニーニョはぼんやりと木々の向こうを見ているようだった。 常らしからぬ様子に眉根を寄せた森崎が声をかける。
[441]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 12:04:24 ID:??? 「トニーニョ、おい、トニーニョって!」 「……ああ。すまん、聞いている」 「いや、聞いてるじゃなくてよ……まあ、いいや」 肩をすくめる森崎に、 「……」 「……」 トニーニョは、再び黙り込んでしまう。 「……どうしたんだって、聞いてもいいか」 「……」 ともすれば不機嫌に見られがちな仏頂面に、今は何か違う色が浮かんでいるように見えて 森崎が問うのへ、トニーニョは答えず馬の腹を軽く蹴る。 行け、の合図に歩みだしたトニーニョの馬が、すぐに速歩にまで加速した。 「お、おい……! 待てって!」 慌てて後を追おうとする森崎は、だがすっかり馬に見くびられている。 手綱を引けば首を振られ、腹を蹴れば振り落とされそうになり、その内に相手をするのが 面倒になったのか、仕方がないとばかりにのろのろと歩を進める馬に頭を抱えながら どうにかトニーニョの消えた方へと鼻を向ければ、果たして仏頂面はすぐ茂みの向こう側にいた。 森崎たちを待っていたのかどうか、その悄然とした様子からは窺えない。 「俺は、」
[442]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 12:06:36 ID:??? トニーニョ、と声をかけるよりも早く、ぼそりと呟く声。 「俺は自分が赦せずにいる」 その声は独り言じみていて、ひどく聞き取りづらい。 森崎に向けて語っているのではないようでもあった。 「俺にもっと……もっと力があれば、隊長を、隊の皆を死なせずに済んだのではないかと、 そればかりを考えている。あの日から、毎日、毎晩。ずっとだ」 「お前、それは……」 言いかけた森崎を遮るように、トニーニョが首を振って続ける。 「わかっている。俺一人の力で変わる戦況などない。百人、千人の敵を相手にできるはずもない。 無駄で、無為で、無様な後悔だ。唾棄すべき思い上がりですらある。 それでも考えずにはいられない。考えていなければ、忘れてしまうからだ」 ふと息をついて、トニーニョが天を見上げる。 木漏れ日が、その顔を斑模様に照らす。 ざわめく梢の向こうに何を見ているのか、森崎にはわからない。 「俺はな、モリサキ」 やがて視線を下ろしたトニーニョの、木漏れ日を集めて霞んでしまったような灰色の瞳が、 森崎を見やる。 「かつて毎晩のように見ていた悪夢を、最近、ほとんど見なくなった。 見られなく、なったんだよ」 言って、口の端を上げる。 無理やりに作られたその笑みは、決して届かないどこかに向かって泣くような、ひどくねじれた笑い方のように、思えた。
[443]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 12:07:43 ID:efdvYoTg ※ガッツが20減少。 馬術が26上がりました。 現在のガッツ:155 剣術:68 馬術:36 体術:62 魅力:78 評価:69 ATK:104 DEF:140 SPD:98 ini:19 *** *チェック トニーニョとの関係が一定値に達したため、スキルが強化される可能性があります。 目標値【10】 → !numnum ※ !と numnum の間のスペースを消して数値を出して下さい。 目標値以上の値が出れば成功しスキルが強化されます。 00が出た場合はスキルが変化します。 成功→ 威圧Lv2(周囲3マス以内にいる敵全部隊の士気を-10する) 00→ 追撃Lv1 (兵数ダメージロールに5か6の目が出た際、もう一度だけ1D6を振ってその数値を加算する。 ただし【数値加算】による変更後の出目は対象にならない) ***
[444]源氏 ◆rLDAH8Hy8Y :2012/09/01(土) 12:50:35 ID:??? 目標値【10】 → 89
[445]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 12:54:08 ID:??? *** トニーニョのスキルが「威圧Lv2」に強化されました。 ***
[446]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 12:55:14 ID:??? //馬術2 「しっかし、あん時ぁ驚いたぜ。お前がいきなり変なおっさん連れてきたと思ったら、 『このモリサキが皆サンの新しい隊長デ〜ス! そこんトコ、よろしくお願いしマ〜ス!』だもんな」 褐色の優男が、言って快活に笑う。 ネイが口真似をしてみせたのは、森崎の隊長就任を知らせたときのルーカスである。 「ああ……俺だっていきなりのことで、何がなんだかわかんなかったぜ。 正直今も、実感は薄いんだ」 ややぎこちなく手綱を握りながら答える森崎。 戸惑いは、事実である。 「ま、ゴーカな式典も、御前会議! とか信任投票! なんてのも、なかったしな。 隊長歓迎の宴会はやったけどよ」 「単に俺を口実にした飲み会だっただろ……」 宿舎の広間に買い込んだ安酒を並べただけの宴席を思い出して、森崎がゲンナリとした顔をする。 「ま、それは言いっこなしだぜ」 「いいけどよ……」 「ところで、隊長ってどんなことしてんだ?」 突然、ネイがそんなことを訊ねてくる。 情報収集に余念がない、というべきだろうか。 苦笑した森崎は、しかし首を捻るのだった。
[447]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 12:56:42 ID:??? 「いや……それが、基本、まだ何もしてねえ」 「なにィ!?」 驚愕するネイに、森崎が困ったように告げる。 「人員と物資の確認、それからルーカス大佐の持ってきた書類にサインして……ってくらいでよ。 他の教官たちは上の雇いだから、とりあえずヤングのおっさんの頃と同じように、つー感じかな。 正直、隊長室なんて部屋だけあてがわれても、何していいのかわかんねえんだよ」 「……まあ、俺らもヤング教官が普段どんな仕事してたのか、よく知らねえからなあ」 しみじみ言う。 「ルーカス大佐もそこら辺、補佐してくれるヤツを寄越すとは言ってたけどよ……」 「まだ来てないのか?」 「……『こちらも色々てんてこ舞いデス! もうちょっと待っててくだサイ』だとよ。 ま、俺ら外様が後回しにされるのは慣れてるけどな」 肩をすくめる森崎。 わかるぜ、とその肩を叩いたネイが、ふと続ける。 「ていうか、代わりの隊長ってのはてっきりまた騎士団から派遣されるんだとばっかり思ってたぜ」 「俺もそう思ってたんだけどよ」 頷いた森崎が、 「ルーカス大佐が言うには、イリハの件で上は相当揉めてるんだと」 「負け戦の責任のなすりつけ合いだろ?」 「まず、それだ」 「他にもあるのか?」 「いや、ドルファンと向こうさんじゃ、同じ一個大隊でも規模が違いすぎるってんでよ。 平時ならそれでも誤魔化しは効いてたが、戦場に出ちまうと、な」 「あー……」
[448]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 12:58:55 ID:??? イリハ会戦の惨状を思い起こしたか、ネイが遠い目をする。 「ヴァルファの半分くらいだったもんなあ……」 「ああ。それで騎士団の大規模な再編成やら、退役騎士の招集、戦時増員なんかも検討してるらしい」 「なるほど……こっちに回すような指揮官の余りはいねえってことか」 「そういうこった。将校としての訓練受けてる騎士なんざ、ただでさえ少ないからな」 言った森崎に、ネイが得心したように首肯する。 「ならまあ、隊長のお鉢はお前に回ってくるわな、モリサキ」 「よせよ。ガラじゃねえ」 「何言ってやがる。前第二分隊長、それも八騎将殺しの英雄サマじゃねえか」 「あれは……ヤングのおっさんのおこぼれみてえなもんで、」 「知ってるよそんなこた!」 ぴしゃりと言い切られた。 「けどまあ、上は実際の戦場見てるわけでも、まして人柄見て決めるわけじゃないんだからよ。 結果と実績からしてお前を選ぶに決まってんだろ」 「人柄見られたら選ばれねえ、みたいな言い方だな……」 「そりゃそうだろ、問題児!」 「ぐむぅ……」 大笑いしながらネイが言うのに、森崎は唸るしかない。
[449]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/01(土) 13:00:14 ID:efdvYoTg 「ま、俺らとしちゃお偉い騎士様が派遣されてくるよりよっぽど助かるけどな。 俺らの流儀を知ってる奴が上にいる方が色々やりやすい」 「おいおい、ヤバいことは勘弁してくれよ……何かありゃ、俺がひっかぶることになるんだからよ」 「いきなり日和ってんじゃねえよ!」 ゆっくりと歩ませる馬上、そう軽口を叩いてネイが笑う。 のどかな空気の中、森崎はふと、先日のトニーニョの様子を思い出すのだった。 (そういえば……トニーニョのこと、ネイなら何か知ってるかな) *選択 A トニーニョのことをネイに相談する。 B それとなく聞くに留める。 C やっぱりやめておこう。 森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。 その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。 期限は『9/1 23:00』です。
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0ch BBS 2007-01-24