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【全国の】キャプテンEDIT40【壁】
[546]キャプテンEDIT ◆EUWFb5QXUg :2012/08/16(木) 03:03:24 ID:??? 日向「おお、タケシ。合流していたんだな」 小池(た、確かに声はヤツの物だ……) 北詰「……日向、お前いままで一体何をしていた?」 日向「沖縄で減量してきたんですよ。結果は見ての通りです」 そう言って片腕を持ち上げ、誇示するように力瘤を作ってみせる。 溢れる様な力感、堅くしかし靭やかそうなそれは、断じて贅肉ではない。まるで鉄片を身体にぶちこんだ様な、筋肉の塊だった。 この見事に鍛え直した身体を見せつける目的は、どう考えてもただ一つ。 ……明日からは、自分が試合に出る。その意思表示に他ならなかった。 反町「ちょっと待てよ、俺は日向の参加を認めないぞ!」 日向「ん?」 それを敏感に察し、前に進み出て怒鳴る様に異議を宣言した反町。 反町「この大会はここまで俺達の力で勝ち進んできたんだ。 ここで今まで参加していなかった日向が参加したら俺達の今までの戦いは何だったんだ! 全国大会に出場したくても人数の都合上、同行する事すら出来なかった控えの選手達はどうなるんだ!」 若島津「なにィ!?(反町、貴様……!)」 タケシ「あわわわ……(あ、あの大人しい反町さんが、日向さんに刃向った!?)」 今までチームに迷惑を掛け続けたかと思えば、何も告げずに姿をくらましながら、帰るなり傍若無人に大会に出ようとする日向。 その態度には流石に反町もカっとなった。今まで言いたいことも言えずに溜まっていた鬱憤。それを吐き出す様に熱弁を振るう。
[547]キャプテンEDIT ◆EUWFb5QXUg :2012/08/16(木) 03:04:33 ID:??? 反町「それにこの大会で俺は、コイツとずっとツートップを組んでいたんだ! 今更、アンタなんかと組めるか! コンビネーションの確認なんかしている時間なんか無いし……アンタとそれをするつもりも無い!」 東邦名無しFW「そ、反町……!(ジーン……)」 松木「そうだ! 今更合流しやがって、何様のつもりなんだ!」 小池「大体散々肥満体で足引っ張ってきた癖に!」 島野「アンタなんかに送るパスはねぇよ!」 川辺「金持ちだからって良い気になるんじゃねぇ!」 今井「東邦はアンタ一人の物じゃねぇんだ!」 高島「これ以上好き勝手にされてたまるか!」 古田「俺達は俺達の力で全国制覇するんだ!」 反町に呼応して、一斉に日向反対のシュプレヒコールを上げる東邦の選手たち。 監督たる北詰もこれを押さえる間もなく、沢田は口元に手をやりながらおたおたするだけ。 若島津は、苛立たしげに眉を動かすとジャージの袖をめくり上げた。 対して、日向は―― 日向「ククククク……ハァーッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!」 ――笑い出した。 突然の狂態に、部員たちは呆気に取られて静まり返り、若島津は手近な部員を殴ろうとした手を止める。 北詰「ひ、日向……?」 すわ乱心かと心配げな声を上げる北詰を無視し、日向は獰猛な笑みを向けた。
[548]キャプテンEDIT ◆EUWFb5QXUg :2012/08/16(木) 03:05:58 ID:??? 日向「ちょっと見ない内に随分偉くなったなあ反町? 俺が居ない間に大会で活躍して、気取ってやがんのか? ハッ! 弱小ばかりのブロックに居ながら、得点王にもなれやしないでいるのによォ! それに……お前の奨学金はウチの会社が出してやっているのを忘れたのか?」 反町「うっ……」 如何に粋がろうと、反町は東邦学園の一学生に過ぎない。 下卑た話だが、そんな彼とその家族にとって、ヒューガー(株)から出る奨学金は生命線と言っていい。 でなければ、金の掛かる東邦学園になど所属していられない。 スポーツ強豪私立に所属することで得られる待遇、実績、経歴の箔……それは全て日向の財布と胸先三寸に依存しているのだ。 日向の脅迫は、正にこの死命を制する一点を突いたと言っていい。 だが、 反町「……ああ、好きにしろよ!退部だろうと退学だろうと!」 今日の反町は、それを振り切ろうとするほどまでに激していた。 北詰「!」 若島津「反町……!」 タケシ(陰口ならともかく、学校までやめるって……日向さんって、ここまで嫌われていたんだ…) 反町「別に良いさ! 俺には全国大会で活躍した実績がある! 他の学校に行ってそこで活躍してやるさ! そしてアンタは、選手に逃げられるようなクソキャプテン、クソ経営者として、ここで恥でも晒してるんだな!」 一気呵成に言い切って、荒く肩で息をする反町。普段温厚で優しげな彼の激情に、再び周囲が反骨心を取り戻す。
[549]キャプテンEDIT ◆EUWFb5QXUg :2012/08/16(木) 03:07:04 ID:??? 松木「よく言った反町! 俺もそうしてやるさ!」 小池「もう日向に怯えるのは懲り懲りだ!」 島野「アンタと一緒に出場なんて願い下げだ!」 川辺「そんな決勝戦なんかボイコットしてやるぜ!」 今井「サッカーは11人居なければ出来ないんだよ!」 高島「金の力で何でも出来ると思うな!」 古田「俺達はアンタの為にサッカーをやっている訳じゃない!」 東邦名無しFW「お、俺も反町につくぞ!」 誰も彼もが反町を指示し、日向に背くこの状況。 流石の鼻持ちならないキャプテン兼経営者も、この事態に遭っては折れざるを得ないだろう。 そう判断した北詰は、先んじて日向を制するために口を開く。 北詰「聞いての通りだ日向、全員の同意が無ければお前を……」 日向「チッチッチッチッチッ……」 だが、返って来たのは舌を鳴らしながら指を振る、欧米人じみた人を小馬鹿にしたジェスチャー。 日向「お前らは二つ根本的な勘違いをしている。それを教えてやろう」 この態度には学園とヒューガー(株)に雇われている側である北詰も額に青筋を浮かべたが、日向はそのまま続けた。
[550]キャプテンEDIT ◆EUWFb5QXUg :2012/08/16(木) 03:08:05 ID:??? 日向「一つは、俺が金だけの男では無いと言う事……そして、もう一つは……」 言いながら、足元に転がしていたボールを軽く蹴りあげる。 そして、重力に引かれて落ちてくるそれを、思いっきり振りかぶった足で蹴りつけに行った。 反町は不快げに眉を顰めつつ言葉を継ぐ。大方、シュート力を誇示してそれを材料にしようというのだろうが、そうはいかない。 どんな凄いシュートが飛んでこようと、絶対にNOを突きつけてやる。そう思い、口を開いたのだが、 反町「分かってないな、今更まともに動ける体になったからって――」 その言葉は、最後まで続けることは出来なかった。 顔の横、3cmとない至近距離を何かが掠めて飛んでいく。 チカッと微かな熱が頬に走るのを感じながら、反射的にそれを目で追った。 その正体は日向が思い切り蹴り出したボール。それが反町の頬を掠め、背後のマイクロバスに直撃する。 ――爆音。 銅鑼を鳴らした様なけたたましい打撃音と、風船の爆ぜる様な破裂音。 ボールがバスの車体にぶち当たり、重機のハンマーに叩きのめされたかのようにへこみ、そしてそれを為したボールが破裂した結果だった。 思わず耳を塞ぎたくなるような騒音だが、反町はそれに反応することが出来ない。 サッカー選手として、ストライカーとして鍛え続けた動体視力が、今起こった一部始終をハッキリと見てしまった為に。 理解を超えた光景を不幸にも理解してしまい、あまりの衝撃に身体が硬直してしまったが為に。 日向「もう一つは……俺の敵の敗因は、俺を敵に回した事だ。 今ここで選べ。別チームに行き、俺のこの『タイガーショット』をブロックする側になりたいか……? それともこのチームに留まり、俺がゴールを量産するのを見る側になりたいかをな?」 その言葉を聞きながら、反町は今更のように頬の切り傷から血が流れるのを感じた。 同時に、膝から力が抜けてへたり込んでしまう。 気付けば、他のチームメイトのほとんど――北詰監督すらそれに倣うかのように地べたに尻を着けていた。 最早、否やの声を上げる者は、誰一人としていない。 この光景を絵に描いて額に入れれば、気の利いた誰かが『暴君への屈服』などと名付けそうなものだった。
[551]キャプテンEDIT ◆EUWFb5QXUg :2012/08/16(木) 03:11:02 ID:??? タケシ(流石日向さん、変わってないなァ……)」 若島津(昔の――いや、あるべき姿を取り戻したな……この人にだけは逆らっちゃいけないんだよ) 北詰(わしの指導者としての信念は…人生は…一体なんだったのだろう…) 耳が痛くなる様な沈黙を破ったのは、日向が満足げに鼻を鳴らす声だった。 日向「フンッ。ようやく理解できたか愚民どもが……おい、タケシ。今、大会は何回戦まで進んでいたんだったけな?」 タケシ「あ、はいっ! 今日三回戦が終わって、明日から準々決勝です!」 日向「若島津。得点王のランキングは? そこのボンクラが三位あたりだってのは覚えてたが、他をど忘れしちまったぜ」 若島津「……現在、鳴紋中の大前が九ゴールで首位。それに続くのが翼の八ゴールです」 日向「ほう、そいつァ良いことを聞いた――」 子飼いの二人の報告に、日向は嬉しげに笑う。 ライバルの活躍を我がことの様に思って……などという殊勝な気持ちではない。では、正解はと言うと―― 日向「――てことは残り三試合、鳴紋も南葛も零封して俺が五、六点取り続けりゃ、十分得点王に成れる計算ってことだな!」 ――傲慢にも程があるこの宣言である。 だが、今や東邦学園サッカー部にこれを笑い飛ばせるものはいない。 このタイガーショットの威力ならば……東邦学園のチーム力にこれが加われば、可能性はある。 もっともそれを喜ぶ人間は日向とその子飼い二人のみだったのだが。 ――全国大会準々決勝。 ――猛虎・日向小次郎、復活す。 大前たちがそれを知ることになるのは、いよいよ明日のことである。
[552]キャプテンEDIT ◆EUWFb5QXUg :2012/08/16(木) 03:13:49 ID:??? 鳴紋中が殊勝に特訓に明け暮れている陰で、日向くん好き勝手絶頂、 といったところで今回はここまでです どうも、また深夜三時台まで続いてしまってすみません(汗) 次回はふらの側のパートを描写してから、ようやく準々決勝開始まで行けそうです では、今回も拙作にお付き合いいただき、ありがとうございました!
[553]森崎名無しさん:2012/08/16(木) 03:14:29 ID:??? そこまで言うんなら辞めちゃえばいいのに反町… けど辞められないのが反町くんなんだろうなぁと思った。 乙でしたー
[554]森崎名無しさん:2012/08/16(木) 03:24:08 ID:??? やはり反町君は秋の神様がいなければ駄目だな(現人神でも可)
[555]キャプテンEDIT ◆EUWFb5QXUg :2012/08/17(金) 01:25:16 ID:??? >>553 乙どうもです! 辞めたいところでも辞められないこんな世の中ですしね……w >>554 もしくは頼れるエースの相方でも可でしょうね。ハッハァ! では、今回の投下です 相変わらず投下が遅れてすみません
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0ch BBS 2007-01-24