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【反撃の】ファイアーモリブレム40【狼煙】
[460]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 13:28:41 ID:??? アヤックスの誇る2つの巨擘が仮面の男の進路を体全体で阻みにかかる。 ????「うげっ、こいつは厳しいね。さすがにあの壁を飛び越えることはできそうにないし…なら!」 ヒュヒュッ……シュパアッ!! ディック「なにィ!目の前から消えやがった!?」 中里「違うでござる!二人共足を閉じるでござる!」 リブタ「うえっ?わあっ!!」 仮面の男はリブタの股の間を滑るように抜けていく。 だが体制を崩しており、再び走りだすのに時間がかかりそうだ。 イスラス「(チャンスはここしかねぇ。これを逃したら……!)」 ★仮面の男→30+!card-3(バランス崩し)= イスラス→24+!card=★ !とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します 【補足・補正】 仮面の男のカードがクラブ以外で『マッハフェイント』で+4 イスラスのカードがダイヤ・ハートで『高速ドリブル』で+4
[461]森崎名無しさん:2012/09/24(月) 13:55:05 ID:??? ★仮面の男→30+ スペード9 -3(バランス崩し)= イスラス→24+ スペード9 =★
[462]森崎名無しさん:2012/09/24(月) 17:57:00 ID:??? …もしかして、必殺?
[463]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 20:13:17 ID:??? >>462 さすがに今回はサッカーの判定とは別物扱いです。 ただ、それらしき描写はしていきたいと思います。 =========== ディック「おいもたもたすんなブタ!取り押さえるなら今しかねぇ!」 リブタ「ふひぃー…わ、わかってるよぉ!」 リブタとディックは倒れかけた仮面の男を取り押さえようと飛びつく。 ????「…まだまだァ!」 ディック「今度こそお縄だぜ!」 リブタ「つっかまえたー!」 バンッ!! 仮面の男はハンドスプリングの要領で、地面に手をついて素早く起き上がろうとする。 だが、その時振り上げた足をディックとリブタはかろうじて掴んだかに見えた。 ディック「……ぬあっ!?」 リブタ「あ、あれれ?」 確かに男の足を抑えたはずのディックたちの手は見当違いの場所へと伸ばされていた。 まるで影を掴まされてでもいたかのように、二人の太い腕は空を切る。 イスラス「二人共、そのまま伏せろ!」 ダダダダッ……バッ!!
[464]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 20:14:22 ID:??? イスラスは逆に転ばされたディックとリブタの上をふわりと飛び越え、公園の方へと逃げる仮面の男を追いかける。 カイザー「俺だって足の速さにゃ自信があるんだ。追っちゃうぞバカやろ―!」 中里「何やら胸騒ぎがするでござる。拙者も後を追うでござる」 シャル「(胸騒ぎ……嫌な予感がするよ。イスラス……!)」 カイザーたちもイスラスの後を追いかけていくが、加速までの時間が足りずとても二人に追いつけそうにはなかった。 イスラス「(後少し、後少しが届かねぇ。今の俺に何が足りてないというんだ?)」 足の速さも、駆け引きの旨さの差も埋めた。それでもあの男には追いつけない。 あの男の『走り』と自分の『走り』に何の違いがあるというのだろう。 イスラス「(違うといえば仮面をつけているかどうかくらい。 ……まさか、そうなのか?奴の速さは以前俺にも備わっていたあの力だというのか)」 イスラスはワールドユース大会前のことを思い出していた。 右足の調子がどうにも悪く、このままでは大会に向けての コンディションを整えられないと監督に相談した結果、 ある特別な医師に診てもらいなさいと指示を受ける。 イスラス「……あなたが監督の言っていた医師ですか?」 黒いローブを着込み、シワが深く刻まれた顔が目に入った。 いかにもうさんくさい印象を受けたが、 監督の顔を立てるために素直に診察を受けることにする。
[465]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 20:15:29 ID:??? 医者「ふぇふぇふぇ……なるほどのう。随分見事な足をしておる。 まさに速く走るために造られた芸術品と呼んでもいいじゃろう」 イスラス「芸術……ですか」 医者「そう。サッカーとは芸術という言葉を残した者もおるくらいじゃ。 しかし、お主の足は不思議じゃな。左右でこうも色が異なっておるとは」 イスラス「……小さい頃に事故で右足を怪我したんですよ。 皮膚は激しく裂傷してしまい、ある人に移植をしてもらったんです」 皮膚の提供者は自分の友人であり、目標でもあった存在だった。 いつも自分の前を走り抜ける彼の俊足を、イスラスは常に追いかけていた。 イスラス「ご利益でもあったんすかね。そいつの皮膚がすっかり浸透したら これまで以上に速く走れるようになったんですよ。 まるでそいつの俊足が乗り移ったかのようにね」 少し気恥ずかしくなったのか、照れるように鼻の頭を掻くイスラス。 医者の老人は目をカッと見開きイスラスにぐぐいと顔を近づける。 医者「くくく…なるほど。お主の不調の原因が少し分かった気がするわい。 イスラスといったな。お主はそいつのことを本当に憧れていたのか? 本当は自分より速く走れるその男のことを妬み、嫉み、嫌ってはいなかったのか?」 イスラス「何を突然。俺が今こうして走れるのは彼が皮膚を提供してくれたおかげで…」 医者「それとこれとは別じゃよ。お主は本心では奴の力を、存在を嫌悪し拒んでおる。 じゃから身体が嫌がっとるのじゃよ。その証拠に……ほれ」 イスラス「……なんだ、この黒いモヤは。こんなの今まで出たことなんて無かった……!」
[466]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 20:17:02 ID:??? 白い右足を蝕むかのように湧いてくる黒い模様を見て、イスラスはこみ上げてくる吐き気を抑える。 医者「この病は心の病じゃ。お主が本心を保ち、その男への恨みを開放した時……苦しみからも解放される。 このかけらと仮面を受け取るがいい。お主の痛みを救う唯一の治療法じゃよ」 イスラス「……俺は……アイツのことを……妬んで、いた……?」 誰よりも速く走れるようになりたい。それなのにいつもアイツは俺の前を走りやがる。 悔しい。悔しい。アイツが走れなくなってしまえばいいのに。そうすれば俺が一番速く走れるのに。 イスラス「(……そんなわけあるかよ。俺は奴に感謝こそすれ、恨むことなんて出来ないはずなんだ……!)」 医者「(……むう、この男の目は未だに闇の力に飲み込まれておらぬ。 それほど意志が固いのか、何か特別な力に守られているとでも言うのか…… ふむ、暫く様子を見ることにするかのう。そのうち嫌でも『人』の本心を表すじゃろうて)」 黒いローブの医者……ガーネフは簡単に手駒へと堕ちないイスラスに対して苛立ちを覚えていた。 実際、後にイスラスは自ら仮面を踏み割り、闇の呪縛を抜け出し、彼らの組織から離別した。 本来ならば中山、ストラット、バビントンと並ぶ優秀な幹部となり、 ラムカーネ配下の四天王として君臨させるほどの逸材だったのにも関わらずである。 ガーネフ「(ふむ……ならば良い。代わりの駒はいくらでも存在しているのじゃからな。 この男に『俊足』の才能を提供した者。其奴にも接触してみることにするかのう)」 今思い返せば、あの男こそ自分のような『不安』を抱える者たちを集め、 ラムカーネの配下にしようと企むガーネフと言う名の老人だったのだろう。 イスラス「(俺は絶対に闇に呑まれたりなんかしねぇ。 だが、奴に追いつくために今の俺に足りないものがあるとするならば――)」
[467]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 20:18:18 ID:??? あの時に飲み込んだ『闇のオーブ』のかけらはまだ身体の何処かに潜んでいるはず。 力を望みさえすれば、自分は今以上の速さで走れるはず。 常に自分の前を走り、自分を導いてくれたあの金髪の男と同じ、いや、それ以上の速さで。 イスラス「――もう二度と、二度と使わんと決めていたが……」 仮面の男はさらに速度を上げ、人混みを巧みに使い自分を振り切ろうとしている。 例の仮面をつけていないと闇の力に飲み込まれるという老人の忠告が一瞬頭をよぎった。 だが迷っている暇はない。奴に追いつくためにはあの力が必要なのだから。 イスラス「うおおおあああああぁぁぁぁぁっ!!」 ガッ!ドドドドドドドドォッ!! ????「(!? 急に後ろからのプレッシャーが強くなった?)」 このままでは追いつかれる。捕まってしまう。そう思うとドキドキが止まらない。 誰かに並ばれる、追い越されてしまう。そんな緊張感との並走が本当にたまらない。 ????「いいねぇ、ついてこいよ。地獄の果てまで付き合うぜ!」 イスラス「(これなら追いつける。俺の前は誰にも走らせねぇ。 それが…それこそが、俺に走り続ける資格をくれたアイツへの償いだ)」 右足が地面を蹴る。その影が揺らめき左足をスムーズに前へと突き動かす。あとはその繰り返し。 イスラス「(なんだ、仮面がなくたって何も問題ないじゃないか。 風が顔にあたって気持ちいい。やっぱり走るのって楽しいな)」 今の自分は走ることだけに集中できている。余計なものが一切視界に入ってこない。 きっとあの仮面の男もそうなのだろう。だから速い。だから疾い。だから――。
[468]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 20:20:11 ID:??? パ ー ! パ パ パ ー ! ! だから自分が車が横行する道路に飛び出し、迫るトラックの存在にも全く気が付かなかったのだろう。 カイザー「うわわっあぶねぇぞイスラス!!」 中里「車が、車がきてるでござるー!!」 シャル「やだ……いやだーー!!イスラスーーーーーーッ!!!」 イスラス「(……声……?)」 ガ シ ャ ッ ! ! 世界が揺れた。強い衝撃を受けて回転する身体で見る世界は闇と呼ぶに相応しいほどに暗かった。
[469]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 20:21:14 ID:??? クライフォート「馬鹿野郎!……もう二度と使うまいと決めた技を、こんなにすぐに使わせるな!!」 イスラス「……クライ、フォート……」 三杉「まさか『ダーティディフェンス』がこんな形で役に立つとはね。 君を傷つけようとしたこの技が君を救うことになるなんて皮肉なことだ」 イスラス「……えっ……俺、今、何がどうなって……?」 先ほどまで仮面の男を追いかけるために全力で走っていたはずである。 周囲が見えなくなるほど走ることに集中することで、 ようやく、ようやく仮面の男を捕まえたと思った矢先のことだった。 ドールマン「馬鹿かオメェは!あんな車が走ってる所にいきなりとび出す奴がいるかー!」 マーガス「トラックに轢かれそうになったところをクライフォートが無理やり引きずり倒して止めたんだよ」 シェスター「まったく、心配をかけさせて。女の子を泣かせるなんてキミ、サイテーだよ」 ようやく事態が飲み込めてくる。既に辺りは暗かったが、先ほどまでのような真っ暗闇ではない。 倒れたままの体勢で空を見上げると、大粒の涙を目に溜めたシャルの顔が覗きこんできた。 シャル「バカ!バカバカバカ!バカーーーッ!!頭おかしいんじゃないの!? いくら泥棒を追いかけるためだからって、あんなコトして死んじゃったらどうするの!?」 カイザー「最近のココら辺の事故も急な飛び出しが原因ってこの間新聞で特集組んでたぞ」 中里「とにかく大事に至らないでよかったでござる。 泥棒も焦ったのかビクトリーノ殿の鞄だけは置いていったでござるから」
[470]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 20:23:24 ID:??? 三杉「後は警察に任せて、一旦寮の方へと戻ろうか。 ……大事な試合を控えている身としては、今のは少々お灸をすえる必要な行動だね」 イスラス「……す、すまん……」 三杉の絶好の貴公子スマイルを向けられ、珍しくイスラスが狼狽えた顔をする。 こうして、泥棒こそ取り逃がしたもののビクトリーノの鞄を取り戻すことはできた森崎たち。 スタジアム内で気絶していたマフィアの一味の男が警察に引き渡され、今回の騒動は一応の解決を迎えたかに思えた。 ブローリン「……と、ここまでが現場を見ていた中里たちから聞いた話だ」 仲間の指示に専念するためにスタジアム内に残っていた森崎は、 寮に戻ってから聞いたイスラスの無事にホッと胸を撫で下ろす。 森崎「ふーむ……仮面の男の正体は結局掴めずじまいか。 あれ以来、ビクトリーノもなんだかしょんぼりしちまってるし…… 今回の騒動、まだまだ色々と尾を引きそうな予感がするぜ……!」 チーム力強化のためにオランダ、アムステルダムを訪れた森崎たちブレーメン一行。 このまま穏便に親善試合が来る日を待つことはできるのだろうか。 そんな不安を枕にしつつ、遠征一日目の夜は更けていくのだった。 オランダシナリオT 『ブレーキ』 おわり
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0ch BBS 2007-01-24