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【早苗】鈴仙奮闘記28【サッカー好きか?】
[479]森崎名無しさん:2015/05/09(土) 23:38:20 ID:??? 一旦乙です さとり「なんだか嫌な予感がするわ……」 PA内のさとりさんぶち抜く自信があるとか怖い!
[480]森崎名無しさん:2015/05/10(日) 00:01:13 ID:??? ニコ動のカグロット動画のコメントにここの住人がいたw
[481]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/10(日) 02:03:55 ID:??? 更新再開します。 >>479 さとり様は犠牲になりますね… >>480 本当ですか!w今度探してみます。いつかカグヤコールのコメント弾幕が流れるのを夢見て! 輝夜「私のキャラを不当に貶めるのはやめろォ!?」……とか言われそうですがw
[482]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/10(日) 02:05:12 ID:??? 矢車「……止められたか。おい、橋姫」 パルスィ「名前で呼びなさいよ、妬ましい。どぉせ私なんて……」 空「うにゅ。パルスィさんの嫉妬のオーラに矢車さんの地獄のオーラが合わさって、なんか最強に見えてきた!」 お燐「うんうん、最強に暗くて気持ち悪いよね〜。 ――てなわけで、パルスィさんは手筈通りにお願いしま〜す」 パルスィ「……分かってるわよ」 矢車「本当は俺が指示する筈だったのに……。俺にはどうせ、いつまで経っても光を掴めない……」(←お燐の言葉にちょっと傷ついてる) 実況「さあ、勇儀選手のキックオフシュートを止められてしまった地霊殿サブタレイニアンローゼス! 慌てて中盤の矢車選手を中心に、パルスィ選手を霊夢選手へのマークに付かせて警戒を強めます!」 パルスィ「妬ましい……! JOKERを出しまくって覚醒しまくってて妬ましい……!」 霊夢「それって人違いじゃない?(しっかし、しつこいマークねぇ……動きにくいったらありゃしないわ。 ――ま、手筈通りにやってくれればそれで良いと思うけど)」 中里「(――霊夢殿の作戦によれば、サイドを上手く活用しろとの事。ならばここは……)それっ、姫君!」 バシッ……。 針妙丸「あいよっ。ありがとう!!」 実況「対する博麗連合は、右のSHである少名針妙丸選手にボールを預けてサイドアタック! 霊夢選手が居なくても、皆の力で勝利を掴み取るのが博麗連合の強みです!!」
[483]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/10(日) 02:06:13 ID:??? お燐「おっと、ここは小人は通行止めだよ。身長133cm以上になってから出直して来な!!」 針妙丸「その位、小槌があれば余裕よっ。小さいからって、バカにしないでね!!」 タッ! グンッ! バギイイイッ!! お燐「ふ、ふにゃあっ!?」 実況「そして針妙丸選手は自慢の直情的な突撃タックル――『進撃の小人』でお燐選手をふっとばし快速運行! 針妙丸選手はそのまま、バイタルエリア手前へとやって来ます!」 針妙丸「えっと、えっと……(霊夢は確か、GKのさとりって人は心が読めるから。 だから、出来るだけペナルティエリアの外の方からシュートを撃てば良い! ……って言ってたよね) ――ようし、だったらこの私の『輝針剣』で……!」 ――グワァァァァッ! 魔理沙「……待ってくれ」 針妙丸「……ほへ? ど、どうして?」 魔理沙「撃つな。――私に持ってこい。良い策があるんだ。カットされるのが不安なら、小町に落としても良い」 小町「ぐーぐー。四季様、あたしゃあ寝てませんよ。死神特有の冥想で、枯渇したマジックポイントを回復…… ――って、ハッ!? 今誰かあたいの事呼んだ!?」 さとり「……?(魔理沙さん。貴女は今PA内に居て、フォローに備えていたのでは。 ――一体何を考えて居るのかしら……? そしてあの死神。睡眠とアフターファイブ以外の事を何も考えていない! 試合中にも関わらず、ああも怠ける事に思考を持って行ける者が居たなんて。ある意味恐怖だわ……)」
[484]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/10(日) 02:07:36 ID:??? ――勇儀のシュートが止められると、博麗連合は事前の作戦会議通り、 中盤の要たる霊夢が防がれていても尚淀みなく攻勢を展開していた。 そうして今、博麗連合の切り込み役である針妙丸が今まさにシュートを撃とうとした時に、 ――他ならぬチームメンバーである魔理沙により、その動きを止められてしまう。 これは当の針妙丸やその他博麗連合のメンバー。(特に最前線でシエスタしていた小町) そして、いざ守勢に出ていた地霊殿サブタレイニアンローゼスのメンバーにとっても意外だった。 ヤマメ「……? よ、良く分からんけど、ペナルティエリア内は我らがさとりサマの根城! 来るなら大歓迎さね。まあもっとも――そのまま棒立ちしてくれた方が、ありがたいけどねっ!」 タッ! 針妙丸「……も、もうっ! 良く分からないけど――え〜いっ!」 バコンッ! 実況「針妙丸選手、ここで大きくセンタリング! ボールの行方は……死神の小野塚小町選手です! 彼女はこれまで平凡なストライカーでしたが、今大会にて突如ポストプレイヤーへと変貌! しかしそれが彼女の性に合ったのか、ことポストプレイに掛けては、地霊殿の霊烏路空選手以上の腕前とも評されています!」 魔理沙「小町、5秒だけ起きろ! 仕事だ!」 小町「え〜っ。今日の試合、ペナルティエリア内でのシュートはしないんじゃなかったのかい?」 魔理沙「時代は巡り往くんだよ! 良いから早く!」 小町「全く。若いモンは生き急ぐからいけないねぇ。 ……ほい、ほいっと!」 ポーンッ! ………パシッ。 実況「小町選手は危なげなく魔理沙選手に折り返します! ついて行ける者はどこにも居ません! ボールはそのまま………ペナルティエリアのど真ん中、古明地さとり選手の前に陣取る、霧雨魔理沙選手へと落ちていきます!」
[485]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/10(日) 02:09:47 ID:??? 魔理沙「さーて。これでお見合いだな。地霊殿のお姫さん」 さとり「……貴女が次に何をしようとしているのかは分かります。ですが、一つだけどうしても解せない事があります」 魔理沙「何だ? 言っちゃなんだが、私の思考はとても理路整然としているぜ? 魔法使いは論理が大事。複雑な術式も、細かいロジックの積み重ねにしか過ぎないからな」 さとり「……貴女がしようとしている事。それは勿論、この私の守りをもひっぺがす超強力なシュートを放つ事です」 魔理沙「まあ、そうだな」 さとり「ですが。そのシュートは地上から放てるミドルシュートですよね? だったら、無理してポストプレイをして貰ってまで。ペナルティエリア内でシュートを撃つ必要は無いと思いますが。 どうせなら、ペナルティエリアを離れて撃った方が良い。その方が決まる確率も高いでしょうに。全然論理的じゃないわ」 第三の目を通して映る圧倒的なシュートの全景を前にして。 さとりは怯えながらも気丈にそれを隠し、毅然と魔理沙に対して疑問を投げかける。その様子は淑女然とていた。 だから余計に、次に魔理沙が言い放った言葉がさとりにとっては野蛮で非条理的に聞こえた。 魔理沙はごく当然の事を説明するように、あっけらかんとこう言った。 魔理沙「――だって、当然だろ? 物語の主人公はいつだって、強大な敵の全力に立ち向かい、そして勝利する。 裏道やアイテムを使うのは、どうしても勝てない時の非常手段だ。そして――」 さとり「――『そして、今の私は、真正面からぶつかっても勝利できる』……ですか! 果たしてそれが、貴女の可哀想な思い込みに過ぎなければいいですね……!」 魔理沙「話が早くて助かるぜ。だから――勝負だ、怨霊も恐れ怯む少女・古明地さとり! お前の覚妖怪としての能力と――!」 さとり「………ッ!(――爆発的な力のイメージ! だけど……私だって負ける訳にはいかない!)」
[486]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/10(日) 02:11:02 ID:??? 魔理沙「――この私の……『ファイナルスパーク』との………真っ向勝負だァァァァァァァァァア!!」 グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! バギイイッ、ゴキッ! バギゴギイッ!! 魔理沙「(……ッ! 痛い! 足が千切れるように痛い!! でも……私は負けない!! ――これが私が今まで忘れていた痛み。主人公となる為には絶対必要な痛みなんだから………!!)」 さとり「――とめ、ます……!」 実況「ああ!! これは凄い! これは何だ!? 霧雨魔理沙選手が何と、ペナルティエリア内で、 あの古明地さとり選手に対して、真正面からシュートを放とうとしております! これは信じられない! 何故なら、人の心を読めるさとり選手には、ペナルティエリア内のシュートには滅法強い! そのシュートが如何なシュートであろうとも関係なく、さとり選手は高度な読心能力でシュートコースを割り出してしまう! それは一対一であっても勿論同じ! つまり、ことペナルティエリア内において、さとり選手は幻想郷最強のGKなのです!! あっ、魔理沙選手が今……地面を大きく削りながら足を踏み込んだ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」 魔理沙「はぁ、はぁ……!(レミリアが何だ。うどんげが何だ。 あいつらは結局妹や仲間に頼らなければ、最強のシュートは撃てないじゃないか! その点私は違う。私は自分一人でも、あいつらに負けないシュートが撃てるんだ……!!)」 ガリッ! ガリッ! ド ガ ガ ガ ガ ガ ッ! 魔理沙は振り足を地面に思いっきり埋め込んで、しかしそれにも関わらず、 まるで重機のような動きでボールへとインパクトを合わせに向かっている。 さとり「(……分からない。一体この少女はどうして、ここまでも自らを削って………!!)」 魔理沙があと僅かでそのシュートを解き放とうとする時、狼狽するさとりの思考の中に新たなイメージが浮かんで来た。 それは魔理沙の心を視た、彼女の第三の目からの情報だった。 さとり「(彼女の主人公への憧れ。挫折。そして再起――。そう、このイメージは……!)」
[487]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/10(日) 02:12:43 ID:??? 〜回想シーン〜 −???− ――私は物心ついた時から、自分自身こそが物語の主人公だと信じて疑っていなかった。 実際、私には溢れた才能があると思っていた。 里の子ども達でも中心的存在だったし、ほんの些細なレベルだけど魔法もどきの退魔術も使えた。 もっとも、子ども間の人間関係なんて流動的だし、退魔術くらい、 陰陽師とかの子どもだったらある程度使えても不思議ではなく、むしろ自分より上もゴロゴロいた。 勉強はそこそこだったし、スポーツも上の下くらい。 要するに、客観的に見て幼少時の私はどこまでも『普通』に過ぎなかった。 そして、それにも関わらず、私は自分が間違い無く特別な存在だと信じていた。 ……だから、家を勘当され魔法の森で住み込む事になっても後悔はないし、 むしろ普通じゃない境遇が重なった自分は、間違い無く主人公なのだという確信を強めてくれた。 途中で深い夜のローブを纏った足の無い魔女に師事し、昔から興味のあった魔術の力を強めた。 師匠は厳しかったが、周囲にライバルが居なかった事もあり、自分は師匠を除けば最強の魔法使いだと思っていた。 あの時、私は途方も無くバカだったけれど。その代わり、途方も無く幸福だったと今では思う。 そんな夢のような幼年期が終わり、辛い現実に曝されたのは何時だったろうか。 「……邪魔よ! どいて!」 「――ふふっ。あのお方の所には行かせないよ。貴女にはここで少しばかり遊んでて貰うわ。 もっとも、あたいがあんたをアンタを倒しちゃっても良いんだし……キャハハハハッ!!」 ――ああ、間違いない。黒歴史だ。 その当時の私は師匠の命令を受け、今ではおよそ考えられないバカ笑いで、 自分と同い年くらいの亀に乗った少女を一撃で焼き尽くそうと算段を立てていた。
[488]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/10(日) 02:14:04 ID:??? 「しかし不便よねぇ〜。亀なんかに乗らないと空も飛べないなんて! そだ、アンタをあたしの弟子にしてやろうか! そしたら、そうね……きっと三年位で箒で空でも浮けると思うわ。 あたしですら、飛べるようになるには一年半もかかったんだから!! キャハハハッ!」 「口の減らないヤツね。っていうかアンタ、一年半もかかったの」 「あたしみたく才能のあるヤツでも、ね! 知ってるかしら? この世は私を中心に回ってる、って事実にさ!」 ゴオッ、バババババッ!! 当時の痛い私は、(当時の私なりに)最高にカッコ良い言葉で決めると、 大した威力も無い火球を五発程度、如何にも暢気でとろそうな巫女に放ってやった。 「どうかしら! これがあたいの絶技……『フィンガーフレアスパークス』よっ!!」 両手の指でやるのは負担だったため、五発程度が限界だった。 しかしそれでも、あの巫女をやっつけるには充分だと思っていたらしい。恐ろしい事に。 巫女はそんな私の愚かさに対して、苛立たしげに首を振って。
[489]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/10(日) 02:20:08 ID:??? 「え〜い! その程度だったら里香の方が千倍マシよ! ……そんな案外というか元から全然大した事ない技。 ――こうだっ!」 バ! バ! バ! バ! バッ!! ――ギュン! ギュギュギュギュンッ!! ダッ! フワァァァッ………! 「うえっ……?」 その圧倒的な動体視力と反射神経。そして天賦の才とも言える武術への勘と素養。 その全てを駆使して彼女は私の魔法を容易く打ち破り。 しかも極め付けにそいつは亀から大きくジャンプして、『何も無しに空を飛んで』、 私の喉元にそのスラリとした足を振り抜いて――。 「――食らいなさい! ……天覇、風神脚ーーーーッ!!」 ズドオオオオオオオオオオオオオオンッ!! 「きゃ、キャァァァァァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」 天才的で煌めいた、本当に本当に綺麗なキックを私にぶちかました。 そんな少女を近くで見た私は、生まれて初めて心底惨めな気持ちになった。 何故なら、とろそうに見えたその少女はその実、自分なんかよりも数倍きれいで可愛くって。 そして、自分が持っていない才能を、溢れ落ちる位に持っていたのだから。 ――私はこの時始めて、自分がこの物語の主人公では無いのだという事実を思い知らされた。
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0ch BBS 2007-01-24