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【早苗】鈴仙奮闘記28【サッカー好きか?】
[501]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/10(日) 22:02:33 ID:??? 霊夢「――止めなさい。あのシュートは、アンタには荷が重すぎるから」 魔理沙「……えっ?」 ――腐れ縁と自負しながらも、これまで長い間魔理沙の努力、そして限界を見続けて来た霊夢以外は。 霊夢は魔理沙を険しい顔で睨んで、キックオフに備えて元のポジションへと戻って行った。 魔理沙はそんな霊夢の発言の意図を掴みきれず……。 魔理沙「(――く、くそっ。霊夢のヤツ。なんなんだよ。そんな事言われたら、折角の楽しい気分が……!)」 折角の新シュートに水を差された気持ちになって、憤然としてしまうのだった。 そして――。 ……ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!! 実況「さあ試合は地霊殿サブタレイニアンローゼスのキックオフから再開です!! 地霊殿チームはトップ下の矢車選手を中心に、堅実に試合を組み立てております!」 魔理沙「くそっ。ボールを寄越せっ!!」 矢車「……お前。良い顔をしてるな。俺と一緒に地獄に落ちるか?」 タッ――クイィッ! シュパァァッ! 魔理沙「あっ……!」 霊夢「ちょっと魔理沙、今のは取れた筈でしょう!(あーっ、やっぱりちょっとキツく言いすぎたかなぁ……。 でも、あのシュートだけは。魔理沙があのシュートを撃つのだけは避けさせないと……!)」
[502]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/10(日) 22:03:48 ID:??? ――1ゴール目を決めて以降も、地霊殿サブタレイニアンローゼスは諦めずに奮戦した。 確かに総合力的には、地霊殿サブタレイニアンローゼスは博麗連合に比べて圧倒的に劣る。 しかし、お燐のサイドアタックをはじめ、各所各所で長けた一芸を発揮しており。 前半終了間際まで、地霊殿サブタレイニアンローゼスは1−0の状態で辛うじて持ちこたえていた。 パルスィ「(とはいえ、やっぱり相手の守備力が妬ましいまでに高すぎる。 第二のゲームメイカーであるアリス・マーガトロイドのパスカットに、ボランチの永江衣玖の渋いタックル。 巫女を抜きにしても、中盤からしてここまで厄介なのに、最終ラインのブロック力、タックル力も高い。 一体どうやって攻めろって言うのよ……!!)」 この時勇儀から零れたボールをフォローしていたパルスィは、 妬ましげかつ冷静に博麗連合の実力を冷静に分析していた。 辛うじて持ちこたえていた……と言うのは聞こえが良いが、 彼女達は全力を出してなお、1点差を埋める事ができないでいるのである。非常に苦しい戦いだった。 そして、苦しいからこそ、プレーにも綻びが出てしまい――。 霊夢「とりあえずボールは頂くわ!」 タッ、ズザアアアアアアアアアアッ、バシッ! パルスィ「くっ……妬ましい! だけど、『橋姫』の怨念はこれ程で、は……!?」 タッ……グンッ。 バァァァッ! 霊夢「あのね。怨念がいくらあろうと、地面に這いつくばってちゃあ、空を飛ぶ巫女には届かないでしょ!?」 パルスィ「何ですって……!」
[503]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/10(日) 22:04:52 ID:??? 実況「あ〜っと! ここでパルスィ選手、霊夢選手へのマンマークについていた事が災いし、 逆にボールを持った僅かな隙を突かれて奪われてしまった! そして持ち前のしぶとさも、『空を飛ぶ程度の能力』を持った霊夢選手には通用しない! 前半戦ももはやロスタイムを残すのみ! そしてゴール前には先程凄いシュートを決めた霧雨魔理沙選手が! 地霊殿サブタレイニアンローゼス、前半終了と同時に2失点だけは何としても避けたいが〜〜〜!?」 こいし「や、やばいよ! ここはさらばサッカーしてでも止めなくちゃ……!」 グィッ……。 霊夢「邪魔ッ!」 ブウン……ッ!! こいし「な、なにィ!? 消えた!? 突然消えるなんてお前はバケモノかぁ!?」 ヤマメ「いや、こいしちゃんだって消えてるじゃん」 実況「霊夢選手はこいし選手の執拗なタックルにも全く動じない! 天才的なフェイントでまるで分身消滅したように見える必殺の『博麗幻影』で、ゴール前へと迫ります!」 霊夢「……よっし。これで後は――!」 ――パルスィは霊夢の動きを自由にしてしまう。そうなると、後はもう流れるままだった。 かつて『スーパーシューティングプレーヤー』と称えられた霊夢の圧倒的個人技は健在。 ……いや、むしろ前よりも成長している位であり、パルスィやこいしと言った有象無象ではどうにもならない。 博麗連合は前半終了間際という絶好のタイミングで2点目を狙える位置に来ていた。
[504]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/10(日) 22:06:10 ID:??? 魔理沙「……れ、霊夢! さっきヘンな事言ってたけど……アレは冗談だよな! だから私に――!」 実況「そしてPA内に控える魔理沙選手は、霊夢選手に対して必死にボールを要求しています! これはやはり、あの『ファイナルスパーク』を使う構えなのでしょうか〜〜〜!?」 観客「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」 「いっけー! 魔理沙ー!」「レミリアやうどんげじゃない、お前がナンバーワンだー!」 「さとりにトラウマを植え付けてやれー!」「サトリ サトリ サトリ サトリ」「お前三文字だったら誰でも良いのか」 ――そして、そうなると必然的に、観客達の注目は先程鮮烈なゴールを決めた魔理沙へと移っていく。 あの無敵の『ファイナルスパーク』が、容赦なくさとりを病院送りにしてしまうのではないか。 そんな嗜虐的な興味も籠った、熱狂的な声援もあり、場の空気はますます強まる。 ボールを持った霊夢は一瞬の逡巡の後、大きく右脚を振り上げて――。 霊夢「(…………魔理沙)――それっ、小町! 一旦アンタに繋ぐわ!」 バシッ! 小町「ふわ〜い」 実況「霊夢選手、ここは直接では無く一旦小町選手のポストプレイを経由するようです! サイドにはけてから小町選手にセンタリングを放つ!」 魔理沙「霊夢……! ありがとな、私絶対決めてみせ――」 魔理沙は、霊夢が自分にボールを出してくれると無理矢理にでも信じていた。 眠そうに瞼をこすりつつ、しかし距離を操ったのか途轍もない跳躍を見せる小町の足元へと魔理沙は向かう。 ――しかし。
[505]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/10(日) 22:08:20 ID:??? ――タッ! 霊夢「――小町! 来い! 私に持ってこい!!」 魔理沙「れい、む……?」 実況「……いや、お待ちください。小町選手が出したポストプレイの先は――魔理沙選手では無く、霊夢選手! そして霊夢選手はトラップよりも先に高い浮き球に飛びついて、オーバーヘッドキックの体勢を取ります! もしやこれは〜〜〜〜〜!?」 さとり「『巫女サマーソルト』……では無いですよね。そう、この技は―――!!」 霊夢「アンタの想像通りよ、さとり! 悪いけどアンタの能力、私の『空を飛ぶ程度の能力』には聞かないし。 遠慮なく、決めさせて貰うわ!! ――行くわよ!」 グルンッ、グワアアッ! 霊夢「『夢想封印――瞬』!」 バッシュゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!! ――ギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルッ!
[506]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/10(日) 22:10:41 ID:??? ――霊夢は魔理沙にボールを渡す事をせず、あくまで自分で決める事に拘った。 小町のポストプレイで安定した位置へと掲げられたボールは、地上の魔理沙では無く天上の霊夢の物だった。 彼女は自力で昔発明した、空中での夢想封印――『夢想封印 瞬』を、さとりが守るゴールへと撃ち放った。 さとり「(……ッ! シュートコースが読めない! いや、読めていたとしても。これは………!!)」 天高くから一気に撃ち落とされて、地面スレスレで重力に反するように再び天へと舞い上がって行くドライブシュート。 その軌道は普段の霊夢の気質の如く爽やかな晴天であったが、それ故にさとりには眩しすぎた。 さとりは必死でボールに飛びつくも、シュートはその手をすり抜けていき――。 ――バシュウウウッ! ズバァァァァァァァァッ! ピピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ! ピッ、ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!! 魔理沙「(な、なんでだよ。なんでだよ……霊夢! 何時もはそうやって、無駄に出しゃばるお前じゃないのに……!!)」 魔理沙の声に出ない狼狽をよそに、霊夢はごく当然の如く2点目のゴールを決める事に成功した。 そして、地霊殿サブタレイニアンローゼスは懸命に動いたにも関わらず、 2点のビハインドを負った状態で後半戦を迎える事を強いられる事になった。 博麗連合2015 2 − 0 地霊殿サブタレイニアンローゼス 前半終了!
[507]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/10(日) 22:17:55 ID:??? ――と、言ったところで恐らく今日の更新はここまでです(汗) 出来れば12時頃に更新したいですが、出来ても文章だけの投下となります。 余談ですが、今日は例大祭で東方新作が発表されましたね。 私は仕事も忙しくて行けないのですが、今日はずっとネットでネタバレ情報を漁ってました(爆) 詳しくは一応ネタバレという事で言いませんが、自機になった鈴仙のセリフがカッコ良くて吹きましたw 新作の要素については、ストーリーの都合上大体的にとは言えませんが、また拙作にも取り入れていきたいですね。
[508]森崎名無しさん:2015/05/10(日) 22:23:24 ID:??? >矢車「……お前。良い顔をしてるな。俺と一緒に地獄に落ちるか?」 また口説いてるw乙ロット!
[509]森崎名無しさん:2015/05/10(日) 22:33:45 ID:??? ファイナルスパークをダブルハット(6発)分打つとか、それなんてストーリーモード敵使用www 勘弁してください(震え声
[510]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/10(日) 23:33:26 ID:??? ***** 魔理沙「な、なんでだよ! 何でさっき、私に渡してくれなかったんだよ!?」 霊夢「……………」 ――二点差で前半戦を折り返したにも関わらず、 ハーフタイム中の博麗連合の控室は険悪なムードに包まれていた。 理由は勿論、前半終了間際のワンシーンにある。 魔理沙「小町のポストプレイさえあれば、私も充分ペナルティエリア外で撃つチャンスがあった! 霊夢はトップ下だから、無理をしてまで体力を消耗するシュートを撃つ必要は無い! なのに、どうして………! どうしてあの時、私にボールをくれなかったんだよ!!」 魔理沙は霊夢の襟首を掴んで問いただす。 何時もの霊夢は、人のプレーを軽く咎める事はあっても、明確に禁止の意を告げたりはしない。 自由奔放にさせておいて、それなのに皆が何となく纏まっているというのが普段の彼女らしい姿だった。 折角凄いシュートを開発したのに認めて貰えなかったという子供っぽい感情が相まって、 魔理沙は友人に対して明確な怒りと動揺を露わにしていた。 霊夢「…………」 霊夢はかぶりを振って、魔理沙の問いかけに応えようとしない。 しかしそれは無視や拒絶では無く、言うべき言葉を選んでいるようにも見えた。
[511]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/10(日) 23:34:53 ID:??? 衣玖「まあ、まあ。喧嘩はいけませんよ。どうでしょう、ここは空気の読める私の顔に免じて――」 霊夢「……いや。アンタは別にいらない」 針妙丸「でもさ、霊夢も何か言わないと。じゃないと魔理沙も怒りっぱなしだと思うよー?」 アリス「そうよそうよ。友達は大切にすべきよ、霊夢?」 霊夢「別には私はアイツと友人でもなんでも……えーいっ」 しかし、そんな霊夢の態度では魔理沙は勿論周囲の穏健派なチームメイトも納得しない。 無言を貫き通す霊夢の態度に対しても、少しずつ非難が集まっていく。 森崎「(おっ。これは俺のキャプテン就任のチャンスか?)」 そんな騒ぎを楽しむ者も約一名程度はいたが、多くの者はこんな空気が愉快な筈が無い。 霊夢も堪忍したのか、俯きながら苦々しげに言葉を紡いで行く。 霊夢「……悪かったわよ。でも、少し言い出しづらくってさ。 アンタのその、新シュートを決めてアホみたいに喜んでる姿を見てると」 魔理沙「……アホで悪かったな。お前、試合後屋上な」 霊夢「どこの屋上よ。大体幻想郷で屋上のある建物も珍しいっつの。……紅魔館くらい?」 魔理沙「プリズムリバーの廃洋館には確かあったぜ。日向ぼっこくらいしか出来ない狭さだけどな。 地霊殿はダメだ。早苗が子どもの頃良く行ってたらしいネズミの王国の城みたいな、とんがった屋根しかない」 霊夢「ネズミの王国? 外の世界にもネズミの獣人は居るのねー。そういやネズミと言ったら、私の神社にもナズーリンが……」
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0ch BBS 2007-01-24