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【優勝】キャプテン森崎48【エンディング】
[126]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 11:29:41 ID:j1NDR9eE カルロス「結局俺達はこうやって走り続けて己の道とゴールを確かめるしかないのさ…たぶんな」 コインブラ「そうだな…お前が上手くやってくれたからここに入れた。有難う」 カルロス「気にするな。昔お前が助けてくれたから、今の俺があるんだ」 こうしてこの二人はレアルに入団し、その凄まじいばかりの実力を遺憾なく見せつけ先輩達も監督も唸らせていた。 この二人ならばこの超名門でもスタメンを確保するのは難しい事ではない。それは誰もがうなずく事だろう。 カルロス「これからは貸し借りは無しだ。3人で頑張っていこう!」 コインブラ「ああ…!………3人?」 だがそんな二人にも不安材料はある。いや、カルロスの視点では三人と言うべきか。 カルロス「ん?俺とお前とアーサーの3人だろ。誰かほかに居るのか?」 コインブラ「いや、アーサーは俺の事だろう…?」 カルロス「何を言っているんだ、お前はコインブラじゃないか。アーサーはこっちだよ」 コインブラ「え?…それは俺があの時あげたボール…(な、なんだ?カルロスの目が…!)」 カルロス「 違 う ッ ! ! 」 コインブラ「!!!?」 自分の幼少期の行いと選択がどんな結果をもたらしたか。コインブラは今日初めてそれを知った。
[127]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 11:31:27 ID:j1NDR9eE いったんここまで。 次がおそらく最後の本編の更新となります。
[128]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 16:09:07 ID:j1NDR9eE 〜森崎 有三〜 この長い長い物語の最後に、主人公森崎有三の事を語ろう。 彼の得た栄光については最早語るまでもなく、数多のサッカークラブが札束を積み上げたのもまた然り。 そして彼がこれで満足する筈もなく、更に上を目指し更に多くの物を欲したのも周知の通り。 だがそんな彼でもサッカーをしていない事もあるし、サッカーとは関係ない物を求める事もある。 陽子「ごめん、待たせたかしら?」 森崎「何、俺もついたばかりだよ」 最初は日本サッカー協会の一員として彼をサポートしていた陽子は何時しか彼が 欲する対象となり、彼に密かに憧れていた彼女もそれを喜びやがて受け入れた。 この日二人は南葛市の小さな喫茶店で待ち合わせをしていた。 森崎「さ、まずは何か注文しようぜ。何がいい?」 陽子「…それが…ごめん。今は何も喉を通りそうにないの」 森崎「へ?なんでだ、病気か?それなら帰って寝た方が…」 陽子「見せたい物があるって言ったでしょ?…その中身が、怖いの…」 森崎「…なんだよ、一体何だってんだよ」 陽子「………兄さんが…父さんから預かってきた手紙…貴方宛よ…」 森崎「!!!!」 見て貰いたい物がある。そう言って陽子が森崎と会いたがった日だった。
[129]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 16:11:47 ID:j1NDR9eE 森崎「…分かった。読んでみる」 陽子「…はい、これ」 片桐兄妹を縛り付けたがっていた彼らの父親からの手紙。 森崎はペナルティキックを待ち構える時の様な緊張感みなぎる表情でその手紙を受け取り。 森崎「拝啓…森崎有三殿…」 陽子「………」 まずは手紙に書かれた自分の名前を読み上げ。 森崎「前略………」 陽子「………」 時候の挨拶の省略を読み上げ。 森崎「……………?」 陽子「………」 そこから不可解そうな表情になって押し黙り。 森崎「……………!」 陽子「………?」 黙ったまま焦りと苛立ちを顔に浮かべ。
[130]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 16:13:44 ID:j1NDR9eE . 森崎「…達筆過ぎて読めねぇ」 ドシャッ! 陽子の顔面をテーブルに打ち付けさせた。 陽子「はぁ〜…私が読み上げるわ」 森崎「お、おう…」 庶民出身で最終学歴が日本の公立中学校と言う悲しさか、日本のビジネス界のエリート階級の 書く字は森崎には判別不能だった。呆れればいいのか責めるべきではないのか悩んだ表情の 陽子が手紙を取り返し、流石は上流階級育ちの才女と言うべき朗朗さで手紙を苦も無く読み上げる。 陽子「拝啓、森崎有三殿。前略。君の事は既に調べ上げてある。大胆不敵にして即断即決を尊ぶ男と聞いたので、 無意味な挨拶や美辞麗句は抜きにして用件のみ書く事にする…うわ、父さんがこんな書き方をしたの初めて見たわ」 森崎「へえ…まあ長々と訳分からない事を書かれるよりは良いか」 陽子「続けるわね…まずはワールドユース選手権優勝おめでとう。私はサッカーは大嫌いだが、 ただの球蹴り遊びと馬鹿にするつもりはない。どんな分野であれ、世界一になると言うのは並大抵の事ではない。 正直な話、陽子の件が無ければ我がグループのCMのオファーを出したい位だ。だが現実として例の件がある」 森崎「……………」
[131]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 16:15:03 ID:j1NDR9eE 陽子「そこで結論から言おう………私は…えっ?」 森崎「な、なんだ?」 手紙の内容は二人に少なくない驚きをもたらした。 陽子「私は…君と陽子の関係を邪魔するつもりはない………ハッキリ、そう書いてあるわ…」 森崎「…マジかよ。続けてくれるか?」 陽子「う、うん。何故なら君は最早日本国民のヒーローであり、そしてこれから大いなるブームとなり得る 日本サッカーと言う産業のシンボルだからだ。片桐総合グループが国民的英雄ともめ事を起こしても 何も良い事はない。秘密裏に事を進めたとしても、一般人はともかくライバル企業には隠し通せない。 そしてそこまでやって上手く行ったとしても、叶いかけた夢と愛する男の両方を奪われた陽子に期待はできない。 魂を失って抜け殻となるか、もしくは歪な復讐を企てるか。どちらもビジネスマンとして許容出来ないリスクだ」 森崎「……………」 陽子「よって、私はただ二つだけ君に頼みたい…時々でいい、私の妻を陽子に会わせてやって欲しい… そしてその際、万が一にも私と鉢合わせしない様前もって知らせて欲しい。ただそれだけだ。 私は二人の子供に逃げられた父親失格だ。せめて夫としては失敗したくない…」 森崎「……………」 陽子「以上…追伸。この手紙は下種なマスコミに嗅ぎつけられない様燃やしてくれ。片桐総合グループCEO…」
[132]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 16:16:51 ID:j1NDR9eE いずれ敵対してくるのではないかと思われた存在からの唐突な宣告と頼み。 それらを読み上げ終えた時、陽子の目には光る物があった。 陽子「…父さん………」 森崎「父親失格…夫としては失敗したくない、か…」 陽子「…私、馬鹿だったのかな。勝手に父さんを敵だって決めつけて…話し合おうともしないで…」 森崎「それは………分からないな。何かが違っていたら、本当に強引な手段で来ていたかも知れないぜ」 陽子「そう…なんだよね。邪魔しないって言っている理由も、ビジネスの理由だし…」 森崎「だから、これからでいいだろ、これからで。お母さんの協力があれば、その内和解出来るかも知れないしさ」 陽子「…うん。思っていたよりずっと良い結果になったんだから、これから頑張れば良いよね!」 森崎「(ホッ…良かった。陽子相手だとチームメイトみたいに扱う訳にはいかないし、毎回ドキドキもんだぜ)」 古来より男は女の涙に難儀する物である。森崎程悪知恵と度胸を持ち合わせた男も例外ではない。 だが今回は陽子の方が気持ちを切り替えたがっていたのが幸いし、 森崎はこれ以上生卵が敷き詰められた床を歩く様な思いをせずに済んだ。 陽子「これから頑張ると言えば、有三も移籍先のクラブでちゃんとやらなくちゃね」 森崎「フッ、誰の心配をしているんだよ。俺がサッカーで手を抜く訳ないだろう?」 陽子「まあ、そうなんだけど…ほ、惚れた弱みよ」 森崎「(時々フッとこういう恥じらいを見せるから侮れないぜ)」
[133]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 16:18:58 ID:j1NDR9eE 二人の話題は勿論サッカー。二人の過去も現在も未来もサッカーが占めている。 やりたい事を思いっきりやれて、それで金と名声と達成感を得られる二人は間違いなく幸せなのだろう。 そこに互いを理解しあえるパートナーが居るのなら、きっとどんな苦難にも負ける事はない。 森崎「陽子の方はどうなんだ?今日本サッカー協会は超忙しいんじゃないか?」 陽子「うーん、協会は確かにそうだけど私はどちらかと言えば下っ端だからそこまででもないのよね。 兄さんなんか過労死するんじゃないかって言う勢いで走り回っているから、心配なんだけど… 私は今度は欧州の方を担当する事になったから、実は今はちょっと暇な位よ」 森崎「へえ?欧州でどんな事をするんだ?日本人選手のサポートか?」 陽子「うん、それも仕事の一つだわ。だけどそれは基本的に選手達の代理人任せだから、 それよりももっと重要な仕事があるのよ。欧州のプロリーグをキッチリと参考にしなくちゃね」 森崎「リーグを参考に?…まさか」 日本サッカーの次元その物が変わったこの時代に生きた者達は後に生ける伝説となる。 選手として試合と言う前線で戦った選手達。支持者として競技普及に努めた関係者達。 陽子「そう…遂に日本にもプロサッカーリーグが出来るのよ。その名も、Jリーグ!」 森崎「Jリーグ…!」 陽子「貴方に憧れた少年達が、未来の日本代表を目指して戦う為のプロリーグよ!」 彼らの中でも特に功績が大きく、良くも悪くも大目立ちした一人の男がこう呼ばれている。 森崎「よーし、この日本代表キャプテン森崎有三が後輩達をいっちょ揉んでやるか!」 日本サッカーの歴史に大いなる覇王あり。その名はキャプテン森崎。
[134]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 16:21:02 ID:j1NDR9eE . . こうして森崎達は日本代表として二度目の世界制覇を成し遂げました。 . 最早彼らを侮る者も日本をサッカー弱小国呼ばわり出来る者も世界の何処にも居ないでしょう。 . 彼らは今や狙う立場ではなく狙われる立場。 . 年齢制限の無い世界で数多の国々の選手達との死闘が待っています。 . ユースでは上手く行ってもプロでは大成出来なかったケースは山ほどあり。 . 未だ未熟きわまる日本のサッカー環境は彼らを孤立無援にし。 . そして日本代表としてはオリンピックとワールドカップと言う二つの頂点が待っています。 . 私の語り手としての力は尽きましたが、彼らの戦いはまだまだ続きます。 . ここから先のドラマと試合でも森崎達はきっと奇想天外な物語を紡ぎ続けてくれるでしょう。 . それらを夢見る余地を残して、ここで筆を置かせて頂きます。 . 長きに渡るご愛読とご参加、誠に有難うございました。
[135]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 16:22:44 ID:j1NDR9eE . . キャプテン森崎 ワールドユース編 第四部 ワールドユース本大会編 . ならびに . キャプテン森崎 . 完 . 2 ◆vD5srW.8hU .
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0ch BBS 2007-01-24