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【レイセン】鈴仙奮闘記33【アレアレオー】
[587]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/30(水) 01:19:25 ID:??? 空中に映像が投影された。機械によるものなのか、魔術的な何かによるものなのかは分からない。 兎に角、鈴仙が空を見ると、空には雲の代わりに幻想郷のどこかの屋内であろう映像が映された。 ざわざわ、ざわざわ……! 恐らく鈴仙と同時にそれを見上げているであろう、外界の報道陣のざわめきが一層大きくなる。 神経を映像に集中させるよう鈴仙が意識していると、やがて一人の女性が空に映し出された。 ……無論、それはおぞましくも胡散臭く。内に狂気を抱えた様子の八雲紫その人だった。 紫「……皆さま。御機嫌よう」 紫は恭しく礼をした。報道陣の一部には早くも彼女の人間離れした美しさに目を惹かれたようで、 窓越しに男が「ほう……」と息を漏らす声が鈴仙にも聞こえた。 紫「外界の皆さまも、本日は沢山遊びに来て下さり光栄です。 私、この幻想郷を取り仕切る、八雲紫と言う者ですわ。宜しくお願いいたします。 さて。今日ですが……この間発表した、『幻想スーパーJr.ユース大会』について、一つ告知をしたく思いますわ」 「ガヤガヤ、ザワザワ……」「え? なんだって?」「幻想、スーパー……?」「取り仕切る? 市長か何かか……」 そして紫が説明を進めるにつれ、報道陣のざわめきは具体的な声となって広がっていく。 もはや映像に集中しようと思っても出来ない位に、永遠亭の外からの音は大きくなっていた。
[588]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/30(水) 01:20:33 ID:??? 鈴仙「これは……八雲紫は今から、この投影放送でメンバーの発表をするつもりなんですね!?」 永琳「――全幻想郷選抜メンバーの発表には、おあつらえ向きの舞台ね。 幻想郷の住人のみならず、外の世界……と、もはや表現して良いのか分からないけれど。 少しでも多くの人に、大会の概要を告知できるいい機会だわ」 鈴仙「(八雲紫は、より大きい大会で霊夢を優勝させれば、かつての秩序が戻ると信じている。 そして、より大きい大会にするには……幻想郷の住人や外国のサッカー選手だけでなく。 その他の外界の人間達を巻き込んだ方が良い、と判断したのね……)」 永琳の皮肉交じりの考察を聞き、鈴仙は紫の目的を思い出しつつ考察を深める。 その間、紫はメンバー発表に先立って、もう一度大会のルールや概要について説明を行っていた。 具体的には、以下のとおりだった。
[589]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/30(水) 01:22:27 ID:??? ※『幻想スーパーJr.ユース大会』 ルール ○出場チーム かつてのJr.ユース大会に出場した12か国に、追加枠としてブラジル等3か国の選抜チーム。 それに全幻想郷選抜チームを加えた計16チームが優勝を競います。 チームメンバーについては各チーム最大23名。大会中のメンバーの変更は可能です。 ○予選リーグ 4チームずつ4ブロックに分かれてリーグ戦を行います。 上位2チームが決勝トーナメント進出となります。 前後半30分ハーフで行われます。 勝利は3点、敗北は0点、引き分けは1点として扱い、3戦した際に最も多くの点数を獲得したチームが優勝となります。 なお、同点のチームが複数いた場合、得失点差、得点数の順番で順位を決めます。 延長戦やPKはありません。 反則についてですが、レッドカード、もしくはイエローカード累積2枚で退場した場合、 次の試合には出場出来なくなってしまうので、ご注意下さい。 『3』人まで選手交代可能です。 ○決勝トーナメント 予選通過の8チームで再度抽選を行い、組み合わせを決定します。 前後半35分ハーフで行われます。 同点だった場合、前後半15分ハーフ、Vゴール形式での延長戦を行い、 それでも決着がつかない場合はPKで勝負を決める事になります。 予選リーグのイエローカードの累積はリセットされます。 『3』人まで選手交代可能です。 ○その他 上記ルールについては、今後変更の可能性があります。
[590]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/30(水) 01:24:23 ID:??? 紫「……さて。私達はこの大会を実行するにあたって、 全幻想郷選抜メンバーを選定するべく、一度選考大会を行いました。 そして本日まで厳正な審査を重ねて、今! そのメンバーを発表いたします!!」 紫が大会のメンバーを発表したのは最後の最後だった。 流石の外界の報道陣も幻想郷における有力者の名前までは把握しておらず、 日本に残された最後の未開の地に興奮する事に疲れたのか反応は薄かったが、 鈴仙達幻想郷の住人にとっては、一部は順当に。しかし一部は少し意外な選手が 選ばれていた事もあり、それなりに興味深かったのは事実だった。 紫「……私からの発表は以上。大会は今から6カ月後の4月某日、 幻想郷にあるサッカースタジアムにて行われますので、こうご期待を……」 ――スッ。 そして、映像は途切れた。 鈴仙「――幻想郷選抜メンバー、決まりましたね。師匠……」 永琳「そうね。私もきちんと入っていて良かったわ。ウドンゲは残念だったわね」 鈴仙「いえ……私と師匠がどうなるかはうすうす分かってたので、大丈夫です……」 にわかに静まった永遠亭の実験室で、鈴仙と永琳は二言三言の会話を交わす。 鈴仙は永琳に大丈夫とは言ったものの、今回のメンバー発表を聞き、 改めてプロジェクト・カウンターハクレイの一員として動く覚悟が出来たのも事実だった。 鈴仙「私。もう行かなくちゃいけないんですね……」 永琳「そうね。……安らかなゆりかごの眠りはもう終わり。 貴女はこれから自ら立ち上がり、真実を見つけなくてはならないわ。 そして、世界の嘘を。闇を――払い尽くす事を私は望んでいます」
[591]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/30(水) 01:31:42 ID:??? 残る懸念は一つだけとなった。 ……鈴仙の幻想郷からの出立。プロジェクト・カウンターハクレイのキャプテン候補としての巣立ち。 これからどうなるかは分からないにせよ、目的を果たすまでこの永遠亭には戻って来れないのは確かに思える。 永琳が言った通り、鈴仙は自ら立ち上がる時を今ここに迎えたのだ。 永琳「……さようなら、鈴仙。次に会うのは――運命の時。即ち……大会の決勝戦よ」 鈴仙「……………はい」 永琳「では、気を付けて……。――と、言いたいところだったけれど」 そして手を握り、一時の別れを交わすその直前に――永琳はふと部屋の入口を覗き込んだ。 染み一つ無い襖張りのその空間に何があるのか。そう思った鈴仙が倣おうとすると――。 永琳「ウドンゲ、右に避けなさい」 鈴仙「えっ!? ……!?」 ――パァン! 耳をつんざく大音量が部屋を駆け抜けた。 永琳の指示を受けて即座に右へ飛び出した鈴仙は、その音の正体に覚えがあった。 襖に空いた黒い穴、そしてその直線の先に埋まったものを摘む。それは―― 鈴仙「……銃弾」 永琳「どうやら。招かれざる客はマスコミだけじゃないようね。 ……ウドンゲ。出発する前に死んだらカッコ悪いから、気を付けなさい」 永琳は冗談っぽく笑うも――鈴仙は心底冗談じゃないと思った。
[592]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/30(水) 01:33:02 ID:??? …と、言ったところで今日の更新はここまでです。 皆さま、本日もお疲れ様でした。
[593]森崎名無しさん:2015/12/30(水) 05:57:41 ID:??? >上記ルールについては、今後変更の可能性があります。 やっぱりチーム数の変化かな。自分たち、ハイパーカンピオーネ、イヌカマッセ王国etc 乙です
[594]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/31(木) 00:00:37 ID:dummy0o2 こんばんは、書いてる途中ですが長くなったので一旦切って更新します。 >>593 乙ありがとうございます。チーム数については16のままにして、 新チームやハイパーカンピオーネは、既存の国枠(カナダ、マレーシア等)を後から買収したという形で登場させようと思っています。
[595]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/31(木) 00:02:13 ID:??? 鈴仙「一体、今度は何なんですか!?」 永琳「……あんたがプロジェクト・カウンターハクレイに合流したら困ると思っていて。 なおかつ、銃器を持った私兵を雇える余裕のある勢力の仕業ね」 鈴仙「そ、その位は推測できます。それがどこかが……って、きゃわわわっ!」 パァン、パァン!! 永琳「考えるのはその位にして、あんたは早く姫様と合流しなさい。 姫様が、ここからあんたを送り出す手段を持っているから!」 鈴仙「は、はい……! 師匠は……!」 永琳「私はここを守る。中山君達やウサギ達の安全は保障するわ。 ……さあ。いち、にの、さんで出るのよ。銃なんてそう簡単に連射できるものじゃないからね。 タイミングを掴めば被弾は避けられる筈――と、この程度の説明は不要だったかしら?」 鈴仙「――私だって、伊達に兵士やってませんでした。きっと無事に出発しますよ! ……それーーーっ!」 バッ! ダダダダダッ! ――パァン、パン、パン! ババババババッ! 鈴仙「(めっちゃ連射してるじゃないですか、師匠……! ていうか、一杯居る……軍服を着た兵士が! これは一体、どういう事なのかしら……!?)」 永琳との別れを済ませた鈴仙は、永遠亭の廊下を駆け抜ける。 そこでは現代風の軍服に身を包んだ私兵と思しき兵士たちが、拳銃やマシンガンを手に鈴仙を着け狙っていた。
[596]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/31(木) 00:05:39 ID:??? 兵士A「いたぞ! あれが鈴仙・優曇華院・イナバだーっ!」 兵士B「生死は問わん、必ず捕まえろ!!」 パン、パァン! 鈴仙「よ、容赦ないわね! それっ!」 シュンッ、スカッ。パン、パァン! 兵士C「こっちか!」 鈴仙「甘いわ。鈴仙キックを食らいなさい!」 ブン、ドゴオオッ! 兵士D「ならば――」 兵士E「三人掛かりだ!」 兵士F「三人に勝てる訳ないだろ!!」 鈴仙「それなら……私の瞳が、アンタ達の認識を歪めるわ!」 ブウウウン……グラリ、バタン。 男たちは容赦なく鈴仙の心臓や頭部を狙って銃を連射する。 物理的な銃撃のみでは、玉兎たる鈴仙を絶命させるには足らぬ筈であるが……。 それは常識を否定する、幻想郷の結界があった事も大きい。 結界が破れ、妖怪と人間の境界が曖昧になりつつある今、銃撃をまともに受けたらどうなるか。 ――脳裏に浮かぶ「死」の恐怖を抑えながら、鈴仙は卓越した身体能力を駆使して逃げ切った。 (窮地の際、鈴仙の「狂気の瞳」が役立った事も大きかった)――そして。
[597]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/12/31(木) 00:06:53 ID:??? 〜永遠亭・玄関口〜 ワアアアアアア……!? ガヤガヤ……! アナウンサー「て、テロが発生しました! 我々の侵入に呼応して、現地の警察が動いたのでしょうか!? しかし彼らは我々に匹敵する程高度な文明機器を手にしており、幻想郷地区の政治体制の謎が、ますます深まりました! か、カメラマン。早く我々も避難を……ぎゃわーーーっ!?」 ボーンッ! パン、パン、パァン!! ウサギD「うわーーん、つかさちゃーーん!」 つかさ「大丈夫よ、Dちゃん……あっ、こっちにも兵士が……!」 兵士「お前が鈴仙・優曇華院・イナバか!?」 グッ、パァン! ……ガシイッ! 輝夜「――おお〜っと。ウチのペットにオイタをするとはメチャ許せんわね。 あんたなんか……冥王星にブン投げてやるわ! それぇーーーーっ!」 ブン、ブンブンブンブン……バヒュウウウッ!! ――キラーン。 鈴仙「――姫様、相変わらずスゴイ馬鹿力ですね。……でも、凄いです!」 輝夜「おっ、漸く来たわねイナバ。アンタが来るまでにこっちは準備で忙しかったんだから!」 ――輝夜が待つ永遠亭の外庭は、廊下以上に混沌としていた。 先程から輝夜をインタビューしていたマスコミ陣は物々しい乱入者に慌てふためき、 早々に逃げる者や報道を続ける者が滑稽に右往左往している。 そんな中、百はあろうかと思われる迷彩服の兵士達が永遠亭のウサギ妖怪を脅迫しつつも、 多くは輝夜の剛腕と見事な弾幕によって、バッタバッタと薙ぎ払われている。
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0ch BBS 2007-01-24