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【希望は】鈴仙奮闘記42【魔界より】
[86]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 15:01:40 ID:??? …と、言ったところで一旦ここまでです。星をメキシコに派遣させたのは日向の絡みもありましたが、 それ以上に富裕層の日本人がサッカーボールをあげるシーンを、星で再現したかった事がありました(爆) 文章パートはもう少し圧縮して、目標として次の更新(目標今夜)でメキシコ編終了、魔界に出発だ! ……と、いう感じにしたいと思っています。
[87]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 16:26:02 ID:??? ***** 〜アンダーメキシコシティ・スラム街〜 ナズーリン「鼠妖怪の本性か、清潔な街ってのが嫌いでね。私にはこっちの方が合ってるのさ。 それに毎日毎日、ご主人の事を一々心配してやるのもバカバカしいし。 こうして一人で暮らしている時の方が、却ってせいせいするよ」 白蓮「無縁塚に居を構えている貴女らしいわね。……ですが、嘘はいけませんよ。 本当は、貴女は星の事を心配している。上層都市のチームメイトから虐めにあっていないか。 忘れ物をしていないか。宝塔を落としていないか。……違いますか?」 ナズーリン「……ハハッ。やはり貴女には敵わないか」 ナズーリンは、星ともにとりとも離れ。プレート下のスラム街でも更に治安の悪い地区に住んでいた。 この地区には上層部に繋がる通路があり、当初彼女は星を探しに上層部へと向かおうとしたが。 最近彗星の如く現れ、地区の治安を向上させている女主人が居ると聞き、 その正体が主人である星が師と仰ぐ超人・聖白蓮であると知ったため。彼女は白蓮の補佐をする事を決意していた。 白蓮「……ですが、ちょっと意外でした。命蓮寺からも距離を置く貴女が、私の手伝いを優先してくれるなんて」 ナズーリン「あまりに見てられなかったからさ。それに、このあたりは本当に性質の悪い連中が多い。 厳重な治安組織の居る上層都市住まいのご主人は勿論、 にとりが居る地区はまだマシな連中が多いから、心配していないけれど。 貴女はいつ、命を狙われてもおかしく無いのだから。 ……もしも貴女に危害が加われば、それこそ、ご主人様は私を許してはくれまい」 白蓮「ありがとう。でもお蔭で、貴女の力には本当に助かっています」
[88]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 16:27:03 ID:??? 白蓮は屈託の無い笑みを浮かべそう話す。 彼女は本来、全幻想郷選抜代表として選任され、監督である紫の命令によって、 メキシコへとサッカー留学に来たのだったが……これは行動派の彼女のこと。 この町に渦巻くあまりに酷い格差に憤ると、内定していた上層都市の名門チームへの加入を拒み、 スラム街に居を構え、自ら行動を起こして一人一人の住民の救済を行っているという事だった。 白蓮「命蓮寺を代表する者として、来たる大会では全力を尽くしますし、サッカーの修行は怠りません。 ですが――それにかまけて行動を起こす事を躊躇っていては、それは誠に空虚なものです。 仮に困難な理想であったとしても。やる前から諦めていては、何事も始まりません」 そう強く語る彼女の法力により、住民の生活は確実に改善されている。 しかし当然、外部からやって来て街を変えようとする女を嫌う者は絶えない。 ナズーリンは情報を集め、白蓮の身を守る為にあらゆる手を尽くして来たのである。 ナズーリン「私こそ感謝したい。貴女から直々に、サッカーの訓練を付けて貰えた事は僥倖だった。 お蔭で、ドリブルとタックルについては、世界でも通用する腕前になった気がする」 白蓮「私が教えられるのは、貴女の小柄な体躯を活かすための身のこなし。 それと、相手からボールを奪う為の体術の基礎くらいですから。でもそれが、貴女の血肉となるのなら。 私こそ、貴女に感謝しなくてはなりません。なんでも感謝です」 ナズーリンは報酬を受け取らなかったが。 代わりに幻想郷――いや、世界でも有数のサッカー選手でもある白蓮から、訓練を受けていた。 そのため、彼女の実力はメキメキと上達し。一芸だけではあるが、世界でも通用し得る選手へと成長を遂げてもいた。
[89]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 16:28:08 ID:??? ナズーリン「……む」 ナズーリンがそうやって、白蓮との談笑を愉しんでいた時。 彼女が斥候として命を与えた配下の鼠から、気になる報告を受けた。 ナズーリン「聖。どうやら、上層部の方で大規模なテロがあったそうだ。 社長杯――あの日向小次郎が主催する大会に、ここアンダーメキシコシティの住民が乱入したらしい」 白蓮「確かに、彼らの生活はまだまだ苦しい。ですがまさか、このような行動に出るなんて……!」 白蓮は嘆きつつ、口惜しさを隠せないでいた。彼女は確かに、力を用いて問題を解決する事もあった。 しかしそれは、他に手段が無い為であって、決して暴力による支配を肯定している訳ではない。 そしてそんな中、ナズーリンの斥候は更なる情報を彼女達に与える。 ナズーリン「む。こ、これは……! ご主人様の宝塔では無いか! ――お前達、これをどこで!?」 妖力で知能を与えた鼠達から事情を聴きとるナズーリン。鼠達によると、この宝塔はテロの起きたスタジアムで拾ったらしく。 今まさに、星自身もテロリスト達から避難をしている最中であるとのことだった。 白蓮「行くしか、ありませんね」 ナズーリン「ああ。しかし、どうしようか。ここには、上層都市に行く為の隠し通路はある。 しかし、歩いて行っては時間がかかる。かと言って飛ぶのも、外界に与える影響からして望ましくない」 白蓮「その心配はありませんよ、ナズーリン。何故なら私には、――この子が、居ますからね」 そして、決意した白蓮の行動は気持ちが良い位に早い。彼女は即座に立ち上がると、 決して広いとは言えない住居の奥に消え――。
[90]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 16:29:26 ID:??? ブオン。ブロロロ……ッ! 白蓮「さあ、行きましょうナズーリン。星を助けてあげないと!」 ナズーリン「ば、バイク……!? それもこの大きさ……1200ccクラスの大型じゃないか!?」 白蓮「ええ。なんでも、その。”ぶいまっくす”とか言う名前らしくて。結構乗り心地が良いんですよ。コレ」 ナズーリン「(殆どレーシング用の、モンスターバイクじゃないか……!)」 白蓮「さあ、ナズーリンも後ろに乗ってください。しっかりと私の腰に腕を回してね」 ナズーリン「え、ええっと……ちょっと勇気がってどううひゃぁぁぁぁっ!?」 ガシッ! ブロロンッ! ドゴオオオオオオオオオッ! ――そのまま、ナズーリンを片手で掴んで後部座席に乗せると、フルスピードで住居の戸を轢き破ってしまう。 ナズーリン「(ああ、聖。貴女はまさしく超人だ。それこそあの、豊聡耳神子にも比肩する程の……! 私のような凡庸な妖怪には、貴女のそのペースにはついていけないよ……!?)」 同じく高い理想を掲げながらも、優柔不断に思い悩む星と即断即決で行動に移せる白蓮。 この二人の違いについて思いを馳せながら、時速200km超で突進するバイクの後部座席で、 ナズーリンは意識を失いつつあった――。
[91]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 16:31:23 ID:??? ターボババアもといターボおねいさんが出て来たところで一旦ここまでです。
[92]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 20:09:10 ID:??? そうして、白蓮とナズーリンが危機に瀕する星(と傍観するにとり)に合流してからの展開は早かった。 彼女は法力で呆然とするエスパダス達を取り押さえると、ものの僅かな時間で折伏し。 エスパダス「聞いた事がある。ビャクレンって僧侶が、メチャクチャに荒れてた地区を 短時間で纏め上げたって。まさか、こんな女だったなんてな……」 ロペス「スラム街の一部の奴らも、彼女を崇拝しているらしい。 真の平等とは、彼女こそが創り上げるべきだ。ビャクレンを次期大統領にすべきだ、ってな」 スアレス「ってなると、俺らが無為に楯突くのも筋違いって事になるのか……?」 アルベス「むしろ、ビャクレンさんと協力して、スタジアムをもっとむちゃくちゃにしちまえば……」 白蓮「……貴女達の行動の全てを否定するつもりは私にはありません。 ですが、もしも私ならば、よりよい手段を取る事が出来るでしょう」 星「手段……。とは、何でしょうか、聖」 白蓮「実力で抗うのです。ただし、それは暴力では無い。サッカーで。そして……」 この場は一旦落ち着いたが、白蓮は遠巻きに見ているエスパーニャ。 そして、にとりの迷彩を看破した上で、彼らを指さし、こう宣言する。 白蓮「上層都市の方。そして下層都市の方。この両者が協力して打ち倒すのです。 そもそもの悲劇を招いている元凶――日向小次郎を!」 白蓮は語った。そもそも、なぜこの都市は上層と下層に分かれているのか。 それは恐らく、不満の矛先をヒューガーから逸らす為にあるのだと。 下層の民は上層の民に憧れ、あるいは敵視し。上層の民は下層の民を見下し、あるいは畏怖する。 プレートの上と下という、あまりに明白な格差を作り出し、その間の対立を煽る事で、 ヒューガーは上層民への重税や下層民の搾取に関する不満を避け続けて来たのではないか――と。
[93]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 20:10:32 ID:??? ナズーリン「カーストを作り出しつつ、自分自身は最上位層として批判を免れる……か。 発想こそあれども、実際に街の構造を『そう』作る事で実行するだなんて事、普通は思いつかないよ」 エスパーニャ「まあ、俺としちゃあ普段の生活が続けばいいんだけどさ。腹が立たないって言えば、ウソになるな」 最初は消極的な立場だったエスパーニャやにとりも、白蓮の筋の通った説明を聞き、 敵は下層(上層)都市民ではなく、ヒューガー自身であると考えるようになり。 ――かくして、貧富の差を乗り越えた連合軍は瞬く間に造られたのだった。 星「(やっぱり、聖は凄い。私が思っていながらも出来なかった事を、いとも容易くやってのけた。 ……私はまだまだ、弟子として修行が足りません。早く私も、聖のようになりたい。 聖のように、悩まず、迷わず。そして最善の手を取れるようになりたい……!)」 ***** 日向「ククク……まさかお前らの方から賭けサッカーを望んで来るとはな。 良いだろう。再びサッカーが出来ぬよう、貴様等のハラワタを喰らい尽くしてくれるわッ!」 ――そして、彼らはいよいよ決戦の日を迎えた。 もはや無視できない程の支持者と影響力を持った白蓮が、 日向に対してメキシコシティの自治権を賭けたサッカーの試合を持ちかけて来たのである。 聖白蓮を中心に、星、エスパーニャ、にとり、エスパダス、彼の友人のアステカ戦士達の連合軍と、 日向小次郎を中心に、エリート社畜(ソルジャー)・沢田、力を求める修羅・若島津。 そして成り行きで同行する若島津の師・茨木華扇他優秀なる社畜(ソルジャー)達に加えて――。
[94]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 20:11:33 ID:??? フラン「アハハハハッ! お姉様の選んでくれたレールに沿って生きるのはもうウンザリ! これからの私は、自由に生きてやるんだから!」 ――かねてより姉に対して不満を抱いていたフランドールが加入するヒューガー軍。 この両者は激しくぶつかり合った。 日向「ククク……死ねい!『ワイルド・ネオタイガーショット』ォーーー!!」 ドゴオオオオオオオオオオオオオッ! にとり「ひゅ、ひゅーひゅー……こ、怖くないぞ! 『真・のびーるアーム』……!」 バゴオッ! バチイッ! エスパダス「(すげえ。あのシュートを弾きやがった……。俺がGKだったら、まず無理だったろうに……!)」 にとりは自慢の機械で失点を抑えるも、日向やフランドールの恐ろしいシュートですっかり自信を失っていたが。 それでも、試合中通して失点を最小限に抑え、最低限の仕事はこなした。 タケシ「これで止められると、反省レポート(5000字以上)を書かされるんです! 許してください!」 ナズーリン「非常に罪悪感はあるが。……抜かせて貰う!」 ススッ! 華扇「(あ、アレ? 一体どうして私はこんな事を? そもそも私は若島津の修行に付き合っていただけでは……?)」 ナズーリン「隙ありだ、仙人!」 ズザアアアアアッ、バシイッ!
[95]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 20:14:19 ID:??? ナズーリンも、白蓮から教わったドリブル技術とタックル技術を活かし、随所随所で光る働きを見せた。 この二人が健闘する中、星の当初の活躍は今一つだった。 星「喰らいなさい、『アブソリュートジャスティス』!」 バゴオオオッ……! ガシイッ! 若島津「どうした、その程度か。ならば殺す!!」 ズンッ! バギイイッ! 星「ああぁぁぁ……ッ!!」 ナズーリン「ご、ご主人!? しっかりしろーーっ!」 星「はぁ、はぁ。この程度は掠り傷です。まだ、やれます……!」 未だ自分への弱さと、皆を導き続ける白蓮への劣等感から試合に集中できない星は、 何度もシュートを放つも、その全てが失敗。逆に競り負けて負傷を負っていまう。 日向「ククク……それでは、そろそろ全力を出させて貰うかな――タケシ!」 タケシ「は、ははははははいっ!」 その中で、日向は更に一同を絶望させる。ハーフタイム中、日向はタケシに命じて、自分の体を巻く鎖を ――「オレのバランス矯正ギプス」を外させると、その動きは一段と向上したのである。 そして――。
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0ch BBS 2007-01-24