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【希望は】鈴仙奮闘記42【魔界より】
[91]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 16:31:23 ID:??? ターボババアもといターボおねいさんが出て来たところで一旦ここまでです。
[92]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 20:09:10 ID:??? そうして、白蓮とナズーリンが危機に瀕する星(と傍観するにとり)に合流してからの展開は早かった。 彼女は法力で呆然とするエスパダス達を取り押さえると、ものの僅かな時間で折伏し。 エスパダス「聞いた事がある。ビャクレンって僧侶が、メチャクチャに荒れてた地区を 短時間で纏め上げたって。まさか、こんな女だったなんてな……」 ロペス「スラム街の一部の奴らも、彼女を崇拝しているらしい。 真の平等とは、彼女こそが創り上げるべきだ。ビャクレンを次期大統領にすべきだ、ってな」 スアレス「ってなると、俺らが無為に楯突くのも筋違いって事になるのか……?」 アルベス「むしろ、ビャクレンさんと協力して、スタジアムをもっとむちゃくちゃにしちまえば……」 白蓮「……貴女達の行動の全てを否定するつもりは私にはありません。 ですが、もしも私ならば、よりよい手段を取る事が出来るでしょう」 星「手段……。とは、何でしょうか、聖」 白蓮「実力で抗うのです。ただし、それは暴力では無い。サッカーで。そして……」 この場は一旦落ち着いたが、白蓮は遠巻きに見ているエスパーニャ。 そして、にとりの迷彩を看破した上で、彼らを指さし、こう宣言する。 白蓮「上層都市の方。そして下層都市の方。この両者が協力して打ち倒すのです。 そもそもの悲劇を招いている元凶――日向小次郎を!」 白蓮は語った。そもそも、なぜこの都市は上層と下層に分かれているのか。 それは恐らく、不満の矛先をヒューガーから逸らす為にあるのだと。 下層の民は上層の民に憧れ、あるいは敵視し。上層の民は下層の民を見下し、あるいは畏怖する。 プレートの上と下という、あまりに明白な格差を作り出し、その間の対立を煽る事で、 ヒューガーは上層民への重税や下層民の搾取に関する不満を避け続けて来たのではないか――と。
[93]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 20:10:32 ID:??? ナズーリン「カーストを作り出しつつ、自分自身は最上位層として批判を免れる……か。 発想こそあれども、実際に街の構造を『そう』作る事で実行するだなんて事、普通は思いつかないよ」 エスパーニャ「まあ、俺としちゃあ普段の生活が続けばいいんだけどさ。腹が立たないって言えば、ウソになるな」 最初は消極的な立場だったエスパーニャやにとりも、白蓮の筋の通った説明を聞き、 敵は下層(上層)都市民ではなく、ヒューガー自身であると考えるようになり。 ――かくして、貧富の差を乗り越えた連合軍は瞬く間に造られたのだった。 星「(やっぱり、聖は凄い。私が思っていながらも出来なかった事を、いとも容易くやってのけた。 ……私はまだまだ、弟子として修行が足りません。早く私も、聖のようになりたい。 聖のように、悩まず、迷わず。そして最善の手を取れるようになりたい……!)」 ***** 日向「ククク……まさかお前らの方から賭けサッカーを望んで来るとはな。 良いだろう。再びサッカーが出来ぬよう、貴様等のハラワタを喰らい尽くしてくれるわッ!」 ――そして、彼らはいよいよ決戦の日を迎えた。 もはや無視できない程の支持者と影響力を持った白蓮が、 日向に対してメキシコシティの自治権を賭けたサッカーの試合を持ちかけて来たのである。 聖白蓮を中心に、星、エスパーニャ、にとり、エスパダス、彼の友人のアステカ戦士達の連合軍と、 日向小次郎を中心に、エリート社畜(ソルジャー)・沢田、力を求める修羅・若島津。 そして成り行きで同行する若島津の師・茨木華扇他優秀なる社畜(ソルジャー)達に加えて――。
[94]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 20:11:33 ID:??? フラン「アハハハハッ! お姉様の選んでくれたレールに沿って生きるのはもうウンザリ! これからの私は、自由に生きてやるんだから!」 ――かねてより姉に対して不満を抱いていたフランドールが加入するヒューガー軍。 この両者は激しくぶつかり合った。 日向「ククク……死ねい!『ワイルド・ネオタイガーショット』ォーーー!!」 ドゴオオオオオオオオオオオオオッ! にとり「ひゅ、ひゅーひゅー……こ、怖くないぞ! 『真・のびーるアーム』……!」 バゴオッ! バチイッ! エスパダス「(すげえ。あのシュートを弾きやがった……。俺がGKだったら、まず無理だったろうに……!)」 にとりは自慢の機械で失点を抑えるも、日向やフランドールの恐ろしいシュートですっかり自信を失っていたが。 それでも、試合中通して失点を最小限に抑え、最低限の仕事はこなした。 タケシ「これで止められると、反省レポート(5000字以上)を書かされるんです! 許してください!」 ナズーリン「非常に罪悪感はあるが。……抜かせて貰う!」 ススッ! 華扇「(あ、アレ? 一体どうして私はこんな事を? そもそも私は若島津の修行に付き合っていただけでは……?)」 ナズーリン「隙ありだ、仙人!」 ズザアアアアアッ、バシイッ!
[95]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 20:14:19 ID:??? ナズーリンも、白蓮から教わったドリブル技術とタックル技術を活かし、随所随所で光る働きを見せた。 この二人が健闘する中、星の当初の活躍は今一つだった。 星「喰らいなさい、『アブソリュートジャスティス』!」 バゴオオオッ……! ガシイッ! 若島津「どうした、その程度か。ならば殺す!!」 ズンッ! バギイイッ! 星「ああぁぁぁ……ッ!!」 ナズーリン「ご、ご主人!? しっかりしろーーっ!」 星「はぁ、はぁ。この程度は掠り傷です。まだ、やれます……!」 未だ自分への弱さと、皆を導き続ける白蓮への劣等感から試合に集中できない星は、 何度もシュートを放つも、その全てが失敗。逆に競り負けて負傷を負っていまう。 日向「ククク……それでは、そろそろ全力を出させて貰うかな――タケシ!」 タケシ「は、ははははははいっ!」 その中で、日向は更に一同を絶望させる。ハーフタイム中、日向はタケシに命じて、自分の体を巻く鎖を ――「オレのバランス矯正ギプス」を外させると、その動きは一段と向上したのである。 そして――。
[96]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 20:15:37 ID:??? 日向「括目せよ。これが俺様の新奥義!!」 グワァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!! バリバリバリバリバリッ!!! 日向「――ライトニング……タイガァァァァァアアアアアアアアアアアアアッ!!」 バゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ! にとり「……ひゅい? こ、これって……!!」 タケシ「ああーー! もう終わりです! 日向さんが沖縄での個人修行で身に着けた新技、 『ライトニングタイガー』は、地上にある電イオンを摩擦により600万℃までに上昇させ、 疑似的なプラズマを作り、それをレールガンの要領で打ち出してる、真の殺人シュート!! このシュートを食らったゴールキーパーは、どてっぱらに風穴が空いて死ぬんです!!!」 彼は最強の技をもって、反乱軍を鎮圧しようとする。キックオフの位置から放たれたシュートだが、 フランドールの猛攻も相まって疲弊したにとりに、このシュートを止める術はない。 万事休す。ぼんやりと走馬燈を眺めていたにとりは――。 ズ ン !! 白蓮「はぁ……はぁ……と、止めまし……た」 腹に最大の風穴を開けながら仁王立ちした白蓮が、自分を庇われていた事に気付いた。 にとり「な……なんでだよ。幾ら何でも、やりすぎだろ……!私、あんたの弟子でも何でもないのに……!?」 白蓮「仏教において慈悲とは……苦を抜き、楽を与える事です。 そして、人間や妖怪にとっての最上の苦は、即ち死。ですから、私は……貴女を、楽にしたかった、だけです……」 殺人シュートを急所に受けた白蓮は倒れ伏せる。もう永くないように思えた。
[97]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 20:16:41 ID:??? 星「聖、……ひじりぃ! しっかりしてください……!!」 試合を投げ出し、星は倒れた師に対して駆け寄った。彼女は虚ろな目で星に対して微笑んで。 白蓮「……星。貴女は、あなたのままで……強く、なりなさい」 星「無理です……! 私は弱いです。私は、メキシコに来ても、何も出来なかった!! 一人では日向も倒そうとすら思えず。こうして戦う事も出来なかった!! 私には無理なんですよ。聖……! 私は、臆病で優柔不断で……!」 白蓮「星。貴女は自信を持ちなさい。貴女の臆病は、私には理知的で賢明に見えますし。 優柔不断だって、悪い事じゃあない。優しくて、柔らかくて、断つ事が出来ないだけなんですから。 ――貴女は、私にならなくても良い。貴女は、あなたらしく……ゴホッ!」 ナズーリン「もう無理だ! 早くスウェーデン産のメディカルマシーンに! でないと危ない!」 日向「ククク……自由に使え。流石の俺も、人が死なれちゃ寝ざめが悪いんでな」 星「(私は、私らしく……決して、聖にならなくても、良い。聖白蓮の代理では無く。 寅丸星という妖怪として。私は――皆を導く!)――日向、小次郎……!!」 重傷を負いながら退場する白蓮を前に、星はこれまでの悩みを漸く捨て去る。 そして――。 星「……私は、貴様と比べても無力だ。周囲の助けがないと何も出来ないダメ虎だ。 ――で? それがどうした。私はそれでも戦う。……それが私の決めた意思だから! 見ていろ! これが私らしく磨き上げた、完全なる浄化……!」 グワァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ……!
[98]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 20:17:50 ID:??? 星「これより正義を執行する! ――『コンプリート……クラリフィケイション』ッ!」
[99]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 20:20:49 ID:??? カッ! ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!! バギドゴグシャァァァアァッ! 日向「成程、な。甘ちゃんは甘ちゃんのままだったが。吐き気がする位、 甘ちゃんを突き抜けて来たってワケか。こりゃあ……面白い!」 星は覚醒し。新たに得た自身最強の地上シュート――『コンプリートクラリフィケイション』により、 ヒューガー軍から合計3点をもぎ取り、試合に勝利した。 ――もっとも、試合終了間際の日向はほくそ笑んでおり。 果たしてこれが本当に彼の真の本気であったか否かは未だに謎めいてはいたが。
[100]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2018/01/14(日) 20:22:48 ID:??? ***** 白蓮「私が出来る事はやりました。後は、このメキシコシティの街をどうしていくかは、皆さん次第です」 エスパダス「フン……まあ、少しは認めてやるよ。お前のお蔭で、少しは生活がマシになったってな」 エスパーニャ「俺らの生活は酷くなったけどなァ。ま、ムダ使いも省けて、貧乏人からのヘイトも減ったから良しとするかね」 壮絶なヒューガーとの試合を終えてから数日後。すっかり完治した白蓮は、愛車に跨って支持者達に別れを告げていた。 ヒューガーはあれから約束どおりメキシコシティでの自治権を放棄。 白蓮は差別の温床となるプレートを力づくで叩き割って、街は混然としつつも、元の活気を取り戻しつつあった。 星「聖……。ありがとうございます。貴女のお蔭で、私は自分自身を見失わずに済みました」 白蓮「いいえ。貴女が成長したのは、貴女自身がそれを望んだからです。 他人は、あくまでその人の成長を後押しする事しか出来ません。 そして、人間の――妖怪の成長とは即ち、意思の力の成長。 貴女が、よりよい自分を望み、そうなりたいと思い続けたからこそ、今のあなたがあるのですよ」 白蓮は約束の期日が来た為に、幻想郷へと戻り、全幻想郷選抜と合流する事となる。 事情は知っているものの、別れを惜しむ星は、ふとこう聞いてしまう。 星「……私達と共にブラジルに渡り、鈴仙と戦うのは如何ですか」 白蓮「それは出来ません。私は、幻想郷に戻る必要があります。 豊聡耳神子。我が命蓮寺の地下に廟を構え、幻想郷の支配を虎視眈々と狙う者。 ――彼女が、本格的に動き出しています」
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0ch BBS 2007-01-24