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【花の都の】キャプテン岬2【色物達】
[383]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/02(土) 20:06:43 ID:S3FVxcpM 所用につき、しばらく席を離れます。今日中に続きを投稿出来るとは思いますが、 何時位から再開出来るかは不明です。
[384]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/02(土) 23:00:50 ID:S3FVxcpM A 岬『もしもだけどさ……生徒の命が危ないって聞いたら、どうする?』 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 岬「(そろそろ遠回しに僕達の危機について、話してみよう)」 今後の事を考え、これからの準備としてほんの少しずつお告げの事について話をする事にした。 これから学校内で仲間が見つかり、協力を求める事となった際、いきなりでは混乱が大きすぎる。 少しでも責任の大きい人間に話を通しておいて、いざというときに説得を容易にしておきたい。 岬「もしもだけどさ……生徒の命が危ないって聞いたら、どうする?」 聖薇「命、ですか」 岬「うん。自分だけじゃなくて、例えば僕や如月さんとか、学校の誰かが危ない人に襲われたら」 聖薇「その時はこの命にかけても守ります」 要件を伝えきる前に、ゆるみの無い口調でピシリと宣言した。 真面目な顔つきと声色で断言する様子からは、その場の思い付きや冗談を発する時に感じられる軽みは見られない。 聖薇「学校で毎日を過ごすあなた達の安全と安心を守るのが、風紀委員長に与えられた使命です。 恐怖におびえる人がこれから1人も出ないように、体を張ってでも守ってみせます」 岬「(『これから』?)」 ただ、何か引っかかる言葉も聞こえてきた。 これから。 何か以前にあったのだろうか。その事も気になって話を続けようと思った時だった。 あずみ「ヤッホーっ、久しぶりー岬くん!」
[385]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/02(土) 23:05:59 ID:S3FVxcpM A 岬『もしもだけどさ……生徒の命が危ないって聞いたら、どうする?』 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 岬「(そろそろ遠回しに僕達の危機について、話してみよう)」 今後の事を考え、これからの準備としてほんの少しずつお告げの事について話をする事にした。 これから学校内で仲間が見つかり、協力を求める事となった際、いきなりでは混乱が大きすぎる。 少しでも責任の大きい人間に話を通しておいて、いざというときに説得を容易にしておきたい。 岬「もしもだけどさ……生徒の命が危ないって聞いたら、どうする?」 聖薇「命、ですか」 岬「うん。自分だけじゃなくて、例えば僕や如月さんとか、学校の誰かが危ない人に襲われたら」 聖薇「その時はこの命にかけても守ります」 要件を伝えきる前に、ゆるみの無い口調でピシリと宣言した。 真面目な顔つきと声色で断言する様子からは、その場の思い付きや冗談を発する時に感じられる軽みは見られない。 聖薇「学校で毎日を過ごすあなた達の安全と安心を守るのが、風紀委員長に与えられた使命です。 恐怖におびえる人がこれから1人も出ないように、体を張ってでも守ってみせます」 岬「(『これから』?)」 ただ、何か引っかかる言葉も聞こえてきた。 これから。 何か以前にあったのだろうか。その事も気になって話を続けようと思った時だった。 あずみ「ヤッホーっ、久しぶりー岬くん!」
[386]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/02(土) 23:07:41 ID:S3FVxcpM 今日はこれまでにいたします。思ったより再開に時間がかかり過ぎてしまいました。 明日はもう少し投稿できるようにしたいです。
[387]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/03(日) 22:20:42 ID:m0OntpQw これより投稿を開始いたします。なお、幕間にて演出の都合上 物語描写の視点が変更されます事をご了承願います。
[388]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/03(日) 22:22:06 ID:m0OntpQw 教室後ろのドアから、短髪サッカー少女が現れる。 会話中である事などお構いなしの開けっぴろげなあいさつの後、トタトタとこちらへ歩み寄ってドカリと隣の席に座りこむ。 あずみ「あらやだデート中だった?面白そうねえたまには忘れ物してみるもんだわ」 聖薇「早川さん」 再び指で眼鏡の縁を押さえ、あずみちゃんを問い質す。顔は険がかかっていて、傍目にも苛立っているのが分かる。 聖薇「人との話中に割り込んで放埓に座り込んで茶々を入れるなど、少々無礼が過ぎるのではありませんか」 あずみ「うるさいわねえ、クドクドクドクド行儀に注文付けて 華道教室の師範のお小言ですかこのヤロー。三つ指ついてお辞儀しないとおしゃべりもできない訳?」 聖薇「早川さん!この際ですからあなたに話しておきたい事があります、あなたは少し自由奔放すぎます! 学校は成績が良ければいいというところではありません。 身を修めて行いを正し、世に出て人から後ろ指を指されぬような生き方を身に付けていくところです。 それをあなたは自分はおろか、他人まで巻き込んで遊び回って」 あずみ「他人までって、もしかしてあたしのゲームセンターに友達連れて行った事?それならこっちも言ってやるわよ! あたしの所へ遊びに来る友達に、1人のワルもいないんだから! あたしより勉強出来るのも一杯いるし、優しい人もいーっぱいいるわ!」
[389]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/03(日) 22:23:24 ID:m0OntpQw まさに泥沼。性状的に反りが合わないらしく、数分もしないうちにいがみ合いをはじめてしまった。 このまま喧嘩されては収拾がつかない。早いところどうにか収めなければ。 あずみ「だいたい……」 聖薇「そもそも……」 パアン! 言い争う2人の間に手を伸ばし勢いよく叩く。不意打ちと高音で2人とも動きが止まったのを見計らって、事態の収拾を図る。 岬「そこまで。こっちの話は、えっと、今度早乙女さんの家で テストとかをするって事なんだから。そう聞かれて困る話じゃないよ」 命の危機については伏せておきながら、あらましをさっと述べ、解決案を提示してみる。 岬「そういえば話を聞いて思いついた事があるんだけど、早乙女さん。今度の勉強会に早川さんも招いてみたら」 聖薇「えっ、それは」 あずみ「いやよ!こいつの家で勉強なんて」 岬「まあまあ、勉強するのは僕だけだから、あずみちゃんは家でゆっくりしていればいい。 早乙女さんの家は珍しいものがいっぱい置いてあるから、退屈しないと思うよ。 それに如月さんも一緒に来る予定になっているから」 あずみ「如月って、千早の方?」 岬「そう。如月さんとは仲が良いの?」 あずみ「姉っていうより弟の方はね。うちの所にあの双子ちゃん達に 連れられてやって来たことがあって、それ以来一緒に楽しくやってるわよ。 それが縁で千早とも知り合って、時々おしゃべりするようになったかな」 岬「そうか。それは良かった」 聖薇「岬さん、ちょっと」
[390]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/03(日) 22:24:45 ID:m0OntpQw 横から聖薇が口を挟んでくる。異議を差し込まれる前に機先を制する形で、彼女に話しかける。 岬「早乙女さん、早川さんとは何回か色んな場所で交流の場を持った事があったけど、元気で真面目で裏表のない、良い子だと思う。 一度親しくつきあう場を作って話し合えばきっと理解しあえると思う。どうかお願いします」 聖薇「え、いや、そんな」 聖薇に向けて頭を下げる。恭しく懇願する姿を見てうろたえ気味に相手は僕の言葉を受け止め、観念して提案を了承した。 聖薇「分かりました。母に頼んで早川さんも受け入れてもらえるようにします。ただし食事が始まるまでの間 マロニエの調理の手伝いをしてもらうのが条件です。手伝うといってもそれほど多くはありませんから、 見物をしたり話をする時間は十分にあります。それでいいですね」 あずみ「そうね。そういえばコイツの家に来るのも初めてだし、マロニエ料理を作るのも初めてだから、 いい暇つぶしになりそう。うん、行くわ」 岬「うん、決まり。それじゃあ時間も遅くなったし、残りは歩きながら話そう」 こうして半ば強引に仲直りの場を持たせた後、疑問を持たせぬうちに席を立たせ帰路につかせた。 これまでの様子からしてテスト時間中の聖薇は僕に付きっきりでもう1人は千早を加えて調理に勤しむだろうし、 食事中は僕が仲裁に加われるからどうにかなるだろう。こうして、 どうにか事が大きくならないうちに、家路につく事ができたのであった。 *早乙女家の食事会にあずみも加わる事になりました! 登場人物間の感情が明らかになりました! あずみ→(うるさい)→聖薇 聖薇→(だらしない)→あずみ
[391]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/03(日) 22:26:19 ID:m0OntpQw 第22−23話間幕間 『知らせ』 早乙女「マロニエよし、もち米よし、蒸籠に破れはなし、砂ふるいに穴は開いていないっと」 今日は娘が初めて学校の友達を呼んで家にやってくる。そのうちの1人はあの日に訪れた男の子、 彼の勉強成果を確認するテストを家で行い、ついでに食事会を行うという事だが、 せっかく人足となる子が来てもらったのだ。その子にも力仕事で調理を手伝ってもらおう。 早乙女「(それにしてもあの子が男の子をねえ。ようやく立ち直って来たかしら)」 娘の回復にホッとしながら料理の準備を始めてようとすると、チリリリリと電話の鳴る音がする。 掴みかけた布巾を置き、受話器を取り上げると、懐かしい声が聞こえてきた。 早乙女「もしもし、あら、石清水社長さんじゃない」 石清水「ははは、随分なあいさつだなあ愛、だいぶ前に婿入りしていたはずじゃないか」 早乙女「ふふふ、ごめんなさいねあなた、ちょっとふざけてみたくなりました」 電話から聞こえてきたのは大切な人からの声でした。久しぶりに声が聞けて顔がほころんでしまいます。 早乙女「樹里亜は元気かしら?」 石清水「元気だよ、日に日にやんちゃになってきて相手になるのは格闘みたいなものだよ、すっかり元気になった」 早乙女「良かった。聖薇の方も人を恐れなくなったみたいで、今日はお友達を家に連れてくるのよ」 石清水「そうか、それは良かった……と言いたいところだが、実はそうも言っていられなくなった」 早乙女「言っていられないって、何かありましたの?」 石清水「ああ、聖薇を襲った犯人の事だ」
[392]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/03(日) 22:28:09 ID:m0OntpQw 早乙女「えっ!?」 思わず大声を出した後、ハッとなってキッチンのドアを開けて周囲を見回しました。 幸い、私の他には誰もいません。すぐに戻って犯人の詳細を尋ねます。 早乙女「本当!?」 石清水「ああ、本当だ。3年前にガードマン3人を膾のように切り刻み、聖薇を恐怖のどん底に陥れた憎むべき男、 正体もろくに分からず、かき消すように姿を消していた奴が、どうも愛と聖薇のいるパリに来ているらしい」 早乙女「それは確かな事?警察ですらろくな手掛かりを掴んでいないというのに」 石清水「残念だが、確かなようだ。うちの会社のパリ支社から、犯人の人相に似た人物が入ったとの連絡があった。 それを確認すべく調査部の専門の人員にその人物を追跡させたが…… 2日後、路地裏で全員遺体で発見された。バラバラに切り刻まれて」 早乙女「!」 一瞬、フラリと体がよろけそうになりましたが、何とか手すりに手を伸ばして事なきを得ました。 何人もの人間を躊躇なく殺し、娘を一時恐怖と不信の底に叩き込んだ悪魔。 好奇の目に晒される聖薇を守るため、ひっそりとパリの隅に隠れ住みようやく落ち着いたところで湧いて出た災難。 信じたくはありませんでしたが、事実である以上は娘を守る方策を取らなくてはいけません。 石清水「大丈夫か?」 早乙女「ええ平気よ。心配しないで」 石清水「それならいいんだが、愛は昔から無茶しやすい。気を付けてくれよ」
[393]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/02/03(日) 22:29:42 ID:m0OntpQw 早乙女「あなたこそそんな事を。私に負けず劣らず命がけの事をしたではありませんか。それより、今後の事について」 石清水「そうだその事だ。愛の父上や母上とも相談したのだが、やはりここは警備の厚い日本に戻るべきかと」 早乙女「いえ、ここで迂闊にバタバタするべきではありません。 まだ相手の出方や意図も分からないのに、無暗に動くと相手に存在を悟られるかもしれません。 しばらくはじっとしているべきかと」 石清水「し、しかし」 早乙女「私が命にかけても、娘は守りぬいてみせます。 あなたは会社から、必要なら外部の人間を雇い入れてでも、犯人の意図を調べ上げてください」 キッパリと帰国の勧めを断り、様子が分かるまでじっと息を潜めている事を伝えました。 主人はしばらく黙っていましたが、決心がついたようでもう声に迷いは無くなったようです。 石清水「分かった。詳しい事が分かり次第すぐに伝える。 愛の方も動きが知れたり、万一危険な目にあったらすぐに伝えてほしい」 分かりました、そうしますと主人に伝え、受話器を置いた後すぐにぐらりと体が崩れ落ちそうになりました。 すぐ近くに椅子が無ければそのまま醜態を晒していたかもしれません。 そうして聖薇がコツコツとノックをするまで、私は混乱した感情を押さえ込むため、椅子から身動き1つできませんでした。
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0ch BBS 2007-01-24