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【どん底からの】キャプテンEDIT2【出発】
[19]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk
:2010/03/07(日) 22:37:03 ID:GE+4f6OQ
キックオフ。
金成はボールをワントップの9番に渡す。
雪村「金成が、ボールを他人に預けた?」
小豆沢(流石にスタンドプレーはここまでか。だが、かえってやりやすいぞ!)
実況「ああっと、小豆沢くんがチェックに行く! 早くも清栄の反撃は頓挫かーっ!?」
清栄の9番「うわっ」
ズザァ!
瞬く間にボールの所有権は小豆沢に移る。
実況「は、速い! いつの間にか小豆沢くんがボールをゲット! やはり、本気になったこの人は抜けない!」
省22
[20]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk
:2010/03/07(日) 22:38:15 ID:GE+4f6OQ
実況「ま、股抜きだーっ! 小豆沢くん、相手の股の下にボールを通して突破しました! 華麗なる美技です!」
金成「ちっ……ドリブルも瀬川以上か。何をやらしても人の上を行きやがって。とことん嫌な野郎だ」
屈辱の思いに駆られ、顔を歪める金成。
だが、
金成「けどまあ……これで作戦通りか」
小豆沢「よし、これで後はバイタルエリアまで進んで……ん?」
清栄の8番「小豆沢ーっ!!」
ダブルボランチの一角、8番の選手が走りこんでくる。
省26
[21]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk
:2010/03/07(日) 22:39:33 ID:GE+4f6OQ
そして、その試合を決する交錯が繰り広げられた。
… … …
清栄の8番は、試合の直前に監督に呼びだされていた。
清栄の監督『この清栄学園はスポーツの強豪校だ。当然、大会で優秀な成績を残したチームは、高等部に特待生で入ることになる。
それは知っているな?』
清栄の8番『は、はい』
清栄の監督『だがな……我がサッカー部はここ数年全国大会への出場経験が無い。
省33
[22]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk
:2010/03/07(日) 22:42:38 ID:GE+4f6OQ
清栄の監督『(おっ、切り出す前に食いついてきた!)鳴紋と我々の差は、小豆沢と同じレベルの選手がいるかどうかだ。
ヤツさえいなければ、組織的な戦術に優れる清栄の勝ちだろうな』
清栄の8番『も、もし小豆沢を退場に追い込めたら……』
清栄の監督『10人でも勝てる。今年は金成がいるからな、中盤をヤツ一人に任せて放棄し人数を攻守に振り分ければ、
相当に有利な立ち回りが出来る。……もし自分と引き換えに小豆沢を退場させられる男がいれば、それは英雄だろうな』
省46
[23]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk
:2010/03/07(日) 22:44:09 ID:GE+4f6OQ
小豆沢「うわっ!?」
清栄の8番「(や、やった! けど、これだけじゃ駄目だ。もっと確実に――)うわあああああっ!!」
もつれるようにして、二人はピッチに倒れこむ。
小豆沢を――下にして。
ドシャア!!
ボキッ……!!
倒れた身体と地面との間に挟まれた腕から、破滅的な音が鳴った。
小豆沢(…………ッ!!?)
清栄の8番(き、聞こえたぞ……骨までイッた!!)
ピピィイイイイイイイイイイイイイイ!!
省2
[24]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk
:2010/03/07(日) 22:45:13 ID:GE+4f6OQ
―フィールド―
早瀬「え……あ……? い、一体何が……!?」
瀬川「な、なんなんだ?」
比良山「きゃ、キャプテン!?」
雪村「……う、嘘でしょう!?」
柿原「こ、こんなことが!?」
―鳴紋ベンチ―
長池「…………今、明確に当たりに行ったな」
菱野「あ、あ、きゃ、キャプテンが全然動いてません!」
やす子「菱野ちゃん、落ち着いて! 今、大会医が駆けつけるわ!(まさかとは思うけど、これって――)」
―観客席―
省12
[25]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk
:2010/03/07(日) 22:47:22 ID:GE+4f6OQ
金成(ひっ、ひひひっ! 計画通りだ! 試合前から挑発して注目を集めれば、自然、警戒心のほとんどは俺に向く!
試合前のやりとりでウチのキャプテンが苦り切って見せたのも、他の選手を疑わせないのに一役買った。
そして、もっとも警戒していた俺を抜いた直後は緊張が解けて、他の選手からの反則への警戒は格段に緩む。
そこを狙えば、普段なら避けられるかもしれないファウルチャージも、まともに食らうって寸法さ!!
省63
[26]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk
:2010/03/07(日) 22:48:51 ID:GE+4f6OQ
大会医「医者は魔法使いではない。すぐにどうこうなど出来ないんだよ。……監督はいらっしゃらないのか?」
やす子「ここにいます」
飯地監督に向き直る大会医。
大会医「……申し上げにくいことだが、彼は重症ですな。これ以上の出場は不可能です。
詳しい症状を知るには精密検査が必要ですが、……少なくとも、ここを勝っても、全国大会には間に合わないでしょうな」
やす子「……! そう、ですか……」
柿原「そ、そんな……」
省29
[27]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk
:2010/03/07(日) 22:50:08 ID:GE+4f6OQ
飯地は断固とした表情で小豆沢の前に立った。
やす子「確かにこの試合は中学生活最後の県大会決勝、とても大事な試合なのかもしれない。けどね、小豆沢くん。
例え痛み止めを打ったとしても、碌な治療も受けないまま出場して、もしその怪我が悪化したらどうするの?
ひょっとしたら、一生続く後遺症が残るかもしれないわ。あなた、この怪我を一生背負っていく気?」
小豆沢「う……」
やす子「あなたの人生もサッカー選手としての経歴も、この大会が終わってもずっと続いていくのよ。
省36
[28]森崎名無しさん:2010/03/07(日) 22:50:36 ID:???
おお…ここで兄貴の登場か!
[29]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk
:2010/03/07(日) 22:51:19 ID:GE+4f6OQ
実況「小豆沢くん、やはり試合続行は不可能の様です。チームメイトに見送られ、担架でピッチを後にします。
あ、今、審判の裁定が出ました! レッドカードです! これは当然でしょう!
同点直後に攻め入られて相手を反則で止め、深刻な負傷を負わせたのです。重い判定も仕方ない!」
観客「バカヤロー! 汚ねえぞ清栄ーっ!」「いやーっ!! 小豆沢くーんっ!!」「何がスポーツ私立だ、反則野郎が!!」
省38
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0ch BBS 2007-01-24