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【力と】小田Jr.の野望12【仲間を求めて】


[857]小田ジュニアの野望:2010/05/18(火) 05:48:42 ID:P91OCfjE
白鳥「俺の飛び出しがほとんど効かなかった…南葛SCやはり最強の名は伊達じゃなかった」

自分の手刀を足を眺めながらそう呟く白鳥。

松下「ふぅ…もう一回戦えといっても絶対に勝てないぞ。よく勝つことが出来たな」

わーわーという歓声の中、クラブチームNIKEの面々は間近にいるメンバーと共に疲れた体を
休ませるように体を崩していた。

中山「やっぱりこの歓声、この興奮。俺はサッカーをやっていてよかったよ、父さん」
省25

[858]小田ジュニアの野望:2010/05/18(火) 05:50:38 ID:P91OCfjE
内村「そうか…負けたのか…」

延長開始直前、意識を半ば失い強制的に交代させられた内村は寂しげに、そして自らの不甲斐無さを
悔いながらそう呟く。

内村「あ〜あ、一からやり直しだ。こうなったら5年と4年を徹底的にしごいて来年の礎に
なってやるか…」

くやし涙を抑えるためか、やや震える声で殊更明るく呟く内村。

浜田「そうやな。正直延長に俺かうっちゃんがいてたら展開は大きく違ったはずや。穴埋めのために 省25

[859]小田ジュニアの野望:2010/05/18(火) 05:51:38 ID:P91OCfjE
ジェトーリオ「……結局俺はどこまでもピエロだったな。でも、それでもなんだか清々しい。
そうか、負けを認めて、そしてそこから何かを見出せばいいのか。今まで俺は負ける事からすら
逃げ出したていたんだな」

綺麗なジェトーリオは自らの敗北…胸に刻み込まれたドリルスピアーの衝撃を忘れないようにと
ユニフォームに残ったボールの後を抑えるのだった。

〜〜〜

審判「クラブチームNIKE、南葛SC、4対3でNIKEの勝利!一同礼!」
省22

[860]小田ジュニアの野望:2010/05/18(火) 05:52:38 ID:P91OCfjE
〜〜〜〜

そしてその日の夜。瀬名監督や城山監督、それに南葛小をはじめ修哲や水越などほぼ全ての小学校の
サッカーの顧問や監督、それに幾人かの監査官ともいうべき人物が招集されていた。

発起人はクラブチームNIKEの総監督、月星美津乃。そしてスポーツショップNIKEの代表取締役
であり、ついでに言えば南葛市サッカー協会の最大のパトロンであった。

美津乃「召集に応じてくださりまずは感謝の言葉を。」
省36

[861]小田ジュニアの野望:2010/05/18(火) 05:53:41 ID:P91OCfjE
修哲小監督「まったく今の時期に紙の計画書なんてアナログだな。エコを推奨する今の時代では遅れ…」

ぶつぶつと不満を言いながら再編計画書の表紙をめくる監督。

瀬名監督「………」

僅かに血色のよくない瀬名。このことは既に予想しており、これの事が自分の失脚につながるものではないと
わかっていても、この懸案については出来るだけ実現しない事を望んでいたのだ。

城山「美津…月星さん。私がこういう意見を言うのもお門違いだと思いますが、何故今この時期なんですか?」
省27

[862]小田ジュニアの野望:2010/05/18(火) 05:54:43 ID:P91OCfjE
美津乃「去年の南葛SCの結果は全国までいけずに県大会どまり、その前の年も褒められた結果では
なかったですよね」

そう、常勝たる南葛SCも現在では古豪と呼ばれる…つまり現在は中堅どまりである事を
示唆する美津乃。その言葉に今川瀬名は反論できない。確かに城山監督時代に比べれば
選手の層は浅く、そして各人に才能がありながら自分にはそれを育てる能力が劣っている事、
それについてはどうしても否定する事は出来ない事実なのだ。…もっとも、少年達からの 省34

[863]小田ジュニアの野望:2010/05/18(火) 05:57:06 ID:P91OCfjE
美津乃「再統合ではありません。あくまで再編です。」

きっちりと言葉の違いを修正させる美津乃。それだけこの計画に力を入れているということなのだろう。

見上「どちらでも構わんさ。まださわりしか読ませてもらっておらんが、どうせ南葛市の代表を
南葛SCにだけ絞るのだろう?代わり映えのない計画だ」

分厚い紙の束全てを見る事は無く、つまらなそうにぽんと紙束を目の前の机に投げ落とす。
省31

[864]小田ジュニアの野望:2010/05/18(火) 05:58:07 ID:P91OCfjE
修哲監督「その事と、今回のこの再編計画にどのような関係があるのか…私にはわからないのだが?」

望むもの、狙い、人情等思いは全員違うもののいつの間にか美津乃を包囲している体をなしてきていた。

城山(しまった…瀬名を守ろうと思ったら変な方向に話が…)

僅かに自分の立ち位置を見失っていた城山監督はどうしようかと悩んでいたが、月星美津乃は
その程度の話が上がる事など先刻承知とばかりに話し出す。
省37

[865]小田ジュニアの野望:2010/05/18(火) 05:59:08 ID:P91OCfjE
瀬名「だからこそのこの計画…というわけですか?」

震えそうになる声を押さえつけ、裏返りそうになる言葉を制して、瀬名は新米ではあるが、監督としての
威厳を失う事無く美津乃に話しかける。

美津乃「そうです。私はクラブチームNIKEの総代でもありますが、同時にスポーツショップNIKEの、
そしてこの南葛市サッカー協会小学生部の出資者でもあります。出資者としての望みは一つ。
南葛市のクラブチームや小学校が全国で名を馳せる事です。そしてそれが…南葛SCである必要が 省32

[866]小田ジュニアの野望:2010/05/18(火) 06:00:11 ID:P91OCfjE
山森正美(おお〜。やだやだ。利益という言葉が出るととたんに目の色が変わるんだから。これだから
老人達の集まる会議は好きじゃないのよね…瀬名がいなかったら特別顧問なんてすぐに止めてやるんだけど)

嫌悪感ゆえか僅かに鳥肌を立たせた山森正美は自らの肩書きに自嘲する。要は名前だけ連ねられた
関係者なのだ。何の権限もなく、ただ山森の名を冠するだけという知名度を利用されたプロパカンダなのだ。 省32

[867]小田ジュニアの野望:2010/05/18(火) 06:01:12 ID:P91OCfjE
南葛小監督「ええ。私どもの教え子達はすでに5年が中心になってます」

水越小監督「ジルベルト…それにまだ4年ですが宮本も将来有望です」

山吹小監督「それであればうちの小久保や天野、若田部も近年まれに見る逸材ですよ」

基本的に教え子自慢が好きな面々である。すぐに自分のところの誰々が凄いという話になる。
そして美津乃はその言葉に満足するのようにうんうんと頷いてみせる。
省23


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