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1- レス

【そんなタイトルで】アナザー カンピオーネ1【大丈夫か?】


[32]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:06:14 ID:???
>>27
あっざーっす!
こちらもポイズンさんの話はいつもwktkしています。
JY編はこれからどうなっていくのか…いやはや楽しみすぎですよ。

あと・・・一番いいポイズンを頼む。

>>28
ひゃっほう、ありがとうございます!
岩見さんの所はズッポリとバトルストーリーですよねw
こちらも楽しみにしています。
勇者岩見の必殺技の数々に魂を揺さぶられるのは皆同じなはず!

>>29
EDITさんありがとうございます! 省11

[33]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:08:06 ID:???
1‐4)シャペウ・ド・ファルカン

ボールの複雑な軌道がジョアンの目に入ってきた。

ジョアン(ふむ…)

それなりにかかっていた強い回転を突風が煽り、このような軌道になっている事は簡単に解った。
ジョアンはボールの軌道を読み、そして柔らかく、吸い付くようなトラップでボールを足元に収めた。

少年「わぁ…!」

少年が感嘆の声をあげるのをジョアンは聞き逃さなかった。
理屈が解る事と、軌道を読み回転や勢いを吸収せしめるトラップをやってみせる事は別。 省16

[34]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:09:27 ID:???
クラブチームで指導を受けているならばその限りではないが…
しかしながら目の前の少年はどう見てもそんな年齢には見えなかった。
(当時ユーゴの下部組織に所属するのは普通14歳くらいからだが、目の前の少年はどう見ても10歳弱。)

ジョアンは目の前で目を輝かせている少年に興味を持ち始めていた。
試してみるか…と、ボールに足をかけた。
すると、少年もすぐにジョアンの意図に気付き、グッと膝を落とした。

ジョアン(広場の端…言わば右サイドラインの際だ。 …と、なれば。)
省39

[35]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:10:28 ID:???
少年「すっごい! おじさん、今のどうやったの!?」

少年が満面の笑みでジョアンに問いかけてきた。
太陽のように明るい笑顔がジョアンの目には眩しすぎるよう映った。

ジョアン「教えて欲しいかい?」

少年「うん!」

ジョアン「もう一度だけやるよ、よく見ていなさい。」

そう言うと、ジョアンは先程のフェイントを再び少年に見せた。
今度は2連続でフェイントをかけ、左ではなく右から抜くというおまけ付きで。
ジョアンはすぐに振り返り、少年にパスを送った。 省7

[36]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:11:42 ID:???
それだけの会話を交わし、ジョアンは少し先のホテルへと向かった。
ホテルの扉の前でチラリと後方を窺うと、少年は一心不乱にボールと格闘していた。
正しい子供の姿だなと確認し、ジョアンはホテルに入ってチェックインを済ませた。
少し休んだら様子を見ることにしようと思っていたが、長距離移動の疲れが思いのほか大きかったのか、
ジョアンは部屋に入るとベッドに倒れこんで眠りについてしまった。

…彼が目を覚ました時、既に時計は19時を回っていた。 省46

[37]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:13:02 ID:???
1‐5)昼と夜との狭間に

デサンカは今、夫と団欒の時を過ごしていた。
息子は既にベッドに就き、今頃は夢の中である。
明日はレッドスターとラドニツキの試合を家族で観に行く約束であり、
そのため「明日に備えて早く寝るんだ」と早々に部屋に引き上げてしまったのだ。
もしかしたら、またネバーランドに行っているのかも知れない。

ドブリボエ「デサンカ。」

デサンカ「なあに?」

夫がリビングから名前を呼んできた。 省8

[38]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:14:04 ID:???

以心伝心と言っても良いだろうか?
こういう遣り取りが出来る事は妻として誇らしく感じる。
この後の会話も予想がついている。
少しだけ手綱を絞ってあげないと。

ドブリボエ「あぁ、そうかい?流石だね。あとブランデーも…」

デサンカ「はい、ブランデ−を少し。」

ドブリボエ「たっぷり…」

デサンカ「少し。」

ドブリボエ「ハハ、参ったな。」

いつもの日常を今日この会話から確認でき、デサンカは安心を得ていた。 省13

[39]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:15:18 ID:???
デサンカ「どうぞ。」

ドブリボエ「や、ありがとう。」

ドブリボエは淹れ立ての紅茶を早速口にして、間髪を入れずに舌包みを打った。
どうやらデサンカは、今日も紅茶にうるさい夫の心をグッと掴む事に成功していた。
その事を喜ばしいと思いつつも、デサンカは今日は団欒だけでない会話をするつもりでいた。

デサンカ「あなた…この国はどうなるのかしら。」

ドブリボエ「ん、どうしたんだい?」
省17

[40]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:16:44 ID:???
これまで(問題は水面下に存在しつつも)平和的に共存する多民族国家だったユーゴが、
互いに反発し合い 隣人と手を取り合えない多民族“主義”国家へ変貌する…。
民族主義が誘導する恐ろしい未来が、聡明なデサンカには透けて見えていたのだ。

ドブリボエ「そうだね…。まずティート公は天才かつ勤勉な統治者であったけれど、
       一つだけ大きな過ちを侵し、そしてそれは修正されなかった。」

カップを置いた夫が大学講師の顔になるのが分かった。
省38

[41]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/23(土) 15:17:57 ID:???
それが隣人を憎み、攻撃する事を意味しているとは気付かないまま…
夫は悲しそうな顔で最後にそう付け加えた。
主観や感情論からかけ離れた、非常に冷静な未来予想だった。
夫がこういう面において完全なリアリストになる事をデサンカは知っていた。
だからこそ聞いたのだ。
夫の話を聞けば、少なくとも足を地に着ける事が出来る。
どうするべきか、何を出来るかは分からないが、全てはそこからなのだ。

デサンカ「そんな未来は勘弁願いたいわ…」
省15


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0ch BBS 2007-01-24