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1- レス

【そんなタイトルで】アナザー カンピオーネ1【大丈夫か?】


[77]TSUBASA DUNK:2010/10/25(月) 23:49:39 ID:???
おかえりなさいませー。
引き込まれるエピソードと文章にもうワクワクが止まりません!
これからも更新を楽しみにしていますので、無理をせずに頑張ってください。
本編が進んだあとでプロローグとはスターウォー……おや、こんな時間に誰かきたようだ。

[78]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/27(水) 20:52:12 ID:???
>>74 乙感謝です!

>>75 わー、ありがとうございます!
   森崎板の仲間を一人増やす切っ掛けになれてとても光栄です!
   これからも頑張ります、楽しんで頂けると幸いです!

>>76 帰ってきたぜ滝さーーーーーーん!
   BJ=大塚明夫!うん、私も書きながら脳内再生しまくってたですよ!
   そんな事よりフジー・マッケンジー!滝さん、天才だよ貴方は!
   こっちこそ楽しみにしてます!
省10

[79]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/27(水) 20:53:13 ID:???
1-9)明日への扉

ガチャッ…
鍵を開けて扉を開くと、相変わらずの風景が待っていた。
椅子に座った少年は、扉の音に反応してこちらを一瞥する。
…だが、それだけである。

ジョアン「ただいま…。」

少年「……。」

ジョアン「………。」

帰宅を告げるジョアンの言葉に対して返信はない。
そしてまた視線を移し、ボンヤリと窓の方を見つめるのだった。



―――――BJが出て行ってから20日

季節は夏から秋に移ろうとしていた。 省11

[80]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/27(水) 20:54:15 ID:???
ジョアンはこの20日間、3つの努力をしていた。
一つは可能な限り少年に話しかける事。
置かれている状況についてはともかくとして、今の少年の状況で社会復帰は不可能と思われた。
それは少年が周囲を緩やかに拒絶し、コミュニケーションの一切を絶っているからだ。
ジョアンは少年に一言だけでも喋って欲しかった。
少年のためにも、自分のためにも。

一つは少年と散歩をする事。
黙っていると、少年は一日中椅子に座っている有様で、全く身体を動かさない。 省41

[81]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/27(水) 20:55:15 ID:???
今日 今まで出かけていたのも、日用品の買い出しだけでなく図書館で調べ物をしていたのだった。
この日ジョアンは遂に、幾つも存在した疑問について、ある程度の解答を導き出した。
…にも関らず、ジョアンが浮かべている表情は、沈痛という表現が相応しかった。
それは 導かれた答えが、少年にとってあまりに残酷だったせいだ。

ジョアンはグラスを2つ取り出し、買ってきたオレンジジュースを注いだ。
一方を少年の手に包ませ、飲みなさいと声をかけた。 省34

[82]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/27(水) 20:56:37 ID:???
さらにニシュではセルビア以外の民族もそれなりに暮らしているが、土地柄か温和な人間が多く、
民族間では憎しみ合うどころか協力し合う、理想的な民族融和都市であった。
このような都市、チーム同士という背景で、乱闘が起こる事は通常考えらない。
よしんば小競り合いが起こったとして、スタジアム全体に波及するなど有り得なかった。

ジョアン(即ちあの乱闘は本来なら起こり得なかったという事…
      何者かによって起こされた、乱闘に見せかけた殺人だった可能性が考えられる。 省22

[83]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/27(水) 20:57:45 ID:???
セルビアの一田舎であるニシュで起こされた大がかりな事件。
民族間のトラブルでなければ、民族内のトラブルである。
それは突き詰めると、民族主義者と そうでない者とのトラブルだと想像がついた。
セルビアで政治を主導している民族主義者にとって、民族主義でない者は裏切者という考えらしい。
誇張でないとするならば、この国の政治団体が如何に過激かは想像に難くなかった。

だがそこまでである。
少年の一家が命を狙われ、奪われた理由については何も分からなかった。 省29

[84]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/27(水) 20:59:06 ID:???
この国を国家として成り立たせていた、たった一つの心臓が失われた事をジョアンは知った。
潜在化している地域格差、ソビエトとの関係悪化、抑圧される民族主義者。
抑え付けられてきた問題が噴出した時、この国は国足る事が出来るだろうか?
どれほどマシな過程を通ろうとも、分裂は免れない事は明白だった。

ジョアン(この流れは止まらない…いや、導かれると言っても過言ではないか…。
      10年先か、15年先か…この国はきっと大きく揺れ、破滅を迎える。 省33

[85]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/27(水) 21:00:07 ID:???
ジョアン(………)

顔を上げる力も出ない。 未来に太陽が見えないのは自分も同じだと気付いた。
溜息と自嘲が重なり、視界が闇に包まれていた。 その時だ。

ガタッ…

近くで木が擦れる音がした。
ジョアンが顔を上げると、その視界に人影があった。
少年だ、少年が椅子から立ち上がったのだ。

ジョアン(おお…。)

これまで自らの意志という物を見せる事のなかった少年が突如として立ち上がった。
一瞬何が起こったのかジョアンには分からなかった。 省3

[86]アナカン ◆w2ifIqEU72 :2010/10/27(水) 21:01:17 ID:???
ジョアン「ど…どうしたのかね?」

少年「……」

その問い掛けに少年からの応えはなかった。
ジョアンは怪訝そうに少年を見つめていたが、やがて気がついた。
少年の視線の先は、自分ではなく窓であった。
ジョアンは立ち上がって窓の下の光景を確認した。
この時の歓喜と驚きは、これまで体験した事もないほどの光で満ちていた。
そう、窓の下で繰り広げられている光景は子供達のストリートサッカーだったのだ。

ジョアン「サ…サッカー、もしかしてサッカーがしたいのか?」 省4


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0ch BBS 2007-01-24