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【もっと高く】キャプテンEDIT28【そして遠くへ】


[344]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/04/01(金) 01:00:16 ID:???
雪村「なんとか言って下さいよ! 監と――」


              やす子「 黙 ら っ し ゃ い ! ! 」


雪村「――うわあっ!?」

大前「か、監督っ!?」

怒声一喝。細身の女性から発したとは思えない大音声が辺りにこだまする。
腹の腑にズシリとくる空気の振えに、大前ら紅組の面子も竦み上がるものを感じてしまう。
その様をいつになく鋭い目つきでジロリと見渡してから、飯地監督は口火を切った。
省50

[345]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/04/01(金) 01:01:23 ID:???
やす子「とにかく、白組は全然サッカーが出来ていない!
全国準優勝時の三年に加えて高校生まで揃えていながら、やっていたことは個人技だのみのカスみたいな攻めばっかり!
中盤に5人も割いたんなら、細かいパスの繋ぎでも見せてみなさい! それが出来ていれば、瀬川くんの活かし方ももっとあったでしょ!
なのに対策として置かれた長池くんに、何度も真っ向からぶつけてどうするの!?
しかもあろうことか、その戦法をカウンター重視のはずの紅組に逆に決められる始末……呆れてものも言えないわね」 省65

[346]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/04/01(金) 01:02:29 ID:???
水守(ぼ、僕もまだまだスタメンの中ではその他大勢……か)

浅村(ううっ、良い返す言葉が無いっス……大前さんと比良山さん、それに長池さん。
この三人の誰かが欠けていれば、もっと競った試合になっていたかもしれないんスから……全員居なかった場合のことは考えたくないっス)

やす子「それと渡会くん、最後のジャンピングボレー撃たれる時、反応が遅れてたのは見逃してないんだからね?
……早瀬くんの反則で止まるか、ゴール前に大前くんがいなかったら、また失点してたわよ! 省43

[347]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/04/01(金) 01:03:30 ID:???
だが、その中でも真っ先に反論の口火を切るものが二人いた。

大前「当たり前です! それ以外、何を考えろって言うんですか!?」

今日もっとも際立って良い動きをしていた大前と、

落田「そうだぜ、監督! 天才であるこの俺の潜在能力が全開になるのは、全国大会の大舞台以外に無いぜ!」

……なんというか、相変わらずな落田だった。

やす子「あー、うん。貴方たちの言いたいことは分かってる。これは他の面々に言ってることだから。 省15

[348]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/04/01(金) 01:04:38 ID:???
やす子「今日の試合の中で、現役組で私が満足出来たクオリティを見せたのは、大前くんと比良山くんくらい。
他は全国じゃ十把一絡げのレベルよ。とても去年の準優勝校、今年の優勝候補の対抗馬とは思えないわ。
受験のブランクのあった三年と比べて、良い線行ってどっこいかそれ以下のプレイばっかり。
これじゃあ県内はともかく、全国の強豪校と当たったらツートップ頼みの弱小チームよ。
……まあ、それでも準決勝くらいまではイケるかもね。FW二人のオマケとして」
省71

[349]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/04/01(金) 01:05:56 ID:???
それを破ったのは、バツの悪そうな顔の早瀬だった。

早瀬「……悪ィな、大前。始める前はガチでやり合うのを楽しみにしてたみてェなのに、盛大に肩透かしを喰らわせたみたいでよ」

大前「そ、そんな。俺の方こそ、生意気なことを――」

瀬川「あははっ。いいっていいって♪ 俺も含めて、長池以外は全然良いところ見せられなかったんだしさ。
余計な気遣いよりも、ふんぞり返って『俺は先輩を超えたんだー!』くらい言ってもいいんじゃない? 省55

[350]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/04/01(金) 01:07:05 ID:???
言い置いて、背を向けて帰り出す早瀬達。長池は大前の肩に手を置きながら深く溜息を吐く。

長池「まったく、早瀬も瀬川も言いたいことばっかり言って……相棒に、俺も良い先輩を持てて幸せです、くらいは言わせてみろ」

大前「それは……まあ、言うまでも無いってことで」

長池「ふっ、その調和を重んじる精神はお前のいいところだ。チームスポーツには完全調和の精神は不可欠だからな。 省35

[351]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/04/01(金) 01:08:09 ID:???
豊原「やれやれ。後輩に言い残せることがある連中は羨ましいな。俺などサッカーのことも人生のことも、自分のことで手一杯だ」

柿原「お前はサッカーに専念出来るだけいいだろう? 俺はこの後、親父の店の手伝いだ。
丁度いい、豊原。お前、ちょっと俺の家の売り上げに貢献しろ」

豊原「ちょ、柿原さんっ!? た、助けてくれ大前! 俺は今月ピンチなんだ!」

大前「あ、あはは……豊原さんたちもお疲れさまでした……」
省53

[352]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/04/01(金) 01:09:20 ID:???
雪村「僕は……僕は今まで何を……」

宇津木「雪村さん……?」

雪村「くっ……!」

泣きそうな顔で、いや涙を零しながらグラウンドを駆け去る雪村。
この世代で最も将来を嘱望され、その期待にこたえ続けた彼にとって、今日の敗戦の痛手は如何ほどばかりだったろうか。
競い合うライバルだったはずの大前に負け続け、率いたチームは大敗を喫した。
傷ついたプライドを癒す手立てすら知らず、逃げるようにその場を後にする背に、誰も声を掛けられなかった。 省38

[353]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/04/01(金) 01:10:20 ID:???
宇津木「oi ミス おい、勘違いするな。雪村さんはダイヤモンド・パワーの精神力を持った一級のMF。
このまま黙って負けたまま終わることなどあるはずがない。必ず前より強くなることは確定的に明らか。
家臣召喚という名セリフをしらないのかよ」

大前「……聞くまでも無いだろ。アイツが嫌んなるくらい才能のある選手だってことは、俺が一番よく知っているんだ」

思い起こすのは鳴紋中の門を初めてくぐった日。雪村はサッカーを捨てかかった大前をこの道に引き止めてくれた男だった。 省30


0ch BBS 2007-01-24