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銀河シュナイダー伝説9 〜出帆篇〜


[205]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:00:26 ID:cVrr7pfk
アルテミュラー「ただいま戻りました、父上」

エマーリンクやファーナといった腹心を背後に控えさせた彼は片膝をつき、平伏するように頭を垂れる。

クライスト「うむ。良くぞ戻ってきたなマティアス。お前には我が軍3000の兵を纏め上げて貰う」

通称『氷の宮殿』と呼ばれるアルテミュラー家代々の屋敷の主の座に座る義父は、なんとなく気後れする
かのような、しかし、信頼するような言葉でそう返答する。
省19

[206]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:01:26 ID:cVrr7pfk
???「父上。まだ若輩のマティアスに全兵権をお与えになるのですか?」

氷の宮殿の謁見の間にそういいながら乱入してくるものがいる。

それはまるで凶報の風。言葉に毒の染み込んだ棘を絡みつかせながらアルテミュラーの頬を薙ぐ。

クライスト「パウルか。ワシの言葉に依存があるというのか?」

自身の子でありながらどこか信用の置けない実子にそんな事を聞く。本来ならば、家長である
自分に意見する事など100年早いのだが、気運に流されやすく、また情を捨て切れない彼は 省22

[207]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:02:46 ID:cVrr7pfk
アルテミュラー「控えよボルツ!……では、兄上はわたくしが信用できないと?」

恩もあるクライストであれば冷静沈着である彼も、血を分けた従兄弟にまで同じように接する必要はない。

僅かに口調を硬質なものに変え、まるで追窮するかのように言葉を紡ぐ。

パウル「…っく。この、不肖な弟が!父上、今見たように、彼には反骨の相が見えております。
どうか私にも同じ権限を戴きたく存じ上げます」
省23

[208]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:03:55 ID:cVrr7pfk
エマーリンク「なんだと!?では、マティアス様には極点を守れといわれるのか!」

この惑星『リグリア』はテラ・フォーミングをされているとはいえ非常に寒い土地である。

人の住める場所はこの氷の宮殿が建立されている首都と赤道付近に作られた幾つかの町だけであり、
それ以外は極点と呼ばれ、人が住むにはあまりにも厳しい気候となっている。

アルテミュラー「……わかりました。では、私たちは極点の治安維持に努めましょう」
省19

[209]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:04:55 ID:cVrr7pfk
ファーナ(アルテミュラー様…よろしいのですか?首都と町がそのまま何万もの人質になったような
ものですよ)

無言で宮殿の中を去るアルテミュラーの背後に許婚であり、得がたい副官であるファーナがそう
声をかけてくる。

アルテミュラー(わかっている。だが、父上の病状も危うい。私がここで叛乱者として処罰されれば
誰があの兄上から民を救うというのだ。今はまだ我慢の時だ。パウルが暴走しないように
見張るものは必要だろう)
省9

[210]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:05:55 ID:cVrr7pfk
〜〜〜

D.ルルーシュ・ランペルージの謎。

ルルーシュ・ランペルージ。この名前は偽名である。

彼の本当の名はルルーシュ・フォン・ゴールデンバウム。

現皇帝、フリードリヒ4世の兄である当時の皇太子リヒャルトは帝国暦452年に死を賜った。
罪状は父帝オフリート5世の弑逆(しいぎゃく)未遂。今から30年近く昔の話である。

だがそれは彼の弟、クレメンツ一派が冤罪をきせたのだと証明され、後にその罪は許される。しかし、 省17

[211]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:07:16 ID:cVrr7pfk
ルルーシュ「ただいまナナリー。いい子にしていたかい?」

盲目の少女。

歩く事も立つ事も出来ず、ただ暗闇の世界で声を聞き、言葉を発する事しか出来ない憐れな少女。
全てはこの忌まわしい家系ゆえの罪で、そういう意味ではどうでも良いことではなく彼は恨んでいた。

ナナリー「はい。お兄様をお待ちしている間に折り鶴を織っていたのです。よく出来ていますか?」

目の見えない彼女は自分の作ったものを見ることが出来ない。それは『義眼』という技術が発達した今でも 省16

[212]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:08:17 ID:cVrr7pfk
ナナリー「よかったあ。ミレイさんにお願いしたんですけど自分ではよくわからなくって…」

そうはにかむ優しい少女。長い亜麻色の髪がその心を表すかのように優しく揺れている。

ルルーシュ「大丈夫だよ、これからはいつでも一緒だ。」

安心させるように…否、自分を安心させるようにそう言葉を紡ぐ。

と、そんな会話に乱入者が。

ミレイ「ルル、お帰り。」

彼女の名前はミレイ・フォン・アシュフォード。アシュフォード家の一人娘で現在は彼らを保護している 省3

[213]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:09:19 ID:cVrr7pfk
ルルーシュ「会長、お久しぶりです!元気にしていましたか?」

理解者であるが故に心からゆとりを持つゴールデンバウム王朝の隠された後継者。

ミレイ「まあね。今は中尉さんよ、ランペルージ少尉。」

ビッと敬礼をして茶化す。

ルルーシュ「ハ!アシュフォード中尉!」

まるで子供の戯事のように同じく敬礼すると、誰とも無く噴出してしまい、三人仲良く笑いあうのだった。

〜〜〜

[214]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:10:21 ID:cVrr7pfk
〜〜〜

F.ナイトハルト・デューター・ミュラーとフェザーン。

479年度卒業生代表である、ナイトハルト・デューター・ミュラー。

彼は様々な部署からの引き合いの後、どういうわけかフェザーン駐在弁務官事務所の駐在武官補という
待遇でフェザーン回廊唯一の有人惑星、フェザーンに勤務する事になった。

文官「ここからは基本的に武器の携帯は禁止なのでブラスターはお預かりします」
省19


0ch BBS 2007-01-24