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銀河シュナイダー伝説9 〜出帆篇〜


[208]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:03:55 ID:cVrr7pfk
エマーリンク「なんだと!?では、マティアス様には極点を守れといわれるのか!」

この惑星『リグリア』はテラ・フォーミングをされているとはいえ非常に寒い土地である。

人の住める場所はこの氷の宮殿が建立されている首都と赤道付近に作られた幾つかの町だけであり、
それ以外は極点と呼ばれ、人が住むにはあまりにも厳しい気候となっている。

アルテミュラー「……わかりました。では、私たちは極点の治安維持に努めましょう」
省19

[209]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:04:55 ID:cVrr7pfk
ファーナ(アルテミュラー様…よろしいのですか?首都と町がそのまま何万もの人質になったような
ものですよ)

無言で宮殿の中を去るアルテミュラーの背後に許婚であり、得がたい副官であるファーナがそう
声をかけてくる。

アルテミュラー(わかっている。だが、父上の病状も危うい。私がここで叛乱者として処罰されれば
誰があの兄上から民を救うというのだ。今はまだ我慢の時だ。パウルが暴走しないように
見張るものは必要だろう)
省9

[210]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:05:55 ID:cVrr7pfk
〜〜〜

D.ルルーシュ・ランペルージの謎。

ルルーシュ・ランペルージ。この名前は偽名である。

彼の本当の名はルルーシュ・フォン・ゴールデンバウム。

現皇帝、フリードリヒ4世の兄である当時の皇太子リヒャルトは帝国暦452年に死を賜った。
罪状は父帝オフリート5世の弑逆(しいぎゃく)未遂。今から30年近く昔の話である。

だがそれは彼の弟、クレメンツ一派が冤罪をきせたのだと証明され、後にその罪は許される。しかし、 省17

[211]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:07:16 ID:cVrr7pfk
ルルーシュ「ただいまナナリー。いい子にしていたかい?」

盲目の少女。

歩く事も立つ事も出来ず、ただ暗闇の世界で声を聞き、言葉を発する事しか出来ない憐れな少女。
全てはこの忌まわしい家系ゆえの罪で、そういう意味ではどうでも良いことではなく彼は恨んでいた。

ナナリー「はい。お兄様をお待ちしている間に折り鶴を織っていたのです。よく出来ていますか?」

目の見えない彼女は自分の作ったものを見ることが出来ない。それは『義眼』という技術が発達した今でも 省16

[212]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:08:17 ID:cVrr7pfk
ナナリー「よかったあ。ミレイさんにお願いしたんですけど自分ではよくわからなくって…」

そうはにかむ優しい少女。長い亜麻色の髪がその心を表すかのように優しく揺れている。

ルルーシュ「大丈夫だよ、これからはいつでも一緒だ。」

安心させるように…否、自分を安心させるようにそう言葉を紡ぐ。

と、そんな会話に乱入者が。

ミレイ「ルル、お帰り。」

彼女の名前はミレイ・フォン・アシュフォード。アシュフォード家の一人娘で現在は彼らを保護している 省3

[213]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:09:19 ID:cVrr7pfk
ルルーシュ「会長、お久しぶりです!元気にしていましたか?」

理解者であるが故に心からゆとりを持つゴールデンバウム王朝の隠された後継者。

ミレイ「まあね。今は中尉さんよ、ランペルージ少尉。」

ビッと敬礼をして茶化す。

ルルーシュ「ハ!アシュフォード中尉!」

まるで子供の戯事のように同じく敬礼すると、誰とも無く噴出してしまい、三人仲良く笑いあうのだった。

〜〜〜

[214]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:10:21 ID:cVrr7pfk
〜〜〜

F.ナイトハルト・デューター・ミュラーとフェザーン。

479年度卒業生代表である、ナイトハルト・デューター・ミュラー。

彼は様々な部署からの引き合いの後、どういうわけかフェザーン駐在弁務官事務所の駐在武官補という
待遇でフェザーン回廊唯一の有人惑星、フェザーンに勤務する事になった。

文官「ここからは基本的に武器の携帯は禁止なのでブラスターはお預かりします」
省19

[215]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:11:22 ID:cVrr7pfk
ミュラー「上の考えは自分には理解しがたい事…ということか」

別段失点を犯した覚えも無い。それにこの部署での扱いは中尉としては格段の待遇であり、
まるで接待を受けている気分になる事も一度や二度ではない。

ミュラー(…つまりはそういうことなのか?)

ようやくそう思い始めたころ、ようやく事態に変更が起きる。

???「君がミュラー中尉だね。話には聞いている」

弁務官事務所にやってきたのは色黒の大男。文官にしてはしまった体付きをしているが、その所作や 省7

[216]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:12:22 ID:cVrr7pfk
???「失礼した。私の名はルビンスキー。アドリアン・ルビンスキーというものだ。今はしがない
補佐官をしている。」

力強い声は自身の表れなのだろうか?彼は威風堂々ミュラーを直視する。

ミュラー「補佐官殿でしたか。失礼しました。」

補佐官という名前だけでは箔はないのだが、このフェザーンにおいて補佐官というのは
フェザーン自治領主の補佐官…つまり実質的なナンバー2であることを示していた。

ミュラー「それで、私に何の御用ですか?」
省10

[217]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:14:07 ID:cVrr7pfk
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うとうととしてしまうのはあまりなれない宇宙酔いのせいだろうか?

無重力の世界自体は、フライング・サッカーにも使われているドーム内でいくらでも体験しているため
慣れていないはずはないのだが、真の宇宙とは黒く、静寂で、そして無慈悲であった。

アナウンス「レンテンベルク要塞まで残り3分。乗船の皆様は手荷物を忘れぬようお願いいたします」

恐らく普段は民間にも貸し出しているのだろう。如何にもなテープガイダンスが鳴り響く。
省20

[218]銀河シュナイダー伝説:2011/10/06(木) 00:15:12 ID:cVrr7pfk
遮光フィールドの張られた窓の外には勾玉のような形状をした要塞からガイドビーコンが
送られてきており、無音の世界で輸送艦とそれを護衛する数隻の巡航艦が引き寄せられる。

周りを見ると自分と同じようにアーデルンカッツ艦隊に配属されることになった幾多もの新米の士官と、
そのついでに移動させられたのであろう幾人かのベテランを思わせる強面に人達。

ベテラン勢は馴れたものなのだろう。手早く準備をすると再び重力の井戸に落ちることを予想し、 省14


0ch BBS 2007-01-24