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1- レス

【この借りは】Another-CU_1【必ず返す】


[848]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/13(火) 19:54:15 ID:???

> H>>842
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三杉「新しいカタチの10番を提示したいんです。 一人でなんでもできるスーパーエースではなく、
    戦術を誰よりも理解し、体現し、プレーでも精神的にもチームをまとめる楔としての10番を。」

三杉は背番号10を選ぶ理由としてそう説明する。
その精神の根底には日本サッカー協会のプロジェクト・カウンターウイングへのアンチテーゼがあった。 省37

[849]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/13(火) 19:56:29 ID:???

シーザー「まっ、そう警戒するな。 オレはお前があの時の言葉を守る限り、その背番号を取り上げる気は無いぜ。」

三杉「あの時の言葉…」

シーザー「ほれ、最初に会った時に何となく聞いたアレだ。」

三杉「あっ…」

先月のプリマヴェーラ大会、準決勝第二試合のパルマvsレッチェのハーフタイム中…
三杉はシーザーと偶然知り合い、そして多少の言葉を交わし合ったのだ。
その時三杉はシーザーに対してこんな事を言ったのだ。
省33

[850]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/13(火) 19:58:01 ID:???

三杉「そう、僕のプレイは勝つ為に…しかしそれは全てチームの為にあります。
    それはあの時も今も変わっていません。」

こう返すとシーザーは歯を見せる笑顔になった。

シーザー「ならいい。 チームの為に10番を背負う事が必要と言うなら、それを成し遂げてみせろ。
      中途半端、いい加減にするならオレはいつでもコーチを投げ出すぜ。」

三杉「心得ておきます。」

シーザー「結構。」
省5

[851]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/13(火) 19:59:05 ID:???
今日の更新はここまでとします。
ようやく試合が目の前に迫ったぜよー

[852]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/14(水) 16:37:13 ID:???

シーザー「んじゃ、今渡したユニフォームに着替えな。 その後はグラウンドに出てアップだ。」

ヴィオラ・メンバー「「「 サー! 」」」

そうこうしている内にミラン・プリマヴェーラがスタジアムに到着したとの報が控室に入った。
本来ならここは監督と選手が相手チームを出迎え、顔も合わせるところだ。
しかし今回は、出迎えや案内についてはフロントスタッフ陣が一手に引き受けるとの話…
三杉達は試合前に相手チームと顔を合わせておく機会がない事が判った。 省34

[853]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/14(水) 16:40:11 ID:???

ミュラー「と…ところでコーチ。 一応名前だけでも監督は居るのですよね?
      フロントスタッフの誰かがやってくれる事にでもなっているんですか?」

プレッシャー、不安感が大きくなり、スイーパーの自分がこれではマズイと思ったか…
アルフレッド・ミュラーはコーチであるシーザーに対し、監督がどうなったのかを尋ねた。
一応チームスタッフであれば、それなりにサッカーについての知識がある筈である。 省28

[854]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/14(水) 16:41:26 ID:???

「ね…」「ね…」「ね…?」 「「「「 ネコが監督ぅぅぅぅぅ!? 」」」」

アーバックル「It is noisy...and I would like to eat a waffle in addition. 」 ← 寝言

ミハエル「OMG! このオッサン、なに人の飼い猫を勝手に監督登録してるんデスか!
      いっぺん神に御許へ召されてきなさーーーーい!」

シーザー「細かい事は気にすんな、これはお前等≠ェ這い上がる物語だぜ。
      ねだるな、勝ちとれ、さすれば与えられん…そーゆー事だぜ?」 ササッ 省33

[855]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/14(水) 16:42:33 ID:???

そして三杉を先頭としたフロレンティア・ヴィオラのスタメン選手がグラウンドへ姿を見せた…

               その瞬間だった。


ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

  ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

フィオレンティーナ!! フィオレンティーナ!! フィオレンティーナ!! フィオレンティーナ!!
省44

[856]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/14(水) 16:44:05 ID:???

ブンナーク「こ、こりゃあ…」

オジオ「すごい…リザーブチームのテストマッチに過ぎない筈なのに…」

スタジアムを埋め尽くす人、人、そして人…収容人数4万7千人のアルテミオ・フランキが超満員。
て四方から寄せられる津波のようなエール、フィオレンティーナの大連呼…
その何処からも『フロレンティア・ヴィオラ』という名は聞こえて来なかった。
フィレンツェの市民の全員が全員とも『フィオレンティーナ』とエールの大合唱を送って来ているのである。
省26

[857]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/14(水) 16:45:12 ID:???

そして自分達のユニフォームはフラッグの地色と同じ紫のすみれ色である事に気付く。
先程まで選手達の心に固着していた惨憺たる絶望感、閉塞感…
それらはいつの間にか融け、昇華して、何処ぞへと吹き飛んで行ってしまっていた。

ミハエル「心に響きますねぇ、ジュン・ミスギ。」

三杉「ああ………。 不思議だよ、観客の応援でこんな気持ちになるなんて。」

それは小学生時代に受けていた三杉個人への黄色い声援とは全く違っていた。 省34

[858]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/03/14(水) 16:48:11 ID:???

『自分の為だけに』とフィレンツェへと集った彼等の心。
長き練習と苦しい試合を乗り越える内、『チームメイトの為に』と『監督の為に』という思いが生まれ…
そして今、『応援してくれる街の人々の為に』という気持ちが宿ったのである。

バンビーノ「これがサポーターの力だぜ、ミスギ。」

三杉「その声は…!」

振り返ると、立ち尽くすヴィオライレブンの後方からミランの一行がやってきていた。
その先頭のバンビーノが言葉をかけて来たのである。
省24


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