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1- レス

【行く者】キャプテンEDIT36【残る者】


[761]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 19:56:06 ID:???
――バチィ!

森崎「ぬお……っ!?」

中山「ぐゥ……っ!?」

そしてボールはこぼされた。

実況「な、なんという攻防! 森崎くん、あわや四人抜きというところでボールをこぼされた!
GK離れした凄まじいドリブルテクニックです! しかし、この勝負は大友中の勝ちだ!
彼らは森崎くんを止めさえすれば、それでいい! 南葛ゴールはがら空きという無防備状態を晒しているぞォ!」

墨田(TV観戦中)「と、止めたァ!? あの、森崎の常識離れしたドリブルを!?」
省28

[762]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 19:57:06 ID:???
翼「……中山が離れたってことは! 俺が動けるということでもあるんだぞ!」

実況「――今度はこの人が動いた! 翼くんが只見くんに猛然と突っ込む!」

浦辺・森崎「「げぇーっ!?(折角のチャンスがっ!?)(俺のミスをコイツにカバーされたら、良い恥さらしじゃねーか!)」」

只見からボールを奪い返そうと、水を得た魚の様に生き生きと突っ走る翼。
その姿に奮闘を無にされかかっている浦辺と、彼の活躍を望まない森崎が悲鳴を上げる。
しかし、この男はあくまで冷静だった。
省38

[763]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 19:58:44 ID:???
森崎「ちくしょー! 誰か防ぎやがれェ! 俺ももう少しで戻るっ!」

石崎「うるせー! てめェに言われなくたって――げぺぇ!?」

そして石崎の顔面ブロック。中山渾身のシュートは、儚くも防がれて大きく弾かれる。

実況「南葛、これも防いだ! 好機に攻め込んだ大友中の波状攻撃を、幾重もの盾が立て続けにシャットアウト!
森崎くん以外の守りも堅いぞォ!」

輝林(TV観戦中)「……流石は高杉さん、去年はしてやられたものですが」
省39

[764]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 19:59:54 ID:???
翼「だが、そうはさせないぞ! 石崎くんたちが気迫で守ったんだ! 俺が奪い返す!(それにこのままだと試合から消えてしまう!)」

浦辺「……中山が前に出たとなると、お前が動きまわるよなあ翼。だがよォ!」

只見の時に続いて、素早くプレスを掛ける翼に対し、浦辺は、

浦辺「わざわざ、お前を相手に真っ向勝負なんてしないぜ!」

すぐさまボールを横に流す。

西尾「よしきた!」
省62

[765]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 20:01:28 ID:???
西尾「(こんなに早く使うことになるとは、誤算だったぜ!)うおりゃあああああっ!」

気合一声、西尾が大きく足を振り上げる。

実況「大友中西尾くん、早くもシュート体勢! ゴールまでは35メートルといったところか!
センターバックである彼に、この距離から南葛ゴールを奪う手立てがあるというのでしょうか!?」

森崎「へっ! もう俺がゴールマウスに戻っているっていうのに、無謀なロングシュートかァ?」
省37

[766]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 20:02:34 ID:???
森崎「浦辺も新技を覚えていたからお前にも何かあるんだろうが……大したことなく見えるぜ! 軽くキャッチしてやらァ!」

高杉・石崎「「(誰がお前に回すかよ!)俺たちが止めるぞーっ!」」

中里「ふ、普通のシュート!? いや、きっと何かがある!」

小田(本当かなあ……)

中山「(甘く見過ぎたな、森崎! 中里とやらも良い勘だったが、惜しかったな!)ここだ! 新田ァ!」

新田「ええ! 分かってますって!」
省27

[767]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 20:03:49 ID:???
加速したシュートの勢いに、南葛のディフェンダーたちは完璧に置き去りにされた。
彼らの目には、中山と新田がジャンプした瞬間にボールが分身して速度を増したように見えただろう。
一方、森崎には猛烈なブレで捉え難くなったボールの内、本物の当たりを何とか付けることが出来たが、

森崎「(ゆ、油断した! 間に合わねェ!?)……うぉおおおおおおおおおおおおぉぉぉッッ!」

ツインシュート特有のブレ球から本物のボールを見出す為に生じる、大幅なロス。 省28

[768]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 20:04:58 ID:???
実況「え、あ、え? ……ご、ゴールっ! な、何ということでしょう! まさか県大会の時点で、南葛の鉄壁の牙城が崩れるとは!
大友中が先制! 大友中が先制! 大友中が先制ですっ! 西尾くんのシュートをツインシュートで更に加速!
超高速で南葛守備陣を切り裂き、無数のブレ球が森崎くんの手をすりぬけ、大友中に先制点をもたらしましたァ!!」

南葛応援団「嘘だろォ!?」「も、森崎が失点!? ちゃんとゴール前にいたのに!?」「や、やはり中山は見くびるべきじゃないんだ!」
省35

[769]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 20:06:35 ID:???
実況「なお、VTRをスロー再生したところ、インパクトの瞬間、新田くんが僅かに遅れて蹴っていました!
この得点は新田くんのゴールと記録されます!」

新田「よっしゃあ! 俺が、この俺がっ! 森崎からゴールを奪ったぞォ!」

アナウンスの内容に、新田が拳を突き上げる。小躍りせんばかりの喜びようだった。

新田(見たか! 俺が元SCの正GKから、中学最強のGKから、ゴールを奪ったんだ! 省61

[770]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 20:07:45 ID:???
新田「へ? な、中山さん?」

中山「これからが本番だ。試合はまだ終わってはいないぞ」

緊張感も露わにそう言う中山に新田は、

新田「そうですね! 一点くらいじゃまだまだでした! これから、二点、三点ともっともっと取ってやりますよ!」

高らかにそう豪語するのであった。

森崎「――へぇ? 言ってくれるじゃねェか、ひよっ子が」

新田「な、なにィ!?」

森崎「良かったなァ、先輩に散々お膳立てされて、やっと点取れて。今の内に囀れるだけ囀っとけ。 省41

[771]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 20:08:56 ID:???
ボールを渡されたチームメイトも、最初はポカンとしていたが、

滝「そ、そうだな! 森崎に限って、そんなことが続く訳は無いんだし!」

井沢「ちっ! 失点しといて偉そうなのは気に入らないが、俺たちもそろそろ成果を上げないとな」

来生「ハッハァ! 心配ご無用! この俺がハットトリックでも決めて、あっさり逆転してやるぜ!」

翼「……そうだ! 俺たち南葛の全国V3への道は、たかが一失点で途切れやしない! みんな、自信を失うな! 省33


0ch BBS 2007-01-24