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【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[464]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/09/07(金) 00:45:16 ID:???
「父の商会は塩が本業。でも最近は本国の情勢が荒れ気味で、貿易のうまみが大きくなってきててね。
 色々手広く扱ってるんだけど、娘の私がドルファンでの名代ってわけ」

へえ、と頷いた森崎を、陽子と名乗った女性がじっと見つめる。
悪戯っぽく細められた目にどぎまぎとする森崎に、陽子がそっと耳打ちするように、言う。

「って言っても、子先は養父でね。……私、本当は貴方と同じ国の生まれなのよ」
「そう、なのか?」

驚いたように訊く森崎に、陽子が笑って頷く。

「ええ。ヤンズゥは中華の読み方。元の名前はヨーコ……っていうの」
「陽子……さん?」

何気ない一言である。
森崎としては、ただ相槌を打っただけのつもりであった。
しかし、陽子の反応は激烈だった。

「んー……! その発音、素敵っ!」
「ちょ、陽子さ……!?」

ぱあっ、と花の開くような満面の笑みを浮かべるやいなや、何と森崎に抱きついてきたのである。
絹の滑るような肌触りとその向こう側のやわらかく温かい感触、そして麝香の甘い香りが、
同時に森崎の顔を包む。

「ぐ、ぐむむ……!」
「オウ、許小姐は情熱的ですネー」

突然のことに、思わず唸ることしかできずにいる森崎。
他人事のように言うルーカスの声が、ひどく遠い。


0ch BBS 2007-01-24