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【マラカナンで】キャプテン森崎46【釈迦寝ポーズ】
[123]2 ◆vD5srW.8hU
:2014/05/13(火) 09:49:51 ID:b7d0zvQo
陽子「ふぅ〜………あ、すみません。ミネラルウォーター、レモン付でください」
森崎「(お、酔いを醒ます気になったのか?)」
森崎の熱弁に陽子は段々ホッとした表情になっていき、先程注文した酒に手をつけず
水を注文したっぷりとレモン汁を絞り入れてからそれをゆっくりと飲み干した。
ここは間を置いて彼女の返答を待つべきだと判断した森崎も口を閉ざし彼女の顔の赤みが
薄らいで行くのを見守る。ややあって期待通りに陽子は口を開いた。
省36
[124]2 ◆vD5srW.8hU
:2014/05/13(火) 09:54:03 ID:b7d0zvQo
陽子「…こんな人、好きになっちゃったんだろ…」
森崎「えっ!?んむっ!」
陽子は突然好意を打ち明け、森崎がその驚きから回復する前に顔を寄せて唇を重ねてきた。
それはほんの一瞬の事で、すぐに彼女は離れたが、その瞳は潤みながらもまっすぐ森崎を見据えていた。
陽子「有難う…ゆ、有三。私、もう貴方には憧れない。何時までもそれだけじゃ嫌だから…頑張る。
後ろから憧れるんじゃなくて、ちゃんと胸を張って、大好きな貴方の隣に居られる様に…ね」
省20
[125]2 ◆vD5srW.8hU
:2014/05/13(火) 09:55:32 ID:b7d0zvQo
バーテン「祝福を申し上げます。ですが、あの女性はお勘定を忘れてしまいまして…」
森崎「ん?あー、いーよ、俺が払っておくよ。俺が割り込んだ形だったしな」
バーテン「有難うございます。さて、カップルの誕生にはバーテンとして祝福致しますが、
ブラジル人としては明日の試合のご武運は祈れません。それはご了承ください」
森崎「要らねえよ。どうせ俺は明後日からはブラジル中から恨まれている立場になるんだ。
あの夜下剤でも仕込んでおけばよかった!って思う事になるぜ」
省32
[126]2 ◆vD5srW.8hU
:2014/05/13(火) 10:03:15 ID:b7d0zvQo
森崎「(そうか…陽子には俺の足手纏いになるんじゃないかって後ろめたさがあったんだな。
だったら安心させなくちゃな。俺は女を欲しがっただけでダメになる様な奴じゃない。
女だろうと世界一だろうと、欲しい物全てを全力で手に入れてみせる男だって言う所を見せる。
そうだ、俺は森崎有三だ。欲しい物は何でも手に入れる。今欲しいのは世界一だ!
世の中には二種類の人種が居る。ナンバー1と、ナンバー2以下だ。
省47
[127]2 ◆vD5srW.8hU
:2014/05/14(水) 00:08:37 ID:DMJOwuf+
〜大会25回目〜
何らかの玉を蹴る遊びは紀元前から世界の様々な場所で存在していたと言われるが、
現在サッカーと呼ばれる競技が正式に生まれたのは19世紀中期のイギリスとされている。
この競技はブラジルと日本には1870年代と言うほぼ同じタイミングで伝わったとされるが、
その後の発展の仕方は全く異なる物であった。
最初にブラジルにサッカーを広めようとしたのはイングランド留学帰りの一人のスコットランド人だったと言う。
省40
[128]2 ◆vD5srW.8hU
:2014/05/14(水) 00:10:31 ID:DMJOwuf+
一方日本においては最初はイギリス人が日本にサッカーを持ち込み、体育の一環として全国に広がった。
しかしあくまで学生の教育の一環とされた日本サッカーは1917年に行った初の国際試合で
当時の中国とフィリピンに大敗する程脆弱だった。その後も基本的にサッカー弱小国とされたまま
第二次世界大戦の影響でサッカー文化が中断されてしまい、1968年のメキシコオリンピックで
銅メダルを獲得した事以外はまるで良い所がなく、1991年の時点で未だワールドカップには未出場である。
省31
[129]2 ◆vD5srW.8hU
:2014/05/14(水) 00:13:30 ID:DMJOwuf+
日本人記者達「ぐわーっ、なんて人ごみだ!?」「ホントにこの道でいいのかよ?」「人の流れに沿ってりゃ辿り着くだろ!」
日本サッカー協会関係者「ここも渋滞か…」「おいおい、三時間は余裕を見た筈なのに…」「これで間に合うのか?」
南葛関係者達「に、肉まんの波に押しつぶされるぅ〜…」「痛い痛い痛い!押されて体が痛い!」
「もう駄目、暑くて暑すぎて倒れる…」「やだ、折角持ってきた応援グッズが汗だらけ!」
省36
[130]2 ◆vD5srW.8hU
:2014/05/15(木) 21:05:29 ID:Tp/GLA8M
ブロロロロロ…
プシュゥウウン。
森崎「よーし、着いた着いた…うおっ!?」
翼「!!!?!」
ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
一番先にバスのドアから降りた森崎を皮切りに、全日本ユースの選手達全員が応援団の盛大な歓迎を受けた。
長野「来た!森崎だ!うぉーい、久しぶりー!」
岩見「サプライズ計画は成功だな」
小田「うわー、凄いオーラを放ってるなー…」
大川「全日本ユース決勝進出おめでとう!」
省26
[131]2 ◆vD5srW.8hU
:2014/05/15(木) 21:07:33 ID:Tp/GLA8M
A 「粋な事するじゃないか。皆、わざわざブラジルまで来てくれて有難うな」
B 「チェッ、照れるだろうが。こんな事されなくても俺は勝つぜ」
C 「皆、帰りは気をつけろよ。日本人はしばらく恨まれる事になるからな!」
D 「よう皆。南葛は今どうなってる?まだ日本一の座を保っているか?」
E 「親父…お袋…そんなにキョロキョロしないでくれよ、恥ずかしい…」
capmori
にて
省13
[132]2 ◆vD5srW.8hU
:2014/05/16(金) 23:36:25 ID:9d5PSlbg
>C 「皆、帰りは気をつけろよ。日本人はしばらく恨まれる事になるからな!」
グッ。
予期していなかった応援団の登場に、森崎がサムズアップと共に返した答えは実に彼らしいものだった。
森崎「皆、帰りは気をつけろよ。日本人はしばらく恨まれる事になるからな!」
彼は日本が優勝しブラジル人の恨みを買う事になる、と豪語したのだった。
長野「お〜っ、優勝するから恨みをぶつけられない様にしろって意味か!」
省34
[133]2 ◆vD5srW.8hU
:2014/05/16(金) 23:50:53 ID:9d5PSlbg
ズルッ。
森崎「親父ぃ…お袋ぉ…頼むからもうちょっと堂々としていてくれよ。
俺の親なんだからマスコミが取材に来たりするだろうし…」
森崎父「ひいいっ、言わないでくれっ!こないだなんか会社までどっかの雑誌の
記者が乗り込んできて、お前がいると仕事にならないって叱られたんだ!」
森崎母「近所の奥様達もあなたのサイン寄越せってうるさいのよ!
ブラジルに居るから無理ですって言っただけで恨まれるし!」
森崎「た、頼りねぇ〜…そんなの強気で追っ払えよ!」
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0ch BBS 2007-01-24