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1- レス

【優勝】キャプテン森崎48【エンディング】


[117]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/06(土) 12:43:15 ID:CYeeWqvU
二人の出会いは友好的なのか喧嘩腰なのか非常に判断が難しい物だったが、そこにはお互いを認め合う雰囲気があった。
ディアスはもとより、様々な苦難を経た翼もプロのサッカー選手らしく振る舞う事が出来ていた。

翼「色々あってね…これ以上メンタル面の隙で失敗するつもりはないよ。そこは安心していい」

ディアス「いまいち信用できねーな。ま、いいや。何がお前を変えたんだ?」

翼「別に…プライベートが安定した、とだけ言っておくよ」

ディアス「なんだ女か。月並みな奴」
省36

[118]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/06(土) 12:44:52 ID:CYeeWqvU
早苗「ええ…あの時、貴方が置き去りにしたボール…」

翼「(…そうか。これは俺が彼女にした仕打ちの象徴なんだ…)」

彼女の姿そのものが彼の心を罪悪感と自己嫌悪で震え上がらせる。
ましてや彼女からあの時の悪夢の証のボールを差し出されると腕も足も震えてしまう。
自分がサッカーの重みを彼女に押し付け、逃げ出した事をまざまざと思い出させられる。

受け取りたくない。こんな重い罪を背負おうとしたらまた潰れてしまう。 省43

[119]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/06(土) 12:47:15 ID:CYeeWqvU
そして翼はいよいよ“死刑”を受ける覚悟を決め…



早苗「私、そんな事思いもしなかった。翼くんが好きなのに、気付こうともしなかった…」

翼「………??」



早苗の泣き笑いの様な表情と声に驚愕し固まった。

早苗「翼くんだって人間で、神様じゃないのに。絶対に挫ける事なんかない、無敵のヒーローだって思っていた。
辛い事、悲しい事、いっぱいいっぱいあった筈なのに。もう嫌になって何でもかんでも投げ出したくなる 省34

[120]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/06(土) 12:49:12 ID:CYeeWqvU
早苗「だけど、しばらくしたらまた悲しくなった。翼くんの弱い所、翼くんの醜い所…全然想像していなかった。
そんなのあるとも思っていなかった。私も翼くんを完璧な人だと思い込んで、押し付けていただけなんだって気付いて…」

翼「………」

早苗「それから…ちょっとだけ嬉しくなった。あの時やっと本当の翼くんを全部見せてくれたんだって気付いて。
凄いだけじゃない、弱い所も醜い所もある翼くんをやっと見せてくれる位、私の事を特別に思っていたんだって…」
省40

[121]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/06(土) 12:51:46 ID:CYeeWqvU
そして翼はやっと微笑む事が出来た。涙を零しながら微笑んだ。
仲間とも宿敵ともつかぬ男達とぶつけあう強気な笑いではなく、愛する者とのみ分かち合える穏やかな笑顔。

翼「…俺は…まだ、君の苦しみや悩みや、見せたくない所を見せて貰っていないよ」

早苗「一緒に居れば、嫌でも見る事になると思うわ。それでも一緒に居続けたい…と思うのが愛じゃないかしら」

翼「そうか………」

早苗「……………」
省28

[122]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/06(土) 12:53:42 ID:CYeeWqvU
ディアス「いいや、あれよりもっと面白いモノだ。三軸の回転をかけるんならもっと良い方法があるだろ?」

翼「…ああ、なるほど。分かったけど、それは流石にかなり練習しないと無理そうだぞ」

ディアス「今日一日で十分だろ?サイクロンなんてブッツケ本番で出来るモンだしな」

翼「………ニヤニヤしながら言うなよ。俺はコントロール出来る様になるまで二週間かかったよ…」

ディアス「おーおー、凡人にしちゃ早いじゃないか。上出来上出来」
省30

[123]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/06(土) 12:55:47 ID:CYeeWqvU
いったんここまで。

[124]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 11:26:50 ID:j1NDR9eE
〜カルロス・サンターナ、アルツール・アンチネス・コインブラ〜

カルロス「ほう、ツバサとディアスがバルセロナに…中々厄介なコンビが誕生しそうだな」

開催国のワールドユース大会で準優勝と言う結果はブラジル国内では散々に叩かれた物だが、
ブラジルユースの選手達を獲得したいクラブにとってはむしろ相場が下がって有難い出来事だった。
だが選手達当人はそんな外野の思惑など気遣って居られず、取り逃がした栄光を埋め合わせ 省56

[125]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 11:28:16 ID:j1NDR9eE
カルロス「なるほど…勝手な推測だが、ジャイロにとってサイクロンは己の誇りではなく、
己の敗北の象徴だったのかも知れない。きっとお前にサイクロンに頼らず強くなって欲しかったんじゃないか?」

コインブラ「…そうかも知れない。親父は俺に何も要求しなかった。クラブやブラジル代表に入れとも。
今になってようやく分かる気がするんだ。親父がサッカーを嫌いにならなかった理由を…」

一方長らくサッカークラブに所属していなかったコインブラはどうか?
省73

[126]2 ◆vD5srW.8hU :2015/06/07(日) 11:29:41 ID:j1NDR9eE
カルロス「結局俺達はこうやって走り続けて己の道とゴールを確かめるしかないのさ…たぶんな」

コインブラ「そうだな…お前が上手くやってくれたからここに入れた。有難う」

カルロス「気にするな。昔お前が助けてくれたから、今の俺があるんだ」

こうしてこの二人はレアルに入団し、その凄まじいばかりの実力を遺憾なく見せつけ先輩達も監督も唸らせていた。
この二人ならばこの超名門でもスタメンを確保するのは難しい事ではない。それは誰もがうなずく事だろう。
省33


0ch BBS 2007-01-24