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【花の都の】キャプテン岬2【色物達】


[439]キャプテン岬 ◆ma4dP58NuI :2019/04/14(日) 22:43:53 ID:m9q3xldo
千早「昔、まだ日本にいた頃、私と優の2人でお祭りに出かけた事があった。
   その帰り道に落とし物を拾おうとした優へ、車が飛び込んできた」

そう言った後、千早はギュッと堅く目をつぶった。幼い日の惨劇が脳裏を駆けめぐったのだろう。
嫌な記憶を振りちぎるように頭を振った後、話を続ける。

千早「万一の覚悟を、とまで告げられたほどの大怪我だったけど、何とか命は取りとめた。
   動かなくなった腕もリハビリのおかげで動かせるようになった。でも心は」

そこまで語ったところで千早の口が詰まる。僕は千早の袖を軽くつまみ、もう一方の手で通路路肩を指さし、
促すように自分から縁石に腰を下ろす。一連の仕草から意思を察してくれたらしく、
かすかに頭を下げ僕の隣へ寄り添うように座り、切なげに息をついた後、話を続けた。

千早「撥ねられた時の激痛か生死の境をさまよった体験のせいか。
   退院してからも優は苦しい苦しいとうめき続けて、眠る事もできなかった。
   起きている時も時々、カチカチと歯を鳴らしながら金縛りにあったみたいに体が動かなくなった。
   母さんに連れられてアメリカに渡り、PTSDを診てもらえるお医者さんに出会ってから、
   だんだん落ち着いてきて不眠も金縛りも無くなった。これで大丈夫だと思ったのだけど」


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