キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【さらば】森崎in異世界完結編【遠き日】

1 :キャプ森ロワ:2010/06/25(金) 04:18:50 ID:???
キャプテン森崎外伝 〜森崎in異世界トーナメント〜


http://intermezzo.cool.ne.jp/report/Lupin/R3_temp.swf?inputStr=
%81y%82%B3%82%E7%82%CE%81z%90X%8D%E8in%88%D9%
90%A2%8AE+%8A%AE%8C%8B%95%D2%81y%89%93%82%AB%93%FA%81z


このスレは以前〜キャプテン森崎ロワイアル〜のタイトル名でそのあまりの
タイトルと内容の違いに遂にタイトル変更となった前代未聞なスレです。
その内容は森崎を中心に色々な作品のキャラとサッカーさせようとする無謀なスレでもあります。
なのでサッカー描写はかなりぶっ飛んだものとなりますが(武器とか魔法とか普通に使用します)
ですがサッカー的に流石にこれは…という場合は遠慮なく突っ込みどうぞ。
キャラ描写は特に気を使ってやるつもりですが、おかしいと感じたときはこれまた遠慮なくどうぞ
なるべく対応してきます。雑談、ご意見、作者への批判等も随時受け付けております。お気軽にどうぞ。

2 :キャプ森ロワ:2010/06/25(金) 04:19:17 ID:???
過去スレなど

外伝スレ2>>844から最後までです。
http://morosaki.s344.xrea.com/test/read.cgi/morosaki/1221380297/
1スレ目【エリート熊が】キャプ森ロワ1【倒せない!!】
http://morosaki.s344.xrea.com/test/read.cgi/morosaki/1227367935/
2スレ目【異世界の】森崎in異世界【勇者たち】
http://morosaki.s344.xrea.com/test/read.cgi/morosaki/1231515954/
3スレ目【ペテン師の】森崎in異世界2【猪狩り】
http://morosaki.s344.xrea.com/test/read.cgi/morosaki/1235054320/
4スレ目【紳士】森崎in異世界3【激闘録】
http://morosaki.s344.xrea.com/test/read.cgi/morosaki/1238931855/
5スレ目【三人の】森崎in異世界4【音波兵器】
http://morosaki.s344.xrea.com/test/read.cgi/morosaki/1243002343/
6スレ目【どけーっ!】森崎in異世界5【イデの力を(ry】
http://morosaki.s344.xrea.com/test/read.cgi/morosaki/1246883087/
7スレ目【記録よりも】森崎in異世界6【記憶に残る者たち】
http://morosaki.s344.xrea.com/test/read.cgi/morosaki/1252851276/
8スレ目【グローバルフットボーラーよ】森崎in異世界7【永遠に】
http://morosaki.s344.xrea.com/test/read.cgi/morosaki/1256564935/
9スレ目【絶対に】森崎in異世界8【負けられない戦い】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1260102975/

3 :キャプ森ロワ:2010/06/25(金) 04:20:38 ID:???
【簡単なあらすじ】 
Jrユース大会から2ヶ月後、いきなり異世界に召喚された森崎は、よびだした張本人ジョアンが
開くサッカーのトーナメントに出場する破目になる。そこで同じように召喚された者達と『オールスターズ』を
結成する。そしてオールスターズは数々の困難を乗り越え、遂にこのトーナメントを裏で引いていた黒幕を打倒する。
だが勝利の後に待つのはここまで苦楽を共にしてきた仲間達との別れだった…


【登場人物紹介】

☆森崎有三
本編の主人公。全日本Jrユースを第一回フランス国際Jrユース大会優勝に導いた立役者。
設定上Jrユース大会から2ヶ月後の話で、シュナイダーやピエールから推薦され『オールスターズ』でも
キャプテンになる。音撃戦士に覚醒してからは歌うイベント後のカードの引きが異常に良く、魂の師匠でもある
光太郎超えかとまで言われる程にまで成長した。しかし運命の悪戯か最後の最後で師匠に思いが通じなかったのは
本人は無論の事住人も心底残念に思っているようだ。また師匠と笑ってカラオケする日が来るのだろうか…?

森崎 LV12 EXP 50
ド:33 パ:22 シ:27 タ:25 カ:27 ブ:27 せ:30 セ:31 高低3/2 ガッツ970
成長率
ド:50 パ:20+30 シ:40+10 タ:30+10 カ:30+10 ブ:20 せ:70 セ:90
(横の+はボーナス成長率)
          
☆カール・ハインツ・シュナイダー
「皇帝」の異名を持つ西ドイツJrユースのストライカー。知る人ぞ知る病的なシスコン。
こっちの世界にはマリーがいないので意気消沈気味と思われたがまさかの『マリー』入手。しかし遂に全て食べてしまった
…と思いきや精神世界でマリーと会えたので本人は満足した事だろう。最後の試合では自らの右足を犠牲にしてまで
得点を決め、エースストライカーとしての役目を果たす。

シュナイダー LV10 EXP 90
ド:29 パ:29 シ:31 タ:28 カ:27 ブ:27 せ:30 高低3/3 ガッツ1000

アイテム『マリー』は使い切っちゃた…

4 :キャプ森ロワ:2010/06/25(金) 04:21:41 ID:???
☆エル・シド・ピエール
フランスJrユースのMFでキャプテン。貴族出身のお坊ちゃんで、凄まじく金持ち。
攻守共に非常に優れたMFで、住人からはその謙虚な姿から「紳士」と呼ばれる。オールスターズでは
最早エースとも言うべき存在で、一人だけ突出して能力が高く、最後まで中心選手として活躍した。
恐らくオールスターズ解散に一番心を痛めているのはこの人であろう。

ピエール LV13 EXP 90
ド:33 パ:31 シ:32 タ:30 カ:29 ブ:29 せ:31 高低3/4 ガッツ1000

黒い勇者(シュート力+12、要シュナイダー)300消費 テーマソングもあるよ
    
☆リンダ【登場作品:ファイアーエムブレム紋章の謎(スーパーファミコン)】
スカートをはためかせながら魔法を撃つ事に定評がある女性魔道士。だがクラスチェンジにより
ローブ姿となる。真理の事をお姉さまと言って慕っている様子。最後の試合では遂に仇敵ガーネフと
対峙し、それを見事討ち取った。

リンダ LV12 EXP 10
ド:30 パ:27 シ:22 タ:18 カ:29 ブ:14 せ:21 技:14 高低2/3 ガッツ870

アイテム『スターライト』

5 :キャプ森ロワ:2010/06/25(金) 04:22:45 ID:???
☆カミーユ・ビダン【登場作品:機動戦士Zガンダム】
このスレでの設定は原作からじゃなくスーパーロボット大戦F完結編から来てる設定です。
なので結構良い子ちゃんです。最後の試合。彼の類まれなニュータイプの感性が凶悪の根源を捉えたその時…
彼の怒りは頂点に達する。そして散っていった人々の思いを一身に受け止め、それを森崎たちに託した後…
彼は静かに舞台から降りていった。

カミーユ LV11 EXP 0
ド:22 パ:22 シ:24 タ:18 カ:27 ブ:20 せ:23  高低3/2 ガッツ910

アイテム『ハロ』装備 『サイコフレーム』装備

☆ドーガ【登場作品:ファイアーエムブレム紋章の謎(スーパーファミコン)】
壁、その一言に尽きます。レベルアップでブロックに更なる磨きをかけた為やはり立派な壁として
期待されている。完全にDF専門なのは今のところ彼しかいない為、地味ながらもオールスターズに
とっては結構重要な戦力と思われる。そしてやっぱり最後まで壁として貢献し続けたのである。

ドーガ LV11 EXP 50
ド:18 パ:19 シ:19 タ:26 カ:17 ブ:31 せ:32 技:13 高低1/3 ガッツ860

☆ティーダ【登場作品:ファイナルファンタジーX】
元の世界でブリッツというサッカーに似たスポーツをやっていた為、シュート力はシュナイダーに匹敵し、
ポイントゲッターとして期待され、決定率も高い。最後の試合は何と親父殿が登場。
そしていつぞやか覚えていないかもしれないが、公約どおりアーロンは登場させましたよっと。

ティーダ LV11 EXP 70
ド:25 パ:23 シ:31 タ:22 カ:18 ブ:15 せ:26  高低4/2 ガッツ910

6 :キャプ森ロワ:2010/06/25(金) 04:23:47 ID:???
☆矢島透【登場作品:かまいたちの夜】
オールスターズの中では普通の人。犯人は僕だ展開は幸か不幸か今の所訪れてはいないし、もう訪れる事もないだろう。
選択肢に翻弄される仲間として森崎とは通じるものがあるらしい。ダンジョンパートでは『シレン』と名乗り
(名乗らされ)不思議なダンジョンに挑む事になったが、それも無事終了となる。ある程度この世界の仕組みに
ついては予測済みだったらしい。最後の試合には出られなかったが、コッパと再会を果たす。

透 LV10 EXP 0
ド:19 パ:19 シ:20 タ:19 カ:21 ブ:19 せ:18  高低1/1 ガッツ750

☆小林真理【登場作品:かまいたちの夜】
透の良きパートナー(本人は否定するでしょうが)リンダを実の妹のように可愛がっている様子。
ペンションでの生活はこの人が切り盛りしてると思われます。透と同じくダンジョンパートでは
『アスカ』と名乗り(名乗らされ)不思議なダンジョンに挑む事になったが、無事終了。
同じく最後の試合には出られなかったが、でもやっぱり一般人なので…

真理 LV10 EXP 40
ド:19 パ:21 シ:19 タ:22 カ:20 ブ:19 せ:22  高低1/1 ガッツ750

☆アルス【登場作品:ドラゴンクエストV】
勇者ロトその人。透達のおかげで王者の剣と勇者の盾を手に入れ急激なパワーアップを果たす。
しかしこの世界で自らが討ち取ったはずのゾーマが元の世界での自分の仲間の姿で現れる。
最後の試合で遂に宿敵ゾーマとあいま見え、勇者としての責務を果たし、勝利に貢献した。

アルス LV11 EXP 0
ド:27 パ:25 シ:26 タ:25 カ:24 ブ:23 せ:29  高低3/2 ガッツ960 MP112

7 :キャプ森ロワ:2010/06/25(金) 04:24:47 ID:???
☆ヤン・ウェンリー【登場作品:銀河英雄伝説】
『奇跡のヤン』『魔術師ヤン』の異名を持つ不敗の提督。しかしその心根はただのニートです。本当に(ry
ただあの森崎ですら相談役として信頼している為、そこら辺は流石としか言いようが無い。
最後の試合には…何というか色々と裏事情が…ゴホンゴホン…それはひとえに私の力量不足がゆえに
というのは一応言っておきますね。まぁその辺りはチラ裏で話せればと…

ヤン LV11 EXP 20
ド:11 パ:14 シ:12 タ:13 カ:17 ブ:14 せ:13  高低1/1 ガッツ560

☆チキ【登場作品:ファイアーエムブレム紋章の謎(スーパーファミコン)】
見た目はあどけない少女。千年以上生きているらしいがそのほとんどを寝て暮らすという可哀想な子
でもある。なので精神的には見た目のままらしいです。オールスターズ初の引き抜きメンバーとなり、
三回戦は中々に活躍を見せている。そういえば他のキャラは見せ場があったがこの子は余り活躍させて
あげられなかったなぁ…まぁ他がそれ以上に濃いのでしゃーないのかな…ということで…スマン。
なあにここでなくて某スレで嫌と言うほど活躍できるさ!

チキ LV10 EXP 70
ド:16 パ:10 シ:15 タ:14 カ:14 ブ:12 せ:13 セ:13 技:10 高低1/1 ガッツ425

☆南光太郎【登場作品:仮面ライダーBLACK RX】
僕らのてつを。登場早々にジャンク怪人を退治し、仲間に引き入れ、続いてマンモス怪人をも
打ち破り、悪はゆるさ゛ん!!的なノリで突っ走る正義の人。何でもかんでも「クライシス」のせいに
してしまうところがある。最後の最後で森崎の願いをスルーする師匠はやはりスキル『チャンスに弱い』を
付けてもいいんじゃないかってくらい肝心なところで詰めが甘かった…そういや某スレで見ましたが
ウチのスレは確かに『てつを』って呼ばれてるけど…これってやっぱり歌歌うからですか?

光太郎 LV10 EXP 0
ド:20 パ:20 シ:22 タ:19 カ:21 ブ:19 せ:20 高低2/2 ガッツ1000

8 :キャプ森ロワ:2010/06/25(金) 04:25:50 ID:???
☆ジャンクマン【登場作品:キン肉マン】
初登場時に光太郎を襲うも、逆に返り討ちに逢い、その心根と強さに惚れ、アニキと付き従う。その姿は
もはや悪魔騎士と言われた面影も無いほどで、正義超人と言っても過言ではない。ただアニキと
慕う光太郎がすぐ暴走する為、何かと苦労しているようで…しかし何だかんだ言ってもアニキ大好き
なのには間違いないようです。音撃戦士の一番の被害者はやはりこの人であっただろう…

ジャンクマン LV10 EXP 0
ド:17 パ:21 シ:23 タ:26 カ:23 ブ:26 せ:31 セ:28 高低2/3 ガッツ950

☆デスマスク【登場作品:聖闘士星矢】
皆大好きデスマスクさん。KYな事に定評がありすぎる。初登場時でジャンクマンと同じく光太郎に
返り討ちに逢うも同じチームメイトであったレナスに心酔し、女神から戦乙女の聖闘士に
鞍替えしたらしい。最後の試合終盤のくだりは彼らしく書けたと思うので好評だったのはホッとしてます。

デスマスク LV10 EXP 20
ド:25 パ:20 シ:27 タ:25 カ:27 ブ:23 せ:29 高低3/3 ガッツ950

☆レナス・ヴァルキュリア【登場作品:ヴァルキリープロファイル】
光太郎や、ジャンクマン、デスマスクと同じドラクエ・ファンタジー所属の選手だが、彼女は
ジョアンによばれた訳ではなく、ある目的で自らの意志でこちらの世界へ降り立っている。
その立場上ある程度この世界に起きている事を把握しており、ヤン達にそれを伝えた。
ちなみに彼女がデスマスクにデレるかどうかは神のみぞ知る。(多分無いと思います…)

☆コッパ【登場作品:風来のシレンシリーズ】
語りイタチという良く分からない種族で、まったく喋らない主人公のかわりにペラペラ喋ってくれる。
不思議なダンジョン初心者の透と真理を『シレン』『アスカ』と呼び、色々とダンジョンの事を
悪態つきながらも教えてくれていたが、前のスレでお別れとなってしまったと思ったらまた出てきた。
そしてヤンの非常識な道具の使い方にカルチャーショックを受けている。

9 :キャプ森ロワ:2010/06/25(金) 04:27:11 ID:???
☆ジョアン
圧倒的な存在感(笑)一応説明しとくとテクモ版キャプテン翼Xのジョアンです。
指導力は超一流(あの新田をトップクラスまで引き上げた)
森崎やシュナイダーを含め大勢の人間を“こっち”の世界に呼び寄せた張本人。
しかしガーネフやゾーマの裏切りにあい仲間を失ってしまう。

☆アルシオン
勿論テクモ版キャプテン翼Xのアルシオンです。ジョアンの教え子。
ジョアンの言い付けで森崎達を牢獄から出した。森崎の事は知っているみたいだが
知り合いという訳ではなく、かつてはこの世界の住人だったらしい。

☆コインブラ
勿論テクモ版キャプテン翼Uのコインブラであって、某ラブマリーの神様ではない。
最後の最後にJOKERで意地を爆発させ森崎から得点を奪う。…というか最後の試合でも
この人が取ってたよそういえば…

☆ガーネフ【登場作品:ファイアーエムブレム紋章の謎(スーパーファミコン)】
アカネイア大陸を戦争の渦に巻き込んだ元凶の一人。ガーネフの操る暗黒魔法マフーの前には
どんな勇者であれその闇を打ち破る方法は無いと言う。リンダの父親を殺害した張本人であり
仇敵でもあり、最後の試合でそのリンダに討ち取られたはずだが…?

☆ゾーマ【登場作品:ドラゴンクエストV】
元の世界でアルスに討ち取られた後、消滅するはずだったが、ジョアンによってこの世界へよばれ、
とりあえずの処置としてクレアという少女の肉体に収まっていたが、復活。圧倒的な力を持ってオールスターズを
絶望のどん底に叩き落すが、人の心の光の前に敗れ去る。しかしながらカードの引きも平均して高く、
最後までその力を誇示し続けたのは大魔王と呼ぶにふさわしいであっただろう。

10 :キャプ森ロワ:2010/06/25(金) 04:28:17 ID:???
☆核澤
視聴者を混乱させる実況を行う事に定評がある。知らない人からすると、この人のセリフは
日本語としておかしくね?と思われるでしょうが、恐ろしい事にこの人のセリフは殆ど
リアルでもそのまんまです…個人的にはこの人の動画が一番腹筋を鍛えられてます。
でも此度の南アフリカW杯の実況は別の人になってた…やっぱりそういう事なのか…?

☆松木
サポーターよりサポーターらしい解説を行うことに定評がある。特にゴール前の攻防は
ほぼ喚いてるだけとも言う。好き嫌いが激しくわかれる解説者ではあると思います。
私は…結構好きですけどね。オランダ戦でのドM状態を日本ペース!と言い切れるのはこの人だけだ!

☆セル塩
満を持して登場(?)相変わらずの辛口振りを見せているが、点を決まった後は要注目である。
きっと子供のように喜んでくれるはずだ。松木とは何故かあまり会話しようとせず、会話しても
噛み合わない事が多い。それでいいの?○○朝さんよォ〜
個人的には核澤、松木、セル塩と揃って台詞が更に生き生きとしたような気がする。
ちなみに私も「やったぁ〜かった!かった!」のファンです。

☆キューニー・ボルガ・キタノッデ
ラブマリーのご意見番。名前がかのQBKの伝説の名言の響きに似ているがそれは「気のせい」らしい。
多少毒舌だがラブマリーの○○○不足について研究を重ねており、その分析能力から数々の研究成果を挙げている。
研究に値する材料があれば気紛れで他の事も研究してくれるかもしれない。出張もたまにしてます。

11 :キャプ森ロワ:2010/06/25(金) 04:29:20 ID:???
以上テンプレでした。このスレではルールなどほとんど必要ないのでばっさり省き、登場人物のみにしました。
後データ等はエンディング終了後纏めて投下しようと思ってます。その時チラ裏や一人反省会など
ボソボソとやれたらなぁ〜と思ってます。

ちなみに最初のアレは最近知って…もっと前から知っていたらタイトルコールに使っていたのになぁ…
でも改行したら変な風になるなぁ…どうやれば良かったんだろう…知っている人いたら教えてください…

本当は試合開始まで寝るつもりがまったく寝る気配が無かったので起きてテンプレ作ってました…
だけど連発ですっかり目が覚めたぜ!!ガンバレ!ニッポン!!

12 :森崎名無しさん:2010/06/25(金) 04:44:42 ID:???
新スレ乙デス様!
このスレタイが採用されたって事は銀英伝的に丁度キルヒアイス殉死な訳でOVA的に第一部完って訳で

つまりは次の展開を期待しちゃっていいんですか!?(クドさに定評のある役者カワタイラさん風に)

13 :ラインライダー滝 ◆lLi06nuZOA :2010/06/25(金) 04:51:07 ID:???

楽しい乙でしたね
カミーユ君がいなくなってしまったからな

とまあ冗談(ガイキングLODやファフナー超好きで発売日に購入した身としては最初とても笑えませんでしたが)
はこれくらいにして完結編乙です! タイトルコールw
前スレは燃える展開満載で正に最終決戦に相応しい激闘でしたね。デスマスクさんを格好いいと思ったのは初めてですw
信彦もえらい格好良く散っていきましたね……ウチの方はどうなるんだろう?
ともあれこのスレのフィナーレ、大いに期待しております!

PS:BLACKの時の方が良く歌ってるんですけどねぇw

14 :キャプテン霧雨 ◆2pV1gRdG.o :2010/06/25(金) 19:39:48 ID:???
どうも、新スレ乙です。
とうとう完結編かぁ…今まで楽しみにしていただけに、ちょっと寂しいものがあります。
紳士やや音撃戦士、そしてラブマリーの面々…とても魅力的なキャラばかりでした。
前スレでの続編希望と言う声にも思わず頷いてしまいそうであります。
とはいえ、物語は始めた以上は完結させねばならないわけで……うむむ。

読者の私としましては、続けたくなったらいつでも待ってますというところですね。
その時には「来たーーーー!!」とか「その時イデが発動した!」とか叫んで参加したいと思います。
完結編と聞いて色々と考えてしまいますが…この完結編もがんばってください!

15 :キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2010/06/25(金) 23:58:38 ID:???
新スレ乙ですー!
遂にゾーマを打破したオールスターズ全員の想いのこもったミラクルシュートに、勝利。
その後やっぱり来たカラオケに、アルシオンリーサル覚醒と、らしい幕切れに感動と同時切なくなりました。
また森崎板から、祭りがひとつ消えてしまうそんな気持ちですが、完結編最後まで目を凝らして見届けます!

16 :キャプテン岩見:2010/06/26(土) 00:08:49 ID:???
新スレ乙です
ついに完結編ですか…ヤン提督の活躍が見られなくなるのは悲しい…
私のスレでも出そうかな…音撃戦士のてつをさんとかも大好きでしたしラブマリーも良かったですね
てつをさんは、ストロンガーの兄貴、アマゾンのあの方の歌を見た後聞いたので破壊力抜群でした
完結編の最後まで楽しませていただきますね。

17 :森崎名無しさん:2010/06/26(土) 01:47:01 ID:???
子門さんをあの方とは・・・
岩見さんはモグリですな?

18 :キャプ森ロワ:2010/06/26(土) 10:29:51 ID:???
更新ではないですけどスレ返しだけでも…

>>12 やっぱ銀英好きとしてはこのタイトル出されるとこみ上げて来るものが…最初カワタイラって誰だってググルと
ウチのスレが引っ掛かってワロタw成る程バイーンの人ですねw私は兄貴より弟のあのテンションが好きですけどねw
次の展開かぁ…まだ本当に何もない状態ですねぇ…それよりまずはこれを完結(ry

>>13 ありがとうございます。タイトルコールは何となく気に入ったので使ってみたら意外といい感じだったのでw
まぁKは私などはスルーしていて最近某スレに毒されたニワカですが、当初は酷かったらしいですねぇ…
光太郎関連でやはり信彦は避けて通れないので無理やりですが何とか上手く纏まったかなぁ…と。
デスマスクさんは…もうノリですよw勢いですねwそちらでももうすぐゴルゴムとの決着なので楽しみにしています!

PS:確かにBLACKの方が歌ってるんですよねwだとすると後はRXだからかな?w

>>14 あざーっす!続編希望という声があるのはやっぱり素直にうれしいですね。まぁ続編は何か展開が思いつけば
やりたいですが…今のところは何もさっぱり思いつかない…この後は基本的に原作に繋がるって感じなので
エキシビジョンくらいなら出来そうですが、そこからまたキャラを動かすとなると難しいかもしれないですねぇ…
本当今のところ何も考えてないですが、やるとすれば全く別のキャラや話かもしんないですね…
ところで気になったんですが…イデが発動したらそれはBADENDですよね?w

>>15 ありがとうございます!最終戦は試合より展開重視でぶっ飛んだ描写ばっかりだったんで
どうかなぁ…と思いつつやってたんですが、そう言って貰えて良かったです。まぁシュートでパワー判定を使うスレなんて
ウチ位なもんでしょうが…wまぁこれで終わると言っても遅筆なので一ヶ月以上はまだここに居座っていると
思いますが…w最後までお付き合いくだされば幸いです。


>>16 ありがとうございます!ヤンは一応説明キャラで出したんですが、やっぱりそれでは収まらないキャラでした…
そして一番セリフや描写に気を使ったキャラでもあります。まぁそれ言ったらヤンがサッカーやってるって言うのが
一番違和感あるんですがwそこは置いといて…何とか最後まで頑張りたいと思いますです。ハイ。

19 :キャプ森ロワ:2010/06/26(土) 10:30:53 ID:???
>>17 つまりはこう言う事ですね分かります。

              /                  ヽ
           /   な  い  い  も     |
           l    い  い  ら  う    |',           /
           |   か ん  な       l  ',        /
           |   な  じ  い  俺   /   〉く }三{`>く
          ヽ、    ゃ 子  達   / ∠_/ ̄∨__〉、
      、     \ ,       で     /   !:::ハ ゚ /::::l|     ,..-―
      \     / `丶、____x く    ト、:_:_}  {_:_:_ノ|    / ; : : :
       ,.ィT: ̄:7ハ、                 V「::r┬宀┬ 、:}V_/:./: : : :
      人,-、:.・:; -vヘ              ∨仁ー--'二l }イ{}=彡く_:_:_:_:_:_
     〔:.:{::}ー{::}:.:}             _, <l入ヽ二二 // /勿¬┬┬-..、
    __Y/:|三三ト、:/           , -<}>_'´_::ヽ\_二_/ノ::_ニ::. ┴┴-<
_rく´ |:.:| lヾ:|三三|:/「`ーrー、    /,..:'r―-、ヽ、`ヽミー--‐ニ-'´ /r──‐┐::
∧ ヽ `  \ヽ二ラ /:.:.:./ | }   //::..{      ̄    ヽ:/´    '′      |::..
:.:.ヽ |     ` ┬彳:.:.:.:/ | ∧  //::..::..\       ‖          /::..:
:.:.:.:〉|      l 〈:.::.:/ 〃:.:∧//::..::..:「`ー      ‖       _/::..::..
:./| lノ〉_r、   !  ̄  ∧:.:.:.:.7/::..::..::..ヽ、      ‖       ` ̄フ::..::.
  ', ヽ、ー′ |    / ヽ:. //::..::..::..::./ヽ¬     ヾ      -r―'´::..::..::.

スカイライダーもいるよ!!

20 :森崎名無しさん:2010/06/26(土) 17:16:25 ID:???
  ∧,,∧     ∧,,∧
 ( *・ω・)  (;`・ω・)  。・゚・⌒) キャプ森ロワさんのために メロンパン 作るわ!!
 / ∪ ∪   /   o━ヽニニフ))
 しー-J   しー-J

21 :森崎名無しさん:2010/06/26(土) 17:22:49 ID:???
               アッ! 。・゚・
  ∧,,∧て   ∧,,∧ て     。・゚・。・゚・
 ( ´゚ω゚)て (; ´゚ω゚)て   //
 / ∪ ∪   /   o━ヽニニフ
 しー-J   しー-J    彡

  ∧,,∧ 
 ( ´・ω・)   ∧,,∧    ショボーン
 / ∪ ∪  ( ´・ω・)
 しー-J  c(,_U_U      ・゚・。・ ゚・。・゚・ 。・゚・
     ━ヽニニフ

  ∧,,∧ かにすらともよや
 ( *・ω・)  ∧,,∧    
 /  つつ (・ω・* )
 と_)_) c(,_U_U      ・゚・。・ ゚・。・゚・ 。・゚・
     ━ヽニニフ

22 :キャプ森ロワ:2010/06/26(土) 19:31:46 ID:74HDYPSI
>>20-21 床に落ちたメロンパンは私が美味しく頂きました。最初かにすらともよやが何だったか忘れてまして…
ググって思い出しました。そういやあったなぁ…久々に6がやりたくなってきましたよ…このAAは何となく好きですw

アルシオン リーサルツイン 45+( クラブ3 )=48
コインブラ リーサルツイン 46+( JOKER )=61
シュナイダー カウンターシュート 37+( クラブ3 )+(皇帝の怒り+1)=41
超モリサキ3 がんばりセービング・改 40+( クラブ6 )+(超化+4)=50
≧2→アルシオン、コインブラのリーサルツインが突き刺さる。

ツインシュート独特の大きく揺れ動く軌道をカウンターで撃ち返すという発想もさることながら、実際にそのボールを
正確にインパクト出来たのもシュナイダーなればこそであっただろう。

シュナイダー「…!?グワァッ!!」

しかし先の自分と同じく二人の己のサッカー人生を全て注ぎ込んだシュートに対してはなすすべが無く、
そのまま宙に弾き飛ばされてしまう。そしてゴールを守る超モリサキはそのシュナイダーが易々と吹っ飛ばされるのを
目の端に捉えながらも体はボールに投げ出していたが、先の試合で見せたシュートとは威力、思い、気迫など
まるで別物としか言いようが無かった。

超モリサキ3「…グホォ!!」

結果シュナイダーと同じように簡単に吹っ飛ばされて、天を仰ぐ羽目となってしまい、ボールはゴールネットを突き破る。

23 :キャプ森ロワ:2010/06/26(土) 19:32:48 ID:74HDYPSI
森崎「っつつ…」

コインブラ「大丈夫か?」

森崎「これが…大丈夫そうに見えるかよ…」

コインブラの言葉に愚痴っぽく言葉を返す森崎。実際今のリーサルツインで体中悲鳴を上げているのだ。
その上勝負も負けとくれば、愚痴の一つでも言いたくなるというのが森崎の心情であった。その言葉を聞いて
コインブラは少し微笑みを見せた後、森崎に手を差し伸べる。森崎もそれに対して微笑を浮かべ手を取る。
シュナイダーの方を見ると自分と同じくアルシオンからの手を取っていた。

森崎「全く…出鱈目なシュート撃ちやがって…」

こちらの世界に来てから色々出鱈目なシュートを受けてきたが、その中でも今のシュートは
ある異次元的シュートは除いて間違いなく一番威力があったシュートだろうと思う。無論止められなかった事は
キーパーとしては悔しいと思う気持ちはあるが、それ以上に最後にサッカー選手としてこの二人の選手としての
本当の姿を見られ、尚且つ勝負できたという事が誇らしいという気持ちが上回っていた。それに何となくだが今のシュートは
プレイヤーとして相手が上かどうかという事はともかく、威力や技術とは関係無しにもっと違う何かがあったように
思えたからである。そしてそれは同じく吹き飛ばされたシュナイダーの表情も似たようなものであった。
そんな事を考えていると、森崎の元にジョアンがやってくる。

ジョアン「どうやらアルシオン達の勝ちのようじゃの…」

森崎「フン…さぞかし満足だろうな」

ジョアン「そうつんけんするでない…ほれ約束の品物じゃ」

そしてジョアンはオールスターズ一人一人ずつに何かを渡している。

24 :キャプ森ロワ:2010/06/26(土) 19:34:04 ID:74HDYPSI
シュナイダー「これは…スコアブックか?」

渡されたものは自分達が使用していた各々のスコアブックであった。

ジョアン「それを持っていればこっちの記憶も持っていけるじゃろう」

ドーガ「本当か?こんな紙切れで…?」

森崎(そういやこの紙切れアルスやリンダが何かしら魔力があるって言ってたな…
まさかそんなご大層なモノだったとはなぁ…)

森崎は自分に渡されたスコアブックをひらひらとさせながら眺め、その後大事にポケットにしまい込むと、
ふと森崎の視線の端にキラリと輝くものが目に映る。そしてそこには今まさに残りかすのような碧の光が
消え失せようとしているハロが地面に落ちていた。それをおもむろに森崎は拾い上げる。

森崎「結局あいつには礼すら言えず…借りも返せず仕舞いか…」

シュナイダー「それはお前だけじゃない…俺も…いや俺達全員にとって大きな借りだ…しかも返す事が出来ない…な」

チキ「ううぅ…カミーユお兄ちゃんだけ仲間はずれで可哀相だよぉ…」

確かに自分達は勝利した。しかし絶望的な状況から反抗の切っ掛けを作ったのは間違いなくカミーユであり、
そのカミーユとは別れの言葉すら言えずにすでに彼はもういない。そして彼だけはここの記憶すら無くしてしまうのだ。
チキではないがそこに理不尽なものを感じるのは森崎たちも同じであった。そして自分の持つハロを見やった後、
レナスの前まで歩み寄り、ハロを差し出す。

25 :キャプ森ロワ:2010/06/26(土) 19:35:10 ID:74HDYPSI
森崎「これだけでも何とか…あいつに返せねぇかな…」

要領は得ない森崎の言葉であったが、その意を汲み取ったレナスは無言でハロを受け取るとそのまま天に放り投げる。
そしてハロは人魂のように光となって天へと昇っていった。それをそれぞれが思い思いじっと見つめていた。

ヤン「さて問題も片付いた事だし…じゃあそろそろ私達も戻ろう…自分達の世界へ」

最初に沈黙を破ったのはヤンだった。そのヤンの言葉はこの場にいる誰もが望んでいた事。
そして同時に誰もが口にしてほしくない言葉でもあった。元の世界に戻るという事…
それはこの世界で出会った仲間達との別れに他ならない。

ティーダ「い、いやぁ…でもそんなに急いで帰る必要も無くないッスか?」

真理「そ、そうよねぇ?一日位ゆっくりしても…」

コッパ「アハハハハ!!何を言ってるんだかこのねぇちゃんは…これだから素人は…そんな悠長な事言ってたら
この世界と共にジ・エンドだぜ?現にこの世界…崩壊しつつあるんだし」

透「そ、そう言えば提督がそんな事を言っていたような気が…」

仲間との別れを惜しむしんみりとした雰囲気をコッパが、さらりとそれでいて核心に触れる発言であっさりと崩壊させる。

レナス「その小動物の言うとおりだ…この世界は崩壊がすでに始まっている…もう長くはもたないだろう…」

レナスの言葉に周りを見渡すと何となくだが景色が歪んでいる様にも見える。そしてそれは徐々に
明確になってきており、世界の崩壊という言葉が真実味を帯びてきているのが判る。

26 :キャプ森ロワ:2010/06/26(土) 19:36:12 ID:74HDYPSI
レナス「ただ…お前達は先に帰した魂と違って意識がある。だから帰すのには私にも多少の準備が必要だ…
だから別れを済ませたいのならば今のうちにやっておくといい…とは言ってもすぐに終わるが」

森崎(…そんなにゆっくりした時間はなさそうだな…誰に話しかけよう…)

A リンダとドーガとチキに話しかける。
B ティーダに話しかける。
C 透と真理とコッパに話しかける。
D アルスに話しかける。
E ヤンに話しかける。
F 光太郎とジャンクマンに話しかける。
G デスマスクに話しかける。
H レナスに話しかける。
I ジョアンとアルシオンとコインブラに話しかける。
J あえて誰にも話しかけない。

*先に2票入った選択肢が採用されます。ageで投票してください。sageではカウントできません。
*シュナイダーとピエールは同じ世界なのでここでは選択できません。

27 :森崎名無しさん:2010/06/26(土) 19:37:23 ID:xiqRkGfg


28 :森崎名無しさん:2010/06/26(土) 19:37:26 ID:vhM0xUIk
E

29 :森崎名無しさん:2010/06/26(土) 19:39:02 ID:4sF9b2QU


30 :キャプ森ロワ:2010/06/26(土) 19:43:04 ID:???
さて最後は魂の師匠に挨拶というところで今日はこれだけです。
ちなみにガッカリさせるかもしれませんが、先に言っておくと歌わないです。
ただ歌う機会はまたある…とだけは申しておきます。
それでは〜

31 :キャプテン正美 ◆ZnBI2EKkq. :2010/06/27(日) 00:40:56 ID:???
新スレ乙です。
そしていつも更新乙でございます。
長かった異世界での戦いも終わり、ここまで勝ち進んできた嬉しさとともに、
オールスターズを見納めになること、皆と別れなければいけないことへの寂しさも強く感じます。
なんにしてもゴールまであとわずか。
どんな結末になるのか、楽しみに待たせてもらいます。

32 :キャプテン三杉 ◆ku3QkLRGJw :2010/06/28(月) 18:43:34 ID:???
神(しん)スレ乙です。
最後の試合は素晴らしいストーリーでした。
なんていうか・・・“仲間”とか“諦めない”とか最高ですよね。
これで最後は寂しいですが・・・「2が始まっても私は一向に構わん!」
みたいに思ってます。
では、完結した時はもう一度おめでとうございますと言いにきますw

33 :森崎名無しさん:2010/07/05(月) 16:44:05 ID:???
ところでさあ
ヤン・ウェンリーって字面だけ見ると女性の名前みたいだよねそう思わないかカミーユ

34 :森崎名無しさん:2010/07/05(月) 16:46:22 ID:???
「楊万里」さんと書くと確かに女性っぽい

35 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:34:26 ID:???
>>31 ありがとうございます。でも遅筆なのであと少しが中々終わらないとは思いますが…w
そして最後の最後でマルチエンディング(笑)などとほざいてしまったのでどういう結末が選ばれるのかは
実は私も楽しみにしてるんですよw

>>32 あざーっす!!最終戦は毛色が明らかに違うのでひょっとしたらマズイかな…?とか考えながら
書いてましたが、そう言って頂けてホッとしてます。やっぱりジャンプ黄金期で育ってきた世代としては
“仲間”とか“諦めない”は外せない要素ですから。2かぁ…まぁとりあえずはこの話をきっちり完結させないと!

>>33 ヤン・ウェンリーが男の名前でなんで悪いんだ!!提督は男だよ!!

>>34 ちなみに中国語表記ですと「楊文里」らしいですね。そういやウェンリーって名前で呼んだの聞いたことないや。
フレデリカですら「あなた」だったような…

36 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:35:48 ID:???
F 光太郎とジャンクマンに話しかける。

誰に話しかけようと考えながら森崎はぐるりとメンバーを見渡す。そして自然とある位置で視線が止まった。
その視線の先にはジャンクマンと…魂の師匠南光太郎の姿がある。メンバーの中でも光太郎とは
準々決勝からの短い付き合いである。しかしそれでも森崎にとっては仲間であり同志というのは勿論の事、
自分の新たな一面を引き出してくれた恩人でもあり、師匠でもあり、兄弟のいなかった森崎にとっては
兄とも言える存在でもあった。それだけに彼との別れというのは森崎にとって決して小さな事ではなかった。

森崎「光太郎さん!」

光太郎「おお。森崎か」

森崎の呼ぶ声に光太郎は爽やかな笑顔を見せる。その笑顔につられ森崎も笑顔を返す。思えばここに
来る前の自分ならば光太郎みたいに正に善人の鑑のような人物などとは全く馬が合わずに打算めいた
付き合いしかしなかったはずであり、こうして笑いかけられても愛想笑いを返すのが関の山であったはずだった。
それがこうして本心から笑顔を見せ、本気で別れを惜しむようになるなどと誰が想像出来ただろうか。

光太郎「お前にも色々世話になったなぁ…短い間だったが楽しかったぜ」

森崎「光太郎さん…」

何か言わなければ…そうは思うのだが、光太郎の言葉で思わず胸が詰まり、言葉が上手く出てこない。
光太郎の言葉に否が応でも別れというのを認識させられたからである。しかしそんな森崎の心情を
知ってか知らずか、光太郎は森崎に言葉を掛けてくる。

光太郎「森崎…これは別れじゃない。旅立ちなんだ」

森崎「旅立ち…」

光太郎「そうだ旅立ちだ。俺にとっても…お前にとってもな.。そして旅立ちってのは笑顔で見送るものなんだぞ?」

37 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:37:19 ID:???
そして右手を差し出す光太郎。その表情はいつも変わらぬ全てを明るく照らしあげる太陽のような笑顔だった。
それを見て森崎はふと思った。自分は光太郎のこの笑顔にこそ強く惹かれたのかもしれないと。
陰惨な過去を抱えて尚、こうして笑顔でいられる光太郎の強さと大きさに。
そして森崎も笑顔で光太郎の右手をがっちりと握り返す。

光太郎「そしてこの握手は再会の約束だ」

森崎「え?」

思いがけない光太郎の言葉に思わず素っ頓狂な声を上げる森崎。しかし光太郎の表情は至って真面目であり、
冗談を言っているようには見えない。困惑する森崎に光太郎は言葉を続ける。

光太郎「確かに再会は難しいかもしれない…だが諦めない限り可能性は残されている…
って格好つけて言ってはみたもののこれはお前から学んだ事なんだけどな」

森崎「光太郎さん…へ…へへ…そうか…そうですよね!その通り!!諦めちゃ駄目ですよ!」

光太郎「そう言う事だ!仮面ライダーに不可能は無いってな」

そしてお互い再び笑いあう。無論今言った事は現実的に実現はほぼ不可能と言う事は互いに分かっていたが、
それでも二人は約束する。希望と言う文字を胸に抱きながら。

森崎「そういやジョ…ジャンクマンはどうするんだ?」

光太郎とひとしきり会話した後、今度はそれまで二人のやりとりをじっと見ていたジャンクマンに話を振る。
こちらも光太郎に心酔していたので、ある意味自分以上に落ち込んでいるのではと思っていたのだが、
返ってきた返答は想定外の答えだった。

38 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:38:38 ID:???
ジャンクマン「どうする?どうするって何がだ?」

森崎「え?…いやほら…元の世界に戻るんだし…光太郎さんとだって…」

ジャンクマン「ああ…そんな事か…それなら心配に及ばねぇよ。だって俺もアニキの世界に行くんだからな」

森崎「……なにィ!?」

ジャンクマンがあまりにもさらっと言うので一瞬遅れて反応を返す森崎。そして光太郎の方は特に驚いた様子は無く、
さも当然と言った表情をしていた。

ジャンクマン「おいおいそんなに驚く事かよ?俺はアニキにどこまでも付いていくって決めたんだ。
それに元の世界にそれほど未練があるってわけでもねぇからなぁ…」

森崎「そ、そうなのか…」

森崎としてはそんなにあっさり故郷を捨て去るジャンクマンに驚きを見せるが、実はジャンクマンは元の世界では
すでに死人となっているというのも執着しない理由に拍車を掛けている。だが最も死人でないとしても
ジャンクマンは光太郎と共に行くという選択をしていた事だろう。

森崎「で、でも…ほら…何というか…その姿は…」

ジャンクマン「ああ…それも心配には及ばなねぇよ。俺の世界にはオーバーボディってのがあってな
それを着込めばまぁ一般人に紛れるなんざ造作もねぇよ」

森崎「は?オーバーボディ?」

聞き慣れぬ単語に思わず眉を顰める森崎。それも無理も無いだろう。オーバーボディがどんなものかは知らないが、
それを着込んだところでジャンクマンの両手のジャンククラッシュを隠す事など不可能としか思えなかったからだ。

39 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:40:17 ID:???
光太郎「ああ…それなら俺も前に見せてもらった事があるな。すごいぞ〜本当に一般人に化けたからな」

森崎「そ、そうなんですか…(あの両手も隠れるってのか?ジャンクマンの世界の物理法則は一体どうなってんだよ?)」

光太郎がそう言うのならばオーバーボディとやらのは確かに存在はするのだろうし、一般人にも化けられるのだろうが、
余りにも物理法則を逸脱しているため森崎の頭の中は疑問符が浮かび上がるばかりであった。最もジャンクマンの世界で
物理法則というものを真面目に語ろうとする事自体がナンセンス(※注釈)というのは森崎も知るはずが無かった。
(※注釈 ゆで物理学とも言われ、重い方が早く落ちる、地球を逆回転すると時間が巻き戻る、ウォーズマン理論等が有名)

その後は光太郎達だけではなく他の仲間とも一通り話し終えた頃、森崎はふと周りを見渡す。先程よりも明らかに
空間の歪みが見て取れ、素人目に見てもそれほど時間が残されていないというのは明らかであり、
流石に少し焦りを覚えたその時…

レナス「待たせたな…別れの方は大体済んだようだな…」

レナスからの声が届く。その声に全員が緊張からか思わず背筋を正す。

森崎(遂にこの時が来たか…これでオールスターズは解散…か…もうこのチームで戦う事は無いんだな…)

レナス「さて…まずはお前達だ…」

レナスが指し示すのはリンダ、ドーガ、チキの三人。そして突如三人の体が光に包まれたと思いきや、
そのまま徐々に宙へと昇っていく。

40 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:41:41 ID:???
真理「リンダちゃ〜ん!!」

リンダ「お姉さま〜!みんな〜!!色々ありがとう…私…皆の事は絶対に忘れないから!!」

ドーガ「皆〜!達者でな〜!!」

チキ「アルスおにいちゃ〜ん!!みんな〜元気でね〜!!」

森崎「三人とも元気でな〜!!」

アルス「チキ〜!おじいさんと仲良くな〜!!」

ピエール「リンダッ!ドーガッ!チキッ!!ありがとう…!俺も君達の事は絶対に忘れないぞ!!」

そして三つの光は天高く伸びた後、闇の中に溶けた。

レナス「さて次はお前だ…」

ティーダ「お、俺ッス…か?でも俺は…その…何つうか…俺戻れんのかなって思うッスけど…」

レナス「…ん?…ああ…そういう事か…」

次にレナスが指し示すのはティーダだったが、当のティーダは何故か困惑した表情をして、ブツブツ何かを言っている。
単純に帰りたくない…というのとはまた違い、先のジャンクマンと同様ティーダもまた元の世界ではすでに死人(正確には違うが)
とされてる為、戻ったところでというのが彼の思いだったが、その言葉を聞きとがめたレナスはティーダの悩みに
合点がいったようで、ティーダを安心させるように柔らかな笑みを浮かべる。

41 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:42:49 ID:???
レナス「…それに関しては自分の目で確かめるといい」

ティーダ「確かめるって……うぇ!?」

そしてティーダがレナスに何か言う前に、先の三人と同様にティーダの体が光に包まれ宙に昇っていく。

ティーダ「…まぁいいかぁ戻れなかったらその時はその時で…それよりも…皆世話になったッス!!元気でやるッスよ!」

ピエール「ティーダも元気でやれよ!!」

そうしてティーダは闇に消えるまで手を振り続けていた。

シュナイダー「フッ…奴ならどこでも元気でやるだろうな…」

森崎「全くだな…」

レナス「さて…次はお前達だな…後そこの小動物も…」

次に指し示すのは透と真理、後はコッパも一緒だった。そして二人と一匹は光に包まれ宙に昇り行く。

透「僕はあんまり役には立てなかったけど…皆…色々ありがとう!」

ヤン「そんな事無いぞ透君!!もし私達の誰か一人でも欠けていたらオールスターズというチームが
ここまで来る事は無かったんだ!君はもっと胸を張っていいんだ!!」

透の言葉にヤンが珍しく大声を張り上げて諭す。その言葉を受け、透は感極まって目には光るものを浮かべていた。

42 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:43:52 ID:???
森崎「真理さ〜ん!!真理さんの食事…お袋のよりも全然上手かったです〜!!」

真理「ありがとう!森崎君も無茶ばっかりしないで少しは落ち着きなさいよね〜!それじゃあ皆元気で〜!
あ、後コッパも元気でね」

コッパ「チェ…オイラはついでかよ…せっかく助けてやったのによぉ…まぁいいや。んじゃ達者でな〜」

そして二人と一匹は姿を消した。

ピエール「行ってしまったか…二人の結婚式が見られないのが残念だな…」

森崎「あ、ああ…そうだな…(結婚…ねぇ…あの調子じゃ…尻に敷かれるのは目に見えてるけどな…)」

シュナイダー(彼女もまたマリーの名を持つに相応しい女性だったな…)

レナス「…次はお前だ…異世界の勇者よ」

そしてアルスの体が光に包まれ上昇してゆく。

アルス「皆…皆と出会えて幸せだったよ!ありがとう!そして森崎!シュナイダー!あんまり無茶するなよ!」

ピエール「こちらこそお前と出会えてよかった…ありがとう!」

森崎「チェ…何だよ名指しかよ!」

シュナイダー「全くだ…無茶などした覚えは無いがな…」

ヤン(まぁ二人が一番アルスの回復魔法にお世話になっていたからな…)

森崎達が見守る中、また一人仲間が去っていった。

43 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:44:54 ID:???
レナス「さて…次は光太郎…それに…ジャンクマン…本当に良いのか?」

ジャンクマン「ああ…問題ねぇよ。やってくれ」

次に指し示すのは光太郎と…ジャンクマンだが、レナスは今一度念を押して確かめるのだが、
ジャンクマンはその問いに何を今更といった風にかぶりをふる。

レナス「ならば…」

その力強い言葉にレナスは微笑を浮かべると光太郎とジャンクマンが光に包まれる。
本来であれば肉体は元の世界にあるため、たとえジャンクマンの魂だけを光太郎の世界に送ったとしても依り代となる
肉体が無いため存在する事自体が不可能なのだが、ここでジャンクマンの世界の特異さが活きた。
とにかくその世界の物理法則によれば細かい理屈は抜きにして可能だと言う事らしい。更についでに言えば
ジャンクマンが元の世界では死人だったという事も功を奏しているらしいのだが、詳しい事はレナスにすら分からなかった。

森崎(光太郎さん…)

光太郎(森崎…)

そして昇り行く光太郎と森崎の視線が絡み合う。別れならすでに先ほど済ませてある。
だから再会の約束を胸に秘めながら、互いに軽くサムズアップをした後それを確かめるように頷きあうだけで良かった。

ジャンクマン「世話になったな…それじゃあばよ〜ッ!!」

光太郎「皆…元気でな〜!!」

ピエール「光太郎さん!!ジャンクマン!!ありがとう貴方達もお元気で!!」

そしてこの世界で出来た珍妙な組み合わせもこの世界から姿を消した。

44 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:46:12 ID:???
レナス「さて…次はお前だなデスマスク」

デスマスク「ま、待て!俺はお前の…」

何か言いかけるデスマスクを遮るように彼の体が光に包まれ、徐々に昇ってゆく。

デスマスク「レナス〜ッ!!!」

それでもデスマスクはその流れに逆らうように懸命にもがきながら叫び声を上げる。その勢いたるやそのまま
またこちらに舞い戻ってくるのではと思わせる程であった。それを見てレナスは呆れた様に小さくため息をつく。

レナス「分かった…分かったから…だから叫ぶのはよせ…まずは自分の世界でやるべき事があるのだろう?
全てはそれを終えてからだ…」

デスマスク「!?……クククク…ならばさっさとケリを付けてすぐお前の元に戻ってくるぞ!
レナスよ待っていろ!!ワ〜ハハハハハ!!」

ヤン(彼女も大変な人物に目を付けられたな…根は悪い人物では無いとは…思うが…)

レナスの何かを諦めたような口調の言葉を聞くや否や表情を輝かせ高笑いを見せるデスマスク。

ピエール「デスマスクさん!お元気で!!」

デスマスク「ん?ああ…お前達も精々気張れよ」

森崎(うわぁ…何このぞんざいな扱いは…)
シュナイダー(まぁ…あの人らしいといえばらしい挨拶だな…)

一体先ほどの姿は何だったのかと問い質したくなるほどのピエールの言葉に対するそっけないデスマスクの言葉だったが、
短い付き合いながらもそれこそがデスマスクなりの別れの挨拶だという事は森崎たちも理解はしていた。
その証拠に彼のいつも吊り上げられている口元が緩んでいるのが見えたからである。
そして黄金の光もこの世界から去っていった。

45 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:47:31 ID:???
レナス「さて次は…」

ヤン「ちょっと失礼…少し待ってくれないか?すぐに済む」

レナスが次はヤンの方へ視線を向けると、ヤンはそれを制するように手を上げ、そして森崎達の方へと
視線を移し、ゆっくりと語りだす。

ヤン「ジョアン氏のお陰で我々はこちらの世界の記憶を持ったまま元の世界に戻る事になる。私などはもう二度と
サッカーをプレイするという事は無いだろうから、それは思い出でしかないが、サッカー選手である君達には
経験という点で大きなアドバンテージになるだろう。ただ気を付けて欲しいのは、あくまで持ち帰るのは記憶のみであって
能力では無い…という事だ」

シュナイダー「つまり…こちらの世界で身に付けた事は元の世界の肉体には反映されていない…という事ですよね?」

ヤン「そういう事だ」

森崎「う〜む…いくら時間が止まっているとはいえそれはそれで納得いかないな…」

無論ヤンの言うとおり記憶だけでも持ち帰れるという時点で大きなアドバンテージではあるが、こちらの世界で
やってきた事はシュナイダーやピエールといったライバル達との切磋琢磨もそうだが、ヤンが立てたプランに基づいて
的確にアルスの回復魔法を駆使して通常行う数倍の練習を強引に、しかも短期間でこなしている為、元の世界で普通に
練習するのとは密度も意味合いも全く異なってくる。単純に言えばこちらの1ヵ月を取り戻すには元の世界では数倍…
いや効率まで考えると下手をすれば1年以上掛かるかもしれなかった。

ヤン「まぁそこで…というほどの物でもないが、これまでの試合の君達のプレイを分析して私なりに纏めたものだ。
本当はもっと早く渡すつもりだったんだが…ジョアン氏の持論なども聞くことが出来たからそれも付け足しそうと思って
ギリギリになってしまった…とは言っても所詮は素人の分析だからどこまで役に立てるかは分かりかねるがね…
まぁ私が持っていても無用の長物になってしまうだろうからね。出来れば貰ってくれるとありがたい」

そしてヤンはそれぞれにメモ帳を渡してゆく。貰ったメモ帳に軽く目を通す森崎たちの表情が変化を見せるのには
さほど時間は掛からなかった。

46 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:48:46 ID:???
ピエール「そんな…無用だなんてとんでもないですよ…これは…」

シュナイダー(これは…凄いな…ここまで細かく分析されているとは…プロのスコアラーでもここまでは出来ないはずだ…)

森崎(オイオイ…この分析によると俺なんて弱点だらけじゃねぇか…)

ざっと目を通しただけだが、自分というのを分析するのにこんなにも枚数を費やす必要があるのかというほどの情報量で、
しかも自分では絶対に気が付きようのないような癖、プレースタイル、更には注意点などまで網羅されていた。
確かにこのメモ帳があれば練習効率の面では大幅に改善されるというのは間違いなかった。

ピエール「わざわざ俺達の為に…ありがとうございます」

ヤン「まぁ役に立ちそうなら何よりだ…出来れば君達がせめぎ合う試合も見てみたかったが…まぁこればかりはね…」

シュナイダー「そうですね…」

森崎「……」

手渡されたメモ帳を見ながら、思えばヤンには最初から最後まで世話になりっぱなしでこちらから何かをするという事は
ついぞ無かったような気がする。そしてそれに気が付いたとき自分がいかに周りが見えていない子どもだったという事を
否が応にも自覚させられた。そしてそれはシュナイダーやピエールも同じだったようで、三人とも何となく黙り込んでしまっていた。
そんなしんみりとした空気の中でレナスから声が掛かる。

47 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:50:28 ID:???
レナス「悪いがそろそろいいだろうか?余り時間が無いのでな…」

ヤン「ああ…済まない…やってくれ」

そしてヤンが光に包まれゆっくりと上昇してゆく。

シュナイダー「提督!本当に色々とお世話になりました!!」

森崎「提督には世話になりっぱなしで何も出来なかったけど…色々とありがとうございました!!」

ピエール「どうか末永くお元気で!!」

だからせめて最後に自分の思いの丈をぶつけるようにそれぞれが大声を張り上げる。
それに対し魔術師は柔らかにそして静かに微笑んだ後、姿を消した。

シュナイダー「皆行ってしまったな…」

森崎「ああ…」

これで残るは自分達だけ。そして無言でいるピエールをチラリと見ると、まるで捨てられた子犬の様に今にも
泣き出しそうな表情だった。しかし今ばかりはそれを茶化す気にもなれない。自分も少しでも気を抜くと
同じようになるのは明白だったからだ。

レナス「さて…残るはお前達だな…」

レナスの言葉で何となく周りを見渡すとこの世界の殆どが闇に覆われていた。そして少し離れた所に
ジョアン、アルシオン、コインブラの姿が目に入る。その表情は全てを受け入れ、とてももうすぐ消える運命とは
思えないほどにすがすがしいものだった。彼らがもはや森崎たちに声を掛ける事は無い。彼らとしては対話ならば
先ほどの勝負で終えており、そして加害者である自分達が偉そうに見送る資格も無いと思っているからだ。
そして彼らが無言で見守る中、森崎達は光に包まれ、ゆっくりと上昇してゆく。

48 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:51:29 ID:???
森崎「…くそッ…!!」

シュナイダー「モリサキ…?」

森崎「来いッ!!」

そんな何も言おうとしない彼らに気が付けば森崎は叫び、自らの手をジョアン達に差し出していた。
勿論そんな事をしたところでもう無駄な事は分かっていた。しかしそれでも森崎は手を差し伸べたかったのだ。
もしかすると同じ運命を辿っていたかもしれないある意味自分と同じ境遇の彼らに。
それに対しジョアンは静かに微笑んだ後ゆっくりと首を振り、唇を動かす。しかしもはやそれを聞き取れる距離ではなかった。
だが唇の動きで何を言ったのかははっきりと分かった。

ピエール「ア、リ、ガ、ト、ウ…か…」

シュナイダー「…確かに彼らがしでかした事は許される事では無いだろうが…しかしやり切れんな…」

森崎「くそッ…何がありがとうだ…勝手に呼び出して勝手にハイさよならって…本当最後の最後まで気に食わない奴だぜ…
あのジジイはよ…これじゃあいつらの事俺達が覚えといてやるしかねぇじゃねぇかよ…!」

ピエール「そうだな…だからこの世界の事…彼らのプレイ…そして彼らの思いを俺は絶対に忘れない…」

森崎達の目の前には光が徐々に広がってゆき、それにつれて意識が遠のいてゆく。

森崎「…忘れたくとも…忘れらんねぇよ…こんな事…」

遠のく意識の中で森崎がポツリと呟いたこの言葉がこの世界で発せられた最後の言葉となり、
彼らはそれぞれが在るべきところへと戻る。そしてこの世界における最後の異邦者、戦乙女が姿を消したと同時に
一つの世界が幾多の記憶と共に終焉を迎えた。

49 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:52:31 ID:???
「……なさい…起きなさい…有三」

(ん?何だ?誰だ?)

誰かが自分を呼ぶ声がする。それはかつてはいつも日常的に聞いていてそれでいてどこか懐かしい声。
その声に導かれるように森崎有三はゆっくりと覚醒した。

「いい加減起きなさい!有三!!」

「うわッ!!」

だが導かれるというよりは一般的にそれは叩き起こされるという方が正しいだろう。一気に布団を剥がれ
否応無しに起きる羽目になったのだから。そして未だはっきりしない意識で目の前の人物をぼんやりと見詰める。
その顔には見覚えがある…というよりあって当然で、森崎の母親であった。

「え?あ?ここは…あれ?どこだ?」

異世界での記憶と今の現実の記憶が混濁して目の前に母親がいるという事実とここが自分の部屋という事を
認識するまでしばらくの時間を要した。

「もう…何を寝ぼけてるの。今日は朝練だから早く起こしてくれって言ったのは有三でしょう?
朝ご飯は出来ているから早く着替えて来なさい?」

渋々気だるげに体を起こしながらも、何故か違和感を感じる。今の現実こそがいつもに日常的に行われてきたはずなのに。
そして森崎は立ち上がろうとして自分が両手に何かを握りこんでいるのに気が付いた。

「これは……やっぱり夢じゃ…ないんだよな……俺は…戻ってきたのか…」

右手にはオールスターズメンバーの名前が書かれたスコアブック。左手にはヤンから貰ったメモ帳があった。

50 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:53:32 ID:???
「はぁ…お袋の料理ってあんなに味気なかったけなぁ…」

久方ぶりに食べた母親が作る朝食に何となく物足りないものを感じながら森崎はとぼとぼと通学路を歩いていた。
そこでふと気が付く。

「ん?でも向こうの世界で食ってたのって結局何だったんだ?…そういやヤン提督が言ってたな電脳世界って……」

何となくそれ以上は精神衛生上宜しくないと判断して考えるのを止め、それを振り切るように
今度はヤンから貰ったメモ帳にじっくりと目を落とす事にした。

(…何々…セービング技術は素晴らしいがそれ故にそれのみに頼り過ぎる傾向があり、試合後半息切れする
最大の原因でもあるか…ちぇ、初っ端から痛いとこ付いてくるねぇ…試合データによると…うわぁ…
俺って浮き球でも全然飛び出さないのな…やっぱもう少し選択肢は増やさねぇとなぁ…でこれを解消するには…
フムフム成る程なぁ…いやあ本当に良く分析してるぜ。あの人の頭の中一体どうなってんだろうな?
…後は…ゲッ!このままやってるといずれ腰をやっちまうだって?ウムム……ほう…こんな練習方法もあるのか…
この練習方法なら腰にもそんなに負担を掛けなくても良さそうだ…ん?この練習プランって…ジジイ考案なのか…)

メモを読みふける森崎の耳に突如ボールが弾む音が飛び込んでくる。何となくその音源の方へ視線を向けると
天下の公道でサッカーボールをドリブルしている少年…大空翼が目に入る。そして翼の方も森崎に気が付くと
あからさまに嫌悪感を示しながら顔を逸らす。ここでもし以前の森崎であったならば同じように不快感と共に
翼から目を逸らし、悪態のひとつでもついていた事だろう。

(やっぱり向こうでの記憶は無いみたいだな…)

しかし森崎は特にそれを気にするでもなく、今の態度でやはり翼から異世界の記憶は無くなっていると冷静に分析を行っていた。
もし記憶があれば今の自分みたいに違った反応を見せるはずだからだ。無論それでも翼に対して完全にわだかまりが
無いかといわれれば流石にそこまでは無かったが。だが翼に対して無闇に敵対心をもつ理由はもはや森崎の方には無かった。
だからこそ気づき得たのかもしれない。異世界で見せられた別世界の大空翼と目の前の大空翼の違いに。

51 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:55:09 ID:???
(あいつ…あんなに無表情でボールを蹴ってたか?)

異世界の大空翼はサッカーが好きで好きでたまらないというのが全身からオーラとなって出ていると錯覚させられるほど
サッカー馬鹿で、とにかくサッカーボールを蹴るのが楽しくてしょうがないといった感じだった。では今自分から逃げるように
ドリブルを行う大空翼はというと…無表情でただボールを蹴っているという感じで、下手をすれば義務でそうしているのかと
思われるほど無機質な感じがした。

(いつからだ?昔からあんなんじゃなかったはずだが…)

少なくとも小学生時代は別世界の大空翼のように無邪気にサッカーボールを蹴りまわしていたような気がする。
ではいつから今の大空翼のように無機質になってしまったのか。そして何故そうなってしまったのか。

(やっぱり…俺の…せいなんだろうな…)

思い当たる節はいくらでもある。大まかなところで言えば南葛中三年時のキャプテン選挙…それまで順風満帆な
サッカー人生を歩んでいた大空翼を自分が蹴落とし、初めて挫折を与えた。そしてJrユースでもキャプテンに任命され、
優勝の立役者でさらにはMVPに選出された。かたや翼はというとアルゼンチン戦での退場であやうく戦犯扱い。
そしてベストイレブンにさえ入れずと、優勝という栄冠こそ手に入れたものの散々な結果だった。それらの事が
彼からサッカーを楽しむ余裕を奪った要因の全てとは言い切れないが、一因というのは間違いなかっただろう。
無論だからといって今まで自分のやってきた事を否定するつもりは毛頭無い。それらは全て自分の努力
(余り褒められた内容でないのも含まれているが)で勝ち得たものだからだ。逆にそうしなければ別世界の森崎有三のように
自分も翼の引き立て役に甘んじていた事であっただろう。だから翼の今の現状に対して同情心というのは全く沸かない。
実力勝負というのはそういうものだからだ。しかし森崎には引っ掛かる事が一つだけあった。

52 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:56:30 ID:???
(向こうでの事を覚えていない…って事はやっぱりこれって翼に対して俺が借りを作ってるって事だよな…)

ラブマリーとの試合で敗退した翼に貸しを作り、それを最終戦で返して貰った。ここまではいい。
ただ翼が向こうでの記憶が無いと言うのなら話は変わってくる。何せ自分が作った貸しすらも覚えていないのだから
当然無効ということになり、対してこちらには返して貰ったという記憶はばっちりと残っているのだ。
となればすなわち今は森崎が翼に対して借りがあるという事になる。

「はぁ〜…となりゃやっぱり借りは返さんと駄目か…それにあいつがあのザマじゃ“あいつら”に
対抗できないだろうし…たく仕方ねぇな」

盛大にため息を付く森崎だったが、翼には異世界の記憶が無いのだから知らぬ存ぜぬでも全然通せたはずで、
以前の森崎ならば確実にそうしたはずだろう。しかし今の森崎が取った行動は前方をドリブルでひた走る翼を
追うべく駆け出していた。

だがこの時森崎は気が付いていただろうか。翼に借りを返すという名目は所詮自分に対する
理由付けでしかないという事に。もし仮にこの“借り”が無くとも同じように駆け出していたであろう自分に。

「お〜い!翼〜!!」

そして森崎の己を呼ぶ声に翼は何事かと驚きを見せながらゆっくりと振り返り────

53 :キャプ森ロワ:2010/07/09(金) 11:58:11 ID:O8af4spc
これで更新ageと
ひとまずここまでで、次からは個人個人のエピローグで、三回に分けて投下するつもりです。個人でと言っても
基本原作に繋げるという設定ですので簡潔に終わります…が、ただ一人だけ本編でケリが付いてないので
その人は長くなる…というか何で森崎版でモビルスーツが出てくるんだとおしかりを受けそうな位ちょっとした短編になりそうです…
おかしいなぁ…構想段階だともっと簡潔だったはずなのに…それではまた次の更新で〜

54 :森崎名無しさん:2010/07/09(金) 12:11:33 ID:XKB+uNKg
乙でした。
提督・・・・

55 :森崎名無しさん:2010/07/10(土) 10:12:29 ID:???
>>というか何で森崎版でモビルスーツが出てくるんだとおしかりを受けそうな位ちょっとした短編になりそうです
剣と魔法のファンタジーやら光の巨人が出てくるスレもあるし、今更モビルスーツの一体や二体誰も気にしないはずでござる

56 :森崎名無しさん:2010/07/11(日) 02:37:27 ID:???
森崎がリオカップ編でキャプ森コインブラと遭遇したときの反応が気になる


57 :森崎名無しさん:2010/07/11(日) 18:37:33 ID:???
もしガンダムでなくマクロスだったら柿崎無双が見られ…やっぱないわw

58 :森崎名無しさん:2010/07/11(日) 18:38:44 ID:???
このスレで柿崎が出てたとしたら…

イデオンガン!→柿崎ィィィィイイ!!

この流れしか思いつかねぇw

59 :キャプ森ロワ:2010/07/12(月) 01:15:31 ID:GQpk4hT6
>>54 ……

>>55 まぁそれはそうなんですが…w判定や選択とは全く無関係で出てくるのでまぁ一応ですねw

>>56 そこらへんのフォローも入れるつもりだったんで、この先にご期待って…程でもないですが…w

>>57 ないでしょうw柿崎だけじゃなくてマクロスの人はいくらマックスとかが天才ゆうてもあくまで
人としてはノーマルですからねぇ(あ、そういえばマックスは巨人化してたっけ)…でもよくよく考えると歌的に
うちのスレでは強いかもしれませんねwただ実はマクロスはスパロボ知識しか無かったりして…

>>58 柿崎ィィィィイイ!!→死んだと思ったらそんな事は無かったぜ(αVer)

ではエピローグ第一弾です。原作ぽくしたので短い人は本当短いですw

60 :キャプ森ロワ:2010/07/12(月) 01:16:39 ID:???
「ファイアーエムブレム」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4240522

光の魔道士 リンダ

英雄戦争で三度ガーネフと合間見えるがこれを遂に討ち取る
戦争終結後はパレスの魔道学院ではたらく
好きな人がいるのか最近とても美しくなった

アリティアの騎士 ドーガ

英雄戦争では常にその身をさらし皆を守り続ける盾となった
戦争終結後はマルスの命を受けてグルニア守備隊の隊長となる
そこでサッカーなる新しい球技を子ども達に教えている

神竜族の王女 チキ

時折寂しそうな姿を見せ周りに心配を掛けていたが
パレスでバヌトゥやみんなに囲まれてしあわせに暮らしている

61 :キャプ森ロワ:2010/07/12(月) 01:17:44 ID:???
「ザナルカンドにて」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4158500

少年は何処か暗い水の底で漂っていた。その少年の周りにこの世界では幻光虫と呼ばれる
人魂のようなものが集まっていく。少年はその光に促されるように気が付き目を覚ます。
そして一旦大きく伸びをすると、そのまま水面を目指し泳いでいく。
少年を出迎えたのは燦燦と輝く太陽と、ビサイド島と呼ばれる島の海岸。

「ハハ…戻って来れたッスか…全く…そうならそうとあの女の人も言ってくれればいいのに…」

そしておもむろに少年…ティーダは口笛を吹く。まるで自分の存在を誰かに知らしめるように…


「Introduction」
http://www.nicovideo.jp/watch/nm7621630

ようやく覚えたボーゲンでなんとか麓のレストハウスまで辿り着き、ぼくは一息ついていた。
真理はそんなぼくの目の前で、雪をけたてて鮮やかに止まった。
ゴーグルが粉雪まみれになって、何も見えない。
「あは、透ったら、雪だるまみたい」
真理の笑い声が聞こえる。
ぼくはゴーグルをはずしながら、からだについた雪を払い落とした。

A「どうせぼくは滑るより転がる方が似合ってますよ」
B「そ、そんなに太ったかな?」
C「オールスターズの皆…どうしてるかなぁ…」

62 :森崎名無しさん:2010/07/12(月) 01:18:49 ID:hi6HmHxc
C

63 :キャプ森ロワ:2010/07/12(月) 01:19:11 ID:???
「そして伝説へ…」
http://www.nicovideo.jp/watch/nm5273491

「ハァ、ハァ、ハァ…」

息も絶え絶えながら精も根も尽き果てアルスはその場に大の字になって倒れ付す。
そしてそんなアルスを巨大な竜が見下ろしている。

「みごとだっ! この私をたった一人で打ち負かしてしまうとは……。
 久しぶりに心から楽しませてもらったぞ!」

心底満足と言った風にアルスに言葉を掛ける竜は、この世界では神竜と呼ばれる存在。
自分と戦い、それを打ち倒した者に一つだけ願い事をかなえてくれると言う。
しかし今回のアルスの願いは神竜にとっても容易なものではなく、それ故に神竜も条件を提示した。
──すなわちアルスただ独りで自分を打倒すると言うこと。そしてアルスは今それを見事にやってのけたのである。

「いいだろう。そなたの願いを1つだけ叶えてやろう。さあ、願いを言うがいい。」

「僕の願いは……」

64 :キャプ森ロワ:2010/07/12(月) 01:20:22 ID:???
「誰かが君を愛してる」
http://www.youtube.com/watch?v=cg-HISTo328

「なに!?これは… おのれクライシス!ゆ゛る゛さ゛ん゛!゛ 」

またか…こっちの世界に来てからもう何度目になるだろう。アニキのこの言葉を聞くのは。正直なところ
“あの世界”でもしょっちゅうゴルゴムやらクライシスやら言ってたのは正直戯言かと思ってたんだが…
こっちの世界では本当にクライシスの仕業だから困る…そして当然クライシスが絡んでくるとなれば
アニキがおとなしくしている筈も無く…

「よし!ジャン!早速調べるぞ!」

当然こうなるわけだ…勿論アニキの言葉に俺が嫌と言うはずが無く、快く返事を返す。そうそう“あの世界”じゃ
俺はジョーって呼ばれてたんだが、こっちにも霞のジョーってのがいるし、今更フルネームで呼ぶのも…ということで
ジャンらしい…まぁいいんだが…そして大体このタイミングで狙い済ましたかのように現れるのが──

「光太郎。今回の件…どうも裏がありそうだぞ」

何故か壁にもたれて思わせぶりな言葉を吐くのは“あの世界”で出会ったギリアム・イェーガーと言う男。
何かの手違いなのかギリアムもこっちの世界に飛ばされたらしいんだが、妙な事にこいつには“あの世界”での記憶が
残っているらしい。だからと言うわけじゃないがどうにも胡散臭い野郎だ。まぁ当然アニキは純粋に再会を喜んでけどな…
でも時折アニキを見てはもの悲しそうな表情をすんだよなぁ…過去に何かあったのかねぇ?

「何をしてるんだジャン!早く行くぞッ!!」

おっといけねぇ。柄にも無く物思いにふけっちまった…それにしても悪魔騎士と呼ばれた俺が
今では正義の味方のサポートとはねぇ…本当人生何があるもんか分からんもんだ。ま、後悔はしてねぇけどな。
とにかくこんな毎日だが兄弟達よ…俺は元気にやってるぜ

65 :キャプ森ロワ:2010/07/12(月) 01:21:43 ID:???
「永遠ブルー」
http://www.youtube.com/watch?v=uFP8EHEm4dU&feature=related

(流石に2度目ともなると案外何とも無いものだな…)

己を襲うのは2度目となる死という現実。

(やる事はやった…後は…あのヒヨっこどもに任せれば良かろう…)

しかしデスマスクの心はそれに反してとても満ち足りていた。黄金の意思は青銅に託された。
後は彼らの小宇宙次第…そして女神の聖闘士としての使命を全てやり遂げ今、彼はその時を待つだけであった。
やがてその時は来る──

「やっと…来たか…」

「Behave Irrationally」
http://www.youtube.com/watch?v=eKm3j_k-zc4

デスマスクの前に現れたのは神々しく純白の翼を広げ、蒼穹の鎧をまとった戦乙女。
そして彼女はデスマスクに手を差し伸べゆっくりと語る。

「一緒に、生きましょう」

66 :キャプ森ロワ:2010/07/12(月) 01:22:45 ID:???
「それにしてもせっかく軍隊と言う牢獄から脱出しながら、結婚と言う別の牢獄に志願して入るとは、あなたも物好きですな」

「独身生活10年で悟りえぬことが、1週間の結婚生活で悟れるものさ。よき哲学者の誕生を期待しよう」

「しかし、私が思うに、ヤン先輩の生涯最大の戦果は今回の花嫁ですよ。これこそ奇跡の名にふさわしい。
本来なら先輩なんぞのところへ降下する人じゃありませんからね」

本来なら祝福してしかるべき結婚式の二次会の席にもかかわらず遠慮のない毒舌が飛び交う。
最もこれが彼らなりの祝福の仕方であり、逆にまともにこられる方がヤンとしては対応に困ってしまう。
それに士官学校の後輩が言う事など、ヤン自身すら的を得ていると思わず頷きそうにもなる。

「提督、よくこんな人たちを率いて勝ってこられましたね。裏切り者ぞろいじゃありませんか」

そして被保護者も当然そのリズムは心得ている。彼は最近でこそ、その毒舌に影響されつつあるみたいだが、
基本的にはヤンの味方である。だからここはきっちりと今日の主役であるヤンに反撃の機会を与えてくれた。

「私の人格はかくて陶冶されたのさ」

「「「はいはい」」」

もはやこのような毒舌の応酬はヤンの周りにいる連中にとっては殆ど儀式と言っても良いだろう。
ヤンは苦笑しながらブランデーの入ったグラスを傾けると、ふと店の壁に設置されているTVが目に入った。

「ユリアン…あれは?」

そして彼の被保護者…ユリアン・ミンツに詳細を尋ねる。当然ヤンが尋ねたのはTVの事ではなく、
TVに映っている映像に対してである。それはサッカーの試合であった。

67 :キャプ森ロワ:2010/07/12(月) 01:23:56 ID:???
「え〜と…確か同盟と帝国で交流サッカーを行うってニュースでやってましたね…多分それじゃないでしょうか?」

ユリアンが記憶する限り保護者がこのようにスポーツに興味を持ったことなど無かったように思う。
そんな保護者の姿に少し戸惑いながらも記憶を掘り起こして答える。そして周りの者はと言うと
無論こんな絶好の機会を逃すはずも無く…

「おいヤン…いくら結婚するからと言って今からそんな無理に違う一面を出そうとしなくても良いんだぞ?」

「本当ですよ。ヤン先輩がサッカーに興味を持つだなんて正々堂々プレイしている彼らにとっては冒涜ですよ」

「それとも牢獄に入ったのを後悔してもう新たな新天地を求める気ですかな?」

とここぞとばかりに再び毒舌の集中砲火を浴びせるが、その誘いにも乗らずヤンが食い入るようにサッカーを
見続けるため、逆に彼らが顔を合わせて困惑する羽目になってしまった。

そのヤンの視線の先には威風堂々とした金髪のストライカーと誰が見ても好人物と言った金髪の少年と
ゴールキーパーだというのに無謀にもオーバーラップを仕掛けては観客を驚かせている黒髪の少年があった。
そしてその三人が所属する自由惑星同盟のチーム名は──

「オールスターズ…か」

宇宙暦799年 新帝国暦1年 6月 
歴史は再び激動の時代に向けて静かに動き出していた事を今は誰も知る由も無かった…

「歓送の歌」
http://www.youtube.com/watch?v=v8mRXskUEPs&feature=related

──銀河の歴史がまた1ページ──

68 :キャプ森ロワ:2010/07/12(月) 01:26:07 ID:???
>>62 もしかして勘違いさせちゃいましたかね?これかまいたちの冒頭の文なんですよ。申し訳ない。

と第一弾はここまでです。次回は多分結構な長文になると思いますし、時間も掛かりそうです…
気長にお待ちください…それではまた〜

69 :森崎名無しさん:2010/07/12(月) 01:27:16 ID:???
乙でした!
>>61でうっかり投票しちゃったんだぜ兄貴!
>>63でギャルのパンティおくれーと叫ぶ豚さん連想しちゃったんだぜ提督!!!

70 :森崎名無しさん:2010/07/12(月) 01:29:38 ID:???
いやいやCの選択肢は「かまいたち」には無かった言葉
すなわち「森崎in異世界・ピンクのしおり編」開始フラグと勝手に妄想しますが構いませんね!

71 :森崎名無しさん:2010/07/12(月) 01:32:36 ID:???
乙でした!
と言いたいところですけど、タークのエピローグを書き忘れてますぜwww

72 :森崎名無しさん:2010/07/12(月) 01:40:48 ID:???
乙!

>>71
きっとエピローグ第二弾の方に収録されているはず!

73 :森崎名無しさん:2010/07/12(月) 01:41:27 ID:???
シスコン皇帝×2の邂逅とか連想したらニヤニヤがとまらないんだぜ・・w

74 :森崎名無しさん:2010/07/12(月) 13:07:33 ID:???
シスコン皇帝1号「姉は良いものだ、卿もそう思わないか?(姉様、アンネローゼ姉様ハァハァ)」
シスコン皇帝2号「残念だがその意見には賛同しかねる。(マリーかわいいよマリー)」


…かくして銀河の極一部を巻き込む新たな火種が生まれるのだが、今の彼らの知る所ではなかった…。

75 :森崎名無しさん:2010/07/17(土) 12:05:40 ID:???
デス様大往生乙!
デス様大勝利おめ!

デスマスク「私は運がいいです。」

76 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:32:01 ID:???
>>69 無問題だぜ!まぁ表記のしかたが悪かったなあと反省しております…
あれは…咄嗟にしてももっとまともな願い事あると思うのです…

>>70 そ、想像するのは構わんですタイ。まぁウチのスレにピンクなんて期待するだけ無(ry

>>71-72 ま、まさかぁ…忘れるわけ無いじゃないですかwまぁ今回は全く登場しませんが… 

>>73 実際問題カイザーの方がサッカーに興味を持っていなさそうですねw
確かあの人オペラに猪さん随行させるような趣味方面まるで興味なしな人だったはず。

>>74 赤毛の人「誰だお前は!ラインハルト様はアンネローゼ様の事を姉様とは呼ばない!!」
あ、いや別に他意はないんです。赤毛の人だったらこんな事いいそうだなと思っただけで…スイマセンorz

>>75 デス様「前々から思っていたが…いるな…ッ!それも一人じゃあない…!
確実に何人かは俺様のファンがいやがる…!ククク」

77 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:33:19 ID:???
「デビルガンダムはどうなっているか?!」

「未だ交戦中です!!」

ラー・カイラムの艦橋で艦長のブライト・ノアが状況を把握せんと声を張り上げる。その声色には明らかな焦燥が混じっている。

今地球は二つの危機に襲われていた。一つは【デビルガンダム】。元は「自己進化」「自己再生」「自己増殖」を備え
地球環境を浄化する為に開発されたものだったが、ある事件により暴走。以降は人類を地球環境浄化の障害と捉え、
全人類の抹殺を遂行せんとする兵器へと化してしまう。そしてもう一つは──

「ならばアクシズの方は!!MS隊はどうか?!」

「…Zガンダムが敵の防衛網を突破したもようです!」

アクシズと呼ばれる小惑星を地球に向けて落下させ、地表付近での核爆発により核の冬を引き起こす【アクシズ落とし】
どちらか片方でも成就されればそれは地球という星に人が住めなくなってしまう。
その為独立部隊「ロンド・ベル」は否応にも水際での二正面作戦を強いられていた。

78 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:34:27 ID:???
【閃光の中のMS】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5522480

「くッ…!何とか防衛網は突破できたけど…アムロさん達は?!」

幾重もの偶然も重なったのだろうが、幸運にもアクシズへの進行を阻む防衛網をかいくぐる事に成功したのはZガンダム。
しかし他の機体はまだ梃子摺っているのだろうか後続がついて来る気配は全く無い。無論いずれも百戦錬磨のパイロット達。
そのうち突破はしてくるだろうが、現実問題それを悠長に待っている時間は残されてはいない。現にアクシズは今の瞬間でも
刻々と地球に向かって進路を取り続けているのである。

「ッ…!?このプレッシャーは…?!」

その時Zガンダムのパイロットであるカミーユ・ビダンの全身を不快感が貫く。このような感覚を持つ人物はカミーユは
一人しか知らない。自らを歴史の立会人と称し、常に自分以外の他者を見下し、傲慢で不遜な男。だが今回は
その不快感の中に同時に違和感も感じる。その男が普段絶対持ち得ない感情が混じっていたからである。
しかし今のカミーユにはそれについてゆっくり考察している暇は無い。カミーユは意を決しZガンダムを巡航形態の
ウェイブライダーに変形させるとその男がいるであろうポイントへ向かうべくブーストペダルを踏みしめた。


「!?…この不愉快な感覚は…フッ…どうやら腐れ縁…というのは存在するものらしいな」

そして彼の存在をカミーユが感じ取ったのと同じように彼…パプテマス・シロッコも脳髄に軽く疼きを感じながら
カミーユの存在を感じ取っていた。相も変わらず生の感情をむき出して見境も無くその感性を撒き散らし、
常に自分の邪魔をする少年の存在に思わず秀麗な眉を顰めるが、次の瞬間思い直し、口の端を吊り上げていた。
自分の置かれている状況があまりにも滑稽だと思えたからだ。そしてシロッコもカミーユを迎え撃つべく動き始めた。

79 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:35:34 ID:???
「──!!」

脳裏に閃光が迸ると同時にカミーユは操縦桿を押し込める。刹那…赤と青の光芒が螺旋状に絡み合いながら
ウェイブライダーの脇を掠めていく。あと数瞬でも回避行動が遅れていれば今の攻撃で宇宙の藻屑と化していたであろう。
その事にひやりとするも、カミーユには今の攻撃に見覚えがあった。そして事態はもっと深刻なものだと告げていた。

「シロッコはジ・Oじゃない…!?それに今のは…!」

シロッコの愛機はジ・Oという「人型を成したモビルアーマー」とも言うべき機体であったはずだが、
ジ・Oに今のような武装は無い。コンソールを忙しなく叩きメインカメラを最大望遠にして捉えたその機影は──

「ヴァルシオン…」

かつて一人の天才科学者が作りし究極ロボ…ヴァルシオンであった。

【ヴァルシオン】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9473631

ヴァルシオンの火力の前にはZガンダムの装甲など紙細工も同然であり、真正面から直進するのは危険だと判断すると、
ヴァルシオンを中心に反時計回りに旋回しつつ距離を徐々に縮める。そして肉眼でもヴァルシオンを捉えられる距離まで
来たときカミーユは反射的に通信回線をオープンにして叫んでいた。

80 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:36:42 ID:???
「パプティマス=シロッコ!」

『カミーユ=ビダンか…』

「こんなことをして、お前は何をなそうとしているんだ!?」

『…俗人には理解できんだろうな』

「出来るわけがない!あんなものが落ちたら地球は誰も住めなくなる!
お前の名は非人道的な悪行をなした男として忌み嫌われる事になるんだぞ!?」

そう、まるで理解できない。行為そのものも無論そうだったが、パプテマス・シロッコという男がこれを行っていると言う事こそ
一番理解できない。シロッコは確かに傲慢ではあるが、彼の場合その傲慢さは優秀さから来ているところが大である。
パイロット技術も無論の事、政戦両略に秀で、人を引き込むカリスマ性も持ち合わせまさに天才と評すべき人物。
だからこそ大勢が決した今、このように戦略的にもなんら意味の成さない殆どヤケとも言える見境の無い大量虐殺に手を
染めようとするほど愚かな人物ではない。…少なくとも次のシロッコの返答を聞くまではカミーユはそう思っていた。

『ふふふふ…私という存在が人々の記憶に残るのならそれでいい…それだけでな』

「存在?…記憶?シロッコ…何を言っている…?」

一瞬シロッコが何を言っているのか本気で理解が出来なかった。しかしここに来てシロッコから発せられる
違和感の正体に気が付く。彼が抱えている感情…それは絶望だった。

81 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:37:44 ID:???
ヴァルシオンの掲げた右腕から先程見せた赤と青の光芒…クロスマッシャーがウェイブライダーに向けて放たれる。
それを予め読んでいたカミーユはその暴力的な光を回避しつつ間合いを詰めながら機体をモビルスーツ形態に変形させ、
同時に右マニピュレーターでサイドスカートアーマーのウェポンラックからビームサーベルを取り出しそのまま切りかかる。

「シロッコッ!分からないのか!?今お前がやろうとしている事こそお前が忌み嫌う、地球の重力に魂を引かれた
人間のする事と同じだと言う事が!!」

『言ったはずだ…俗人には理解できんとな。しかし人類にとっては善き事を私はしている』

それに対しヴァルシオンも左腕に持たせた接近戦用の実体剣ディバインアームで真っ向から受け止めると、
ビームサーベルの粒子が飛び散り互いの機体を照らし上げる。

「善き事だって…?地球の重さと大きさも理解出来ない奴が何を…!」

『ならば聞くが、その重さと大きさとやらを理解した者が何をしてきた?所詮は天才の足を引っ張る事しか
出来なかったではないか!でなければデビルガンダムのような存在を許すはずが無かろう!』

「そんな事、根暗な感情をむき出しにして言えたことか!!」

『その感性…あくまでも私を否定するか…賢しい事だカミーユ=ビダン。ならば、私をもっと憎め。
憎しみを持って私の名をその心に刻むがいい!』

「ああ、それが望みならそうしてやる!そして、俺はお前を…倒す!」

『フッ…良く吼えた…と言いたいところだが、果たして貴様にそれが出来るかな…少年ッ!!』

そしてヴァルシオンがバーニアを噴かすとそれまで一応拮抗を保っていた鍔迫り合いが一気に瓦解し、
あっという間にZガンダムが押し込まれる形となる。

82 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:39:11 ID:???
『そんな軟弱なモビルスーツでこのヴァルシオンは倒せはせんよ!!』

「くぅ!?」

Zガンダムは後方に全力でバーニアを噴かす事で辛くもその圧力から逃れると、再びウェイブライダーに変形し一旦距離を取る。

『フッ…さっきまでの威勢はどうした?私を倒すのではなかったのか?』

「くッ…!」

シロッコのせせら笑いにカミーユは臍を噛むが、実際Zガンダムとヴァルシオンでは機体性能に絶望的な差がある。
火力は勿論の事、今のように馬力、その大出力から運動性すら上を行っており、Zガンダムが勝っているところ言えばせいぜい
変形機能とヴァルシオンより全長が小さいがゆえに小回りが利くといった程度である。
その中でも最も深刻なのは…Zガンダムの火力不足にある。

Zガンダムの最大火力であるハイパーメガランチャーはその大きさゆえシロッコ程のパイロットと対するにはデッドウェイトでしかなく、
すでに投棄している。なので仕方無しにメインウェポンであるビームライフルを三連射するが、一発目、二発目は
ヴァルシオンのバリア装置…歪曲フィールドに弾かれ、最後の三発目は何故か歪曲フィールドに阻まれる事無く、
ヴァルシオンの右肩辺りに命中はしたのだが、せいぜい装甲の塗装が剥げた程度のものでしかなかった。
他の武装と言えば実弾兵器のグレネードランチャーもあるが、ビームライフルより弾速が遅いものをむざむざと食う程
シロッコは甘い相手ではないし、頭部に据え付けられたバルカンなど当たったところでヴァルシオンの装甲にとっては
紙吹雪以下のものでしかないだろう。残る道は接近戦しかないのだが──

83 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:40:22 ID:???
「シロッコめ…どこまでも人を見下して馬鹿にする!」

憤るカミーユ。武器が通じない事に憤っていたわけではない。そんな事は最初から分かっていた事。
本来であればロンド・ベルの全主力をもって当たるべき相手であり、モビルスーツ単体での交戦など自殺行為と同義である。
カミーユが歯痒いのは今の攻撃もシロッコの技量ならば回避できるのをわざわざ歪曲フィールドで弾いた事や、
更にそのフィールドまで外してわざと受けて見せた事でカミーユとZガンダムの無力さを嘲笑っている事にある。
もっと言えば先程の接近戦すらも仕組まれたものだったと気付いてしまった。現に今はヴァルシオンのクロスマッシャーの火力と
シロッコの精密射撃の前にZガンダムは這う這うの体で回避するのがやっとであり、もう一度接近などとても
出来る状態ではなかったからだ。

「くそッ…!どうすればいいんだ…どうすれば…!このままじゃ…」

弱音を吐くというつもりは無いが、流石にヴァルシオンをZガンダム単機で相手をするには荷が勝ちすぎており、
このままではジリ貧になるのは火を見るより明らかであった。故に増援に期待したいところではあるが、
元々二正面作戦によって戦力が分断されており、更に皮肉にもカミーユの戦場全体を把握しうる
類まれなニュータイプ能力が未だ苦戦を続ける友軍の思念を感じ取っていてそれを否定していた。
正に状況は八方塞でカミーユの脳裏に「敗北」の二文字がよぎったその瞬間──

『諦めんじゃねぇ!!』

それを打ち消すかのようにカミーユの脳裏に叱咤激励する声が響き渡る。

「──!?今の声は…?」

幻聴ではない。男…それも少年の声を確かに聞いた。しかしカミーユには今の少年の声に全く聞き覚えが無い…
はずなのだが、その響きにはどこか懐かしいものを感じ、ほんの一瞬だがカミーユは気勢を緩めてしまった。

84 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:41:38 ID:???
「戦場で感傷事かい、少年ッ!!」

そしてそのカミーユが見せたほんの僅かな隙をシロッコは逃すはずも無く、その緩みの呼吸に合わせるように
容赦なくクロスマッシャーを放り込んでくる。これをバランスを崩しながらもギリギリのところで回避するZガンダムだったが、
シロッコからすればこれは想定内で本命はこの次の一撃。

『しま──ッ!?』

「落ちろ!カトンボ!!」

姿勢制御もままならないZガンダムの目の前にバーニア全快で躍り出ると、通信越しに慌てふためくカミーユの声に
優越感を感じながら一気にディバインアームを振り下ろす。…だがこの確信を持った一撃でもZガンダムは咄嗟に
ビームライフルの銃口にビーム刃を形成させ、ロングビームサーベルでディバインアームを受け止めてみせ、
何とか機体を一刀両断されるのだけは免れる。しかし流石にZガンダムのパワーではそれを受けきる事までは不可能で、
ロングビームサーベルは弾き飛ばされ、更に続けざまにヴァルシオンが放つ蹴りをまともに胴体に受けるZガンダム。
重量では約10倍位の差がある特機からの渾身の蹴りをまともに受けてはもはや機体制御どころの話ではなく
慣性の赴くままに吹き飛ばされる。

「ええい!…どこまでも不愉快にさせる奴だ!」

勝敗の帰趨はすでに決したが、最初の一刀で仕留め切れなかった事に明らかな苛立ちと共に舌打ちをするシロッコ。
感情に身を任せて自らピンチを招いたかと思えば、今のように咄嗟の反応では常人ならざるものを見せつけてくる。
敵味方強力なニュータイプがひしめく中でも抜きん出て高い感応力と敏感過ぎると言ってもいい感性を持つカミーユ。
しかもそれがある意味自分の踏み込める領域でない事を思い知らされればシロッコにとっては尚の事不愉快でしかない。

85 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:42:44 ID:???
「だが…ここまでだな。いくらセンスがあろうとも、自らの力の使い方も満足に知らず、感情を碌にコントロール
できんような子供ではこれが限界だ」

そしてもうすでにまともに動けないであろうZガンダムにゆっくりとクロスマッシャーの照準を合わせるシロッコ。
後はトリガーを引くだけで己の天敵ともいえる不愉快な存在を消滅させられる。その事に柄にも無い高揚感を覚えながら
シロッコはクロスマッシャーのトリガーに手を掛ける。

「く…くそッ…ううう…」

コクピット内でロックオン警告音が鳴り響く。それだけではない。機体の異常を示すアラートも同時に鳴り響いている。
何とかしなくては…と頭では思っているのだが、今のヴァルシオンの蹴りの衝撃はZガンダムのショックアブソーバーシステムの
限界を有に超え、カミーユの体は大きく揺すられてしまいどうやら軽い脳震盪を引き起こしているらしく、
操縦桿を握る手は震えるだけで全く動いてはくれない。

そして…ヴァルシオンの右腕から螺旋状に絡む赤と青の光芒がZガンダムに向かって放たれる──

(直撃…!やられる──!?)

こうなってくるとなまじ直感力が高いのは残酷である。自分が撃墜されるのをまるでスロー映像を見るかのように
感じ取ってしまうのだから。だがカミーユを包んだのは赤と青の光芒ではなく…
先程も感じたどこか懐かしい感覚を持つ碧の光だった。

86 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:43:53 ID:???
「バカな…有り得ん…」

我が目を疑い思わず呆然と呟くシロッコ。それはそうだろう。クロスマッシャーの威力からすればZガンダムの装甲など
紙細工にも等しいはずで、直撃すれば文字通り塵一つ残るはずがないのだ。しかし目の前の光景では塵どころか、
さしたる損傷も無くZガンダムは存在していた。そして更にそのZガンダムを粉状の淡い碧の光がオーラのように
覆い尽くしている。その光はまるでZガンダムを護るかのように徐々に広がりつつあった。


どこからか自分の名を呼ぶ声が聞こえる。

(誰だ…誰が俺を呼んでいるんだ?)

それは少年のようであり、少女のようであり、大人の男性のようであり女性でもあり、それらが代わる代わる
カミーユの名を呼んでいる。だがどの声もカミーユの記憶には存在しない。その一方でそれらの声を懐かしいと感じる
自分も確かにいて、知っていそうで知らない、二律背反したもどかしさをカミーユは感じていた。

《カミーユ》
《お兄ちゃん》

「フォウ?ロザミィ?…そうか……だったら…!」

しかし続けて自分の良く知る二人の少女の声がカミーユの名を呼んだ瞬間、全てが理解できた。たとえ記憶が定まらなくとも、
自分が今何をすべきか、そして彼らは自分に何をもたらそうとしているのかをはっきりとその感性で把握出来たからこそ──

「俺の体を皆に貸すぞ!!」

迷う事無く自分の体を預けられた。この時すでにニュータイプの能力とは関係無しにカミーユは何となく理解していたのかもしれない。
この声の主達がかつて自分の仲間であったと言う事を。そしてその仲間達の意思を吸い込んでZガンダムは発動する。

87 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:44:58 ID:???
「ゼ、Zが…どうしたんだ?」

Zガンダムにそう形容してよいのか分からないが、人魂のようなモノが集まるのが見える。果たして気でも触れたのだろうか。
そうでも思わなければ目の前の光景を現実として認識するには余りにも浮世離れしている。
だがそれが真実だと告げるかのようにシロッコの脳髄は不愉快さと共にかつてないほどの疼きを彼に伝えていた。
そして人魂のようなものを吸い込んだZガンダムは燃え盛る炎のような赤いオーラを輝かせながらその身に纏う。

【宇宙を駆ける〜Zの発動】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5522694

「私の知らない武器が内蔵されているのか?」

『わかるまい。人を家畜のように扱い、他人を受け入れようとしないシロッコには。この俺の体を通して出る力が!』

そして自分を諭すようなカミーユの声は通信回線から聞こえてくるものではなく、脳に直接響き渡るような感覚。
それに伴って脳髄の疼きは更に増している。

「体を通して出る力?そんなものが、ヴァルシオンを倒せるものか!」

それでも尚、シロッコは目の前の現実を認めようとはしない。いや認められないのではない。理解できないのだ。
戦闘能力と言う面だけでみるならシロッコのニュータイプ能力は間違いなく優秀と言えただろう。
だがニュータイプの本質…相互理解という概念の方では彼はついぞニュータイプ足りえることは無かった。

《カミーユはその力を表現してくれるマシンに乗っている…》
《Zガンダムにね》

「女の…声?」

だから彼女達の声は聞こえてもその姿を双眸に捉えることは出来ない。
何故なら、それは孤独であるシロッコには絶対に起こしえぬ力だったから。

88 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:46:36 ID:???
「まだ、抵抗するのなら…!」

そしてカミーユがブーストペダルを限界まで踏み抜くと、Zガンダムはまるで意思を持つかのようにデュアル・アイを光らせ
ヴァルシオンに向かって真っ直ぐにバーニアと粉状の碧の光の軌跡を残しながら宇宙を駆ける。

「勝てると思うな…小僧ォォッ!」

全身には鳥肌が立ち、操縦桿を握る手は僅かに震えを見せ、脳髄の疼きはいよいよ我慢できるレベルの物では無くなって来ている。
それは相手を畏れていると言う事に他ならない。しかしそれでも未だ戦う意思を見せているのはカミーユが否定して見せた
自らが天才であると信じて疑わない傲慢さゆえである。無謀とも言えるZガンダムの突進を前にして、自らを奮い立たせるように叫び、
クロスマッシャーを放つ。自分の技量とクロスマッシャーの弾速とZガンダムの性能──瞬時に弾き出した答えは撃墜の確信。
よしんば回避したところで先程のようにバランスを崩したところを間合いを詰めて斬りかかるだけ。
だがそれに対し全く回避行動のそぶりすら見せずにZガンダムのリアクションはシールドを掲げるだけであり、
そのままクロスマッシャーの直撃を受けるZガンダム。余りに簡単に事が運んだことに少々拍子抜けする気持ちもあったが、
しかしシロッコは警戒を解けない。何故なら直後にまたしてもどこからか脳裏に声が響き渡ったからだ。

《守りなら任せろ!》
《チッ…全く世話の焼けるガキだ》

そしてシロッコの懸念どおり爆風から現れ出る、紅だけではなく更に碧のオーラも纏ったZガンダム。そしてシールドは
シロッコの見間違いでなければ一瞬だけだが黄金色に輝いていた。

単発でダメならばと、更に苛烈な砲撃を連続で加えるシロッコだったが…またも脳裏に言葉が走る。

《相手を良く見るんだ。そしてフェイントを入れながら相手とのタイミングをずらせば…》

そして今度は先程と違って悉く回避される。それもこちらへ突進するスピードを全く緩めることなくである。
しかも信じがたい事に今の砲撃は全てZガンダムの動きに翻弄され、誘導されたもの。その動きは今までのZガンダムの
動きからはかけ離れており、蝶のように舞いながら、蜂のように刺す、モビルスーツの動きにしてはどこか人間臭く、
それでいて芸術的とも言える動き。

89 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:48:19 ID:???
「そんなまやかし事で!!」

これ以上好きにさせれば流石にマズイと本能で分かっているからこそシロッコも焦りを見せ、冷静になるべく
一旦距離を置こうと後退をかけようとした瞬間──

《今だ!!》

そのシロッコの考え、動きを読んでいたかのように、そこしかないという絶妙なタイミングでZガンダムの左腕から
グレネードランチャーが発射される。本来であれば何でもない一撃だが、心理的死角を付かれたシロッコにこれを
回避する術は無く、ヴァルシオンは被弾する。無論この程度の攻撃ではヴァルシオンを撃破するにはまだ程遠い。
しかしダメージは無くとも機体は衝撃で揺すられ一瞬だが動きが止まる──そしてその一瞬の隙を付いてZガンダムが
一気にヴァルシオンの間合いに迫り来るのを止める事が出来ない。

ヴァルシオンの懐に飛び込んだZガンダムが右マニピュレーターでビームサーベルを引き抜き、居合い抜きのように
逆袈裟斬りを放つと、ヴァルシオンもディバインアームで応戦。交差する光の刃と銀の刃。激しいスパークが飛散し、
奇しくも初撃と同じような展開。が、今回の激突でパワー負けしてバランスを崩したのは馬力が勝るはずである
ヴァルシオンの方だった。そんな有り得ぬ事態に驚愕で瞳を大きく見開くシロッコ。しかしそのような状況においても咄嗟に
右腕のクロスマッシャーの照準をZガンダムに合わせられる冷静さと技量は宇宙でも指折りである証拠であろうが…
だがそれすらも読んでいたかのようにその右腕も瞬時にZガンダムの振り上げられたビームサーベルに切断される。
そして息も吐かせぬ間にZガンダムはそのまま反時計回りに回転しながら…

《 F I R E !》

烈火の如き激しき右足の蹴りをヴァルシオンの左腕に叩きつけ、ディバインアームをマニピュレーターごと弾き飛ばす。
そしてヴァルシオンの武装を無効化したZガンダムはウェイブライダーに変形しながら急速後退を掛け──

《いけぇぇぇぇぇーっ!!》
「うおおおおおおおおおおおおおおーっ!!」

カミーユは全身から全てを搾り出すかのように雄叫びを上げながらウェイブライダーをヴァルシオンに突撃させる。

90 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:49:54 ID:???

「ヴァルシオン、動け!ヴァルシオン、なぜ動かん!?」

シロッコが操縦桿をいくら動かそうがヴァルシオンは金縛りにでもあったかのように何故か全く反応を示さない。
そんな筆舌に尽くしがたい状況でも最後まで彼は自分が何によって敗れるのかをまるで理解しようとはしないし、出来なかった。
そんなシロッコの眼前に迫り来るウェイブライダー。
そしてウェイブライダーの先端がヴァルシオンのコクピットごとシロッコの体を貫く。

『うおっ!ぐおおおおおおおおおおおおおおおっ!!』

「在るべきところへ戻るんだ!!」

シロッコの断末魔を耳にしながらカミーユは叫ぶ。恐らくそれこそがシロッコが望んでいたことであると理解していたから。

『在るべき…ところか…フフフ…所詮偽りの存在…結局私は何者にもなれなかった…か…
だが…これでいい…これで…な…』

このシロッコの言葉を最後にヴァルシオンからゆっくりと離れていくウェイブライダー。そして爆発するヴァルシオン。
その爆風により慣性のままウェイブライダーは宇宙空間を流されながらも一つ一つギミックを確かめるように変形をし、
モビルスーツ形態に戻る。すでにZガンダムを包んでいた赤と碧のオーラは消えている。

「ハッ!動いてくれた。ハァッ!」

流石にヴァルシオンにウェイブライダーでの突撃は少々無茶をさせすぎたみたいで、変形機構のフレームが
歪んでいたため、背中のフライングアーマーはパージするしかなかったが、それでもZガンダムは健在であった。
そしてカミーユは今だ爆発の光が収まらないヴァルシオンであったモノの方へと視線を向ける。

91 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:50:54 ID:???
「シロッコ…お前は最後まで気づかなかったんだ…その傲慢さが自分自身を追い詰めてるって事に…
人はもっと謙虚になるべきなのに…」

彼の最後の言葉から、今戦っていたパプテマス・シロッコはオリジナルのクローンであったと言う事をカミーユは理解していた。
しかしいかにクローンであろうと彼がシロッコであるという事には変わりは無く、その傲慢さ故に自分が何者かのコピーと言う事に
耐えらなかったのだ。だからこそ彼はアクシズ落しを敢行する。たとえ悪行であろうとも、パプテマス・シロッコという
一個人で自分自身の名を残すために。だが一方ではやはり最後の言葉からその自分自身の存在すら
疎んじていたのではとカミーユは思っている。

『俺は…この世界を肯定する…!』

ふと脳裏に浮かんだ記憶。かつて同じような事があった。この言葉がいつどこで放たれたものかは分からないが、
一つだけはっきりしている事は、この言葉の主はシロッコと違って別世界の自分も受け入れ、
今の自分もまた自分であると受け入れていたはずである。そんな事をぼんやりと考えていると、ふと目に入るモノに視線を止める。
それはコクピットに飾られた掌サイズのハロ。カミーユにはいつからこれを持っていたのかはまるで記憶が無い。
最初から無かったかもしれないし、最初から持っていたような気もする。しかし持っていると不思議と心が落ち着くので
何となくお守り代わりにと常に携帯していた。

92 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:52:16 ID:???
《借りは確かに返したぜ》

「え?」

唐突に響く声に思わずハロを凝視するカミーユだったが、ハロに特に何も変わった様子は無い。それに寧ろ借りを作ったのは
こちらではないかと思うカミーユだったが、言葉と共に感じた“彼ら”の満足そうな感覚に何となくだが、
だったらそういうことなのだろうと妙に納得してしまった。

「またな…」

だから謝辞ではなくあえて再会の言葉を口にするカミーユのその言葉が“彼らに”届いたのかは分からない。
だがそれに対し“彼ら”がカミーユに笑いかけてくれたような…そんな気がした。

そしてアクシズを止めるため、ロンド・ベルにとって最後の作戦…ファイナルオペレーションを行うべく、
アクシズに向けてZガンダムはバーニアを噴かす。
そのバーニアの軌跡からはまるでカミーユの行く末を見守るかのように微かに碧の光が漏れ出ていた──

93 :キャプ森ロワ:2010/07/27(火) 21:53:44 ID:???
さてさていつもながら結構間が空いてしまった…最初はもっと短い予定だったのがやはりどうもZって作品は
私の中じゃかなりウェイトを占めてるようで…書いていくうちに書ける文章力も無いのにあれもこれもってなっちゃって…
このザマですよwもっと文章力があればもうちょっとマシになったんでしうが…まぁもっと長くなってたでしょうけど…
これが限界ですかね…というかそもそも内容的に全然関係なくないか?大丈夫なんだろうかと思うんですがw

後はアレだ…新紋章のせいだ…

「フン…新暗黒のH5も序盤だけでそれほどじゃなかったから俺は最初からルナティックに突撃するぜ!」
                  ↓
「何これ…序章から一手でもミスったら死ぬわけだが…」
                  ↓
「一章…相手は全員銀装備…だと?」
                  ↓
「四章…ああ…うん…シリウスさんはそこでおとなしくしててくださいね?」
                  ↓
「五章…おい!リカードッ!お前なんでそんなとこに…嫌!止めて!大陸一さんに気づかれる!!」
                  ↓
「七章…これってぶっちゃけナバールが必殺出すの待ちですよね?」
                  ↓
「八章…ハーディンのステを見て絶望する」←いまここnew

いや〜これは酷いw(いい意味で)ようやくマイユニがクラスチェンジしたんで少しは楽になるかと思いきや…
勇者軍団で速さ22…だと?追撃できまセン;;リセットも何回した事かwこれは成長ヘタレると詰みますな。

と言うわけで次回更新は多分今回程は掛からないとは思いますが、最後に選択肢がありますので
更新も後二回ということになります。それでは次回更新時に〜。

PS:それにしても昨今はリメイク祭りですなぁ〜。まさかタクティクスオウガまでされるとは…
これでオウガバトル全章製作決定!…とかまでは流石に無いですよね…うん…

94 :森崎名無しさん:2010/07/27(火) 23:58:20 ID:???
乙でした。
シロッコ好きとして胸が熱くなりました。
彼も森崎たちと一緒にサッカーをやっていれば…

95 :森崎名無しさん:2010/07/30(金) 23:15:41 ID:???
乙です
最初はダークスターズにシロッコ(ヴァルシオン)もいるものとばかり思ってました
ロンドベルありだったんだからこっちもありかなと

96 :森崎名無しさん:2010/08/02(月) 23:35:01 ID:???
今更だけどハーディンってSFCだと幸運以外フルカンストじゃなかったっけ それほど強くないけど

97 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:22:36 ID:???
『さあ本日のジャパンカップ第二試合…全日本にとってはハンブルガーSV対サンパウロFCの大事な大事な一戦がもう間もなく、
今か今かとまさに大歓声で迎えようとしております』

「たく…俺達の試合の時より観客多くなってないか?まぁ“あいつ”が出るから仕方が無いと言えばそうなんだろうが…
それよりえ〜と…確かこの辺だって言ってたんだが…」

放送席の実況を背に森崎有三の前に立ちはだかるのは人という人。森崎はそれらを両手で何とか押しのけながら
もうすぐ試合が始まるであろう会場の観客席で探し人を求め歩を進める。本来ならばこの試合の前にGKとして出場していた
森崎の顔を観客も知らないはずは無いのだが、これから行われるであろう試合への期待感と観客の多さによる混乱で
幸いにも彼だと気づかれる事はなかった。

「こっちだモリサキ!!」

そして自分を呼ぶ声に顔を上げるとそこには森崎の探し人でどこぞの王侯貴族かと思わせる程見た目麗しい少年…
エル・シド・ピエールが自分の居場所を知らせるように席から立って手を振っている。その隣にはどこか他人を寄せ付けそうに無い
威風堂々とした佇まいをしている少年…カール・ハインツ・シュナイダーが座っていた。

「ふぅ〜探したぜ…全く試合後の奴に重労働させんなよな?」

ここまで来るのに使った労力に愚痴りながら、シュナイダーが確保していた隣の空いた席に森崎は早速腰掛ける。

「それは悪かったな。…だが生憎俺達もここから身動きが取れなくてな…」

森崎の言葉に呆れた様に周囲を顎で指すシュナイダー。それにつられ周りを見渡すと、シュナイダー達をというか…
主にピエールに熱い視線を送る女性という女性の姿。確かにこれではピエールが移動すればちょっとした騒動位には
発展するかもしれない。

「すまないなモリサキ…本来ならこちらから出向くべきなんだろうが…」

それを感じてかピエールが申し訳なさそうに頭を下げてくる。図体の方はすっかり逞しく成長しているが、
そんな馬鹿丁寧なところはまるで変わっていない事に森崎は思わず苦笑を浮かべる。

98 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:23:37 ID:???
「別に構いやしないさ。でもまぁあれだな…“あの時”以来だなこうして三人揃うのも…」

「そうなるか?…まるで昨日の事のように思い出せるが…」

「そうか…あれからもう三年にもなるのか…」

森崎の言葉にシュナイダーもピエールもそれぞれが“その時”の事を思い出しているだろう。どこか遠くを見るような
眼差しで懐かしむように呟く。それは三人にとってこれから先の人生も含めても間違いなく最も激動であった時の事を。
しかしやはりどうしても思い入れが深いのだろう。結構な時間しんみりとした時間が続いてしまったため、
流石にこれ以上は話が進まないと森崎は二人に兼ねてからの疑問を振る。

「それにしてもさ、二人ともトップでプレイしてんだろ?バイエルンにボルドー…こんな日本くんだりまで来るのを
良くクラブが許可したよな?」

「俺は右足の怪我でな…といっても大した怪我じゃ無くてもうプレイ自体は可能なんだが…
まぁ大事をとってと言う事でクラブから休養を言い渡されててな…」

「そうか…で、ピエールの方は?」

「俺の方は先週UEFAチャンピオンズリーグの予選で出場したから、今週はターンオーバーで丁度休養週だ」

「ふ〜ん…UEFAチャンピオンズリーグねぇ…景気のいい話で羨ましい限りだな」

森崎の言葉に羨望の感情から発せられる毒気が混じっているのは誰も責められないだろう。UEFAチャンピオンズリーグ。
それは欧州クラブシーンにおける最も権威ある国際大会。翻って自分はと言うと決して卑下するわけではないが、
いくら有名クラブを招聘しているとはいえ、所詮ユース代表で、しかもサッカー後進国である島国で開かれている小さな大会。
すでに国際大会に戦いの舞台を広げている二人に置いて行かれているという気持ちが沸くのも仕方の無い事だろう。
そんな森崎の様子にシュナイダーとピエールは顔を合わせて苦笑する。

99 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:24:38 ID:???
「そう腐るな…逆に何故お前が未だジュニオールどまりなのか、俺がパルメイラスのフロント陣に問いただしたい位だ…」

「ああ、それは俺も感じたな…今日の試合のパフォーマンスならば当の昔にトップへ昇格していてもおかしくないと思ったんだが…」

それがシュナイダーとピエールの森崎に対する偽らざる感想だった。つい先ほど行われた試合…
全日本ユース対ウルグアイユースはスコア上では1対0。しかし試合内容はとても全日本が勝ったとは言いがたい内容で、
終始攻められっぱなしで、GKが森崎でなければ大敗を喫していたであろう。得点を決めたのも、試合終了間際のウルグアイの
怒涛の攻撃を森崎が全てシャットアウトし、前掛かりになったところをカウンターで数的有利を作り上げた上での
ようやくもぎ取った1点。全日本の良かった所など全て森崎に帰するといっても過言ではないくらいの獅子奮迅振りであった。
そのパフォーマンスは明らかにユースの範疇には収まっておらず、寧ろ同年代で森崎が守るゴールを脅かせるのは
極限られた存在だけだと知らしめた試合であった。だからこそシュナイダーもピエールもパルメイラスに対して疑問を持つのだが…

「パルメイラスの正GKは余程できる奴なのか?」

「いや…正直トップの奴よりは俺の方がやれるって自信はあんだけどな…何で昇格出来ないのか逆に聞きたいくらいだぜ…
こういう事は余り言いたかないが…やっぱ俺が日本人ってのが駄目なのかねぇ…」

「それが理由ならばそもそも初めからスカウトなどしないと思うんだが…」

「そうなんだよな〜…でも一度だけだがトップに呼ばれたこともあるんだぜ?…何故か次の日には追い返されたけどさ…」

「追い返された?」

思わずオウム返しに聞き返すシュナイダー。何となくだが、今ので話が妙な方へ進んだような気がしてならない。

100 :キャプ森ロワ:2010/08/09(月) 22:25:40 ID:???
「ああ…正直意味がわからん…歓迎会までしてくれたって言うのに…」

「歓迎会…」

歓迎会という言葉にいよいよ嫌な予感を覚え思わずシュナイダーとピエールは顔を合わせる。その表情は若干の恐怖と苦味が
程よく混じっていた。そして自分の想像が外れてくれればいいと思いながら恐る恐るピエールが質問する。

「まさかその歓迎会で何かやったんじゃ…」

「オイオイ。そんな馬鹿な事するかよ。ただ先輩方に芸を披露して見ろって言われたんでな。まあ俺の芸と言えばカラオケだろ?
だから『俺の青春』をフルコーラスで歌った位で後はおとなしくしていたさ」

((それだ…))

それで全てを悟ったシュナイダーとピエールは歓迎会まで開いてくれたという心優しいパルメイラスの選手たちに心から同情した。
不意打ちでしかもフルコーラスとあれば恐らくトラウマ位で済めば御の字であろうから。

『寧ろチームから叩き出されないだけ温情があると見るべきなんだろうな…しかしこのままでは下手をすれば
飼い殺しにされかねんな…ピエール、お前のところで面倒みてやれないか?』

『…そうしてやりたいのは山々だが…生憎今ウチはキーパーの枠は埋まっていてな…お前のところこそどうなんだ?』

『う、う〜む…確かにウチの方は優秀なキーパーは欲しいと言えば欲しいんだが…外国人枠の方がな…』

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