キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【ストライカーの】幻想のポイズン45【条件】

1 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/11/30(火) 00:16:53 ID:???
全幻想郷JrユースのFW、反町一樹が幻想郷・外の世界のサッカー界に旋風を巻き起こすというスレです。
この話はキャプテン森崎のパラレル作品で、
東方Project(東方サッカー)とのクロスオーバー作品です。
もしかしたら他のアニメや漫画、小説などからもキャラが出たりするかもしれませんがご了承下さい。

本編のように、選択肢を選んだりカードを引いたりして物語が進んでいきます。

【前スレ】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1289915424/l50

[前スレのわかりやすいあらすじ。]
合宿が開始してから2週間。
選手達はそれぞれが特訓に励むのだが、その成果は一応出ているもののいまいち大きなものではなく。
そんなこんなで2度目の紅白戦が開始してしまう。
早苗さんと一緒になった反町は勝利を掴む事が出来るのか、そして、パチュリーから課せられたミッションを達成できるのか!?

リグル「エースやってない自分? っていうのはちょっ…と想像できないかなぁ…?」
反町「かんべんかんべーん! 魔王って言うのマジ勘弁してよもー。 マジ魔王はかんべーん」
パチュリー「どう思います監督〜、みんなコーチに頼りすぎだと思うんですけどどう思います監督〜?」
穣子「皆に鍛えてもらって変身する感じ。私はそんな感じ」
妖精1「ヒューイに激似なんだけどレギュラーは確定じゃないの?」
松岡「ドリブル技覚えたい? でもな〜! 覚えたい? ねえ覚えたい? でぇもなぁ〜!」
反町「金色の光が秋と地と神を包む中、模造られた紅蓮の太陽を司る宿命を与えられた騎士達を従えた。
   (紅チームでオータムスカイズの皆とキスメ、早苗さんと一緒になりました)」

既に2発もシュートを撃ってるが決まってないぞ、大丈夫かシュート魔王!?
果たしてパチュリーの言っていた条件を満たす事が出来るのか!?どうなんだ!?
そして、代表落ちするのとキャプテンになるのは一体誰なんだ!?
そんな幻想のポイズン45スレ目、このスレでもよろしくお願いします。

694 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/16(木) 00:48:49 ID:???
>★橙ちゃんの教育っぷり→ クラブ3 ★
>★お猿さん達の学びっぷり→ スペード10 ★
>立花兄弟、パワーアップ。必殺ドリブル取得!
=========================================================================
ズダダダダッ!

橙「にゃにゃ! にゃにゃん! にゃーん!
  (もっと速くもっと速く! ドリブルはスピードが命だよっ!)」
和夫「うきゃっ! うきゃきゃーっ!!(無茶言うなよ! これで精一杯だって!)」
政夫「ウキーッ! キーッ!!(いくらスピードがあってもキープできなきゃ意味ないしな!)」
橙「にゃー! にゃにゃんにゃ! にゃんにゃー!
  (それでももっと速く! 四足歩行なんだから二本足で立つよりずっと早く走れるでしょ!? ほら、ついてきてっ!)」
政夫「ウッキッキーッ!(くそっ、やっぱ子供とは言え猫だな……俺達よりずっと足が速い)」
和夫「ウキャーッ!! キャッキャッ!(置いてかれてたまるか! 俺達もスピードアップしようぜ、兄ちゃん!)」
政夫「ウッキーッ!(わかってる! あいつにやれて出来ない訳があるか! 行くぞ、和夫!!)」

ドリブル技術は高いが、しかし、コーチングが苦手である橙。
そんな橙の取った立花兄弟への対応は、あえて勝負を挑む形で立花兄弟を発奮させ。
目の前で自身の高速ドリブルを見せつつ、スパルタ的に練習を強いるというものであった。
橙の下手な挑発は、それでも立花兄弟には通用し、立花兄弟は顔を真っ赤にし文句を言いながらも橙に負けじとドリブルをする。
前傾姿勢となりつつ、ボールを手放さないように抱えながらキープし、橙を追う姿は、さながら山猿そのもの。
反則スレスレのキープ術は、橙を追い掛け回す内に立花兄弟の体にしっくりと刻まれ。
こうして立花兄弟は見事に個人個人で出来る新たな技を会得する事に成功をする。

橙「にゃにゃ! にゃんにゃんにゃ!!(やりましたね! これできっと出番もアップですよ!)」
政夫「うきゃきゃ……キッキー!(へへへ、練習に付き合ってくれてありがとうな)」
和夫「ウッキャー!!(やっぱ小さくてもコーチなんだな……)」
橙「にゃ〜ん(えへへ、私もこう見えて立派な妖獣ですよ!)」

695 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/16(木) 00:49:50 ID:???
見事に成果を出せたとあって、練習を終えた3者は笑みを見せながらお互いにハイタッチをする。
立花兄弟としても、橙が自分達を発奮させる為に勝負を挑むような事をしてきたのだとは十二分にわかっていたし。
そして、それが故にこうして必死になれて成果が出せたという事も理解していた。
練習が終われば、いがみ合う事などある筈も無く。
立花兄弟は小柄な自分達よりも更に小さなコーチの頭を撫でつつ、引き上げるのだが……。

三杉「(……彼らが何を言っていたのか、まるでわからない)」
見上「(キープ力が上がったのはいいが、それだけではまるで使えんな。
    やはり2トップのFWは、日向と派遣選手の比那名居天子が有力か……)」

興奮をしていた為に橙と立花兄弟が叫んでいた猫語と猿語は周囲の者達にはまるで意味不明な言語であり。
三杉をはじめとした全日本メンバーは、引きつった笑みを浮かべつつ引き上げてゆく3人を見やる。
そして、監督である見上は成果を出した立花兄弟に……それでも現段階ではまるで使えないとため息を吐き。

藍「コーン……(成果を出せたのは良かったが……うぅむ……やはりまだ橙にコーチ業は難しいか?)」

狐の妖怪である藍さんは、狐語を用いて小さく小言を呟くのだった。

政夫「あー、練習はりきったら腹減った! バナナ食おうぜバナナ!!」
和夫「夕食前だけど、小腹を満たすくらいならいいよな。 よし、ちょっと食堂のおばちゃんに頼んでくるぜ。
   橙、お前は何かいるか?」
橙「鰹節食べたいですにゃー。 あと、ちょっとぬるめのミルクがあれば最高ですにゃ!」
和夫「オッケー! それじゃ、取ってきてやるよ」
橙「ありがとうございますにゃ!」
和夫「へへへ、練習に付き合ってくれた礼だよ」

そして、この練習を契機に立花兄弟と橙との距離は少しだけ近づいたようである。
……どうやら、野性生物的な意味で相性がいいらしい。

※橙と立花兄弟の感情が 橙→(友情?)←立花兄弟 になりました。
※立花兄弟が「山猿キープ」を取得しました。

696 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/16(木) 00:50:53 ID:???
こうして全日本Jrユースの選手達が地味ではあるが着々と実力をつけていた頃。
他の国の者達も、当然ながら大会に向け懸命に練習に励んでいた。

レミリア「ふっ……血のように紅に染まれ! H A ! !」
ミューラー「ぐっ……! ぐ……あああおおおおおっ!!」

バッ! バシィッ!!

レミリア「ほう……加減をしているとはいえ、私のレッドサンを止めるか。
     くくくく、少なくともそこで伸びているくだらんキーパーよりは役に立つようだな」

西ドイツでは、正ゴールキーパーであるシュタインでは流石に力不足であるという事になり。
緊急に山奥に隠れ住むという伝説のキーパー……デューター=ミューラーを召集し合流。
レミリアを中心とした派遣選手で1週間分の遅れを取り戻す為に集中的に練習を課し。
ほぼ完全に、周囲のレベルと同程度まで引き上げる事には成功していた。

そして、この国際Jrユース大会に唯一南米から出場をするアルゼンチンJrユース。
華麗で美麗な個人技を主体とするこの国もまた、大会に向けて練習に励んでいた。
しかし、この国に派遣をされていた選手は、他の国とは違いたった1人であった。

派遣選手がたった1人では選手達全員を見て練習をつける事は不可能なのではないか……。
もしかしたらフランス同様、八雲紫に見捨てられたのではないか……。
……その2つの疑問に対する答えは、どちらともノーであった。

なぜなら、アルゼンチンに送られたたった1人の派遣選手は――。
ただ1人でチーム全体を見渡せるだけの視野と指導力を持ち。
そして、たった1人だけで戦局を変える事の出来る、"天才"だったからである。

697 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/16(木) 00:51:58 ID:???
ダダダッ! ヒュンッ ヒュンッ!

パスカル「く、くそぉっ!!(ディ、ディアスを超える奴が本当にいるなんて……!)」
ガルバン「(ディアス以上のスピード、テクニック、パワー……!? う、嘘だろ……!?)」

アルゼンチンJrユースの絶対的なエース――ファン・ディアス。
彼と共に練習し、試合をし、共に戦ってきたアルゼンチンJrユースの目は、端的に言えば肥えている。
他国のエース級の選手を見ても、それでもディアスには劣ると評する事も多々ある。
それは身内であることでの贔屓を抜きにしても、ファン・ディアスの実力があまりにも圧倒的過ぎるからであった。

だが、そんな彼らでさえ――派遣された選手のドリブル、パス、シュート。
否――オフェンスだけではなく、ディフェンスも含め……。
サッカーをする上で必要とされる、全ての能力を見て、愕然とし……絶望をした。
世界は広いという事……世界には、自分達の絶対的なエースを超えるような存在がいるという事を。

永琳「ふふ……そう簡単にボールはやれないわね!」

ポンッ! ギュルルルッ パンッ! ダダダダダダッ!!

永遠亭の至宝――月の天才、八意永琳。
彼女が派遣されたその日から――彼らは生まれて初めて実感し……体感したのである。

ガレヤ「ふぎゃっ!」
センベロ「ど、どうやって……」
バサロ「止めろって言うんだよォ!?」

698 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/16(木) 00:52:59 ID:???
緩急を自在に操り、ボールを巧みにコントロールし、鮮やかなフェイントを決め、華麗に切り返す。
全ての行動が後の行動の為の布石であり、突破をする為の最善なルートと。
見る者を魅了する為のドリブル、全てが詰められた月の頭脳的なドリブルを披露しつつ。
ディフェンスに来る選手達を次々とごぼう抜きしてしまう永琳。
彼女の選手達に課す練習はスパルタで……選手達はともすればその自信を粉砕されかねない状況にあった。
それ程までに、八意永琳の実力は圧倒的であったのだが……。

ディアス「よっ、と」
永琳「あらら」
パルカル「! ディ、ディアス!!」

ポンッ コロロ……

そんな状況の中でも、ただ1人この八意永琳に挑み、一矢報いたのもやはり絶対的なエース。
アルゼンチンの至宝、ファン・ディアスだった。
全てを感知し、全てを予測した上での永琳のドリブルを、辛うじてではあるが足先で触りこぼれ球にし。
その瞬間、永琳は驚きの中にかすかな嬉しさが混じった声を出し。
共に練習をしていたチームメイトたちは、あのドリブルを止められるのかと目を丸くして驚く。
だが、それらの視線を受けながらもディアスはあくまで平然とした様子でこの状況を楽しむかのような笑みを浮かべ。
こぼれたボールを足先で拾うと、軽々とリフティングしながら声を張る。

ディアス「おいおい皆、何やってんだよ。 落ち着けば今のドリブルは止められた筈だぜ?」
ブラウン「そんな無茶な……あのドリブルはプロでもそう見ないレベルだぞ?
     止められる訳が無いじゃないか!」
ディアス「そうか? ……少なくとも、俺が止められたのならパスカル」
パスカル「!!」
ディアス「お前なら止められた筈だぜ?」

699 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/16(木) 00:54:04 ID:???
アルゼンチンJrユースのFW――アラン・パスカル。
ファン・ディアスの相棒である彼は、タックルという1点においては……。
得意技とするクリップタックルが発動さえすれば、ディアスと同等の守備力を見せることが出来る。
ディアスの言うように、ディアスが止められたのならば、パスカルに止められないという道理は無い。
その言葉を聞いた瞬間、パスカルは目を見開きながらディアスに視線をやり。
それを受けてディアスはにやりと笑みながら、ダイレクトにボールをパスカルへと渡す。

ディアス「しっかりしてくれよ、相棒」
パスカル「ディ、ディアス……でも、俺は……俺なんかより……」
ディアス「何言ってんだよ、俺の相棒はお前しかいないってーの。
     俺とお前でアルゼンチンのゴールデンコンビなんだ。 なんだ、俺の勝手な片思いか?」
パスカル「ち、違う! でも……(俺は最高速のお前にはついていけない……!)」
ディアス「ほら、練習再開しようぜ! まだまだ休憩には時間があるぞ!」
ガルバン「(ディアス……これだけの実力差を見せ付けられて……)」
ルジェリ「(それでもまだ、自信を失っていない……。 いや、それどころか……いつもよりテンションが高い!?)」

自信なさげに自嘲するパスカルを見てやれやれと肩を竦めた後。
顔を俯かせる周囲に練習を再開しようと明るく言いながら、1人、ボールを蹴り始めるディアス。
その姿は一同から見てみれば考えられない光景であり……しかし、納得の出来る光景であった。
そう……アルゼンチンのエース……ファン・ディアスの心は決して折れない。
ファン・ディアスは誰にも負けない。ファン・ディアスは諦めない。
それはこの場にいる全員が知る事であり、そして、信じていた事だった。

ガルバン「……行こう、ディアスの言う通りだ。 まだまだおねんねには早すぎる」
ルジェリ「ああ……!」
ディアス「永琳さん、さっさと指導してくれよ。 コーチなんだろ?」
永琳「ふふ、勿論。 私はその為にここにいるのだからね」

700 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/16(木) 00:55:21 ID:???
ファン・ディアスは八意永琳の出現に危機感を抱いてはいなかった。
八意永琳の実力に対して、嫉妬のような感情は微塵にも感じていなかった。
ただそこにあるのは、純粋なライバル心と――自分よりも強い選手が出てきた事に対する、喜びの感情。
八意永琳がいれば、彼女の的確な指導を受ければ自分達はより一層強くなれるという期待と。
そうなった上で、彼女を倒せるだけの実力が備わるという自信があるだけ。

ディアス「大会に出場する中じゃ、西ドイツのシュナイダーやフランスのピエールくらいしか俺と張り合える選手いなかったからな。
     そいつらとも組み合わせ次第じゃ当たれるかどうかもわからないんだし。
     こうやって大会までの間、俺と張り合える奴と毎日ボールを蹴れるなんて面白すぎるぜ」
永琳「あらあら……私と張り合うつもり? 言っておくけれど、さっきのタックルはマグレよ?」
ディアス「どうかな? 2週間みっちり鍛えて、俺達とあんたとの力量もそろそろ差が縮まってきた頃だ」
永琳「10年早いわね……私は天才、八意永琳。 そう簡単に凡人に負ける筈が無いわ」
ディアス「なら問題ないな。 俺は天才、ファン・ディアスだ。 それもあんた以上の、超がつく程の」

バルバス「(一時はどうなることかと思ったが、派遣選手の件はうちのチームにとっていい方向に動いたようだな。
      八意永琳のお陰でディアスは奮起し……そのディアスの姿に他の者達も一層ディアスへの信頼を厚くした。
      そして、そのディアスが認める八意永琳の事も徐々に認め始めている。 何より……)」

パスカル「(ディアス……あんな選手がチームに入っても、お前はまだ俺を相棒と呼んでくれるのか……。
      そこまで……俺を、信頼してくれているのか……)」

実力的にはディアスには及ばない、中堅からやや上という程度の選手であるパスカル。
彼はディアスに対して劣等感に近いものを感じ、引け目を感じていたのだが……。
永琳が現れた上でも、自分を相棒とまだ呼んでくれるディアスに感動も覚えていた。
そして、その感動は彼の中で更に膨れ上がり……名実共にディアスの相棒になってみせるという感情に変化をする。

701 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/16(木) 00:56:56 ID:???
バルバス「(パスカルがやる気を見せている……八意永琳の出現に焦りを、ディアスの言葉に感動を受けた今。
      あいつは精神的にも肉体的にも大きく成長するだろう。
      ふふふ……これは次の大会、貰ったも同然だな。 どれ、優勝した時に着用する特注パンツを今から注文しておくか。
      テレビに映る時、いつものパンツではアルゼンチンの品が問われてしまうからな)」
永琳「(主柱のディアス君は間違いなく私に匹敵……いえ、突破力。オフェンスだけなら私以上になる。
    そして、パスカル君も大きく成長してくれるわね。
    ……あと2人、シュートしかできなくてもいいからそこそこの火力を持つストライカー。
    それと、私やディアス君級とは言わなくても堅実なボール運びが出来るMFがいると尚良しなのだけど……。
    それは高望みのしすぎかしらね……)」

パスカルの内なる感情に気づいたアルゼンチン監督――バルバスは笑みを浮かべつつ、パンツカタログを手に取り。
永琳は僅かに微笑みながら、一同に対して指導をし始める。

南米の強豪――アルゼンチンJrユース。
絶対的なエースに、派遣された強大過ぎるブレイン。
2人の天才を抱えたこのチームは、間違いなくフランス国際Jrユースでの優勝候補となるであろう。

この1週間後、今度はパスカルが永琳のドリブルを完全に塞き止め。
ディアスが永琳以上の天才的なドリブルを見せたのは、別の話。

702 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/16(木) 00:58:33 ID:???
お猿と猫が仲良くなり、天才と天才があわさり最強に見えるようになったところで。
選択肢や判定はありませんが今日はここまで。
明日以降、もうちょっとNPCシーンをやってから、再び反町視点になります。
それでは、お疲れ様でしたー。

703 :森崎名無しさん:2010/12/16(木) 00:59:26 ID:???
うきゃっ!(乙でした)

704 :森崎名無しさん:2010/12/16(木) 01:01:10 ID:???

今のところ西ドイツが一番強そうな印象を受けるな
次点で日本か。アルゼはキーパーに不安が残るからなぁ

705 :森崎名無しさん:2010/12/16(木) 01:17:02 ID:???
日本には森崎がいる分、西ドイツ以上だと思う
ミューラーは日向のネオタイガーで失点しかねない性能だが、森崎はそれ以上だからな
あと、やっぱフルタイム出場の三杉(芸術的ドリブルつき)がいるのが大きいでしょ

しかしアルゼンチン、バビとサトルはなしか…

706 :森崎名無しさん:2010/12/16(木) 01:18:32 ID:???
日本は最大の弱点の第2FWが補強されているし穴ないしね

707 :森崎名無しさん:2010/12/16(木) 01:22:08 ID:???
イタリアとウルグアイはどうなるのかね
えーりんがアルゼンチン行ってる以上、ランピオンやジェンティーレは復帰しなさそうだが

708 :森崎名無しさん:2010/12/17(金) 00:19:47 ID:???
ゆかりんが監督でないならどこかのチームにいる可能性もあるんだよな
その場合はウルグアイに入っているとみた
フランドールを火野+ダ・シルバ役にしているってのもあるかもな
フランドールを制御できるメンツは紫くらいしかいないだろうし

709 :森崎名無しさん:2010/12/17(金) 00:39:25 ID:???
>>708
ウルグアイGKは萃香だと思う
ヘルナンデスのいるイタリアじゃないだろうし

710 :森崎名無しさん:2010/12/17(金) 00:45:17 ID:???
>>709
ふむ……あと入ってそうな国ならイングランドやポーランド辺りかな
入るとしたら補強選手によって一気に強敵になり得る国に入るはずだ

711 :森崎名無しさん:2010/12/17(金) 00:57:30 ID:???
>>710
派遣は6カ国ですよ
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1286201588/608

712 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 02:11:44 ID:???
アルゼンチンJrユースの2人の天才が切磋琢磨し、それに影響を受け周囲の者達が練習に取り組む中。
この日、フランス国内のとあるサッカーコートでは、2人の男女が練習を行っていた。
1人は前回の練習試合において、6失点というあまりにも酷すぎる失点をしてしまい。
プライドを傷つけられ、右手に怪我を負わされ、周囲からの評価を大きく降下させた男――。
西ドイツへ留学をした、かつての天才GK――若林源三。

1人はかつては幻想郷3大ゴールキーパーと謳われながら……。
新進気鋭のチームを相手に大量失点を喫し、その後も対戦をするごとに幾度となく失点を積み重ね。
徐々にそのプライドと地位とを失い――そして、最終的には精神を壊された地底の主、古明地さとり。

彼女達は出会ってから1週間、こうして定期的に会いながら、2人だけで秘密の特訓をしていた。
何故2人だけで特訓をするのか。
サッカーを恐れ、する意義を見失っていたさとりが、どうしてサッカーを再びやる事に決めたのか。
その答えは、やはり彼女達が出会ったその日――1週間前のあの運命の日にあった。

………

……



713 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 02:12:48 ID:???
〜 1週間前 〜

若林「……いい加減落ち着いたか?」
さとり「はい……いきなり泣き出して、申し訳ありませんでした」

突如目の前で泣き出したさとりを何とか宥め、落ち着かせる事に成功をした若林源三。
未だに少しだけすんすんと鼻を啜るさとりを困った表情で眺めつつ……。
自分よりも一回り小さいさとりは、やはりどう見てもサッカー選手のようには見えないと考え。
しかし、その手に嵌めたキーパーグローブ……。
そして、以前に練習試合で戦った若林にとっては悪魔のような少女達を考えれば……。
その悪魔のような少女達とどことなく雰囲気、出で立ちが似ているさとりの正体――。
どこから来た者なのか、何者なのかある程度予想をつけ。

やがてさとりはハンカチを片手に泣き止むと、困り顔をする若林を見上げ。
小さく礼をしてから、その小さな口を開き自己紹介をした。

さとり「……あなたの考えどおり、私は幻想郷から来訪した幻想郷のサッカー選手。
    名を古明地……古明地さとり、と言います。
    地霊殿、と呼ばれる場所に所属をする、ゴールキーパーです」
若林「(やっぱり幻想郷の奴か……。 ここにいるって事は……)」
さとり「はい、お察しの通り、私はフランスJrユースの派遣選手……です。
    一応は……ですが」
若林「(……噂じゃエル=シド=ピエールくらいしか大した選手はいないというフランスか。
    ん? ちょっと待て、なんでこいつは俺が口にしてない言葉に返答を……)」
さとり「それは……私が覚り妖怪だからですよ、若林源三君」
若林「な……なにィ!?」

714 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 02:13:57 ID:???
自分の考えている事が次々と読まれ、更には名乗っていないのに自分の名前まで言い当てられた事で若林は大きく狼狽し……。
一方でさとりはそれに対して薄い自嘲げな微笑みを浮かべつつ、自身の正体を明かす。
覚り妖怪――他者の心を読んでしまうという能力を持つ、地底に住まう忌み嫌われた妖怪。
幻想郷には妖怪がいると……更にはサッカーをする者たちの多くはその妖怪であると。
かねてより三杉や見上に聞かされていた若林だが。
しかし、流石に人の心まで読める者までいるとは予想していなかった為か目を丸くして驚き。
それを見て、さとりは一層その笑みを自嘲的なそれへと変貌させる。

さとり「気持ち悪いですか?」
若林「う……い、いや……!(この胸についてる目で俺の心を覗いているっていうのか?)」
さとり「そうですよ……もっとも、今はあまりよく見えませんがね……」

言いながら、さとりは胸元にあるアクセサリーのような第三の目に触れる。
本来ならばパッチリと開いている筈のそれは半ばまで閉じかけてしまっており……。
それは即ち、さとりの第三の目が――心が閉ざされてしまおうとしているという事であった。
だが、そんなことを知らない若林は自分の心が完全に見られる訳ではないのかと静かに安堵し……。
しかし、この今思っている見られないのかという感情も見られているのではないかと不安に思いつつ。
若干の距離をさとりを取りながら、問いかける。

若林「……お前の正体は、まあ、わかった。
   だが……さっきの言葉は、どういう意味だ。 俺が……お前と一緒だと?」
さとり「……はい。 私とあなたは、似ているのです……」

若林の言葉に、さとりは尚も自嘲げに笑いつつ、小さく体育座りをして落ちてゆく夕日を見つめ言葉を吐く。
その横顔を見ながら、若林もまたさとりと距離を取りつつも体育座りをする。

若林とさとり、体育座り。

仲良く並び、しばらくそのままぼうっと夕日を2人は見ていたが……やがてまた、その沈黙をさとりが破った。

715 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 02:15:24 ID:???
さとり「私も……かつては幻想郷で3大キーパーと呼ばれるだけの実力と栄誉を持っていました。
    あなたが小学生時代、全国大会を制覇し。
    同世代では圧倒的な実力を備え、地位と名誉を手にしていたのと同じように」
若林「……過去形なのは」
さとり「はい、そうです。 ……私はその地位から転落したのですよ。
    今となっては、私は幻想郷でも見向きもされません。 元々嫌われ者なのですから、いいんですけれどね」

軽口を叩くように言うが、しかし、その表情は非常に自暴なものであり。
現状、あまり精神的に余裕がない若林にも、それが決して本心でないという事がわかる。
だが、それでもさとりは自嘲を未だに浮かべ、夕日から地面へと視線を移しながら更に呟く。

さとり「ただ一度の失態から、ずるずると私のサッカー人生は狂っていった……。
    私の能力を最大限に生かし、戦っても……それ以上の力で押さえつけられ、強引に勝利をもぎ取られた。
    元々、私はそれほど強い種族でもなければ身体能力も見ての通り高くはありません」
若林「か細い腕に低い身長……少なくとも、サッカー選手には見えないからな……」
さとり「ふふ……正直ですね。 ……私はもう、サッカーをしたくありません」
若林「何?」

ついさっき会ったばかりの、しかも完全に初対面である若林に対して。
疲れたようなため息と共に、さとりは静かにそう宣言をした。
それは初対面であるが為に言いやすかったのかもしれないし、或いは、心を見た事で。
若林が自分と同じ境遇にある事を知り、そんな若林だからこそ喋る気になったのかもしれない。

さとり「ここ最近……いつも、ボールを受けて吹き飛ばされる夢を見るのです。
    毎晩毎晩……いつもいつも。 同じ選手にシュートを撃たれ、惨めな思いをする。
    苦しいんです……もう……」

716 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 02:16:30 ID:???
不夜城カップで、圧倒的過ぎるシュート力で、文字通り蹂躙され、陵辱をされたさとり。
その精神は崩壊一歩手前のところまで……否、殆ど崩壊しかかっていた。
どう足掻いても止められない、無慈悲なシュートは夢の中で自身を何度も何度も吹き飛ばし。
そのごとに笛が鳴っては、スコアボードに点数がどんどんと加算されてゆく。
そして、それと比例するかのように観客席からはさとりを嘲笑する声が溢れ。
自分を囲っていてくれたペットたちは、蜘蛛の子を散らすように去ってゆく。
そんな夢を、さとりは毎晩見て……そして、いつも涙を流しながら起床をする。
それが日課となっていた。

さとり「もう……嫌なんです……」

これ以上ペットたちを失望させたくはなかった。
これ以上、誰かから指を指されて嘲笑されるのは御免だった。
冷静に見えて、その実、一勢力の代表者としてのプライドは非常に高い古明地さとり。
そもそも、そんな彼女がサッカーを始めたきっかけは。
サッカーならば他の勢力の代表にも負けないかもしれないという自信があったからである。
妖怪としての力量では各勢力のトップには及ばないものの、それでもサッカーなら……。
純粋な力だけが勝敗を決める種目でなければ、他の勢力にも負けないかもしれないと思いさとりはサッカーを始めたのである。
事実、その目論見はある程度成功し、さとりは幻想郷3大キーパーの異名を欲しいがままにしていたのだが……。
反町一樹が現れてから、そんなさとりの心も、体も、全てはボロボロになっていった。

そして、今……もはや強豪どころか、中堅――弱小とすら思われているかもしれない地霊殿で。
これ以上サッカーを続ける意義を――その意味を、さとりは見失い……。
これ以上苦しまないうちに、サッカーをやめるのが最善なのではないかと考えていたのである。

呟くように、ぽつり、ぽつりと言葉を吐き、事情を語るさとり。
そして、その全てを語り終え、大きくため息を吐いた瞬間……。

若林「……おい、お前。 さっき、俺がお前と同じだと言ったな」
さとり「はい、その通りじゃないですか。 あなたも私と同じ……」
若林「いや、違うな。 ……俺は、お前とは違う」

717 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 02:17:46 ID:???
俯きながら言葉を吐くさとりに、感情を押し殺したかのような声で告げる若林。
瞬間、さとりはハッと顔を上げて若林を見上げれば……。
若林はさとりに対して軽蔑するかのような……まるで汚物を見るかのような表情を浮かべているのだった。

若林「俺はお前とは違う……俺は、お前のような軟弱者じゃない」
さとり「そんな……事実、あなたは今さっきまでここで頭を垂れ、うじうじしていたじゃないですか……。
    私に隠し事は無駄ですよ……どんな嘘だって……」
若林「ああ、確かにさっきまで俺はお前のように暗い顔して俯いていた。
   ……お前を見て、どんだけさっきの俺が醜く、浅ましく、情けなく、だらしないかわかった。
   だからこそ……俺は、お前のような軟弱者じゃない……いや、軟弱者にはなりたくない!」

古明地さとりもプライドが高ければ、若林源三もプライドの高い選手であった。
そんな彼は最初さとりの話を、同情半分聞いていたのだが……。
しかし、その話も半ばに差し掛かると……さとりの言葉と先ほどまでの自分の姿を重ね……。
そして、そんなさとりの姿に――自身の分身の姿に、大きな憤りを感じた。

プライドが高いからこそさとりはこれ以上その誇りを傷つけられる事を拒んだ。
だが、逆に若林はプライドが高いからこそここで終わってはいられないと前を向いたのである。
そもそもの問題として、さとりはサッカーを本業とする者ではなく。
若林はサッカーをするしかこの先生きる道が無く、かなり切羽詰っているものがあったという面も多分にあったろうが……。
とにもかくにも、先ほどまでどんよりと曇っていた若林の表情は、いつの間にか不適な笑みへと変わっていた。

SGGKとしての誇りを取り戻し、正ゴールキーパーの座に返り咲かなければと気づいた若林源三。
その道のりが果てしなく困難であり、また、周囲から笑われるだろうという事は判別がついていた。
だが、それでも若林はさとりのようにはなりたくないと思った。
精神的に脆くもあるが、しかし、強気でもある若林源三は、この時、ようやく立ち直ったのである。

718 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 02:19:15 ID:???
若林「ふん、一応は感謝しておいてやる。 お前がその情けない姿を見せてくれたお陰で。
   俺はそうは絶対になりたくない……もう二度となりたくないと思えるようになったんだからな。
   じゃあな、負け犬」
さとり「なっ……!」

体育座りを止め、立ち上がり、嘲るような笑みを向けながら颯爽と立ち去る若林。
てっきり自分に同調し、同意し、慰めてくれると思っていたさとりは驚き。
……そして、やがて頬を朱に染め、激昂しながらその背に声をかける。

さとり「どうして……そこまで……! 傷つく事がわかっていて、尚もサッカーが出来るんですか!?」
若林「………………」
さとり「ゴールキーパーなんて……防いで当然。失点をすれば観客からため息が漏れ。
    無失点を記録しても、そんなものは決して高い評価はされず!
    逆に大量失点をすれば戦犯として叩かれる……!
    吹き飛ばされれば笑われて……こっちが押している時はまるで目立たず、やはり評価されない!
    それなのに……どうして……!」
若林「だからだ」
さとり「えっ……?」

嘆くように、不平不満をぶちまけるさとりに対して、若林はただ一言そう呟いた。

719 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 02:20:16 ID:???
若林「責任が重い、評価はされない。 だからこそ……活躍をすれば、それだけ敵にも味方にもデカい顔が出来る。
   点を取らんFWが点を取るまで防ぎ続ければ、俺の好守のお陰で勝てたと評されるだろうな。
   圧倒的なエースの攻撃を止めれば、俺はそのエースを直接的な対決で超えたと言える。 だからだ」

ともすればビッグマウスな言葉を吐いた後、若林源三はその場をランニングをしながら去っていった。
後に残ったのは、古明地さとりたった1人。

さとり「(どうしてそこまで自分の力を信じられるの……6失点という、信じられない失点記録をしておいて……)」

ただの馬鹿なのか……それとも、自分の力を――才能を信じているのか。
驚きと、呆れと、憤りを混ぜたような感情を持ちつつ……古明地さとりはいつまでも若林の背中を見つめ……。
若林が最後に吐いた言葉の意味を、考えようとしていた。

これが今から1週間前の、午後――夕暮れ時の出来事であった。

720 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 02:22:18 ID:???
  .-、  _
  ヽ、メ、〉      r〜〜ー-、__      ________________
  ∠イ\)      ムヘ._     ノ      |
   ⊥_      ┣=レヘ、_ 了     | え−−い、若林とさとりんはいいっ!
-‐''「 _  ̄`' ┐  ム  _..-┴へ   <
  | |r、  ̄ ̄`l Uヽ レ⌒',    ヽ.   | 反町を映せっ! 反町の魔王振りをっ!!
  (三  |`iー、  | ト、_ソ   }     ヽ   |
  | |`'ー、_ `'ー-‐'    .イ      `、   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  | |   `ー、    ∠.-ヽ      ',
__l___l____ l`lー‐'´____l.       |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||  .|      |
               ||  |__.. -‐イ
               ||   |    ノ/


と言われないように、明日はなんとか反町視点に戻りたいなぁ、という所で本日はひとまずここまで。
それでは、お疲れ様でしたー。

721 :森崎名無しさん:2010/12/17(金) 02:35:43 ID:???
さとりか完全にレイプ被害者

722 :森崎名無しさん:2010/12/17(金) 02:38:26 ID:???
この文章の長さ的に考えて、さとりとバヤシラスボスあるで

723 :森崎名無しさん:2010/12/17(金) 02:54:27 ID:???
体育座り乙でした

724 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:09:21 ID:???
さとり「………………」

若林が去り、しばらく川原で佇んでいたさとりだったが……。
しかし、いつまでもそうしている訳にもいかず……やがて日が暮れ、あたりが暗くなると。
若林が向かった方向とは真逆の方角へ足を向け、歩き出し……帰路についた。

さとり「(どうして戦えるの……負けることが怖くないの……?)」

心中で先ほどの若林の言葉を繰り返し、それに対して何度も疑問を持ちながら。
さとりはやがて、自身が宿泊をするフランスJrユース寄宿舎へと帰り着く。

既に合宿が開始されてから1週間の月日が経過している中。
さとりは一度として、フランスJrユースの面々と練習を共にしたことが無かった。
それはさとりの中にサッカーをやる意思が無かった為に、練習をする意味を見出さなかった事もあるが。
それより何よりも、このフランスの者達と共に戦っても勝利をもぎ取る事は難しいだろうと考えていたからである。

練習をしたこと自体はないが、練習をするフランスJrユースの面々を見た事はさとりにもあった。
そんな中で、エル=シド=ピエール。ルイ=ナポレオンという才能あふれる選手をさとりは見つけていたが……。
それ以外の選手達が、そろいも揃って問題外な実力しか持っていない事にある程度見当をつけていたのである。

そんな者達と共に練習をする事自体、馬鹿馬鹿しい……というよりも、無益で無意味だとさとりは考えていた。
こいしだけは珍しく面倒見よく練習に付き合っているらしいが……。
それもすぐに飽きて、いずれは自分と同じようにフランスメンバーの練習を見る事は無くなるだろうと思っていた。

しかし……。

725 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:10:38 ID:???
バムッ! ダダダダッ!!

こいし「はぁっ……はぁっ……。 どうしたの、もう終わり?」
ナポレオン「こっ、この野郎……!」
ピエール「(やはり強い……! だが……そろそろこの動きに目が慣れてきた! もう少し……もう少しだ!!)」
さとり「……こい、し……?」

日が暮れ、既に規定の練習時間が過ぎたこの時間帯。
寄宿舎へと帰り着いたさとりは……ライトのついたフィールドで、未だにボールを追い続けるフランスJrユースメンバー。
そして、その中心で疲れ果てた様子ながら……それでも尚、一同を指導しようとボールを持ち。
一同にディフェンスを強いるこいしの姿を見つけ、目を見開いて驚いたのだった。

ルスト「く、くそっ! ええいっ!」
ジョルジュ「うわああああっ!!」
こいし「あなた達オフェンスも下手だけど、ディフェンスは更にへたっぴ!
    そんなんじゃ私からボールはとれないよ!」

ブゥゥゥン……!

無意識を操り、敵の視界から文字通り消えて突破をする消えるフェイント。
ボランチとして必要なキープ力を、そこそこ備えるこいしを相手にフランスJrユースはボールを奪い取れず。
しかし、それでもすぐ起き上がり尚も立ち向かおうとする。

さとり「………………」

さとりから見て、ピエールとナポレオンを除いたフランスメンバーのディフェンスはあまりにも下手糞だった……。
それこそ、オータムスカイズのサイドドリブラー、橙とどっこいどっこいといったレベルだった。
しかも正規のDFまでもが下手糞だった。救いようの無い程までに、下手糞だった。
だが、それでもフランスメンバー達は汗を流し、肩で息をし、泥に塗れながらも練習に励んでいた。

726 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:11:40 ID:???
さとりはしばらくその光景を、ただ呆然と見つめ……一同はそんなさとりに気づかぬまま、練習に明け暮れる。
だが、それから約1時間が経過した頃。

ドサリッ……

こいし「はぁっ……はぁっ……! ゲホッ!」
さとり「! こいしっ!!」

何時間もたった1人でチーム一同を指導し、動き回っていたこいし。
八意永琳のようなスタミナもなければ、効率的に指導も出来ないこいしの身体には当然ながら疲労が蓄積し。
痙攣する足を引き摺りながら、今日何度目になるかわからない消えるフェイントを見せた瞬間、その場に倒れこむ。
その姿を見た瞬間、さとりはこいしの名を呼びながらフィールドへと駆け出し。
ここでようやくさとりが見ていた事に気づいたフランスJrユースの面々は目を丸くして驚き。
こいしはさとりの声を聞くと薄く微笑みつつ、地面に倒れながらさとりに視線を向ける。

こいし「お、お姉ちゃん……はぁっ、はぁっ……」
さとり「こいし……こんなになるまで……どうして……!」

地面に倒れたこいしを抱き起こしながら、さとりは今にも泣きそうな顔をしこいしの名を呼ぶ。
愛らしい顔は泥に塗れ、フィールドを駆け回った為に巻き上げられた埃で服は汚れ。
額――否、顔全体には大きな汗の粒が浮かび上がっている。
ポケットからハンカチを取り出し、こいしの顔を拭いてやりながらさとりはどうしてここまでと呟くのだが……。
それに対してこいしはやはり笑みを浮かべながら、薄っすらと口を開く。

こいし「こ、こいつらが私達に見合うくらい強くなってくれないと……困るでしょ。
    私達は……大会で、優勝するんだから……」
さとり「そんな……無理よ、こいし。 優勝なんて大それた事……出来る訳が無いでしょう」

727 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:12:45 ID:???
八雲紫によって事実上の左遷をされ、弱小国のフランスへと派遣されたこいしは。
八雲紫を見返してやる為にも、必ず大会を優勝で飾ってやると誓っていた。
どことなく冷めたところがあり、達観した考えを持つこいしは、初めて本気になろうとしていたのだが……。
だが、さとりはそれは不可能なのだと考え、こいしの言葉をかたくなに否定した。

さとり「確かに、ピエール君は他国のエースにも通用するだけの力がある」
ピエール「………………」
さとり「ナポレオン君も、エースストライカーとして申し分ない力がある」
ナポレオン「ふん……」
さとり「さとりだって、ボランチとしては優秀……それは姉である私が一番わかっている」
こいし「………………」
さとり「だけど……サッカーは3人だけで出来るものではないのよ……」
ボッシ「うぅ……」
ルスト「………………」

間違いなく世界屈指の実力を持つピエールに、そのピエールについていける実力を持つナポレオン。
ボランチとして攻撃も守備もそつなくこいしの3人は、間違いなく大会でも通用をする選手達であったが……。
しかし、それ以外の選手達が問題であった。
いくらピエールが世界屈指の選手といえど、広いフィールドをたった1人ではカバーしきれない。
いくらナポレオンの実力がストライカーとして高いものでも、百発百中でゴールは射止められない。
いくらこいしが名ボランチといえど、抜かれる時は必ず来る。
たった3人だけで、世界の強豪たちを相手に出来る訳が無いのだ。

自身たちの力不足を把握しているボッシやルスト、アモロといったピエールたちとは違う。
所謂、「お荷物」でしかない選手達はその残酷なまでのさとりの言葉を聞いてうめき声を上げるのだが……。

こいし「だから鍛えてるんだよ……それに、成果はちゃんと出てきてるよ……」
さとり「……無理よ。 いくら鍛えても、伸びないものは伸びない……」
こいし「そんなこと無いよ……」
さとり「そんなことあるわ……。 私にはわかる……いくら希望を持っても、いずれはそれは蹂躙されてしまう……。
    私達は、そんな願いを持ってはいけない……期待をするだけ、落胆も大きくなるのだから……」

728 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:14:15 ID:???
自分達のような者が、光を求めてはいけない。
ひなたの道を歩けるのは、自分達のような者ではないのだ。
こいしの言葉に対して、ネガティブにもそう返答しさとりは頭を振る。
これ以上は傷つきたくない……後ろ指をさされ、笑われたくは無いと、さとりは言い……。
それでもこいしは笑いながら、さとりの肩に手を乗せつつ呟いた。

こいし「私は……このチームでも勝てると思うよ。 だって、ちゃんと成果は出てるもん……。
    このチームなら、優勝だって狙えるんじゃないかな……」
さとり「……でも」
ナポレオン「うざってぇな! ガタガタ抜かして練習の邪魔するなら25cmキャノンでぶっ飛ばすぞ!!」
ピエール「よせ、ナポレオン。
     ……サトリ、君の言う事もわかる。
     だが、俺達はそれでも諦められない。 諦める事は、許されない」
さとり「……どうしてですか。 どうしてそこまでして、戦えるんですか……。
    どうやったって勝ち目の薄い大会に……どうして自信を持って挑めるんですか……」
ピエール「それは俺達が誇り高きレ・ブルーのユニフォームを纏っているからだ。
     このユニフォームを着ている限り、俺達は諦める事は許されない。
     自国の名誉の為にも……自分自身の為にも、だ」

うじうじとするさとりを見ていい加減堪忍袋の緒が切れたのか、罵声を浴びせるナポレオン。
それを咎めつつ、ピエールは紳士然とした態度でさとりに今現在、着用しているユニフォームを見せ付けるようにしつつ告げる。
そして、ピエールが周囲に視線を向けると……周囲のメンバーはおずおずとした様子ながらも。
しかし、ピエールの言葉に同意を示すかのように頷いた。

ルスト「(コイシが来てから、ピエール程とまでは言わなくても……差だって、少しは縮まった……)」
ボッシ「(必殺シュートだってあるんだ……! せめて……1ゴールくらい……!)」
ジョルジュ「(コイシが来てくれたお陰で弱点の守備も改善されたんだ!)」
フェレーリ「(狙える筈なんだ! これだけ練習をして、報われないなんて事がある筈が無いんだ!)」
さとり「………………」

729 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:15:23 ID:???
基本的に弱腰に近い考えばかりであったが……しかし、それでも彼らは諦めてはいなかった。
大会で勝ち進む事を、大会で優勝を手にする事を、諦めていなかった。
心を読み、その本心を見たさとりは信じられないような表情でフランスメンバーを見つめ……。
そして、再びこいしへと視線を落とす。

こいし「勝てるよ……おねえちゃんがいれば、勝てるんだ……」
さとり「こいし……」
アモロ「お、俺じゃ力になれないんだ……でも、フランスが勝てるなら……それでいいんだ。
    だから、お願いだから練習に参加してくれ……俺の代わりにゴールに立ってくれ……。
    か、勝ちたいんだ……勝てるかもしれないなら、勝ちたいんだ……。
    例えベンチから見るだけでも……勝てるなら、それで……」
ナポレオン「(けっ、ヘタレめ……)」

(一応)正ゴールキーパーであるドミニク・アモロはさとりにキーパーを任せたいと……。
このチームの為に、練習に参加してくれとさとりに告げ。
これを見てナポレオンとピエールがため息を吐く中、さとりは困った表情で周囲を見やる。

さとりは未だに信じられなかった。

どうして彼らが戦おうとするのか……敗退する可能性の方が高いのに、どうして勝てると思うのか。
自分達の実力を省みた上で、どうして尚も立ち向かおうとするのか……理解が不能だった。
周囲の者達の言葉や思いに混乱し、困惑するさとりは……それでも尚、頭を振ろうとするのだが……。

こいし「お姉ちゃんは……私を信じてくれてる……?」
さとり「こいし……?」

突如そう呟いたこいしに、さとりはこいしの意図もわからぬまま首を縦に振り頷く。
たった1人の可愛い妹――こいしを信じない、信じていない筈が無い。

730 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:16:36 ID:???
こいし「それなら……私はお姉ちゃんを信じている」
さとり「え…………」
こいし「幻想郷3大キーパー。一対一では絶対に負けない、PKでは絶対に防ぐ、PA内のシュートは全て許さない。
    八雲紫と伊吹萃香と並んで称えられる、お姉ちゃんを信じてる」
さとり「こいし……」
こいし「私はお姉ちゃんを信じてる。 だから……お姉ちゃんは、私が信じるお姉ちゃんを信じて。
    ……お姉ちゃんは、本当に凄いんだから。
    誰にだって負けない……本当に凄いゴールキーパーなんだから……」
さとり「っ!!」

そして、さとりがこいしを信じているように。こいしもまたさとりを信じていた。
かつては幻想郷3大キーパーと呼ばれていた、あの頃の栄光は嘘ではないと。
地に落ちた今でも、その実力は決して八雲紫や伊吹萃香に劣るものではないと。
幻想郷で最強のゴールキーパーは、古明地さとりなのだと、そう堅く信じていた。

さとり「こいしっ……!」

心を閉じているこいしの心を、さとりは読むことが出来ない。
だからこいしが今何を考えているか、何を思っているのかはわからない。
だが……こいしの想いと、気持ちは……心を読まずとも伝わってきた。
こいしがどれだけさとりを想っているのか、その想いの重さがさとりに伝わってきた。

さとり「こいし……!」

大粒の涙を流しながら、さとりはこいしを抱きしめその名を呼ぶ。
体力の限界だったのか、こいしは既に死んだように眠っており返答をしない。
だが、それでもさとりはこいしの名を呼び続けた。
愛する妹がどれだけ自分を考えてくれていたのか。そして、それに対して自分はどれだけ情けなかったのか。
感謝と、情けなさと、温かさを感じながら、さとりはこいしを強く抱きしめた。

731 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:17:47 ID:???
ピエール「…………サトリ」
さとり「……私は、私の信じるこいしの為に戦います」

しばらくそうしてさとりはただただ泣きはらしていたのだが……。
見かねたピエールが声をかけると同時、凛とした声で即座に返答し、涙を拭いながら立ち上がった。
目を閉じるこいしの肩を抱きながら、自分に心配そうな視線を向けるフランスメンバー。
それらを一瞥してから、さとりは先ほどまでの情けない表情から一転。
凛々しい表情を浮かべつつ、もう一度口を開く。

さとり「遅くなりましたが、私もこのフランスJrユースの代表として及ばずながら力を貸させていただきます。
    古明地こいしの姉として、恥ずかしくないプレイをする為に。
    こいしと共に栄光を掴む為に……こいしの為に……」
ナポレオン「ふんっ、そこのヘタレよりは多少なりとマシなんだろうな?」
アモロ「あわわ……」
さとり「ご心配なく」

合宿開始から1週間……ようやく、フランスに協力すると申し出たさとりに対し。
周囲は概ね胸をなでおろしながら歓迎ムードをかもし出すのだが……。
そんな中でナポレオンは突っかかるような物言いをしながら、さとりを睨みつけ。
しかし、それをさとりは無表情の中に小さな笑みを浮かべつつ返答する。

さとり「私がゴールを守る限り……大量失点などは絶対に致しません。
    私は地霊殿の主、古明地さとり……幻想郷3大キーパーの1角、古明地さとりです」

大きな声で宣言をした後、さとりはこいしを部屋で寝かせた後、ジャージに着替えフィールドに出る。
まだボールに触れる事は少し怖かった……シュートを受けることは、もっと怖かった。
だが、それでもあえて虚勢を張りながら、さとりはフランスJrユースの者達と共に練習を行った。
こいしの気持ちと思いに応えたい――その一心が、さとりを突き動かしていた。

さとり「(……見返してやります。 強く……強く、なってみせる……!
     私達が……必ず、この世界で最高のチームになってみせる……! こいしの為にも……!)」

732 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:18:52 ID:???
もうちょっとNPCシーン続きます。一旦ここまで……。

733 :森崎名無しさん:2010/12/17(金) 20:31:01 ID:???
>さとり「さとりだって、ボランチとしては優秀……それは姉である私が一番わかっている」

こいし「私の名前がない……だと!?」

734 :森崎名無しさん:2010/12/17(金) 20:37:47 ID:???
うーむ、これだけ盛り上げるということは、今度のさとりんは強いんだろうなあ。
これでまたしてもあっさり折られたら帰ってこれないだろうし・・。

735 :森崎名無しさん:2010/12/17(金) 20:43:11 ID:???
あえてペナルティエリア内から陵辱したくなるよな

736 :森崎名無しさん:2010/12/17(金) 20:50:20 ID:???
PA外からオータム連打でおk

737 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:56:25 ID:???
>>733
ごめんなさい、大事な場面なのに思いっきり間違えてましたorz

さとり「こいしだって、ボランチとしては優秀……それは姉である私が一番わかっている」

に訂正します。

738 :森崎名無しさん:2010/12/17(金) 20:57:16 ID:???
いい勝負したかったけど審判のせいで台無しなんだろうな…

739 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 22:55:25 ID:???
さとり「………………」

さとりが再び立ち上がり、フランスJrユースの一員として戦う事を誓った日の翌日。
この日、古明地さとりは全体練習を終えた後、昨日と同じように川原へとやってきていた。

あの後、眠りから目覚めたこいしはさとりが再び戦う事に決めたと聞くや否や喜び。
今日も元気にフランスJrユースの面々をしごき抜いた。
さとりも今日から本格的に練習に取り組み、1週間分の遅れを取り戻そうとしていた。
そして、今日もまた居残り練習をしようとする一同と練習に付き合おうとしたさとりだったが……。
1週間練習をしていなかった事によりまだ本調子で無い為に、これ以上の練習は返って自分の首を絞めるだけだと監督に言われ。
フィールドに立ち入る事を許されなかったのである。

さとり「(まだ絶対的な守備力は手に入れる事が出来ていない……。
     今のままでは、伊吹萃香や八雲紫にはまだ及ばない……今のままでは……)」

一対一に滅法強く、PKは必ず許さず、PA内からのシュートは全て防ぎきる――。
だが、その能力も全ての場面において万能である伊吹萃香や八雲紫には及ばない。
今のままでは……そう、"今のままでは"まるで及ばない。

さとり「(だから私は強くならなければならない……弱点を消し、長所を伸ばす為に……。
     その為には……)」
若林「………………」
さとり「あなたの力が必要です……若林源三君」

こいしの為に強くなると決めてから、再び浮かぶようになったさとりの不適な笑み。
その笑みを崩す事なくさとりは振り返りながらその口を開き……。
今日もまたランニングをし、川原を通りかかっていた全日本Jrユースのゴールキーパーに話しかけるのだった。

740 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 22:56:25 ID:???
若林「……昨日に比べれば、幾らかマシな顔つきになったな」
さとり「ええ、おかげさまで。 あなたも夕日を眺めていた時に比べれば、本当に強気になられましたね」
若林「ふん……それで、何の用だ。 俺の力が必要だと?」

あくまでも上から目線で、さとりを見下ろしながら口を開く若林。
一方でさとりも負けじと下から見上げつつ軽口を叩き……若林はそれを受けて鼻を鳴らして笑いつつ。
どうしてさとりがここにいるのか……どうして若林を待ち受けていたのか、と問いかける。
それを受けてさとりは無表情の中に小さな微笑を浮かべつつ、返答をする。

さとり「……若林君、あなたは一対一を追求したいとは思いませんか。 完璧にこなせるようになりたいと思いませんか」
若林「……また唐突だな。 だが、それはどんなキーパーでも思う事だろう。
   どんなキーパーだって、一対一の勝負を挑まれれば不利なのは明らかだ。
   だからこそ、敵は一対一を隙あらば狙ってくる。 その隙を、弱点を、消す事が出来るものなら消したいだろう」
さとり「そうですか。 ですが、私は一対一では誰にも負けない自信があります」
若林「何?」

そもそも一対一とはキーパー側にとって圧倒的に不利な勝負である。
だが、古明地さとりはその一対一を何よりも得意としていた。
それは彼女が覚り妖怪であり、敵の思惑、考え、選択を必ず読み取れるから。
相手がドリブルを選択するか、シュートを選択するか、必ず感知できるからである。

若林「インチキ臭い奴だ……」
さとり「ですがこれは私の固有能力、その能力をどのように使おうと私の勝手でしょう」
若林「(そのあたりの理論がよくわからんがな……この辺りは幻想郷とかいう場所と。
    俺達とでサッカーに対する認識がまるで違うって事か?)」
さとり「聞こえてますよ」
若林「……ちっ。 それで? 一体何の話だ? 単刀直入に言え」
さとり「では……若林君、私と共に合同練習をしませんか?」
若林「何?」

741 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 22:57:35 ID:???
微笑を浮かべながら、サッカーボールを取り出し前に翳すさとり。
思いがけぬ申し出に若林は面くらい、二の句を告げず押し黙るのだが……。
さとりはそれを見て尚も微笑を浮かべつつ、更に続ける。

さとり「私とあなたは……やはり似ているのです」
若林「………………」
さとり「あなたはPA外のシュートに対して絶対の自信を持ち。
    私はPA内のシュートを全てシャットアウトする自信があります」
若林「……PA内なら相手の心が読めるからコースもわかる、という事か」
さとり「そうです。 ですが、私は体格上パワーシュートに弱いのです」
若林「………………」
さとり「プレイスタイルはある意味対極ながら、その実、根本の部分で私達は似通っています。
    つまり、伸ばす方向も同じならば鍛えるものもほぼ同じ……。
    チームは違えど、境遇も殆ど似たようなものではありませんか?」
若林「…………」
さとり「地獄にいるからこそ……見える光もあります……」
若林「……一対一が、強くなれるんだな。 お前と練習をすれば……」
さとり「勿論です……なぜなら、私はオフェンスにおいてもあなたの取る行動を予期できるんですから。
    それを相手に一対一を繰り返せば、あなたの一対一の技術も高まるでしょう」
若林「………………」

さとりの言葉にYESともNOとも答えない若林。
しかし、さとりはその若林の心を読み……小さく笑みを浮かべながら、若林の手を取った。
現状の若林の全日本Jrユースの地位は、あまりにも低い場所にあった。
練習なども、日向や翼、三杉といったエース格の選手とは出来ず、文字通りロクな練習が出来ていない。
強くなると、這い上がると誓ったもののその手立てを探していた若林はさとりの誘いを断る事は出来なかったのである。

若林「言っておくが、馴れ合う気は無い」
さとり「当然です……私は、優勝を狙っているのですから。 敵と馴れ合うつもりはありませんよ」

憎まれ口を叩く若林に、にこりと笑みながら反撃を試みた。
若林源三と古明地さとり――地獄に落ちたゴールキーパーが、その地獄から這い上がろうと手を取り合った瞬間であった。

742 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 22:58:56 ID:???
そして、現在――あの日から更に1週間が経過したこの日、若林とさとりは共に練習をしていた。
ゴールキーパー同士で練習して本当に効果があるのか……。
まともな練習が出来るのかという不安は若林の心の中に若干ながらも存在したのだが……。
練習が始まってみれば、それも杞憂であったという事がすぐに判明をした。

さとり「想起――『地上の彗星』」
若林「くっ……!! うおおおっ!」

貧弱に見えたさとりは、若林の予期していた通りキック力は低かった。
だが、そのドリブルはフィールダーとしても十分通用するレベルのものであり。
若林が望んでいた一対一の練習は大いにはかどった。
そして、さとりの特性――相手のトラウマを引き起こすその能力を使った、想起技。
この想起技は若林が練習試合で受けたシュートを次々と模倣してみせ、それだけでも練習となったのである。

若林「(まったく、何故PA外のシュートの方がPA内で撃たれるよりも苦手なんだ……意味がわからん……)」
さとり「っ……たぁっ!!」

そして、さとりもまた若林の並のフィールダー以上のキック力に頼ったシュートを相手にセービングの練習を続けた。
毎日チームでの練習にも当然ながら参加し、その後、個人練習の時間になると同時に2人は予定が合えば会い続けた。
無論、さとりにはコーチとしての役割があった為に毎日とはいかなかったが……。
それでも2人は、出来うる限り会い続けた。それ程までに、2人だけでの秘密特訓は上手くいっていた。

若林「(もう少しで……何かが掴める筈だ。 一対一で誰にも負けない何かが……!)」
さとり「(凄い集中力……やはり、私の考えに狂いは無かった。
     彼の瞬間的な集中力を自分のものに出来れば……PA外からのシュートにも、隙は無くなる!)」

大会まで2週間を切った時点で、まだ明確な……目覚しい成果は出ていない。
だが、それも時間の問題だと……若林とさとりは確信をしていた。

743 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 23:00:10 ID:???
紫「……というお話だったとさ」
うどんげ「し、師匠はアルゼンチンに行ったんだぁ……。 ……アルゼンチンって、どこ?」
パルスィ「天才ですって……? 妬ましい……私以外のドリブラーが妬ましい……!!」
リグル「ハッハァー! 大丈夫大丈夫! どんな奴がいようが、エースの私がいれば!」

そして、視点を戻して反町達幻想郷Jrユース。
代表メンバーを決定し、キャプテンを決定し、外の世界へと移動を果たしたメンバー達は。
新たな施設へ到着するや否や、八雲紫からアルゼンチンJrユースの近況報告を受けていた。
永遠亭の至宝――八意永琳の派遣と、天才・ファン=ディアスの存在。
後者に関しては実際にそのプレイを見ていない為に周囲の反応は薄かったものの……。
永琳が派遣された国ならば油断は出来ないだろうと一同は考える。

反町「(他に派遣選手が発表されてない国は、イタリアとウルグアイ……か。
    そういえば、フランスはどうなってるんだろうなぁ……)」

古明地姉妹が行ったと聞いてからは、まるで話を聞かないフランス。
そのフランスが、徐々に力を付け始めているとは露知らず反町はそう思い……。
そうこうしている間に、紫はやるべきことは終わったと言わんばかりにスキマを開き帰って行く。

紫「大会まではあと2週間。 皆さま、くれぐれも幻想郷の名を辱めるような成績は残さないよう願いますわ」
リグル「ハッハァー! 大丈夫大丈夫! このエース(ry」
霊夢「っていうかあんたこのチームの監督やらないならコーチなりキーパーなりしなさいよ。
   早苗よりあんたの方が強いんだから」
早苗「なっ!? れ、霊夢さん! それは酷いです! その発言は絶対許早苗!!」
紫「外の世界ではくれぐれも空を飛んだり、無闇に危険な能力を使ったりしないように。
  それでは、また会いましょう」

にゅにゅっ

744 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 23:01:32 ID:???
いつも通りリグルが大言を吐き、霊夢がさらりとリアルな話をし、早苗が憤慨する中。
紫はそれらを華麗にスルーした後、姿を消す。
そして、それを見送った輝夜はコホンと咳払いをすると一同を見渡してから、その口を開いた。

輝夜「さっき八雲紫が言ったように、ここはもう外の世界だからね。
   幻想郷と同じ感覚で空飛んだりしないように。 あと、弾幕もぶっぱなさないようにね」
魔理沙「空を飛んだら駄目って……じゃあどうやって移動するんだよ? 歩くのか?」
早苗「バスとかを手配してくれてるんでしょう」
輝夜「ええ、そうよ」
メディスン「バス……?」
にとり「動く鉄の箱みたいなもんだよ! うわぁ、乗りたい乗りたい乗りたい分解したい!」
妖精1「分解は駄目よ河童……」
霊夢「不便ね、飛んじゃ駄目なんて……」
反町「いや、そもそも外の世界の人間は飛びませんから。 常識的に考えて……」

幻想郷と外の世界との間にはやはり常識の壁があり、輝夜や紫の言葉を聞いてもイマイチピンと来ていないものが多い。
それに対して反町、そして反町と同じく外の世界出身の早苗は若干の不安を覚えるのだが……。
輝夜は楽観的に、いずれ慣れてゆくだろうと考えつつ更に続ける。

輝夜「それじゃ、施設も変わったことでまた部屋割りを決めなおすわよ。 今度は4人部屋だから、4人組を作ってね」
反町「(4人組……とすると、3人誘ったらいいのか……どうしようかな?)」

輝夜が部屋割りを決めなおすと言うと、ざわついていた一同は更にざわめき出し。
誰と組もうか、と周囲を見回し始める。
当然ながらそれは反町も同様であり、どうしたものかと顎を撫でながら考えていたのだが……。

反町「(うーん……)」

※誘う相手を"3名"明記して投票して下さい。先に3票入った者で決定します。
 age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。
※コーチである「パチュリー」と「松岡」、監督の「輝夜」は選択出来ません。

745 :森崎名無しさん:2010/12/17(金) 23:03:30 ID:x2lOXvP2
リグル 霊夢 ヒューイ

746 :森崎名無しさん:2010/12/17(金) 23:03:38 ID:VdflWzyo
穣子 リグル 妹紅

747 :森崎名無しさん:2010/12/17(金) 23:04:39 ID:7KYTyPjU
リグル 早苗 ヒューイ

748 :森崎名無しさん:2010/12/17(金) 23:05:12 ID:562PZKOc
メディスン 妹紅 穣子

749 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 23:06:28 ID:???
現在リグルが3票で決定。
ヒューイ・穣子・妹紅が2票。霊夢・早苗・メディスンが1票ずつです。

750 :森崎名無しさん:2010/12/17(金) 23:07:11 ID:p1R3DXOc
早苗 穣子 リグル

751 :森崎名無しさん:2010/12/17(金) 23:10:54 ID:B9v53hAY
早苗

752 :森崎名無しさん:2010/12/17(金) 23:12:39 ID:???
反町と早苗が同部屋かwww

753 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 23:55:47 ID:???
>リグル、穣子、早苗
==================================================================
反町「リグル、一緒の部屋にしないか?」
リグル「ん? いいよ、でも今度はなるべく部屋にいるようにしてよね。
    折角同じ部屋なのに、反町ってば外に出てばっかりなんだもん」
反町「あ、あはは……まあ、善処するよ(そういえば、確かにあまり部屋にはいなかったっけ……。
   なんだか全日本時代の森崎を思い出すな……あいつも部屋出てばっかりだったっけ)」

つい先ほどまで宿泊していた施設の時と同様、リグルを同室のメンバーに選ぼうとした反町。
これにはリグルも当然のように二つ返事でOKをし。
反町はリグルの文句を聞いて乾いた笑い声を出しつつ、検討すると言う。

リグル「まあ反町もこれからはキャプテンなんだから忙しくなるかもしれないけどね。
    ……それで、他に誰誘うの?」
反町「ああ、それなら決めてある。 穣子、一緒の部屋にしないか?」
穣子「あ? ……あー……」
静葉「いいわよ、行ってらっしゃい」
穣子「ん……悪いわね。 OKよ、反町」

次に反町が誘ったのは、秋の神様の妹の方――秋穣子であった。
反町が誘うと、穣子は共に固まっていた静葉の顔を伺い眉を顰めるのだが……。
静葉が大丈夫だと告げると、薄く笑みを浮かべて反町の方まで歩み寄り、OKと親指を立てて返答する。

反町「誘っておいてなんだけど……静葉さんは大丈夫か?」
穣子「姉さんだって子供じゃないんだし、大丈夫よ。 妹紅とかもいるんだしね。
   それよかあんたを放っておく方が心配だわ」
反町「……子供扱いするなよ」
リグル「いやいや、反町は私から見れば子供だよ、うん」
反町「(……リグルに言われるのはなぁ。 そりゃ実年齢的に見れば子供かもしれないけど……)」

754 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 23:56:47 ID:???
見た目的にも精神的にも反町より子供っぽいリグルにまで子供だと言われ、少しばかりムッとする反町。
しかし、実際問題年齢的には反町はリグルや穣子に及ばず……。
子供扱いされてしまうのは仕方ない事なのかもしれないと思いながら、最後の同室メンバーを探し……声をかけた。

反町「早苗さん、同じ部屋にしませんか?」
早苗「ひゃっ!?」
穣子「(おお?)」
にとり「(ひゅ、ひゅい!?)」

なんと反町が最後に声をかけたメンバーは、同じキャプテン候補者である早苗であった。
これを見て周囲の者達は驚き、どうして同じキャプテン候補を同室メンバーに選ぶのか……と。
一斉に反町と早苗に視線を集中させるのだが……。
一方で早苗と穣子、そしてにとりの3人は反町の意図を汲みかね驚きに目を丸くする。

穣子「(こいつ、自分で言ってる意味わかってんのかしら? 早苗はあんたに(色々とぶっとんでたけど)告白したのよ?
    いや……そりゃまあ、私達はサッカーしに来てるんだから、んな色恋を度外視するのは当然なんだけど……)」
にとり「(それでも意識しちゃうでしょ、早苗は)」

かつて常識に囚われなかった頃の早苗が反町に告白をし、それを反町が断った事を知る穣子とにとり。
両者はその上でどうしてここで同室に誘うなど、無闇に意識させるような事をするのかと首を捻る。
ロマンスの神様でなく豊穣の神様である穣子と、恋愛よりも機械に夢中なにとりといえ。
ここで反町を好く早苗を同室に誘うというのは、色々と問題あるのではないかと考えたのである。

そして、早苗はといえばどうやって反応したものかと考えあぐねていた。
穣子やにとりはあずかり知らぬ所で、既に早苗と反町の思いは通じ合っており。
しかし、そのことは少なくともこの大会が終わるまでは公にしないでおこうと約束をしていたのである。
だというのにここでどうして自分を誘うのか……反町の真意を、測りかねていた。

早苗「(チームの話をしたい、とかなのでしょうか……で、でも同室なんて……こ、ここは……)」

755 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 23:58:05 ID:???
先着で「★で囲まれた部分を順に」コピペしてください、

★落ち着け早苗さん!→! card★

と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

JOKER→早苗「わかりました! つまり、私達がラブラブであるという事を今こそ知らしめる時なのですね!」 ぶっちゃけたー!?
ダイヤ・ハート→早苗「わ、わかりました。不束者ですがよろしくお願いします……」 了承しました。
スペード・クラブ→早苗「す、すみません。 私、他の人を誘う事にしていまして……」 お断りされました。
クラブA→早苗「は、は、はわーっ!!」 うどんげ「どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!」 鼻血を噴出して倒れました。

756 :森崎名無しさん:2010/12/17(金) 23:58:26 ID:???
★落ち着け早苗さん!→ クラブJ

757 :森崎名無しさん:2010/12/18(土) 00:01:22 ID:???
これは周囲の人が反町が早苗に嫌われたと勘違いするフラグですね

758 :森崎名無しさん:2010/12/18(土) 00:04:07 ID:???
まぁ仕方ないか
信仰の奪い合いをしてるのに、仮にも洩矢の現人神である早苗と付き合ってるなんて事がばれたら、秋姉妹からの心象も悪くなりそうだしな

759 :森崎名無しさん:2010/12/18(土) 00:08:12 ID:???
若林が強くなってもな…森崎がフィールダーとして出るわけじゃないだろうし

760 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/18(土) 00:14:19 ID:???
>★落ち着け早苗さん!→ クラブJ =早苗「す、すみません。 私、他の人を誘う事にしていまして……」 お断りされました。★
=================================================================================================
反町「あ……そ、そうですか。 すみません……」
早苗「い、いえいえ! こちらこそ折角誘っていただいたのに申し訳ありません!
   本当に申し訳ありません!」

本心から言えば反町と同室になることは早苗としても望みであったのだが……。
しかし、やはりここで同室になっては色々と我慢が出来ないだろうという理性が働き。
また、キャプテンに返り咲く為にも同室メンバーを自身の派閥のメンバーで固める事を考え断りを入れる。
反町への思いを強引に押し込め、自身の果たすべき役目を遂行しなければと判断出来た点は、大きく評価が出来るものだろう。

リグル「(……反町ってば、私達にパス出さないでミドル撃ったのにどうしてあいつ誘ったんだろ。
     まあ、断られたから良かったけどさ)」
穣子「(……ま、そりゃ早苗は断るわよね。 しっかし危ない危ない。 常識すっ飛んだらどうしようかと思ったわ)」
にとり「(ひゅいぃ、恐ろしいねぇ。 恐ろしいねぇ)」

そして、今日の紅白戦で少しばかり早苗の判断を疑問視し、嫌っているリグルは反町の選択に首をかしげ。
穣子とにとりは、まあ、早苗が断るのは妥当だろうなと思いつつ……にとりは再び妖精1を引きつれ辺りを回り。
穣子は小さくため息を吐いた後、反町に問いかける。

穣子「ま、断られたのはしゃあないし……他の奴誘いましょ、反町」
反町「あ、ああ、そうだな(どうして断られたんだろう……いや、それより今は誰を誘うか考えないと。
   早くしないとどんどん組み合わせが決まっていっちゃうぞ。 ここは……)」

※誘う相手を"1名"明記して投票して下さい。先に3票入った者で決定します。
 age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。
※コーチである「パチュリー」と「松岡」、監督の「輝夜」は選択出来ません。
※既に「リグル」と「穣子」は決定済み。「早苗」は断られた為、選べません。

761 :森崎名無しさん:2010/12/18(土) 00:15:51 ID:cLahZi+6
メディスン 
はぶられ人形

762 :森崎名無しさん:2010/12/18(土) 00:16:26 ID:ANJICjy2
霊夢

763 :森崎名無しさん:2010/12/18(土) 00:19:55 ID:pSyHNssA
妹紅

764 :森崎名無しさん:2010/12/18(土) 00:20:27 ID:gn66K7r6
妹紅

765 :森崎名無しさん:2010/12/18(土) 00:32:05 ID:UEcmrEYA
メディスン

766 :森崎名無しさん:2010/12/18(土) 00:47:56 ID:AxrVQtdI
妹紅

767 :森崎名無しさん:2010/12/18(土) 00:50:21 ID:???
もこたん反町部屋にインしたお!

768 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/18(土) 00:51:23 ID:???
最後のメンバーが妹紅に決定した所で、本日はひとまずここまで。
続きは明日以降書かせていただきます。それでは、お疲れ様でしたー。

769 :森崎名無しさん:2010/12/18(土) 00:57:44 ID:???
乙でしたー

770 :森崎名無しさん:2010/12/18(土) 01:11:41 ID:???
バヤシさんは、全力で森崎がセービングしてガッツ切れてから交代出場してくる可能性があるね

771 :森崎名無しさん:2010/12/18(土) 01:12:43 ID:???
結局第2GKか、まあ競争相手が悪すぎるよね…

772 :森崎名無しさん:2010/12/18(土) 02:42:58 ID:???
もこたん持ってきたら静葉姉さんソロユニットになるじゃないか乙でした

773 :森崎名無しさん:2010/12/18(土) 03:02:04 ID:???
静葉さんがぼっちだと…

774 :森崎名無しさん:2010/12/18(土) 21:51:06 ID:???
バヤシさんイベントではかっこいいけど試合では…w

775 :森崎名無しさん:2010/12/18(土) 22:56:50 ID:???
バヤシさんのアイデンティティに文句言うのは止めて頂きたいww

776 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/19(日) 00:11:12 ID:???
>妹紅
==============================================================
反町「じゃあ……妹紅さんはどうだ? 2人とも」
リグル「火は怖いけど……そんな無闇に部屋の中で火も使わないだろうし、いいよ」
穣子「私もかまわないわよ」
反町「よし……妹紅さん、同じ部屋にしませんか?」
妹紅「あっ、反町! うんうん、するする!」

かつて友情を誓い合った妹紅を誘おうとする反町に、リグルと穣子は別に構わないと返答。
その言葉を聞くや否や、すぐさま反町は妹紅を同室に誘い……。
妹紅はその誘いにホイホイ二つ返事で了承の意を伝える。

妹紅「楽しい合宿になるといいね!」
反町「そうですね(……しかし、本当に最初に会った時と印象が180度変わったなぁ)」
リグル「(熱いぃ……近づきたいぃ……)」
穣子「リグル、待ちなさい! 飛んで火に入るのはまずいわ!」

虫的な意味で、熱血な妹紅にふらふらと虚ろな目をして近づこうとするリグルを抑えつつ。
こうして反町達は4人1組となり、松岡から鍵を貰いまずは部屋に荷物を置きに行く事となる。
そして、反町が同室メンバーを見つけている頃、同じようにその他の面々も次第に組み合わせが出来始めていた。

お空「うにゅう……お燐……」
早苗「お空さん、お燐さんのことは残念ですけど……ここは気を取り直して合宿を頑張りましょう」
お空「うにゅ……うん……。 ところで巫女さん、誰と同じ部屋にするの?」
早苗「ええ、実は見当はつけています。 静葉さん、キスメさん、同じ部屋にしませんか?」
静葉「あら……良かったわ。 穣子も妹紅もいないから、どうしようかと思っていた所なの」
キスメ「………………」←ちょっと困った顔をしつつ、ヤマメを見てる
ヤマメ「いっといでよ。 別に部屋が違うからって会えないって訳じゃないんだしね」
パルスィ「パルパルパル……!! ね、妬ましい! キスメと私達を引き裂こうなんて……むがむが」
ヤマメ「はいはい、妬ましい妬ましい」

777 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/19(日) 00:12:26 ID:???
反町の誘いを断った早苗は、ひとまず自身を支持してくれているお空とキスメを同室へと誘い。
更には妹紅と穣子を反町に取られ、少しばかり居心地悪そうにしていた静葉を誘う事に成功する。
その際、キスメを取られたとあってパルスィはいつも通りパルパル嫉妬をしたのだが……。
ヤマメは手馴れた様子でそんなパルスィを塞き止め、キスメを快く送り出すのだった。

にとり「んー、魔理沙、あと1人誰にしようか?」
魔理沙「誰でもいいぜ。 お前らが好きに選べ」
妖精1「……じゃあ、ヒューイを誘ってあげていい?」
魔理沙「いいぜ? あのやたらいい動きするボランチ妖精だろ?」
妖精1「うん……ヒューイ、同じ部屋にしない?」
ヒューイ「あー、妖精1ー。 んー……うん、同じ部屋にしよーしよー」

前回の施設では反町達と同じ部屋だった為に心配は無かったものの……。
しかし、今回は反町に誘われなかった為に、うろうろと周囲を右往左往していたヒューイ。
その姿を見かねた妖精1はヒューイを不憫に思い……まだ少しだけヒューイに壁を作りつつも。
それでも、このままにはしておけないと判断しヒューイを誘う。
これに対してヒューイはあまり好感を抱かない魔理沙と同じ部屋なのはどうかと一瞬眉を顰めるのだが……。
妖精1やにとりがいるのならば大丈夫だろうと判断し、妖精1の誘いに乗るのだった。

ヒューイ「(白黒は人間よりも弱いっぽいんだよなぁ……人間が強すぎるんだろうけど……)」
妖精1「(人間……私達は河童とかと違って殆どが知らない奴らばっかりなんだから気を使ってあげてよ……。
     河童はそこら辺ちゃんとわかって、私と一緒にいてくれるのに……)」

松岡から鍵を貰う魔理沙を見ながらため息を吐くヒューイに、部屋へと向かう反町の背中を憂いを含んだ目で見つめる妖精1。
別段師匠に誘われなくても落ち込まないヒューイと、師匠という存在を特別視する妖精1の間には。
やはり少しばかり溝と、見解の違いというものがあるのだった。

※妖精1の反町に対する評価が−1されました。

778 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/19(日) 00:13:29 ID:???
こうしてぼちぼちとグループが出来始め、それぞれ部屋に荷物を置き終わると……。
一同は再び輝夜にミーティングルームに集められ、外の世界での諸注意などを受ける。
概ね、その内容というのは先ほど紫が言っていたような「空を飛ばない」「弾幕を撃たない」といったものであり。
それに対して幻想郷出身者達は、どうやって移動すればいいのか、何をして遊べばいいのかと質問を次々とする。

反町「(改めて……外の世界と幻想郷は本当に色々違う、というか違いすぎるなぁ……。
    みんなも、この環境に早く慣れてくれるといいんだけど……)」
にとり「空は飛ばないから早くバス乗せて! っていうか分解させてぇ!!」
妖精1「河童……機械が沢山見れそうでテンション上がるのはわかるけど、落ち着いて……」

結局、午後の時間は一同に外の世界での過ごし方を教える時間につぎ込まれ。
練習時間は取れないまま日は暮れ、反町達は食事を取って入浴をすると。
新天地、最初の夜を自室でのんびりとくつろぎなら過ごし始める。

リグル「今日の晩御飯は結構美味しかったね。 あんな料理初めてだよ」
反町「まあ、フランスだしなぁ……」
穣子「レシピとか貰えないかしらね? 基本的に和食しか作れないからなぁ、私」
妹紅「このテレビっていうの面白いね、ちっちゃい箱の中にちっちゃいおっさんがいるよ!」

それぞれ思い思いに過ごす中、反町は一同と雑談をしながらさて今日はどうしようかと考える。

反町「(残すところ、合宿もあと3週間か。 来週は紅白戦じゃなくて練習試合をするらしいし……。
    いよいよ、合宿が本格化するんだろうな。
    さて、どうしよう? このまま部屋にいるか……いるとしても、話を振るか誰かが話題を出すのを待つか。
    それとも部屋を出てどこかに行くか……うーん、外の世界、初めての夜はどうやって過ごそう?)」

779 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/19(日) 00:14:37 ID:???
A.同室のメンバーに話を振ってみる
B.部屋でじっとしている
C.施設の中を歩き回ってみる
D.他の部屋に遊びに行く
E.個人練習をする

先に3票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。


101号室 輝夜
102号室 松岡
103号室 パチュリー
104号室 反町、リグル、穣子、妹紅
105号室 レティ、チルノ、大妖精、メディスン
106号室 早苗、お空、静葉、キスメ
107号室 パルスィ、ヤマメ、うどんげ、てゐ
108号室 霊夢、咲夜、美鈴、妖夢
109号室 魔理沙、にとり、妖精1、ヒューイ

*部屋割りが上記のように決定しました。

780 :森崎名無しさん:2010/12/19(日) 00:15:28 ID:41cQOMqE
A
なるべく部屋にいた方が良いみたいだし

781 :森崎名無しさん:2010/12/19(日) 00:15:38 ID:UgiIvOdQ
A 107号室の組み合わせがw

782 :森崎名無しさん:2010/12/19(日) 00:18:55 ID:u8u+G5wg

出歩かないように言われてすぐに出るのはまずいか

783 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/19(日) 00:22:11 ID:???
>A.同室のメンバーに話を振ってみる
==============================================================
反町「(そうだな……ここは部屋で、皆と話でもしてみようか。
    でも、何を話そう。 それが問題だ)」

誰かが話題を振るのを待つのではなく、自分から話を切り出そうとする反町。
そして、反町が選んだ話題とは――。

A.リグルの話(更に分岐)
B.穣子の話(更に分岐)
C.妹紅の話(更に分岐)
D.反町の話(更に分岐)
E.今日の紅白戦について
F.来週の練習試合について
G.チーム内の情勢について
H.他国のチームについて
I.その他 自由投票枠

先に3票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

784 :森崎名無しさん:2010/12/19(日) 00:23:47 ID:UgiIvOdQ


785 :森崎名無しさん:2010/12/19(日) 00:28:33 ID:???
I.三人でサッカーしようぜ

786 :森崎名無しさん:2010/12/19(日) 00:29:05 ID:???
そこは4人にしとけよw

787 :森崎名無しさん:2010/12/19(日) 00:29:40 ID:2Emkq+pQ
間違えた…仲間外れ作ってどうする…
I.四人でサッカーしようぜ

788 :森崎名無しさん:2010/12/19(日) 00:30:18 ID:OneR4/k6
E

789 :森崎名無しさん:2010/12/19(日) 00:32:56 ID:jTDW4/xs

反省会

790 :森崎名無しさん:2010/12/19(日) 00:38:57 ID:41cQOMqE
E

791 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/19(日) 01:18:21 ID:???
>E.今日の紅白戦について
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反町「(そうだな……やっぱり今日の試合で皆も思う所はあっただろうし、紅白戦について話をしよう。
    鉄は熱い内に打てとも言うし、早めに反省点を見つけて明日からの練習に役立たせないとな)」

今日の紅白戦を、改めて振り返ってみようと考えた反町は物珍しげにテレビを見ている妹紅。
ベッドに突っ伏し、疲れを取っていた穣子とリグルを揺すり起こすと、今日の紅白戦の反省会をしようと言う。
根本的に熱血漢である妹紅は一も二も無く了承し、テレビのスイッチを消しつつ反町の近くへと歩み寄り。
また、自称エースであるリグルはエースの自分がいなければ話も何も出来ないだろうとため息を吐き。
仕方ないなといった様子で話を聞く体勢を作る。
そして、穣子はといえばやはり未だ焦りがあるのか跳ね起きるのだった。

リグル「ふっふっふ、まあ結局のところはこの私と反町のダブルエースで1点を取って私達が勝ったんだけどね。
    やっぱり私達最高や! 白黒なんて最初からいらんかったんや!!」
穣子「つっても、1−0のロースコアゲームなんだからあんたらFWは喜べるような内容じゃないでしょ。
   その1点だって、上手い事相手を霍乱出来たから取れたようなもんだったし」
リグル「うっ……」
妹紅「私としては、やっぱり美鈴のクリアーの上手さが気になったかなぁ。
   間近で見たけど、あれ、私よりもずっとずっと上手いよ。
   反町のヘディングだって弾いちゃうんじゃないかな?」
反町「……確かに、美鈴さんのあのクリアーは一流……いえ、一流以上でしたね」
穣子「……チームが強くなるのはいい事なんだけど、DFとしては複雑よねぇ。
   十六夜咲夜がDFにコンバートするかもしれない以上、ただでさえ競争率高いのに」
リグル「っていうかあのメイドとヒューイがいれば、ドリブル相手に怖いものなしでしょ。
    あの2人がいれば、あの橋姫だって紅白だって止められるよ」
穣子「(私も一応橋姫止めたんだけど……ありゃあ、橋姫が調子悪かったのもあったからねぇ……)」
反町「(話せばやっぱり色々と問題が出てくるもんだな……)」
リグル「反町的にはどうだったの、今日の試合は?」
反町「ん? そ、そうだな……」

792 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/19(日) 01:20:00 ID:???
A.「FWとして、4本撃って1本しか決まらないってのは情けなかったな」 自身の不甲斐なさを語る
B.「やっぱりリグルが一番コンビを組みやすいな」 リグルのツートップが一番やりやすいと言う
C.「……リグル、お前なんであんなにドリブルゴール狙うんだ」 リグルの無謀な挑戦を指摘する
D.「今度は俺がリグルに対してアシストをつけたいな」 今度は自分がリグルをアシストしたいと言う
E.「霊夢さんたちのワンツーを止めた穣子のファインプレーが印象的だな」 穣子の最大の長所を褒める
F.「穣子達のオータムスカイハリケーンはやはり大きな武器になるな」 オータムスカイハリケーンの重要性を語る
G.「妹紅さんはもっと積極的に上がっても良かったんじゃ?」 妹紅の攻撃参加を促す
H.「戦った感想として……昔ほど、妹紅さんが怖くなかったなぁ」 妹紅の力不足を指摘する
I.「霊夢さんと魔理沙さんが思ってた程大した事なかったな」 幻想郷最強プレイヤー(笑)と言ってみる
J.「反省など無い。 俺の今日のプレイは100点満点だ」 自画自賛である
K.その他 自由投票枠

先に3票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。




短いですが本日はひとまずここまで。
現在、練習試合の相手のデータを見直したりしている最中であります。
弱すぎては試合の意味が無いし、強すぎると大会で当たるメンバーが霞む……難しいですねぇ。
それでは、お疲れ様でしたー。

793 :森崎名無しさん:2010/12/19(日) 01:25:51 ID:UgiIvOdQ
F 土台役増やせば実戦でも使えそうなんだがなぁ…

794 :森崎名無しさん:2010/12/19(日) 01:28:23 ID:eyR/O8/c
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