キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【最終兵器】Another-C_6【ファンタジスタ】

1 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/06/30(木) 18:58:45 ID:RUhxsKO+


この物語はフィクションです。
史実や実在の人物を連想する場面があるとしても、物語とは関係がありません。
風土、名称については文献を参考としていますが、想像のウェイトも大きく、事実と異なります。


そして……この物語はキャプテン森崎のフィクションであり…
  とある貴公子と仲間達の サッカーに賭けた青春を描いたストーリーです。





…恋愛は二の次に皆サッカーに命を削って頑張ります。(何かに誓う)




879 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/12(金) 12:01:08 ID:???

息を巻いて狙いを定める三者。

“しかしマルコ・クオーレの創造するファンタジーは、その全ての上を行っていた。”



――――静寂――


会場全体が静まりかえっていた。
フィールドの選手も、ベンチの監督も、観客達も――――
クオーレ以外の10万人(−2人)が唖然とした。

誰かがポツリと呟く――――


観客「歩いてる?」


それはほんの一瞬…ほんの数秒の出来事だった。
フィオレンティーナの守備陣が密集する中、その行為は『ボールをとってくれ』と言わんばかりであった。
しかしクオーレは、まるで横断歩道を渡るかのように悠然と歩を進め……
クオーレの一挙手一投足に集中していたフィオレンティーナ選手は一歩も動けなかった。
…まるで時を止められてしまったかのように。


880 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/12(金) 12:02:10 ID:???

マルコ「(ハッ!)・・・と、止めないと! このままゴールまで歩かせるつもり!?」 ダッ

クオーレ(……) サッ

いち早く現状を理解し動きだしたのはマルコ・オジオであった。
クオーレのドリブルの確かな対抗策を持っている筈の彼が、そのメソッドから外れた先の先で動く。
他の選手が硬直している以上、これは仕方のない選択だったが、これは当然抜かれるだけだった。
いや…それだけではなく、クオーレの抜き身のようなワンダッシュで全員が置いてぼりにされていた。

バンビーノ「なっ…!!!」
中山「何をやってるんだ俺はぁっ!!!」

ようやく目が覚めたかのように叫ぶ両者。
彼らは抜かれたという“結果”は理解しても、その“過程”はいまだ理解出来ていない。
ただただ己への怒号と驚愕を口にするだけだった。

クオーレ(あと一人…)

5人を抜いたクオーレはGKのラムカーネに照準を合わせた。
すでにシステムが限界を迎え、その集中力全てを殺意を抑える事だけに向けているラムカーネに。


881 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/12(金) 12:03:54 ID:???

先着3名様(順番通りじゃない書き込みは無効)で
 ★クオーレの判断 → ! card (ダイヤ・ハート→ドリブル/スペード・クラブ→シュート)
  ラムカーネの判断 → ! card (ダイヤ・ハート→対ドリブル/スペード・クラブ→対シュート)★
 ★クオーレ ドリブル/フォーリャ・セッカ(! card)71/72 +(! dice + ! dice)+(軽傷-1)=★
 ★ラムカーネ 対ドリブル/対シュート(! card)71/71 +(! dice + ! dice)+(システム-10)=★
と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスで分岐します。

【1対1攻撃】−【1対1守備】
≧2 → クオーレが土壇場の追加点を決めた!
=1〜-1→左から順に(タルデリがねじ込み、ラインを割ってCK、ミュラーがクリア)
≦-2→ ラムカーネがボールを押さえた!

【基本ルール以外の補正・補足・備考】
クオーレのマークがダイヤで「ディアボロ(+5)」が発動。(※バイタルエリア以上限定)
クオーレはスキル・ファンタジスタを所持。
 カードがAの場合はダイス合計が14、2D6が2or3の場合は12となる。
守備側が読み違えるとペナ−2。
ドリブルで抜いてもポストになるのは以前と同じです。


882 :森崎名無しさん:2011/08/12(金) 12:04:19 ID:???
 ★クオーレの判断 → クラブ3 (ダイヤ・ハート→ドリブル/スペード・クラブ→シュート)
  ラムカーネの判断 → クラブ4 (ダイヤ・ハート→対ドリブル/スペード・クラブ→対シュート)★

883 :森崎名無しさん:2011/08/12(金) 12:17:40 ID:???
 ★クオーレ ドリブル/フォーリャ・セッカ( ハートK )71/72 +( 33 )+(軽傷-1)=★


884 :森崎名無しさん:2011/08/12(金) 12:22:33 ID:???
 ★ラムカーネ 対ドリブル/対シュート( クラブK )71/71 +( 52 )+(システム-10)=★
マモノよ…力を…!

885 :884:2011/08/12(金) 12:46:04 ID:???
ポストが旧ルールであったならー!

886 :森崎名無しさん:2011/08/12(金) 12:51:38 ID:???
頑張った数字なのが切ない。

887 :森崎名無しさん:2011/08/12(金) 15:03:38 ID:???
次の攻撃ミスったら勝利がありえなくなってしまった
ここまできたら全員攻撃も視野に入れないと……か
もっともシンプルな攻めがバンビを走らせての補正付きキャリバーであるが

888 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/12(金) 17:15:36 ID:???

> クオーレの判断 → クラブ3 (クラブ→シュート)
> ラムカーネの判断 → クラブ4 (クラブ→対シュート)

 クオーレ フォーリャ・セッカ( ハートK )72 +( 3 + 3 )+(軽傷-1)=77
 ラムカーネ 対シュート( クラブK )71 +( 5 + 2 )+(システム-10)=68

【1対1攻撃】−【1対1守備】≧2 → クオーレが土壇場の追加点を決めた!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

             (・・殺・・・・す・・・)

ラムカーネ(黙れZERO…!!)

システムが推奨する行動に拒否し続けるラムカーネの精神は、既に憔悴しきっていた。
動き出しも反応も、前半のそれに比べてたっぷり2秒は遅くなっている。
しかし彼は、そんな状態でもゴールを守るという任務を投げ捨てはしなかった。
そしてその最適行動の選択にもブレは全くなかった。

ラムカーネ(グッ…敵は………)

丁度、ダラピッコラから数えて5人を抜き去った少年が、PAへと侵入して来ていた。
ドリブルで来るか、シュートで来るか…GKは2者択一を迫られる場面である。


889 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/12(金) 17:17:45 ID:???

ラムカーネ(対象のスパイクには特徴的な疲労劣化が観察される…
       ドリブル、パスでは使われる事の無い部位、到る事の無いダメージ量…)

この時点で彼はクオーレにドリブル以外の引き出しがあると判断している。
また劣化の状態からは、そのプレイがシュートである事を…
疲労している部位からは、そのシュートがどのような特徴を持つかをそれぞれ推察していた。

ラムカーネ(ジョアンに与えられたデータベースに、この部位で撃たれるシュートが一件該当する…)

白く靄がかかって見える視界をガッと見開き、相手の姿を再び捕捉した。
今まさにクオーレのドリブルフォームが違う物に変化しようとしていた。

クオーレ(このボールは皆の気持ちが込められてる… だから!)


ガシュウッ!

脚は決して高く振り上げられていなかった。
そして振り切る様も、叩きつける物ではなく…押し出すような、さり気ないシュートであった。
ラムカーネは軌道を予測して飛び付くが、その身体は言い様もなく重かった。


890 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/12(金) 17:19:20 ID:???

ガタッ

パルマ監督・トルシアがベンチから立ち上がる。
この次の瞬間、誰よりも早くこのファンタジスタを称賛するために。

トルシア(神が愛でし、神が与えた才能を……その双眸に焼き付けろ、フィオレンティーナ。)


シュウゥゥゥゥ…
               スッ…
ラムカーネ「(目標捕捉………) ……ここだ!」

予測していた通りに突然揺れるように落ちたボール…これを狙ってラムカーネは手を伸ばす。
だかしかし、残酷なボールはその手の5センチ外を悠然と通り抜けていった。

ファサ…


トルシア「これがパルマの…いやイタリアの至宝、マルコ・クオーレだ!」


891 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/12(金) 17:20:47 ID:???

ゴールネットにボールが突き刺さる様に、三杉達の目は釘付けられた。
そして5人抜きを成し遂げ、1対1でゴールを決めたこの小さな巨人にも。

両腕を開いて拳を握り、十字に立っているその姿はまるで聖人のように人々の目に映っていた。



ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!


フィオレンティーナ  1−2  パルマ

=============================================
前半LT    ブンナーク マルコ→センタリング→ブンナークキャリバー (通算8得点)
後半8分    シニョーリ ドリブル→アクセルスピンシュート (通算16得点)
後半33分   クオーレ ドリブル→フォーリャ・セッカ (通算2得点)


892 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/12(金) 17:23:12 ID:???

【鵜呑みにしちゃいけない豆知識・枯れ葉シュート(フォーリャ・セッカ)】

球状のボールが空気中を飛ぶ場合、揚力の他に空気抵抗による抗力と重力が働く。
この空気抵抗は速度に比例して大きくなるが、一定の速度で急激に抵抗が下がり、
その後また反転して大きくなるという特徴的な傾向を持っている。
空気抵抗が急激に変化する一定の速度(臨界速度)と言うが、
当時のサッカーボールの径と密度ならば72〜90km/hのレンジがこれに該当した。
この急激な変化のことを『ドラッグクライシス』と呼び、ボールは撃った本人も予測出来ない
不規則な軌道変化となって顕在する・・・。

枯れ葉シュート(フォーリャ・セッカ)は、このドラッグクライシスを利用する為に
ボールに対して“回転を与えず”、“一定の速度”で打ち出すシュートであった。

現代では無回転シュートとして認知を得、使える選手も増加傾向にある。
しかしながら、当時と今ではボールの質もスパイクの質も雲泥の差があった。
具体的にはボールは真球でなく、スパイクも硬い皮が使われボールコントロールが困難であった。
そんな時代から同種のシュートを使っていたジジ、ネッツァーらの技術の高さは推して知られるべきだろう。


893 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/12(金) 17:24:39 ID:???

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

実況「ききき、決まったあぁぁぁぁ!!! 後半の32分、この土壇場でパルマが追加点!
    これが決勝のゴールになってしまうのでしょうか…!? そして恐るべきはマルコ・クオーレ!
    押せ押せの流れにあったフィオレンティーナを、たった一人で切って捨てました!」

観客「うぎゃあぁぁぁい!!」「信じらねーーーっ!!」「何なんだよ!何なんだよ一体!?」
   「マルコォォォォ!」「お前こそイタリアの恋人だぜぇっ!!!!」「魔理沙教に入信します!」


賀茂「すっ……げえな…」

片桐「これがファンタジスタの力という訳でしょうね…」

賀茂「ああ、だが日本にも大空翼が居る。 いずれ同じ風景が見られるぜ、味方としてな…」

片桐「フフ、勿論です。」

もはや会場は騒然となっていた。 パルマのサポーター、そして地元ミラノのサッカー通はお祭り騒ぎだ。
クオーレの生み出したこの3分強…観客はまるで夢を観ているようであった。
そしてそれは将来のイタリア代表に見出す夢と同軸にあり、それが更に彼らを喜ばせていた。
同様に“大空翼”という突出した個に望みを賭けている日本サッカー協会の2人も、
この光景のマルコ・クオーレを大空翼の姿に置換し、甘美な夢を見ていたのは言うまでもない。


894 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/12(金) 17:26:00 ID:???

フェラーリ「マルコーーー!!!」
ファビオ「何でお前はそんなにスゲーんだよ!」

パルマのチームメイト達は、値千金の逆転ゴールを決めたクオーレに飛びついて揉みくちゃにする。
クオーレも恥ずかしそうに照れ笑いしながら、それを受け入れていた。
後半の終盤に『ミラクル』の名の由縁を見せつけたパルマ…その歓喜の渦中はマルコ・クオーレであった。


ディアス「今のは…枯れ葉シュート(フォーリャ・セッカ)か…?」

バティン「ディアス…?」

ディアス「へへ、面白えじゃん! なあバティン、あいつWトーナメントには出てくるのか?」

バティン「むむ…年齢的にはないだろうが、正直わからんな……これ程の器を見せられては。」

ディアス「へっ、なに不安そうな顔してんだよ! アルゼンチンにはオレが居るんだぞ?」

バティン「な……!(こいつ…やっぱり)」

ディアス「それに今度はお前もいる、カージャレもいる。
      …負けないぜ、アルゼンチンは…違うかよ?」

バティン「ディアス………。(チッ、仕方ねーな……)ああ、違わねー。」

邪気なく言ってくるディアスに、バティンもとうとう調子を合わせ出した。
彼も薄々は気付いていた…もうディアスが自分一人が居れば良いなどと思っていないと。
ただのセルフィッシュな天才から一歩先に進んでいるのだと。


895 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/12(金) 17:27:12 ID:???

一方、茫然自失となっているフィオレンティーナのメンツ。
特にクオーレのディアボロを目の前にし、動けなくなった3人の様子は痛々しかった。
地に膝をつき、いまだにゴールに転がっているボールを虚ろに見ていた。

中山(一歩も動けなかった…。 なんであんな事が出来る…?)

バンビーノ(意表を突かれたとしか…言い様がない。)

マルコ(敵陣のど真ん中で囲まれて……歩くなんて有り得ない。)

その3人を目に、三杉も隠せない程に受けた衝撃を持て余していた。
身体は重さを感じ、言葉も何を発するべきか判らない…
あまりの衝撃に、脳が思考を拒否しようとしているのだ。
目の前で起こった現実を認められず、次に進むステップに入れないでいたのだ。

三杉(このままじゃダメだ! 皆を立ち直らせて、もう一度攻めないと…
    何か…何か言わなきゃ……そう思っているというのに…何故!)


ザッザッ…

その時サイドラインの方から、三杉の耳にとある音が入って来ていた。
それは、芝を踏みしめるように歩く足音だった。


896 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/12(金) 17:28:33 ID:???

首を動かすのも億劫となってしまっている中、三杉の本心は懸命に身体を動かした。
霧がかかったような視界を懸命に晴らそうと、目を見開かせた。
そこには…

三杉「あ……」

でっぷりと太った大きな身体… 真っ白な頭髪… メガネ…
そしてこれまでの苦悩と喜び全てが刻まれたかのような深い皺…

三杉「アンザーニ監督………」

どう見たって見間違えようがない。
三杉が心から信頼し、多くを教示してくれた監督の姿だった。
何か言わなければ、と三杉が考えるより早く、アンザーニはニコッと笑みを浮かべ…
そしてこの言葉を口にした。

アンザーニ「諦めたら…そこで試合終了だよ。」

三杉「!」


897 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/12(金) 17:30:11 ID:???

この言葉を聞いた瞬間、三杉は稲妻に撃たれたような気がした。
直後にクリアになる思考…再起動される戦意…その目に再び闘志の炎が宿った瞬間だった。
そして三杉は仲間の方を振り返り、思わず大声でこう叫んでいた。

三杉「みんな…!」


A 諦めよう!
B 勝てるぞ!
C もうダメだぁ、おしまいだぁ・・・
D 一秒間に 10回の呼吸ができるようになれ!!
E そんな事よりバスケしようぜっ!
F そ の 他(センスの無いスレ主に代わって格好良いセリフを募集だぜ!)

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)


※本日はここまでです、短くてすみません。

898 :森崎名無しさん:2011/08/12(金) 17:47:16 ID:7yWOGrUs

「……まだだ。まだ試合は終わっていない!
僕達が倒したチームの思いは、
フィオレンティーナ優勝への誓いは!
ここで投げ捨てるものでは絶対にない!!
皆、この試合、勝つぞ! FORZA FIORENTINA!!」

899 :森崎名無しさん:2011/08/12(金) 18:05:08 ID:???
A-Eのやっつけ加減ときたらw

900 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/12(金) 18:10:35 ID:???
>>898
こうなったら898がアナカンのスレ主がアドバイザーになるべき!

>>899
全力の土下座を食らえ!(o_ _)o

901 :森崎名無しさん:2011/08/12(金) 18:16:36 ID:sFQjw5TM
E

902 :森崎名無しさん:2011/08/12(金) 18:17:08 ID:A3xfBY0I


903 :森崎名無しさん:2011/08/12(金) 18:30:35 ID:Nx8vQGMc
F
>>898

Eになったら大変なので入れときます。

904 :898:2011/08/12(金) 18:52:44 ID:???
>>900
あそこまで緻密な試合・戦術描写は出来ないので
謹んで辞退させていただきます<(_ _)>



取りあえずは試行ならぬ思考錯誤を重ねて、脳みそを振り絞って自由意見を出すだけです

905 :森崎名無しさん:2011/08/12(金) 19:37:37 ID:???
安西先生はほんと偉大やなぁ

906 :森崎名無しさん:2011/08/12(金) 20:41:09 ID:???
ファンタジスタの夢をみた観客達は
今度はフィオレンティーナというチームを知ることになる…
とフラグを立てる。
ここから逆転したら伝説やで

907 :森崎名無しさん:2011/08/12(金) 23:12:34 ID:???
ラ・オツデシター

908 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/13(土) 20:22:59 ID:???

>>903
お気づかい感謝ですw
でもEになってもNBA目指して『オレ達の闘いはここからだ』とかなってたくらいです

>>904
残念残念w
けれどハッとするような自由選択をありがとうございます。
これからも宜しくお願い致しします。

>>905
おっと安西先生くん、若者の心をビッグハンドキャッチ!

>>906
おお、これは燃えるモノローグ。
ぜひそんな結果にしたいですね。

>>907
ララララ・サムバディオツカンシャー

909 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/13(土) 20:25:55 ID:???

F>>898
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉「……まだだ。 まだ試合は終わっていない!」

三杉の『諦めてたまるか…!』という気持ちの爆発だった。
しかし一方で、冷えた頭では冷静な計算も復活している。
自分一人がそう思って抗ったところで多寡が知れていると判っているのだ。
逆転する為には、項垂れている仲間達の協力が必要不可欠…
ならばこそ…今この時、全員の勝利への意志を一つに紡がなければならなかった。

三杉「僕達が倒したチームの思いは…フィオレンティーナ優勝への誓いは!
    ここで投げ捨てるものでは絶対にない!!」

ここまで言うと、仲間達はピクッと反応を示した。
彼らの中での勝ちたい理由、勝たなければならない理由…
各人それぞれのの琴線に触れる言葉であった。


ブンナーク「オレ達が倒したチームの思い…」

マルコ(そうだ…ボク達はフィッツウォルタを倒したんだ。)
ダラピッコラ(ミゲルに勝っといて恥ずかしい所は見せらんねぇよな…)
バンビーノ(ジノ…… ジェンティーレ…… ランピオン……
       ああ、確かに簡単に諦めていい筈がないな。)

910 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/13(土) 20:27:53 ID:???

中山「フィオレンティーナ優勝への誓い…」

新田(ああ、オレはこのチームで勝ちたい! 恩返しをしていきたい!)
ミュラー(そうでした、今こそゲルマン魂を見せる時…)
スペルマン(誓い……か…)
レントゥルス(お腹すいたし…祝勝会でパスタをたっくさん食べたいな…)
ラムカーネ(………)


顔を上げた彼等の目、そこにも炎が宿っているのを三杉は見た。
仲間達も、勝ちたいという気持ちが諦めと絶望の心を上回ったのである。
嬉しさに目を瞑る三杉……彼の目には二人の人物の顔が映っている。

三杉(ヤヨイ……そしてミハエル……勝ってくるよ。
    ボクは曇りなき笑顔でキミ達に会いに行ってみせる。)

目を開き、もう一度仲間達をグルリと見回した。
『勝とう』という意志が彼等の周囲を蒸気となって漂っているのが解る。
三杉はもう一度号令を上げた。

三杉「皆、この試合、勝つぞ! FORZA FIORENTINA!!」

仲間達「おう!」「やるぞ!!」「ぶちかましてやろうぜっ!」「任務了解…」

こうしてフィオレンティーナの士気は再び高まった。
いや、今がこれまでで最も高まっているやも分からない。
ともかくこれで三杉の勝利への方程式は再び輝き出した。


911 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/13(土) 20:29:20 ID:???

三杉「マルコ、ロスタイムを含めて残り時間はどれくらいか?」

マルコ「ん……今が後半33分で、クオーレへのファウルで時計が止まった事も考えると…
     そうだね、大体残り15分ってところじゃないかな?」

中山「15分か………」
ダラピッコラ「その時間であのゴール前の守備をどう破るか…?」
レントウルス「わかんなーい」

シューマッハとクスタは最高クラスのGKとDF…
そしてファビオとトリノもイタリアのカテナチオの名に恥じぬ実力者である。
改めて考えても堅牢すぎるこの城門、どう破るかという問題は最後の最後までフィオレンティーナに付き纏う。
しかし三杉は自信を持って仲間達にこう告げる。

三杉「心配するな皆、条件は全てクリアされた!
    残り時間15分……この間で同点はおろか、逆転だって十分に可能だ!」

ミュラー「ど、同点はおろか…」
マルコ「逆転だって!?」

怪訝や呆れを通り越して仰天する仲間達。
一人…いや二人を除き、流石にそれは士気を上げる効果はないなどと口々に言う。
しかし三杉のこの言葉は、決して士気を上げる為の大口などではなかった。
シッカリと計算に基づいて考えられた言葉だったのである。


912 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/13(土) 20:30:34 ID:???

三杉「言いたい事はあるだろうけど、まあ最後で聞きなよ……根拠はあるから。
    第一に、シューマッハの体力はもう限界だ。
    さっきのドライブシュートの時点から、今もずっと肩で息をしている。」

一斉に皆、パルマゴールの方を向く。
確かに三杉の言った通り、シューマッハからは疲労している様子が見られる気がする。
肩をやたら回したり握力を気にしている様子も、それを証明しているように思えてくる。

三杉「第二に…この後半、まだブンナークは一発も撃っていない。
    …体力が有り余っているんだろ? ブンナーク。」

ブンナーク「解ってんならパスを出せよな。
       こっちはあいつらにもう一度ぶちかましてやりたくて仕方ねえんだ。」

ミュラー「なるほど…敵の守備の一角が限界を迎える中、こっちの主砲はまだ余裕があると。」

三杉「シューマッハは前半2度全力のセービングし、その内1回は吹き飛ばされている。
    また後半も既に2度全力のセービングを繰り出している。
    そうだなぁ、体力というパラメータを仮に数値化すると、MAXが1000だとして…
    シューマッハは全力のセービングに250程度は消費していると思う。
    ハーフタイムでの回復、他の行動を考えれば、彼はもう全力のセービングは
    1回出来るか出来ないかだ。 ……彼の様子からすると、僕の予想ではもう出来ない。」

マルコ(ミスギ……悪いけど、それはちょっとメタ過ぎるんうじゃないかな?)


913 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/13(土) 20:31:54 ID:???

バンビーノ「だが、今こうしている間も少しずつ体力は回復するだろう?」

当然の(メタ的な)疑問をバンビーノが指摘する。
これは核心を突く指摘であり、今後の戦術を左右する物であった。

三杉「そう、だからここから考える手は二つだ。
    シューマッハが全力を出せないと見て、彼が回復する前に速攻でシュートに持っていくか…。
    それとも時間をかけても守備を崩し、サイドも上げて万全の形でフィニッシュに持っていくか。」


A シューマッハがミラクルウォーれない間に速攻シュート。
B シューマッハが回復してもいいから万全の形を狙う。
C そ の 他

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)


914 :森崎名無しさん:2011/08/13(土) 20:33:46 ID:+fTO1doY
A

915 :森崎名無しさん:2011/08/13(土) 20:34:22 ID:???
逆転狙うならまず一点とって同点にして、それからでいいのかな?
この前速攻に一票投じて失点しちゃったので自信無いです・・・

916 :森崎名無しさん:2011/08/13(土) 20:34:23 ID:P7Exk1zQ


917 :森崎名無しさん:2011/08/13(土) 20:35:10 ID:yBR9L1MA
B
クスタはまだ元気だし

918 :森崎名無しさん:2011/08/13(土) 20:58:20 ID:???
じっくり崩すになったか
キャリバーで勝負しても回復したシューマッハが飛び出してくる可能性が高いな


919 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/13(土) 21:07:34 ID:???

> B シューマッハが回復してもいいから万全の形を狙う。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

この二つの案に対しては、ほとんどの者が後者寄りであった。
シューマッハの体力が回復する前にと言っても、それがどの程度かは具体的に判る筈もなく、
またクスタに関しては十分(かどうかは知れぬが)体力が残っているだろう、というのが理由だ。

マルコ「それに『〜の間に何としても攻めないと』って焦っての失敗も今日はしているからね。
     シッカリと崩してゴールを決める可能性を上げる方がやっぱりイイよ。」

中山「オレもそれが良いと思う。」

バンビーノ「賛成だ……となるとミスギ、フォーメーションは前半の物に戻すのか?」

三杉「ああ、そうだ。 そしてラストパスを出すのは可能な限りマルコ、キミだ。
    僕とバンビーノはゴール前に駆け込んで敵の守備を散らしたいからね。」

マルコ「判った。 でも流れがどうしてもそうならない場合は臨機応変に頼むね。」

バンビーノ「判ってるさ、サイドを何往復もする覚悟は持っておく。」


920 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/13(土) 21:09:23 ID:???

これにて攻撃の指針はまとまった。
後は守備だが……これは台所事情としてレントゥルスとダラピッコラに踏ん張って貰うしかない。

三杉「…頼めるかい?」

ダラピッコラ「へっ、当たり前だろ。
        …さっきまんまと失敗しといて、もっかい信じて貰えるのは意外なくらいだ。」

レントゥルス「オレも同じ気持ちー。
        …だけどさ、守り方ってこのままでいいのかな?」

三杉「守り方…と言うと?」

レントゥルス「うん…もっとDFと連携した方がいいのかなって。
        オレ達が下がるかナカヤマ達が上がるかは分かんないけどねー。」

三杉(ふむ……)


A DFのラインを上げる
B DFのラインは上げず、ボランチを低めに位置させる
C このままでいく

2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)


921 :森崎名無しさん:2011/08/13(土) 21:13:27 ID:P7Exk1zQ


922 :森崎名無しさん:2011/08/13(土) 21:14:10 ID:MrivhFK2


923 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/13(土) 21:23:33 ID:???
守備の指針も決まりました。
それでは今日はここまでとします、次回(明後日以降)からようやく試合再開です。
さあフィオレンティーナはファンタジスタを破る事が出来るのか、クライマックスですね。


ちょっと早いですが次回スレタイ募集します。

【】Another-C_7【】



本当は次のスレタイは自分で決めるつもりでしたが、思ったより試合が長引きました(笑)
ついつい描写が増えてしまいましたから。うん、減らせば更新が多少早くなるのは分かってるんですけどね…

924 :森崎名無しさん:2011/08/13(土) 21:26:46 ID:???
【エースの出番が】Another-C_7【来た!】
【ファンタジスタを】Another-C_7【撃ち破れ!】
【フィオレンティーナを】Another-C_7【知れ】

925 :森崎名無しさん:2011/08/13(土) 21:29:16 ID:???
【これぞ】Another-C_7【カルチョ】

926 :森崎名無しさん:2011/08/13(土) 21:29:32 ID:???
【Forza】Another-C_7【FIORENTINA!!】
描写が凝ってるのもこのスレのいいところだと思ってますし
今のまま減らせない方がいいと思いマース

実況談「だが私の解雇話は削るべきだった」

927 :森崎名無しさん:2011/08/13(土) 21:32:24 ID:ZNGdE6XQ
【FORZA】Another-C_7【FIORENTINA】


928 :森崎名無しさん:2011/08/13(土) 23:22:36 ID:???
>>僕達が倒したチームの思いはここで投げ捨てるものでは絶対にない!!

ブルノ「俺たちの分まで!」
ルーベン「精々がんばりな!」

ポスト「いや、君たちはどうでもいい。特にブルノ」

929 :森崎名無しさん:2011/08/14(日) 17:24:50 ID:???
【試合終了まで】Another-C_7【15分】
【必ず】Another-C_7【勝つ!】
【活路が】Another-C_7【視える】
【そんなことより】Another-C_7【バスケしようぜ!】

930 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 00:04:04 ID:???
皆さん、スレタイ案の応募ありがとうございます!
今日はちょっと先回りで長めの埋めネタを(半分くらい)形にしておりました。
明日は少しは更新する予定なので宜しく御願い致します。


今回の埋めネタは賛否両論、と言うか否が多いと予想してますが、東方関連キャラが登場しちゃいます。
と言ってもアナカンのメインストーリーとは正直関係ない余談的なサイドストーリーですが。
あとスレ主の東方知識は森崎板で仕入れた物なんで、正直キャラをまともに書けてる気が全然しません(笑)
いやあ、よくこれで風呂敷広げたなと今更ながらファジー計画な自分に驚き。
そんなダメスレ主なアナカンです、今後ともどうか宜しくして貰いたかったり。

931 :キャプテン霊夢 ◆.4VsndDQiQ :2011/08/16(火) 16:44:45 ID:???
アナカンさんの東方ネタと聞いて全裸で飛んできました。

932 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 18:20:13 ID:???

>>926
長い割におかしな部分の多い文章ですが、そう言って下さるととても嬉しいです。
今後とも宜しくお付き合い下さいませ。

スレ主「タクルに関しての謝罪は既に済んでいる!」
実況「なにぃっ!?」


>>928
おっと、彼等も倒したチームの思いに該当してましたね。 忘れてました。
オチを付けて下さってカンシャですww

>>931
こんにちは霊夢さん。
そんな楽しめる物では全然無いと胸を張って宣言致しますw
選択もカードもなく、いい加減な文章だけが30レスくらい垂れ流されるだけなんですよー!


933 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 18:21:46 ID:???

> A DFのラインを上げる
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

少しばかり思考を張り巡らし、三杉は中山の方を振り向いた。

三杉「中山、頼みがある。」

中山「ほいきた。」

三杉「ここからはディフェンスのラインを上げて、積極的にボランチと連携を取ってくれ。」

レントゥルスの案を受け入れ、その上でどう守るかを考えた結果がこれだった。
中山も即座にこの変更の意味への理解を示す。

中山「撃たせる前に止める守り方に偏らせるって事か・・・
    ・・・そうだな、多分もうそれしかないだろう。」

ラムカーネが完全に消耗しきった今、シュートを撃たせて止める守備は成り立ちにくい。
中山のシュートブロックは確かに優れているが・・・それだけを当てにするのは最早苦しい。
ならばボランチのバックアップに専念し、敵を中盤で捕捉する事に決め打ちした方が良い・・・。

三杉「・・・という事だ。 皆これに異論は?」

・・・この問いに対して異を唱える者は誰も居なかった。


934 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 18:23:10 ID:???

実況「さあ試合再開となります。 後半に入って1点、2点と積み重ねたパルマの選手からは笑顔。
    一方でフィオレンティーナは逆転を許した形・・・そのショックも少なからず表情から窺えます。
    さて・・・このメンタルの差は得点差以上の意味を持つのでしょうか・・・!」


ピィィイイイイイイイイイイイイイイイ!

キックオフの笛が鳴り、センターサークルで新田がチョンと蹴り出す。
ボールはすぐに後方の三杉へ戻される。

三杉(少し溜めを作るためにも、ここはパスで回さなければならない・・・) ポスッ

実況「おっと三杉くん、急いで攻め込む事はしないようです!
    残り時間は決して多く無い筈ですが・・・これで良いのでしょうか!?」

誰もが『フィオレンティーナは猛然と攻めるだろう』と考えていた中、
三杉らのこのプレイは意外であり・・・ある意味不気味に映った。


フィッツウォルタ「消極的・・・・・・ではあるけれど。」

ディッテンベルガ「うむ、これが布石であるのは言うまでもない。」

イスラス「・・・クック・・・・・・冷静だな・・・」


935 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 18:24:18 ID:???

フェラーリ「またまた奪わせて貰っちまいますともー!」 ダッ

消極的なフィオレンティーナ中盤にフェラーリが動き出した。
その様子に仕方なくタルデリも連携を取りに向かう。
だがこれは三杉達にとっては予定通りの流れである。

三杉(さて、先ずは・・・バンビーノ。)

バンビーノ(判っている。)


先着2名様(順番通りじゃない書き込みは無効)で
 ★三杉 Fコンビ(! card)69 +(! dice + ! dice)=
  バンビーノ Fコンビ(! card)69 +(! dice + ! dice)=★
 ★フェラーリ パスカット(! card)64 +(! dice + ! dice+(人数補正+1)=
  タルデリ パスカット(! card)64 +(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=★
と(!とcardの間のスペースを抜いて)書き込んで下さい。

【攻撃Max】−【守備Max】
≧2 → ワンツー突破された!
=1〜-1 → 左から順に(レントゥルス、ダラピッコラ、クオーレ)
≦-2 → パルマボールに。

【基本ルール以外の補正・補足・備考】
ワンツーの2人がカードのマークが一致で両者に+2、クラブ一致で−2ペナ。
カードの数値が一致で両者に+4、完全一致の場合は自動勝利で必殺ワンツーに進化。


936 :森崎名無しさん:2011/08/16(火) 18:37:01 ID:???
★三杉 Fコンビ( ダイヤQ )69 +( 11 )=
  バンビーノ Fコンビ( ハート3 )69 +( 12 )=★

937 :森崎名無しさん:2011/08/16(火) 18:38:35 ID:???
ごめん!

938 :森崎名無しさん:2011/08/16(火) 18:56:14 ID:???
★フェラーリ パスカット( クラブ4 )64 +( 42 +(人数補正+1)=
  タルデリ パスカット( ダイヤA )64 +( 25 )+(人数補正+1)=★

939 :森崎名無しさん:2011/08/16(火) 18:57:15 ID:???
もうダメだぁ、おしまいだぁ・・・

940 :森崎名無しさん:2011/08/16(火) 19:04:54 ID:???
いいゲームだったな
ああ、いいゲームだった

フィオレンティーナっていいチームだったな・・・
よくやったよ・・・



941 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 19:25:43 ID:???

 三杉 Fコンビ( ダイヤQ )69 +( 1 + 1 )=71
『バンビーノ Fコンビ( ハート3 )69 +( 1 + 2 )=72』
 フェラーリ パスカット( クラブ4 )64 +( 4 + 2 +(人数補正+1)=71
『タルデリ パスカット( ダイヤA )64 +( 2 + 5 )+(人数補正+1)=72』

【攻撃Max】−【守備Max】=0 → ダラピッコラがフォロー
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

二度あることは三度ある・・・そんな言葉が突然脳裏をよぎった。
ここまで三杉は、タルデリと共に囲んできたフェラーリに二度止められている。
地力を考えれば負ける筈が無い、誰もがそう評価する両者の力関係であるが・・・

三杉「それっ!」 ポンッ

フェラーリ「読み通りだっ!!」 シュダッ!

三杉「なっ・・・」

なんという事でしょう。
三杉の出したパスに対し、まさしく正確な位置取りでフェラーリが飛び込んだのだ。


942 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 19:27:11 ID:???

パシッ・・・!

レントゥルス「げぇっ!?」

バンビーノ「どうしたミスギ・・・!?」

フェラーリの足はボールに触れ、弾かせる事に成功していた。
インターセプトこそされなかった物の、これで三杉は3度ともフェラーリに攻撃を阻止された事になる。
今日のフェラーリは、まさに三杉にとっての相克、或いは天敵としか言えなかった。

タルデリ「よし、貰うぞ!」

バンビーノ「くっ・・・渡すものか!」

弾かれたボールは丁度バンビーノとタルデリの間に落ち、二人の間で競り合われた。
ここは互角の勝負となり、再びボールは弾かれる事になった。

ダラピッコラ「よっ・・・と奪われなかったのはイイけどよ・・・」

これをダラピッコラが何とかフォローしたが、状況は宜しくない。
当然ながらパルマの選手達が詰めて来ているのだ。
逆転されて流れは完全にパルマの物になった・・・そう思わせるには十分だった。


943 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 19:29:03 ID:???

シニョーリ「さあて・・・・・・もう1点!」
パルマ「貰うよ!」

ダラピッコラ(オレに対して2人がかりとかマジ無いだろ! オーバーキル過ぎるって!)

パス回しもドリブルも平均を下回るダラピッコラとしては、非常に厳しい状況と言わざるを得ない。
試合再開して間もないのに、もう攻守が入れ替わるのかとサポーターも絶望した瞬間・・・

レントゥルス「ロマーノ、こっち!」

ダラピッコラ「うおっ!? よ・・・・・・っしゃ、ナイスだ!」

ダラピッコラをボランチに置いていた恩恵が、意外な形で訪れたのだった。


944 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 19:30:38 ID:???

先着2名様(順番通りじゃない書き込みは無効)で
 ★ダラピッコラ 息の合ったワンツー(! card)65 +(! dice + ! dice)=
  レントゥルス 息の合ったワンツー(! card)69 +(! dice + ! dice)=★
 ★シニョーリ パスカット(! card)65 +(! dice + ! dice)+(軽症-1)=
  クオーレ パスカット(! card)65 +(! dice + ! dice)+(軽症-1)=★
と(!とcardの間のスペースを抜いて)書き込んで下さい。

【攻撃Max】−【守備Max】
≧2 → 何とか2人を振り切った!
=1〜-1 → 左から順に(マルコ、ディモス、コンティ)
≦-2 → パルマボールに。

【基本ルール以外の補正・補足・備考】
ワンツーの2人がカードのマークが一致で両者に+2、クラブ一致で−2ペナ。
カードの数値が一致で両者に+4、完全一致の場合は自動勝利で必殺ワンツーに進化。
クオーレはスキル・ファンタジスタにより、守備において味方の人数補正をキャンセルさせます。
シニョーリのマークがダイヤかハートで「ムーンサルトパスカット(+3)」が発動。


945 :森崎名無しさん:2011/08/16(火) 19:31:01 ID:???
★ダラピッコラ 息の合ったワンツー( ハート8 )65 +( 23 )=
  レントゥルス 息の合ったワンツー( ハート9 )69 +( 22 )=★

946 :森崎名無しさん:2011/08/16(火) 19:33:52 ID:SNQopeYg
★シニョーリ パスカット( スペード3 )65 +( 61 )+(軽症-1)=
  クオーレ パスカット( クラブ8 )65 +( 14 )+(軽症-1)=★


947 :森崎名無しさん:2011/08/16(火) 19:55:20 ID:???
期待値出してくんろ…

948 :森崎名無しさん:2011/08/16(火) 19:55:39 ID:???
シニョーリとクオーレへの絶妙な削りに今の息の合ったワンツー…、
なんだ今回は2人の回だったのか。

949 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 19:57:46 ID:???

 ダラピッコラ 息の合ったワンツー( ハート8 )65 +( 2 + 3 )+(息が合った+2)=72
『レントゥルス 息の合ったワンツー( ハート9 )69 +( 2 + 2 )+(息が合った+2)=75
『シニョーリ パスカット( スペード3 )65 +( 6 + 1 )+(軽症、ガッツペナ-2)=70』
 クオーレ パスカット( クラブ8 )65 +( 1 + 4 )+(軽症-1)=69

【攻撃Max】−【守備Max】≧2 → 何とか2人を振り切った!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

姓は異なるものの、ダラピッコラとレントゥルスは血を分けた兄弟。
元々専門的DFゆえ、パス回しを苦手とするダラピッコラだが、レントゥルスとのコンビプレイは別だった。
兄弟ゆえに自然と息が合う、息が合うからパスも繋がる、パスが繋がるから・・・

ダラピッコラ「そら、そっちだ!」 パシッ

シニョーリ「チックショ!」

レントゥルス「オッケーイ! こんどはそこ!」

クオーレ「わわわっ・・・」

そう・・・パスが繋がるから2対2でも相手を翻弄できたのだ。
尤も相手の2人は疲労と負傷でパフォーマンスを発揮し切れていたとは言い難いのだが・・・
2人共を負傷をさせ、疲労もさせたのがこの兄弟というのは実に皮肉な話だった。

ダラピッコラ「今度は頼むぜ、バンビーノ!!」 パシィッ

バンビーノ「気をつける・・・」 トッ

十分に余裕のある体勢を取れたところで、ダラピッコラはプラン通りにバンビーノへパスを出した。
これを受け取り、すぐさまサイドを上がり始めるバンビーノ。
しかし当然ながら敵もこれを阻止するため、積極的に囲んでくるのだった。


950 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 19:59:37 ID:???

コンティ「えぇ加減、勝ちを譲ったらんかのう?」

ガリバルディ「・・・と言うわけで止まって貰う!」

バンビーノ「・・・・・・」


先着2名様(順番通りじゃない書き込みは無効)で
 ★バンビーノ ドリブル(! card)69 +(! dice + ! dice)=★
 ★ガリバルディ タックル(! card)64 +(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=
  コンティ タックル(! card)65 +(! dice + ! dice)+(人数補正+1)=★
と(!とcardの間のスペースを抜いて)書き込んで下さい。

【攻撃Max】−【守備Max】
≧2 → 抜いた、フィオはここからだ!
=1〜-1 → 左から順に(新田、スペルマン、ファビオ)
≦-2 → パルマボールに・・・もうダメだ、お終いだぁ

【基本ルール以外の補正・補足・備考】
バンビーノのマークがダイヤで「芸術的ドリブル(+4)」、
 ハートかスペードで「ショットガンドリブルLV1(+2吹飛3)」が発動。
ガリバルディのマークがダイヤかハートで「ヨンフォアタックル(+3吹飛4)」が発動。


951 :森崎名無しさん:2011/08/16(火) 20:00:21 ID:???
★バンビーノ ドリブル( ダイヤ10 )69 +( 14 )=★

952 :森崎名無しさん:2011/08/16(火) 20:00:28 ID:???
 ★バンビーノ ドリブル( スペードK )69 +( 24 )=

953 :森崎名無しさん:2011/08/16(火) 20:02:09 ID:???
★ガリバルディ タックル( スペード5 )64 +( 53 )+(人数補正+1)=
  コンティ タックル( ハート6 )65 +( 64 )+(人数補正+1)=★

954 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 20:32:25 ID:???

『バンビーノ ドリブル( ダイヤ10 )69 +( 1 + 4 )+(芸術的ドリブル+4)=78』
 ガリバルディ タックル( スペード5 )64 +( 5 + 3 )+(人数補正+1)=73
『コンティ タックル( ハート6 )65 +( 6 + 4 )+(人数補正+1)=76』

【攻撃Max】−【守備Max】≧2 → 抜いた、フィオはここからだ!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

この試合中、バンビーノは異常なほどに成長していた。
元々チームの中でも三杉に次ぐドリブルテクニックを有して彼だが・・・
この日、遂に三杉を上回るほどに鋭いボールタッチを見せていた。

コンティ「ふんぬおぉぉ!!」 ズサァァァァァ!

この日一番の鋭さを見せたコンティの会心のタックルが繰り出された。
狙い、タイミング、コースと3拍子揃っており、これはキターとパルマサイドに思わせる。
しかし・・・


フッ

コンティ「げぇっ、何処にいったがか!?」

バンビーノ「残像だ・・・・・・などと言うつもりは無い。
       お前のタイミングに付き合ってやる必要は無いってだけさ。」

細かくリズムを転調させ、相手に狙いを絞らせないジョアンの芸術的なドリブル。
これを相手にしては、コンティの会心のタックルも無力でしかなかった。


955 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 20:33:46 ID:???

バンビーノ「さあこれでお膳立ては整った・・・行くぞパルマ!」 ダッ

ファビオ(チッ、オレのサイドは行かせねえぞ・・・)

いよいよドリブルで上がり始めたバンビーノに、サイドアタックの様相を呈する。
パルマの守備も当然ながらそれに対応する形に成りつつあった。
しかしここからそれが急激に変化する。

バンビーノ「ミスギッ!」 パシッ!

ファビオ「なにっ!?」

実況「おっとぉ!? バンビーノくん、、ここでラグビーのような、斜め後方へ戻すパス!」

中央付近を走り込んでいた三杉がこのボールを確保した。
するとサイドから中央へと詰めて来ていたディモスと、位置的に丁度かち合う。
・・・と思った時には、三杉はすでに次の動きへ入っていた。

三杉「マルコッ!」 パシッ!

ディモス「なにぃぃぃっ!?」

ほぼワンタッチで同種のパスを右後方へと流す。
そして三杉は振り返らずに前線へと突き進む。
見れば、バンビーノも同様にゴール前へと向かっていた。


956 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 20:34:51 ID:???

シニョーリ「チッ、やべえ!?」

これが通れば完全に右辺がフリーとなるのは必然。
それは阻止しなければならないと、シニョーリが懸命に飛びつくのだった。


先着2名様(順番通りじゃない書き込みは無効)で
 ★三杉 パス(! card)67 +(! dice + ! dice)=★
 ★シニョーリ パスカット(! card)65 +(! dice + ! dice)+(軽症、ガッツペナ-2)=★
と(!とcardの間のスペースを抜いて)書き込んで下さい。

【攻撃Max】−【守備Max】
≧2 → パスが通った! マルコがフリー同然で右サイドを突き進む!
=1〜-1 → 左から順に(レントゥルス、スローイン、トリノ)
≦-2 → パルマボールに。

【基本ルール以外の補正・補足・備考】
三杉のマークがクラブ以外で「バックスピンパス(+3)」が発動。
シニョーリのマークがダイヤかハートで「ムーンサルトパスカット(+3)」が発動。


957 :森崎名無しさん:2011/08/16(火) 20:35:15 ID:???
★三杉 パス( ダイヤ10 )67 +( 61 )=★

958 :森崎名無しさん:2011/08/16(火) 20:35:22 ID:???
★三杉 パス( ハート7 )67 +( 41 )=★


959 :森崎名無しさん:2011/08/16(火) 20:38:01 ID:???
 ★シニョーリ パスカット( クラブ7 )65 +( 15 )+(軽症、ガッツペナ-2)=★

960 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 20:56:07 ID:???

 三杉 パス( ダイヤ10 )67 +( 6 + 1 )+(バックスピンパス+3)=77
 シニョーリ パスカット( クラブ7 )65 +( 1 + 5 )+(軽症、ガッツペナ-2)=69

【攻撃Max】−【守備Max】≧2 → パスが通った! マルコがフリー同然で右サイドを突き進む!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉(そこでカットに来る事も想定済みだ!)

シニョーリ「ぐにゅっ!(傷口がズキズキじてきやがったしっ・・・!)」

走り込むシニョーリの動きは先程にも増して翳りを見せ始めていた。
対する三杉は、短いワンタッチの中でバックピンをかけた速い弾道のパスを出しており・・・
結果としてシニョーリはこのパスを通してしまうのだった。

マルコ「ナイスパス、2人とも!!」 トッ

実況「さあ空っぽの逆サイドでマルコ・オジオくんがボールを持った!
    そして起点となったバンビーノくん、中継した三杉くんもゴールへと走る・・・
    これを狙っていたのかフィオレンティーナ、1点目を奪った時と同じくゴール前に5枚だぁっ!」

クスタ(クッ・・・5枚であっても!)
シューマッハ(奴らの狙うフィニッシュは決まってんだよ!)

ゴールを守る2人の視線の先には、邪悪な表情で下なめずりをしているブンナークが居たのだった。


961 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 20:58:02 ID:???

          『 次 回 予 告 』

終局・・・それは一つの物語の区切り。
終幕・・・それは新たなステージの始まり。

しかしそこへ辿り着くには越えなければならない壁が往々として存在する。
突き破らなければならない壁が目の前で立ちはだかっている。

今こそ壁を突き破る時、今こそ次のステージに向かう時。
頑張れ、フィオレンティーナ。


次回 アナザーカンピオーネ エピソード1 〜第7幕〜


       Forza!!
             FIORENTINA!!




この次も サービスしちゃうわよっ!


962 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:08:05 ID:???
・・・という事で、物語の進行は次スレに持ち越します。
こんな予告書いて完全にフラグです。
やばい、やばいよー。

・・・で、スレ立ては明日か明後日にし、取り敢えず埋めネタを少し投下します。
でもこの埋めネタは読む前に以下の注意事項を必ず御覧下さい。

『アナカン埋めネタ、3つの誓い』

@俺設定&俺解釈です! いやそこはおかしい、という場合は全面的に土下座します。
A登場させるキャラを掴めておりません! そのキャラそんなこと言わない、という場合は全面的に下剤を飲みます。
Bだから許して下さい。許されざる事でも許してくれないと全力で泣きます。



963 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:11:38 ID:???

≪埋めネタ≫  Another Campione Episode ???


1−1)彼方

ここが何処なのか・・・と、もし仮に問われたらならば。
陳腐に聞こえるかも知れないが、“極めて近く限りなく遠い世界”と称するのが最も理解が早いだろう。

そう、我々の視点から見た“極めて近く限りなく遠い世界”・・・・・・
その世界の中において隔離された一角、さらにその一点で彼女は眠りに着いていた。

一般常識で言えば昼・・・時鐘で表すならば昼9つを過ぎた時刻において、
彼女は超感覚的にその異変を察し、瞼を開いた。
朝と昼、そのほとんどを睡眠に充てる彼女が途中で目を覚ますのは異例と言っても良い。
つまり今感じた感覚は、その異例を引き起こすに足る切迫した何かなのだと想像できる。

???「今のは・・・・・・」

何が起こったのか、既に8割がた理解している彼女。
それ故にこそ彼女は信じ難く思っていたが、事実である以上無視は出来なかった。
彼女の辞書には『気のせい』や『勘違い』という言葉は無いのだから。(←not落丁)


964 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:12:42 ID:???

傍らに置いてある鈴を手に取り、チリンチリンと鳴らすと・・・
間もなく従者と思われる少女が姿を現した。

???「お呼びでしょうか、紫様(ゆかりさま)。」

紫「藍(らん)、今ほど誰かが結界を越えてたわね?」

まさに寝耳に水であったか、従者である藍は驚いたように疑問の表情を浮かべ・・・
そして直ぐにその事実が思い当たらぬ旨を報告してきた。

藍「・・・・・・? いえ・・・綻びは観測されておらず、結界自体も破られておりません。
   人、物の区別なく、この幻想郷に侵入した者、流れ着いた者は皆無の筈です。」

紫「そう・・・・・・なるほどね。」


965 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:13:43 ID:???

紫と呼ばれた少女(?)は自らの従者(以下、藍)の言葉で異変の重大さを確信した。
結界の監視を藍に任せているのは、能力を満たす事は勿論、自身よりも真面目で几帳面だからである。
その藍が見逃したり見過ごしたりするという事は通常考えられない。

紫「確かに結界は破られていないわ。
   けれど破損・・・と言う言葉が適切か判らないけれど、穴が空けられている。」

藍「えっ・・・!? そn」

紫「戯れじゃないわよ。 とにかく私は現場へ行く、貴女も着いて来なさい。」

藍「は・・・はい!」

言うが早いか、紫は指に念を集中させて空間をなぞった。
指の軌跡がパックリと割れ、漆黒の中に無数の眼が見られる空間(?)が現れた。

※これは(説明とか絶対要らないとは思うが)この世界でスキマと呼ばれる物である。
 紫が空間の境界を操作し、裂け目を作った際に視認される、亜空間の出入口に相当する。
 (JoJoしか知らない人に解るように言えば、“スティッキーフィンガーのジッパー”なのさ!)
 彼女はこのスキマを繋ぎ合せる事で、離れた場所同士を繋げる事が出来る。
 瞬間移動出来ちゃいますって事ですよね、凄いね!


966 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:15:22 ID:???

日傘を手に取り、紫は躊躇いなくそのスキマに飛び込む・・・と同時に飛び出していた。
すると、そこは森の中・・・・・・木と葉の隙間から僅かばかりの陽が差し込む森の中だった。

藍「ここは・・・博霊神社の森?」

すぐ後ろからスキマを飛び出してきた藍が、今この場所が何処なのかを口にした。
外の物(人間)がこの幻想郷に流れ着く場合、大概結界の境であるこの場所からである。
それ自体は何ら不思議ではないが、それを自身が全く察知出来なかった事について、
やはり藍はどうにも合点がいかなかった。

紫「見なさい。」

そんな藍に対して特に言葉をやる事なく、紫は結界に生じた穴のある場所を指差した。
そこに見えた物は紫にとっても想定していなかった物には違いなかった。
・・・が、彼女は反則的に明瞭な頭脳で、何があったのかを思い至っており、
その声には些かの動揺も紛れてはいなかった。
一方そうとも知らない藍は、まるで息が止まったかのように絶句して驚愕を表している。


967 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:16:27 ID:???

藍「ゆ・・・紫様・・・! ま、まさか・・・!」

紫「そう、そのまさかよ。」

藍「まさか壮大な自作自演だったとは・・・! ほ、本当に困りますっ!!」

紫「なっ?」 ガクッ

そこにあったのは、紫が今しがた作り、消した物と同じ物(?)であった。
即ち“スキマ”である。
これを作り出せるのは幻想郷で、いやこの世界で八雲紫しか存在しない。
故にこそ、これは八雲紫による自作自演のイタズラ・・・と、藍はそう判断したのだ。

紫「藍、悪いけれどこれは私がやったのではないの。
   私以外の誰かがこのスキマを作り出し、放置したのよ。」

藍「そんな・・・俄かに信じられません、紫様と同じ力を持つ者が存在するなど・・・」

紫「でも事実なの。 まずそれを受け止めて、幾つもの仮定と証明・反証を行ないなさい。
   ・・・っと、そんな数学的な話は後にするべきね。 今は事を終わらせるとしましょう。」

藍「えっ? あっ、はい。」

真実の入口にすら到達していない藍を置いてけぼりにし、紫は一人でズンズンと向こう側へと歩き出していた。


968 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:17:42 ID:???

藍「紫様・・・」

いまだに疑問の晴れぬ藍が何やら問い掛けてきた。
紫は『なあに?』と短く返答する。

藍「あのスキマを作り出した者に・・・紫様は心当たりがお有りなのでしょうか?」

紫「ええ、よく知っているわ。 ・・・藍、貴女もよく知る人物よ。」

藍「私も・・・?」

紫「ええ、ほらあの娘。」

向かう先で一人の人物が空から降り立った。
少しウェーブのかかった金髪の少女・・・年齢は18かそこらであろうか?
見慣れない服装から、間違いなく外界からのエトランゼである事が窺えるが・・・

藍「おや・・・?」

怪訝そうな声を上げ、藍は目を細めた。
その横顔と揺れたブロンドが誰かを連想させたのであろうか。
紫もその少女を観察して、自らの仮説が正しかったと納得した。
それでは・・・と、藍に向けて命を出す。


969 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:18:48 ID:???

紫「藍、悪いけれど私はあの娘とは接触出来ないの。
   私はスキマから声を送るから、あの娘を呼び止めなさい。」

藍「えっ? あの・・・」

紫「いい、決して殺意や敵意を発しない事。 頼んだわよ。」

それだけ言って、紫は自ら作り出したスキマの中に姿を消した。

紫(さて、藍は困惑しているでしょうけど・・・他にどうしようもないわ。
   私は例外だと思いたいところだけれど、こればっかりは試すわけにもいかないしね。)

スキマの中で紫はタイミングを待った。
即ち藍が少女を呼びとめ、会話が始まるタイミングである。

(藍「初めまして、外来人のお嬢さん。)

(???「あら? ・・・初めまして名も知らぬ人。」)

・・・と、数秒も経たぬ間に紫の出番はやってきた。
どうやら警戒を抱かれる事なく接触したようである。
紫はこっそり作り出していた極小さなスキマから、言葉を送り始める事にした。


970 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:19:50 ID:???

紫「改めて初めまして、異界のエトランゼ。 私の名は八雲紫。
   目の前に立っているのは私の従者である八雲藍。」

(???「声だけ・・・? ふぅん・・・さすが夢の中、こういうのも有りよね。
      初めまして紫さん、私はマエリベリー・ハーン。」)

紫「そう、マエリベリーなのね。」

(メリー「ええ、発音の下手な友人からはメリーと呼ばれているわ。」)

紫「ふぅん・・・それではメリー、実はもうそろそろ夢の時間は終わりなの。
   つまり、起きる時間という事よ。」

(メリー「あら、そんな事も教えてくれるなんて親切な夢ね。
      どうもありがとう、お礼を言わせて貰うわ。」)

紫「それには及ばないわ、既に貴女の記憶の境界は現と忘却の狭間だもの。
   それじゃあ『さようなら』メリー、貴女が再び迷い込む事のないように。」

腕を軽く振ると、メリーの足元がパカッと開いてスキマが現れた。
『アッ』と誰かが口にした時には、既にメリーの姿はそれに呑まれた後だった。
メリーの肉体が幻想郷から存在しなくなった事を確かめると、紫も再び藍の前に姿を晒した。


971 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:20:53 ID:???

1−2)彼方U

紫「さて・・・無事解決した事だし、私は帰って寝直す事にするわ。」

藍「その前に紫様、今回の事は一体どういう事なのでしょうか?」

事の全貌どころか部分も理解出来ておらず、説明すら与えられない事に対し、
忠実な従者である藍も流石に少しの不平感を匂わせて問うてきたのだった。
『面倒臭い』と頬を軽く掻く紫であったが、思い直して藍の方へ顔を向ける。

紫「藍、多元宇宙という言葉は知っているかしら?」

藍「え・・・? はい、一応一通りWikipedia先生の講釈を受けています。」

紫「そ・・・。 なら話は早いわ、今回はその中でも量子力学における多世界解釈に位置する物よ。」

藍「・・・・・・何を仰りたいのですか?」

紫「貴女にしては察しが悪いわね・・・。 でもま、仕方ないのかも知れないわね。
   結論を先に言ってしまうと、さっきのマエリベリー・ハーンは私“八雲紫”と同一人物。
   実際に存在する多世界の中の一つで生きている私こそが彼女・・・と言う訳。」

藍「・・・・・・はあ・・・?」


972 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:22:36 ID:???

話を聞いて尚もポカンとしていた藍だったが・・・やがてハッとしたような顔を見せた。
そこからは『なるほど、そうか・・・』と漏らしながら、思考をしている様子を見せる。
おそらく起こった出来事、見た物を解釈と照らし合わせ、今回の事件のパズルを組み立てているのだろう。

藍「なるほど・・・紫様が『私もあの少女の事をよく知っている』と仰った意味が解りました。
   俄かには信じ難いですが、確かにあの少女を見た時に何やら感じ入る所もありました。
   そして何より、境界を操る能力を持つ大妖は紫様以外に存在しないですし・・・。」

紫「ストップ。 ・・・勘違いしているかも知れないから一応言っておくけど、
   マエリベリーには“境界を操る能力”は無いわよ。」

小声で『今のところだけど・・・』と呟いたのは藍の耳には届かなかった。

藍「え・・・?」

紫「この能力を持つのは、全ての並行世界の中で私ただ一人。
   八雲紫の名を冠する存在も、私ただ一人よ。
   そして・・・幻想郷が存在するのもこの世界だけ。
   言ってみれば、この世界は全ての並行世界の中でも特別・・・基本世界と呼ばれる物だから。」


973 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:23:42 ID:???

藍「むむ・・・では、マエリベリー様がスキマを作って幻想郷に入り込んだ事については?」

紫「あの子もその他の世界の私とは少し違う・・・少し特別な存在なの。
   私とは同一ではないけれど、境界を視て認識する程度の力は持っているわ。」

藍「では今回の事は、マエリベリー様が持つ力を幻想郷が引き寄せた・・・?」

紫「恐らくね。 仮にあの子がこの基本世界の外に存在していたとしたら、
   その能力を以って、幻と実体の境界と常識の境界を飛び越えて幻想入りするのは必然・・・。
   けれども話はそう簡単ではないの。 今回、彼女はもう一つの境界をも飛び越えてきた。」

藍「多元宇宙における・・・量子力学の壁、次元の壁という物ですか。」

紫「そう、此方と彼方・・・二つの世界は極めて近く限りなく遠い世界、交わる事はないわ。
   けれども、私の作り出すスキマはその壁をも越える事が出来る・・・」

藍「えっ・・・それではやはり!?」

ここから導き出される解答は、先程紫が否定した物。
即ち、マエリベリーも境界を操る能力を有していると言う証拠。


974 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:24:43 ID:???

紫「・・・私の知識の中のマエリベリーは、私と同じ能力は持っていなかった・・・それは確か。
   あくまで境界を視る程度の能力で、それ以上でもそれ以下でもなかったわ。」

藍「・・・とすると、外的要因でしょうか。
   そう言えば、先程のマエリベリー様は今の状況を夢と仰っておりました。
   それに何やら実体を感じられず・・・・・・そう、念体のようでしたが、それが何か関係が?」

この藍の言葉に、紫はこの日初めて嬉しそうな顔を見せた。

紫「あら、それに気が付いていたなんて、流石は私の式。
   そうよ、彼女は確かに思念だけの存在・・・半意識体として幻想郷に居た。
   そしておそらく実体は眠りに就き、半意識の経験を夢として見てると考えられる。
   後は推測だけれど、心のなかの“意識でない”領域では彼女は境界を操れる・・・・・・
   という事になるんでしょうね。」

藍「無意識領域では力を有している・・・ですか。 
   つまり彼女は、現実世界で意識的にその能力を使う事は出来ないと言う事ですね。」

紫「恐らくね。 彼女が絶対的な常識から解放されたら・・・その限りではないでしょうけど。」

藍「なるほど・・・まさしくもう一人の紫様なのですね。」


975 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:26:20 ID:???

紫「フフ、ほとんどの世界の私はパトリック・ラフカディオ・ハーン・・・つまりは小泉八雲の・・・
   東洋と西洋の両方を生き、幻想を愛した随筆家の・・・その孫として平穏な一生を終えるだけの存在。
   けれど、あのマエリベリーだけは一風違ったハーンの血族の中に居る・・・。
   それが関わっているかは判らないけど、彼女の可能性については無限としか言い様がないわね。」

藍「場合によっては・・・あの方が幻想郷をもう一つ創造する事も有り得るのでしょうか?」

紫「そうなったら・・・それはちょっと面白いかも知れないわね。」

この時の紫はひどく遠い目をしていた。
幻想郷と自分、その悠久とも言える時の永さを想ったのかも知れない。
そして仮定の世界の話・・・同じだけの時間をかけて創造されるマエリベリーの幻想郷を想っていたかも知れない。

紫(その時は、今度は私が向こうに遊びに行っちゃおうかしら?)

フフッと小さく微笑んで、紫はマエリベリーが確かに存在していた空間に目をやった。
彼女の目には、忙しなく朝の準備をしている彼方のマエリベリーが見えていた。


976 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:27:22 ID:???

藍「・・・時に紫様、マエリベリー様と直接の接触を避けたのは、御二人が同一の存在である事と関係が?」

紫「ええ勿論・・・って、貴女もしかしてSBRを読んでいないの?」

藍「SBR・・・?」

紫「そう、Steel Boal Run・・・とある天才文豪の生み出した物語よ。
   その物語の中では、私と同じように並行世界を行き来できる人物が居るのだけど・・・
   とある人物が、別世界の同一人物と直接接触をした時・・・その人物は消滅してしまうのよ。」

藍「はあ・・・・・・物語の話を鵜呑みに・・・という訳ですか?」

紫「そうじゃないわ。 自分と全く同一の存在と出遭ったら死ぬ、というのは一般的に知られている事。
   西洋ではドッペルゲンガー、東洋では影のわずらいとして、ほとんど誰もが知っている御話。
   ・・・いい、ここから少しだけ大事な事を言うわよ。」


977 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:28:39 ID:???

紫「遠く離れた東と西で、全く同種の伝承が語り継がれている・・・何故こんな事が起こるのかしら?
   出鱈目であれば、何処か途中で途絶え・・・一地方単位の伝説で残れば良い方でしょうに。」

藍「・・・・・・実際に起こった事だから、ですか?」


          紫「そう、即ちそれが“真理”だからよ。」


藍「・・・・・・!」

紫「同じように伝承や文化として、人々に知られている真理が他にも沢山あるわ。
   誰もがそれを迷信や御伽噺と思い、“真理”を知っていながら認識出来ない。
   覚えておきなさい、世界の各地に存在する似たような伝承や文化には何かしら“真理”があると。」
   
それだけ言うと、紫は口を閉ざした。
それ以上は何も言わなくなったのである。
いつにない真剣な表情で語った主人に、従者も真剣にその言葉を受け止めた。
だがしかし、藍は紫の言葉の中の真理認識する事は出来なかった。
紫がこの時抱いていた危惧に、藍の思考が到達する事はなかったのだった。


978 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:32:38 ID:???
これで一旦幕間となります。
以降は三杉達と同じ世界にてマエリベリー主観の話が始まります。
一応ここまでにアナカンで登場したキャラも登場します。
続きは明日以降になりますが、多分10〜15レスの間には収まると思います。

そしてよく知らんのに東方キャラを描写して全力でスミマセンでした。
恥ずかしさと不安で溢れてますが、途中からなんか脳内で変な汁が出てきました。
ワルノリってこういう時にするもんですよね。
それではまた。

979 :森崎名無しさん:2011/08/17(水) 20:17:34 ID:???
>>980なら次スレに岡山姉出演

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