キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【最終兵器】Another-C_6【ファンタジスタ】

1 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/06/30(木) 18:58:45 ID:RUhxsKO+


この物語はフィクションです。
史実や実在の人物を連想する場面があるとしても、物語とは関係がありません。
風土、名称については文献を参考としていますが、想像のウェイトも大きく、事実と異なります。


そして……この物語はキャプテン森崎のフィクションであり…
  とある貴公子と仲間達の サッカーに賭けた青春を描いたストーリーです。





…恋愛は二の次に皆サッカーに命を削って頑張ります。(何かに誓う)




953 :森崎名無しさん:2011/08/16(火) 20:02:09 ID:???
★ガリバルディ タックル( スペード5 )64 +( 53 )+(人数補正+1)=
  コンティ タックル( ハート6 )65 +( 64 )+(人数補正+1)=★

954 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 20:32:25 ID:???

『バンビーノ ドリブル( ダイヤ10 )69 +( 1 + 4 )+(芸術的ドリブル+4)=78』
 ガリバルディ タックル( スペード5 )64 +( 5 + 3 )+(人数補正+1)=73
『コンティ タックル( ハート6 )65 +( 6 + 4 )+(人数補正+1)=76』

【攻撃Max】−【守備Max】≧2 → 抜いた、フィオはここからだ!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

この試合中、バンビーノは異常なほどに成長していた。
元々チームの中でも三杉に次ぐドリブルテクニックを有して彼だが・・・
この日、遂に三杉を上回るほどに鋭いボールタッチを見せていた。

コンティ「ふんぬおぉぉ!!」 ズサァァァァァ!

この日一番の鋭さを見せたコンティの会心のタックルが繰り出された。
狙い、タイミング、コースと3拍子揃っており、これはキターとパルマサイドに思わせる。
しかし・・・


フッ

コンティ「げぇっ、何処にいったがか!?」

バンビーノ「残像だ・・・・・・などと言うつもりは無い。
       お前のタイミングに付き合ってやる必要は無いってだけさ。」

細かくリズムを転調させ、相手に狙いを絞らせないジョアンの芸術的なドリブル。
これを相手にしては、コンティの会心のタックルも無力でしかなかった。


955 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 20:33:46 ID:???

バンビーノ「さあこれでお膳立ては整った・・・行くぞパルマ!」 ダッ

ファビオ(チッ、オレのサイドは行かせねえぞ・・・)

いよいよドリブルで上がり始めたバンビーノに、サイドアタックの様相を呈する。
パルマの守備も当然ながらそれに対応する形に成りつつあった。
しかしここからそれが急激に変化する。

バンビーノ「ミスギッ!」 パシッ!

ファビオ「なにっ!?」

実況「おっとぉ!? バンビーノくん、、ここでラグビーのような、斜め後方へ戻すパス!」

中央付近を走り込んでいた三杉がこのボールを確保した。
するとサイドから中央へと詰めて来ていたディモスと、位置的に丁度かち合う。
・・・と思った時には、三杉はすでに次の動きへ入っていた。

三杉「マルコッ!」 パシッ!

ディモス「なにぃぃぃっ!?」

ほぼワンタッチで同種のパスを右後方へと流す。
そして三杉は振り返らずに前線へと突き進む。
見れば、バンビーノも同様にゴール前へと向かっていた。


956 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 20:34:51 ID:???

シニョーリ「チッ、やべえ!?」

これが通れば完全に右辺がフリーとなるのは必然。
それは阻止しなければならないと、シニョーリが懸命に飛びつくのだった。


先着2名様(順番通りじゃない書き込みは無効)で
 ★三杉 パス(! card)67 +(! dice + ! dice)=★
 ★シニョーリ パスカット(! card)65 +(! dice + ! dice)+(軽症、ガッツペナ-2)=★
と(!とcardの間のスペースを抜いて)書き込んで下さい。

【攻撃Max】−【守備Max】
≧2 → パスが通った! マルコがフリー同然で右サイドを突き進む!
=1〜-1 → 左から順に(レントゥルス、スローイン、トリノ)
≦-2 → パルマボールに。

【基本ルール以外の補正・補足・備考】
三杉のマークがクラブ以外で「バックスピンパス(+3)」が発動。
シニョーリのマークがダイヤかハートで「ムーンサルトパスカット(+3)」が発動。


957 :森崎名無しさん:2011/08/16(火) 20:35:15 ID:???
★三杉 パス( ダイヤ10 )67 +( 61 )=★

958 :森崎名無しさん:2011/08/16(火) 20:35:22 ID:???
★三杉 パス( ハート7 )67 +( 41 )=★


959 :森崎名無しさん:2011/08/16(火) 20:38:01 ID:???
 ★シニョーリ パスカット( クラブ7 )65 +( 15 )+(軽症、ガッツペナ-2)=★

960 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 20:56:07 ID:???

 三杉 パス( ダイヤ10 )67 +( 6 + 1 )+(バックスピンパス+3)=77
 シニョーリ パスカット( クラブ7 )65 +( 1 + 5 )+(軽症、ガッツペナ-2)=69

【攻撃Max】−【守備Max】≧2 → パスが通った! マルコがフリー同然で右サイドを突き進む!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

三杉(そこでカットに来る事も想定済みだ!)

シニョーリ「ぐにゅっ!(傷口がズキズキじてきやがったしっ・・・!)」

走り込むシニョーリの動きは先程にも増して翳りを見せ始めていた。
対する三杉は、短いワンタッチの中でバックピンをかけた速い弾道のパスを出しており・・・
結果としてシニョーリはこのパスを通してしまうのだった。

マルコ「ナイスパス、2人とも!!」 トッ

実況「さあ空っぽの逆サイドでマルコ・オジオくんがボールを持った!
    そして起点となったバンビーノくん、中継した三杉くんもゴールへと走る・・・
    これを狙っていたのかフィオレンティーナ、1点目を奪った時と同じくゴール前に5枚だぁっ!」

クスタ(クッ・・・5枚であっても!)
シューマッハ(奴らの狙うフィニッシュは決まってんだよ!)

ゴールを守る2人の視線の先には、邪悪な表情で下なめずりをしているブンナークが居たのだった。


961 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 20:58:02 ID:???

          『 次 回 予 告 』

終局・・・それは一つの物語の区切り。
終幕・・・それは新たなステージの始まり。

しかしそこへ辿り着くには越えなければならない壁が往々として存在する。
突き破らなければならない壁が目の前で立ちはだかっている。

今こそ壁を突き破る時、今こそ次のステージに向かう時。
頑張れ、フィオレンティーナ。


次回 アナザーカンピオーネ エピソード1 〜第7幕〜


       Forza!!
             FIORENTINA!!




この次も サービスしちゃうわよっ!


962 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:08:05 ID:???
・・・という事で、物語の進行は次スレに持ち越します。
こんな予告書いて完全にフラグです。
やばい、やばいよー。

・・・で、スレ立ては明日か明後日にし、取り敢えず埋めネタを少し投下します。
でもこの埋めネタは読む前に以下の注意事項を必ず御覧下さい。

『アナカン埋めネタ、3つの誓い』

@俺設定&俺解釈です! いやそこはおかしい、という場合は全面的に土下座します。
A登場させるキャラを掴めておりません! そのキャラそんなこと言わない、という場合は全面的に下剤を飲みます。
Bだから許して下さい。許されざる事でも許してくれないと全力で泣きます。



963 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:11:38 ID:???

≪埋めネタ≫  Another Campione Episode ???


1−1)彼方

ここが何処なのか・・・と、もし仮に問われたらならば。
陳腐に聞こえるかも知れないが、“極めて近く限りなく遠い世界”と称するのが最も理解が早いだろう。

そう、我々の視点から見た“極めて近く限りなく遠い世界”・・・・・・
その世界の中において隔離された一角、さらにその一点で彼女は眠りに着いていた。

一般常識で言えば昼・・・時鐘で表すならば昼9つを過ぎた時刻において、
彼女は超感覚的にその異変を察し、瞼を開いた。
朝と昼、そのほとんどを睡眠に充てる彼女が途中で目を覚ますのは異例と言っても良い。
つまり今感じた感覚は、その異例を引き起こすに足る切迫した何かなのだと想像できる。

???「今のは・・・・・・」

何が起こったのか、既に8割がた理解している彼女。
それ故にこそ彼女は信じ難く思っていたが、事実である以上無視は出来なかった。
彼女の辞書には『気のせい』や『勘違い』という言葉は無いのだから。(←not落丁)


964 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:12:42 ID:???

傍らに置いてある鈴を手に取り、チリンチリンと鳴らすと・・・
間もなく従者と思われる少女が姿を現した。

???「お呼びでしょうか、紫様(ゆかりさま)。」

紫「藍(らん)、今ほど誰かが結界を越えてたわね?」

まさに寝耳に水であったか、従者である藍は驚いたように疑問の表情を浮かべ・・・
そして直ぐにその事実が思い当たらぬ旨を報告してきた。

藍「・・・・・・? いえ・・・綻びは観測されておらず、結界自体も破られておりません。
   人、物の区別なく、この幻想郷に侵入した者、流れ着いた者は皆無の筈です。」

紫「そう・・・・・・なるほどね。」


965 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:13:43 ID:???

紫と呼ばれた少女(?)は自らの従者(以下、藍)の言葉で異変の重大さを確信した。
結界の監視を藍に任せているのは、能力を満たす事は勿論、自身よりも真面目で几帳面だからである。
その藍が見逃したり見過ごしたりするという事は通常考えられない。

紫「確かに結界は破られていないわ。
   けれど破損・・・と言う言葉が適切か判らないけれど、穴が空けられている。」

藍「えっ・・・!? そn」

紫「戯れじゃないわよ。 とにかく私は現場へ行く、貴女も着いて来なさい。」

藍「は・・・はい!」

言うが早いか、紫は指に念を集中させて空間をなぞった。
指の軌跡がパックリと割れ、漆黒の中に無数の眼が見られる空間(?)が現れた。

※これは(説明とか絶対要らないとは思うが)この世界でスキマと呼ばれる物である。
 紫が空間の境界を操作し、裂け目を作った際に視認される、亜空間の出入口に相当する。
 (JoJoしか知らない人に解るように言えば、“スティッキーフィンガーのジッパー”なのさ!)
 彼女はこのスキマを繋ぎ合せる事で、離れた場所同士を繋げる事が出来る。
 瞬間移動出来ちゃいますって事ですよね、凄いね!


966 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:15:22 ID:???

日傘を手に取り、紫は躊躇いなくそのスキマに飛び込む・・・と同時に飛び出していた。
すると、そこは森の中・・・・・・木と葉の隙間から僅かばかりの陽が差し込む森の中だった。

藍「ここは・・・博霊神社の森?」

すぐ後ろからスキマを飛び出してきた藍が、今この場所が何処なのかを口にした。
外の物(人間)がこの幻想郷に流れ着く場合、大概結界の境であるこの場所からである。
それ自体は何ら不思議ではないが、それを自身が全く察知出来なかった事について、
やはり藍はどうにも合点がいかなかった。

紫「見なさい。」

そんな藍に対して特に言葉をやる事なく、紫は結界に生じた穴のある場所を指差した。
そこに見えた物は紫にとっても想定していなかった物には違いなかった。
・・・が、彼女は反則的に明瞭な頭脳で、何があったのかを思い至っており、
その声には些かの動揺も紛れてはいなかった。
一方そうとも知らない藍は、まるで息が止まったかのように絶句して驚愕を表している。


967 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:16:27 ID:???

藍「ゆ・・・紫様・・・! ま、まさか・・・!」

紫「そう、そのまさかよ。」

藍「まさか壮大な自作自演だったとは・・・! ほ、本当に困りますっ!!」

紫「なっ?」 ガクッ

そこにあったのは、紫が今しがた作り、消した物と同じ物(?)であった。
即ち“スキマ”である。
これを作り出せるのは幻想郷で、いやこの世界で八雲紫しか存在しない。
故にこそ、これは八雲紫による自作自演のイタズラ・・・と、藍はそう判断したのだ。

紫「藍、悪いけれどこれは私がやったのではないの。
   私以外の誰かがこのスキマを作り出し、放置したのよ。」

藍「そんな・・・俄かに信じられません、紫様と同じ力を持つ者が存在するなど・・・」

紫「でも事実なの。 まずそれを受け止めて、幾つもの仮定と証明・反証を行ないなさい。
   ・・・っと、そんな数学的な話は後にするべきね。 今は事を終わらせるとしましょう。」

藍「えっ? あっ、はい。」

真実の入口にすら到達していない藍を置いてけぼりにし、紫は一人でズンズンと向こう側へと歩き出していた。


968 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:17:42 ID:???

藍「紫様・・・」

いまだに疑問の晴れぬ藍が何やら問い掛けてきた。
紫は『なあに?』と短く返答する。

藍「あのスキマを作り出した者に・・・紫様は心当たりがお有りなのでしょうか?」

紫「ええ、よく知っているわ。 ・・・藍、貴女もよく知る人物よ。」

藍「私も・・・?」

紫「ええ、ほらあの娘。」

向かう先で一人の人物が空から降り立った。
少しウェーブのかかった金髪の少女・・・年齢は18かそこらであろうか?
見慣れない服装から、間違いなく外界からのエトランゼである事が窺えるが・・・

藍「おや・・・?」

怪訝そうな声を上げ、藍は目を細めた。
その横顔と揺れたブロンドが誰かを連想させたのであろうか。
紫もその少女を観察して、自らの仮説が正しかったと納得した。
それでは・・・と、藍に向けて命を出す。


969 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:18:48 ID:???

紫「藍、悪いけれど私はあの娘とは接触出来ないの。
   私はスキマから声を送るから、あの娘を呼び止めなさい。」

藍「えっ? あの・・・」

紫「いい、決して殺意や敵意を発しない事。 頼んだわよ。」

それだけ言って、紫は自ら作り出したスキマの中に姿を消した。

紫(さて、藍は困惑しているでしょうけど・・・他にどうしようもないわ。
   私は例外だと思いたいところだけれど、こればっかりは試すわけにもいかないしね。)

スキマの中で紫はタイミングを待った。
即ち藍が少女を呼びとめ、会話が始まるタイミングである。

(藍「初めまして、外来人のお嬢さん。)

(???「あら? ・・・初めまして名も知らぬ人。」)

・・・と、数秒も経たぬ間に紫の出番はやってきた。
どうやら警戒を抱かれる事なく接触したようである。
紫はこっそり作り出していた極小さなスキマから、言葉を送り始める事にした。


970 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:19:50 ID:???

紫「改めて初めまして、異界のエトランゼ。 私の名は八雲紫。
   目の前に立っているのは私の従者である八雲藍。」

(???「声だけ・・・? ふぅん・・・さすが夢の中、こういうのも有りよね。
      初めまして紫さん、私はマエリベリー・ハーン。」)

紫「そう、マエリベリーなのね。」

(メリー「ええ、発音の下手な友人からはメリーと呼ばれているわ。」)

紫「ふぅん・・・それではメリー、実はもうそろそろ夢の時間は終わりなの。
   つまり、起きる時間という事よ。」

(メリー「あら、そんな事も教えてくれるなんて親切な夢ね。
      どうもありがとう、お礼を言わせて貰うわ。」)

紫「それには及ばないわ、既に貴女の記憶の境界は現と忘却の狭間だもの。
   それじゃあ『さようなら』メリー、貴女が再び迷い込む事のないように。」

腕を軽く振ると、メリーの足元がパカッと開いてスキマが現れた。
『アッ』と誰かが口にした時には、既にメリーの姿はそれに呑まれた後だった。
メリーの肉体が幻想郷から存在しなくなった事を確かめると、紫も再び藍の前に姿を晒した。


971 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:20:53 ID:???

1−2)彼方U

紫「さて・・・無事解決した事だし、私は帰って寝直す事にするわ。」

藍「その前に紫様、今回の事は一体どういう事なのでしょうか?」

事の全貌どころか部分も理解出来ておらず、説明すら与えられない事に対し、
忠実な従者である藍も流石に少しの不平感を匂わせて問うてきたのだった。
『面倒臭い』と頬を軽く掻く紫であったが、思い直して藍の方へ顔を向ける。

紫「藍、多元宇宙という言葉は知っているかしら?」

藍「え・・・? はい、一応一通りWikipedia先生の講釈を受けています。」

紫「そ・・・。 なら話は早いわ、今回はその中でも量子力学における多世界解釈に位置する物よ。」

藍「・・・・・・何を仰りたいのですか?」

紫「貴女にしては察しが悪いわね・・・。 でもま、仕方ないのかも知れないわね。
   結論を先に言ってしまうと、さっきのマエリベリー・ハーンは私“八雲紫”と同一人物。
   実際に存在する多世界の中の一つで生きている私こそが彼女・・・と言う訳。」

藍「・・・・・・はあ・・・?」


972 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:22:36 ID:???

話を聞いて尚もポカンとしていた藍だったが・・・やがてハッとしたような顔を見せた。
そこからは『なるほど、そうか・・・』と漏らしながら、思考をしている様子を見せる。
おそらく起こった出来事、見た物を解釈と照らし合わせ、今回の事件のパズルを組み立てているのだろう。

藍「なるほど・・・紫様が『私もあの少女の事をよく知っている』と仰った意味が解りました。
   俄かには信じ難いですが、確かにあの少女を見た時に何やら感じ入る所もありました。
   そして何より、境界を操る能力を持つ大妖は紫様以外に存在しないですし・・・。」

紫「ストップ。 ・・・勘違いしているかも知れないから一応言っておくけど、
   マエリベリーには“境界を操る能力”は無いわよ。」

小声で『今のところだけど・・・』と呟いたのは藍の耳には届かなかった。

藍「え・・・?」

紫「この能力を持つのは、全ての並行世界の中で私ただ一人。
   八雲紫の名を冠する存在も、私ただ一人よ。
   そして・・・幻想郷が存在するのもこの世界だけ。
   言ってみれば、この世界は全ての並行世界の中でも特別・・・基本世界と呼ばれる物だから。」


973 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:23:42 ID:???

藍「むむ・・・では、マエリベリー様がスキマを作って幻想郷に入り込んだ事については?」

紫「あの子もその他の世界の私とは少し違う・・・少し特別な存在なの。
   私とは同一ではないけれど、境界を視て認識する程度の力は持っているわ。」

藍「では今回の事は、マエリベリー様が持つ力を幻想郷が引き寄せた・・・?」

紫「恐らくね。 仮にあの子がこの基本世界の外に存在していたとしたら、
   その能力を以って、幻と実体の境界と常識の境界を飛び越えて幻想入りするのは必然・・・。
   けれども話はそう簡単ではないの。 今回、彼女はもう一つの境界をも飛び越えてきた。」

藍「多元宇宙における・・・量子力学の壁、次元の壁という物ですか。」

紫「そう、此方と彼方・・・二つの世界は極めて近く限りなく遠い世界、交わる事はないわ。
   けれども、私の作り出すスキマはその壁をも越える事が出来る・・・」

藍「えっ・・・それではやはり!?」

ここから導き出される解答は、先程紫が否定した物。
即ち、マエリベリーも境界を操る能力を有していると言う証拠。


974 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:24:43 ID:???

紫「・・・私の知識の中のマエリベリーは、私と同じ能力は持っていなかった・・・それは確か。
   あくまで境界を視る程度の能力で、それ以上でもそれ以下でもなかったわ。」

藍「・・・とすると、外的要因でしょうか。
   そう言えば、先程のマエリベリー様は今の状況を夢と仰っておりました。
   それに何やら実体を感じられず・・・・・・そう、念体のようでしたが、それが何か関係が?」

この藍の言葉に、紫はこの日初めて嬉しそうな顔を見せた。

紫「あら、それに気が付いていたなんて、流石は私の式。
   そうよ、彼女は確かに思念だけの存在・・・半意識体として幻想郷に居た。
   そしておそらく実体は眠りに就き、半意識の経験を夢として見てると考えられる。
   後は推測だけれど、心のなかの“意識でない”領域では彼女は境界を操れる・・・・・・
   という事になるんでしょうね。」

藍「無意識領域では力を有している・・・ですか。 
   つまり彼女は、現実世界で意識的にその能力を使う事は出来ないと言う事ですね。」

紫「恐らくね。 彼女が絶対的な常識から解放されたら・・・その限りではないでしょうけど。」

藍「なるほど・・・まさしくもう一人の紫様なのですね。」


975 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:26:20 ID:???

紫「フフ、ほとんどの世界の私はパトリック・ラフカディオ・ハーン・・・つまりは小泉八雲の・・・
   東洋と西洋の両方を生き、幻想を愛した随筆家の・・・その孫として平穏な一生を終えるだけの存在。
   けれど、あのマエリベリーだけは一風違ったハーンの血族の中に居る・・・。
   それが関わっているかは判らないけど、彼女の可能性については無限としか言い様がないわね。」

藍「場合によっては・・・あの方が幻想郷をもう一つ創造する事も有り得るのでしょうか?」

紫「そうなったら・・・それはちょっと面白いかも知れないわね。」

この時の紫はひどく遠い目をしていた。
幻想郷と自分、その悠久とも言える時の永さを想ったのかも知れない。
そして仮定の世界の話・・・同じだけの時間をかけて創造されるマエリベリーの幻想郷を想っていたかも知れない。

紫(その時は、今度は私が向こうに遊びに行っちゃおうかしら?)

フフッと小さく微笑んで、紫はマエリベリーが確かに存在していた空間に目をやった。
彼女の目には、忙しなく朝の準備をしている彼方のマエリベリーが見えていた。


976 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:27:22 ID:???

藍「・・・時に紫様、マエリベリー様と直接の接触を避けたのは、御二人が同一の存在である事と関係が?」

紫「ええ勿論・・・って、貴女もしかしてSBRを読んでいないの?」

藍「SBR・・・?」

紫「そう、Steel Boal Run・・・とある天才文豪の生み出した物語よ。
   その物語の中では、私と同じように並行世界を行き来できる人物が居るのだけど・・・
   とある人物が、別世界の同一人物と直接接触をした時・・・その人物は消滅してしまうのよ。」

藍「はあ・・・・・・物語の話を鵜呑みに・・・という訳ですか?」

紫「そうじゃないわ。 自分と全く同一の存在と出遭ったら死ぬ、というのは一般的に知られている事。
   西洋ではドッペルゲンガー、東洋では影のわずらいとして、ほとんど誰もが知っている御話。
   ・・・いい、ここから少しだけ大事な事を言うわよ。」


977 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:28:39 ID:???

紫「遠く離れた東と西で、全く同種の伝承が語り継がれている・・・何故こんな事が起こるのかしら?
   出鱈目であれば、何処か途中で途絶え・・・一地方単位の伝説で残れば良い方でしょうに。」

藍「・・・・・・実際に起こった事だから、ですか?」


          紫「そう、即ちそれが“真理”だからよ。」


藍「・・・・・・!」

紫「同じように伝承や文化として、人々に知られている真理が他にも沢山あるわ。
   誰もがそれを迷信や御伽噺と思い、“真理”を知っていながら認識出来ない。
   覚えておきなさい、世界の各地に存在する似たような伝承や文化には何かしら“真理”があると。」
   
それだけ言うと、紫は口を閉ざした。
それ以上は何も言わなくなったのである。
いつにない真剣な表情で語った主人に、従者も真剣にその言葉を受け止めた。
だがしかし、藍は紫の言葉の中の真理認識する事は出来なかった。
紫がこの時抱いていた危惧に、藍の思考が到達する事はなかったのだった。


978 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/16(火) 21:32:38 ID:???
これで一旦幕間となります。
以降は三杉達と同じ世界にてマエリベリー主観の話が始まります。
一応ここまでにアナカンで登場したキャラも登場します。
続きは明日以降になりますが、多分10〜15レスの間には収まると思います。

そしてよく知らんのに東方キャラを描写して全力でスミマセンでした。
恥ずかしさと不安で溢れてますが、途中からなんか脳内で変な汁が出てきました。
ワルノリってこういう時にするもんですよね。
それではまた。

979 :森崎名無しさん:2011/08/17(水) 20:17:34 ID:???
>>980なら次スレに岡山姉出演

980 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/18(木) 17:50:52 ID:???

>>179 空気を読まず投下! ・・・すみません、流石にどんな顔して書けばいいか分からないんですw
=============================================


2−1)秘封倶楽部

メリー「・・・という夢を見たのさ!」

そう言って、私マエリベリー・ハーンは今朝の夢の報告を締め括った。
おっと、話を聞かせていたのは“秘封倶楽部”の仲間であるこの2人によ。

蓮子「メリー・・・夢って言ってるけど、それじゃあそのタケノコは何なの?」

・・・と、事実に対して冷静にツッコミを入れて来たのが蓮子、宇佐見蓮子。
私と同じくK大学に通う純血の日本人。
秘封倶楽部を最初に結成した貴重な初期メンバー。
『星を見れば今の時間が分かり、月を見れば今居る場所が分かる』っていう、ちょっと気持ち悪い目を持ってる。
(まあ私の目も蓮子の事を言えた事では無いけれど、それはそれ、これはこれ。)
それなのに、時間通りに待ち合わせの場所に来た例がないのは少し不条理に思ってる。
でもそんな事は些細な事で、蓮子が一緒じゃない放課後が今ではピンと来ない。
こうしていつものカフェで一緒に過ごすのが当たり前と思える存在。
私にメリーって愛称を付けたのも蓮子だしね。

981 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/18(木) 17:51:54 ID:???

ナムリス「ボク達をからかう作り話にしてはチョット手が込みすぎてますね、メリー先輩。」

呆れたように苦笑して見せているのがナム、ナムリス・ユブンタイ。
学年は1つ下の後輩だけれど、実は年齢はもっと下・・・
去年、飛び級で私達と同じK大に編入してきた秀才だったりする。
飛び級なんか出来ちゃう秀才が、うち程度の偏差値の大学に何の用かと周囲は言うけれど・・・
私も蓮子もそういうのを気にした事はない。

ナムリスの多用な知識や調査・リサーチの正確さは、今や秘封倶楽部にとって必要不可欠。
元々の情報源だった、蓮子の表裏ルートのそれを上回っているみたいだから、きっと相当よね。
最初、蓮子はその事に地団駄を踏んで悔しがっていたけど、効率を考えて割り切ったみたい。
それに彼の人となりが不快とは対極なのも大きい。
この気難しい蓮子が心を許す数少ない人物と言えば理解も早いかな。

後は・・・親が石油王だとかそんな噂を聞くけれど真偽は不明で、私も蓮子も特に追求はしていない。
そこには興味ないし、(事実は別にして)それを鼻にかけていないという事の方が私達には余程重要。
まあそんな感じで蓮子の次くらいに、一緒に過ごすのが当たり前と思える存在。
白い肌の私、浅黒い肌のナム、その中間の蓮子・・・うん、なんだか凄く国際的でしょ?

・・・ちなみに秘封倶楽部は私と蓮子、それとナムの3人だけの霊能サークル。
けれども一般にイメージされる霊能サークルのような、除霊・降霊といった霊能的の事はやってない。
そのせいで、周囲の人間からは不良サークルと云われてたりもするけれど・・・
でも本当は色々と活動はしてる。 ・・・私と蓮子の目と、それからナムの情報を使ってね。


982 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/18(木) 17:53:09 ID:???

蓮子「だからさ、このタケノコは一体どういう事なの?」

メリー「説明した通り夢の中の竹林で拾った物よ、夢から覚めたら2人に見せようと思ってね。
     ・・・ベッドで目を覚ました時、実際手に持っていた時は流石に混乱した訳だけどね・・・。」

そうなのだ・・・夢だとばかり思っていたのに、向こうで採った物が現実に現れた。
赤い屋敷でお茶を御馳走になったり、竹林でタケノコを拾って黒い鼠の様な何かに襲われたり・・・
走ったり、空を飛んだり・・・・そうだ、色々とあった筈なのに身体は全然疲れてなかった。
夢じゃない訳がない、そう思うけれど・・・手の中にあったタケノコだけが私を悩ませていた。

メリー「ね、どう思う? これって一体何なのかな・・・夢遊病?」

ナムリス「からかっている・・・という事じゃないみたいですね。」

私が冗談めいた態度をやめて真剣に相談の言葉を投げかけると、ナムの目の色が変わった。
どうやら彼も真剣に話を受け止める気になったようだ。
蓮子は最初からそのつもりだったみたいで、硬い表情がずっと変わらない。
私の周囲、または私自身に何が起こっているのか・・・世界の仕組み全てが見えている(ような気がする)
この親友なら、少なからず混乱している私に対して何かヒントを出してくれる筈だって。
・・・この時はそういう事を期待してた。 何だか判らないけれど妙に不安な気持ちになっていたから。


983 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/18(木) 17:54:37 ID:???

2−2)Change ability of Strange Dream

蓮子「能力が“結界を操る物”に変わりつつあるんじゃないかな・・・。」

突拍子もないかとも思ったが、私は自分の考えた結論を口に出していった。
あー、やっぱり思ったとおり。 メリーはこれを聞いて目を真ん丸くしている。

メリーは『結界の境目が見える』っていう、ちょっと気持ち悪い目を持っている。
この目があるからこそ、我が秘封倶楽部は秘封倶楽部として活動が出来ているわけだが。
あ・・・つまりね、秘封倶楽部の活動って言うのは、世の中に点在している結界を暴き・・・
その結界の向こう側の世界を覗き見る事にあるの。
つまりは世界の隠された秘密を知りたい、世界の仕組みを知りたいって言う・・・
まあぶっちゃけた話、興味をそそられるからってだけで活動しているんだけどね。

前にも裏表ルートから“冥界”の写真とやらを手に入れて、
私の目で星と月から位置を割り出して、世界の秘密を暴こうとしたわ。
そう、“西行法師”で有名な“蓮台野”での話。
その時も確かにちょっと不思議な光景を見たわけだけど・・・あ、それは別のお話だったわね。

ともかく、私にはメリーの話が只の夢の出来事だなんて思えなかった。


******

一旦ここまでです、まだ続きます

984 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/23(火) 16:37:32 ID:???

蓮子(普通の人間は一生知る事のない、密やかな世界の仕組がある事を、私たちは経験している。
    だから質悪く私たちをからかおうとしているのでない限り、メリーの話は全て現実と解る。
    でなければ夢の中で拾ったタケノコが、起きたら実際にあったなんて事は起こらないし。)

色々と可能性は考えられたが、それでも私はメリーの身に起こった事実を確信していた。

蓮子(きっとメリーは夢の中で行ったんだ……結界の向こう側に。)

メリーは夢の中で秘封倶楽部の活動の一つの到達点に達していた。
それはとてもとても素晴らしく、羨ましい事だった。
そして夢の世界で拾った物が、現実でもその手の中にある…最高じゃない?
・・・けれど、これは同時に危険な事実も私たちに告げていた。

蓮子(メリーは夢の中で怪物のような物に追われたと言っていた…
    つまり“その世界”には、人間に危害を及ぼす可能性のある生物も存在していると言うこと。
    そして夢で拾った物が現実でも現れるとしたら…)

夢の中で負った傷は現実でも負う、夢の中で死ねば現実でも死ぬ。
こう考える事に対して何の疑問も生じない。
つまり秘封倶楽部がやろうとしている事は、そう言った世界に足を踏み入れるという事と同義なのだ。


985 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/23(火) 16:39:42 ID:???

・・・それから、何故メリーがこの様な不思議に巻き込まれたのか言う考察。
これについては、一つの可能性しか頭になかった。
理系ならば、もっと他の可能性も挙げて証明と反証を繰り返すべきかも知れなかった。
けれどもこの時の私はそんな事も出来なかった。
メリーだけが得体の知れない何かに巻き込まれ、何処か遠い世界の人になろうとしている…
そう考えるのが、とてもとても嫌だった。

蓮子(置いてかれたくない。)

…だからそう言った。
『能力が“結界を操る物”に変わりつつある』と、努めて冷静な声で。
不思議な力が更に不思議な力に変化する過程で起こった事件と…
メリーがまだそれを使いこなせなかったから起こった事件なのだと思いたくて。
そう、私もメリーやナムと一緒にその世界へ行ってみたいと思っているんだ。

・・・って、ちょっと私にしては重い事を考えていた。
それくらいの大事件と私が捉えていたって・・・皆には解ってもらえるかな。


986 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/23(火) 16:54:10 ID:???

2−3)此方

メリー「・・・聞いておいて何だけどさ、やっぱり夢だったんだと思う。
     だって、あんなに色々な事があって走ったりもしたのに、筋肉痛とか全然無いし。」

蓮子「そう? ・・・でもさ、現実だったらワクワクじゃない? ねえ?」

そう言うと蓮子はナムリスの方を向いて同意を求めた。
ナムリスは『全くです』と笑顔で答える。

蓮子「ほら、メリーだってそうでしょ?」

メリー「確かにそうだけどねー、なんか実感が湧かないって言うか・・・混乱してるのかな・・・」

流石に体験した当人としては胸湧く気持ちと不安の間で揺れているのか、言葉の抑揚はいつもよりも小さい。
蓮子もナムリスも普段のメリーの様子を知ってか、もろ手を上げるような喜び方はしなかった。
とは言え、内心ではこれがどれほど興奮を呼び起こす事なのかは想像に難くない。
もしも蓮子の仮説が正しければ、秘封倶楽部は新たなステージに立つ事が出来るからである。
ただ、その鍵となる当人の気持ちを置いて勝手に盛り上がる真似は彼女達には出来ない。
それだけの事であった。


987 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/23(火) 16:55:15 ID:???

蓮子「私は、さ・・・メリーの見た夢を現実にしたいな。」

メリー「え・・・?」

蓮子「多分、蓮子は結界の向こう側に行ったんだよ。 ・・・と、私は思ってるんだけどね。
    少なくともさっきのメリーの話は、私が今まで生きてきた中で、一番ワクワクする話だった。
    現実かも知れない夢を見た・・・それは夢のような現実が待っているって私に思わせた。」

メリー「蓮子・・・」

蓮子「私はメリーの夢の世界に行きたい、夢を現実にしたい。」

メリー「!」

大学生が言うと大概の人間は呆れるか失笑するような事を、蓮子は大真面目に口にしていた。
何処か冗談めいた所があり、でも行動自体は毎回超本気の蓮子。
探究心と遊び心・・・秘封倶楽部で活動する彼女が発する空気は、まるでいけない事を楽しむ悪戯っ子だった。
そんな彼女がこうしてシリアスに生の声を2人に聞かせている。
メリーにとってこんな蓮子は初めてであり、それだけに心動かされる何かがあった。


988 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/25(木) 18:52:34 ID:???

メリーと蓮子…2人の間で気持ちの整理がついていた。
蓮子の希求がメリーへと伝播し、彼女の得も言えぬ不安感を拭ったのである。

2人の様子をナムリスは外から笑みを浮かべながら見ていた。
まるでこうなる事が分かっていたかのように、ここまでのナムリスは出来る限り言葉を発せず、
存在感も可能な限り減じてきていた。
だがここでようやく彼が主体的に言葉を紡ぎ始めた。

ナムリス「メリー先輩の話が夢か現か、真偽は今の我々には知り得ません・・・。
      けれど、ボクはメリー先輩が夢の中で結界の向こう側へ行ったと考えます。」

メリー「結界の向こう側…」

蓮子「うん、私もそう思う。」

ナムリス「それが何によってもたらされたか…メリー先輩の力なのか、それとも外的要因なのか?
      ……蓮子先輩はメリー先輩の能力が変わってきていると仰っていますが…。」

蓮子「何か反証でもあるの?」

ナムリス「いいえ、非常に興味深い考察だと思います。
      問題はそれが今後の我々の活動にどのような変化をもたらすか、です。」


989 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/25(木) 18:54:06 ID:???

蓮子「相変わらず奥歯に物を挟んだ話し方をするのね…
    言いたい事、主張があるんだったらハッキリ言いなさいよ。」

ナムリスの物言いに焦れた蓮子が直球で不平を示す。
言われた側のナムリスは肩を竦めて困り笑いの顔をする。
いつもの光景である。

ナムリス「ふふ、すみません。 ではハッキリ申し上げます。
      それが100%メリー先輩の能力だと言うならば、我々の活動に変化はありません。
      今まで通り結界を暴いて行く中で、自ずと結果の方から飛び込んでくるでしょう。」

メリー「そうね、私の力だと仮定すればそうなる筈よね。」

蓮子「それじゃあ外的要因の方は?」

ナムリス「・・・研究と検証が必要になるでしょう。
      偶発的な物ならば、二度と同じ状況は有り得ないかも知れませんが。」

蓮子「はぁ……ちょっとナム、何を言いたいのか解らないんだけど?」

ナムリス「今のままの活動だけでは、我々はいずれ行き詰る……そう申しています。」

断じて告げたこの言葉は、蓮子とメリーの2人にも確かに理解が出来た。
これまで秘封倶楽部の活動は、点在する結界を暴き、覗き見る事が主体であった。
突き詰めれば、そこから得た情報から世界の隠された秘密を考察し……
世界の矛盾を解き明かす事にあった。


990 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/25(木) 18:55:07 ID:???

・・・しかし今回の事件によって、秘封倶楽部の活動は転機を迎えようとしていた。
何故ならば、結界の向こう側に行きたいという望みが発生したからだ。
覗き見る事よりも更に先の世界がある、これを彼女たちは知ってしまったのだから。

メリーの能力に100%依存する現象だったならば、なんら問題は無い。
結界の向こう側にはいずれ行けるだろう、メリーの力の変化が顕実化すれば。
だが外的要因があるとすれば、いつまで経っても結界の先に行く事は出来ない。
そこに辿り着くには、同じような偶然を待ち続けるしかないのだ。
これまでの秘封倶楽部の活動だけではいつまでも満足する事はないだろう。

メリー「解ったわナム。 貴方の言う通り、私達は今までの結果では満足出来なくなるわよね。」

蓮子「活動範囲・・・って言うか分野を広げたいという提案って事ね。」

ナムリス「仰る通り・・・ですが、そこまで深く考える必要はありません。
      既に我々は副次的にその活動へと手を染めているのですから。
      たとえば蓮子先輩・・・」

蓮子「・・・なぁに?」

ナムリス「貴女が超弦理論を研究しているのは、既存の自然物理学では証明できない事象があるからです。
      それを解き明かし、別のアプローチから世界の仕組みを知る手段が“ひも”に在ると・・・
      そう考えているのではないでしょうか?」

蓮子「・・・・・・!」


991 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/25(木) 19:08:55 ID:???

言われて蓮子はハッとした。
たしかに“ひもの研究”は、世界の仕組みを知る為に蓮子自身が選んだテーマだった。
その中では今自分達が住んでいる宇宙以外に、法則の異なる別の宇宙が膨大に存在すると仮定されている。
結界から覗き見える向こう側の世界は、その宇宙の中の一つではないかと蓮子は考えていたのだ。
まさかナムリスの口からこんな関連性を示唆する言葉が出てくるとは思っておらず、
それ故に彼女は大層驚きを示したのだった。

ナムリス「そしてメリー先輩の相対性心理学も、そして霊と肉体の関係を異なる次元で説明する物。
      ・・・同じようにボクも、自分なりの目的に沿って専攻を選びました。」

メリー「ナムの専攻って、確か超広義考古学だっけ?」

蓮子「・・・ああ、別名なんでも考古学だったわよね?」

メリー「蓮子、流石にそれは酷いわよ。」

ナムリス「ハハ、蓮子先輩の仰る通りですよ。」

蓮子「ほれ見ろ!」

ドヤ顔する蓮子と不服そうにジト目で睨むメリーを無視し、ナムリスは話を続ける。


992 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/25(木) 19:10:42 ID:???

ナムリス「超広義考古学では、古来より伝わる伝説、宗教、文化・・・
      世界の地域、物事の大小を問わず、その類似性と背景を調べています。」

メリー「それが今回の話と何の関係があるってーのよ?」

少し膨れた顔でメリーがぼやいた。
どうやらフォローしたにも関わらず、失礼な蓮子の言葉を是とした事を根に持ったらしい。
ナムリスとしては苦笑しつつ説明を続けるしかなかった。

ナムリス「・・・・・・ボクには常々不思議に思っている事がありました。
      ドッペルゲンガーという言葉をお2人は御存知ですか?」

メリー「・・・・・・馬鹿にしてんの?」

ナムリス「滅相も無い。 そう、その言葉を知らない人は居ません。
      自分と同一の存在・・・もしも出遭ってしまったら数日の内に死ぬと知られています。
      しかしこの日本でも“影のわずらい”という単語で全く同一の内容の伝説があるんです。
      その言葉の起源は鉄砲の伝来よりも遥かに昔・・・むしろ西洋文化が一般に伝わった時、
      これはドッペルゲンガーという言葉で塗り替えられてしまいましたが。」

蓮子「それが古来より伝わる伝説の類似性ってやつね?」


993 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/25(木) 19:16:17 ID:???

ナムリス「ご明察です。 遠く離れた東洋と西洋で、全く同種の伝承が語り継がれている・・・。
      何故このような事があるのでしょうか?」

メリー「偶然じゃないって言いたいのよね・・・」

ナムリス「ええ、ボクはそこに何らかの真理が隠されているのではないかと考えているのですよ。」

蓮子「真理ねえ・・・。」

ナムリスの提示した例から、超広義考古学の研究については何となく掴めた。
そこから彼が考察している事も、言葉としては理解が出来る。
・・・が、流石に突拍子もなかったのか、蓮子もメリーもここでウーンと唸りだした。

ナムリス「フフ、首を傾げるのも無理はないでしょうね。
      ちなみに今ボクが執心しているのが太極図と世界のカードの類似性です。」

蓮子「太極図と言うと・・・風水とかのアレ?」

ナムリス「はい、正確にはその源流である中国三大宗教の一つ・・・
      “道教”が示す世界の概念を示した図を指します。」


994 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/25(木) 19:17:45 ID:???

メリー「世界のカードと言うのはタロットカードの『世界』でしょ?」

ナムリス「その通りです。 いつか詳しく話す機会があるかも知れませんが、両者は驚く程似ています。
      まあボクが興味を持っている理由は、道教の最終目的が太極へと到り仙人になる事だからなのですが。」

蓮子「仙人?」
メリー「な、何を言っているの?」

ナムリス「まあ、言ってしまえば太極とは全ての始まりの宇宙。
      超弦理論で言えば、膨大に存在し得る宇宙の中でも基本となる宇宙を示します。
      実は今日のメリー先輩の話で『空を飛んだ』という単語が飛び出してから、
      ボクはずっと興奮しているんですよ・・・まさにそれは仙人の所業ではないのかと。」

蓮子「じゃあ、その・・・・・・なんだ。 ナムは結界の向こう側が太極って物だと思ってるの?」

ナムリス「その通りです、ボクはその太極へと行ってみたいのですよ・・・貴女方お2人と一緒にね。」

メリー「ナム・・・」

蓮子「ふぅ・・・つまり考えてる事は一緒って事でしょ?
    相変わらずアンタは気持ちを伝えるのが下手ねえ。」


995 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/25(木) 19:34:37 ID:???

・・・結局のところ、話は秘封倶楽部の事へと戻っていた。
メリーも蓮子も、先程2人だけで感じたシンパシーをナムリスに向けて。
取り合えず彼女等は、自分達が専攻する研究を活動にフィードバックする事を
追々考えていこう・・・と結論付けたのだった。

その後3人は結構な時間を歓談で消費した。
そして『そろそろお開きにしようか』と蓮子が口にした時、ナムリスは再び口を開いた。

ナムリス「・・・そうだ、蓮子先輩に以前からお見せしたい物があったんですよ。」

蓮子「はい・・・?」

ナムリス「ちょっとしたスポーツテストの映像なんですけどね・・・
      既存の物理学では説明できない現象が起こっています。
      超弦理論の中のハドロンで説明出来ないか、蓮子先輩に是非とも検証して頂きたいのです。」

蓮子「んー・・・別にいいけど。」

メリー「ナム、物理学じゃ説明できない現象ってどんなの?」

ナムリス「ええ、サッカーにおける・・・所謂オーバーヘッドキックの映像なんですが。
      異常に高く跳躍しているんですよ、重力を始めとした全ての力が矛盾を示す程度に。
      もちろんトリック映像ではありませんからね?」


996 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/25(木) 19:36:51 ID:???

蓮子「よく判らないけど、環境データはあるの? 温度や湿度だけじゃなくて大気組成とかもよ。
    あと対象が他のテストをしている時の映像も勿論必要だからね?」

ナムリス「御安心下さい、全ての記録がありますから。」

『明日お渡しします』・・・そう言ってナムリスは注文票を手に持って席を立った。
どうやら今日は彼が交際費を持つらしい ・・・と言うか、大概は彼が率先して払うの通例だ。
メリーも蓮子も最初は遠慮していたが、『もてなしは男の義務だ』という主張を頑として譲らないため、
悪いと思いながらも甘えているのだった。

蓮子「そーゆー所が石油王の御曹司って噂される理由かねえ?」

メリー「フフ、それは石油王に失礼でしょ、スケールちっちゃ過ぎ。」

笑い合いながら席を立つ2人。
マフラーを首に巻き、揃って店を出たのだった。
半年後にイタリア、フィレンツェの地に立つ事など、この時は2人とも考えてもみなかった。


〜To be continued〜


997 :埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/25(木) 19:41:04 ID:???

と言うわけでこのスレのお見苦しい埋めネタは終了です、ありがとうございました。
後は1000まで適当に埋めて下さるとありがたく思います。

それではパルマ戦が続く次スレでまたお会いしましょう。
・・・ちなみにこちらです。


【Forza】Another-C_7【FIORENTINA!!】

http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1313560138/l50


998 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/09/06(火) 15:24:00 ID:???
          _,,. -‐-、_
         く      ヽ,.   「キャプ森住人」に共通する
          |_(__)_囮 ;彡     見分け方を発見した
        <____.プ=彡
         イ|`'”''} `'”'^Vィ.}    それは…キャプ森住人は
           |/)ヶ    イ    タバコの煙を少しでも吸うとだな…
      ┌─;/ ハ '二'' ,/|ミrn
  <⌒\ー┘゚ / ''"ニニj" 匚'‐'_] 
   \  \ /  ",.ニニ! __>、 ̄ ̄    鼻の頭に
    ヽ_,.へ、 ノ  o| ̄/ ヾ       血管が浮き出る
    /   ゝ>  |(.o_/ ヽ


999 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/09/06(火) 15:26:38 ID:???
               ____,,,,,____
             _,.-‐',ニ=-‐-、 `ヽ、
            / (ノ/ ,.==、 ヽ、  `ヽ,
          _,.='"  /  ,_,._ ゙'  }!ir‐- 、ヽ,
       _,.-''" /,,/,,)/ ,,==≡ト  ji} ,.=、ヽ,}i_   もう次の人に
   _,.-‐''"   /,,/,,//,,     ゙´_,,    ヾ {( )  あげちゃうわッ・・・
. _,-" _,.-j   /,,/,,//   、_  / `〉 ,,=≡ } `}   このスレの>>1000〜!
ヾ_,.-' _,.-'  /  //   / `゛ー、'"    " / /} 〉
 _,.-''"_,.j  l   ヾ  /      `ゝ   ゙/ /〉/
{___,.-'/ _/ | i   }  {i       /   / /ノ丿
  ///  ハ j  }  ゞ、   /   / 〃 ソ
  {__/  {__/ 〉  丿  〃="   / 〈ソ /
       (\___/ \〃    / /〃/'"{__
       /\____丿__`ー-‐‐'" /〈ソ/ / ゝ-''"">、
   _,.-'"/   /ヽ  `ー--- / ヾ// / /  ̄  ̄\
  /  /   /  `ー----‐/ ({/ / / /       ヽ
  { /    /         { 〈{/ l  l l         }


1000 :アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/09/06(火) 15:29:52 ID:???
        ,.、,、_,,ノヽヘ.,___                   お……………
       /    ,r‐''"~  \
    ,,,ノ  入 {__ ヽ    ヽ                終わりだよ… スレは もう
   {  《  へゝ,ム,    v'ニヽ
    }i、ヽ\   { @ノ  /  、'Y! }ニ." ̄`>ー---―‐ァァ-―-、  ………………
    ヾ._、>-`  'ニ´   !  Vへ \        //     ,.l     終わったんだ……
    /トl^l@}   ,     l   }.、 ヽ ヽ      //    / l.__
    ./  l | ,}   ・ ,,r一ァ′!  / i  }  }ノ  __//  , '    \>-
   ヽ  l.|、 )、  l、/l{. ' /   '、/   /  ( ̄ ̄´l  /  何かわからないが
    ∧ !ト、  \ Y{ U  /    /   /    `}}  /! /       「1000」になったら もう
   /{ ヽィ \  `丶二/\__/  /    ,リ ハ', {     「終わり」って恐怖だけがあるんだよーーッ
  〈 ヽ   l._____lヽ.____ノ ヽ /´ \ /    /|  {  ヽ\ `丶、
    \ ヽr={二二ニニ!、 `  / Y     / |      `><乙__\ スレは もう
     〈. l._ ‐v'(0   }、ー、_()) |   /|  |    (  /´  )  終わりなんだよォォォォーーーっ!!
      V ト、 、(O   「\ヽ\  (|   / ! j    ,ノ    / /
      〈/ |! ヽ.   |  \ー-  |  ./l         {    / /|
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