キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【敵味方問わず】幻想のポイズン53【白黒判定】

1 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/07/05(火) 22:26:26 ID:???
全幻想郷JrユースのFW、反町一樹が幻想郷・外の世界のサッカー界に旋風を巻き起こすというスレです。
この話はキャプテン森崎のパラレル作品で、
東方Project(東方サッカー)とのクロスオーバー作品です。
もしかしたら他のアニメや漫画、小説などからもキャラが出たりするかもしれませんがご了承下さい。

本編のように、選択肢を選んだりカードを引いたりして物語が進んでいきます。

【前スレ】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1306255177/l50

[前スレのわかりやすいあらすじ。]
博麗霊夢・霧雨魔理沙・東風谷早苗・十六夜咲夜・魂魄妖夢という主力選手たちが離脱し戦力に不安の残っていた幻想郷Jrユース。
初戦のウルグアイを2−1で下し、次なる相手は堅固な守備と爆発的な得点力を売りにしたイタリアJrユース。
てゐとの契約によりうどんげを強化したり、試合を観戦してYFD(やっぱり・フランスは・駄目だな)と思ったりしつつ。
試合を始めてみれば、やはり強力な守備陣にてこずってしまう幻想郷。
果たして幻想郷はNo.1キーパー&DFが守るゴールを破り、勝利する事が出来るのか!?

さとり「私はいつでも体育座り」
てゐ「後悔させないよ(キリッ」
ヘルナンデス「幻想郷って見た目小さな女の子がたくさんいるんだね! ヒャッホウ!!」
リグル「おかしい……どうして……何故エースのシュートが決まらない。 さてはインチキ……!!」
穣子「なんでこんなにパスが飛んでくるのよ馬鹿ーッ!?」
諏訪子&フラン「なんだかものすごく空気な件について……」
映姫「お前ら全員有罪だからJOKER出しとく」
うどんげ「アシストつくと思ったら反則で潰された」
反町「……これが2戦目の相手とか絶対ゲームバランスおかしいだろ」

2戦目から早くもとんでもないチームと当たってしまった幻想郷!
カウンターシュートの使い手四季映姫とヨーロッパNo.1キーパージノ=ヘルナンデス。
そして高い球に強い強力なツートップを相手に勝利をもぎ取る事が出来るのか!?
そんな幻想のポイズン53スレ目、これからもよろしくお願いします。

801 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/14(金) 23:30:05 ID:???
>B.じっとしているのは得意だぜ! ここで待機して試合開始を待とう
=============================================================================
反町「(そうだな……うろちょろしてもほかの人の迷惑になるだろうし……。
    ここはじっと待機して、試合開始の時間を待とう)」

じっと待機する事には定評のある反町。
ここは観客席を動き回るよりも、席で落ち着いて試合開始を待っていようと判断した。
しかし、ただ黙って試合開始時間を待つというのも寂しい話。
せめて誰かと会話でもして試合開始までの時間を過ごそうと思うのだが……。

反町「(さて、誰と話そうかな……? リグルとチルノは大妖精とレティさんにくっついてどこか行ったし……。
    ヒューイとお空も、ヤマメにつれられてどっか行っちゃったから、ここにいるのはかなり限られてるけど……)」

A.パチュリー
B.パルスィ
C.キスメ
D.美鈴
E.メディスン
F.うどんげ
G.妖精1
H.輝夜
I.ここだ、ここで無言を貫き通しクールで渋いキャラをアピールだ

先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

802 :森崎名無しさん:2011/10/14(金) 23:30:58 ID:XUBaFgMo
H

803 :森崎名無しさん:2011/10/14(金) 23:31:07 ID:Cde/xcY6


804 :森崎名無しさん:2011/10/14(金) 23:31:07 ID:gUrlNdOo


805 :森崎名無しさん:2011/10/14(金) 23:31:15 ID:xSNcux9k


806 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/14(金) 23:41:49 ID:???
>H.輝夜
==============================================================
反町「輝夜さん、ちょっといいですか?」
輝夜「あら、何かしら?」

チームメイトとの交流もいいが、監督と意思の摺合せをしておくこともキャプテンとしては重要である。
反町はここは輝夜と話をしようと考え、輝夜に声をかけると……。
輝夜は微笑を携えながら、髪を小さくかきあげ振り向く。
その一挙手一投足が正に優雅で気品が漂っており……反町は少しだけ見惚れるのだった。

反町「(竹取物語のかぐや姫だもんなぁ……貴族たちがこぞって求婚したっていうのもわかる話だ。
    普段、試合中や作戦を考えてる時はそこまで気が回らないから平気だけど、面と向かうと少し照れるな……。
    と、それより……輝夜さんと何を話そう?)」

A.この試合の見所について話し合う
B.今日の自分たちの試合について輝夜の評価を聞いてみる
C.アルゼンチンとウルグアイの勝敗について予想をし合う
D.てゐとの取引について報告をしておく
E.次回のアルゼンチン戦の先発メンバーなどについて現段階での展望を聞いてみる
F.チーム内の情勢について話し合う
G.プロポーズする
H.その他 自由投票枠

先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

807 :森崎名無しさん:2011/10/14(金) 23:43:37 ID:gUrlNdOo


808 :森崎名無しさん:2011/10/14(金) 23:49:49 ID:aA0UUp5c
E

809 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/15(土) 00:32:11 ID:???
>E.次回のアルゼンチン戦の先発メンバーなどについて現段階での展望を聞いてみる
=============================================================================
反町が気になったのは、やはり次戦のスターティングメンバーである。
ここまで輝夜の采配に基本的に外れは無く、当初感じていた不安もある程度は解消されてきていたが……。
しかし、やはり自身の考えと輝夜の考えにズレが無いか否かは気になる所。
反町がそれについて輝夜に問い詰めると、輝夜は少しだけ苦笑いを浮かべながら返答をする。

輝夜「ある程度、固定のメンバーはそりゃ決まってるけれど……まだ確定は出来ないわよ。
   今日の試合で見なきゃわからない事もあるし、明日からの練習で伸びてくるメンバーもいるかもしれないしね」
反町「それでも、今の段階で決まってる所はあるんですよね? それを聞かせてくださいよ」

まだアルゼンチンの実際の力を見ておらず、また、明日からの練習で伸びてくるメンバーがいる可能性を考えれば。
アルゼンチン戦のスタメンを今の時点で決定するというのは不可能。
それでも、ある程度の構想は出来ている輝夜は反町に促されるまま、現時点で考えている布陣について話し始める。

輝夜「まず、アルゼンチンは事前情報によると攻撃に偏重をした超攻撃型のチーム。
   万能性を持つ永琳と、その永琳を超える攻撃力を持ったディアス君の攻撃力は……大会屈指と噂されてるわ。
   だから、これを踏まえた上でこちらが取れる手段は2つなの。
   つまり、その2人を何とかして止めて失点をとにかく抑える守備重視の布陣で行くか。
   点をどれだけ取られても、それ以上こっちが点を取って勝つノーガードの殴り合いで行くか」
反町「守備重視にしても、こっちだって点は楽に取れるんじゃないですか?
   相手の守備は脆いんでしょう?」
輝夜「今まで戦ってきた相手と比較をすれば、ね。 GKは正直言って世界レベルじゃない……ぶっちゃけ私の方が強いくらいだし。
   ただ、ガルバン君という強力なスイーパーがいるわ。 四季映姫や伊吹萃香には当然劣るけど、注意が必要な相手。
   だから、決して楽に得点出来るという訳じゃないのよ」
反町「なるほど……それで、監督は攻撃重視と守備重視、どちらで行くつもりなんですか?」

810 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/15(土) 00:33:30 ID:???
輝夜「守備重視……かしらね。 ノーガードの殴り合いだと体力勝負。
   一見すれば主要メンバーが少ないあちらが不利に思えるけど……永琳の体力は妹紅に比肩する程よ。
   逆にこっちで点が取れる選手でスタミナが不安でないのなんて、貴方とお空くらい。
   リグルもパチュリーも、スタミナは無いからね……」

それに個人的に、GKとしては守備を重視していきたいしと呟きつつ、輝夜は更に続ける。

輝夜「まずキーパーはヤマメ。 これはディアス君と永琳の一対一を警戒しての事よ。
   多分早苗がいたとしても、この試合に限ってはヤマメを先発させたわね」
反町「(ヤマメは一対一特化だもんなぁ……噂によるとディアスって奴はドリブラーらしいし……この判断は妥当かな)」
輝夜「DFは4枚。 中央、CBにはレティとにとり。 左SBは妹紅、右SBにはチルノよ」
反町「チルノ……ですか? あいつのタックルじゃ永琳さんたちは止められないんじゃ……」
輝夜「アルゼンチンにサイドアタックはあまりないらしいからね……それに、永琳達もシュートを撃ってくる。
   それを考えれば、チルノは入れておきたいわ。
   そして、MFは……ダブルボランチにヒューイとメディスンを置く」
反町「メディスンですか?」
輝夜「エースキラーの力で……あまり褒められた手段ではないけれど、最悪反則をしてでも永琳たちを止めてもらう為よ」

チルノの起用、メディスンの起用――それは少々意外ではあったが……。
輝夜の言い分も理解できる反町は納得したように頷き。
しかし、次の輝夜の発言で目を丸くして驚く。

輝夜「そして前のセントラルMF2枚だけど……ここは、静葉と反町君でいくわ」
反町「!? お……俺がMFですか!?」

811 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/15(土) 00:34:38 ID:???
輝夜「相手の中盤は、今まで戦ってきた中で間違いなくトップクラスなのよ。
   だからこそ、中盤を支配できるかどうかがアルゼンチン戦の鍵。
   けど……正直、他のMFでは永琳とディアス君を相手にするのは荷が重すぎる。 唯一対抗できるパチュリーはハーフだけ。
   なら、反町君を下げるしかない。 ……以前もMFとしての出場を自分から志願してきたのだから、問題は無いでしょう?」
反町「う……そ、それはそうですけど……でも、それじゃあ残りのFWは……」
輝夜「リグルとお空よ。 リグルは言うまでもないけど、お空の決定力はアルゼンチンに十二分に通用をするわ。
   だから、この2人。 ……まぁ、今の所はこういう考えかしらね、私は……」
反町「(お空か……確かに決定力はある、けど……。 メディスンの起用といい、今まで出してなかった選手が結構出てるなぁ。
    それに、パルスィがスタメン落ち……突破力が低下しないか、これ?)」

−J−H− Jお空 Hリグル
−−−−−
−G−I− G静葉 I反町
−−−−−
−E−F− Eヒューイ Fメディスン
C−−−D C妹紅 Dチルノ
−A−B− Aにとり Bレティ
−−@−− @ヤマメ

※現段階での輝夜のアルゼンチン戦のスタメン構想です。今後、変化をする可能性があります。

輝夜「で、どうかしら? 私の構想は? 何か意見、ある?」

言いたい事は全て言ったと言わんばかりに、輝夜は笑みを浮かべながら試すように反町を見やる。
反町はといえば、脳内で今言われた輝夜のスタメンをフォーメーション図に直しながらしばし考えていたのだが……。

812 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/15(土) 00:35:39 ID:???
A.「いいと思いますよ。 何も文句ないです」 輝夜の構想を肯定する
B.「サッカーは点の取り合いですよ、守備重視より攻撃重視でいきましょう」 守備重視より点の取り合いでゲームを制そうと提案する
C.「パルスィがいないのは突破力的に拙いですよ、どこかにパルスィをねじ込みましょう」 パルスィの出番を確保する
D.「リグル1人でも点は取れると思いますけど? お空を外してワントップにしましょうよ」 ワントップにするよう提案する
E.「俺がMFなど認めん! 俺はストライカーなのだ!」 自身のMF出場を認めない!
F.「もう前半からパチュリーさん使いましょうよ、パチュリーさん」 パチュリー使おうぜ!
G.「監督が出てくださいよ。 見せてくださいよ、カリスマセービング」 輝夜の出場を促す
H.その他 自由投票枠

先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

813 :森崎名無しさん:2011/10/15(土) 00:38:02 ID:RkoJ6GPg


814 :森崎名無しさん:2011/10/15(土) 00:41:59 ID:j6oXEf/E


815 :森崎名無しさん:2011/10/15(土) 00:43:14 ID:8MdqVYNA
A

816 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/15(土) 00:44:48 ID:???
Aで決定した所で、本日はひとまずここまで。
次回はいよいよアルゼンチンの天才とブラックファルコンさんが対決……かな?
それでは、お疲れ様でしたー。

817 :森崎名無しさん:2011/10/15(土) 00:48:46 ID:???
乙でしたー

818 :森崎名無しさん:2011/10/15(土) 00:50:07 ID:???
乙でした〜

819 :森崎名無しさん:2011/10/15(土) 00:51:59 ID:???
ポイゾナス乙じゃあ

820 :森崎名無しさん:2011/10/15(土) 01:03:33 ID:???
乙でした

さーて練習期間どうすっかなー

821 :森崎名無しさん:2011/10/15(土) 16:32:39 ID:???
ディアスは何点くらい取るかなー

822 :森崎名無しさん:2011/10/15(土) 23:25:51 ID:???
ブラックファルコンは何やらかしぐらいするかなー

823 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/15(土) 23:35:31 ID:???
>A.「いいと思いますよ。 何も文句ないです」 輝夜の構想を肯定する
=====================================================================
今まで出していないメンバーをスタメンに抜擢するというのには若干の不安を抱くものの……。
しかし、輝夜の狙いや意図は的外れなものではなく。
また、今まで出番を得られなかったお空やメディスンが予想以上に発奮し活躍をしてくれる可能性もある。
反町が輝夜の構想を肯定すると、輝夜は何とも嬉しそうに笑みを浮かべ、うんうんと頷く。

輝夜「ま……この試合を見て、細かい所は変えていくかもしれないけれどね。
   ただ、作戦の根本はきっと変わらないわ」
反町「(なんだかんだで、ちゃんと監督業してるなぁ……輝夜さん。 最初は不安しかなかったのに)」

当初代表の監督に輝夜が就任すると決まった時こそ驚いたものの。
合宿が始まり、大会が始まってみれば――意外にとも言うべきか、輝夜はちゃんと試合の組み立て方などを考え采配を行ってきていた。
選手としては二流でも監督としては一流だ、と彼女は自ら言っていたが……。
もしかしたら、その発言も決して嘘ではないのかもしれない。

反町「(……まぁ、実際選手としてはお世辞にもいい選手とは言えないしなぁ)」

こうして反町と輝夜が次戦のスタメンについて話し合っていた間にも時間は流れ。
やがて観客席を回っていたヒューイ達が戻ってくるとほぼ同時に、試合開始時間となり。
両チームの選手達がフィールドへと現れると同時、観客席からは一斉に歓声が漏れ始める。

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

リグル「うー……やっぱりうるさいなぁ〜。 耳が痛くなるよ」
メディスン「だけど、昨日のフランス戦よりはだいぶマシじゃない?」
輝夜「この試合戦う両チームは、どちらも南米の国だからね。 ここヨーロッパまで応援に来ている人は少ないからじゃないかしらね?」
反町「(そういや南米国同士の争いなんだなぁ……ここにブラジルがいれば、正に南米の三強揃い踏みって感じか)」

824 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/15(土) 23:36:56 ID:???
輝夜の言うように、本日第二試合――アルゼンチン対ウルグアイというこの試合は、南米の強国同士の試合。
ここヨーロッパでは応援をする者も少ない為か、昨日のフランス戦のそれに比較をすれば騒音は抑えめであるものの。
逆にJrユースレベルとはいえ、南米のサッカーを見れるという事で純粋なサッカーファンは期待をしているのか。
歓声が少ないという事はまるで無かった。

そして、フィールドに現れた両チームの選手達はといえば……お互いがお互いを睨み合いながら行進をし。
静かに闘志を燃やし、火花を散らせていた。
同じ南米のサッカー強豪国として、この1戦を落とすのは両チームとも避けたい。
そういう意味では、この試合は両チームにとって決勝トーナメントに進む為のいち試合という話ではないのだった。

ビクトリーノ「(いつまでもブラジルやアルゼンチンだけにデカい顔はさせられねぇ……!
        この試合で勝って……ウルグアイのサッカーがアルゼンチンに負けてねぇ事を証明してやる!!)」

特にウルグアイキャプテン、ラモン=ビクトリーノの意気込み――この試合にかける執念は凄まじかった。
ウルグアイも南米の強国と言われるだけの実力、実績を積んできた国ではあるものの……。
しかし、ブラジルやアルゼンチンよりはどちらかといえば格下と見られがちな国である。
その事実は、Jrユース世代でとはいえウルグアイを代表する選手となったビクトリーノも十二分に理解していたのだが……。
だからといって、それをそのまま受け入れられる程、彼は物分りもよくなければ諦められる性分でもなかった。
故に、彼は今日この試合でアルゼンチンに勝ち、ウルグアイが決してアルゼンチンの格下ではないという事を証明しようとしていたのである。

ディアス「〜♪ 〜♪」

一方、アルゼンチンキャプテンのファン=ディアスはといえば……そんなビクトリーノの思惑を知ってか知らずか。
アップテンポな鼻歌を歌いながら行進をしていた。
その姿は後ろに続くアルゼンチンメンバーの危機迫る表情とはまるで違い、そんなディアスの態度が一層ビクトリーノの神経を逆なでする。

パスカル「おいおいディアス、真面目にやれよ」
ディアス「試合が始まればな〜♪」
ビクトリーノ「(ふざけやがって……! 見てやがれ! すぐにその恍けた顔を泣きっ面に変えてやる!)」

825 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/15(土) 23:37:56 ID:???
萃香「おっ、敵さんのキャプテンはいい性格してるね〜。 試合を心から楽しむって事をわかってそうだ〜」
勇儀「いいねぇ、気に入った! 薬師ぃ、お前いいトコに派遣されたねぇ!!」
永琳「……貴方達も、相変わらずいい性格してるわね……」

そんな両チームの対立に関係なく、至って普通に会話をしていたのはそれぞれのチームに派遣をされた選手達。
ウルグアイに派遣をされた伊吹萃香、星熊勇儀、射命丸文。そして、アルゼンチンに派遣された八意永琳であった。
彼女たちには両国の諍いなどは殆ど関係ないのだから、これも当然の事と言えるだろう。

萃香「つっても、私たちだって今日の試合がこいつらの大切な誇りがかかった試合だってのはわかってるんだ。
   お前さんたちにゃ悪いが、今日は白星を貰うよ!」
文「(決勝トーナメントに上がりませんと、記事も思うように書けそうにないですし……。
   勝ち点は稼ぎませんとね)」
永琳「あらあら……こちらには私しか派遣選手がいないのだから、少しくらいは手加減してほしいのだけど……」
勇儀「無論最初から杯は捨てないさ! それは私の意地だしね!」
萃香「私も〜。 後半にならんと酔い回んないしね〜。 でも、前半だってそこそこ本気でやっちゃうさ〜」

しかし、それでも両者ともに負けるつもりは毛頭ない。
幻想郷戦においてビクトリーノの事を多少なりと認めた鬼の2人は、彼の誇りを守る為に自らに出来る範疇で力になろうと考えていたし。
文は文でここで負けては記事もまともに書けやしないと、いつになく真剣である。
それに対して永琳は微笑を携えたままやんわりといなし……そうこうしている間に両チームキャプテン立会のもとコイントスが行われ。
結果、アルゼンチンがボールを――ウルグアイが陣地を取る事となる。

826 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/15(土) 23:38:58 ID:???
ビクトリーノ「いくぞ、みんな! ここで勝って、俺たちの力を見せつけてやろうぜ!!」
ウルグアイメンバー「「「「おう!!」」」」
ディアス「おーおー、力んじゃってまぁ……」

ポジションにつくなり、チームメイトたちを鼓舞するビクトリーノを見ながらにやにやと笑み、センターサークルに立つディアス。
その横に立つ永琳は……やはり微笑を浮かべ、ディアスの肩に手を置き呟く。

永琳「ウルグアイの弱点は以前も言ったように前半に弱い点。 ……最初からフルスロットルで行って頂戴」
ディアス「とーぜん。 んじゃ、第1試合の幻想郷とイタリアの試合じゃ、ソリマチってのがハットトリックしてたし……」

永琳の言葉に返答をするディアスは、そこでふと言葉を止め……ニィ、と口を吊り上げ嫌らしい笑みを浮かべてから続きを吐いた。

ディアス「俺はダブルハットトリックでも目指すとしますか」

===========================================================================================
ひとまずここまで。
ここからしばらくNPCシーンが続きます。ご了承ください。

827 :森崎名無しさん:2011/10/16(日) 00:06:30 ID:???
乙でしたー

さて、見せてもらおうか
アルゼンチンの天才の実力とやらを

828 :森崎名無しさん:2011/10/16(日) 00:50:38 ID:???

ウルグアイ完敗だな

829 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/16(日) 01:20:01 ID:???
ジョン「さぁ〜! 本日第一試合、幻想郷対イタリアが終了し!
    いよいよ第二試合、アルゼンチン対ウルグアイの一戦が始まろうとしています!
    この両チームはどちらも南米からの招待国!
    かたや幻想郷に惜しくも敗北をしたものの、その驚異的な攻撃力の強さと鉄壁の守備は並大抵のものではないウルグアイ!
    一方、未だ試合は無く天才と称されるファン=ディアス選手の実力も未知数であるアルゼンチン!
    南米の強国同士の対決は、果たしてどちらに軍配が上がるのか!?
    両チーム、コイントスを終えそれぞれのポジションへと散らばり、今か今かと試合開始を待ち構えています!
    さて、それではここで両チームのフォーメーションを紹介しましょう。

    ウルグアイJrユースは、前回幻想郷戦と同様、4−4−2の形!
    本来はGKである伊吹萃香選手は、やはり前半はDFとしての出場となっています!
    GKとしても凄腕である萃香選手は、DFとしても正に鉄壁!
    アルゼンチンがこの強固な壁を一体どのようにして突破するのか、注目をしたい所です!

    一方アルゼンチンは、同じく4−4−2のフォーメーションとなっております!
    ただし、中盤にボランチはおらずやや中央のスペースが空いているのが気がかりといえば気がかりですが……。
    その前の位置には幻想郷が誇る天才プレイヤー、八意永琳選手がいます!
    オフェンス、ディフェンス、両面で圧倒的な技術力を持つ永琳選手がセンターに立つアルゼンチン!
    全ての統率は彼女が行うと考えれば、この布陣での守備力の低下は心配いらないでしょう!
    そして、トップ下に立つファン=ディアス選手! マラドーナ二世とまで噂される彼の実力はいかなるものなのか!?
    実に楽しみな試合であります!」

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

830 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/16(日) 01:21:02 ID:???
観客「んー、順当に考えればアルゼンチンの方が強そうだけど……」「ウルグアイにも強い選手がいっぱいいるからなぁ……」
  「魔王様が1点しか取らせてもらえなかったもんな、昨日の試合」「パチェさんだって全然活躍させてもらえなかったもんな……」
  「パチュリーは関係ないだろ! 訴訟も辞さない!!」「なんにせよ、こりゃ見ものだぜ。 どっちが勝つのかわかんねぇもん」

反町「……両チーム共、4−4−2か。 まぁ、スタンダードな形だな……」
うどんげ「お師匠様……大丈夫かなぁ。 鬼に吹き飛ばされたりとか……」
輝夜「吹っ飛ばされようが何しようが死にゃしないし大丈夫よ。 さぁて……それじゃあ皆、よく見ておきなさい。
   私も噂では永琳以上の強者だって聞いてるけど……ディアス君がどれ程の実力者なのか、開示されてる情報は少ないんだから」
ヤマメ「パルスィ以上のドリブラーなんて……信じられないんだけどね……」
パルスィ「妬ましい……! 私以上のドリブラーなんて存在する訳ないでしょう……!!」
ヒューイ「(それを止められれば、もっとレギュラーに定着出来るよね〜)」
反町「(天才、ファン=ディアスか……どれ程の実力者なんだろう……)」

アルゼンチンJrユース 4−4−2
−−−−−
−J−H− Jブラウン Hパスカル
−−I−− Iディアス
E−G−F Eパルス G永琳 Fジェイテス
−−−−−
D−−−C Dガレヤ Cセンベロ
−B−A− Bバサロ Aガルバン
−−@−− @ガルトーニ

ウルグアイJrユース 4−4−2
−J−H− Jビクトリーノ H勇儀
−−−−−
I−−−F Iキオソーネ  F文
−G−E− Gミャウザー Eビルト
−−−−−
A−C−B Aリラダン Cチュレビー Bバージェス
−−D−− D萃香
−−@−− @カノーバ

831 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/16(日) 01:22:06 ID:???
ピピィーッ! バッ!!

ジョン「さぁ〜っ! 審判の笛が鳴りました、いよいよ試合開始……っと……あ、あぁぁぁ!?
    こっ、これは……いったいどうした事かぁ!?」

反町「えぇっ!?」
パルスィ「パ、パル……!?」

ヘルナンデス「んな無茶な……あっという間に囲まれるぞ!?」
映姫「(それがわからぬ程の愚者……という訳ではないのでしょうが……ふむ……)」

こいし「意表を突くのが狙い……とか?」
ピエール「どれだけ意表を突かれても、四方を囲まれてしまえばどうしようもない……」

ダダダダダダダダダダダッ!!

ビクトリーノ「つ、突っ込んで……馬鹿かコイツ!?」
勇儀「面白い! やっぱり勝負は正面からの方が楽しいからね! さぁ、おいで! 駄目になるまで遊んでやるよ!」
ディアス「(遊ばられるのはお前らさ……!)」

審判の笛が鳴り、試合が始まると同時……永琳から渡されたボールを持ったディアスは。
なんとそのまま一旦サイドにボールを預けるでもなく、後ろに渡して溜めを作るでもなく。
自身がボールを持ったまま、ビクトリーノらが待ち構える正面を直進してきたのである。
その無謀さに実況席も、そして観客席の者たちも一同声を揃えて驚きの声を上げ。
対応するビクトリーノも目を丸くするも……しかし、即座に対処しようとサイドから駆けてきた文、キオソーネ。
そして自身と勇儀、4人揃ってディアスを囲み一気にボールを奪おうと挑みかかる。

832 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/16(日) 01:23:06 ID:???
ビクトリーノ「ボール……貰ったぜ!!」
ディアス「(スピードばっかで狙いがバレバレなんだ……よっと!)」

バシッ! ポーンッ!!

ビクトリーノ「!? ヒールリフト!?(いや、まだ3人いる! ボールが落ち始めた所を狙えば……!)」

真っ先にディアスの足元からボールを奪い取ろうとしたビクトリーノのスライディングタックルは……。
しかしあっさりとディアスに見抜かれており、ディアスは軽くヒールリフトをしていなす事に成功。
だが、それでもビクトリーノはボールを奪い取れるとほぼ確信に近い自信を持っていた。
ヒールリフトは一旦ボールを自身から離す以上、もう一度足元に置くのに隙が出来る。
もしも後に控えるのが1人や2人だけならば、それでも辛うじて突破する事は出来るかもしれない。
しかし、ビクトリーノの他にディアスのボールを狙っているのは3人。
この包囲網を抜ける事は、ドリブルに自身を持つビクトリーノですら容易ではない――というより、不可能に近い。

だが、ビクトリーノは知らなかった。

ダダッ!

勇儀「貰ったアァ!」
文「いただきです!」
キオソーネ「浅はかなんだよ!!」
ディアス「貰った? いただき? 浅はか? ……寝言は寝ていいな!」

キュバッ! ポーンッ!!

勇儀「……は?」

ファン=ディアスは、彼の持つ常識では計り知れない程の天才だという事実を。

833 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/16(日) 01:24:08 ID:???
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?

ジョン「あっ……な……なっ、なんだこれはぁぁぁぁぁぁ!?
    ディ、ディ、ディアス選手……ボ、ボールを奪われたかと! 誰もが思った、誰もが思ったその瞬間!!
    勇儀選手らがプレスをかけた瞬間!! 空中で浮くボールを、もう一度ヒールで持ち上げたァァァアア!?
    ボールはそのまま勇儀選手らの頭上を越し、高く高く……高く、そして前に伸びて……ディアス選手、その元へ走る!!
    こっ、こんな技があるのかァァァァァアアア!?」

観客「す、すげぇ……!」「え? なになに? 何が起こったんだ?」「速すぎて何も見えなかった……」
  「あいつが2回ヒールリフトをしたんだよ!!」「……またまたご冗談を」「どういう事なの……」

反町「ヒ、ヒールリフトを……2、2回連続で……」
リグル「え? あれってそんなに凄いの?」
パルスィ「………………」

ディアスの二度目のヒールリフトは、実況席や観客席の者たちの度胆を抜くには十分なものであり。
相対していた勇儀たち……そして、倒れこむビクトリーノは唖然とした表情でディアスの背中を見やる。
ヒールリフトを二度連続でやる――それは、言葉にしてみれば実に簡単なもの。
だが、実際にやるとなれば話は違う。
そもそもヒールリフトという行為自体が、隙が多く下手なプレイヤーならばそのまま敵に取られてしまう事もある技なのだ。
それを実戦で使えるようになるまで高度を調節し、精度を磨き、タイミングを計るだけでも才覚は必要となる。
そして、それを2度続けてやるとなれば――そこには圧倒的な天才的センスが必要となる。
練習でならばいざ知らず、実戦では敵は常に動くのだ。
ヒールリフトで逃れた先でもう一度完璧にヒールリフトを決める――動くボールを正確に踵で浮かし。
相手の頭上を越す高さを維持し、そしてただ浮かせるだけでなく自身も突破をするだけの体勢を保つというのは……。
並大抵の実力者では出来ない。

このワンプレイは、ファン=ディアスが並大抵の選手ではないという事の証明となり……。
そして、次のプレイで観客たちはその認識の過ちを知る。

834 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/16(日) 01:25:08 ID:???
パスカル「(おいおい、この程度で驚いてもらっちゃ困るぜ。 なぁ、ディアス……)」
永琳「(さて、大暴れしちゃって頂戴、ディアス君)」

ダダダダダダダダダダダダッ!!

萃香「こんのっ……! いいようにやってくれるじゃないか!! でもねぇ、そんなに遠くに蹴りだして拾えるとでも思ってんのかい!!」
ディアス「(上手い具合に釣り出されてくれたな〜。 ここまで計算通りに行くのは逆に怖いかも〜なんつって)」

ディアスの2度目のヒールリフトで浮かび上がったボールは、1度目のそれよりもかなり飛距離があった。
つまり、飛距離があるという事はそれだけディアスからボールが離れていた事となり……。
それだけの時間があれば、DF達がボールの着地点に移動をする事も決して難しいものではない。
実際、ディアスの蹴ったボールの着地点にはスイーパーである萃香、チュレビーが待機し。
ディアスと競り勝ちここでボールを奪おうとする。
その考え自体は、決して間違ったものではない。
ディアスの体格は大柄とは言えないものであり、フィジカルに自信を持つ萃香ならば簡単に競り勝つ事が出来ただろう。
だが、それはあくまで――これが競り合いの勝負になっていたら、の話である。

ヘルナンデス「……そうだ、こうなるのが目に見えている! ダブルヒールなどという無茶な技……。
       僕らJrユースの世代で物に出来る筈が無いんだ! ボールをコントロールできる筈が……!」

ディアス「……よっと」
萃香「はァ!?」

誰もがディアスの無謀な挑戦はここで終わりかと思ったその瞬間――。
ボールが最高度まで到達しようかというその瞬間、ディアスは不意に着地点と思しき場所から一歩、二歩と下がった。
これを見て、萃香とチュレビーの両者は――そして、この試合を見守っていた観客たちは何をしているのだろうと首を傾げ……。

835 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/16(日) 01:26:14 ID:???
ギュルルルルルルルルルルルルルルルゥゥゥゥゥッ!!

萃香「はァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?」
ディアス「あーらよっ、出前3丁〜!!」

バシィッ! ポーンッ!!!

最高度まで到達した瞬間、急降下してきたボールは丁度ディアスの背後へと正確に落ち。
これをディアスはノールックで今一度踵で蹴り上げ、唖然とする萃香たちの横をすり抜けた。
もはや観客も……そして対戦相手であるウルグアイの面々までも、何が起こっているのかわからない。
何故ボールが、このような不可思議な落ち方をしたのか……そして、ディアスは何故それがわかっていたのか。
いや、理解していた者たちもいたのかもしれない。
だが、彼らはそれを理解したくてもしたくなかった――納得をするのが、怖かった。

反町「嘘、だろ……? まさか……ヒールリフトで……2度目のヒールリフトの段階で……ドライブ回転をかけてたのか!?」

ピエール「馬鹿な……! そんな事……プロでも出来る奴なんていない……!!」

ヘルナンデス「まさか……そんな……! み、認めない……僕は認めないぞ……!!」

リラダン「うっ……うわあああああああああああああ!!」
バージェス「止まれェェェェェェェエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!」
ディアス「お前たちじゃ……ちょっと役不足だ」

バシィッ! ポーンッ!!!!

もはや破れかぶれとなるしかない最終ラインのDFは、再び空中で繰り広げられたヒールリフトであっさりと抜き去られる。
しかし、こんなに簡単に抜かれる彼らを非難するのは、筋違いである。
今の彼を止める事は……例えプロの選手であろうとも、出来るかどうかわからないのだから。

836 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/16(日) 01:27:14 ID:???
カノーバ「くそっ! くそっ! くそおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

バッ!!

ディアス「とどめに……ちぇいりゃっ!」

パンッ! ポーンッ!!

GKのカノーバが決死の覚悟で飛び出し、ボールの落ちてくる瞬間を見極めボールを確保しようとする。
だが、それもまた――ウルグアイにとっては残念な事に、徒労へと終わる。
カノーバがボールに触れるより前、ディアスはなんと自身が飛び跳ねて自ずから空中のボールへと接近。
そのまま5度目の――最後のヒールリフトを決め、浮いたボールはループシュートに近い軌跡を描き。
カノーバが地に倒れる最中、あまりにも綺麗にゴールネットへと吸い込まれた。

パシュッ…… スタッ

ディアス「ハッハァー!! 見たかァ!! 俺が天才、ファン=ディアスだァァァ!!」

ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!

アルゼンチンJrユース 1−0 ウルグアイJrユース

837 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/16(日) 01:28:35 ID:???
ジョン「あっ……なっ……こっ……こっ……こっ、これは……これは……なんといったらいいのか!?
    申し訳ありません!! 今、言葉が……言葉が出てきませんッ!!!!
    とにかくっ! とにかく、ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオルッ!!!
    試合開始……僅か、1分! たった1分で、あまりにもあっさりと点が入ってしまったぁぁ!?
    アルゼンチンッ!! ファン=ディアス君が……あまりにも! あまりにも圧倒的過ぎる個人技で、
    一気にゴールまで駆け抜けたァァァア!?
    私は夢を見ているのでしょうか!? こんなプレー、こんな技……こんな選手!! 見た事がありませんっ!!
    これが、これが……!? これが、天才! 天才、ファン=ディアスなのかあああああああああっ!?」

ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!

観客「あ、ありのまま今起こった事を話すぜ……!? 俺は試合が始まったと思ったら、いつの間にかアルゼンチンがゴールしていた!
   な、何を言っているのかわからないと思うが、俺も何をされたのかわからなかった……。
   魔王だとか橋姫だとかそんなチャチなもんじゃ断じてねぇ……もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……」
  「いや、魔王はいい勝負してると思う。ふつうに」「いやでも……いやでも、こっちの方が凄いと思うぞ!? 多分!!」
  「ウルグアイェ……」「あれが本当にJrユースのプレイかよ……!?」

838 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/16(日) 01:30:17 ID:???
反町「な、なんなんだ……! なんなんだあいつは!?」
ヒューイ「……ねぇ、あの10番(ディアス)。 最初にヒールリフトをしてから……一度もボールを地面に落としてないよね?」
美鈴「そ、そういえば……! 確かに、そうですよ!!」
レティ「4人に囲まれた状況からダブルヒールで突破し……ドライブ回転をかけた2度目のヒールリフトで萃香達をけむに巻き……。
    後は有象無象を、好き勝手料理した……って感じだったわね……」
輝夜「(永琳……あなた……とんでもないのを見つけた上、よくもまあこんな化け物に仕立て上げたわね……)」
うどんげ「こ、これに師匠まで加わるとか……う……嘘でしょ……!?」
メディスン「そっか……アルゼンチンはあの10番だけじゃない。 ……永遠亭の薬師もいるんだ」

このディアスの一連のプレイを見た観客たちは、即座に気づいた――気づかされた。
彼は並大抵の選手ではない――というレベルなのではない。
何十年……いや、何百年に一度と言えるレベルの選手なのだと。
彼は間違いなく天才だった――誰がどう見ても、天才と言うしかない選手だった。

しばし誰もが騒然としながらディアスについて口々に話していた折、不意にパチュリーが冷静に……。
しかし、どこか熱意の籠った声色で呟く。

パチュリー「……以前、書物で見た事がある。 ……外の世界には、ほんの一握……サッカーの神に祝福されたプレイヤーがいると。
      ありとあらゆるサッカーの戦術……ありとあらゆるサッカーの常識を。
      その類まれなるセンスと、持って合わせた独創性――そして、確かな技術で無に返し。
      全ての試合で主役となる為に生まれてきた存在があると……」
妖精1「は……博麗の巫女みたいなもん!?」
パチュリー「霊夢とは意味合いが違う。 霊夢はあくまでも相手の能力を打ち消すだけ。
      だけど、彼らは相手を打消し、自らの力で状況を作り出す――人は、彼らをこう呼ぶわ……」

ヘルナンデス「ファンタジスタ……!!」

839 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/16(日) 01:31:31 ID:???
諏訪子「(あ、あんなもん見ちまったら……早苗また常識無くしちまうんじゃないかな……!?)」
映姫「なんという……あんな選手が……存在するのですか……」

ナポレオン「ざけんな! 何がファンタジスタだ……!! あんな奴……!」
ピエール「落ち着け、ナポレオン! ……なんという事だ。 アルゼンチンのファン=ディアス……確かに噂には聞いていたが……」
こいし「お……お姉ちゃん……! 勝てるよね……!!」
さとり「………………」

誰もが口々に叫び、或いは嘆き――そして、怒りを露にしていた。
それだけのものが、彼の……ファン=ディアスのプレイにはあった。
人々をいい意味でも悪い意味でも騒然とさせる事の出来る、一握の人間――ファンタジスタ、ファン=ディアス。
彼の伝説は、この時から始まる。

パスカル「ナイスゴール、ディアス! まず1点だな」
ディアス「ああ、うーん……ダブルハットトリックまであと5点か〜。 さーてと、次はどうやって点を取ろうかな〜」
永琳「(………………)」

ビクトリーノ「く……う……ま、まだまだ! まだまだ試合は始まったばかりだ!!
        出会いがしらの失点くらい、すぐ取り返すぞ! みんな!!」
ウルグアイメンバー「「「お、おう!!」」」

永琳「(牙を殺ぐにはまだ足りない……より一層、攻撃が必要ね……)」
===================================================================================
>>827-828 どうも乙ありがとうございますです。
そして、ディアっさんがスカイダイブ的な何かをした所で本日はひとまずここまで。
続きは明日以降書かせていただきます。それでは〜。

840 :森崎名無しさん:2011/10/16(日) 02:46:34 ID:???

ウルグアイは何点取られることになるのやら

841 :森崎名無しさん:2011/10/16(日) 22:32:42 ID:???
33-4

842 :森崎名無しさん:2011/10/16(日) 22:39:33 ID:???
>>841
翼「リグルが全力を出せばその倍は点を取れるな」

843 :森崎名無しさん:2011/10/16(日) 23:04:36 ID:???
三杉「君は何を言っているんだ」

844 :森崎名無しさん:2011/10/16(日) 23:11:11 ID:???
33-4で検索してみよう(提案)

845 :森崎名無しさん:2011/10/16(日) 23:12:47 ID:???
なんでや!阪神関係ないやろ!

846 :森崎名無しさん:2011/10/16(日) 23:19:52 ID:???
おいおい、ポイズンさんはタイガースファンなんだぞ

847 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/17(月) 00:24:09 ID:???
>>840
どうも乙感謝ですー。それでもブラックファルコンなら……ブラファルさんならなんとかしてくれる!

>>341-343
リグル「ディアスがダブルハットトリックなら私はイレブンハットトリックだ(キリッ」

>>844-846
ピエール「負ける気せぇへん、地元やし」

さて、本来ならば続きを書きたかった所なのですが……。
本日はちょいと地元であった東方のイベントに初参加をしてきていたので慌ただしく。
ちょっと疲れちゃったのでお休みとさせていただきます。
イベント参加で気力だけは補充出来たから明日からはまたバリバリ頑張るよ!
ついでに戦利品うp。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2148903.jpg.html
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2148944.jpg.html
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2148975.jpg.html
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2149013.jpg.html

それでは〜。

848 :森崎名無しさん:2011/10/17(月) 00:29:11 ID:???
乙なのかー
明日にはブラックファルコンの新技ブラックファルコンダイブ(笑)が見れるかなー?

849 :森崎名無しさん:2011/10/17(月) 00:38:22 ID:???
>>847
2枚目と3枚目同じ画像じゃないですか?

850 :森崎名無しさん:2011/10/17(月) 00:55:27 ID:???
乙でした
ポイズンさんの趣向がなんとなくわかったw

851 :森崎名無しさん:2011/10/17(月) 10:48:59 ID:???
ディアススゲーな
ドリブル値反町のシュート値くらいあるんじゃね?

全盛期の

852 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/18(火) 01:07:53 ID:???
>>848
スキル・ブラックファルコンダイブ(接触プレイ時、クラブで敗北した場合相手の反則に出来る。
                     ただし相手との差が2以上の場合自身の反則)
>>849
うっかりしてますた。3枚目はこっちになります。
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2149003.jpg
>>850
美鈴と咲夜さんのものはとりあえず買い。無条件で買いです。
>>851
全盛期の反町伝説
・1試合5得点は当たり前、3試合8得点も
・反町にとってのパスはシュートの打ちそこない
・後半45分100点差、チームメイト全員負傷の状況から1人で逆転
・一回のシュートでボールが3個に見える
・フィールドに立つだけで相手GKが泣いて謝った、心臓発作を起こすGKも
・GKを一睨みしただけでシュートがゴールに飛んでいく
・試合の無い休日でも2得点
・足使わずに手で打ってたことも
・自陣ゴール前からシュートなんてザラ、(蹴ったボールが地球を)2周することも
・シュートブロックしようとしたDFと、それを受け止めようとしたGKの選手ともどもゴールさせた
・グッとガッツポーズしただけで5点くらい入った
・シュートでハリケーンが起きたことは有名
・湾岸戦争が始まったきっかけは反町のオータムドライブ
・ボーリングの球を楽々シュートしてた
・自分のシュートに飛び乗ってスタンドまで行くというファンサービス
・反町のスイングによる衝撃波で体が真っ二つになったGKがいた
・反町と目が合った投手は失点100000と同等のショックを受けた。廃人になった者も
・反町がゴールと言えばゴールに
・反町の試合のときだけ犯罪率が下がる
・流れ星の正体は反町のシュート

それでは遅い時間ですが更新していきます。

853 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/18(火) 01:09:15 ID:???
ジョン「さぁ〜、ディアス選手の超絶的な個人技が炸裂し……前半僅か1分、アルゼンチンが既に1点リードという展開となりました!
    しかし、ウルグアイも当然まだ負けた訳ではありません!
    前半僅か1分で1失点をしたという事は、残り時間にまだまだ余裕があるという事!
    攻撃力にも自身を持つウルグアイならば、当然ここから同点、逆転に持っていく事も可能であります!
    まだまだ試合の結果はわかりません!」

ピィーッ!!

ビクトリーノ「(ったり前だ! こっちもさっさと1点返して流れを取り返してやる!
        その為にも、ここは……)アヤ、行け!!」
文「あややや、お任せ下さい! きっちりかっちり運んでみせますので!」

会場のムードも、フィールド上の雰囲気も、完全にディアスに飲まれかけているこの状況。
しかし、それでもビクトリーノは諦めず……まずはこの1点を速攻で取り返す事に集中していた。
悔しい事に認めるしかないが、ビクトリーノ個人の実力はファン=ディアスには及ばない。
だが、それでもこの試合にまだ負けた訳ではない。
アルゼンチンがディアスのワンマンチームだとするならば、幾らでも付け入る隙があると――。
ビクトリーノは懸命に自身を鼓舞しつつ、右サイドの文へとパスを送る。

文「さぁ〜、まずは楽々と1点を取り返させていただきますよ〜!」

シャシャシャシャッ! ダダダダダダダーッ!!

ブラウン「うっ……!」
パルス「どこへ行こうと言うのかね!?」

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

854 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/18(火) 01:10:15 ID:???
ジョン「あ〜っとぉ! 速い速い、文選手、右サイドを悠々と……そして、高速で突破していきます!
    そうです、アルゼンチンにディアス選手がいるならば幻想郷には――ウルグアイには射命丸文がいる!
    この高速ドリブルをアルゼンチン、止められないィィ〜ッ!!」

反町「確かに、単純なスピードだけなら文さんの方に分がありそうだけど……。
   ドリブルの技術なら……間違いなくディアスの方が上だな……」
リグル「でも、アルゼンチンは止められてないよ? あの天狗」
ヒューイ「んー、アルゼンチンの守備が下手っぴなんじゃない?」
輝夜「確かに……見る限りでは、やっぱり今日戦ったイタリアよりは少し落ちるわね。
   ただ、それはイタリアが守備を主体にしたチームだからであって……アルゼンチンが特別守備が下手な訳ではないわ」
反町「(実際、アルゼンチンの守り方を見てると……静葉さんでも人数当てられたら厳しそうだしな……)」

それでも悠々と突破出来ているというのは、文のドリブルが世界に通用をするという証拠か。
とにもかくにも文は右サイドを守る選手達をごぼう抜きにし、一気にサイドを突破。
そのまま中央へと向けて一気に高いセンタリングを上げてしまう。

文「さぁ、お願いしますよ勇儀様!」
勇儀「おうさッ!」

バシュウッ!

ジョン「あぁぁ〜っとぉ! これはウルグアイ、素早くシュートチャンスを作ったァ!!
    文選手、右サイドを速攻で突破し……中央の勇儀選手へと折り返す!
    勇儀選手、そのままヘディングに向かったァァア! これはウルグアイ、絶好の得点機だァ!!」

ガルバン「ちっ……!」
勇儀「あんたはちぃとはやりそうだが……ただの人間が鬼に敵うか! さぁ、往生するといい!!」

このセンタリングに合わせるようにして勇儀は飛び上がり、
一方でシュートコースを潰そうと精一杯その大きな体を張るのはアルゼンチンゴールを守る巨漢DF――ガルバン。
ガルバンの実力も決して低い訳ではないが、しかし、やはり鬼の四天王である勇儀を相手取るには些か不安が残る。
その体を逸らし、ヘディングの構えを見せつつ勇儀は同点を確信するのだが……。

855 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/18(火) 01:11:17 ID:???
勇儀「おお……りゃああああああああああああああああっ!!」

ドゴォォオオオオオオオオオオオオオオンッ!! バゴォッ!!

ガルバン「ぐっ……うわぁぁぁっ!?」
ビクトリーノ「よし、決まっ……」

ガルバンが勇儀の放ったシュート、大江山嵐に為すすべなく吹き飛ばされるのを見てビクトリーノはガッツポーズを取り。
勇儀もまた、にやりと笑みを浮かべる。
だが、そんな2人を見ながら……ガルバンは宙を舞いつつ、その右腕を精一杯振り、声を張り上げ叫んだ。

ガルバン「     た す け て え ー り ん ! !    」

そして、その瞬間――。

シュバッ! ババァッ!!

八意永琳は突如、吹き飛ばされていたガルバンの背後から現れ。

永琳「はァッ!!」

バシィイイイイイイイイインッ!

勇儀「なっ……なにィ!?」
ビクトリーノ「んな……馬鹿な!?」

その身で勇儀のシュートを受け止め、地に足をつけ、着地をする。
そして、静かにボールを地面に落とすと……にこりと笑みを浮かべながら、唖然とする勇儀たちを見返すのだった。

856 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/18(火) 01:12:17 ID:???
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

ジョン「あっ……あああああああああああっ!? これは永琳選手、なんと、ゴール前まで戻ってブロックに入ったァァァ!?
    ガルバン選手が吹き飛ばされ、あわやゴールかと思われたその矢先に颯爽と現れゴールを守りましたァ!!
    これは幻想郷、永遠亭ルナティックスでの永琳選手のプレイを思い出すプレイ!!
    流石は天才八意永琳! なんと、あの鬼のシュートを止めてしまったァァァ!?」

反町「な……え……永琳さん、あんなにブロック上手かったのか!?」
うどんげ「うん……っていうか……その、うちはキーパーが……」
輝夜「私だからね。 初期の頃から、ずーっと守備も永琳に頼りっぱなしな面があったのよ」
反町「でも、俺たちと戦った時の永琳さんは全然そんな……」
輝夜「あの頃は私が妹紅に勝つ為に強くなってたからね! 永琳も攻撃に集中してたのよ!」
反町「(え? あれで強くなってたのか? ……って、そんな話をしてる場合じゃない! 問題は永琳さんの守備力だ!
    勇儀さんのシュートを受け止めるなんて……ぶ、ブロック技術まで一流なのか!?)」
輝夜「(助けてえーりんブロックかぁ……懐かしいわねぇ。
    ただ、あれをすると永琳も体力を消耗する……それに、結局は守備に集中しなきゃ使えないからそこが弱点だったんだけど……。
    ディアス君がいる以上、永琳がある程度下がっても何も問題は無い。
    永琳はディフェンシブな動きも存分に出来る環境になったって事ね……。
    ま、うちの攻撃陣とアルゼンチンとじゃねぇ……)」

あれだけの巨漢であるガルバンを吹き飛ばした勇儀のシュートの威力は、既に幻想郷Jrユースも身に染みて覚えている。
その勇儀のシュートを受け止めた永琳のブロック技術は、誰から見ても一流と呼んで差支えの無いものだった。
反町は永琳の新たな実力を見て目を丸くし、輝夜はといえばどこかしみじみとした様子でフィールドとうどんげを交互に眺めている。
一方、フィールドではボールを持った永琳が倒れたガルバンを見やりつつ周囲に視線を向け逡巡。

857 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/18(火) 01:13:18 ID:???
永琳「(やはり前半の星熊勇儀は左程怖くは無い。 吹き飛ばされたとはいえ、ガルバン君でも十分弾ける。
    これなら私も攻撃参加して問題ない、か……さて……)いくわよ、ディアス君!」
ビクトリーノ「げげっ、ま、まずい!!」

バシュウッ!!

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

そのままボールを大きくフィードすると、そのボールは再び中盤にいるディアスの元へ渡り……。
瞬間、観客席からは一斉に歓声が沸く。

観客「まただ! またディアスにボールが渡ったぞ!!」「今度はどんなゴールするんだ!?」
  「お前らカノーバさんと萃香さんディスってんじゃねーぞ!?」「まだだ、まだ終わらんよ!」

ディアス「へっへーん、ヨーロッパにもファンを作っちゃったかな〜。
     さーてと、それじゃ2点目を貰いに行くか!」

ダダダダダダダダッ!!

ミャウザー「うっ……」
ビルト「な、なんなんだこいつ!? ボールが……」

ボールを持ったディアスは大きな歓声に気を良くしつつ、先ほどのゴールの再現のように中央を突破。
今度は連続ヒールリフトなどというような大技は使わず、むしろ見た感じは地味なドリブルでミャウザーをビルトを抜き去る。
だが、見る者が見ればそのドリブルがただの地味なドリブルではないという事がわかっただろう。

こいし「何よあれ……まるで……ボールが脚に引っ付いてるみたい……!」
ピエール「隙がまるで無い……! 完全にボールを思いのままに操っている……!
     俺もドリブルには自信があったが……あいつの前では児戯と同然だ!」
さとり「………………」

858 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/18(火) 01:14:47 ID:???
萃香「くぉのっ……そう何度も抜かれちゃ鬼の名折れだァ!! 絶対に抜かさないよ!」
ディアス「(カッカしてるなぁ……俺に負けても恥でもなんでもないのに)」

そのまま軽々と中盤を突破したディアスの元に現れたのは、体は小さくともパワーは強大な鬼――伊吹萃香。
顔を少し上気させ、些か興奮しているらしい萃香を見てディアスは鼻で笑いつつ。
突破を試みるが……しかし、萃香も意地でも通すまいとしてマークを外さず体をぶつけボールを奪おうと挑みかかる。

ガッ! ガガッ!!

ジョン「あっとぉ!? これは萃香選手、激しいチャージ!
    ディアス選手、やはり技術は素晴らしくともまだ若干15歳の少年! 鬼である萃香選手との力比べはやはり無謀か!?
    ここで初めてその足を止め、懸命に萃香選手とやり取りをしています!」

映姫「如何に天才といえど、弱点は必ずある……彼の場合、
   やはり小柄な為か純粋な力ではやはりその筋で一流の選手には勝てないようですね」
ヘルナンデス「いや……映姫、彼にはまだどこか余裕があるように見える……あの表情を見てみるんだ。
       まるでこの状況でも……自分がまける筈が無いと思ってるみたいだ」
フラン「ほんとだ……何か笑ってる!」

何も考えず見れば、ここにきて初めてディアスが捕まったというようにしか見えない状況である。
だが、ディアスはこの状況でも己が負ける訳はないと確信を持っていた。
確かにディアスは見た目の通り、純粋な力勝負というものは不得手――競り合い勝負は最も苦手とするものである。
しかし、それと同時にディアスはボディバランスにかけてはかなりの自信を持つ選手でもあった。
どれだけ強い当たりをされても、ボールを手放さないだけの天性の感覚を持っていたのだ。
だからこそ、どれだけ強く当たられてもボールは手放さない。そして、どんな時、どんな状況でも一流のプレイが出来る。
それが天才、ファン=ディアスのファン=ディアスたる所以であった。

859 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/18(火) 01:15:58 ID:???
ディアス「(そろそろだな……よし!)」

バシィッ! ギュワンッ!!

萃香「うえっ!?」
ディアス「んじゃ、さいなら〜、っと!」

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?

萃香に対し背を向けていたディアスは、その場で軽くボールを蹴りあげ、萃香の頭上にボールを通す。
踵でやるかつま先でやるかの違いだけで、再びボールに頭上を越された萃香は呆気にとられ……。
その横をディアスはあっさりと抜け、ゴール前へと急ぐ。
だが、この時蹴ったボールは――先ほどと同様、やはり少しだけ長く高いボールとなっていた。
残っていたDFとゴール前に駆けこむディアス、どちらがボールに近いかといえば、前者の方が近い。

チュレビー「ま、まずい! 速くクリアーだ!!」
リラダン「急げ、あいつがボールに触れる前にクリアーするんだ!」

そうなれば当然、DF達はボールがディアスに渡る前にクリアーしようと前に出る。
ディアスが持てば自分たちが抜かれる事は既に分かっているのだから、それは至極当たり前の決断。
そうしてDF達とディアス、両者が駆け出しDFがもう少しでボールに触れるという寸前、ボールは地面に落ち……。

ギュルルルルルルンッ! バンッ!!

チュレビー「なにィィィイイイイイッ!?」

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

860 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/18(火) 01:17:14 ID:???
凄まじい勢いでゴールから遠ざかり始めた――即ち、ディアスの足元へと向かってきたのだった。
そう、先のヒールリフトでボールにドライブ回転をかけていたのと同じように。
ディアスは今度はボールにバックスピンをかけていたのである。
踵でドライブ回転をかけられるのならば、つま先でバックスピンをかけるのくらい造作もない事。
しかし、観客たち――そして、DF達が驚いたのはただボールがディアスの足元に向かってきた事だけが原因ではない。

バンッ! シュバッ! スタンッ! グルンッ!!

ジョン「あ、あああああああああああああああああああああああっ!?
    こっ、これはディアス君、何をしているのかァ!? いきなり側転……そしてバク転を初めてしまったァ!?
    戻ってきたボールに触れる気は全くないィ! それどころか一気にDF達をバク転で追い抜かし、PAに侵入!?
    な、何を考えてるのかァ!? 彼は一体何をするつもりなのか!? まったく、まったくわかりません!!」

反町「ふ、ふざけてるのかあいつ……!?」
レティ「まさか……何か考えでもあるんじゃなくて?」
うどんげ「でもいったい何を考えてるかさっぱり……(まるで師匠みたい……)」

諏訪子「やっぱり早苗がいなくてよかった……本当によかった……! 心からそう思う……!!」
フラン「(神様も大変だな〜。 私悪魔だけどちょっと同情するよ……)」

こいし「おもしろそ〜。 いいな〜、私もやってみたいな〜」
さとり「やめておきなさい、こいし! 頭から落ちたら危険よ!」
ナポレオン「いや、そういう問題じゃねぇ!」

観客たちも。

リラダン「な、なんのつもりかは知らないけど……」
バージェス「ラッキーだ! このまま追いついてクリアーを――」

フィールドプレイヤーたちも。

861 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/18(火) 01:18:48 ID:???
誰もかれもが、このディアスの奇行にしか見えない行動に度胆を抜かれ……そして唖然としていた。
そして、誰もが思っていた。とにもかくにも、これでアルゼンチンの攻撃は終了だと。
だが、現実はやはり天才によって覆される。否――正しく言えば、天才と……その相棒によってである。

パスカル「ナイスパス、ディアス!」
チュレビー「なにィ!?」

DF達が転がるボールを追うその前に現れたのは――アルゼンチンJrユースFW、アラン=パスカル。
幼少の頃からずっとディアスと行動を共にし、共にプレイをしてきたディアスの誰よりも信頼する相棒。
彼はディアスから受け取った"パス"を、そのまま飛び出したDF達の頭上を越えるループパスとして出す。
当然、不意を突かれたDF達は誰も反応出来ない。反応出来たのは、ただ一人。

ババッ!

ディアス「ナイスパス、パスカル!! そーれ、2点目だァッ!!」

バシュウウウウウウウウウウッ!! パシュッ! ピピィーッ!!

カノーバ「そんな……!?」

自身の出した"パス"をパスカルが拾い、自身に繋いでくれると信じていたファン=ディアス。
側転からバク転へ、そしてバク転からバク宙へと繋ぎその遠心力を利用しつつ放ったオーバーヘッドキックは。
ゴールを守るカノーバが一歩も動けないままゴールネットへと突き刺さり。
先ほどの笛から僅か6分しか経っていない状況で、再びゴールを告げる笛が鳴り響くのだった。

ディアス「イェーイ! ドンピシャだったぜ、パスカル!」
パスカル「これであと4点だな、ディアス!」

パシンッ!

アルゼンチンJrユース 2−0 ウルグアイJrユース

862 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/18(火) 01:20:09 ID:???
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?

ジョン「なっ……あっ……こっ、これは……これはっ!? 1点目とはまた違った意味での、ミラクルプレイだァァァ!?
    ディアス選手、なんと! なんと、先ほどの萃香選手を抜き去った時のボールは――パスカル選手へのパスだったァ!?
    そして、パスカル選手はそれを自然と受け、ディアス選手へと折り返し!
    ディアス選手、これをバク宙してのオーバーヘッドキックで決めてしまったぁぁぁぁぁっ!!
    誰もが意味不明な行動だと思ったその動きは、しかし、パスカル選手がパスを出すとの確信からのプレイでした!!
    凄い! 凄すぎる!! これがっ、これが天才なのでしょうか!?
    私は……私たちは、とんでもない瞬間に立ち会ってしまっているのかもしれません!」

観客「「「ディ・ア・ス! ディ・ア・ス! ディ・ア・ス!!」」」「D・V・D! D・V・D!!」
  「おいなんか変なの混じってるぞ!?」「ウルグアイは犠牲になったのだ……天才ファン=ディアスの……その犠牲にな……」

ディアスとパスカルが笑顔でハイタッチを交わし、観客たちがとてつもない怒号と共に熱狂する。
サッカーを愛する純粋な客たちは、誰もかれもがディアスの独創的なプレイの虜となっていたのである。
一方、ウルグアイJrユースはといえば……そのとてつもないディアスのプレイを見せられて殆ど意気消沈。
ビクトリーノが懸命に激を飛ばしてこそいるものの、その心はいつ折れるかわからない程までに弱ってしまっていた。
そして、それはこの試合を観戦していた大会参加者たちにも言える。

863 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/18(火) 01:21:38 ID:???
うどんげ「も……もう駄目だぁ……おしまいだぁ……。 奴はスーパー天パなんだよぉ……」
ヤマメ「ドリブル……だけじゃない。 シュート力も……反町は当然として勇儀や今日戦ったフラン程じゃないとはいえ……。
    決して低くない……なんだよあいつ……化け物かい……」
メディスン「あいつ、本当に人間なの? 妖怪とかじゃないの?」
レティ「妖怪でも出来ないわよ、あんなプレイ……少なくとも、木端妖怪程度じゃね……」
妖精1「(くそっ! くそっ! 悔しいけど……全然止められる気がしない……!
     どうすれば止まるの!? 止まる事が、本当にあるの!?)」

ディアスのプレイを見た幻想郷Jrユースの面々は、一様にディアスのプレイに恐怖していた。
それ程までに、ディアスのプレイのインパクトが強すぎたのである。
チーム内の殆どの者たちが暗い顔を浮かべる中、そのチームを率いる反町はといえば……。

A.「相手が天才だって人間なんだ! 弱点はある筈だぞ!」 ディアスにも弱点はあると鼓舞する
B.「所詮はディアスに頼ったワンマンチームだ! 穴を突けば勝てる!」 所詮1人だけが相手なら勝てると諭す
C.「まぁ待て、落ち着け。 まずは素数を数えるんだ」 一同に落ち着くよう言い聞かせる
D.「もう無理だよ、諦めよう」 諦める
E.「大丈夫、いくらディアスでもうちのエースには勝てないさ」 リグルを見ながら言ってみる
F.「くくく、天才だろうがなんだろうがこの魔王様がシュートで蹂躙すればよかろう」 キャプテンの頼もしさをアピールする
G.「ブラックファルコン何もできてなくてワロタ」 ブラックファルコンを嘲る
H.「あのパスカルってやつ……ディアスの行動を完璧に読んでたのか!?」 パスカルに注目してみる
I.「(ここは何も言わない。 場の流れに身を同化させるのだ)」 うごかない
J.その他 自由投票枠

先に2票入った選択肢で続行します。
age進行でお願いします。sageではカウント出来ません。

864 :森崎名無しさん:2011/10/18(火) 01:22:26 ID:O+DxXChU
H
何気に重要と思う

865 :森崎名無しさん:2011/10/18(火) 01:23:35 ID:UHbUD8gs
H

866 :森崎名無しさん:2011/10/18(火) 01:23:43 ID:MzVQCY0k
H

867 :森崎名無しさん:2011/10/18(火) 01:26:09 ID:???
ガルバンが「たすけてえーりん!」叫ぶのはシュールすぎるでしょw

868 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/18(火) 01:27:59 ID:???
>>867
多分すごく恥ずかしかったと思います。でも呼ばなきゃ助けに来てくれないから仕方ないね。

Hに決まった所でなんとか早めにNPC試合終わらせたいな〜と思いつつ今日はここまで。
続きは明日以降書かせていただきます。
それではお疲れ様でした〜。

869 :森崎名無しさん:2011/10/18(火) 01:29:35 ID:???
乙でした!

>>852
翼「全盛期のリグル伝説と比べればたいしたことないな」


870 :森崎名無しさん:2011/10/18(火) 01:29:58 ID:???
乙でしたー
三杉「君は何を言ってるんだ」

871 :森崎名無しさん:2011/10/18(火) 01:30:35 ID:???
乙でした〜
中国と咲夜さんラブというとサークル『鳩血』さんが真っ先に浮かびます。

872 :森崎名無しさん:2011/10/18(火) 01:33:29 ID:???
>>869-870
23秒……なんという瞬殺

873 :森崎名無しさん:2011/10/18(火) 08:45:14 ID:???
叫ばなきゃ来ないのか……
相手の顔面にオータムぶち込めば或いは……

874 :森崎名無しさん:2011/10/18(火) 11:18:17 ID:???
そしてポイズンさんの十八番
名前だけでキャラ付けの犠牲者がひとり

875 :森崎名無しさん:2011/10/18(火) 12:20:25 ID:???
うちの監督に呼ばせるという手もあるな
つい飛んできちゃうかもしれない

876 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 00:04:21 ID:???
>H.「あのパスカルってやつ……ディアスの行動を完璧に読んでたのか!?」 パスカルに注目してみる
==========================================================================================
お空「うにゅ? ぱすかる?」
レティ「……彼のプレイ、そんなに凄かったかしら? ……確かにあのパスは上手かったとは思うけれど」
ヒューイ「それよりあのディアスって人間の方がもっともっとすごかったよね?」

反町の思いもよらぬ発言に対し、周囲の反応は芳しくは無い。
それも当然と言えば当然、何せ彼女たちの目に鮮明に焼付いたのはファン=ディアスの超人的なプレイであり。
幾ら上手いパサーだとはいえ、
そのディアスには劣るようなプレイしか見せていないパスカルは取るに足らない存在だと評価をしていたのだから。
しかし、パスカルの真の凄さというものに気づいていた者もいる。

パチュリー「……今の彼の……パスカルのプレイで見るべき点は、先ほどのパスなんかじゃないわよ」
メディスン「え?」
パチュリー「本当に見るべきは、あのディアスの……誰もがそのまま拾ってドリブルゴールをすると思っていたあのボールを。
      自身へのパスだと確信を持って飛び込んできていたという点。 言いたいのはそういう事よね、反町?」
反町「は、はい!」
大妖精「あの……どういう事なんですか?」
パチュリー「そうね……じゃあ……うどんげ」
うどんげ「えっ、私!?」
パチュリー「貴方は……師匠である八意永琳の思考、行動……全てを読める? 言葉を交わさず、合わせる事が出来る?」
うどんげ「そっ、そんな……そんなの無理だよ! いくらルナティックスでは私がパートナーを務めてるとはいっても……。
     私の実力じゃ完璧には師匠に合わせられない……師匠が考えている事だってわかんないよ……」

877 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 00:06:03 ID:???
うどんげは眉をハの字に下げ、耳をしょげ返らせながらため息を吐きつつそう呟く。
情けない事だが、八意永琳のパートナーとされる鈴仙=優曇華院=イナバには、永琳についていく事は出来ない。
それは実力が圧倒的に不足をしている事も原因ではあったし……。
天才である永琳の思考を読み取れる程、うどんげが場数を踏んでいないのも原因であった。
うどんげと永琳が為すコンビプレイは、
あくまでも永琳が主体となって先導しそれにうどんげが辛うじて合わせるというのが根本にあるのである。

パチュリー「でもそれは責められるべき点ではない……むしろ、必然と言っていいでしょう。
      実力的に格差があるのならば、そもそもコンビプレイというものは出来ない……。
      辛うじてでも合わせられるだけ、うどんげはまだ優秀。 だからこそ、あのパスカルは異常と言える」
美鈴「そっか……実力がまるで違うのに、あのパスカル君はディアス君の考えを完璧に読み取り……。
   ディアス君のしてほしい事をやってみせた……」
パチュリー「天才に合わせられるのは天才だけ……ではないというのは、幻想郷サッカー界においても証明されている。
      でも、合わせる云々だけではなく、完全に思考を読み取るというのは未だかつていないでしょうね。
      (魔理沙と霊夢の関係が近かったといえば近かったけれど……アレだってあそこまで完璧じゃないわ……)」
輝夜「ディアス君だけを注視していれば、そこからパスカル君がサポートに来る。
   ディアス君が声を出さずとも、ディアス君の考えを読み取ってね……。
   そして、そこでコンビプレイを使われかわされる……厄介なもんだわ」
チルノ「よくわからんけど、あのぱすかるってのもマークすればいいのね!」
輝夜「そうすると今度はディアス君への注意が逸れるわ。 それに、永琳もいるのよ?」
パチュリー「(ヒューイなら……ディアスのドリブルを辛うじてこぼれ球にするくらいは……人数をかければ出来るかもしれない。
       でも、パスカルとのコンビプレイで逃げられてはどうしようもなくなる。
       八意永琳へパスをして、ヒューイと勝負をしないという選択肢もある。
       ……弱音は吐きたくないけれど、こういう時に咲夜がいてくれれば守備力を強化できるというのに)」

878 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 00:07:48 ID:???
要注意人物は、間違いなくファン=ディアスである。
ならば彼だけを多重マークすれば何とかなるのではないかといえば……それで済む話では無い。
彼を完璧なまでにサポートするアラン=パスカル。そして、幻想郷のトップ選手――あらゆる能力に秀でた天才、八意永琳。
彼らを警戒しなければ、ディアスが活躍しようとしなかろうと得点を許してしまう可能性がある。
アルゼンチンJrユースは間違いなくディアスによるディアスの為のチームであるが、しかし、ディアスのワンマンチームではなかったのだ。

反町「(ブラックファルコンとも、ヘルナンデスとも……まるで選手としての存在感が違うな。
    どうやって対策をすればいいんだろう……)」

ワアアアアアアッ!

リグル「あっ、またウルグアイがボール奪われてる!」

改めてアルゼンチンの驚異に対して深く認識していた幻想郷Jrユース。
しかし、そうしている間にも試合は再開されていた。
試合は再びウルグアイのキックオフで始まり、今度はビクトリーノが単身中央突破を試みる。
ここで点を返さなければ、完全に流れを奪われてしまうと鬼気迫る勢いのビクトリーノには、
さしものパスカルとディアスも阻む事は出来ない。
腐っても一国を代表する選手――ディアス程ではないとはいえ、ドリブラーとして知られるビクトリーノ。
だが、彼の突破はディアスの後ろに控える永琳によってあっさりと止められる。
彼にとっては不幸な事に、既に試合の流れはアルゼンチンの方へと大幅に向かってしまっていたのである。

879 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 00:08:49 ID:???
永琳「さぁ、今度は私が行くわよ!」

タタタタタタタタッ! シュババァッ!

文「あ、あややや……(流石にこれは分が悪いですよぉ……永遠亭の天才を私が止められる訳ないじゃないですか〜)」
ビルト「く、くそぉっ……」

ジョン「あ〜っとぉ!? アルゼンチン、今度は永琳選手が中央を突破していきます!
    そうです、ディアス選手もさる事ながら永琳選手のドリブル技術もまた幻想郷ではトップクラス!
    流石は永遠亭の至宝、天才、八意永琳! 加齢なドリブルでウルグアイ守備陣をごぼう抜きだァ!」

その卓抜したドリブルセンスは、幻想郷でも指折りの永琳。
加齢で老獪なフェイントを繰り出しつつウルグアイMF陣をあっさりといなしそのまま中盤を突破。
そして、このまま最後まで行ってしまうのかと思った矢先……。

永琳「ディアス君!」
ディアス「オッケー!」

浮かせたパスを前を走るディアスの背後へと向けて放ち、それを一目も見ないままディアスは足を後方に振り……。

ディアス「あーらよっとォ!」
萃香「うがーっ!!」

1点目の再現のように、踵部分で大きく蹴り上げる。
そして、その蹴り上げたボールはゴール前やや右、ディアスに注目していた為にがら空きになっていた場所へと飛び込み……。

880 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 00:09:50 ID:???
バッ! バシィッ!

パスカル「それっ!」
カノーバ「ま……また折り返しただと!? い、いったい中央に……」
ディアス「俺がいるんだよ! そら、3点目だァ!」

頭で中央の空いたスペースへと出せば、それはDF達の合間を縫いゴール前へとやってきたディアスが拾う。
パスカルを起点としたポストプレイによって完全にフリーとなったディアスは、そのまま右足を振り上げ……。

ディアス「ドライブシュートだァ〜!」

バシュッ! ギュルルルルルルルゥッ!! シュパァンッ!!

ピピィーッ!!

南米仕込みのドライブシュートが炸裂。
今度こそ辛うじて反応したカノーバは……しかし、ただ反応をするだけが限度でありボールに触れさせて貰う事すら出来ず。
ボールはゴールネットに突き刺さるのであった。
前半16分……まだ試合が始まって1/3しか経過していない段階で、3−0。
その得点を挙げたのは、全て天才ファン=ディアスである。

アルゼンチンJrユース 3−0 ウルグアイJrユース

881 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 00:10:58 ID:???
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

観客「「「「ディ・ア・ス! ディ・ア・ス! ディ・ア・ス! ディ・ア・ス!!」」」

ジョン「きっ、決まったぁぁぁあ〜っ!! ディアス選手、今度はドライブシュートでゴールを奪ったァァア〜!!
    天才ファン=ディアス! 前半、僅か16分でハットトリックを達成だァ!!
    これが天才ッ! これがアルゼンチンの至宝、ファン=ディアス!!
    彼に弱点は無いのかッ!? 彼が負ける時は来るのか!?
    このプレイを見ていては、もはや、アルゼンチンの優勝しか我々には想像が出来ませんッ!!」

反町「(ドライブシュート……そうだよな、あんな凄い奴なら操ってもおかしくない……。
    多分、地面にバウンドさせるミラクルドライブも撃てるんだろうな……)」
パチュリー「……反町、気づいている? あのパスカルの動き」
反町「……はい。 あいつ……ディアスの考えを読み取って、ディアスのしたい事、してほしい事を実践しているだけで……」
パチュリー「そう。 ……彼はその瞬間、ディアスの手足の延長となる」
リグル「何を言ってんのさ、あいつがいるお陰であのもじゃパーの手足が伸びるの?」
レティ「そういう事じゃないわよ、リグル。
    パチュリーが言いたいのは……つまり、あのパスカル君はディアス君の閃きを自分の力として使えてるという事よ」
パチュリー「ディアスのして欲しい事をするという事は、つまり、ディアスの作り出す独創的な世界を作り出す一旦を担うという事。
      彼は天才ではない――だけど、天才を知る事によって、天才と共にある事によって天才の恩恵を享受し天才を助けている。
      ――ディアスも永琳と同じく敵を抜けば抜く程調子を上げてくる。 そのディアスの勢いを、彼はそのまま教授している」
うどんげ「(私も……あんな風になれるかな……なりたいなぁ……)」

882 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 00:12:54 ID:???
自らが主役となるのではなく、あくまでも脇役に徹しながら主役をフォローする。
アラン=パスカルは地味な選手ではあるが……しかし、それを完璧なまでにやりきれる選手であった。

パチュリー「(それに、天才は天才を知る――八意永琳とファン=ディアスは、完全に互いを本能のレベルでわかりあっている。
       厄介……本当に、厄介。 彼らは1人1人で強いだけじゃない……全員合わせて、ひっくるめて……強い。
       アルゼンチン戦は……予想以上に点の取り合いになりそうね)」

その後、再びウルグアイのキックオフで試合は再開。
しかし、ウルグアイの士気は目に見えて落ち始めており、彼らのプレイは非常に散漫になっていた。
不幸中の幸いと言うべきなのは、ディアスに若干の疲れが見え始めていた事だろう。
前半僅か16分で何度もドリブル突破を仕掛け、シュートを2発撃ったのである。
体力の限界とは言わないが、それでもディアスにかかっていた負担は大きい。
故に、アルゼンチンは少しペース配分を考える試合運びとなる。
前半30分を過ぎるまで、嵐のような16分からは考えられない程静かなゲームとなるのだが……。

前半32分、ある程度落ち着いたディアスが相手陣内中盤でボールを奪い取り、反町の予想通りミラクルドライブで4点目を挙げ。
続く前半36分は永琳が奪ったボールをそのまま持ち込み、
幻想郷vsイタリア戦の決勝点を思い起こさせるようなスイッチをゴール前で披露。
このボールを受け取ったのは勿論ディアスであり、
ディアスはGKしかいなくなったゴールに突っ込みクリップジャンプでカノーバをかわし5点目。
41分、文の再三のサイドアタックからの攻撃が身を結び、
センタリングに合わせた勇儀が意地でゴールを決めウルグアイもようやく1点を返すも……。

前半が終わって、既に5−1。
ここから鬼たちが幾ら本気になろうとも、ウルグアイが試合をひっくり返せる未来が見えない。
観客たちの誰もがそう思うようなスコアをもって、両チームはハーフタイムに突入するのだった。

この時の両チームが纏う空気については、無論、天と地ほどの格差があったという。

883 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 00:15:59 ID:???
一旦ここまで。

>>869-870 >>872
三杉君の安定した突っ込み。

>>871
私が参加したイベントには参加されいなかったようですが、委託された本がありました。
しっかり入手しました。おいしいれす^q^

>>873 >>875
なんという10対12……

>>874
パルス「口を慎みたまえ、君はサッカー王の前にいるのだ」

884 :森崎名無しさん:2011/10/19(水) 00:20:23 ID:???
また加齢なドリブルですかw

885 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 01:26:58 ID:???
前半戦が終了し、ハーフタイムに突入をした所で……視点を観客席からスタジアム内部――医務室へと向けてみよう。
試合が始まってから45分……イタリアとの試合中、体力が枯渇した為に気絶をした秋穣子は。
この時間になって、ようやく意識を取り戻した。

穣子「ぅ……あー……だっるぅ……」
妹紅「あ、穣子! 気が付いたんだね!! うん、良かった良かった!! 体は何とも……」
穣子「ぁー……悪い、妹紅。 ……ちょい、マジでうっさい」
てゐ「病室では静かにお願いしますウサ」

この穣子の復活に対して瞬時に反応したのは、燃える闘魂、血液がマグマでできているかのような熱血漢――藤原妹紅。
良かった良かったと嬉しそうにする妹紅であるが、当然、起き抜けの穣子にとっては鬱陶しい事この上なく。
てゐは呆れたように苦笑いをしながら、静かにするよう言い聞かせる。
そして、そのまま穣子の体調を改めて確認。
永琳はおろかうどんげにも医術の知識では劣るてゐではあるが、この分ならしばらく横になって栄養を取れば問題ないだろうと診断し。
未だにぶつぶつと喜びをあらわにしている妹紅と共に、観客席にいる輝夜たちに穣子の件について報告に向かう。
そうして静かになった部屋の中で、穣子は上体だけを起こしてきょろきょろと周囲に目を向ければ……。

カチャッ……

穣子「……! ……姉さん」
静葉「あら、気が付いたみたいね。 穣子、喉は?」
穣子「ん……カラッカラね」
静葉「なら丁度良かったわ。 お茶を買ってきたの」

不意にドアが開き、穣子は瞬時にそちらへと顔を向け……そこに立っているのが静葉であるのを見て、少しだけ眉をひそめた。
一方、入ってきた静葉は微笑を浮かべながらその手に持っていたペットボトルのお茶を穣子に差し出し。
受け取った穣子は、蓋を開けようとするのだが……中々手に力が入らず、ぐぎぎと声にならない声を上げる。

886 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 01:27:59 ID:???
静葉「……私が開けるわ」
穣子「悪いわね姉さん」
静葉「弱っている貴方に開けさせようとした私が悪かったのよ。 ……ところで、妹紅たちは?」
穣子「あー……お姫様たちに報告だって出て行ったわ。 ただの過労で、なーんも問題は無いって」
静葉「そう」

妹紅たちの不在の理由を聞いた静葉は納得したように頷きつつ。
ペットボトルの蓋を開け、それを穣子に手渡しベッドの横に備え付けられたパイプ椅子に座る。
一方で、お茶を受け取った穣子はよほど喉が渇いていたのかそれをがぶがぶと飲み始める。
しばらくはそうやって、ただ穣子のお茶を飲みこむ音だけが室内に広がっていたのだが……。

静葉「ところで穣子……」
穣子「ん?」
静葉「さっきは誰を探していたの?」
穣子「ぶっ……!」
静葉「あら汚い」

不意に静葉が問いかけると、穣子は飲んでいたお茶を思いっきり吹き出し。
静葉はそれを微笑を浮かべたまま眺めつつ、ベッドのシーツに飛び散った液体をハンカチでトントンとやり始める。

穣子「べっ、別に誰も探してないわよ……」
静葉「そう? ……でも、薄情よねその人も。 穣子を心配して来てもくれないなんて……」
穣子「仕方ないじゃない、超がつくサッカー馬鹿なんだし」
静葉「……そう、超がつくサッカー馬鹿を探していたのね」
穣子「……図ったな姉さん」

887 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 01:29:21 ID:???
姉妹で互いに言葉の応酬をするも、やはり口では一枚も二枚も静葉が上手。
なんともあっさりと子供だましのような静葉の問いかけに引っかかった穣子は帽子をぎゅっと掴み頬を膨らませ……。
一方で静葉は微笑を浮かべながらも、凛とした声で続ける。

静葉「……どうして、探してたの?」
穣子「べっつにー。 ……ただ、まぁ……そりゃ……いてくれりゃ、嬉しいでしょ。 気遣ってくれてるんだ、って……わかるしさ」
静葉「……どうして、彼なの?」
穣子「なんだかんだで、姉さん以外じゃ一番仲いいからかな……」

至極機嫌が悪そうながらも、ふてぶてとした態度を取りつつ返答を重ねる穣子。
機嫌が悪いのは、静葉に一本取られたからか、それともその"彼"が来てくれなかったからなのか。
それは静葉にもわかりかねていたし、穣子にしてもそうであった。

穣子「あいつ、サッカーの時はやるけど……普段が普段でしょ。 なーんか頼りないっていうか、ほっとけないっていうか。
   最近ちょっとは強気になったような気もするけど、それだっていつまで持つかわかんないし」
静葉「……可愛い弟なのね」
穣子「そうね……」

静葉の言葉にゆっくりと頷き同意をする穣子。
その眼はどこか遠くを見ていて……だからこそ、静葉はそっと息を吐く。

静葉「だけど……弟じゃないわ」
穣子「………………」
静葉「わかってるわよね、穣子?」
穣子「……そうよ。 違うってのはわかってる。 弟じゃないし、家族でもない。 それどころか、種族だって違うってね」
静葉「……わかってるのね?」
穣子「わかってるわよ」

888 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 01:30:25 ID:???
秋穣子は、世話好きである。
そして、姉の静葉に比較をすれば至ってフランクで人情家な性格の持ち主だった。
神として、常に周囲とある程度の間隔を持てる静葉とは違い、人との壁をあまり作るタイプではない。
彼と懇意になったのも、ある意味必然とも言えるのだが――。
それはやはり、神としてあまりいい行いではないと、彼女は本能の部分で知っている。

穣子「けど……やっぱり気になるじゃない。 ……私たちの近くにずっといる人間なんて、初めてでしょ。
   それに……やっぱ、私がついてないと何しでかすかわかったもんじゃないわ」
静葉「でも、それは貴方の役目ではない」
穣子「……………………わかってるわよ」
静葉「……人には人の、神には神の役割がある。 神と人とが近すぎるのは……やっぱり、大きな問題よ。
   貴方の持つ、その感情も……人に対して一柱の神が持つには多分に過ぎるものだわ。
   神は等しく、信仰をする者に徳を与える為に存在する。 それを違えば……」
穣子「……………………」

それは姉として、そして同じ神としての警告だった。
静葉は何も間違った事を言っていないし、それを否定するだけの根拠も理由も穣子は持ち合わせていない。
だから、無言で聞き……ぽすん、とベッドに横たわる。

889 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 01:31:26 ID:???
静葉「少年は大人になる。 今もそう、なっている途中――少しずつ少しずつ、成長をしてゆく。
   ……姉のような存在は、いつまでもいらないのよ」
穣子「……………………」
静葉「いつか……ううん、もう、かもしれない。 彼にも彼にふさわしい"人"が見つかるでしょう」
穣子「……わかってるわよ」
静葉「さっきからそればっかりね……」
穣子「だって、わかってる事ばっかなんだもん」

感情が見えない穣子の言葉を聞いて、静葉は困ったように首を傾げた後……自分の分のお茶を買ってくると、一旦席を立つ。
再び静寂に包まれた部屋で、秋穣子はベッドに横たえたまま、不意に右手をぐっと伸ばし天井に向けた。

穣子「……わかってるわよ。 そんなもん。 誰に言われんでも、私が一番。
    でも、いいじゃない。 今くらい……少しくらい……」

そのままぐっと右手を握りしめ……すぐに開く。
その手のひらの中は、空っぽだった。
それが穣子には、なんだか無性に悲しかった。

890 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 01:32:39 ID:???
>>884
他にどんな人が加齢なドリブルを使えるかみんなで考えよう!

はい、という事で本日はここまで。
明日以降は後半戦から書かせていただこうと思います。
NPCシーンばっかりでごめんなさいです。
それでは、お疲れ様でしたー。

891 :森崎名無しさん:2011/10/19(水) 01:34:59 ID:???
乙でした
これは穣子ルートあるでって解釈でいいのかな?

892 :森崎名無しさん:2011/10/19(水) 01:55:14 ID:???
単純にキャラの掘り下げか、
穣子の好感度あげたのに別ルート選んだから軋轢が始まる予告って気がするなあ

893 :森崎名無しさん:2011/10/19(水) 02:44:10 ID:???
反町の秋空離れの伏線じゃないか
第三部あるなら守矢行く事になるんだろうし

894 :森崎名無しさん:2011/10/19(水) 04:01:29 ID:???

泥沼の三角関係を期待するか

895 :森崎名無しさん:2011/10/19(水) 07:52:10 ID:???
乙でした

いや、考えるんだ
反町が神になればいいんだ

早苗さんだって人であり神であるんだからいけるはず……

896 :森崎名無しさん:2011/10/19(水) 20:03:31 ID:???
え?反町は既に新シュート界の神じゃん

897 :森崎名無しさん:2011/10/19(水) 20:11:52 ID:???
このスレのエンディングは強くなりすぎたせいで地上にいられなくなった反町が、
「シュートの魔王」として幻想送りにされ、秋姉妹の前に現れるシーンでいいと思うんだ

898 :森崎名無しさん:2011/10/19(水) 23:08:55 ID:???
神と魔王どっちなんだw

899 :森崎名無しさん:2011/10/19(水) 23:27:38 ID:???
翼「シュート魔王が反町、エース神がリグル」

900 :森崎名無しさん:2011/10/19(水) 23:36:19 ID:???
三杉「君は何を言っているんだ」

901 :幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/20(木) 00:25:40 ID:???
反町「そっか、穣子はもう起きたんだな?」
てゐ「うさうさ。 軽く診たけど、やっぱりしばらく休んでればすぐに調子戻ると思うウサ。
   あの感じだと、明日の練習も特に問題は無さそうやね」
美鈴「まずは一安心って感じですねぇ。 良かったです……」
輝夜「それじゃあてゐはまた穣子の傍についていてあげて。 試合が終わったら迎えに行くから」
てゐ「了解〜」
妹紅「あ、私も戻るよ!」

ハーフタイム中、穣子の意識が戻った事を報告にやって来るてゐと妹紅。
彼女たちの言葉を聞いて一同はホッと安堵の息を吐き、輝夜は再びてゐ達に穣子の様子を見るように指令を出す。
如何にただの過労でこのまま安静にしていれば大丈夫といえど、まだ穣子は病み上がり。本調子ではない。
なるべく傍に誰かを置いておきたいと考えるのは当然の事であり、この輝夜の指令にてゐは嫌がる素振りも見せず了承。
そのまま妹紅を引き連れて病室へと戻り……それからしばらくして、ハーフタイムも終了。
休憩をはさんだアルゼンチン、ウルグアイの両チームが再入場をする。

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

ジョン「さぁ〜、ハーフタイムを終え、両チームの選手達が再びフィールドへと帰ってきました!
    5−1、既に前半45分を終えて4点も突き離されてしまったウルグアイ!
    ですが、後半のウルグアイはやはり違う!
    このチームに派遣をされた鬼のコンビが本気となり、ようやく真の姿を見せるのが後半のウルグアイ!
    伊吹萃香選手はキーパーグローブを嵌めゴールへと向かい、星熊勇儀選手も前半は手に持っていた杯を今は持っていません!
    本気となった勇儀選手の驚異的な実力は既に周知の事実ッ! これは点差を詰められてしまう可能性があるぞ、アルゼンチン!」

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