キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【反撃の】ファイアーモリブレム40【狼煙】

1 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/08/30(木) 03:41:42 ID:???
キャプテン森崎のスピンアウト作品です。『ファイアーエムブレム紋章の謎』の世界に
送り込まれた森崎が、マルスたちと共にアカネイア大陸を冒険する物語となっています。
基本は本編と同様に、選択肢の中から第三者(ロムしている人)がどれかひとつを選ぶ事によって進んでいきます。
また必要に応じてトランプを引いてもらったりしてランダムに進行していくこともあります。

【注意】
このスレの物語やキャラの性格は、中の人の都合で原作並びにキャプテン森崎本編とは異なる場合があります。
設定などもストーリーの都合上若干オリジナル要素が含まれていますので、苦手な方はご注意ください。

〜これまでのお話〜

ブンデスリーガを3位の好成績で終えた森崎たちブレーメンはチームの強化のために世界各国へと遠征することに。
はじめに訪れたオランダにて、再びアカネイア大陸に聞きが迫っていることを知らされる。
中山に押された『破滅のツボ』の解決策の鍵もアカネイアにあると分かり、森崎は再び異世界へと旅立つ。

森崎が不在の間に、アカネイア大陸の情勢は大きく変化していた。
森崎が生み出した影であり、ガーネフを味方につけて暗躍する『ラムカーネ』が
アカネイアワールドカップにて優勝することでニーナ姫を娶り、神聖帝国の皇帝となっていたのである。
間接的ではあるが『森崎有三』という存在を完全に乗っ取られたことで森崎は狼狽えるが、
ガトー司祭の助言に従い、星のかけらを集めることでラムカーネへの対抗策を築きあげることを決意する。

グルニアでのロレンス将軍の悲しき反乱に心を痛めながらも、マケドニアにて捕らえられたミネルバの救出に向かう森崎たち。
果たして反乱軍の首謀者であるリュッケ将軍、ルーメル将軍を倒しミネルバを救い出すことは出来るのだろうか…?

☆前スレ
【運命が】ファイアーモリブレム39【迫る】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1342200894/l50
☆過去スレ
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/44.html

370 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/19(水) 14:27:56 ID:???
★オイクラデスカー→ ハート4 ★
>ハート→200で止まっている。ビクトリーノや一部の競売者はまだまだ乗り気だぞ


係員「ただいまこのサッカーボール型の花束のお値段は200ユーロとなっております。
   これより上のお値段でご購入されたい方はございませんか?ございませんか〜?」

三杉「(特に名の売れた花細工職人の作品ではないにもかかわらず、なかなかの盛況だ。
   確かにボクの目から見ても見事な配色だ。それに何より丁寧に編みこまれた模様は
   この職人が花細工だけでなくサッカーにも多大な愛情を注いでいるということが見て取れる)」

ビクトリーノ「俺は何としてでもあの花束をゲットしてあの娘にアタックしてやる!ヒャッホー!」

森崎「(200ユーロ…。俺のもち金は500ユーロだから、まだ余裕はいくらかある。
   どうする?ここは強気に攻めるか堅実に固めていくか…?)」

ビクトリーノもまだまだ吊り上げる気でいるらしい。
場の空気と商品の値段を頭の中の天秤で計りつつ、森崎は札を出す。


☆どうしますか?(現在の値段:200ユーロ)

A 様子見で210ユーロ
B やや牽制気味に250ユーロ
C 少し強気に300ユーロ
D 主導権を握る400ユーロ
E 一気にけりをつける!500ユーロ
F うごかない
G あきらめる

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

371 :森崎名無しさん:2012/09/19(水) 14:35:58 ID:5hOOy/CQ


372 :森崎名無しさん:2012/09/19(水) 14:42:51 ID:etnEN/aA
C

373 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/20(木) 13:29:10 ID:???
>C 少し強気に300ユーロ


森崎「(よし、ここが狙い目だ)すぅーー……300!!」

ここで森崎は勝負に出る。300ユーロ。日本円にしておよそ3万円である。
一度大きく行きを吸い込んでからの、堂々とした発音での値段の吊り上げ。
特殊な造形とはいえ、花束一つに出せる金額としてはかなりのものだ。
だが、この強烈な牽制はこれまで積極的だった他の競売客の動きを確かに鈍らせた。

ビクトリーノ「うぐぐ…!さ、300ユーロ……だと……?
       (どうする俺?これ以上の値段だとたとえ花束を買えたとしても
       それをプレゼントした後のデートプランをもう一度練り直さなくちゃいけねぇ。
       ちゃちなレストランやホテルに誘うなんざ俺の流儀に反するし……くっそー!)」

森崎「(この雰囲気……来てる、来てるぞ。流れは俺の方に来ている!この勝負……もらった!)」


★ハマチハウマッチ→! card★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ・ハート→制限時間いっぱいに。見事花束は森崎が『300』ユーロで競り落とした!
スペード→ビクトリーノが絞り上げるようなうめき声で『310』と答える!
クラブ→『350!』髪の毛と口を尖らせたキツネ顔の少年が対抗してくる。
JOKER→『10000!』破格のつり上げに会場騒然!いったい誰が…?

374 :森崎名無しさん:2012/09/20(木) 13:30:05 ID:???
★ハマチハウマッチ→ ダイヤQ

375 :森崎名無しさん:2012/09/20(木) 13:30:17 ID:???
★ハマチハウマッチ→ JOKER

376 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/20(木) 13:42:47 ID:???
★ハマチハウマッチ→ ダイヤQ ★
>ダイヤ・ハート→制限時間いっぱいに。見事花束は森崎が『300』ユーロで競り落とした!


時間にしてはほんの僅かな、だが森崎にとっては
生きた心地がしない長い間が競売ホールをゆっくりと駆け巡っていく。

ジリリリーーーン!!

激しく打ち鳴らされるベルの音で森崎の視界は一気に晴れ渡った。
守りきった。見事300ユーロでサッカーボール型の花束を競り落とせたのである。

森崎「いよっしゃー!この独特の緊張感と購買感、オークションでなきゃ絶対に味わえないぜー」

ビクトリーノ「へ、へーんだ!そんな花なんかに300ユーロも払っちゃったりなんかして!無駄遣い乙!」

三杉「競売で負けた人は誰もがそう言うんだよ。みっともないからやめるんだ」

ビクトリーノ「ぐぎぎぎ……チッキショー!これで俺のナンパが失敗したらテメェの所為だからなー!覚えてろー!」

シュタタタタタタタタッ……

森崎と三杉はある意味この会場のどの作品よりも芸術的な俊足で競売ホールを涙目で走り去るビクトリーノを見送る。

三杉「さて、そろそろ集合時間だね。玄関ホールへと戻ろうか。
   ちなみに……その花束だけど、誰かへの贈り物にでもするのかい?」

なにか言いたげなニヤニヤとした憎らしい笑顔で、三杉はこの花の行く先を尋ねてくる。

377 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/20(木) 13:46:14 ID:???
☆どうしますか?

A 自室の観賞用にするつもりだったけど?
B 実家の両親へのおみやげだよ?
C もちろん意中の女の子へのプレゼントさ!
D もちろん大切な友人へのプレゼントさ!
E 実は……お前に送りたいと思っていたんだ!
F ビクトリーノの恋路を寛大に応援してやろうじゃないか!
G 特に考えていない。とりあえず買ってみただけ。

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

378 :森崎名無しさん:2012/09/20(木) 14:13:02 ID:Ets+StFs
C

379 :森崎名無しさん:2012/09/20(木) 14:35:39 ID:dAxmd36c


380 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/20(木) 22:49:56 ID:???
>C もちろん意中の女の子へのプレゼントさ!


森崎「三杉も野暮だなぁ。男が花を買う理由は冠婚葬祭を除けば一つしかないだろうさ」

三杉「……これは済まなかったね。ボクとしたことが配慮に欠けた発言だったよ」

と言いつつも、森崎のこの回答を期待していた三杉はしたり顔で謝罪する。

三杉「こうして異国の土地でプロとしてやっていくにはそれこそ多くの人の助けが必要だ。
   チームのオーナー然り、監督然り、チームメイト然りマネージャー然り。
   地元のサポーターの応援や、僕達に研修という機会を与えてくれた
   サッカー協会の方たちにも感謝しなければならない」

一呼吸置き、先ほど競り落とした自分の姿にソックリの彫像を見つめ三杉は続ける。

三杉「その中でも、自分の心の支えとなってくれるパートナーが側にいてくれる。
   これほど心強いものはないだろうし、勇気を与えてくれる存在はいないだろう」

弥生の献身的な想いは、三杉の身体の世話だけでなく精神的なものも癒してくれていた。
決して自己主張すること無く、一歩引いたところから冷静に助言を与えてくれる。

『夢を追いかけている人を止めることなんて私には出来ない。
 だから私は見守っているだけ。そのかわり、誰よりも一番近いところで』

自分の目指す夢をそっと見守ってくれている彼女という存在がいるからこそ、
ガラスのエース・三杉淳は節度を守り、決して無茶をし過ぎないよう心がけることが出来るのだ。
いわば彼女は三杉にとっての『ブレーキ』なのだ。
暴走し、この身体が使いものにならなくなってしまわぬようにしてくれる大切な心の拠り所なのである。

381 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/20(木) 22:51:37 ID:???
三杉「君も一生を共にする覚悟が出来る素敵なパートナーに巡り会えればいいね。
   それとも既に見つけていたりするのかい?……おっと、また野暮な質問をしてしまったね」

森崎「(……実際の所どうなんだろうな。俺はまだミネルバ王女のことを好きなままでいるのか?)」

今思い出しても顔から火が出るほど恥ずかしい記憶が呼び起こされる。
WY大会イングランド戦の直前。森崎はチームメイト全員の前で好きな人の名前を盛大に叫ばされる醜態を晒した。
そのことを三杉が忘れているはずもない。きっとあの恋の続きの展開を期待しているに違いない。

森崎「(頼むからどうか無事でいてくれよ。もうロレンスさんやクリスのように
   誰かが目の前で消えて行くところなんて……絶対に見たくないんだから)」

この世界にいるうちはなるべくアカネイア大陸の事情は持ち込むまいとしていたが、
森崎は改めてマケドニア王女ミネルバの救出を強く誓うのだった。

※三杉の評価が上がりました。
※ビクトリーノの評価が下がりました。
※森崎が『花束』を手に入れました。プレゼントすると相手により好感度が上下します。



地下のホールからロビーへと戻ってきた森崎と三杉は、椅子に腰掛け他の同行者たちを静かに待つ。
今日の美術館の感想や、異国の地で身につけた新たな技について語っているうちに一人、二人と戻ってくる。

中里「待たせたでござるな森崎殿、三杉殿」

イスラス「悪いな。ちょっと話し込んじまっていて遅れた」

ところがビクトリーノだけが集合時間を過ぎても戻ってこない。
花束を買えず、ナンパをしくじり落ち込んでいる姿を見られたくないのだろうか?
少し罪悪感を覚えた森崎がちょっと探しに行ってくると言おうとしたその時。

382 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/20(木) 22:53:10 ID:???
『ド、ドロボー!ドロボーだ〜!!』

甲高い叫び声がロビー中に響き渡る。次の瞬間、この美術館のオーナーらしき男を突き飛ばし、
一人の男が森崎たちの目の前を尋常じゃない速度で通りすぎていく。
あまりのスピードと、いきなりのことで、逃げる人間の顔すらはっきり認識することが出来なかった。

中里「なにィ!盗人でござるか?」

三杉「美術館なんてそれこそ泥棒にとっては宝の宝庫だからね。
   値段なんて恐れ多くもつけられない作品もあるみたいだし」

そして、逃げた泥棒を追いかけるようにビクトリーノが黒い疾風となってロビーへと駆け込んでくる。

ビクトリーノ「お、ちょうどいい所に。お前らもちょっと手を貸してくれ!
       あの野郎、俺の鞄まで一緒にパクッていきやがったんだ!」

イスラス「何やってんだよまったく…。まぁ、いい運動になりそうだからな!」

ダダッ!

イスラスは椅子から飛び上がると、ビクトリーノと一緒に煙を巻きあげるがごとく外に向かって駆け抜けていく。
共に世界トップクラスの俊足だ。いくら泥棒といえども彼らの追跡から逃れられることは簡単ではないはずだ。

三杉「彼らに任せておけばとりあえずは安心かな?…………ん?これは…………」

先ほどの泥棒が慌てて落としていったものだろうか。
地味な包装がされてある小さな箱を三杉は拾い上げ、そして絶句する。

三杉「……関わりたくないものに関わってしまったな。これは……」

383 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/20(木) 22:54:47 ID:???
アムステルダムの街にとってはそれほど珍しいものではない。
だが、そうだとしても健全な肉体と精神を常に求められる自分たちにとっては禁忌に近い代物だ。

三杉「これは……麻薬だ。それもかなりの劇薬と言ってもいい」

中里「なっ……なんと!?」

森崎「お、おいおい。冗談だろ?」

医者との二足の草鞋を目指している三杉もこの禁断の薬の知識は持っていた。
そしてこんな白昼堂々とドラッグを持ち出す人間が危険かどうかなど
たとえ裏の世界の人間でなくとも分かりうることだった。

中里「このままでは二人が危ないでござる。追いかけて止めさせなくては」

忍の世界ではよくあることなのだろうか。中里は冷静な態度で状況を判断している。

三杉「森崎、君はどうする?一人はここに残って他のみんなの荷物を見ていてもらいたいんだが」


☆どうしますか?

A 自分が残り、追跡は三杉と中里に任せる
B 三杉を残し、中里と一緒に追跡する
C 中里を残し、三杉と一緒に追跡する

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

384 :森崎名無しさん:2012/09/20(木) 22:55:26 ID:Ets+StFs
B

385 :森崎名無しさん:2012/09/20(木) 22:56:54 ID:S192Lxao
A

386 :森崎名無しさん:2012/09/20(木) 23:05:17 ID:xd8YYprY
B

387 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/21(金) 08:45:17 ID:???
>B 三杉を残し、中里と一緒に追跡する


森崎「いや、ここは俺と中里が追いかける。
   心臓の弱いお前じゃアイツらを追いかけるなんて無茶すぎる」

三杉「言ってくれるね。……だけど、確かに今回は君たち二人のほうが適任そうだ。
   二人のことを頼んだよ。中里、君も気をつけてくれたまえ」

中里「任せるでござる。(やはりどこの国にもいるものだ。『裏の世界』に生きる者というものは…)」

午前中にイスラスからこの町に纏わる麻薬の話を聞いているだけに、
森崎の胸中は嵐前の波のようにざわついていた。
いざとなれば戦う力を持っている自分が皆を守らなくてはいけない。
森崎は三杉に自分の荷物を預けると、中里と一緒にビクトリーノたちの後を追いかける。

三杉「(まったく……昔から彼はあらゆるトラブルを持ち込んできたものだ。
   だが、どんな形にせよ解決の糸口を見つけてきたのも彼だ。
   きっと森崎ならば何とかしてくれるのではないだろうか。
   ……信頼と期待は別物だ。けれども、確かに森崎には人を惹きつける何かがある)」

仲間たちの無事を信じ、荷物番をしている三杉のもとに見知った顔が駆け込んでくる。

三杉「クライフォートじゃないか。君もここに来ていたのか」

クライフォート「ああ、少し野暮用でな。それよりイスラスを見なかったか?」

三杉「彼なら今さっき泥棒を追いかけるために外へと飛び出していったよ」

三杉の返答を聞き、クライフォートは少し顔を歪ませる。
何やら彼に一刻も早く伝えたい情報があったらしい。

388 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/21(金) 08:46:19 ID:???
クライフォート「この間の仮面の男のことを覚えているか」

三杉「! ああ。あのとんでもない足の速さの謎の男のことだね」

クライフォート「奴がまた現れてな。こいつをイスラスに渡して欲しいと言い残して消えてしまった」

三杉「これは……」

クライフォートは鞄の中から分厚いスポーツタオルに包まれたあるモノをゆっくりと取り出した。
それは三杉がモロドフから受け取った荷物の中に入っていた蒼色の宝石と非常によく似た形状をしていた。
ただひとつ違うのは、全ての光を飲み込んでしまうかのようなドス黒い濁った色をしていることだ。

クライフォート「あの日の夜。イスラスが俺たちに話してくれたことが全て真実なのだとしたら…」

三杉はクライフォートの言葉を聞きはっと息を呑む。
行方不明だったイスラスがアヤックスの寮に戻ってきたあの日。
クライフォートと和解した後、彼は自分が今までどこにいてどうしていたのか語ったことを思い出す。

クライフォート「うかつに触るなよ。布越しに触れている今の俺でも、正気を保つのに苦労しているんだ」

三杉「まさかこれが彼の言っていた『闇のオーブ』のかけらだと言うのかい?
   所持者に強い精神力が備わる代わりに精神に異常をきたすというあの……」

身動きすることができなくなるほどの悍ましい力が、黒色のかけらから伝わってくる。
確かに人格が大きく歪んでしまうほどの禍々しい正気が指先から染み込んでくるようだ。

三杉「確かイスラスは黒いローブの老人に謎の組織に拉致されたと言っていたな」

ここ最近次々と将来有望な若手選手が疾走している事件の被害者たちが、
この黒いかけらの虜にされ、集められているとイスラスは言っていた。

389 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/21(金) 08:48:47 ID:???
三杉「この世界では絶対に裁かれない合法……いや、魔法ドラッグとは言い得て妙だな。
   だが、なぜその仮面の男はこれをイスラスに渡そうとしているんだ?」

クライフォート「それは分からん。だが、あの男は言っていた。
        一度闇に取り込まれた者は二度と闇から抜け出せない。
        取り返しがつかなくなる前に俺たちのところに戻って来い……とな」

三杉「……ふぅ。おとなしく荷物番なんてしていられる状況じゃなくなったな。
   近くの施設にコインロッカーがあったはずだ。そこに全部押し込んでおこうかな」

クライフォート「とにかく俺はイスラスを追いかける。
        あの仮面の男もイスラスを追っているはずだ。
        お前も荷物を片付けたらアイツの捜索を手伝ってくれ」

三杉「了解。
   (いったい何が起ころうとしているのだろう。こんな一見ただの宝石にしか見えない異質の存在。
   森崎、君ならばなにか知っているとでも言うのかい?
   魔法という特異な力がごく当たり前に存在する世界に滞在していた君ならば……!)」

390 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/21(金) 08:50:41 ID:???
一方、森崎と中里はビクトリーノとイスラスを追いかけ街の郊外へと入り込んでいた。
しかしここで重大なミスに気がついてしまう。
この街に不慣れな二人はすっかり道の感覚が掴めず迷子になってしまっていたのだ。

森崎「うぎぎ……こんなことなら三杉を連れてくるんだったぜ……」

中里「そんなこと今更拙者に言われても困るでござる。
   しかし、こんな事もあろうかとこんなものを用意しておいたでござる」

森崎「なんじゃそれは」

中里が取り出した巻物を訝しげに睨む森崎。どこか見覚えのあるそれは、
昔森崎も愛用していた名前を書いた人物の能力が分かるという秘伝の巻物に似ていなくもない。

中里「これに名前を書けばあら不思議!その者が持つ霊気を通じて居場所を探り、
   現在所在地がはっきりくっきり浮かんでくるのでござる。名付けて『幽幻目』の巻でござる!」

森崎「おおう、なんだかよく分からんが早速やってみてくれよ」

中里「(実はただのGPS機能付きの地図であることは秘密でござる)」

中里は素早く印を刻み……もといデータを入力し二人の居場所を探りだす。

391 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/21(金) 08:52:44 ID:???
★Ghost・Phantom・sight→! card★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ→ビーチに向かったみたいだ。追いかけよう!
ハート→デパートに向かったみたいだ。追いかけよう!
スペード→公園に向かったみたいだ。追いかけよう!
クラブ→ドゥン!エラーが発生しました。巻物から聞こえる機械的な声に中里は狼狽えている…
JOKER→アヤックスのスタジアムに向かったみたいだ。追いかけよう!

392 :森崎名無しさん:2012/09/21(金) 08:53:15 ID:???
★Ghost・Phantom・sight→ JOKER

393 :森崎名無しさん:2012/09/21(金) 09:09:03 ID:???
オランダはJOKERに縁が深いなー

394 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/21(金) 12:36:53 ID:???
>>393
順当にとあるフラグを重ねております。
今の私にあの方々を立派な貫禄を持たせて書けるかどうか…ううっ。
===========
★Ghost・Phantom・sight→ JOKER ★
>JOKER→アヤックスのスタジアムに向かったみたいだ。追いかけよう!


ピープーピー 検索完了しました

森崎「ん?何ひとりごと呟いてんだ中里」

中里「やや、なんでもござらんよ。どうやら二人は
   アヤックススタジアムのグラウンドへと向かっているようでござる」

森崎「下手に人が混み合いそうなトコよりはマシだな。よし、追いかけるぞ中里!」

中里「御意!」

395 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/21(金) 12:38:20 ID:???
ここで少し時間は遡る。デパートで備品の買い物を終えたリブタとマネージャーのシャル。
そして特性のプロティンを大量に抱えたディックとブローリンがはちあわせていた。

シャル「ディック!それと…ブレーメンのブローリンさんでしたよね。こんにちは」

ブローリン「こんにちは。君たちも買い物かい?」

ディック「なんだよマネージャー。ブタちゃんとデートかい?」

リブタ「お、おお、俺はぶ、ぶぶ、ブタじゃないやーい!ぶっひぃぃぃい!!」

ブローリン「(名は体を表すとはこのことか。だが、この体格の大きさは競り合い時には脅威だな)」

ディックの煽りに顔を真赤にして鼻穴をふくらませるリブタを、シャルはどうどうと抑える。

シャル「もう、ディックも子供じゃないんだからいつまでもからかうのは止めなよ。
    これでも昔に比べたら大分引き締まってる……と、思うかな。う〜ん、どうだろ」

自信無さ気なコメントを残すシャルに対し、リブタは頬をタプタプ揺らしながら悲観にくれる。

リブタ「そんなァ〜!ここ最近ずっとお菓子食べるの我慢してるのに〜!」

ディック「もちっとスマートに走り回れる身体をしっかり作りやがらねぇと。
     俺の秘蔵のプロティンを分けてやる。こいつを摂取すればすぐにマッスルボデーに…」

リブタ「い、いいよ…。俺、そういうの取ると昔から太っちゃう体質なんだよ」

ブローリン「ならば腹筋だ。腹筋一つにも色々と種類があってだな。
      腹回りの肉をそぎ落としたい場合、こう、身体をVの字のようにだね…」

396 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/21(金) 12:39:43 ID:???
シャル「あ、その話わたしも気になります。詳しく教えて下さい!
    最近脇腹あたりのお肉がちょっーっと、ほんのちょーっと摘めちゃって…」

リブタ「俺が食べるの我慢して取っておいたお菓子こっそり食べてるからでしょ。この間見ちゃったんだよね…」

シャル「ドキーン!い、いやぁあれはその…ほら、仕事を早く済ませるのがわたしのモットーでしょ?
    だからあれは頭の回転を速くするためにしかたなく……」

ディック「あんまり早すぎて雑になるのも考えものだけどなー」

シャル「はい……精進します」

そんな雑談を交わしつつ、ディックたち4人は和やかな雰囲気でアヤックスの寮への帰路を歩く。

ブローリン「しかし、女子のマネージャーといえば俺が元いたチームのことを思い出すよ」

ディック「なになに?その子どんな子?可愛い子?
     うちのサルみたいなのとは違って有能な子なんだろうな〜」

シャル「サルじゃないシャルだー!ムッキー!!……って、あらヤダ。オホホ」

リブタ「(また人の名前をもじって馬鹿にするー。
    うん、いつかディックに名前ネタでギャフンと言わせてみせるぞ)」

後日、リブタはディックという名に隠された意味を偶然知ることになり
さすがにこれは可哀想だと復讐を思いとどまるのだがそれはまた別のお話である。

ブローリン「可愛いかどうかは俺の口からは言えんが、有能なマネージャーだったと誇れるな。
      彼女の名前はシェリー。科学者である兄と一緒に俺たちのチームのサポートに無くてはならない存在だった」

397 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/21(金) 12:40:52 ID:???
科学的トレーニングを導入することになったスウェーデンユースは、
これまでとは大きく違う練習項目に戸惑うものは少なくなかった。
腹筋一筋であったブローリンも例外ではなく、練習内容を理解していく
他の者たちの驚くほどの成長に取り残され、思い悩んだものである。
そんなとき、彼女の献身的な補助によりブローリンはようやく練習のコツを掴み、
チームメイトと同様に飛躍的に実力を伸ばすことに成功したのである。

ブローリン「(そうだ。カレンを事故で失い悲しみにくれたのはレヴィンや俺たちだけじゃない。
      カレンの親友であった彼女も、あの日から暗い影を背負うようになってしまった……)」

もしもやり直せるものならばやり直したい。レヴィンの切なる願いを成就するためにも。
星のかけらを出来るだけ集め、カレンを生き返らせなくては。
そうすればきっとあの頃のように。皆が笑顔を取り戻せるはずだとブローリンは固く拳を握る。

リブタ「ぶひぃ…ぶひぃ…ちょ、ちょっと公園で休んでいこうよ。ノドが乾いた……」

ディック「ああん?甘ったれたこと言ってんじゃねぇよ!だからテメェは何時まで経っても……!」

シャル「ま、まぁまぁ。わたしも午前中ずっと歩きづめでちょっと疲れちゃったし」

ブローリン「俺もこの街の風景を色々と見て回りたい。構わないだろうか?」

ディック「……けっ、わーったよ。わっかりました〜」

ディックたち4人は近くの公園のベンチへと向かう。
一方その頃、その公園ではクリスマン、カイザー、レンセンブリンクの三人が
『とある人物』からの依頼を受けて『とある探し物』をしていた。

398 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/21(金) 12:42:14 ID:???
クリスマン「どうだ?見つかったか?」

カイザー「うんにゃ。こっちには何にも手がかりなし」

レンセンブリンク「……同じく。本当にこんな場所にあるのか?」

クリスマン「あると思う。いや、絶対にあるはずだ!そして何が何でも見つけなくちゃいけない。
      アヤックスアカデミーに伝わる『伝説の三人組』が残した『お宝』を!」

レンセンブリンク「本当にそんなもの存在するのか?よくあるつくり話とかじゃないのか?」

カイザー「俺はこういう宝探しって結構好きだけどな。ウッシッシ」

レンセンブリンク「クリスマン、少し冷静になれよ。こんなお遊びみたいな無駄な努力するより
         ブレーメンの戦力を分析するとか弱点を探すとかしたほうがよほど有意義じゃ…」

クリスマン「それだけじゃダメなんだよ。今の俺達じゃ……ダメなんだ。
      そうじゃなきゃ、俺達は何時まで経っても『前座』扱いだ。
      イスラスも復帰し、クライフォート、三杉との三本柱になったアヤックスは確かに強い。
      でも……このままアイツらにおんぶに抱っこするだけの存在でお前たちは満足なのか?」

レンセンブリンク「……そんなわけないさ。俺にだって点取り屋の意地はある」

カイザー「うーん…俺達が強くなればさらにアヤックスはさらに盤石になるってことは分かるぜ」

クリスマン「フェイエノールトにレンタル移籍していた頃の事を思い出そうぜ。
      あの時の俺達はドイツの守護神と呼ばれていたデューター・ミューラーさえも翻弄できた。
      俺たち三人の力を合わせれば誰が相手だろうと渡り合える。
      だから探すんだよ。俺達じゃなきゃ出来ないとっておきってのを」

399 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/21(金) 12:43:36 ID:???
レンセンブリンク「それがアヤックスアカデミーに伝わる『伝説の三人組』が残した『お宝』とでも?
         ……ところでそのお宝の情報ってどこから手に入れたんだ?」

クリスマン「実はその『伝説の三人組』のメンバーの一人から電話が入ったんだよ。
     『君たちに探してもらいたいものがある。僕達の歴史を受け継ぐに値する後継者たちに』って」

カイザー「へえぇ!そいつはすげぇや!で、その伝説の男ってのは何者なんだ?」

クリスマン「……探し物を見つけてくれたら名前を明かすとしか。
      けど、大体見当はついてるんだ。アヤックスアカデミー出身で、
      伝説の名を関するに相応しい『三人組』といえばあの人達しかいないって」

レンセンブリンク「! そ、それはまさか……まさかあの三人のことだというのか!?」

クリスマン「多分だけどな。どうだ、俄然やる気になっただろう。
      あの三人の後継者になれるかどうかの特大のチャンスなんだぜこれは!」

カイザー「ウッヒョー!そうと決まれば何としてでも探してやろうじゃないの!」

レンセンブリンク「やれやれ。こうなったら最後まで付き合うとしますか」

クリスマン「ああ、必ず見つけてやろうぜ。『星のかけら』という名の青い宝石…俺たちの夢を!」

こうしてクリスマンたちオランダトリオは『宝探し』を再開する
アヤックスアカデミー出身の伝説の三人組。
そう、今やサッカーファンにおいて世界でその名を知らぬものはいないほどの有名選手。
ファンベルグ。フーリア。ニスケンス。セリエAのトップで活躍する彼らの偉業はまさに伝説の名に相応しい。
彼らの力にあやかれるものならばと地面を這い、ゴミ箱をあさり、
道行くカップルの非難を受けつつ、三人は公園中の怪しいところを徹底的に探しまわるのだった。

400 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/21(金) 12:44:58 ID:???
ビクトリーノ「こんにゃろー!待ーちやがれー!!」

イスラス「あいつ……相当逃げ慣れているな。このままじゃ振り切られるぞ」

美術館から飛び出してきた男を追いかけ、公園までやってきた俊足コンビ。
しかし男は身軽な動きで道行く人を避け、花壇の間を器用に走り抜けていく。
どうやって追い込むべきかと考える矢先、聞き覚えのある声が聞こえてくる。

シャル「イスラスー!そんなに慌てていったいどうしたの〜?」

リブタ「こっちにおいでよー。ここのジェラートの美味しさったらもう絶品で絶品で」

ディック「っておい!どさくさに紛れて俺の分を食おうとしてんじゃねぇよブタが!」

イスラス「シャル?それにリブタ……ディックも一緒か」

ビクトリーノ「おい、呑気に手を振ってる場合じゃねーぞ。このままじゃ見失うって!」

イスラス「! くっ…しまった!」

男は茂みをかき分け、公園の中央にある巨大な噴水の方へと向かっていく。
慌てて二人も後を追うようにして体を屈めて草の間をかき分けていく。

ブローリン「いったい何をやっているんだあの二人は…?何かを追いかけているように見えたが」

シャル「なんだか気になるね。わたし、ちょっと追いかけてみようかな〜」

リブタ「ええ〜?走るのはちょっとご勘弁願いたいところなんだけど…」

ディック「食ったら走れ!それが太らない第一歩だっつーの!」

401 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/21(金) 12:46:28 ID:???
巨漢コンビとスイーツコンビはイスラスとビクトリーノを追いかけ、噴水の方へと向かう。
それと同時刻。クリスマンたちは恥も外聞も捨て、ずぶ濡れになりながら噴水の中を『宝探し』していた。
子供が母親にあの人達は何をしているのという純粋な質問をし、
それに対して母親は見てはいけませんよと的確な返答をしているのもお約束である。

カイザー「ヒャッホー!ビーチで泳げなかった分ここで泳いじゃうぜ〜!ワイルドだろ〜?」

レンセンブリンク「真面目に探せカイザー!……くっ、どうして俺がこんな恥ずかしい目に……」

クリスマン「俺の予感が正しければここに『星のかけら』があるはずだ。
      水面に青白く光るものが見えたんだ。きっと、この中に…ブクブクブク…ブホッっ!?」

盛大に空気を吐き出しながらクリスマンは必死に手を伸ばして掴んだ『ソレ』を掲げる。
青白く輝く小さな宝石。間違いない。きっとこれが『星のかけら』と呼ばれるモノなのだろう。

クリスマン「やったァ!見つけたぞォ!これで……これであの伝説の三人から……
      ファンベルグさんたちからとっておきの技を教えてもらえ――!?」

そのとき目の前を突風が過ぎていった。いや、人だ。
水か汗か涙かもわからないほどにびしょ濡れになっていたクリスマンが
歓喜の表情で握りしめていた『星のかけら』が今目の前を通り抜けた人にもぎ取られていったのだ。

クリスマン「ンノォーーーーッ!?お、おい、追い、追いかけけけけーーー!!」

どう表現したらいいか分からない絶叫が公園中に響き渡った。
自分で出した声の大きさに驚き我に返ったクリスマンは、これまた驚き目が点になっている
レンセンブリンクとカイザーを引き連れ、お宝を横取りした謎の人影を追いかける。

カイザー「へへぇー。このカイザー様と追いかけっこしようとはいい度胸してんじゃん!」

レンセンブリンク「どうやらアヤックススタジアムの方へと逃げていくみたいだ。このまま追い込むぞ!」

402 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/21(金) 12:47:49 ID:???
こうして実に11人もの追跡者を引き連れ、男はスタジアムの中へと逃げこんでいく。

森崎「中里、奴は確かにこの中に逃げ込んだんだよな?」

中里「機械が…や、失敬。巻物が正常に動作しているならばその通りでござる」

ビクトリーノ「なんだ、お前たちも追いかけてきたのか。ご苦労なこったぜ」

ブローリン「いったい何の騒ぎなのだこれは。説明してくれないか?」

森崎は美術館の作品やビクトリーノの荷物を奪い逃走する男がここに逃げ込んだこと、
そしてその男が危険な薬を落とすところを見てしまい、これは危険だと追いかけてきたと説明する。

クリスマン「それだけじゃないぞ。アイツは俺達が必死に探しまわって見つけた『お宝』まで奪っていきやがったんだ」

森崎「お宝だって?一体それは何なんだ?」

カイザー「それはだな、星のもがもがもが」

レンセンブリンク「(君は馬鹿か?下手に口を滑らせてせっかくの
         『伝説の三人組』からの指導を公にするつもりか)」

カイザー「もがーもががーもがっがもがー!」

クリスマン「べべ、別に大したものじゃないんだけどさ。そ、そう。財布だよ財布。
      ビクトリーノもアイツに荷物を盗られたんだろ?早く取り返さないとな」

ビクトリーノ「お、おう。だが森崎の話が本当だとすると、ちょっとヤバイ相手なんじゃないのか?」

403 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/21(金) 12:49:15 ID:???
イスラス「……そうだな。下手に固まって行動するのは危険かもしれん。
     連絡手段を用意して、3手に分かれて行動しよう。
     森崎、メンバー分けを任せても構わないか?」

森崎「別に構わないが……。なんだかお前、こんな危機敵状況なのに随分落ち着いてるのな」

約3年戦いの場に立ち続けた森崎や、忍びの者である中里ならばいざしらずである。
それとも『闇の軍団』にいた経歴を持つ彼だからこそなのだろうか。

イスラス「内心ビビってるのが本音さ。だが、俺はもう何からも逃げないって決めたんでな」

不敵に笑うイスラスに、森崎は安心していいのか不安になるべきなのか判断することはできなかった。

森崎「よし、みんなきけ。これから逃げた泥棒を3手に分かれて追跡する。
   相手は何かしらの凶器を持ってる可能性も考えられるから、
   たとえ泥棒を見つけても慌てず騒がず仲間たちに連絡すること!」

ビクトリーノ「ヒュ〜。なんだか今のお前、サッカーしてる時よりもリーダーっぽくて頼もしいぜ」

森崎「喜んでいいのかどうか微妙だな、ソレ。
   (まぁこれもアカネイアで部隊長や指揮官をずっと任されてきた経験と呼べるのかもな)」

褒められているのかからかわれているのか悩みつつ、
森崎はこのスタジアムに集まった11人を3つの班へと振り分ける。

404 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/21(金) 12:51:09 ID:???
アンナ「あらまぁ。JOKERを引き当てたことで大分後に予定されていたことが随分前倒しされちゃったわね。
    さて、現在進行中のキャプ翼シナリオではFEシナリオのような戦闘は行われないけれども、
    今回のような何かの事件に巻き込まれたりして、どこかを探索するというミッションが発生するわ。
    戦場パートでの部隊振り分けを参考にして、チームを振り分けてちょうだいね」



アンナ「組み合わせは特に悩む必要はないけれど、基本的に仲がいい人たち同士のほうが
    いざという時のピンチを乗り越えられる可能性が高いということだけ。
    といっても、結末がガラリと変わるようなことはないので、
    仲良くしたい、活躍が見たいという仲間と一緒に組むのがベストかしらね」


☆チーム編成を行います。

@スタジアム内の施設を探す(グッズショップや事務室、トイレなども)
A観客席周りを探す(放送席や非常階段なども)
Bフィールド周辺を探す(ベンチや選手用のロッカールームなども)

※@:A:B の順に部隊に割く人数を合計『12以内』になるようにお書きください。

(例)
4:4:3
(@、Aのチームは4人、Bのチームは3人)

『同じ組み合わせ2票』集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

405 :森崎名無しさん:2012/09/21(金) 13:51:49 ID:vWqy/9AY
4:4:3
ちなみに12人以内でしたが11人でいいんですよね?

406 :森崎名無しさん:2012/09/21(金) 14:33:54 ID:Ic7rr/e2
4:4:3

407 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/21(金) 15:17:43 ID:???
>>405
はい、その通りです。どこからコピペしてきたのかバレてしまう…w
===========
>4:4:3

森崎「広く見渡せるフィールド周辺は一人少なくても大丈夫だろう。
   それより隠れやすい個室を探すチームに人数を割かなければ」

◎ブレーメン
【森崎・ビクトリーノ・ブローリン・中里】

◎アヤックス
【イスラス・リブタ・ディック・クリスマン・カイザー・レンセンブリンク・シャル】


@スタジアム内の施設を探す(グッズショップや事務室、トイレなども)






(例)
☆森崎
・ビクトリーノ
・イスラス
・リブタ

上記のようにチームを組ませたいメンバーを明記してください。

『同じ組み合わせ2票』集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

408 :森崎名無しさん:2012/09/21(金) 15:52:41 ID:UIMcUqrw
森崎・イスラス・ブローリン・ビクトリーノ

409 :森崎名無しさん:2012/09/21(金) 16:20:08 ID:vWqy/9AY
森崎・ビクトリーノ・ブローリン・イスラス

410 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/22(土) 13:15:18 ID:???
>森崎・イスラス・ブローリン・ビクトリーノ


森崎「施設内の探索は俺とビクトリーノ。イスラス、そしてブローリンに任せてくれ」

中里「欧州を代表するスピードスターの共演でござるか。
   お主たちならどんな奴でも捕まえられそうでござるな」

ビクトリーノ「オーケーベイビー。ちょちょいのちょいでふんづかまえてくらぁ」

ブローリン「いざとなれば俺が腹筋で盾を築こう。ボールだろうが鉛玉だろうが弾き返してやるぜ」

イスラス「アンタの場合、まったく冗談に聞こえない所がスゴイよな…」

ドシンと鈍い音を立てて、腹を叩くブローリンが実に頼もしく思えてしまう。

レンセンブリンク「それでは次に、観客席回りの担当を決めましょう。
         泥棒は逃走経路を求めて非常口に繋がる通路に入り込む可能性は高いでしょうし」

411 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/22(土) 13:16:36 ID:???
◎ブレーメン
【中里】

◎アヤックス
【リブタ・ディック・クリスマン・カイザー・レンセンブリンク・シャル】


A観客席周りを探す(放送席や非常階段なども)






(例)
☆森崎
・ビクトリーノ
・イスラス
・リブタ

上記のようにチームを組ませたいメンバーを明記してください。

『同じ組み合わせ2票』集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

412 :森崎名無しさん:2012/09/22(土) 13:19:41 ID:0zHnUJbI
☆中里
・リブタ
・クリスマン
・シャル

413 :森崎名無しさん:2012/09/22(土) 13:23:58 ID:CTCvGRi2
☆中里
・リブタ
・クリスマン
・シャル


414 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/22(土) 13:36:31 ID:???
☆中里
・リブタ
・クリスマン
・シャル

森崎「それじゃあ中里、第2班のリーダーは任せたぞ」

中里「了解でござる」

クリスマン「(レンセンとカイザーとは別の班になってしまったか。
      ……いや、これはいい機会だ。俺たちは三人揃わなきゃ何も出来ないと
      自ら『ブレーキ』を踏んでいる節がどこかしらにあった)」

今日の宝探しでもそうである。三人だからできる事を探すのではなく、
三人揃ってなくとも、個で戦える実力を探そうとしなければいけなかったのではないか。
いくらファンベルグたちから指導を受けてもらえたところで、
それぞれが個で勝負できるほどの力が無ければ大した実を結ばないだろう。

リブタ「ううー…なんだか怖いなぁ。噂だとここ、夜になると『何か出る』って噂だし……」

シャル「嘘、ヤダ!なんでこんな直前になってそういうこと言うのかなー!?」

中里「(拙者の目論見が正しければ、あの逃げた男、間違いなく『裏稼業』の者の動きでござった。
   いざというときは、拙者が影となりてこの者たちを守ってやらねば……)」

シャルの適度に引き締まった形の良い健康的な太ももに目を凝らしつつ、中里はシリアスな表情で思いにふける。

イスラス「(…………)」ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
 
中里「(むっ、殺気を感じる…)も、森崎殿。残りのメンバーのことだが、誰をリーダーに任命するのでござろうか?」

415 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/22(土) 13:39:00 ID:???
◎アヤックス
【ディック・カイザー・レンセンブリンク】


Bフィールド周辺を探す(ベンチや選手用のロッカールームなども)





(例)
☆森崎
・ビクトリーノ
・イスラス
・リブタ

上記のようにチームを組ませたいメンバーを明記してください。

『同じ組み合わせ2票』集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

416 :森崎名無しさん:2012/09/22(土) 14:03:36 ID:0zHnUJbI
☆カイザー
・ディック
・レンセンブリンク

417 :森崎名無しさん:2012/09/22(土) 14:04:24 ID:DHqHTd1k
☆カイザー
・ディック
・レンセンブリンク

418 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/22(土) 15:04:22 ID:???
☆カイザー
・ディック
・レンセンブリンク


森崎「よし、第3班のリーダーはお前だ!」

森崎が選んだのはクールな風貌のレンセンブリンクでも、
大柄な体格で頼りになりそうなディックでもなかった。

カイザー「ヒャッホー!なかなか見る目があるなァアンタ!気に入ったぜ!」

太陽のような眩しい笑顔が印象的な男。ゲルト・カイザー。
だが、この底抜けの明るさ……悪く言えばアホっぽい喋り方は森崎もどこか見覚えがあった。

森崎「(ああ、そうか。こいつら『修哲トリオ』に似てるんだ
   こいつはさしずめ来生ポジションか。う〜ん、今更ながらリーダーを任せて大丈夫なのか?)」

やや不安が募ったが、他のメンバーがうまく補佐してくれることを祈りつつ森崎たちは探索を開始する。
すでに外は日が暮れ始め、徐々に星の光が夜空に煌めき始める時刻を告げようとしていた……。

419 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/22(土) 15:05:26 ID:???
アムステルダム。表向きは地域こぞってサッカーが盛んな華やかな街ではあるが、
その裏の顔は闇に溶ける帳のように、深く暗い色を持っている。
アヤックススタジアムに逃げ込んだこの男。
俗にいう『マフィア』と呼ばれている集団に属している『裏の世界』の者である。

O「なんてこった…。まさかあんな素人連中につけられちまうなんて。
 もしもこんなポカミスがボスに知られちまったら……ブルブル」

この組織では互いのことをアルファベットで呼び合っている。
AからZまでの構成員がおり、Aに近ければ近いほど優秀の証明とされた。
つまり、何かで組織に貢献するたびに名前が入れ替わることもあるのである。
そして、この『O』と呼ばれる男は下から数えたほうが早い立場であり、
このままでは『P』や『Q』といった気の抜けた名前で呼ばれる可能性が高いということだ。

O「へへ……だが、新作の売れ行きはなかなか好調だったぜ。
 オークションの作品の中に潜ませて今日もジャンジャン売りさばかせてもらったぜ。
 政府に容認されたちっぽけな量じゃ、こちとら商売あがったりだからなぁ。
 おっと、もたもたしてると追いつかれちまう。さっさとトンズラ決め込まねぇとな」

黒豹のデザインがプリントされたスポーツバッグに
今日の売上金と、上司に渡す上納金を移し替え、男はにんまりとほくそえむ。

????「おっと。悪いがそうはさせないぜ」

が、次の瞬間その表情は凍り付く。目の前に突然現れた男……。
まるで自分の影からはい出てきたかのように湧いてでたその男は
悲鳴を上げるにも挙げられない男を昏倒させ、薬と金が詰め込まれた鞄を奪い取る。

O「ぐえっ……ぴっ……」

420 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/22(土) 15:06:42 ID:???
????「(普段のあなたではとても味わえることの出来ない『幻想』の世界にご招待、か。
     『イリュージョンストライク』とは随分小洒落た名前なことで)」

だが、これでついに突き止めることが出来た。
自分の人生を、なにより大切な人たちの人生を狂わせた大本の存在が。
夢を失い、生きる希望さえ失いかけた自分に唯一残された最後の光。
今自分がいる部屋のような一切の明かりが入ってこない薄暗い場所。
闇の中でなければ見つけることなど出来やしない、本当に小さな光の粒だ。

????「まぁ、オタクはここで気持よく伸びているんだな。
     代わりに俺が目一杯楽しんできてやるからさ。この『逃走劇』を……な!」



〜森崎チーム〜

森崎「へぇ〜。外から見ても広いところだと思っていたが、中もかなり広いんだなぁ」

イスラス「うちのホームグラウンドってだけじゃなく、コンサートやライブ、
     格闘の大会なんかにも使われていたりするからな」

元は世界陸上選手権の誘致を目指し、陸上競技場を建設する計画を立てていたこのドームは、
現在はアムステルダムの様々なイベントに役立つ多目的大型ドームとして愛されていた。

ブローリン「俺たちの親善試合はここで行われるんだよな。想像しただけで胸が踊る。
      だが、それだけに逃げた男を探すのは苦労しそうだ」

ビクトリーノ「一度目視さえ出来ればどこまでも追いかけられる自信はあるんだがな。
       さて、何処に隠れているのかな〜子猫ちゃん?」

森崎「とても子猫と呼べるような相手じゃないだろうに…」

421 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/22(土) 15:08:42 ID:???
★アレナのぼうけん→! card★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ→グッズショップの中を探してみよう
ハート→事務室の中を探してみよう
スペード→レストランホールの中を探してみよう
クラブ→トイレの中を探してみよう
JOKER→なんと地下へ続く謎の階段を発見!
※数字がKで泥棒発見。Q〜9でイスラスが、8〜5でブローリンが、4〜Aでビクトリーノが話しかけてきます。

422 :森崎名無しさん:2012/09/22(土) 15:10:02 ID:???
★アレナのぼうけん→ ダイヤA

423 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/22(土) 15:52:16 ID:???
★アレナのぼうけん→ ダイヤA ★
>ダイヤ→グッズショップの中を探してみよう
>4〜Aでビクトリーノが話しかけてきます。


森崎たちはまずグッズショップへと向かうことにする。
そこではアヤックスの選手たちのキーホールダーやレプリカユニフォームなどが並べられていた。

ブローリン「お、イスラス。お前の分もちゃんとあるぞ。
      ちゃんと右足の色が白っぽくなってるんだな。随分しっかりと造形されてるぜ」

黒狼の名に相応しい漆黒の長髪を靡かせ駆けるその姿に、ブローリンは思わずため息を漏らす。

イスラス「……まぁ、悪い気はしないな。少し恥ずかしいが」

自分の姿が正直に反映される写真などとは違い、
デフォルメされたミニチュアフィギュアの自分はやけに爽やかに見えた。
姿こそ同じなれどまったくの別人のように思えて仕方なく、そして少し悲しかった。

イスラス「(こういう姿をサポーターに求められているってのは分かっている。けれども……俺は)」

本当の自分をさらけ出せない弱い自分を、未だに殻の中へと閉じ込めてしまっているのが現状だ。
そうでもしなければ、自分は自分でいられない。きっとここにもいられなくなる。
あの日。全てはあの日の事故さえなければと後悔しない日はイスラスの中には無いのだから。

イスラス「(……人の未来を奪い、蹴落とす、か。
     そうでもしなければ生きられない、戦えない奴がいると中山は言っていたが)」

誰かの夢を壊し、その破片を背負い込むだけの勇気が無いだけだと自分でも分かっている。
だから今でもこうして自分は後悔し続け、そして無駄な抵抗をすることしかできないのだから。

424 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/22(土) 15:54:25 ID:???
ビクトリーノ「グッズショップか。ブレーメンの地元でも結構盛況してたよな」

思わず目移りしてしまいそうなくらいに派手に陳列されたグッズの数々を指さしながらビクトリーノは森崎に話しかけてくる。

森崎「ああ。自分の名前が入ったものを買ってくれる人がいることがあんなに嬉しいことだとは思わなかったよ」

誰かに認めてもらいたい。必要とされたいという強い気持ちで戦ってきた森崎は
自分のグッズを買って笑顔をほころばせる子供の姿を見た時、思わず泣きそうになったほどだ。

ビクトリーノ「でもやっぱり地元に愛着のある選手の人気には勝てないよなー。
       しょせんは助っ人外国人扱い。ユース次代からの叩き上げには敵わんぜ。
       シェスターのグッズの売上と比べたときは本気でへこんだもんだ」

森崎「ぐぬぬ……顔か。やっぱり顔なのか?サッカーも顔がイイ奴が優遇されてしまうのか?」

ビクトリーノ「馬鹿言っちゃいけねぇよ。顔だったら俺だって野性的な魅力が溢れてるし、
       お前だって……その、そうだよ。純朴というか草食系というか、優しそうだし」

必死に森崎の地味な顔の利点を探すビクトリーノの苦心する姿を見て森崎は余計に悲しくなってしまう。
なんとかこの寂しい雰囲気を変えるために、森崎は何か話題を出すことにした。


☆どうしますか?

A マーガスや他の連中の人気の順位はどうだったんだっけ?
B そういえば美術館でのナンパは成功したのか?
C 君、いい目をしてるね。『モテナイツ』に入らないか?
D 折角だし何か買っていこうかな〜?
E 泥棒に盗られたバッグに何を入れてたんだ?

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

425 :森崎名無しさん:2012/09/22(土) 16:35:10 ID:CztjSsHE
C

426 :森崎名無しさん:2012/09/22(土) 16:40:13 ID:skPlZ1kU
E

427 :森崎名無しさん:2012/09/22(土) 16:40:28 ID:CTCvGRi2
A

428 :森崎名無しさん:2012/09/22(土) 17:07:49 ID:/C1QCDyo
A

429 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/22(土) 18:02:01 ID:???
>A マーガスや他の連中の人気の順位はどうだったんだっけ?

森崎「シェスターの人気がチームダントツ一位ってのは分かるんだけど、
   他の連中の人気の順位ってどんな感じだったんだっけ?」

ビクトリーノ「ん?ああ、それなら確か前に年配の選手たちが話してたのを聞いたぜ。確か…」



★森崎の人気→! card=
ビクトリーノの人気→! card=
マーガスの人気→! card=
ブローリンの人気→! card=
中里の人気→! card=★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

【補足・補正】
森崎のカードがダイヤで『頑張り屋』で+4
森崎のカードがハート・スペードで『正GK』で+2
ビクトリーノのカードがダイヤで『チーム得点王』で+5
ビクトリーノのカードがハートで『野生の魅力』で+3
マーガスのカードがダイヤで『チーム得点王』で+5
マーガスのカードがハート・スペードで『地元選手』で+4
ブローリンのカードがダイヤ・ハートで『守備の要』で+3
中里のカードがダイヤで『チームの切り札』で+5
中里のカードがスペードで『実績不足』で-2
中里のカードがクラブで『素行に問題アリ』で-5


※順位によってやる気が出たり、仲間の評価が上下します。

430 :森崎名無しさん:2012/09/22(土) 18:02:32 ID:???
★森崎の人気→ クラブ5 =
ビクトリーノの人気→ ハートA =
マーガスの人気→ ダイヤ10 =
ブローリンの人気→ ダイヤ2 =
中里の人気→ ハート10 =★

431 :森崎名無しさん:2012/09/22(土) 18:14:15 ID:???
NINJAマニアはシェスターだけじゃないんだなw

432 :森崎名無しさん:2012/09/22(土) 18:18:50 ID:???
シェスターがNINJAネタで盛り上げた所に東洋の日の出ずる国から本物のNINJAが来たとなれば・・・
今やブレーメンは空前絶後のNINJAブーム!

433 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/23(日) 08:23:32 ID:???
>>431-432
シェスターは中里と一緒にメディアに写りたがると思いますしねw
おのずと彼もブレーメンサポーターに気に入られていったのでしょう。
===========
★森崎の人気→ クラブ5 =5
ビクトリーノの人気→ ハートA+3 =4
マーガスの人気→ ダイヤ10+5 =15
ブローリンの人気→ ダイヤ2+3 =5
中里の人気→ ハート10 =10★
===========
ビクトリーノ「マーガスのやつは今シーズンはチーム得点王にもなってたし
       男性層からの人気はシェスターよりも上かもしれないぜ」

ナパームヘッドという新技を引っさげて、空中戦にさらに磨きがかかったマーガス。
地元民にとってはシェスターと並ぶ人気選手に成長したと言ってもいいだろう。

ビクトリーノ「んで、意外と人気があるのが中里の野郎だ」

森崎「えっ?」

シーズン途中からのチーム合流、まだスタメン定着を果たしていないにもかかわらず彼の人気は高かった。
チームの顔であるシェスターとよく一緒につるんでいる影響もあるのだろうが、
時折見せる『ニンポー』のような不可思議なプレイが熱狂的ファンを生み出しているのである。

森崎「うぎぎ……同じ地味顔なのにアイツは派手なプレイをしやがるからなぁ」

実家の家業の根絶を食い止めるためにと必死になっているというのは分かるのだが、
後から来たものに追い越されるという喪失感は拭えなかった。

ビクトリーノ「ドイツじゃ俺のワイルドな風貌はウケねぇのかな。
       シュッとしたスマートなスタイルってのはどうも苦手でなァ…」

434 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/23(日) 08:26:24 ID:???
森崎「まぁ、お互いまだブレーメンに来て1年しか経ってないんだし。
   人気ってのはこれから積み上げていくものなんじゃないか?」

ビクトリーノ「……そうだな。何事もコツコツとだな。
       努力は絶対に裏切らねぇ。サッカーも人気取りも一緒か」

いつまでこのチームで戦うことになるかは今は誰にもわからない。
だが、どうせならサポーターの応援を全身に浴びれるような
愛される選手になりたいものだと二人は一層の精進を誓うのだった。

※ビクトリーノの評価が上がりました。
※『ビクトリーノのかけら』が回復しました。



〜中里チーム〜

スタジアム3階をぐるりと取り囲む観客席。およそ5万人を収容できるその広さは圧巻である。
清掃作業をしている者がぽつぽつといるくらいで、怪しい風貌の男の姿は見えない。

リブタ「さすがに目立つような場所にわざわざ残っていることはないんじゃないかなァ」

クリスマン「どうだろうな。あえて裏をかいている場合も考えられるぞ」

シャル「階段の踊場とか怪しくないかな。非常口も近いし、隠れるならうってつけかも」

やいのやいのと探索の相談をするアヤックスメンバーの3人とは違い、
中里は精神を集中させ、周囲の気配の察知に専念している。

中里「(ここ一帯の空調の流れに特に乱れはないでござるが……?)」

435 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/23(日) 08:28:12 ID:???
自分のような『裏稼業の人間』というのは基本的に息をしない。
もちろん酸素を得るための呼吸は当然しているのだが、
肩が上下に動く、お腹が膨れるといった僅かな動作が命取りなることもある。
だから『普通の人間』が存在することで乱れる風の流れを掴もうとしているのだが…

中里「(……むう。ここにいるのは『普通の人間』だけでござるか。
   いや、あえて一般人に擬態しているやもしれぬ。
   とにかく気配を掴めぬ以上、足で探すしかござらんか)」


★アレナのたんけん→! card★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ→放送席の中を探してみよう
ハート→観客席周辺を探してみよう
スペード→階段の踊場を探してみよう
クラブ→非常口周りを探してみよう
JOKER→なんと地下へ続く謎の階段を発見!
※数字がKで泥棒発見。Q〜9でリブタが、8〜5でクリスマンが、4〜Aでシャルが話しかけてきます。

436 :森崎名無しさん:2012/09/23(日) 08:33:22 ID:???
★アレナのたんけん→ スペードJ


437 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/23(日) 10:51:20 ID:???
★アレナのたんけん→ スペードJ ★
>スペード→階段の踊場を探してみよう
>Q〜9でリブタが話しかけてきます。
===========
中里「それでは階段の踊場を探すでござる」

カツカツカツ…コンコンコン…

足音が廊下の奥まで響く薄暗い空間を4人はゆっくりと下りながら調べていく。

リブタ「うう、うわぁ〜!出た〜〜!!」

クリスマン「落ち着けリブタ。ただの『影』だぞ」

光の加減からか、自分たちの影が数倍の大きさになって目の前に現れる。
4人の中で一番巨体のリブタは、自分の影におののきガタガタと震え出す。

リブタ「ううっ、でもやっぱり怖いよ。暗いし狭いし不気味だし…」

クリスマン「怖いと思うから怖いんだ。だいたい超常現象なんて
      大抵目撃者の精神的な見間違いがほとんどだぞ。気をしっかり持て」

シャル「そ、そうだよね。オバケなんて無いさ、オバケなんてうっそさー!」

中里「(物の怪の類は人の心より生まれ、その闇に住み着くという話もある。
   あながちクリスマン殿の言葉は的を得ているのでござろう)」

自分も一時は夢を諦め、サッカーを捨てて忍道に専念するつもりでいたことがある。
あの時の心の弱さという物の怪に飲み込まれてしまわなかったのは、森崎の励ましがあったからだ。

438 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/23(日) 10:52:22 ID:???
中里「(感謝してるでござるよ森崎殿。拙者に『絶対に諦めない』という気持ちを教えてくれて。
   お主を苦しめている『破滅のツボ』も、いつか必ず治ると信じているでござる)」

西口方面の階段を調べ終わった中里たちは渡り廊下を通って反対側の階段を目指す。

シャル「おかしいな。ここってこんなに暗かったっけ?」

クリスマン「非常灯が故障でもしているのか?足元に気をつけるんだ」

リブタ「ひいぃぃ〜暗いよ〜怖いよ〜」

バチンッ!!

中里「!?」

何かが破裂するような音とともに、中里たちの視界が閉ざされる。
電灯が切れたのかスイッチを切られたのかは分からないが、
中里は仲間たちが混乱しないように、声を潜ませ指示を出す。

中里「皆の者、壁を背にして一箇所に固まるでござる……」

中里の言うとおりにして寄り添って固まる4人。息遣いが聞こえるほどの近い距離だ。

中里「(特に怪しい気配は感じぬが……これは思わぬ幸運が転がり込んできたでござるなぁ)」

中里の狙いは当然のごとく、アヤックスメンバーの紅一点であるシャルである。
先ほど目をつけた形の良い太ももからお尻のラインから察するに、
なかなかのスタイルの持ち主であることは見て取れる。

中里「(下半身は文句なしの逸材。問題は……上でござろうな)」

439 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/23(日) 10:53:31 ID:???
ダボついたチームジャージの下に隠されているお宝の山はどれほどのものだろうか。
中里は幼い頃より慣れしたんだ暗闇の中を巧みに這いずり、こっそりと欲望の触手を伸ばす。
この暗闇の中なのだ。これから起こることは全て事故。致し方ないことでござるよ、ニンニン。

ふにん。ふにゅにゅふにゅ。

中里「(ふぉ…おおぉぉおぅ。この銘菓のような絶妙な柔らかさ。
   適度な反発力もさることながら、拙者の手が飲み込まれてしまうほどの大きさ……
   さすがはオランダ。規格外とはこのことでござるうぅぅぅぅぅ!!)」

指先から浸透する気持ちよさと心地よさに理性を失いかける幸せの絶頂の中にある中里。
ああ、女体の柔らかさというものはどうしてこんなに素晴らしいのだろうか。

リブタ「ちょ、ちょっと中里くん。くすぐったいからちょっと離れてくれよう」

中里「ブホーッ!?」

なんということだろう。自分が最高の手触りだと絶賛したモノとは
女体の胸ではなく、肥満体の男の胸だったとは……!

中里「(この中里正人とあろうものが何たる不覚……この失態はそう、あの時と似ている。
   小麦畑に聳えるフランスのエッフェルタワーを盛大に視界に入れてしまったあの時と……)」

バターン!!……ジジッ……パチン!

中里が昏倒すると同時に周囲に明かりが戻ってくる。

リブタ「たた、大変だよ。中里くんがいきなり泡を吹いて倒れちゃったー!」

クリスマン「なにィ!?まさか例の男に襲撃でもされたのか?」

440 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/23(日) 10:54:52 ID:???
シャル「とにかくこのままじゃ危ないよ。一旦観客席の方に戻ろうよ」

物の怪とは人の弱き心の中に潜み、魔の手をこまねいているという。
色欲という名の魔物は、どうやら中里にとっては永遠の天敵になりそうである。

※中里とリブタの間に何か?が芽生えました。



〜カイザーチーム〜

カイザー「ヒャッッッッッッッッッホー!!泥棒どこだどこだどこだどこだ〜〜〜!!」

地平線の向こうにゴールがあるように思えるくらい広いフィールドの上をカイザーが風のように駆けていく。

レンセンブリンク「そんな大声で呼んでもやってくるの犬か猫くらいのものですよ」

ディック「ちょっとベンチ裏の方をさがしてくらぁ。
     だいたい隠れる奴ってのはああいう薄暗い場所を好むものなんだよ」

レンセンブリンク「随分はっきり言いますね。それは体験談からですか?」

ディック「おう。練習をサボるときなんかはいっつもあそこでダラダラと……あっ」

レンセンブリンク「これはいい事を聞きました。今度からマネージャーの巡回先に
         ベンチ裏を追加してもらうよう頼んでおきましょうか」

ディック「ぐぐぐ…俺様の秘蔵の憩いの場所が…おおいバカイザー!いい加減戻って来い!」

カイザー「俺はバカはバカでもサッカーバカだ!ヒャッホーーーーーッ!!」

441 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/23(日) 10:56:43 ID:???
レンセンブリンク「(……あの森崎という男、もう少しマシな編成を考えられなかったのでしょうか。
         よりにもよってカイザーをリーダーに任命するなんて。
         バカとデカブツは使いようとでも?勘弁して欲しいですよまったく……)」

クリスマンやクライフォートのように自らの身を砕いて
周囲をまとめようとする気概など持っていないし持つつもりもないとレンセンブリンクは自覚している。
誰かに指示を出す役とそれを遂行する役があるのならば自分は間違い無く後者の人間なのだから。

レンセンブリンク「カイザー、指示をお願いします。次は何処を探せば宜しいんですか?」

まともな指示が帰ってくるかどうかはあまり期待せず、溜息混じりにレンセンブリンクはカイザーに尋ねた。


★アレナのばかけん→! card★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ・ハート→ベンチ裏を探そう
スペード・クラブ→ロッカールームを探そう
JOKER→なんと地下へ続く謎の階段を発見!
※数字がKで泥棒発見。Q〜7でディックが、6〜Aでレンセンブリンクが話しかけてきます。

442 :森崎名無しさん:2012/09/23(日) 11:00:06 ID:???
★アレナのばかけん→ ハートJ

443 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 07:22:22 ID:???
★アレナのばかけん→ ハートJ ★
>ダイヤ・ハート→ベンチ裏を探そう
>Q〜7でディックが話しかけてきます。
===========
カイザー「よっしゃ〜!今度はベンチ裏を探そうぜ!イェイイェイ!」

青色のシートがずらりと並ぶベンチから
控え室に直結した細い通路までの範囲を、カイザーたちは目を凝らして調べ回る。

カイザー「クンクンクン……う〜む、怪しい臭いがこの辺からするような気がする!」

ベンチ下を調べるために、姿勢を低くして伏せた状態のカイザーにディックがツッコミを入れる。

ディック「おいこら、オメーは犬か何かか!」

カイザー「一流の選手ってのは嗅覚も一流だってこの間雑誌で特集組んでたぞ」

ディック「それはボールへの反応の良さを嗅覚って言葉で表しているだけで、
     匂いをかぐって意味とは全然違うと思うぜ」

カイザー「ガビーン!そうなのかー!?」

ディック「……バカもここまで突き抜ければある意味天才だぜ、まったく……」

勘違いを指摘されてショックを受けるカイザーは四つん這いの体勢のまま納得がいかないように呟く。

カイザー「でも実際に何か匂いがするんだよ。なんつーか……薬みたいな。
     医務室のふかふかベッドのシーツ……とは違うかな。
     眠くなるような、気持ちよくなるような……不思議な匂いだ」

ディック「薬の匂い?…‥言われてみれば、確かに……」

444 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 07:23:45 ID:???
消毒用アルコールのような、鼻から抜ける清涼感とは別物の清潔感を覚える臭いがディックの鼻も捉える。

カイザー「泥棒は麻薬を落としたって話だろ?もしかしてこの臭いをたどっていけば犯人にたどり着けるかも」

ディック「まぁ、闇雲に探すよりは試してみる価値はあるか。そんじゃ頼んだぜカイザー!」

カイザー「バウッ!」

ディック「いや、だからわざわざ犬みたいな真似しなくてもだな……」

※カイザーとディックの互いの評価が上がりました。




ロッカールームの中で、一人の男が着替えをしている。
ひと目でスポーツマンと分かる鍛えあげられた肉体を持つその男だったが、
一つ特徴を上げるとすれば、右足に何重にもかけて包帯を巻きつけていた。

????「……表があれば裏がある。光を受けるものがいれば影となるものもいる。
     オタクらはいったいどんな姿を俺に見せてくれんのかね」

男は包帯の上から何かを押し当て、小さくうめき声をあげる。
これで当分の間は痛みに苦しむことはないはずだ。

????「ホントなら全力で走れる状況が望ましいんだがなぁ。
     ま、こんくらいのハンデがないと面白みにかけちまうか」

445 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 07:25:11 ID:???
先ほどチンピラ風の男から奪い取ったバッグを背負う仮面の男。
危ない薬と札束が詰まったバッグは実際の重量以上の重さを感じてしまう。
それだけこの二つのモノの価値が人にとって重いものだということなのだろうか。
人の人生を大きく、しかもあっけなく歪ませ、狂わせる要素を持つモノ。薬と金。
自分ももれなくその内の一人に数えられてしまうのだろうと、男は自嘲気味に笑った。

????「(さーて、そろそろ行きますか。わざわざ『鬼』たちの目の前に現れてやるんだ。精々楽しませてくれよな!)」


★仮面の男、参上→! card★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ・ハート→森崎チームの前に現れる
スペード→中里チームの前に現れる
クラブ→カイザーチームの前に現れる
JOKER→自分とは違う、へんてこな仮面をつけた男が突然現れる。

446 :森崎名無しさん:2012/09/24(月) 07:26:10 ID:???
★仮面の男、参上→ ダイヤ7

447 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 07:50:13 ID:???
★仮面の男、参上→ ダイヤ7 ★
>ダイヤ・ハート→森崎チームの前に現れる


森崎「よし、それじゃあ次はトイレ周辺を洗ってみるぞ」

ビクトリーノ「トイレ掃除とかダルいんすけど」

森崎「その洗うじゃなーい」

グッズショップ内をあらかた探し、次の場所を調べようと店を出ようとする森崎たち。
だが、そんな彼らの前に突如仮面の男が現れる。

森崎「あの仮面は……まさか!」

男の仮面のデザインに森崎は見覚えがあった。夢の中での試合の出来事。
実際は夢でなかったかもしれない試合で、ラムカーネの仲間――
いや、駒として戦わされていた男たちの仮面と同じデザインのように思えた。

イスラス「テメェ……性懲りもなく!」

そしてイスラスも彼の姿に見覚えがあった。アヤックスの宿舎に帰ったその日の夜。
もう自分は逃げないとクライフォートと和解した直後の出来事。
闇の軍団を裏切った自分を連れ戻そうとする『刺客』として現れた男と同じ男だ。

????「お久しぶり…とでも言うべきかなぁ。ま、堅苦しい挨拶なんて抜きにして。
     君たちが探しているのはこれかい?」

ドサッ!

448 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 07:51:32 ID:???
重量感のある音を漏らしながら、鞄は仮面の男の足元へと落とされる。

ビクトリーノ「ああーっ!あれは俺の鞄!?」

????「なんだか怪しい男が持っていたんで取り返して差し上げましたよ。南米の黒豹さん」

ビクトリーノ「へぇ、そりゃどうも。……って、オメェも十分怪しいと思うけどな」

自分のことを『異名』で呼ぶ仮面の男。少なくともビクトリーノというサッカー選手を知らないと出てこない単語である。
まだ鞄の紐は仮面の男の手にかかっている。奪い返しに近づくにはやや距離がある。

ブローリン「ちょっと待ってくれ。君が彼の鞄を取り返してくれたのなら是非お礼が言いたい。
      だが、君がその泥棒の仲間じゃないという証拠はあるのかい?」

ブローリンは冷静な口調で仮面の男を問い詰める。徐々に距離を詰めるようににじり寄ることも忘れずに。

????「おや、なかなか目ざとい人がいますね。それじゃあ分かりやすく説明しましょうか」

床に下ろした鞄を再び肩にかけ、男は先程までの物腰低い口調とは打って変わって勇壮に叫ぶ。

????「こいつを返して欲しかったら俺を捕まえてみなよ。ほらほら、鬼さんこっちら!手のなるほうへ〜!」

森崎たちをからかうような態度で手を頭上で叩き鳴らしながら、男はスタジアムの外を目指して走っていく。

イスラス「ちいっ、逃がすかよ!」

ビクトリーノ「こんにゃろっ!俺の鞄返しやがれー!(あの中には俺の大事な……!)」

俊足コンビが言うが早いか、仮面の男の後を追跡し始める。
あの二人に追いつく自信がないブローリンは、森崎に指示を求めてくる。

449 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 07:57:26 ID:???
ブローリン「どうする森崎。仲間に連絡して出口を封鎖してもらうようにするか?」

森崎「(あの仮面の男もラムカーネの配下の一人なのか?
   だとしたらガーネフの力が及んでるってことになる。
   戦う力がないこいつらを下手に関わらせると危険かもしれないが…)」

アカネイア大陸に何度も訪れているビクトリーノや、
仮面の軍団の当事者であるイスラスならばまだ彼らの脅威を避けることができるかもしれない。
だが、ブローリンはどうだろうか。本来なら彼が一番力強く頼りになる存在なのだが
異世界の力とは一切無縁の彼に、仮面の男たちと競り合わせるのは危険ではないだろうか。


☆どうしますか?

A ああ、そうしてくれ。外に逃げられたらそれこそ捕獲が難しくなる。
B いや、今すぐ全員で追いかけよう。4対1なら悪い勝負じゃない
C ブローリンはここで待機。他の班にも連絡はするな。アイツは俺たち3人に任せてくれ

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

450 :森崎名無しさん:2012/09/24(月) 08:51:43 ID:yj/s0g8E


451 :森崎名無しさん:2012/09/24(月) 11:01:14 ID:ip2Tyi+U
A

452 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 12:40:42 ID:???
>A ああ、そうしてくれ。外に逃げられたらそれこそ捕獲が難しくなる。


ブローリン「分かった。追うのはあの二人に任せて、俺達は退路を断つことに専念しよう」

ブローリンはスタジアムスタッフ用の無線機を取り出すと、中里とカイザーへと指示を飛ばす。



中里「……今すぐスタジアムの中央入り口に集まるでござる、とな。ウップ」

リブタ「大丈夫?中里くん。具合がわるいのなら無理はしないでね?」

中里「へ、平気でござるよ…うへ、へへへ…」

男の胸を揉み、更にそれを愉しんでしまったという後悔はあったが、
リブタの純粋な心遣いを無下にするわけにもいかず、中里は力ない笑顔を返す。

クリスマン「それで、逃げた泥棒の特徴は?」

シャル「すごく足の速い仮面をつけた男……だって。
    (たぶんあの夜に現れた人だよね。良い人そうに見えたんだけどやっぱり悪い人だったのかな)」

中里「ふむ、仮面の男とはこれまた怪しさに輪をかけてるでござるな。
   とにかく急ぐでござる。足の速さでは拙者も負けられないでござるからな」

453 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 12:42:20 ID:???
カイザー「おおう?レンセンー!ディックー!犯人見つかったってさー!」

レンセンブリンク「思ったより早く見つかりましたね。
         仮面の男……。もしかすれば最近世間を騒がせている
         麻薬シンジケートの一味かもしれませんね」

ディック「俺たちのシマで悪さするとはふてぇやろうだ。
     捕まえたらギッタンギッタンのボッコボコにしてやるぜ!」

カイザー「ヒャッホー!なんだかワクワクしてきたぞっ!」

カイザーたちはスタジアムホールの入口に向かい、
すでに集合していた中里たちと一緒に壁を作って泥棒が来るのを静かに待つ。
やがてけたたましい足音とともに、仮面の男がものすごい速度で向かってきた。
後ろからはビクトリーノとイスラスがこれまた風の様な速さで追いすがる。

????「うおっ!?通せんぼとはなかなかやってくれんじゃん!」

ビクトリーノ「これまでだな。観念しやがれ盗人野郎!」

イスラス「随分振り回してくれやがって。観念しな…!」

????「い〜や、折角の追いかけっこなんだから。お楽しみはまだまだこれから!」

454 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 12:44:11 ID:???
★仮面の男→30+! card
ビクトリーノ→25+! card
イスラス→24+! card★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ビクトリーノとイスラスのどちらかが仮面の男を上回れば捕獲成功です。

【補足・補正】
仮面の男のカードがクラブ以外で『マッハフェイント』で+4
ビクトリーノのカードがダイヤで『高速ドリブル』で+4
イスラスのカードがダイヤ・ハートで『高速ドリブル』で+4

455 :森崎名無しさん:2012/09/24(月) 12:48:53 ID:???
★仮面の男→30+ クラブ8
ビクトリーノ→25+ スペードQ
イスラス→24+ ダイヤ10

456 :森崎名無しさん:2012/09/24(月) 12:50:34 ID:???
引き分けではダメかな

457 :森崎名無しさん:2012/09/24(月) 13:20:21 ID:???
引き分けなら次捕まえるときに補正かからないかなー
バランス崩したりしてな

458 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 13:25:39 ID:???
>>456
描写的にはかなりおいしい結果になり嬉しいですw
察しの通り次の判定で仮面の男にバランス崩しペナが追加されます。
==========
★仮面の男→30+ クラブ8=38
ビクトリーノ→25+ スペードQ=37
イスラス→24+ ダイヤ10+4=38★


ビクトリーノ「絶対に逃がさねぇ。逃してなるものかよぉ!」

ラモン・ビクトリーノ。彼は他の国の同世代のエースに比べれば体格も小さくフィジカルも劣る。
それでも絶対に負けない、譲れないものがあった。それがこの『スピード』だ。
野生児のような柔軟な筋肉が躍動し、地面を蹴って身体を前方へと送り出す。

ビクトリーノ「(捉えたぞ!直線での飛ばし合いなら俺は絶対に誰にも負けねぇんだ!!)」

徐々に仮面の男との距離が詰まっていく。あと1メートル。50センチ。20センチ!
指先が鞄の紐に掛かりそうになったその時、仮面の男のスピードが一気に落ちる。

ビクトリーノ「なっ…」

駄目だぶつかる。そう思った時ビクトリーノは
先程まで唸りを上げて回転していた足のエンジンが軋むような音を感じた。
嫌だ。これじゃああの試合のときと同じ……ケルン戦のようにまた足をやっちまう!

ビクトリーノ「〜〜〜〜〜ッ!!!」

????「うっひょっ!アブねぇアブねぇ。噂以上のスピードだったなぁ〜」

459 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 13:27:06 ID:???
ビクトリーノは突然立ちすくみ、追いかけるのを止めてしまった。
限界まで追い詰めたはずの仮面の男も、横を通りすぎていくイスラスも彼の視界にはすでに入っていなかった。

ビクトリーノ「(……なんてこった。情けねぇにも程が有る。なにがスピードなら誰にも負けねぇだ。
       いの一番にブレーキを踏んじまうような根性なしが……くそっ……くそったれ!!)」

自分の体を労り、常に最善の状態を保ち続けること。プロ選手の意識としては正しいかもしれない。
それでも。今ビクトリーノは確かに自ら勝負を降りたのだ。限界ギリギリまでのスピードバトル。
限界を振り切り、その先の景色が見えたかもしれない勝負を、我が身の可愛さあまり……。

ビクトリーノ「(違う、そんなんじゃねぇ。俺は……俺は!)」

奴に追いつく自信が無かった。それだけなんだ。
ブレーキを踏んだ足がそのまま鉛になってしまったかのように
ビクトリーノはその場を動くことができないでいた。

????「おんやあ、一人脱落か。ちょっと残念だが…お前はもっと俺を楽しませてくれるよな!」

イスラス「(足の速さなら負けちゃいねぇ。上をいかれていた駆け引きも、
     退路をリブタたちが塞いでくれている。今度こそ捕まえてみせる)」

リブタ「わ、わわわ、ここ、こっちに来た〜!!」

ディック「ビビってんじゃねぇぞブタが!俺らが身体はって食い止めるんだ!」

リブタ「そ、そうだよね。俺達がやらないと……ぶ、ぶっひぃぃぃぃぃっ!!」

ディック「憤怒おおおっ!通れるものなら通ってみろってんだ!」

460 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 13:28:41 ID:???
アヤックスの誇る2つの巨擘が仮面の男の進路を体全体で阻みにかかる。

????「うげっ、こいつは厳しいね。さすがにあの壁を飛び越えることはできそうにないし…なら!」

ヒュヒュッ……シュパアッ!!

ディック「なにィ!目の前から消えやがった!?」

中里「違うでござる!二人共足を閉じるでござる!」

リブタ「うえっ?わあっ!!」

仮面の男はリブタの股の間を滑るように抜けていく。
だが体制を崩しており、再び走りだすのに時間がかかりそうだ。

イスラス「(チャンスはここしかねぇ。これを逃したら……!)」



★仮面の男→30+! card-3(バランス崩し)=
イスラス→24+! card=★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

【補足・補正】
仮面の男のカードがクラブ以外で『マッハフェイント』で+4
イスラスのカードがダイヤ・ハートで『高速ドリブル』で+4

461 :森崎名無しさん:2012/09/24(月) 13:55:05 ID:???
★仮面の男→30+ スペード9 -3(バランス崩し)=
イスラス→24+ スペード9 =★

462 :森崎名無しさん:2012/09/24(月) 17:57:00 ID:???
…もしかして、必殺?

463 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 20:13:17 ID:???
>>462
さすがに今回はサッカーの判定とは別物扱いです。
ただ、それらしき描写はしていきたいと思います。
===========
ディック「おいもたもたすんなブタ!取り押さえるなら今しかねぇ!」

リブタ「ふひぃー…わ、わかってるよぉ!」

リブタとディックは倒れかけた仮面の男を取り押さえようと飛びつく。

????「…まだまだァ!」

ディック「今度こそお縄だぜ!」

リブタ「つっかまえたー!」

バンッ!!

仮面の男はハンドスプリングの要領で、地面に手をついて素早く起き上がろうとする。
だが、その時振り上げた足をディックとリブタはかろうじて掴んだかに見えた。

ディック「……ぬあっ!?」

リブタ「あ、あれれ?」

確かに男の足を抑えたはずのディックたちの手は見当違いの場所へと伸ばされていた。
まるで影を掴まされてでもいたかのように、二人の太い腕は空を切る。

イスラス「二人共、そのまま伏せろ!」

ダダダダッ……バッ!!

464 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 20:14:22 ID:???
イスラスは逆に転ばされたディックとリブタの上をふわりと飛び越え、公園の方へと逃げる仮面の男を追いかける。

カイザー「俺だって足の速さにゃ自信があるんだ。追っちゃうぞバカやろ―!」

中里「何やら胸騒ぎがするでござる。拙者も後を追うでござる」

シャル「(胸騒ぎ……嫌な予感がするよ。イスラス……!)」

カイザーたちもイスラスの後を追いかけていくが、加速までの時間が足りずとても二人に追いつけそうにはなかった。

イスラス「(後少し、後少しが届かねぇ。今の俺に何が足りてないというんだ?)」

足の速さも、駆け引きの旨さの差も埋めた。それでもあの男には追いつけない。
あの男の『走り』と自分の『走り』に何の違いがあるというのだろう。

イスラス「(違うといえば仮面をつけているかどうかくらい。
     ……まさか、そうなのか?奴の速さは以前俺にも備わっていたあの力だというのか)」



イスラスはワールドユース大会前のことを思い出していた。
右足の調子がどうにも悪く、このままでは大会に向けての
コンディションを整えられないと監督に相談した結果、
ある特別な医師に診てもらいなさいと指示を受ける。

イスラス「……あなたが監督の言っていた医師ですか?」

黒いローブを着込み、シワが深く刻まれた顔が目に入った。
いかにもうさんくさい印象を受けたが、
監督の顔を立てるために素直に診察を受けることにする。

465 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 20:15:29 ID:???
医者「ふぇふぇふぇ……なるほどのう。随分見事な足をしておる。
   まさに速く走るために造られた芸術品と呼んでもいいじゃろう」

イスラス「芸術……ですか」

医者「そう。サッカーとは芸術という言葉を残した者もおるくらいじゃ。
   しかし、お主の足は不思議じゃな。左右でこうも色が異なっておるとは」

イスラス「……小さい頃に事故で右足を怪我したんですよ。
     皮膚は激しく裂傷してしまい、ある人に移植をしてもらったんです」

皮膚の提供者は自分の友人であり、目標でもあった存在だった。
いつも自分の前を走り抜ける彼の俊足を、イスラスは常に追いかけていた。

イスラス「ご利益でもあったんすかね。そいつの皮膚がすっかり浸透したら
     これまで以上に速く走れるようになったんですよ。
     まるでそいつの俊足が乗り移ったかのようにね」

少し気恥ずかしくなったのか、照れるように鼻の頭を掻くイスラス。
医者の老人は目をカッと見開きイスラスにぐぐいと顔を近づける。

医者「くくく…なるほど。お主の不調の原因が少し分かった気がするわい。
   イスラスといったな。お主はそいつのことを本当に憧れていたのか?
   本当は自分より速く走れるその男のことを妬み、嫉み、嫌ってはいなかったのか?」

イスラス「何を突然。俺が今こうして走れるのは彼が皮膚を提供してくれたおかげで…」

医者「それとこれとは別じゃよ。お主は本心では奴の力を、存在を嫌悪し拒んでおる。
   じゃから身体が嫌がっとるのじゃよ。その証拠に……ほれ」

イスラス「……なんだ、この黒いモヤは。こんなの今まで出たことなんて無かった……!」

466 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 20:17:02 ID:???
白い右足を蝕むかのように湧いてくる黒い模様を見て、イスラスはこみ上げてくる吐き気を抑える。

医者「この病は心の病じゃ。お主が本心を保ち、その男への恨みを開放した時……苦しみからも解放される。
   このかけらと仮面を受け取るがいい。お主の痛みを救う唯一の治療法じゃよ」

イスラス「……俺は……アイツのことを……妬んで、いた……?」

誰よりも速く走れるようになりたい。それなのにいつもアイツは俺の前を走りやがる。
悔しい。悔しい。アイツが走れなくなってしまえばいいのに。そうすれば俺が一番速く走れるのに。

イスラス「(……そんなわけあるかよ。俺は奴に感謝こそすれ、恨むことなんて出来ないはずなんだ……!)」

医者「(……むう、この男の目は未だに闇の力に飲み込まれておらぬ。
   それほど意志が固いのか、何か特別な力に守られているとでも言うのか……
   ふむ、暫く様子を見ることにするかのう。そのうち嫌でも『人』の本心を表すじゃろうて)」

黒いローブの医者……ガーネフは簡単に手駒へと堕ちないイスラスに対して苛立ちを覚えていた。
実際、後にイスラスは自ら仮面を踏み割り、闇の呪縛を抜け出し、彼らの組織から離別した。
本来ならば中山、ストラット、バビントンと並ぶ優秀な幹部となり、
ラムカーネ配下の四天王として君臨させるほどの逸材だったのにも関わらずである。

ガーネフ「(ふむ……ならば良い。代わりの駒はいくらでも存在しているのじゃからな。
     この男に『俊足』の才能を提供した者。其奴にも接触してみることにするかのう)」



今思い返せば、あの男こそ自分のような『不安』を抱える者たちを集め、
ラムカーネの配下にしようと企むガーネフと言う名の老人だったのだろう。

イスラス「(俺は絶対に闇に呑まれたりなんかしねぇ。
     だが、奴に追いつくために今の俺に足りないものがあるとするならば――)」

467 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 20:18:18 ID:???
あの時に飲み込んだ『闇のオーブ』のかけらはまだ身体の何処かに潜んでいるはず。
力を望みさえすれば、自分は今以上の速さで走れるはず。
常に自分の前を走り、自分を導いてくれたあの金髪の男と同じ、いや、それ以上の速さで。

イスラス「――もう二度と、二度と使わんと決めていたが……」

仮面の男はさらに速度を上げ、人混みを巧みに使い自分を振り切ろうとしている。
例の仮面をつけていないと闇の力に飲み込まれるという老人の忠告が一瞬頭をよぎった。
だが迷っている暇はない。奴に追いつくためにはあの力が必要なのだから。

イスラス「うおおおあああああぁぁぁぁぁっ!!」

ガッ!ドドドドドドドドォッ!!

????「(!? 急に後ろからのプレッシャーが強くなった?)」

このままでは追いつかれる。捕まってしまう。そう思うとドキドキが止まらない。
誰かに並ばれる、追い越されてしまう。そんな緊張感との並走が本当にたまらない。

????「いいねぇ、ついてこいよ。地獄の果てまで付き合うぜ!」

イスラス「(これなら追いつける。俺の前は誰にも走らせねぇ。
     それが…それこそが、俺に走り続ける資格をくれたアイツへの償いだ)」

右足が地面を蹴る。その影が揺らめき左足をスムーズに前へと突き動かす。あとはその繰り返し。

イスラス「(なんだ、仮面がなくたって何も問題ないじゃないか。
     風が顔にあたって気持ちいい。やっぱり走るのって楽しいな)」

今の自分は走ることだけに集中できている。余計なものが一切視界に入ってこない。
きっとあの仮面の男もそうなのだろう。だから速い。だから疾い。だから――。

468 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 20:20:11 ID:???
パ ー ! パ パ パ ー ! !



だから自分が車が横行する道路に飛び出し、迫るトラックの存在にも全く気が付かなかったのだろう。

カイザー「うわわっあぶねぇぞイスラス!!」

中里「車が、車がきてるでござるー!!」

シャル「やだ……いやだーー!!イスラスーーーーーーッ!!!」

イスラス「(……声……?)」



ガ シ ャ ッ ! !



世界が揺れた。強い衝撃を受けて回転する身体で見る世界は闇と呼ぶに相応しいほどに暗かった。

469 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 20:21:14 ID:???
クライフォート「馬鹿野郎!……もう二度と使うまいと決めた技を、こんなにすぐに使わせるな!!」

イスラス「……クライ、フォート……」

三杉「まさか『ダーティディフェンス』がこんな形で役に立つとはね。
   君を傷つけようとしたこの技が君を救うことになるなんて皮肉なことだ」

イスラス「……えっ……俺、今、何がどうなって……?」

先ほどまで仮面の男を追いかけるために全力で走っていたはずである。
周囲が見えなくなるほど走ることに集中することで、
ようやく、ようやく仮面の男を捕まえたと思った矢先のことだった。

ドールマン「馬鹿かオメェは!あんな車が走ってる所にいきなりとび出す奴がいるかー!」

マーガス「トラックに轢かれそうになったところをクライフォートが無理やり引きずり倒して止めたんだよ」

シェスター「まったく、心配をかけさせて。女の子を泣かせるなんてキミ、サイテーだよ」

ようやく事態が飲み込めてくる。既に辺りは暗かったが、先ほどまでのような真っ暗闇ではない。
倒れたままの体勢で空を見上げると、大粒の涙を目に溜めたシャルの顔が覗きこんできた。

シャル「バカ!バカバカバカ!バカーーーッ!!頭おかしいんじゃないの!?
    いくら泥棒を追いかけるためだからって、あんなコトして死んじゃったらどうするの!?」

カイザー「最近のココら辺の事故も急な飛び出しが原因ってこの間新聞で特集組んでたぞ」

中里「とにかく大事に至らないでよかったでござる。
   泥棒も焦ったのかビクトリーノ殿の鞄だけは置いていったでござるから」

470 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/09/24(月) 20:23:24 ID:???
三杉「後は警察に任せて、一旦寮の方へと戻ろうか。
   ……大事な試合を控えている身としては、今のは少々お灸をすえる必要な行動だね」

イスラス「……す、すまん……」

三杉の絶好の貴公子スマイルを向けられ、珍しくイスラスが狼狽えた顔をする。
こうして、泥棒こそ取り逃がしたもののビクトリーノの鞄を取り戻すことはできた森崎たち。
スタジアム内で気絶していたマフィアの一味の男が警察に引き渡され、今回の騒動は一応の解決を迎えたかに思えた。





ブローリン「……と、ここまでが現場を見ていた中里たちから聞いた話だ」

仲間の指示に専念するためにスタジアム内に残っていた森崎は、
寮に戻ってから聞いたイスラスの無事にホッと胸を撫で下ろす。

森崎「ふーむ……仮面の男の正体は結局掴めずじまいか。
   あれ以来、ビクトリーノもなんだかしょんぼりしちまってるし……
   今回の騒動、まだまだ色々と尾を引きそうな予感がするぜ……!」

チーム力強化のためにオランダ、アムステルダムを訪れた森崎たちブレーメン一行。
このまま穏便に親善試合が来る日を待つことはできるのだろうか。
そんな不安を枕にしつつ、遠征一日目の夜は更けていくのだった。



オランダシナリオT  『ブレーキ』   おわり

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