キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【反撃の】ファイアーモリブレム40【狼煙】

1 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/08/30(木) 03:41:42 ID:???
キャプテン森崎のスピンアウト作品です。『ファイアーエムブレム紋章の謎』の世界に
送り込まれた森崎が、マルスたちと共にアカネイア大陸を冒険する物語となっています。
基本は本編と同様に、選択肢の中から第三者(ロムしている人)がどれかひとつを選ぶ事によって進んでいきます。
また必要に応じてトランプを引いてもらったりしてランダムに進行していくこともあります。

【注意】
このスレの物語やキャラの性格は、中の人の都合で原作並びにキャプテン森崎本編とは異なる場合があります。
設定などもストーリーの都合上若干オリジナル要素が含まれていますので、苦手な方はご注意ください。

〜これまでのお話〜

ブンデスリーガを3位の好成績で終えた森崎たちブレーメンはチームの強化のために世界各国へと遠征することに。
はじめに訪れたオランダにて、再びアカネイア大陸に聞きが迫っていることを知らされる。
中山に押された『破滅のツボ』の解決策の鍵もアカネイアにあると分かり、森崎は再び異世界へと旅立つ。

森崎が不在の間に、アカネイア大陸の情勢は大きく変化していた。
森崎が生み出した影であり、ガーネフを味方につけて暗躍する『ラムカーネ』が
アカネイアワールドカップにて優勝することでニーナ姫を娶り、神聖帝国の皇帝となっていたのである。
間接的ではあるが『森崎有三』という存在を完全に乗っ取られたことで森崎は狼狽えるが、
ガトー司祭の助言に従い、星のかけらを集めることでラムカーネへの対抗策を築きあげることを決意する。

グルニアでのロレンス将軍の悲しき反乱に心を痛めながらも、マケドニアにて捕らえられたミネルバの救出に向かう森崎たち。
果たして反乱軍の首謀者であるリュッケ将軍、ルーメル将軍を倒しミネルバを救い出すことは出来るのだろうか…?

☆前スレ
【運命が】ファイアーモリブレム39【迫る】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1342200894/l50
☆過去スレ
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/44.html

659 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/09(火) 15:23:59 ID:???
★おめでとうイスラス→! card=★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ→審美眼の書・動(ドリブルが強化)
ハート→審美眼の書・蹴(シュートが強化)
スペード→シャル特製スイートドリンク(ハーフタイムでガッツ全回復)
クラブ→シャル特製お守り(一度だけ怪我を無効化)
JOKER→プレゼントは……わ・た・し♪(爆)

660 :僕フィー ◆lZDB0C.cMg :2012/10/09(火) 15:26:18 ID:???
★おめでとうイスラス→ ダイヤ3 =★

661 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/09(火) 15:45:36 ID:???
★おめでとうイスラス→ ダイヤ3 =★
>ダイヤ→審美眼の書・動(ドリブルが強化)

イスラス「ん?これは……」

ダイヤ型の箱から出てきたのは一冊のノートである。
パラパラと流し読むと、その内容にイスラスの目が留まる。

シャル「ここ最近のイスラスのドリブル練習のデータを事細かにチェックしたものだよ。
    最近足の調子がまた悪くなってるでしょ。私なりにだけど、フォームの矯正とかこれを見て参考にしてみてね」

イスラス「……こいつは驚いた。お前、よく見ていてくれてるんだな」

ネックとなっている右足に負担を掛けすぎない歩行練習から、
得意としている高速ドリブルの発展型のフェイントなども事細かに書かれている。

シャル「い、いえいえ。マネージャーとして当然の仕事ですから」

イスラス「そうだな。仕事ならこれくらいのことは当然か」

シャル「そこはもうちょっとくらい褒めたってバチは当たらないんじゃないのー?」

カイザー「へいへいご両人。もう一人のMVPが首を長くして待ってるの忘れないで欲しいんですけど」

顎の下を掴んで上に引っ張るジェスチャーをしながらイスラスとシャルの間に割り込むカイザー。

シャル「わひゃっ!?ご、ごめんごめん。それじゃあカイザーもこの4つの箱から好きなの選んでね〜」

カイザー「くんくんくん……んん!この箱から大物の匂いがするぜ!」

イスラス「犬かよお前は」

662 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/09(火) 15:47:30 ID:???
★おめでとうカイザー→! card=★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ→審美眼の書・動(ドリブルが強化)
ハート→審美眼の書・繋(パスが強化)
スペード→審美眼の書・蹴(シュートが強化)
クラブ→シャル特製スイートドリンク(ハーフタイムでガッツ全回復)
JOKER→洗美顔の書・麗(カイザーが超イケメンキャラにクラスチェンジ)

663 :Q513 ◆RZdXGG2sGw :2012/10/09(火) 15:53:16 ID:???
★おめでとうカイザー→ ハート6 =★

664 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/09(火) 16:18:41 ID:???
★おめでとうカイザー→ ハート6 =★
>ハート→審美眼の書・繋(パスが強化)
===========
カイザーが受け取ったのは、イスラスと同じようなノートだった。

カイザー「うおォン!こ、これは……丸文字すぎて非常に見づらい!」

シャル「悪かったね字が汚くて!だったら返してもらうから!」

カイザー「やや、嘘嘘!ごめんごめん!そんで、このノートの中身だけど……」

シャル「うん。カイザーにはパスの、特にフィニッシュに繋ぐための
    センタリングのセンスが優れてるとわたしは思うの。
    だからカイザーの得意なサイドアタックからパスを出すための足の運び方とか、
    ダイレクトからのポストプレイとかのアドバイスを書いておいたよ」

カイザー「へぇ……クリスマンとレンセンとの連携にも組み込めそうだなこいつぁ。
     サンキューマネージャー。イスラスだけじゃなく俺のこともちゃんと見ていてくれてるんだねぇ!」

シャル「そりゃあマネージャーとして当然の仕事ですからね〜」

イスラス「しかし、よくここまで的確に纏められたな。昔から思ってたがお前のオフェンスへの意識には正直頭がさがる」

得意げに胸を張る小柄な少女の頭に手を乗せながら、イスラスが続ける。

シャル「オフェンスに関しては、だけどね。その分守備の指示は苦手だから
    リブタやディック、ドールマンには負担を掛けちゃって忍びないよ……」

カイザー「なぁに、その分俺達が点をバカバカとってやるだけさ。
     というわけでブレーメンの音楽団さんたち、明日の試合はヨロシクな〜!」

森崎「(くっ…完全に舐められてやがるな。確かに今回の特訓はあまりいい所は見せられなかったが……)」

665 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/09(火) 16:21:31 ID:???
あくまで本番は明日の試合のサッカーだ。そこで本領を発揮し、彼らの高々な鼻をへし折ってやればいいだけのこと。

マーガス「森崎、気をつけろよ。今の特訓であの二人は間違いなく明日の試合のキーパーソンとして前に出てくる」

中里「スタミナとフィジカルも充実し、より強敵となって拙者たちの前に立ちふさがってくるでござろうな」

シェスター「試合は明日の夕方からだから、まだ時間はあるさ。
      奴らのチーム力に負けない何かを身に着けて、しっかりと試合に臨もうぜ」

森崎「ああ。遠征早々の親善試合に負けてちゃ縁起が悪いもんな」

こうして午前中の時間を特別特訓で汗を流した森崎たちは、アリーナを後にして宿舎へと戻っていく。

※イスラスのドリブルが明日の試合で強化されます
※カイザーのパスが明日の試合で強化されます
※中里の『星のかけら』が回復しました


一方その頃。別の用事で練習に来れなかった者たちが一体何をしていたかというと…

★サボってたわけじゃないっす→! card=★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ→ブローリンとディックが昨日買ったプロティンを早速試していた
ハート・スペード→ビクトリーノが先日盗られた鞄の中身をチェックしていた
クラブ→三杉とレンセンブリンクが寮の書庫で調べ物をしていた
JOKER→アヤックスアカデミーOBのあの3人組がやってきていた!

666 :森崎名無しさん:2012/10/09(火) 16:22:11 ID:???
★サボってたわけじゃないっす→ クラブ10 =★


667 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/09(火) 17:51:58 ID:???
★サボってたわけじゃないっす→ クラブ10 =★
>クラブ→三杉とレンセンブリンクが寮の書庫で調べ物をしていた


三杉「レンセン、君も調べ物かい?」

レンセンブリンク「奇遇ですね。少し、気になることがありましてね」

オランダトリオのブレイン担当、クールなストライカーことレンセンブリンクは
練習のない日などはよくこの書庫で資料を読みふけっていることが多い。

三杉「気になること?興味が有るね。聞かせてもらっても構わないかい?」

レンセンブリンク「君の性格なのかな?そのお節介や世話焼きにも似た他人への積極的な干渉は」

三杉「君にも前に話しただろ。ボクはjrチーム時代、選手兼コーチとして代表チームに選出されていたと。
   人を知るには人と接する以上のことはないからね。隣、いいかい?」

レンセンブリンク「クスッ。かまわないですよ」

すっと椅子を引き、隣の席を用意するレンセンブリンク。
三杉は軽く会釈した後優雅に腰を掛けると、机の上に開いている本の内容に目を凝らす。

三杉「アカデミーの歴史……?このアヤックスアカデミーのことかい?」

レンセンブリンク「ええ。長年お世話になっているこの養成機関ですが、
         未だに僕達自身で分かっていないことが多々あるんですよ」

三杉「分かっていないこと?」

668 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/09(火) 17:53:38 ID:???
レンセンブリンク「今でこそアヤックスというチームとして、こうして
         オランダリーグの上位チームの常連として名を馳せてはいますが、
         数年前までは他国のリーグへステップアップの場とでも言うのでしょうか…。
         イタリアやスペイン、ドイツへと高額での移籍を受けるためだけの
         繋ぎという印象を植え付けられていました」

実際に、多くのOBたちが他国の一流リーグで成功を収めており、優秀な選手として名を馳せている。
彼らの栄誉があって、このアカデミーはまさに一流選手への登竜門として知名度を上げてきたのだ。

レンセンブリンク「三杉。君は不思議に思っているのではないのですか?
         僕達オランダの『黄金世代』が軒並みこのクラブに在籍していることに」

三杉「疑問ではあったね。でも、それは偶然の一致という可能性もある」

なにもオランダの有名クラブはアヤックスだけではない。
フェイエノールト、アイントホーフェンなどの強豪チームは確かに存在する。
しかし、自分と同年代の選手に限りこうしてアヤックスへと集められていることに
三杉は意図的な意思があるのではないかと推測していたこともある。

レンセンブリンク「もしも意図的にここへと集められているとすれば?
         君も知っている通り、競い合う相手と切磋琢磨してこそ選手も、コーチも、監督も成長する。
         しかし、期待株の多い僕達の世代の選手は何故か全員ここへと集められた。
         別のチームで戦い、競い合うことをさせずに同じチームとして」

三杉「……それで、君はどんな結論へと辿り着きたいんだい?
   エース格を集めるだけ集め、活躍の場を奪い合い、
   芽が出ることなく消えていく選手のことを憂いているとでも?」

レンセンブリンク「まさか。どこのクラブだろうと上手い選手は目立つし下手な選手は埋もれていく。
         クライフォートの場合は珍しいケースなだけですよ。
         星のめぐり合わせとでもいうべきか……まぁ、昔から運が悪い所がありましたし」

669 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/09(火) 17:55:01 ID:???
写真撮影などで自分だけ見切れていたり、放送インタビューで自分だけカットされたりと
せっかくの実力を大きく報道してもらう機会が殆ど無かった彼の過去を思い出し、
レンセンブリンクはクスリと笑みをこぼす。

レンセンブリンク「話を戻しますよ。こうして一つのクラブに集めることでのメリットがあると僕は睨んでいます。
         他クラブの戦力の吸収だけではない、もっと大きな何か……」

三杉「大きな……。例えば、将来的なA代表チームを予期していてのこと、とか」

レンセンブリンク「確かに長らくチームメイトとして組んでいればチームワークに不安はなくなりますね。
         誰かを憎むことも、憎まれることもない、争いのないチーム……と聞こえだけはいいですね」

三杉「チーム内の派閥争いは確かに連携を乱す原因にもなりうるだろう。
   だが、間近な目標を見失った時、人は成長することを忘れてしまう。
   どれだけ踏まれようとも這い上がれる精神的な強さがあってこそ、
   土壇場での実力の鬩ぎ合いに競り勝てるというものだからね。
   ……医者を目指す僕がこんな精神論を振り回すのはいささかおかしい気もするが」

レンセンブリンク「いや、その認識は間違ってはいないと思いますよ。
         お互いに高いレベルなほどに、その雌雄を決するのは実力とは別の要素。
         君の言う精神力でもあり、先ほど僕の言った運の要素でもあったりしますし」

三杉「それで、過去にも似たような経歴が無いか調べているというわけだ」

レンセンブリンク「ええ。それでですね、先ほど面白いものを見つけたんですよ。
         ちょうど今の僕達と同じように……とある年代の競合選手を
         一纏めにしていたケースが一つだけ見つかったんです」

レンセンブリンクが付箋を挟んでいたページを開き、指でなぞっていく。

三杉「! ま、まさか……これは……!」

670 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/09(火) 17:56:03 ID:???
レンセンブリンク「気にはなっていたんです。何故あの方があそこまで世界に誇れる選手となったか。
         才能があったから?このアカデミーで育成されていたから?
         優秀なチームメイトに囲まれていたから?それとももっと何か別の要素が?」

三杉「イタリアセリエA得点王……世界一のストライカー、ファンベルグ。
   そして彼と共に名を馳せる不動のトップ下、フーリア。名ボランチニスケンス……」

レンセンブリンク「彼ら偉大な先人の台頭があってから、このアカデミーの権力はさらに大きなものになりました。
         そして今……その力をさらに大きくするべくしようとしているのかもしれませんね」

三杉「……伝説の体現。まさか君たちの中から新たな『ファンベルグ』を生み出そうとでも?」

レンセンブリンク「ククク……面白いじゃないですか。このような前例を見せられてしまえばそれは興奮しますよ。
         他チームで鎬を削りあう以上に実に効果的だ。あの伝説の選手たちの軌跡をなぞらせようとしているのですからね」

三杉「レンセンブリンク……君は……」

冷たい笑みの裏に、なにかおぞましいものを感じ取った三杉は
続けて言おうとした言葉を無理やり喉の奥にしまい込む。
君はもしかして『第二のファンベルグ』になろうとしているのか、という言葉を。

レンセンブリンク「そういえば三杉。君も調べ物をしていたのだろう?
         僕がここまで話したんだ。君のことも僕に話してくれるかい?」

三杉「(彼の背後に感じたこの舌がざらつくような感覚はいったいなんだ?)」

人のことを知るには人と接する以上のことはない。三杉は危険を感じつつも、
自分が持ち込んだ資料をレンセンブリンクの前に出す。

三杉「僕も同じさ。アヤックスの歴史。ただ、僕の場合はごく最近、数年前のものだけどね」

レンセンブリンク「ふふ…懐かしいですね。まだ僕たちがジュニアセレクションの頃の資料ですか」

671 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/09(火) 17:57:15 ID:???
三杉「オランダ国内で家族と一緒に居住するものならば国籍も性別も問わない。
   まったく、日本サッカーの現状とは比べ物にならない幅広い募集だよ」

レンセンブリンク「君も苦労を重ねているみたいだね。だが、それなら君が先駆者になればいいだけですよ」

三杉「簡単に言うね。長年サッカー後進国として引きずられてきた僕達の協会は
   本当に苦労に苦労を重ねてようやく自国リーグの開催にこぎつけたというのに」

レンセンブリンク「失礼を詫びるよ。それで、僕達の青春時代のどこに興味があったりするのかい?」

艶っぽい声で問いただしてくるのは彼なりの冗談なのだろうが、三杉は自分のペースを崩さず続ける。

三杉「イスラスの事故のことが気になっていてね。彼のスピードはアヤックスの攻撃の要と言っていい。
   だが、あの足の惨状を見る限りただの事故とは思えなくてね。
   昨日の今日だ。彼の最近の足の不調のことも気になるし、
   当時の彼の周りのことを調べれば、なにか良い治療法が見つかるんじゃないかと思ってさ」

レンセンブリンク「仲間思いなことですね。君自身の体の方は大丈夫なのですか?」

三杉「……確かに完治はしちゃいないさ。健常者と遜色ないとは言ってもやはり体力の限界に差はある。
   それでも、ボクは誰かにお節介を焼かないと済まない性格をしてるんでね」

レンセンブリンク「生粋のコーチング性分ですか。まぁ、僕としては試合中に
         無様に倒れられでもすれば困りますから。適度にご自愛下さいね」

三杉「それはどうも。……それで、君にも聞いておきたいことがあるんだ。
   この選手。ポーランド出身の二人の選手について」

レンセンブリンク「……ああ、その二人のことですか。でも、その事なら僕よりも彼に聞いたほうが確実ですよ。
         人のことを知るには人と接する他無いと言ったのは君自身では?」

三杉「……聞きづらい内容ということもある。特にこの『マッハー』という選手に関してのことはね」

672 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/09(火) 17:58:38 ID:???
イスラスとともにジュニアチームのオフェンスの要として活躍していたマッハーという選手。
この選手の成績表の右隅の去就欄のところには小さく退団処分と書かれていた。

三杉「僕も彼の名前くらいは聞いたことがある。名は体を表すとでも言うべきか、
   光の早さで走っているかのようなドリブルが武器の選手だと。
   だが、その活躍期間はあまりにも短く、早熟と呼ぶにも足りないほどの
   ごく僅かな間しかフィールドに現れなかった選手だとも聞いている」

超一流のスピードスターのツートップという夢のタッグ。
イスラスはこのマッハーという選手と共に数多のゴールを奪い、その名をオランダに轟かせてきた。
彼の右足の不調の原因と、リブタ以外の選手とあまり交流しなくなった理由が
このマッハーという選手にあるのではないかと三杉は考えていた。

レンセンブリンク「……まぁ、一緒に聞きに行くくらいの手助けならしてあげても構わないですよ」

三杉「察しが良くて助かるよ。クリスマンやカイザーじゃこうはいかない」

レンセンブリンク「クスッ。お礼は弾んでもらいますよ」

三杉「分かった。明日の試合で特級のアシストを君に捧げると約束しよう」

レンセンブリンク「それはまた実に素敵なプレゼントですね」

三杉「もっとも、君が森崎相手にゴールを決めることができるかどうかは保証しないけどね」

レンセンブリンク「……フフッ。元チームメイトとはいえ、容赦はしてあげませんよ?」

三杉「そうしてもらえると助かる。ボクも彼と全力で戦うことをずっと夢見ていたのだから」

三杉とレンセンブリンクは連れ立って書庫から出ると、
丁度練習を終えて集まっているであろうお昼時の食堂へと向かった。

673 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/09(火) 18:00:37 ID:???
所変わってアヤックス寮の食堂。アリーナでの特別特訓を終えた森崎たちは
お腹をグーグー鳴らしながら植えた獣のごとく食券販売機の前に群がる。

森崎「うひー腹減った腹減ったー」

シェスター「沢山走ってさらにむさ苦しくくんずほぐれつしたからね。
      うへぇ、美麗な俺のフレグランスな香りが汗くっさ!」

マーガス「午後も練習参加したいなら気軽に外に誘ってくれよ。
     もっとも夕立の予報もあったらしく、室内練習が主になるかもしれないが」

イスラス「…………」←(さっきもらったノートに真剣に目を通している)

ふと周囲を見渡すと、一緒に練習に参加したメンバーだけでなく
姿が見えなかったブローリンやビクトリーノたちの姿も見える。

森崎「お、ちょうど他のメンバーたちも集まってきているみたいだな。
   なにか話をするなら今が席を移動するチャンスかな?」


☆どうしますか?

A このままシェスターたちと昼食を共にする。
B ブローリン・ディックの席に移動する
C ビクトリーノの席に移動する
D 三杉・レンセンブリンクの席に移動する
E カイザー・クリスマンの席に移動する
F リブタ・中里の席に移動する
G ドールマン・クライフォートの席に移動する
H マネージャーのシャルの姿が見えないな。探してみるか

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

674 :森崎名無しさん:2012/10/09(火) 18:13:08 ID:PY+/eqfk


675 :森崎名無しさん:2012/10/09(火) 18:13:37 ID:7pHaocck
A

676 :森崎名無しさん:2012/10/09(火) 18:42:17 ID:rPtu0Xtc
D

677 :森崎名無しさん:2012/10/09(火) 19:10:53 ID:aMr0R36U
C

678 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/09(火) 20:48:08 ID:???
>C ビクトリーノの席に移動する


森崎「(あれ?ビクトリーノの奴、なんで寂しく一人飯なんかしてるんだ?)」

南米特有の乗りの良さをこれでもかと持ち込んでいるはずのビクトリーノ。
だが、今の彼はどこかそわそわした落ち着かない雰囲気で、一人でもそもそとパンを頬張っている。
森崎はシェスターたちと一旦別れ、ビクトリーノが座る端の席へと移動する。

森崎「よっ。こんな隅っこで飯を食うなんてお前らしくないな」

ビクトリーノ「! な、なんだ森崎か。脅かすなよ」

森崎「おいおい、俺が人を驚かすような物騒な顔に見えるか?」

ビクトリーノ「お前の奇策の数々にゃ何度も驚かされてはきたけどな。ヒヒッ」

森崎「そんな軽口が出るってことは何かショックを受けてる訳じゃなさそうだな。心配して損した」

シェスターたちのところへ引き返そうとする森崎だったが、その腕をハッシとビクトリーノがつかむ。

ビクトリーノ「……まぁ座れよ。せっかく来たんだしさ」

森崎「(やっぱり何かあったのか?)」

森崎はシリアルの乗ったトレイを降ろし、改めてビクトリーノの方へと体を向き直す。
しばらく辺りをキョロキョロ見渡す怪しい動作を繰り返した後、ビクトリーノが声のトーンを落としつつ話す。

ビクトリーノ「昨日、俺の鞄が盗られた騒ぎがあったじゃん。そのことなんだけどよ」

森崎「ああ。仮面の男には逃げられたけど鞄は置いていってくれたんだよな」

679 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/09(火) 20:49:56 ID:???
ビクトリーノ「……それがさ。鞄は確かに俺のものだったんだ。豹のワッペンが付いた」

森崎「ああ、○ーマの奴ね。(アベルの店の看板のマークって絶対これのパク…オマージュだよなァ)」

ビクトリーノ「さっき鞄の中身を調べてたんだけどさ。その中に俺のものじゃない見慣れないものが入っていたんだよ。
       多分、例の泥棒か仮面野郎のモノだとは思うんだが」

森崎「見慣れないもの?いったいなんだよそりゃ」

ビクトリーノ「それがさ……」


★持ち物検査→! card★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ→ハート+青白く輝く小さな宝石。これはもしかして『星のかけら』?
ハート→スペード+大量の現金。偽札ではないようだが…
スペード→クラブ+大量の白い小麦粉のような何かだ…
クラブ→『イリュージョンストライク』という名前のお菓子
JOKER→黒く濁った光を放つ小さな宝石。『星のかけら』に似ているようだが…?

680 :森崎名無しさん:2012/10/09(火) 20:51:28 ID:???
★持ち物検査→ クラブ4
闇の欠片でもあるのか?

681 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/09(火) 21:12:29 ID:???
★持ち物検査→ クラブ4 ★
>クラブ→『イリュージョンストライク』という名前のお菓子
===========
ビクトリーノ「こいつさ」

ビクトリーノが鞄の中から取り出したのは、目が痛くなるような派手な配色の箱のお菓子だった。
グミ状のものを食べて目玉が飛び出す奇抜な動物の絵が描かれているのがこれまた不気味さを増長させている。

森崎「うわぁ……なんで外国のお菓子ってこうも食欲がなくなるデザインしてるのかね」

ビクトリーノ「そんなのお国柄の勝手な印象だろう。きっとオランダではこれが
       とびっきり美味しそうに思えるんだよ。で、こいつがまた怪しい名前でな」

森崎「『イリュージョンストライク』か。幻影打撃?よく分からんが確かに怪しいな」

ビクトリーノ「なんだか気味も悪いし、捨てちまおうと思うんだが、
       もしかすれば仮面野郎の手がかりになるかもしれねぇし……。
       なぁ、俺はこいつをどうしたら良いと思う?」


☆どうしますか?

A 奴らの手がかりになるかもしれないし、取っておけよ
B なんだか気味が悪いから捨てちゃえよ
C 折角だから食べてみようぜ。案外美味しいかもしれないし
D そういえばイスラスが最近の麻薬はお菓子に偽装してると言っていたが…
E そんなの知るか!お前が自分で考えろよ
F 不審物は警察に届けるのが常識だろ

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

682 :森崎名無しさん:2012/10/09(火) 21:15:04 ID:rPtu0Xtc
D
近くのオランダ人に聞きたいんだけどなあ・・。

683 :森崎名無しさん:2012/10/09(火) 21:16:27 ID:aMr0R36U
D

684 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/09(火) 21:44:37 ID:???
>>682
はい。そんな展開をご用意いたしました。
============
>D そういえばイスラスが最近の麻薬はお菓子に偽装してると言っていたが…


森崎「そういえば聞いたことがある」

ビクトリーノ「知っているのか森崎!?」

森崎は昨日イスラスとした会話の内容をビクトリーノにも話す。
このアムステルダムでは麻薬の市場が政府容認で敷かれている。
だが、より儲けるためにと非合法や規格外のものを扱う裏世界の人間が
ここ最近お菓子や香水など、子どもや若者が興味を引くものに偽装して売りさばいているという。

ビクトリーノ「するってーと……この怪しさ満点のこのお菓子も麻薬って言いたいのか?」

森崎「多分。そうじゃなくてもこんな怪しいもの口になんか入れたくないし」

ビクトリーノ「くそっ、そんな話を聞いちゃ余計に手元に置く気にならないぜ。
       だが、安易に捨てられるようなシロモノじゃないよな……」

森崎「地元の連中ならこういう事態でも冷静に対処できる知識を持ってるんじゃないのか?」

ビクトリーノ「そ、そうだな。誰かに相談してみよう。知識のない俺達だけで
       下手な行動を起こすと取り返しのつかないことになるかもしれないし」

話もまとまり、アヤックスの誰かにこの謎のお菓子の事を相談することに決めた二人。問題は誰に相談するかなのだが……

685 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/09(火) 21:46:00 ID:???
☆誰に相談しよう?

A それでも医者志望の三杉ならきっとなんとかしてくれる…
B 真のキャプテンのクライフォートなら安心して任せられる
C 麻薬の話をしてくれたイスラスなら慣れているだろう
D いかにもお菓子が好きそうなリブタに……食べられてしまうだろうか?
E クリスマン→クスリマン→薬男! クリスマンに相談だ!
F 警察犬は匂いで麻薬を嗅ぎ分けると聞く。鼻が利くというカイザーに託そう
G 何だかインテリ系の雰囲気のレンセンブリンクに預けてみるかな
H プロティンマニアのディックなら良い知恵を貸してくれるはず!
I 根拠はないがドールマンのふてぶてしさに期待したい
J こういう雑務はマネージャーの仕事でしょ。シャルに突きつけよう

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

686 :森崎名無しさん:2012/10/09(火) 21:47:02 ID:aMr0R36U
C

687 :森崎名無しさん:2012/10/09(火) 22:19:50 ID:WDvj8pdw


688 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/11(木) 18:48:57 ID:???
>C 麻薬の話をしてくれたイスラスなら慣れているだろう


森崎「お菓子偽装の話もアイツから聞いたし、多分一番安全なんじゃないかな」

ビクトリーノ「そうだなー」

森崎はビクトリーノのを引き連れ、イスラスたちがいる席へと戻ることにする。

森崎「ん?あそこにいるのは三杉と…レンセンブリンク、だっけ?」

シェスターとマーガス、そしてイスラスと席を挟んで座っていたのは三杉とレンセンブリンクだった。
どうやら森崎がビクトリーノの所に行っている間に、こちらに移動してきたらしい。

三杉「――という訳なんだ。良ければ君の話を聞いておきたいんだが」

レンセンブリンク「話してあげてくださいよ。クライフォートとも和解し、
         いよいよアヤックスが一枚岩となる時が来てるんですから」

イスラス「…………」

何やら深刻な顔で話をしている様子である。

ビクトリーノ「おっと、まさかの先客様だぜ。どうする森崎?」

☆どうしますか?

A こっちの用事の方が大事だ。横から割って入ってイスラスに麻薬のことを相談する。
B 三杉たちの用事が済むまで、自分たちも話の輪に混ざろう。
C 何やら立て込んでるようだし、やっぱり別の人に相談してみるか。

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

689 :森崎名無しさん:2012/10/11(木) 18:54:21 ID:59A5dkpA


690 :森崎名無しさん:2012/10/11(木) 19:13:15 ID:MPXojtgY
B

691 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/12(金) 07:27:13 ID:???
>B 三杉たちの用事が済むまで、自分たちも話の輪に混ざろう。


森崎は三杉たちの話に興味がわき、話の輪に混ざることを決める。

森崎「よぉ。一体何の話をしてるんだ?」

シェスター「あれ?ビクトリーノの所に行ってたと思ったけど戻ってきたの?」

ビクトリーノ「ああ、ちょっとイスラスに用があってな」

三杉「君たちもか。悪いけどボク達の用事を先に済ませても構わないかな?」

森崎「別にいいぜ。俺もお前たちの話が気になってたし」

レンセンブリンク「フフッ。彼らもこう言っていることですし、話してあげてくださいよ。
         今から10年ほど前。僕たちがまだアヤックスのジュニアセレクション時代のことを」

イスラス「……分かった。だが、他愛もないただの昔話だぞ。そんな大層な話じゃないさ」

しばしの思案の後、イスラスは軽く息を吐き言葉を紡ぐ。

692 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/12(金) 07:28:39 ID:???
イスラス「俺の父親は外交の仕事をしていて、短期間のホームステイを迎え入れることがあったんだ」

北欧でも有数の資産家のとある要人が招かれることになったとある日のこと。
イスラスは幼馴染のリブタと一緒に、歓迎会の手伝いをしていた。
つまみ食いしようとするリブタの尻を蹴飛ばしつつ、雑談しながら次々と料理を並べていく。

リブタ「へぇ〜。それじゃあその人って身寄りのない子供たちを沢山引き取ってくれているんだ。いい話じゃない」

イスラス「表向きはそうさ。けど、その中には貧しい家から間引きされた子供もいるらしいって話だ」

リブタ「ひぃ!そ、それってもしかして人買いって奴?その人、すっごく悪い人なんじゃないの?」

イスラス「もしかしなくてもそうだろうさ。でも、そんなこといちいち気にしちゃいられない。
     この街にはそんなゴロツキがゴロゴロいることくらい、リブタも知ってるだろ」

リブタ「う…うん。でも、中にはいい人もいるんだよ。
    この間ね、街角で黒服の男の人とぶつかっちゃってふっ飛ばしちゃったの」

イスラス「大人顔負けのお前の体格だ。並の大人じゃ当たり負けするだろうな」

リブタ「僕は怖くて怖くてとにかく謝ることしか出来なかったけど、その男の人、笑ってこう言ったんだ。
   『俺様を吹っ飛ばすとは恐れいった。坊主、こいつは謝礼だ』って」

自慢げに懐から取り出したのは、カラフルな包み紙のグミキャンディーだった。
ソーセージのような太い指で一粒つまみ、満面の笑みを浮かべながらイスラスに差し出してくる。

リブタ「いっぱいもらっちゃったからイスラスにもあげるね。一緒に食べよ〜」

イスラス「サンキュー。やっぱり疲れた時には甘いモノだよな〜」

だが、イスラスの手のひらにはグミが乗せられることはなかった。
横から吹き抜ける突風にあおられ、思わず目を閉じてしまう。

693 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/12(金) 07:29:41 ID:???
イスラス「なっ…?」

イスラスの横を通り抜けていったものは突風ではなかった。
丁度自分と同い年ぐらいの背格好の少年だ。帽子を深くかぶったその姿から表情は読み取れないが、
自分がもらうはずだったグミを手のひらの上でひょうきんに弄ぶ姿に、イスラスの頭にカチンと音が響く。

イスラス「この野郎!待ちやがれ!」

????「待てと言われて待つ奴がいたら警察はいらないんだぜ〜」

バヒュウッ!ズダダダダダダッ!!

イスラス「は、速い…!?」

光の如き速さで駆け抜けるその姿はまさに『風』だった。幼い頃より足の速さに自信のあった
イスラスの常識をひっくり返し度肝を抜くには十分すぎる存在だった。

イスラス「(こんな事初めてだ。セレクションじゃ俺が追いつけない奴なんて一人もいなかったのに)」

それこそ自分よりも倍速で走り抜けていく少年に、イスラスは息を切らせながら追いすがる。
公園を抜け、路地を飛び越え、倉庫の方へと少年を追い込んでいく。あそこは行き止まりだ。もう逃げられまい。

イスラス「ぜぇっ…ぜぇっ…そ、そこまでだドロボー!俺のグミキャンディーかえ……」

そこまで出てきた言葉をイスラスは空気と一緒に飲み込んだ。
倉庫の中にいたのはたくさんの子供達。肌の色や瞳の色、髪の色もマチマチである。
少年はその中の一人の子供に先ほどイスラスから奪ったグミを渡していた。
どことなく少年と似た――弟か妹なのだろうか。
その子供は嬉しそうに頬張り、モゴモゴと小さな口を動かしている。

694 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/12(金) 07:31:16 ID:???
????「オタクもしつっこいね。まさかこの俺が追いつかれちまうなんて。
     こうなっちまえば俺も腹は決めた。どこへでも突き出してくれよ。
     だが、このチビ達のことは見逃してくれよ。たのむ……」

イスラス「……いいよ、別に。でも、俺の言うことを一つだけで聞いてもらうぜ」

????「な、なんだよ……」

イスラス「お前、足速いよな。俺より足の速いやつに会ったのは初めてだから驚いた。
     ……どうやったらあんなに速く走れるのか、俺に教えろよ」

????「へ?……そ、そんなんでいいのか?」

イスラス「ああ。もっとグミが必要ならありったけの数を(リブタが)持っている。
     俺の名前はイスラスだ。お前の名前は?」

????「……マッハー。俺の名前はマッハーだ」

イスラス「マッハーか。ハッ、名前の通りか。どおりで速いわけだぜ」

その子供たちが、例の資産家が引き取った子供たちだと知らされたのは後になってのことだった。
イスラスはマッハーや他の子供達と仲良くなり、彼らと一緒にボールを蹴ってはしゃいで走り回っていた。

695 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/12(金) 07:32:44 ID:???
イスラス「資産家がオランダに来た理由は、孤児の引き取り手を探してのことだった。
     沢山いた子供たちも一人、また一人と新しい家族を見つけて幸せそうに去っていった」

レンセンブリンク「その話なら僕も聞いたことがあります。確か僕の遠縁も一人引き取っていたはずです」

三杉「確かレンセンブリンクはあの『ヨハン』の流れを汲む家系だったね」

アヤックスアカデミーの伝説であるファンベルグを遡ること更に数十年前に存在した選手。
トータルフットボールの創立者とも呼ばれ、医者との二足の草鞋をこなしたことから
三杉も深く心酔している伝説の中の伝説の選手と呼んでもいいだろう。

レンセンブリンク「ええ。無駄に金を貯めこむおかしな人と周囲に言われ続けていましたが、
         あの人もかなりの高齢でしたし、自分の資産を継承する人を探していたのでしょうね」

イスラス「けれども、そのマッハーと……そいつの妹だけはいつまでも俺の家にいたんだ。
     いや、正しくは俺が両親にごねまくって居残させていたんだけどな」

三杉「貰い手が見つからなかったのか?それともまさか、君の家で引き取ったとでも?」

イスラス「ああ。そして……マッハーは俺の家族になり、アヤックスアカデミー入団の資格を得て
     俺と一緒にこのチームで活躍することになったんだ」

696 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/12(金) 07:34:21 ID:???
マッハー「もっと腕を振って、足をあげて!そんなんじゃ何時まで経っても俺様には追いつけないぞ―!」

イスラス「…う、うるさい!いつか、いつかぜったいに追いついてやる…!」

彼の指導は時折頭にくることもあり、取っ組み合いの喧嘩に発展することもあったのだが
イスラスの足の速さは日を追うごとにさらに洗練された物へと成長していった。

実況「さぁ、こぼれ球を拾ったマッハーくん、右サイドを一気に駆け上がる!
   そのあまりの速さに誰も追いつけない!そしてここで中央に折り返したァ!」

マッハー「オラッ、こいつで決めやがれ!」

イスラス「これだ!」

バシィッ!ズシャアッ!

実況「決まった〜!これで5試合連続ハットトリック達成〜!
   欧州jrチームの得点王であるシュナイダーくんに勝るとも劣らないこの得点力は見事です!」

マッハー「ナイスシュート、イスラス!」

イスラス「ナイスアシスト、マッハー!」

常人の倍速で走るドリブラーがいる。それだけでアヤックスjrチームの攻撃力は飛躍的に高まった。
ツートップの片割れであったイスラスも、彼のアシストのお陰で一躍名ストライカーの仲間入りを果たす。
だが、この夢の様な時間はそう長くは続かなかった。楽しい時間がすぎるのがあっという間なように、
まるで彼の光の早さのようなスピードであの運命の日はイスラスの前に訪れる。

イスラス「……ぷはっ!よーし、タイム0.3秒も縮まった!」

マッハー「うげげ、また随分速くなりやがって〜」

697 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/12(金) 07:35:31 ID:???
イスラス「お前に追いつき追い越すのが俺の目標だからな」

マッハー「言ってくれちゃって。お前が進んでいる間、俺だって前に進んでることを忘れるなよ〜」

白い歯をむき出しにしたサルのような小憎らしい笑顔で突き出してくる時計の数値を見てイスラスは肩を落とす。

イスラス「お前も0.3秒縮めてんのかよ。まだ速くなるってのか…?」

マッハー「世の中は広いぜ。中には100mを5秒で走るって噂のあるやつだっているらしいんだ。
     俺の目標はとりあえずソイツさ。お前も目標はもっと高く持つべきだぜ」

イスラス「漫画の世界じゃあるまいし。そうじゃなかったらきっとソイツはサイボーグかピーターパンってところだろ」

練習場の帰り道。午前中で練習が終わった今日は、寮ではなく実家に帰る予定だった。
マッハーの妹がスクールの運動会で一番になり、そのお祝いでホームパーティーを開くという。
我が両親ながら実に親ばかであり、けれども血のつながりなど無くとも
別け隔てなく愛を注いでくれることが分かる嬉しいことでもあった。

マッハー「よーし、そんじゃあ家まで競争だぜ!ヨーイドン!」

イスラス「ま、待てよ!いっつもお前は勝手に走り出しやがる。少しは周りに合わせろよ」

マッハー「お前がその口を言うか!ウシャシャシャ」

イスラス「(相変わらずムカツク笑い方しやがって。今回こそぜってぇ負けねぇ)」

この競争も、結局イスラスは一度もマッハーに勝つことは出来なかった。
それでも、彼との僅かな時間の息を呑むデッドヒートは常日頃の楽しみの一つだった。

698 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/12(金) 07:36:34 ID:???
公園を抜け、路地を飛び越え、倉庫を通り過ぎる。
驚き後ずさる通行人をすり抜けつつ、二人は風のように走り抜ける。
そろそろ家が見えてくる。見通しもよく、車通りも少ない、
子供の落書き帳のようなアスファルトの地面の斜向かいがゴール地点だ。

???「にーちゃーん!イーくーん!早く早く!」

マッハー「おおー我が可愛い妹よ。兄ちゃんが今抱きしめて頬ずりして……あ、危ない!」

マッハーの妹が二人を迎えにと飛び出した道路の先に、
トラックのせり出したフロント部分がマッハーの視界に写った。

マッハー「あの馬鹿!俺達の事ばかり見てて横の車に気づいちゃいない!このままじゃ…いや、まだ間に合う!」

イスラス「マッハー!」

彼の蹴った足から巻き上がる風に引っ張られるようにイスラスも後を追う。
腕を振り、足を上げ、そうして初めてマッハーの隣に並んだ。

マッハー「シャルーーーーーッ!」

シャル「きゃあーーっ!?」

イスラス「あああああああああーーーーーっ!!!」

ズダダダダダダダダッ!キキーーーッ!!ドガシャーーーーーン!

699 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/12(金) 07:37:40 ID:???
三杉「……じゃあ、その足の事故っていうのは今の話のことだったのか」

イスラス「俺が目を覚ましたのは病院だった。程度の差はあれ、3人とも事故からは逃れられなかった。
     それでもマッハーの妹……シャルは頭を軽く打っただけで済んだし、
     マッハー自身も打ち身と左足の骨折と、命にかかわる程の怪我じゃなかった。
     だが、俺の右足は車に乗られてひしゃげ、皮膚の組織は完全に壊れちまっていたらしい」

ジャージの裾をめくると、今でも痛々しい手術の後と、皮膚の色が全く違う脚部が顕になる。

イスラス「この皮膚を提供してくれたのはマッハーだ。馬鹿だよな。勝手に追いかけて
     車に自分から突っ込んで大怪我した俺のためによ」

森崎「(イスラスの『星のかけら』を握った時の情景……。間違いない。この事だったのか)」

シェスター「事故のことも驚いたが、あのマネージャーの子がお前の義理の妹だったとはね」

マーガス「でも、今お前がここにいるってことは無事に回復したってことだよな」

イスラス「ああ。驚くほどの回復の速さだと医者も驚いていた。
     ……だが、それとは逆に、マッハーの治りは異常なほどに遅かった。
     俺が松葉杖を手放した次の日、その松葉杖をアイツが使い出したのには不思議に思った」

レンセンブリンク「……おかしいですね。君がチームに復帰した時期とほぼ同時に
         マッハー君も復帰していると過去の資料には書かれていたのですが」

イスラス「ああ、そのことか。この話には続きがあってな――」

700 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/12(金) 07:38:57 ID:???
二人のスピードスターの帰還に、コーチもチームメイトも喜んでくれた。
だが、イスラスは痛々しい姿でリハビリを続けているマッハーの姿を間近で見ていた。
本来、彼がここにいるはずがない。それなのに何故――。



シャル「ぶえっくしょん!ううー、誰かが噂でもしてるのかなぁ。
    ……えーっと、アルバムアルバム。どこにしまったっけ」

中里から没収したイスラスの写真をしまうために、シャルは自室の荷物入れを片っ端からひっくり返していた。

シャル「あ!あったあった。うう〜ん、いつ見てもこの頃の自分は無茶しすぎてたよね」

今自分が着ているマネージャー用のジャージではなく、選手用のユニフォームに身を包む自分の姿がそこにはあった。
お団子状にして頭上にまとめられるくらいの長さの鮮やかな金髪は、この頃には跡形も無い。
綺麗に丸刈りにし、兄の生き写しのようなサルのように歯をむき出しにしながら笑う子供の頃の自分を見て、思わず吹き出してしまう。

701 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/12(金) 07:40:07 ID:???
シャル「にーちゃんの足、まだ治らないの?」

林檎の皮を慣れた手つきで剥きながら、シャルはベッドに足を投げ出して唇を尖らせる兄のマッハーを呼ぶ。

マッハー「いや、もう治ってるさ。普通に歩いたり飛んだり、走ったりするなら問題ない。
     でも、前みたいに風のように走ってボールを蹴ることは難しいってだけさ」

シャル「でも、にーちゃんよりひどい怪我だったいーくんはもうピンピンしてるよ。
    にーちゃんからもらった皮膚のおかげだって、すっごい喜んでた」

マッハー「ハハッ、なんでだろうねぇ」



シャル「兄さんの足、まだ治らないの?」

ギブスカバーを慣れた手つきで縫いながら、シャルはリハビリ室で玉のような汗を流す兄のマッハーを呼ぶ。

マッハー「まだだ。まだ。クソッ!ボールを蹴りながら走ることが……こんなに難しいことだったなんてな」

シャル「イスラスは、明日からクラブチームに復帰するんだって。
    リブタも、コーチも皆が喜んでくれてる。私も嬉しいよ。だから兄さんも……」

マッハー「……なぁ、シャル」

シャル「ん?」

マッハー「俺を一発ぶん殴ってくれ。できるだけ強く」

シャル「あ、あはは……兄さん、いつのまにそんな変態趣味に目覚めちゃったの?」

702 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/12(金) 07:41:07 ID:???
マッハー「いいから頼む!……俺、アイツのこと一瞬でも恨めしく思っちまった。
     皮膚なんか提供しなきゃよかった、そうすれば今頃俺がアイツのように走れてたのにって。
     最悪だよ。最低だよ。……なぁ、だから頼む。この馬鹿兄のふざけた頭を叩き起こしてやってくれ」

シャル「……兄さん……あ、イスラス!こ、これは違うの!その、そのね……」

間の悪いことに、お見舞いに来たイスラスに今の会話を聞かれてしまっていた。

イスラス「………」

翌日、マッハーは専門医の勧めもありポーランドの病院へと移されることになった。
イスラスと同じく、他人の皮膚を移植されたとある名医がいるという。

マッハー「…結局見送りには来てくれなかったか」

シャル「復帰戦でスタメンを任されたからって。でも、ホントは兄さんと顔を合わせづらいんだと思う」

マッハー「……一つ頼みごとをしてもいいか?」

シャル「なに?」

マッハー「俺の代わりに、傷ついちまったアイツを助けてやってくれ。
     お前なりの方法で構わないから。俺がこの怪我を治して戻ってくるまででいいから」

シャル「……うん。任せてよ。兄さん」

703 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/12(金) 07:42:19 ID:???
シャル「あれからもうすぐ10年かぁ。時が経つのは速いよね。兄さんの足の速さといい勝負かも」

その日からシャルは長い金髪を狩り落とし『マッハー』と名乗った。
ジュニアクラスと言えどもやはり男女の実力の壁は厚く、なかなか兄のような結果は残せない。
幸いなことに、周囲からは怪我の後遺症だろうと思われ、実力不足のカモフラージュになっていた。
それでも足の速さだけは兄ゆずりであったため、ウインガーとしての働きはしっかりとこなせていた。

シャル「兄さんのようになりたくて。イスラスの隣に立ちたくて。
    ただそれだけのために頑張ったなぁ。フフッ」

寮生活で自分がマッハーではなくシャルだとバレないように生活するのには苦労した。
まず男子トイレに一緒に入るのが怖い。練習後のシャワーも決まって最後に入ることを心がける。
小さい頃から兄の背中を見ていただけに姿格好の真似は楽だったが、これは大きな誤算だった

シャル「結局数週間でバレちゃったんだっけ。それも、大会を控えた最悪な時期に……」

欧州jr大会の試合前。大会規定で男児のみのチームでアヤックスjrは決勝戦まで勝ち進んできた。
皇帝シュナイダーと黒狼イスラスの初対決に記者や観客が騒ぐ中でのことだった。




イスラス「よくもまぁ、あれだけの間男だけの生活を切り抜けられたものだ。
     自分がチームに入れば失格になる。そう言って走り去るアイツを俺は追いかけた」

704 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/12(金) 07:43:37 ID:???
逃げるシャルはマッハー譲りの俊足だったが、今の自分は常人の倍速以上に走れる自身があった。
徐々に差を詰めていき、入院生活のせいで痩せたのだと思い込んでいた細い体を抱きしめる。

イスラス「……逃げんなよ」

シャル「だって……逃げなくちゃ、みんなに迷惑かかっちゃう!」

イスラス「お前がどうして今までマッハーのフリをしていたのかはこの際関係ねぇ。
     だが、俺達が決勝まで勝ち上がってこれたのは間違いなく『お前』がいたからだ」

シャル「そんなことないよ。点を決めたイスラスやブロックで頑張ってるリブタのおかげだよ」

イスラス「俺にサイドからのセンタリングを上げたのは誰だ?
     リブタが弾いたこぼれ球を懸命に拾い続けたのは誰だ?
     全部お前が…マッハーじゃなくシャル。お前がやり続けたことだろうが」

シャル「それじゃダメなんだよ!わたしは兄さんに……兄さんが傷つけたイスラスを励ましてくれって言われて……
    いつも兄さんと一緒に楽しそうに走るイスラスに戻って欲しかったから……だから……」

イスラス「アイツ……そんなこと気にしてたのか。
     あの時何も言わずに立ち去ったのは、別にアイツの妬みにショックを受けたとかじゃなくてだな」

シャル「へ?そ、そうなの…?」

イスラス「普通ドン引きするだろ。思い切り俺を殴ってくれと自分の妹に追いすがっている姿を見たら」

シャル「……あ、あはは……そ、そうだったんだ。なんだ……イスラスは兄さんのこと嫌いになったりなんかしてなかったんだ…」

イスラス「アイツは俺の目標だからな。ポーランドで必ず怪我を治して俺の所に戻ってくると信じている。
     だからお前もこんな無茶してんじゃねぇよ」

シャル「……うん!」

705 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/12(金) 07:44:57 ID:???
イスラス「その後、俺はシャルを引き戻して監督や仲間を説得した。
     こいつをマッハーではなくシャルとして、
     今までアヤックスを支えてくれた同じ仲間として試合に参加させて欲しいと」

三杉「……けれども、現実はそう簡単には甘くなかった。
   目の前に優勝が見えているのに、下手をすれば失格を言い渡される原因を
   わざわざ試合に持ち込むわけにはいかなかった」

レンセンブリンク「……シャルさんには酷な話ですけど、それが普通の監督が取れる判断ですね。
         それ以来、君は最後まで賛同してくれたリブタを除き、
         チームメイトとの必要以上の交流を絶ったと。そういうことですね」

イスラス「結局その試合は俺もリブタも出なかった。子供の我儘だと馬鹿にされたとしても――。
     俺はアイツの思いを無駄にはしたくなかったし、大事にしてやりたかった。
     その後アイツは選手を止め、マネージャー業に専念することで今回の騒動の責任を取り……
     俺は周囲から厄介がられる問題児として扱われるようになった。……まぁ、こんなところだな」

シェスター「んだよー結局最終的にはただのノロケかよー。ヒューヒューウラヤマシイコッテー」

三杉「ボクが研修生としてチームに合流するのはそれから数年後のことだね。
   思い返してみれば、君がリブタとシャル以外に心を開いていなかったことにも納得だよ」

マーガス「なるほどなぁ。あのマネージャーの俊足にはなにか秘密があるかと思ってたけど、
     彼女の兄貴、そんなにすごいスピードの持ち主だったのか」

レンセンブリンク「北欧リーグでごく僅かな期間ですが、試合記録が残されていますよ。
         18歳の時に怪我の再発で選手生命を失ったと聞きますが、
         噂ではあのジョアンコーチの指導を受けて復帰が待たれているとかいないとか」

イスラス「なにィ!それは本当なのか?」

706 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/12(金) 07:46:49 ID:???
ビクトリーノ「あ、その噂話は俺も聞いたことがある。ルーベンさんっていう俺の先輩から教えてもらった。
       様々な国の素質のある選手を集めて、コーチングしている人がいる。その名を『ジョアン』と」

森崎「ジョアンコーチ?その人ってそんなにスゴイ指導者なのか?」

三杉「君に説明するのならジョアンコーチはあの元セレソンでもあるロベルト本郷の恩師と言えば分かりやすいかな?」

森崎「うげぇ!あの変態の恩師だってー!?きっとあの人以上に異質な存在なんだろうなぁ」

三杉「……分かっていてもそう言わない。確かにあまり関わりあいになりたくはないかもしれないが」

イスラス「(マッハーは必ず戻ってくる。そのジョアンという人の指導を受けて。
     そしていつかまた、あの日のように。アムステルダムの街を一緒に風のように走り抜けたいものだ)」

レンセンブリンク「…ふぅ。さて、僕たちの用事は済みましたけど、貴方方も彼に何か用があったのではないですか?」

森崎「あ、そうだそうだ。ビクトリーノ、例のブツを出してくれよ」

ビクトリーノ「おう」

ビクトリーノは昨日の泥棒騒ぎの件で、自分の鞄に異物が混入されたことを皆に話す。

ビクトリーノ「森崎の話だと、こいつは偽装された麻薬の可能性もあるってことだ。
       そんな不気味なもの手元に置いておきたくないし、
       かといって気軽に捨てるわけにもいかねぇ。誰かに拾われでもしたら大変だし」

森崎「というわけなんだ。偽装の話をしてくれたお前ならなにかいい提案があると思って相談したいんだが……」

イスラス「(こいつは……!)」

懐かしい箱詰めのお菓子。それは大好きだったグミキャンディーとひどく似ていた。
思わず食べたくなる衝動を抑えつつ、イスラスが取った行動は……

707 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/12(金) 07:49:18 ID:???
★グミくれよー→! card★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ→レンセンブリンク「それ、良ければ僕に預からせてもらえませんか?」突然レンセンブリンクが割って入る
ハート・スペード→まぁ、警察に届けるのが常識的だろうな
クラブ→もう我慢できなーい!懐かしの味を思い出し一粒口に入れてしまう!
JOKER→クライフォート「おい、その箱をどこで見つけた!」クライフォートが怖い顔で詰め寄ってくる…!

708 :森崎名無しさん:2012/10/12(金) 07:52:36 ID:???
★グミくれよー→ ハート8

709 :森崎名無しさん:2012/10/12(金) 07:52:40 ID:???
★グミくれよー→ ハート8

710 :森崎名無しさん:2012/10/12(金) 09:03:49 ID:???
カード一致で+10のボーナス

711 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/13(土) 14:58:23 ID:???
>>710
これは珍しい!特訓系のイベントだったら素晴らしい結果になっていたでしょうねw
===========
>ハート・スペード→まぁ、警察に届けるのが常識的だろうな


イスラス「……見た目だけじゃ判別できないからな。
     かといって、直接口の中に入れて確かめられるものでもないだろうし」

こういう危険物に関しては、素人は手を出さずに専門家に任せるのが一番だと語るイスラス。

イスラス「まぁ、警察に届けるのが常識的だろうな。
     記帳なサンプルを提供してくれたと感謝されるんじゃねぇのか?」

ビクトリーノ「まぁ、普通はそうだよな。そんな当たり前のことにどうして気づけなかったんだろう」

三杉「それはやはり『お菓子』には心理的にどこか安心してしまうものがあるからじゃないかな」

レンセンブリンク「ですね。皆さんだって、子供の頃から慣れ親しんだお菓子が
         目の前にあればふと手をつけてみたくなるものでしょう」

シェスター「まぁ、食べ物を粗末にしちゃいけません!っていう思考は必ずしもどこかにあるものだからなぁ」

マーガス「だからこそ、お菓子に偽装して子供たちを騙しているってことだよな。
     これがもし本物の麻薬だとして、ビクトリーノの鞄に紛れ込んでいなかったら
     どこかの誰かはわからないけど、不幸な目に遭う子供がいたかもしれない」

ビクトリーノ「そう考えれば、良かったってことなのかね。
       そんじゃあ午後はちょっくら警察にでもお邪魔してくるわ。
       あ、でもこの街の地理感が疎いからできれば誰かが案内してくれれば助かるね」

三杉「分かった。後で適当な者を向かわせよう」

712 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/13(土) 14:59:46 ID:???
森崎「(午後の時間はビクトリーノは警察に出頭…じゃなくて出向するみたいだな)」

イスラス「午後は雲が出てきて夕方から雨になるらしい。傘でも持って行くんだな」

ビクトリーノ「げっ、まじかよ。明日の試合は大丈夫なんだろうな?
       出来ればカンカンのお日様の下でプレーしたかったんだが」

三杉「雨の中の決戦というのもオツなものではあるけどね。フフッ」

シェスター「そういえば森崎、日本にはこういうときに天候を操るニンポーがあるんだろ?」

森崎「忍法かどかは知らんが、おまじないみたいなものはあるぜ。
   てるてる坊主って言って……そうだな。たとえばこんなものとかを……」

森崎は数枚紙ナプキンを手に取ると、こねこねと丸め、さらにそれを大きめの布でくるむ。

森崎「できたー!こいつを軒下にぶら下げれば、明日はきっと晴れって寸法さ」

三杉「ちなみに逆向きに吊るすと雨になるという迷信があるが……まぁ、気休め程度のものだろうね」

森崎「(俺が昔カダイン砂漠で雪を降らせたことを話したらこいつらどれくらいびっくりするんだろうか)」

他愛の無い雑談を交えつつ、楽しく昼食を済ませた森崎は自室へ言ったん戻り、午後の予定を考える。

森崎「さて、どうしようかな。午後も練習するか、それとも街に遊びに行くか。
   ビクトリーノの用事に付き合うのもアリかな?何だか色々と気になるし」

713 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/13(土) 15:01:26 ID:???
☆どうしますか?

A 午後も練習しよう
B 街に繰り出そう
C ビクトリーノに付き合って警察に行こう
D 何だか疲れたしこのまま夕方まで眠っちゃえ

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

714 :森崎名無しさん:2012/10/13(土) 15:31:31 ID:rw3y6/d+
C
こういうのって一人で行かせると死亡フラグですからw

715 :森崎名無しさん:2012/10/13(土) 15:51:13 ID:OkNdQ0U2
C

716 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/13(土) 17:52:34 ID:???
>>714
案内人がランダムで選ばれたので、少なくともビクトリーノ単騎ということにはなりません。
今回の一連のイベントを追うか追わないか、といった選択でしたね。
===========
>C ビクトリーノに付き合って警察に行こう


森崎は練習着からラフな外出着へと着替えるとビクトリーの部屋へと向かう。

森崎「へーい。俺も暇だからついていってもいいか?」

ビクトリーノ「おう、全然構わねぇぜ。ついでに観光もしてくるつもりだったし」

森崎「昨日は昼食は食べ損なうわ泥棒騒ぎに巻き込まれるわで散々だったからなぁ。
   今度こそアムステルダムの街を堪能したいところだぜ」

ビクトリーノ「そうだなぁ。んで、今回俺たちを案内してくれる奴なんだが…」

先にビクトリーノの部屋を訪れていた先客が姿を現す。

717 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/13(土) 17:54:19 ID:???
★誰やねーん→! num★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

0→三杉
1→クライフォート
2→イスラス
3→リブタ
4→クリスマン
5→カイザー
6→レンセンブリンク
7→ディック
8→ドールマン
9→シャル

718 :森崎名無しさん:2012/10/13(土) 17:56:06 ID:???
★誰やねーん→ 8

719 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/13(土) 18:38:41 ID:???
★誰やねーん→ 8 ★
>8→ドールマン

ぬっ…

重々しい擬音を伴いながら現れたのは、まさに巨人と呼ぶに相応しい巨体を持つアヤックスの正GKのドールマンだった。

ドールマン「へへ…同じキーパー同士だし、せいぜい仲良くしようぜぇ。小人ちゃん」

馴れ馴れしくもありふてぶてしい態度で手を差し出してくるドールマン。
森崎は不快を覚えて睨み返すが、大きく首を擡げて見上げる格好となり少し情けなく思えてしまう。

森崎「(改めて見ても随分でかい。若林や若島津以上の迫力だ。
   体格だけならあのミューラーにも匹敵する。だが……)」

森崎がこれまで退治してきた一流のGKは、何かしらの威圧感が感じられた。
だが、このうねった髪と膨らんだ頬が特徴の男からは危機感のようなものは感じられない。

森崎「(それほど実力が高くないのか?それともそれを隠し通せるほどに精神が熟練してるとでも?)」

いずれにせよ、この男に対する印象は少なくとも好意的なものではなかった。
それでもこうして一緒に行動することになったのも何かの縁。
旅は道連れ世は情け。きっと何かの役に立つに違いない。

森崎「(だが、試合では俺のほうが格上のGKだということをこれでもかと思うくらい味あわせてやるぞ!)」

※ビクトリーノとドールマンが森崎と同行します。

720 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/13(土) 18:40:09 ID:???
麻薬の疑いがかかったお菓子を警察に届けに、アムステルダムの街を闊歩する森崎たち3人。
しばらくして、どよどよと淀んだ雲が暖かな午後の日差しを照らしていた太陽を隠し、頭上を覆い始める。

ビクトリーノ「うーん。予報通り天気は下り坂か。天気が悪いと何だか気分まで滅入ってくるぜ」

ドールマン「あんまり暑いのも簡便だけどなぁ。キーパーにとっちゃ眩しい日差しは死活問題だぜ。なぁ森崎ィ」

森崎「お、おう…そうだな。
   (なんだよこいつ、馴れ馴れしいにも程が有る。
   シェスターと仲良くなったみたいだが、あまりいい気分がしないなァ)」

それとも彼なりにコミュニケーションを取ろうと苦心しているのだろうか。
そうだとすれば、この馴れ馴れしい話し方も仲良くなろうとしているサインなのかもしれない。

森崎「(そういえば、今まで自分からGKの選手と仲良くなろうとしたことなんてなかったな)」

自分の居場所が無くなってしまう危険はなるべく排除しなければという危機感があったのだろう。
相手が同じGKという立場上、どうしても自分との比較対象にしてしまいがちだ。
自分より上か下かでしか見ようとしないから、こうしてギクシャクとした気持ちになってしまうのかもしれない。
それはドールマンにかぎらず、遡れば若林や若島津にも似たような態度を取っていた記憶がある。

森崎「(このブレーメンでもそうだった。今までは正GKを争うライバルという目線でしか見てこれなかったけど。
   カタネッチさんやアルバートさんは、日本から来たばかりの右も左も分からない俺を色々世話してくれたっけ)」

我ながら随分甘くなったものだ。ラムカーネからしてみれば、
キャプテン森崎の偽物だと罵られても文句は言えないほどに騎馬が抜けてしまったかもしれない。
それでも今の状況はなんとも言えない心地よさが確かにあった。

気の良い仲間たちと気を良くしながらボールを追いかけるサッカー。
プロという立場上、腑抜けになってしまう訳にはいかないが、
森崎は少しだけ自分と同じGKであるドールマンと歩み寄る気分になった。

721 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/13(土) 18:42:00 ID:???
森崎「(でも試合ではボッコボコのズッタズタにしてやるからな。覚悟しとけよ)」

ドールマン「? なんだぁ、変な笑い方して。可愛い女の子でも見つけたか?」

ビクトリーノ「え!?なになに、ドコドコ!?ビューティギャルはいずこにおわす!」

森崎「おいこら、ナンパするなら用事を済ませてからにしとけ」

大通りを抜け、交差点を渡った先にあるのがアムステルダムの警察署らしい。

ドールマン「後少しでつくぜ。用事がすんだら俺のとっておきの飯屋に連れてってやんよ」

ドールマンのエスコートを楽しみにしつつ、入口に向かう森崎とビクトリーノ。その時……


★はぐれ森崎頑張派→! card★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ→何やら騒がしい。なんと昨日捕まった泥棒が逃げ出しただって!?
ハート→女性警官に呼び止められる。容姿は数字に比例します。
スペード→男性警官に呼び止められる。容姿は数字に比例します。
クラブ→チンピラ風な男たちに呼び止められる。ビクトリーノの鞄を狙っているようだ。
JOKER→昨日逃した例の仮面男が再び登場!

722 :森崎名無しさん:2012/10/13(土) 18:44:39 ID:???
★はぐれ森崎頑張派→ ダイヤ10

723 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/13(土) 19:04:45 ID:???
★はぐれ森崎頑張派→ ダイヤ10 ★
>ダイヤ→何やら騒がしい。なんと昨日捕まった泥棒が逃げ出しただって!?


ズドドドドドッ!!

ドールマン「うおっ、危ねぇ!」

ビクトリーノ「なんだなんだァ?」

入り口に入ろうとした森崎たちを突き飛ばす勢いで、刑事らしき数名の青年が飛び出してくる。

刑事「すぐに包囲網を敷け!絶対に逃すんじゃないぞぉ!」

森崎「あの、何かあったんですか?」

刑事「ああ。昨日アヤックススタジアムに忍び込んだ泥棒が、輸送車から逃げ出してね。
   おそらく組織の一員が脱出の手引きをしたんだろうね。……って、君たちはいったい!?」

警察官からしてみれば一般の市民である森崎たちにべらべらと情報を漏らしてしまったことに勝手に驚いて飛び退る。

ビクトリーノ「クセェな。事件の匂いがプンプンしやがる。
       なぁなぁ、ちょっと刑事たちの後を追いかけてみねぇか。
       奴らの足取りを一気に掴めるチャンスかもしれねぇぜ」

鼻をひくひくさせ、興味津々な態度でビクトリーノが呟く。

ドールマン「ちょっとちょっと、泥棒の件も気になるが麻薬のことも忘れないでくれよ」

森崎「元はといえばそのためにここまで来たんだしな。用事をほっぽり出す訳にもいかないし…」

相談の結果、麻薬の提供はドールマンに任せ、ビクトリーノは刑事たちの後を追いかけるという。

724 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/13(土) 19:06:07 ID:???
森崎「(俺はどうしようかな?)」


☆どうしますか?

A ビクトリーノと一緒に逃げた泥棒を追う
B ドールマンと一緒に麻薬お菓子を調べてもらう
C 一人で街に遊びに行っちゃう

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

725 :森崎名無しさん:2012/10/13(土) 19:46:57 ID:MpsoLJXI


726 :森崎名無しさん:2012/10/13(土) 20:05:04 ID:BjFOjQXw
A

727 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/14(日) 08:08:46 ID:???
>A ビクトリーノと一緒に逃げた泥棒を追う


森崎とビクトリーノは麻薬お菓子をドールマンに預けると
逃げた泥棒の行方を探るため、刑事たちを追い路地裏へと向かう。
先程よりさらに雲行きが怪しくなってきたオランダ空の下、
ビクトリーノは自慢の俊足を活かし、泥棒の足取りを探る。

ビクトリーノ「街中と違ってこの辺りはなんつーか……暗いよな」

森崎「天気だけの所為じゃ……ないよな」

見るからに怪しいものを売りさばく派手な服を来た男を始め、
あまりお近づきになりたくない強面の男、ニヤニヤと下品な笑みを浮かべる貧相な男。
顔という顔にじゃらじゃらと貴金属を取り付け、蛇のように舌をちらつかせる男。
自分と同じ人間だとは思えない。それこそ自分たちの常識には無い、
それこそアカネイアのような異世界に迷い込んでしまったような違和感を覚えていた。

森崎「ははは……世界は広いな。俺が知らない常識がまぁ、こんなにも存在するなんて」

ビクトリーノ「……ああ。ホント世界ってやつは広いぜ」

世界は広い。少なくともこの世代の中ではナンバーワンだと自負していた自分の足の速さに対する誇り。
それがほんの昨日のこと、無残にも破られてしまったことをビクトリーノは思い出す。
全力で走り続けることを躊躇わなければ、必ず追いつけたかもしれない相手だった。
だが、あの時ビクトリーノは自分から足を止めてしまった。衝突と怪我を恐れブレーキを踏んでしまった。

ビクトリーノ「〜〜〜〜ッくしょう!!天気が悪いと気分も滅入るってんだよ〜!」

森崎「おわっ!?いきなり叫ぶなよ、ビビるじゃねえか」

ビクトリーノ「悪い悪い。大声で叫べばあの雲も吹き飛ぶかな〜…なんてな」

728 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/14(日) 08:10:27 ID:???
森崎「(……やっぱり何か様子が変だな。昨日の泥棒騒ぎの時に何かあったのか?)」

少しビクトリーノのことが気がかりだったが、とにかく今はこの辺りに逃げ込んだ泥棒の情報を集めなければならない。

ビクトリーノ「片っ端から探すのは手間だよな。…ちょっと気が引けるが、
       アブナイお兄様がたに聞き込みでもしてみるのも一つの手段かもな」


☆どうしますか?

A 地道に手近な建物の中を探してみる
B 危険な雰囲気の男たちから情報を聞き出す
C ビクトリーノに昨日の事を訪ねてみる
D ドールマンに預けたお菓子『イリュージョンストライク』のことを改めて聞いてみる
E 三杉たちと話していた『ジョアンコーチ』の事を聞いてみる

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

729 :森崎名無しさん:2012/10/14(日) 08:27:43 ID:GjOHywNQ
C

730 :森崎名無しさん:2012/10/14(日) 09:09:09 ID:u1gyiGh2
C

731 :森崎名無しさん:2012/10/14(日) 09:35:10 ID:???
人気投票開催予定メンバーを見るとモリブレムさんもどうでしょう?と言いたいけど
今やるのはちょっと中途半端なんだよねェ

732 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/14(日) 10:42:08 ID:???
>>731
去年の4月に行われた春の人気投票祭りのスレ主たちが再集結!ということですね。
更新ペースが下降気味ではありますが、お二人がよろしければぜひ私のスレも参加させていただきたいです!
FEシナリオもオランダシナリオも半端なところではありますが、
投票開始までに山場を超えればいいだけの話ですしね!(と、自分にプレッシャーをかけてみる)
===========
>C ビクトリーノに昨日の事を訪ねてみる


森崎「(ブローリンからの伝言じゃ、荷物は取り返したが仮面の男に逃げられたことくらいしか聞けなかったからな)」

森崎は、昨日の出来事をビクトリーノに訪ねてみた。
一瞬躊躇うような仕草を見せたが、気まずそうに頬をかきながらビクトリーノは答える。

ビクトリーノ「……まぁ、お前にも一応聞いてもらおうかね」

イスラスと協力し、仮面の男をあと一歩というところまで追い詰めることに成功する。
だが、ビクトリーノはそのあと一歩を踏み出せずにむざむざ男を逃してしまった。

ビクトリーノ「思い出しちまうんだよ。ケルン戦でやっちまった足のことを。
       あの怪我のせいで、優勝がかかった大一番のハンブルグ戦を俺は病室で眺めることしか出来なかった。
       もうあんな悔しい思いはまっぴらだ。戦うこと無く負けるなんて絶対イヤだ!
       ……けどよ。俺はあの瞬間自分から戦いを降りちまった。
       ハハッ、矛盾してやがるよな。逃げたくないのと思ってんのに逃げちまうなんてよ」

弱音を吐いてしまったことが気恥ずかしいのかビクトリーノはそっぽを向く。
背中を丸めた姿がやけに弱々しく思えてしまった。

森崎「ビクトリーノ……」

733 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/14(日) 10:43:32 ID:???
☆どうしますか?

A「プロは体が資本なんだ。怪我をしてからじゃ全てが遅い。お前の選択は間違っちゃいない!
B「ああそうだな。今のお前は俺からしてみれば折角の才能を燻らせてる臆病者だな。
C「だったらリベンジすればいい。その仮面の男を見つけて今度こそぶち抜いてやれよ!
D「足が速いことだけがサッカーじゃないだろ?お前の良い所は他にもあるじゃないか。
E 何も言わずに探索を続ける。

2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。

734 :森崎名無しさん:2012/10/14(日) 11:09:31 ID:GjOHywNQ
C

735 :森崎名無しさん:2012/10/14(日) 11:12:25 ID:Qi3SQgkY
C

736 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/14(日) 11:42:07 ID:???
>C「だったらリベンジすればいい。その仮面の男を見つけて今度こそぶち抜いてやれよ!


森崎という選手は時代によって大きく異る評価を受けている。
南葛SCに所属する前は、誰一人として知らない無名の存在だった。
それが、優勝チームのGKとして活躍したことを皮切りに、中学サッカーのトップを牽引していく。
世界jrユース大会では世界一と同時にMVPも獲得し、このまま世界のトップへと羽ばたくだろうと期待されていた。

森崎「(そうだ。『リセット』で『勝たせてもらっていた』俺の歴史は華々しいものだった。けれど…)」

アカネイア大陸でのサッカー。負けてもやり直せない苦しみを直に味わい、挫折と絶望に涙を流す。
再び全日本ユースというチームとして再結集した際の森崎の評価は、
あくまでも優勝チームの一人のキーパーという評価に留まっていた。
絶望的な試合の流れを変える力も、チームを引っ張る栄光も既に過去のものとなっていた。

森崎「(俺がユースの正GKになれたのだって、あの特別試合でマルスやアベルの助けがあったからこそなんだ)」

海外クラブで活躍する日本人選手も増えている今、森崎はあの頃のような特別な存在ではない。
それでも自分には絶対に譲れないものがある。他人と比べられても誇れるものが確かにある。

森崎「俺がお前だったら、そんな弱音を吐く前にやることがある」

ビクトリーノ「なにィ?」

森崎「リベンジするんだよ。その仮面の男を見つけて今度こそぶちぬいてやるんだ。
   それで負けて惨めな思いをしても、俺はあきらめない。
   自分が納得するまで、いや、勝つまで絶対に諦めることなく何度でも『やり直す』だけだ」

ビクトリーノ「自分が納得するまで何度でも……ね」

737 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/14(日) 11:44:18 ID:???
森崎「お前がもうあの仮面の男には叶わないって結論付けちまってんのならこれ以上俺は口出ししねぇよ。
   でも、もしほんの少しでも納得がいかないのなら、俺は絶対に諦めん!」

リセットすることとやり直すこと。似ているようだけど少し違う。要は心意気の問題なのだ。
無かった事にするのではなく、惨めな敗北すらも次の勝利へとつなげる糧にする。
決して輝かしい道だけを歩いてこれなかった森崎がたどり着いた答えに、ビクトリーノは顔を上げる。

ビクトリーノ「……そうだな。たった一回負けたくらいでしょげてちゃプロ失格だよな。
       分かった。お前の言うとおり次こそは奴を捕まえてやる。
       何度でも挑戦してやるぜ。俺が世界一のスピードスターと証明するその時までな!」

森崎「おう、その意気だぜ。南米の黒豹さんよ」

ビクトリーノ「じゃあ、さっさと捜索の続きといこうぜ。肝心の競争相手を見つけねェと
       リベンジのリの字も果たせないまま日が暮れちまうからな」

森崎「そうだな。泥棒の仲間が脱走の手引きをしたっていうのなら、例の仮面の男も必ず現れるはず。
   俺に見せてくれよ。お前の自慢の俊足で派手にぶち抜くところをな」

ビクトリーノ「ああ。瞬きする暇すら与えねぇよ」

森崎の言葉に勇気づけられ、仮面の男との再戦に熱い気持ちを燃やすビクトリーノだった。

※ビクトリーノの『星のかけら』が回復しました。

738 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/14(日) 11:47:18 ID:???
ポタッ…ポタタッ…

頭上に冷たいものを感じ、ふと空を見上げると小雨がぱらつき始める。

ビクトリーノ「……ちょっと話をしている間に大分時間が過ぎちまったな。
       予報だとこれから夜にかけてどんどん雨が強くなるらしいぞ」

森崎「はやいところ見つけないと面倒だな。
   それとも、もう警察の人たちが泥棒を捕まえちゃったかもなぁ」


★泥棒包囲網の行方→! card★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ・ハート→泥棒らしき人物が廃ビルに入っていくところを目撃!
スペード→ドールマンが合流してくる。麻薬お菓子の正体が分かったらしい。
クラブ→どうやら泥棒はあっけなく御用されたそうだ。折角だしどこかに寄ってく?
JOKER→例の仮面男が再び登場!ビクトリーノのリベンジ到来!

739 :森崎名無しさん:2012/10/14(日) 11:49:04 ID:???
★泥棒包囲網の行方→ ダイヤ2

740 :森崎名無しさん:2012/10/14(日) 12:08:30 ID:???
戦場パートでWiki更新が続いていたせいか
Wikiのページ更新最新10ページにモリブレムスレが消えると不思議な感じがする

741 :森崎名無しさん:2012/10/14(日) 12:53:29 ID:???
リベンジ機会か…JOKERはそう出るもんじゃないし、
アカネイアシナリオで出てきたら星のかけらでビクトリーノ召喚、かな?

742 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/14(日) 17:05:06 ID:???
>>740
いつも多くの情報を更新していただき感謝の気持ちで一杯です。
>>741
イベント次第ではオランダシナリオ中に決着がつくかもしれません。
===========
★泥棒包囲網の行方→ ダイヤ2 ★
>ダイヤ・ハート→泥棒らしき人物が廃ビルに入っていくところを目撃!


昨日の泥棒、引いては彼の仲間であろう仮面の男の足取りを追うべく、森崎とビクトリーノは捜索を再開する。
勇気を出して強面の男たちから情報を集めてみると、
以外なことに、森崎たちがプロのサッカー選手だと分かると有力な情報を教えてくれた。

ビクトリーノ「いや〜サッカーてホントいいものですねぇ。万国共通の合言葉だな」

森崎「明日の試合も応援に来てくれるみたいだし、
   アウェイでサポーターの少ない俺たちブレーメンからしてみれば大きな味方だぜ」

思わぬ応援団も獲得しつつ、情報通りに廃ビルが立てられている地帯へと進んでいく。

ビクトリーノ「おい、森崎。ちょっとこっち来てみろよ」

森崎「! 今のはまさか…」

周囲の状況を確認する怪しい男が、息を切らしつつビルの中へとすり抜けるように入っていく。
遠目ではっきりとは分からないが、おそらく昨日の泥棒に違いない。

ビクトリーノ「よし、突入するぞ」

森崎「オーケー」

ビクトリーノ「なんだかスパイ映画のワンシーンみたいだな。ワクワクしてくるぜ」

743 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/14(日) 17:06:16 ID:???
廃ビルといってもまだ電気が通っているのか、非常灯の薄暗い明かりが灯っている。
明かりを頼りに細い通路を抜けていくと、やけに清潔に保たれた開けた部屋に出る。

森崎「外から見た限りじゃ廃墟にしか見えなかったが、何だか頻繁に人通りがあるっぽいぞ」

ビクトリーノ「さっきスパイ映画って言ってみたけど、このビルって撮影にでも使われてるんじゃないのか?」

森崎「あーなるほど。それだったら納得だ。映画といえばこの間の……ん?」

カツーンカツーン……

ビクトリーノ「誰かが入ってきたようだぜ。一旦隠れよう」

遠くから数名の足音が聞こえてくる。二人は一旦物陰に身を潜め、事の成り行きを静かに見守る。



??「――それで例の研究は進んでいるのかね?」

??「ええ。サンプルも抽出し、あとは適応者の傾向を見守るだけです」

??「ふふふ……この研究の完成の暁には莫大な報酬が待っているからね」

??「ええ。それもこれもあのお方のおかげですよ。うえっへっへ」

二人はひょっこりと首だけを出し、喧騒する男たちの会話を聞き取る。

ビクトリーノ「…なんだか難しそうな話をしてるな。研究とか何とか」

森崎「うーん、よく聞き取れないな。もうちょっと近づいてみようぜ」

744 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/14(日) 17:08:19 ID:???
★スパイ大作戦→! card★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ→重要な計画とやらを盗み聞く。さらに…?
ハート・スペード→重要な計画とやらを盗み聞く
クラブ→前に乗り出し過ぎて転んでしまう!見つかってしまった!
JOKER→例の仮面男が再び登場!

745 :森崎名無しさん:2012/10/14(日) 17:08:53 ID:???
★スパイ大作戦→ スペード4

746 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/14(日) 17:40:40 ID:???
★スパイ大作戦→ スペード4 ★
>ハート・スペード→重要な計画とやらを盗み聞く


ビクトリーノ「森崎、もうちょっと体勢低くできねぇか?」

森崎「これ以上無理だって。ていうかあんまりくっつくなよ、暑苦しい」

ビクトリーノ「俺だってカワイコちゃんならともかくお前と密着なんてゴメンだよ。
       って、今は文句を言ってるわけにもいかねぇか」

森崎「しっ!…話の続きを聞けそうだ。静かにしろ」



??「この研究は今のサッカー界のバランスを大きく揺るがすことにも繋がるだろう」

??「名付けて『人類倍速計画』ってところっすかね。けど、そんなにスゴイ価値が生まれるんスかねぇ」

??「考えても見ろ。常人の『倍速』の速さで走れるというだけで様々な状況で有利になるだろう。
   もしもチーム全員が常に『倍速』で動ける状態を想像してみろ。恐ろしい事この上ないぞ」

??「はぁ。そりゃあ確かに恐ろしいっすね。一人いるだけでも大分違うのにチーム全員って…」

??「問題は『倍速』に動き続けることでのリスクだ。このサンプルでは多くの者が
   体のバランスを保てずに身体機能の消耗を激しくすり減らしているではないか」

??「それを緩和する薬品も同時に研究してはいるんですけどね。
   今のところはドーピング検査でごまかすのは難しいところっすけど。
   被験体が不足してるんスよねぇ。『倍速』で走れる才能を持つ人なんてそれこそ一握りみたいですし」

747 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/14(日) 17:42:13 ID:???
??「ただ脚が速い選手だけならそれこそゴマンといる。問題はボールをドリブルするとき、
   もしくは守備に走るときなどで瞬時に身体のリミッターを外せることができるかどうかなのだ。
   君は一度例の彼に連絡したまえ。あと数名ほど被験体を用意させよとな」

??「へいへーい。しっかし、難儀なものですね。こうして色々と小細工をしていても
   世の中には埋められない才能ってのがいくらでも溢れているってのは」

??「だから人は研究するんだよ。どれだけ犠牲を出そうともどれだけ金をかけようとも。
   才能無きものが有るものを打ち倒すときは、そういう覚悟を押し通せた者たちだけなのだから」」

??「相変わらず熱いなぁ。まぁ俺は金さえ貰えればどうでもいいんすけどねぇ」

??「その君の強欲さも一種の才能だよ。無駄にはしないことだね」

二人の男が去ったのを確認すると、森崎とビクトリーノはゆっくりと物陰から出てくる。

ビクトリーノ「……なんだか聞いちゃいけないことを色々と聞いちまったような気がする」

森崎「サッカー界を揺るがす研究……人類倍速計画だと?」

特に、倍速ドリブルを武器にしているビクトリーノは動揺を隠せないでいた。
彼らの話では、人為的に自分のような才能を多くの者に与えようとしているらしいのだから。

ビクトリーノ「チーム全員が倍速移動するようになる研究か。末恐ろしいな…」

748 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/14(日) 17:45:42 ID:???
森崎「確かにサッカー選手からしてみれば、喉から手が出るほど欲しい才能かもしれないな。
   俺だってドリブルは得意な方だけど、相手のマークを物ともしない
  『倍速ドリブル』が使えるようになるのなら、使ってみたいと思うし」

ビクトリーノ「なんだか嫌な予感がするな。奴らは『倍速』で走れる被験体を探してるって言ってやがった。
       俺やイスラスのような人間を捕らえて実験をするつもりでいるに違いない。
       どうする森崎。危険な匂いがプンプンしやがるが、もう少し奴らの懐に踏み込んでみるか?」


☆どうしますか?

A 危険も承知の上。さっきの研究員を追うぞ!
B 嫌な予感がする。ドールマンのことも気になるし、ここは一旦戻ろう。

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749 :森崎名無しさん:2012/10/14(日) 17:46:10 ID:ypr66AG+
B

750 :森崎名無しさん:2012/10/14(日) 17:50:50 ID:Qi3SQgkY
A
斧がほしいのう

751 :森崎名無しさん:2012/10/14(日) 18:38:08 ID:GjOHywNQ
B

752 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/14(日) 20:12:04 ID:???
>B 嫌な予感がする。ドールマンのことも気になるし、ここは一旦戻ろう。


森崎「……ここは一旦戻ろう。これから先は俺達がどうこうできる問題じゃなさそうだし」

ビクトリーノ「ドールマンのことも気になるしな。泥棒のことは仕方ないが警察に任せちまうか…」

君子危うきに近寄らず。二人はこれ以上の捜索は危険と判断して廃ビルを後にした。



警察署に戻ってきた二人を待っていたのはドールマンと白衣を来た男だった。
お菓子の成分を調べ終わったらしく、何枚かの資料を手渡してくる。

ドールマン「よう、そっちの成果はどうだった?泥棒は捕まえたのか?」

森崎「いや、残念ながら。だが、何だかきな臭い別の情報を手に入れてきた」

ビクトリーノ「ソッチの方はどうだったんだ?お菓子の正体は分かったんだろ?」

ドールマン「ああ。この紙を見てくれれば分かると思うんだが…」


★お菓子の正体→! card★

!とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します

ダイヤ→何かしらの栄養剤のようなのだが、もっと詳しい調査が必要なようだ。
ハート・スペード→やはり麻薬だった!警察の人に褒められ、ドールマンは喜んでいる!
クラブ→ただのお菓子でしたとさ。警察の人に怒られたらしく、ドールマンはしょんぼりしている…
JOKER→調査を任された科学者が突然暴れだしたという。いったい何故?

753 :森崎名無しさん:2012/10/14(日) 20:14:09 ID:???
★お菓子の正体→ ダイヤ10

754 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/14(日) 22:53:57 ID:???
★お菓子の正体→ ダイヤ10 ★
>ダイヤ→何かしらの栄養剤のようなのだが、もっと詳しい調査が必要なようだ。


ドールマン「成分は強力な栄養剤らしい。俗にいう『ドーピング剤』って奴だな」

筋力を増強したり、呼吸器官を活発させたりして一時的に運動能力を高めたりする成分が
グミ状に固めたこのお菓子に多量に含まれていたという。

ビクトリーノ「ウヒョー。うかつに口にしてたらとんでもないことになってたなこりゃ」

森崎「(親善試合だし別に検査もないから少しだけ有利になれたかも……なーんてな)」

アヤックスに対してチーム力で劣る現状を省みて、少しだけ邪な期待を抱いてしまう。
もちろんただの冗談だと心のなかで笑い飛ばしその思考を頭の中から消し飛ばす。

ドールマン「でも、問題はそれだけじゃないらしいんだよ。
      この薬物はなんでも『併用剤』らしくて、一緒に服用する別のものがあるらしいんだ」

森崎「別のものだって?じゃあこれ単体だと効果は無いってのか?」

ドールマン「ああ。これだけだったらただのグミキャンディーとそんなに変わりないだとさ。
      もっと大きな施設で詳しい調査をしなくちゃ分からないって言ってたぜ。
      ……ところで、さっき言ってたきな臭い情報ってのはなんなんだ?」

ビクトリーノ「ああ、実はな……」

近場の喫茶店に場所を移した森崎たちは、ドールマンに廃ビルで聞いた情報を話す。

ドールマン「『人類倍速計画』ねぇ。そんなマンガみたいなことできるものなのかね」

ビクトリーノ「人為的に能力や才能を植え付けるってことだもんな」

755 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/14(日) 22:55:17 ID:???
確かに一見おとぎ話のような話にも聞こえる。だが、森崎は知っている。
身近な人物の一人に、人為的な力を与えられた科学の結晶の塊でできた男がいることを。

森崎「(若島津。アイツは俺に自分がサイボーグ技術で改造されていることを告白してくれた。
   もしもああいった技術を奴らも持っているのだとすれば……不可能なことじゃない)」

そしてもうひとつ。森崎の持つ『星のかけら』もそうだ。
アカネイア大陸で若林の力を借り、ラムカーネに一矢報いたことは記憶に新しい。
あれも言ってしまえば他人の能力や才能を一時的に借りることのできる手段の一つだろう。

森崎「(ラムカーネとガーネフはWYの決勝後、中山を利用して俺の『破滅のツボ』を押させた。
   奴らがアカネイア大陸だけじゃなく、俺たちの世界でも何かを企んでいる可能性は十分にありえる)」

痛々しい痣が未だに残っている首筋を抑えながら森崎は手に入れた情報を纏め考える。
背後でうごめく影の正体がはっきりと見えないこの状況が、まるで今の外の景色の曇天の空のようだった。



オランダシナリオU『曇天の空』 おわり



☆次のシナリオを選択してください

A FEシナリオ 第3章『連れ去られた王女』
B オランダシナリオV『雨のち晴れ』(章のラストに対アヤックス戦のサッカーパートがあります)

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756 :森崎名無しさん:2012/10/14(日) 22:57:17 ID:NB/i1iQo
B

757 :森崎名無しさん:2012/10/14(日) 22:58:45 ID:zA8pKcc2
A

758 :森崎名無しさん:2012/10/14(日) 22:59:53 ID:Qi3SQgkY
A
サッカーの前にもう1段階パワーアップしておきたい

759 :モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2012/10/14(日) 23:35:27 ID:???
>A FEシナリオ 第3章『連れ去られた王女』


かつて、マケドニア地方はドルーア帝国の領地であった。
100年前、大陸全土を支配した竜人族は
この未開の密林に多数の奴隷を送り込み、
遺跡の発掘と国家の建設を推し進めた。
多くの者が、食べ物も与えられず無理やり働かされ、そして殺された。

そんな悲惨な状況の中で、一人の若者が立ち上がった。名をアイオテと言う。

彼は仲間と共に密林に逃れ、飛竜にうちまたがって奴隷解放の戦いを続けた。
ドルーア滅亡後、奴隷たちは自らが切り開いたこの豊かな土地に国を作った。
そして、勇者アイオテを初代国王として迎えたのである。

後に竜騎士の国として恐れられたマケドニアは、このようにして生まれた。

だが、その強国マケドニアもアイオテの再来とまで言われたミシェイル王子はすでになく、
そして今また『赤い竜騎士』と呼ばれたミネルバ王女までも失おうとしていた。


カチュア「……ルーメル将軍はアイオテの英雄譚を誤解しているわ。
     確かに彼は奴隷という卑しい身分から力によって立場を得た。
     けれどもそれは虐げられてきた仲間たちを救うため。
     決して私欲や諍いのために彼は戦ってきたのではないのよ」

オレルアン王弟ハーディン。そしてアリティア王宮近衛騎士クリス。
二人の英雄を討ち取り、そして自らもアイオテと同じ空で果て、
下克上という坂道を登り続けた一人のマケドニアの竜騎士をカチュアは偲ぶ。

カチュア「同国の人間が血を流し合う。一刻も早くこんな愚かな戦いは終わらせなくては。
     ミネルバ様、パオラ姉さん。どうか、どうか無事でいて…!」

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