キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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アク規中代理カキコ依頼スレその3

1 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/07/17(水) 22:52:22 ID:Q6q7LdTg
困った事に、海外から書き込んでいる私はしばしばアクセス規制に
巻き込まれます。壷を使っているのにも関わらず、です。

その間本スレを停滞させるのもしのびないので、有志の方々に
ここに貼った内容を本スレにコピペして頂けると助かります。
尚コピペの際名前欄は「代理コピペ」にして下さい。

内容の重複を避ける為にコピペする前に一言このスレで
「自分がコピペするよ」と宣言するのが慣習となっております。

私側の不都合を皆さんにフォローしてもらうのは心苦しいですが、
更新を途絶えさせるよりはマシだと思いましたのでご協力、お願いします。

160 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/08/19(月) 22:23:33 ID:F4ueoJf2
上記2レスのコピペをお願いします。

161 :森崎名無しさん:2013/08/19(月) 22:29:50 ID:???
行ってきます

162 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/08/21(水) 22:03:44 ID:GD0oXGRE
>C 「そのサポートの集大成を決勝戦で見せるぜ」

陽子「あ………」

森崎「どうしたんだ?」

陽子「そっか…そうだったわね…」

ふと陽子は遠くを見る目になり、わずかに頬を染めた。
何とも乙女らしい反応に森崎も注目せざるを得ない。

陽子「私、以前言ったよね。お嬢様としての生涯を送らないといけないんだって
子供の頃は諦めていたのが、ある人の影響で変わったって」

森崎「ああ、アジア予選の頃言ってたな」

陽子「あれってね…森崎くんの事だったんだよ」

森崎「えっ!?」

ややあっておもむろに森崎の方を向いた陽子は瞳を潤ませていた。
あふれ出る何かを堪え切れないと言わんばかりの表情は
“女”をふんだんに感じさせる物で、森崎の鼓動も激しくなる。

陽子「最初はね、日本が弱い筈のサッカーで世界一になれちゃうなんて凄いな〜、って思っただけだった。
それで暇つぶしのつもりで森崎くんの事を調べると、どんどんのめり込んで行ったんだ。
昔は弱くて誰にもアテにされていなかったのに、ガムシャラに色んな事をやって次第に強くなって…
私もこの人みたいになりたい。弱いなら強くなればいいって思える様になりたい。
そう思って兄さんの所に転がり込んだんだ…自分の行動で何か自分だけの物を得たかったから」

森崎「そうだったのか…」

163 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/08/21(水) 22:04:54 ID:GD0oXGRE
陽子「勿論私はサッカーなんて出来ない。そもそも運動が苦手だしね。
だけど私は裏方仕事なら出来るかも、って思って日本サッカー協会に入って、活動して…
そしてここまで来れたんだ。森崎くんみたいに、ガムシャラに頑張った結果が出たんだ。
それを今、すごく実感できたんだ…」

ここで陽子はじっと森崎を見つめた。その瞳に普段は感じない、
森崎にとっては異物に等しい感情が次々と湧き上がってくる。

陽子「有難う、森崎くん。あなたのお蔭よ」

森崎「陽子さん…」

A 「まだだぜ。そのお礼は、優勝してからの方がいいだろ?」
B 「それじゃ、そのお代は陽子さんって事で」
C 「その調子で、俺をもっとも近い位置でサポートし続けてくれないか?」
D 「いや…そろそろ陽子って呼んでいいか?」
E 「そんなに大事な事なら、親御さんの事情で止めさせる訳にはいかないな」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2013/8/21 23:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

164 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/08/21(水) 22:05:55 ID:GD0oXGRE
上記2レスのコピペをお願いします。

165 :森崎名無しさん:2013/08/21(水) 22:06:10 ID:???
行ってきます

166 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/08/26(月) 21:30:47 ID:s5Z4bsC+
>A 「まだだぜ。そのお礼は、優勝してからの方がいいだろ?」

陽子「………森崎くんらしいね…この大会で優勝した後は、
オリンピックもワールドカップも優勝してからの方がいいって言っていそう」

森崎「おいおい、いくら俺でもたまには休むぞ?この大会の後は流石に休養を入れるさ」

陽子「そっか…そうだよね…森崎くんを見ていると一体何処まで行くのか、
急ぎ過ぎて墜落したりしないか不安になるけど、ちゃんと休みも取るつもりなら安心かな」

森崎「(なんか…変な気分だな…)」

二人の会話に甘い雰囲気が漂い始め、森崎は自分の感情を持て余し始めた。
思えばこれほど肩に力を入れずに話し合い、純粋に労りの気持ちを向けられたのは何時以来か。
ライバルや敵とは常に嘲り合い、仲間からは支持を集める為強さを見せ続け、
それらの疲れを勝利の愉悦以外の何かで癒す事はあっただろうか。

森崎「(もう少し、何か話す事ないかな…)」

もう少しこの時間を楽しみたい。森崎は素直にそう思った。
だが陽子の思惑は違った。

陽子「…それじゃ、森崎くんが頑張り過ぎで倒れたりしなさそうだって安心できたし…私は仕事に戻るね」

森崎「えっ?もうかよ。メシぐらい一緒に食わないか?」

陽子「ごめん、これから日本に飛ばないといけないから。もうそろそろ空港に行かないと。それじゃあ、またね!」

スタタタ…

森崎「…ちぇっ。いい雰囲気かと思ったのになあ」

167 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/08/26(月) 21:31:56 ID:s5Z4bsC+
陽子は仕事に戻るといい、足早に立ち去って行った。
仕事と言われてしまってはそれを邪魔する訳にはいかない森崎は見送るしかない。

森崎「まあいいか。ある程度口説けたし、いい反応だったし」

やがて森崎は今日の所はこれで十分だと納得し、気を取り直してホテルの外に向かった。



彼は知らない。婦人用化粧室に駆け込んだ陽子が胸を押さえながらため息をついていた事を。

陽子「あぶない、あぶない…何をやっているのかしら、私」

仕事の話は嘘ではなかった。だが空港に行く前に夕食を共にする時間くらいは十分あった。
ただ単に彼女が踏み出せなかっただけだった。

陽子「…これでいいのよ。決勝戦なんて大一番の前に、私の事で気を散らさせる訳にはいかないんだから。
だからあの対応でいい筈。深入りしちゃ、ダメ………だったら最初からそんな雰囲気にするべきじゃなかったわよね。
本当に何やってるんだろ。臆病だなあ、私。あの頃から全然変わっていないじゃないの。ああもう…」

168 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/08/26(月) 21:35:29 ID:s5Z4bsC+
上記2レスのコピペをお願いします。

169 :森崎名無しさん:2013/08/26(月) 21:58:27 ID:???
行ってきます。

170 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/08/27(火) 01:22:17 ID:VjSf+QbA
一時の安らぎを得た全日本ユースとは裏腹に、決戦を控えた2チームがある。
ドイツユースとブラジルユースである。

当然彼らは明日の準備に忙しい夜を送っていた。



〜ドイツユース宿舎、会議室〜

ルディ「以上がブラジルユースの選手達のデータと予想スタメンだ。しっかり頭に叩き込んでおけ。
流石はブラジルと言わざるを得ないタレントの宝庫だが、つけいるスキはいくつもある」

シュナイダー「(やはり相当に強いな…日本以上かも知れん。だが、戦い様はある)」

ルディ「マーガス、まずはお前の働きが重要となるぞ。相手の跳ね返し屋、アマラウも中々の物だが
断言する、お前の方が有利だ。お前のチャンスメイクが攻撃の鍵になるぞ」

マーガス「はい!」

シュナイダー「(マーガスはポストプレイヤーとしては世界一になれる男だ)」

ルディ「シュナイダー、お前は当然厳しいマークに晒されるだろう。だがそんなのは何時もの事だ。
相手はボール狩り役のドトールとジェトーリオ、ブロッカーのディウセウ、そしてセービングに長けた
ゲルティスと一通り揃った守備体制だ。お前も相手と状況に応じて適切な攻め方をしろ」

シュナイダー「はい(俺は世界一のストライカーとして勝利をもぎ取ればいい。それだけだ)」

ルディ「無論相手もこちらの得意な攻撃パターンをむざむざ使わせてはくれないだろう。
どちらが主導権を握れるかは中盤での攻防にかかっている。各々の役割をしっかりと把握するんだ」

カルツ「(向こうは恐らく4−4−2。こっちは3−5−2だ。5対4で負ける訳にゃいかんぜよ)」

171 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/08/27(火) 01:24:14 ID:VjSf+QbA
ルディ「ポブルセン、お前はパスワークに振り回されるな。誰が決定的な場面で切り込もうとしているか
カンを働かせてアタックするんだ。そしてボールを持ったら時折パスを織り交ぜつつ何時も通り敵陣に向かって突撃しろ」

ポブルセン「はい…」

シュナイダー「(ポブルセンは愚かな狂犬だが、敵に噛みつかせれば十二分に役に立つ)」

ルディ「メッツァ、お前のロングパスは何時も以上に重要になる。ブラジルの中盤はどちらかと言えば
パスカットが苦手だ。お前がどれだけスムーズに前線につなげられるかで攻撃回数が左右される」

メッツァ「はーい」

シュナイダー「(メッツァはパサーに徹する計算しやすい戦力だ。常に敵を困らせる事が出来る)」

ルディ「カペロマン、お前はメッツァの逆サイドに配置されている分攻め易くなる筈だ。
マークを集められたらしめた物だと味方を上手く使え。守備参加も忘れるなよ」

カペロマン「はい」

シュナイダー「(カペロマンのサイドアタックとコーナーキックは分かり易く強力な武器だ)」

ルディ「カルツ、お前は守備参加は勿論だがそれ以上にボールキープ役として働かなくてはいけない。
ブラジルは前線の守備力も高い。チームメイトが奪ったボールを奪い返されないのがお前の仕事だ」

カルツ「はいっと」

シュナイダー「(カルツは大きな武器はないが、決定的な仕事に必ず絡む頼れる男だ)」

172 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/08/27(火) 01:25:20 ID:VjSf+QbA
ルディ「シェスター、お前が中盤の守備の要だ。ブラジルはチーム全体としてドリブルのレベルが高いが
パサーも数人居る。奴らが何をしてきても良い様に備え、向こうのシュート数を減らすんだ」

シェスター「はい!」

シュナイダー「(シェスターはウチの中盤に足りない守備力を提供してくれる貴重な存在だ)」

ルディ「中盤の対策は以上だ。だがこれでも攻め込まれる時、シュートを撃たれそうになる時はあるだろう。
いざそうなった時、DF達とGKはどうすればいいのか。次はそこに共通認識を図る」

フライハイト「(現実的な勝利を目指すのなら失点は1点が限界だ)」

ルディ「クランケ、恐らくブラジルはサイドアタックをしてこないだろう。ミドルシューターが多いチームだからだ、
わざわざセンタリングを上げる必要がない。中央に寄せて前に出て、ラストパスのカットを狙え」

クランケ「はい」

シュナイダー「(クランケはラストパスに割り込む専門家)」

ルディ「ヨハンセン、お前はカルロスの相手に集中しろ。奴は世界トップクラスのドリブラーだが
お前なら対抗できる。無論味方と協力してな。カルロスが近寄り過ぎるのを阻止できれば失点率はグッと下がる」

ヨハンセン「はい」

シュナイダー「(ヨハンセンはエース殺し)」

ルディ「フライハイト、お前にはもっとも難しい役割を頼む事になる。ゴール前にひっついていれば
良い訳でもなく、無暗に飛び出しても藪蛇だ。臨機応変にとしか言えん。だがやってみせろ」

フライハイト「…はい」

シュナイダー「(フライハイトはハイレベルな万能選手だ。こいつになら最終ラインを任せられる)」

173 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/08/27(火) 01:26:48 ID:VjSf+QbA
ルディ「ミューラー、お前には特に言う事はない。強いて言えば飛び出しの機会はあまり無いだろうから
無理に飛び出しを狙おうとせずどっしりと構える位だ。パンチングでしっかりと防いでいけば大丈夫だ」

ミューラー「はい

シュナイダー「(ミューラーはサイクロンもライトニングタイガーも防げる。何の心配もない)」

ルディ「作戦は以上だ。最後に一言だけ言っておく。準決勝でブラジルに当たった事を不運に思うな。
むしろ幸運に思え。最強を証明する為には倒さなくてはならない相手なのだ、ならば早い内に済ませてしまうんだ」

ドイツメンバー『はい!』

ルディ「ドイツサッカーの、お前たちの強さを見せつけてこい!!」

ドイツメンバー『はい!!』

シュナイダー「(そう…最強のサッカー王国の称号をブラジルから奪い、それを手土産に決勝戦で
日本と決着をつける!サッカー選手としてこれ以上ない程のシチュエーションだ。嬉しくない筈がない。
勝つ。勝てるのではない、勝つ!俺達は勝って頂点を手に入れて見せる!)」

174 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/08/27(火) 01:28:02 ID:VjSf+QbA
1時を過ぎてしまいましたが、上記4レスのコピペをお願いします。

175 :森崎名無しさん:2013/08/27(火) 01:30:22 ID:???
行ってきます。

176 :175:2013/08/27(火) 08:43:45 ID:???
すみません、3レス投稿した所で寝落ちしてしまったようです。
4レス目を投稿してうさった方、ありがとうございました。

177 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/08/28(水) 00:02:04 ID:kMWujnmo
〜ブラジルユース宿舎、会議室〜

ロベルト「さて、ドイツユースのデータおさらいは以上だ。もうするまでもないとは思うがな」

ブラジルメンバー『………』

ロベルト「改めて言うまでもなく、ドイツは強い。ここまではずっと楽勝続きだったが、
ドイツ相手にはそうはいかん。よって…今回から本気を出せ。許可する!」

マウリシオ「よっしゃあ!」

ザガロ「やっとか…鬱憤が溜まっていたぜ」

ネイ「派手に遊ぶかあ!」

ロベルト「騒ぎすぎるな。次は具体的な作戦内容だが、既にサンタマリアと
話し合い決めた作戦があるので、サンタマリアにそれを解説してもらう」

サンタマリア「はい。みんなきけ、ドイツ相手にやる事は3つのシンプルな作戦だ」

ジェトーリオ「3つ?今回は少な目だね」

サンタマリア「それ程目立った穴がなく、しかも武器が多いハイレベルなチームが相手だからだ。
アレコレ細かい指示を出して朝令暮改的な事態に陥るよりも、やるべき事を分かり易くまとめ
後は各々の状況判断に任せる方が上手くいく。特に俺達の場合はな」

トニーニョ「始めてくれ。2トップ対策、攻撃権の独占、そしてシュートラッシュだったな」

サンタマリア「そうだ。まずは相手の得点源をどうするかの作戦、2トップ対策だ。
マーガスに自由にポストプレイをさせているとその分シュナイダーがシュートを撃ち放題だ。
無論オフサイドトラップによって回数を減らさせるが、それだけでは対策にならん。
よってまずはアマラウに任せるだけじゃなく、ディウセウにもサポートしてもらう」

178 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/08/28(水) 00:03:36 ID:kMWujnmo
ディウセウ「オラなのか?ドトールじゃなくて?」

ドトール「俺はこぼれ球になった時に備える役割だ。シュナイダーに極力撃たせん為にな」

カルロス「2トップ対策としては極めて妥当だな。だがそこまでやっても
毎回止められるとは思えない。そこで必要になってくる次の手段はなんだ?サンタマリア」

サンタマリア「ああ、そこで次の作戦、攻撃権の独占が重要になってくる。まずはジェトーリオ、
お前がカペロマンをマークし奴のサイドアタックを封じろ。それだけでドイツは相当困るだろう」

ジェトーリオ「はーい。得意分野だよ」

サンタマリア「残りはポブルセン、メッツァ、カルツ、シェスター、フライハイトなどだが…
こいつらは残りの前線のメンバーで流動的に守って対処する。俺が下がり目の位置からサインを送るから
それに従ってくれ。ドイツにどんな攻め方をしても駄目、と焦らせるのが重要だ」

トニーニョ「了解した」
ネイ「オッケー」
マウリシオ「はいッス!」
ザガロ「仕方ねえな」

カルロス「守備は分かった。攻撃は?」

サンタマリア「攻撃はFWとMFが頻繁にポジションチェンジを繰り返し、相手によって
ドリブルとパスを使い分ける。特に短いバックパスを活用してミドルシュートチャンスを増やすんだ」

カルロス「なるほど。それが最後の作戦、シュートラッシュに繋がるんだな」

サンタマリア「その通り。シュートラッシュははっきり言って作戦などとは呼びたくないのだが…
今回は重要だ。ミューラーを攻略する為に、そしてドイツの弱点をつく為にミドルシュートを
積極的に撃っていくのが大事になるんだ。積極的に、どころか乱発でもいい位だ」

179 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/08/28(水) 00:04:48 ID:kMWujnmo
ザガロ「ククク…いいじゃねえか。俺好みの作戦だ」

サンタマリア「以上の3点をくれぐれも忘れないでくれ。これ等に反さないのなら何をしてもいい。何か質問は?」

ゲルティス「…質問ではないが、頼みがある」

サンタマリア「ん?お前からか?珍しいな」

ゲルティス「単純な頼みだ…2点取ってくれ」

カルロス「うん?…俺達攻撃陣が2点以上取れば、負けないと言っているのか?」

ゲルティス「そうだ。俺はこの試合の失点数は1になる確率がもっとも高いと考えている。よって2点取ってほしい」

カルロス「…分かった。元より取れるだけ取るつもりだ、2点以上取ってみせよう」

サンタマリア「他には何かないか?………よし。以上で説明終了です、監督」

ロベルト「うむ。それでは最後に監督らしい事を言っておく。この作戦は俺から見ても文句の付けどころがない。
だがそれでもサッカーは何が起きるか分からない。だから…もし劣勢に追い込まれたら今までのサッカー人生の中で
一番辛くて屈辱的だった事を思い出せ。そしてそれをどうやって乗り越えてここまで来たかを思い出せ。以上だ」

ブラジルメンバー「(今までで一番辛くて…)」「(屈辱的だった事…)」「(それは勿論、コイツだな!)」



コインブラ「……………」



カルロス「(未だコインブラは孤立したまま…やはり監督はこいつを試合に出す気はないのだろうか?
そしてコインブラは全く本心を見せようとしない…もう限界だ。リスクを覚悟でぶつかりあってみなければ!)」

180 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/08/28(水) 00:06:12 ID:kMWujnmo
上記3レスのコピペをお願いします。

181 :森崎名無しさん:2013/08/28(水) 00:08:41 ID:???
行ってきます

182 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/09/05(木) 13:28:45 ID:qY13xZ8o
強敵との決戦に備えるブラジルユースとドイツユース。この2チームの間には一つ決定的な差があった。

それはチームが一枚岩であるか否かである。

事情を知らない者ならドイツユースの方が内紛の危険性が高いと考えるだろう。
西ドイツと東ドイツと言う二つに分かれていた国が数十年の時を経て融合を試みている今、
西側と東側には経済格差を始めとする様々な問題が発生していた。
2つのサッカーチームを融合させる事もまた問題が発生して当然であり、実際に発生しかけていた。

しかしドイツユースはこの問題をいち早くクリアしていた。
個人個人の思惑はどうあれど全員が新生ドイツの栄光を望んでいるのに違いはなく、
それを西ドイツ側の若手のカリスマであるシュナイダーがスパルタ式に統率し、
更に東ドイツ側の若手で最大の実力者であるフライハイトがそのシュナイダーの
参謀役を買って出た事で西側と東側の融合はほぼ理想的に進んでいたのである。
ポブルセンとミューラーと言う問題児たちも居たが、彼らの問題行動は西東の件とは
関係がない本人の資質のせいだった為むしろ西東の件を意識させない効果すらあったかも知れない。

本当に問題があったのはブラジルユースの方であり、それはコインブラの存在だった。

南米には半ば都市伝説扱いされている、知る人ぞ知るアマチュア選手が存在する。
“勝負請負人A(エース)”と言う冗談の様な名称で知られ、
生半可なプロ選手をはるかに凌ぐ実力を持ってアマチュアサッカーの賭け試合に介入して
金を稼ぐ謎の達人と言う名称以上に冗談にしか聞こえない選手。
その正体こそアルツール・アンチネス・コインブラその人である。

彼はロベルト本郷の誘いによりブラジルユースに加入し、他者を圧倒する実力をみせつけ10番を着る資格を得た。
しかし試合には一切出場せず、内外から様々な憶測を呼びながらベンチに座り続けている。
その存在は本来一つにまとまっている筈のブラジルユース内の巨大な異物であり続けた。

決勝戦への最後の椅子争いを明日に控えた前夜、ブラジルユースキャプテンのカルロス・サンターナはついに動いた。
コインブラの真意を確かめ、彼がチームにとって何なのかを見極める為に。

183 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/09/05(木) 13:30:18 ID:qY13xZ8o
コインブラ「こんな所に呼び出して何の用だ…?」

カルロス「お前には聞きたい事が山ほどある。俺が納得いくまで付き合ってもらうぞ」

カルロスはコインブラと一対一で対峙していた。
ミーティングの数十分後、会議室に彼だけを呼び出したのだ。

コインブラ「そう長く付き合うつもりはない。何を聞きたいのか最初にハッキリさせろ」

カルロス「では要点を3つに絞ろう。俺が知りたいのは過去、現在、そして未来に関わる事だ。
まずは…お前が俺の記憶の中にあるアーサーと同一人物なのかどうか。
次に…お前がブラジルユースに入るまで何処で何をしていたか。
最後に…お前がこのブラジルユースで何を何の為にしようとしているかだ」

二人の会話は決して友好的な物ではなかった。カルロスはブラジルユースの選手達の中では
かなり温厚な人物だが、それでも度重なるコインブラの身勝手で理解し難い振る舞いを
これ以上放っておけないと言う決意を込めた声を出していた。

コインブラ「……………」

カルロス「まずはこれに答えろ。お前はフラメンゴのデンチ・デレイチ(少年)チームに居たのか?
あの時、サッカーボールに慣れていなかった俺が入団テストに落ちそうで焦っていた時に
一緒に練習して助けてくれた…その後再会を約束したアーサーなのか?」

コインブラ「………ああ。俺は確かにフラメンゴに所属していた。そして退団した日に
お前にサッカーボールを譲ったのも覚えている。こんなに長く持ち続けているとは思わなかったがな」

カルロス「やはり…!」

それに対するコインブラの反応は何とも読み難い物で、渋々ながら淡々と答えるその表情は
不快感を主とした感情を隠しきれていなかった。

184 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/09/05(木) 13:34:02 ID:qY13xZ8o
カルロス「だが、お前は結局戻ってこなかった。チームの誰に聞いてもアーサーなどと言う者は
知らないと言われた。あれはコインブラと言う名で登録していたからなのか?」

コインブラ「…いや。クラブの誰もが俺の事を居なかった事にしたかったからだろう」

カルロス「何!?なんでそんな事が…いや…上手すぎたからか」

コインブラ「そうだ…俺はチームの為に全力を尽くしてプレイしたが、その結果得られた物は
俺を持て余してまとまる事が出来なくなり、崩壊したチームだった。実にくだらない結末だったさ」

カルロス「(サラッと言っているが…恐らくは、とんでもない境遇だったのだろう。
あれだけずば抜けていれば相手チームから反則やラフプレイを繰り返されていたに違いない。
それなのにチームメイトも指導層も味方ではなく敵と化していたとしたら…恐ろしい物だな)」

コインブラ「お前にも覚えがあるだろう?自分の無力を強い相手を妬む事で誤魔化そうとする者達の視線を」

カルロス「…確かに俺もそういう思いをした事はある。だがそれだけでサッカーを止めようとは思わないし、
そんな下らないトラブルは上のレベルに上がっていけば自然と消え去る。その先に得られる物がある筈だ」

コインブラ「…得られる物、だと?くだらんな」

カルロス「くだらないだと…?クラブサッカーを止めたのになぜそんな事が言えるんだ?
他のどこかでサッカーをしていたのだろうが、そこで何を見たと言うんだ?」

コインブラ「………やけに詳しそうだな。ある程度事前に調査してきたのか?」

カルロス「俺が知っているのは8年前お前が俺と入れ替わる様にフラメンゴを退団した事。
あちこちのアマチュアサッカーに介入して金を稼いでいた事。
そしてそれは病気の養父…ジャイロを養う為に行っていた事くらいだ」

二人の価値観は噛み合わず、次第に会話は剣呑さを増していく。
少年時代の旧友同士が思い出話をしている筈なのに、とてもそんな穏やかな空気ではなかった。

185 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/09/05(木) 13:35:58 ID:qY13xZ8o
コインブラ「…そこまで分かっているのにそれ以上何を聞きたいと言うんだ?」

カルロス「この程度では全然足りはしないさ。何故フラメンゴに戻ってこなかったんだ?
それ以降何故クラブに入らず、そんな生活をしていたんだ?そしてその年月に何を見てお前はこうなったんだ!」

コインブラ「…フラメンゴに戻る訳などない。あの日、お前と別れて家に戻ったら親父は倒れていたんだからな」

カルロス「!」

コインブラ「デンチ・デレイチのチームでプレイしていても金は貰えん。逆に払わされる側だ。
かと言って何のツテもない子供が働いたとしても大の大人の入院費には到底足りない。
当時俺がまとまった金を稼ぐには、子供だと侮る大人を挑発して金を巻き上げる位しか無かった」

カルロス「…よくそんな事が出来たな?いくら上手いとは言え、12歳じゃ限界があっただろうに…」

コインブラ「当然最初から上手く行った訳じゃなかった。だから親父の残したノートに従い
練習を積み重ね、多勢に無勢を引っくり返し…そんな事を繰り返している内に力がついていった」

カルロス「なるほど…ジャイロは指導者としても優れていたと言う訳か。だが、彼はもうこの世には…」

コインブラ「…俺が15の時、目の前で息を引き取ったぞ。最後までブラジルサッカーの行方を気にしてな」

カルロス「流石と言うべきか…骨の髄までセレソンだったんだな。見習わなければ」

コインブラ「…一体何を見習うと言うんだ?」

カルロス「うん?それは勿論、そのブラジルサッカーにかける情熱と信念を…」

コインブラ「親父がそれで何を得られたと言うんだ!」

カルロス「!!?」

186 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/09/05(木) 13:37:00 ID:qY13xZ8o
先に声を荒げたのはコインブラの方だった。彼は初めて感情を剥き出しにし、カルロスを糾弾する側に回った。

コインブラ「伝説の選手?要は忘れ去られたどうでもいい存在だ。親父の見舞いには俺以外誰も来なかったぞ」

カルロス「誰もか?引退後は世捨て人の様な生活をしていたと聞いたが…誰も来なかったのか?」

コインブラ「そうだ。金を持っている元選手なりサッカー協会関係者なりが居ただろうに、
誰も親父を助けようとしなかった。世間は親父以降の世代と、今の世代のセレソンについて騒ぐばかりだった!」

カルロス「それは…仕方がないだろう。偉大なセレソンでありながら、引退後生活を乱し
悲惨な最期を遂げた選手も居る。身内としてはそんな理屈では納得し難いだろうが…」

コインブラ「そんな事は分かっている。結局親父は何も得られず、何も残らなかっただけだ。
第二次世界大戦で全盛期を逃しながら、それでもワールドカップに出てボロボロになり…
その後の選手達の活躍の陰に忘れ去られた。頂点を目指して得た結果は…むなしい最期だった」

カルロス「(伝説の名選手に最期は何も残らなかっただって…?そんな事が本当に有り得るのか…?)」

コインブラ「頂点に達すれば妬みと恨みを買い、達せなければそれすら得られず存在を消される。
お前はその一体何を見習うと言うんだ。見習って何が得られると言うんだ!」

カルロス「(違う…何も残らないなんて、そんな筈はない!そんな筈は…!)」

栄光を求めた結果と最期。生々しい体験を聞かされたカルロスはそれを否定したかった。
だが否定する事は出来なかった。初めて見るコインブラの激情を押し返せなかった。

カルロス「…なら、お前は…お前は何故ここにいるんだ?ここで何をしているんだ…?」

コインブラ「っ………」

代わりに絞り出した質問はコインブラの怒りを鎮める効果があった。

187 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/09/05(木) 13:38:08 ID:qY13xZ8o
コインブラ「……………」

カルロス「何故ブラジルユースに入った?何故…サッカーを続けているんだ?」

コインブラ「…親父が何を見ていたか、知りたかったからだ」

カルロス「ジャイロが…」

コインブラ「親父は最後の最後まで後悔らしきものを見せなかった。
ブラジルが勝つと我が事の様に喜び、ブラジルが負けると何日も嘆いていた。
俺にはそれが理解できない。だから…監督に誘われてここに来た。
実際にセレソンになってみれば、親父が何故あそこまで拘り続けたか分かるかも知れないとな」

カルロス「そうだったのか…それなら、何か分かった事があるんだな?」

コインブラ「…いや。全く分からない」

カルロス「!!」

冷静になったコインブラは問われるまま己の目的と意図を語り出し、カルロスに背を向けて
窓から夜空を見上げた。故に気付かなかった。カルロスの肩が怒りで震え始めた事に。

コインブラ「この大会を見てきても、何も分からなかった。やはり俺には
何の縁もなく、何の価値もないのだろう。セレソンとして頂点を目指す事は」

カルロス「………それで、お前はどうするつもりだ。結局見物するだけでワールドユースを終えるつもりか?」

コインブラ「そうだな…それでもいいが、ブラジルが負けそうになったら出るつもりだ。
監督には少しばかり恩があるし、どうせなら無価値でも頂点と言う奴を得ておきたい。
明日の試合は俺抜きならドイツが勝つ確率が高い。だから…」

188 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/09/05(木) 13:39:15 ID:qY13xZ8o



カルロス「ふざけるな!」



コインブラ「!?」

故にカルロスが怒声を上げた時、彼の怒りを宥める手段はもう無かった。

カルロス「何がブラジルが負けそうになったら出るつもり、だ!そんな事は例え監督が許しても
この俺が、ブラジルユースキャプテンのカルロス・サンターナが許さん!」

コインブラ「…自分で言っていて矛盾に気付かないのか?監督に刃向う上に
勝利の為に最善を尽くさないのがお前のキャプテンとしての務めだと…」

カルロス「キャプテンだから言っているんだ!今ハッキリと確信した!
そんな腑抜けた状態のお前はチームの癌でしかない!お前を試合に出させる訳にはいかない!」

コインブラ「なんだと!?」

続いてコインブラも激昂した。それは初めて彼がチームメイトに見せた剥き出しの感情だった。
二人の生の激情がぶつかり合い、殺し合いに発展しそうな程緊迫した空気が場に満ちる。

カルロス「何が何も分からなかっただ!何が何の縁も価値もないだ!
今のお前の話と今までのお前の振る舞いを見てそんな戯言を信じる奴が居るか!
それにも拘わらず己の魂や信念を賭けて戦う覚悟の無い奴などただの足手まといだ!」

コインブラ「足手まといと来たか!俺に出せる手も足も無い奴が良く言えた物だな!」

189 :森崎名無しさん:2013/09/05(木) 13:39:59 ID:???
表情が素敵です

190 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/09/05(木) 13:41:37 ID:qY13xZ8o
カルロス「確かに純粋に実力だけで比べれば俺は未だお前に追いついていない。
だがその差はお前が願っている程大きな物ではない…練習ではなく実戦なら!
1対1ではなくチーム対チームの試合なら!間違いなく俺が勝つ程度の小さな差だ!」

コインブラ「ほざきやがって…そんなに魂やら信念やらが大事だと言うのなら
明日の試合でドイツを倒してみるんだな。俺の見立てでは3−2でドイツが勝つ」

カルロス「ああ倒してやろうとも。俺がセレソンとは何かを見せてやる。
お前には絶望的に足りない物があると証明してやる。それを精々学ぶんだな。
それを見ても尚何も分からないのなら…お前は最初からセレソンにはなれなかったと言う事だ」

コインブラ「良いだろう。くだらん物を見る羽目になりそうだがな」

カルロス「…話は以上だ。さっさと寝ろ。これ以上口で語る事はない」

カッ、カッ、カッ、カッ…

コインブラ「……………」



かくして二人の主義主張は一切の妥協を見出す事なく、激突と火花のみを後に残した。

ブラジルユースは10番を着る選手が孤立したまま準決勝に挑む事になる。

191 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/09/05(木) 13:43:24 ID:qY13xZ8o
上記8レス(>>189以外)のコピペをお願いします。


>>189
ここはコピペ用スレなので、感想などは雑談スレもしくは本スレでお願いしますね。

192 :森崎名無しさん:2013/09/05(木) 13:43:32 ID:???
行ってきます。

スミマセン、189は誤爆です。

193 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/09/07(土) 00:47:23 ID:gaszjmxg
〜大会22日目、リオ州のエスタジオ・ド・マラカナン〜

ウワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!

観客「来た来た来たーーーッ!待ってましたァ!」「遂に我らがブラジルユースの出番だぜ!!」
「今日の相手はドイツだ!」「やっと歯応えのあるチームを倒せそうだな」
「今までのザコとはちょっと違うぞ!気をつけろよーっ!」「油断するな!ちゃんと勝て!」
「カルロス!得点王取れよーっ!」「ゲルティス!ドイツなんかに得点させるなよーっ!」

放送「全世界の皆さまこんにちは!ここエスタジオ・ド・マラカナンは最早数えるのも
嫌になる程超満員!観客席が抜けてしまわないか心配してしまう喧噪に包まれています!
それもその筈、今日のゲームは我らがブラジルユースがドイツユースと準決勝で激突するのです!
御存じドイツユースは大会前から優勝候補の一角として名高かった強敵!

グループ予選こそ2位突破だったものの、ここまでの4試合での戦績は18得点3失点と
2位突破だから何だと言わんばかりの堂々たる戦果!その証拠に準々決勝ではグループCを
1位突破したウルグアイユースを4−1で一蹴しており、また一足早く決勝進出を決めた
全日本ユースとも激戦の末に2−2で引き分けているのです!

準決勝の相手として不足なしのこのチームを率いるのは現在8ゴールで得点王ランキングで
カルロスくんと同率3位についているエースストライカーのカール・ハインツ・シュナイダー!
彼の得点力は我らがブラジルユースにとって多大なる脅威となるでしょう。
まずはこのシュナイダーくんを抑え込めるかどうかが守備における最重要課題となります。

そしてドイツは勿論守備も堅いのは言うまでもありません!その象徴はGKのミューラーくん!
豪快な体格とそれ以上に豪快なセービングは生半可なシュートを寄せ付けません!
鋼鉄の巨人と言う従来の異名に加え、今大会で雷神と言う新たな異名を得た彼に
我らがブラジルのシューター達はどう立ち向かうのでしょうか?目が離せません!」

準決勝のマラカナンスタジアムは当然の如くブラジルの勝利を願うブラジル人観客で満員だった。
ドイツ人の応援団がどれだけ声を張り上げてもかき消される程である。

194 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/09/07(土) 00:48:34 ID:gaszjmxg
松山「なんか、実況が露骨にブラジル寄りだな…」

三杉「当然の事だよ。ブラジルがホームチームなんだから」

赤井「これ位なら大人しい方っスよ。国によっちゃもっと酷かったりしますから」

翼「ブラジルが決勝に出てきた場合、俺達はもっと悪役にされるよ」

試合を観戦しに来た全日本ユースにも注目が集まる事はなかった。
近くの者達は彼らをチラチラと見はしたが、やはり気になるのは目の前の試合の様で
すぐにフィールドに視線を戻してしまう為彼らは落ち着いて会話が出来た。

中山「この試合はどっちが勝つとしても大いに参考になるな。一瞬たりとも見逃せないぞ」

中里「森崎。この試合、どんな結果になると思うでゴザルか?」

森崎「ん?そうだな…」

A 「シュナイダーには悪いが、ブラジルの大勝の予感がするぜ」
B 「僅差でブラジルだな。ドイツ相手に相性が良いと思う」
C 「五分五分だな。どっちに転ぶか、最後まで分からない」
D 「ドイツが勝つだろうな。流石に楽勝とは行かないだろうが」
E 「ブラジルの奴らは大した事がねえ。ドイツの圧勝だ」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2013/9/7 12:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

195 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/09/07(土) 00:49:36 ID:gaszjmxg
上記2レスのコピペをお願いします。

196 :森崎名無しさん:2013/09/07(土) 03:02:34 ID:k1sDrruU
完了しました!
ちなみに自分は昨日規制解除確認しました。

197 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/09/10(火) 00:42:53 ID:oluqs3UA
>C 「五分五分だな。どっちに転ぶか、最後まで分からない」

森崎はしばらく考えてから分からないと答えた。

次藤「なんじゃ?お前にしちゃ煮え切らん答えじゃのう」

森崎「しょうがねえだろ、本当に分からないんだ。どっちも得点力が高いし、
守備力に大して差がある訳でもねえ。目立った弱点もない。そうなれば後は流れと駆け引きだ」

翼「…俺はブラジル有利と見るな」

森崎「あん?」

翼「一見攻撃力と守備力は拮抗している様に見えるが、ブラジルの方が攻守共に支配力が高い。
端的に言ってブラジルの方がチャンスを多く作れると思うんだ」

森崎「チャンスの数かよ。それだけじゃ分かったもんじゃねえぞ。
シュート撃ちまくったのにギリギリまで逆転できなかったのは何処の攻撃陣だ、ああ?」

翼「一般論だろ…それを言うならヘルナンデスにセーブ率で負けていただろうに」

早田「おいおい、こんな所でケンカしてんじゃねえよ」

森崎「チッ」

翼「………」

日向「どうせ見てりゃ分かるぜ。フフフ…」

198 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/09/10(火) 00:44:50 ID:oluqs3UA
全日本ユースが何時もの内ゲバをしている最中、フィールドでは両チームのキャプテンがセンターサークルで
闘志をぶつけあっていた。特に遺恨は無い二人の仲だったが、だからと言って仲良くする気は毛頭無い。

シュナイダー「こうしてフィールドで出会うのは初めてだな。カルロス・サンターナ」

カルロス「ああ。だがこれからお互い長い付き合いになるだろうさ。共に国の代表としてな」

シュナイダー「そうだな。この試合、俺はホームチームのブラジルを打ち倒し以後ブラジルから
恨まれる選手となるだろう。そしてお前は俺にリベンジを果たす事を義務付けられるだろう」

カルロス「いや、それはないさ。俺の方が歴史的な統一を象徴するチームの栄光を阻み、
新生ドイツの門出にケチをつけた存在としてドイツサッカーに首を狙われる様になるのさ」

シュナイダー「…良かった。優等生タイプと聞いていたが、きちんとそう言う事も言えるんだな」

カルロス「当然だ。お互いの健闘を誓い合う時は、同時に己の勝利を誓う物だろう?」

シュナイダー「良く分かっている様でなによりだ。それでこそ遠慮なく叩き潰せると言う物だ」

カルロス「こちらもな。さて、そろそろお客さんを焦らすのは止めてコイントスをしようか」

シュナイダー「ああ。審判、お願いします」

審判「(何時もこれ位無難なやり取りだったらな〜…)」

コイントスはドイツが取り、シュナイダーは迷いなくボールを選んだ。
試合はドイツユースからのキックオフで始まる。

199 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/09/10(火) 00:46:31 ID:oluqs3UA
クランケ「(東ドイツ出身の俺には正に未来がかかった試合だ)」
ヨハンセン「(決勝戦に行き、優勝し、ビッグクラブへ行くんだ!)」
マーガス「(敵の跳ね返し屋に負けて堪るか。俺は世界一のポストプレイヤーだ!)」
メッツァ「(とにかくパスを成功させなきゃ。僕にはそれしかないんだから)」
カペロマン「(さあて、ブラジルのサイドの守備はどんな物だ?)」
シェスター「(どんな攻め方でも対応してみせ、俺がヒーローだ!)」
ポブルセン「(ブラジルめ…地獄の底に突き落としてやる!精々苦しめ!)」
フライハイト「(今日は晴天か…雨の加護は得られない。苦しい試合になりそうだな)」
カルツ「(どう考えても楽には勝たせてくれないよなァ。忙しくなりそうだぜ)」
ミューラー「(師匠、見ていて下さい。俺はどんなチームにも負けない)」
シュナイダー「(さあ行くぞ。マリー、お兄ちゃんは勝ってみせるぞ)」



マウリシオ「(俺がオマケとか経験積み要員じゃないって所、見せなきゃな!)」
ドトール「(ドイツは強敵だ。一瞬の油断も許されない)」
アマラウ「(だが勝つのは俺達ブラジルに決まっているんだぜ)」
ジェトーリオ「(相手がカッカしてドツボに嵌ってくれると嬉しいんだけどな〜)」
ザガロ「(鋼鉄の巨人だか雷神だかをスクラップにしてやるぜ!)」
ディウセウ「(うひょー、強そう!オラワクワクしてきたぞ!)」
ネイ「(柔よく剛を制す!こうやって勝つのがモテル秘訣なんだよな〜)」
トニーニョ「(まずは序盤、必ず主導権を握ってみせる)」
サンタマリア「(こちらの作戦が嵌れば相手の弱点がどんどん露呈する筈だ)」
ゲルティス「(セルフコンディションチェック完了。これより実戦に入る)」
カルロス「(俺が、俺達が、セレソンだ!)」

200 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/09/10(火) 00:48:12 ID:oluqs3UA
上記3レスのコピペをお願いします。


>>196
私はまだまだ規制が解除されない様です。
せめてエンディングや後書きを書く頃になっていたら
解除されていて欲しいなあ…

201 :森崎名無しさん:2013/09/10(火) 02:40:01 ID:???
行ってきます

202 :森崎名無しさん:2013/09/10(火) 03:20:54 ID:???
すいません。197はいけたんですが198・199は無理でした。
残り2レス他の人お願いします。

203 :森崎名無しさん:2013/09/10(火) 03:22:48 ID:???
それではいってきます

204 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/12(土) 14:34:51 ID:gepBbMKo
ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!
ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

放送「待ちに待ったキックオーーーーーフ!前半のキックオフ権利はドイツユースから!
マーガスくんが蹴り、シュナイダーくんがしばらくキープしてから…ポブルセンくんに!ドリブル開始!」

シュナイダー「(まずはポブルセンの突進でジャブとしよう)」

サンタマリア「(ポブルセンか。それなら)ネイ、トニーニョ!」

ネイ・トニーニョ『OKだ!』

キックオフしたドイツはまずはポブルセンをけしかける事にした。
上手く突破できればチャンスが作れるし、そう上手くいかなくともブラジルの守りを試せると計算して。

ポブルセン「オラァ!かかってこいひ弱なブラジル人どもがァアア!!」

ダカダカダカッ!!

ネイ「ひ弱ときたか!」

トニーニョ「それは大間違いだ」

放送「サイドからネイくんとトニーニョくんが寄せてきた!ポブルセンくんを早めに止めたい!」

彼らの目論見はある意味当たる事になる。ブラジルの守りを試すと言う目的に置いては。

森崎「ん?早速ネイにトニーニョか」

中山「パルメイラス時代のチームメイトだよな?どうだ?」

森崎「二人共攻撃型のテクニシャンタイプだ。ポブルセンの突進は止められないだろうな」

205 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/12(土) 14:38:21 ID:gepBbMKo
スピードとテクニックで勝負するドリブラー、ネイ。
ドライブシュートと堅実性に定評のあるMF、トニーニョ。
攻撃力は目を見張る物があるが守備力はそれ程でもない。
世間的な評価はこの様な物であり、森崎もそう認識していた。

今日、誰もが思い知る事になる。この二人を含めたブラジルユースの選手達は既に彼らが知る者達ではないと。

ネイ「(トニーニョ!ツインタックルだ、行け!)」

トニーニョ「(当然そのつもりだ)」

ズザザーッ!

ポブルセン「その程度かァ!」

ガゴォッ!!

放送「トニーニョくんタックル!しかしポブルセンくんのパワーに押され…」

ズザザァアアーッ!
バシィン!ポーーーーーン!!

ポブルセン「な…なんだとォ!?」

森崎「!!?」

206 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/12(土) 14:40:02 ID:gepBbMKo
放送「ああーーーーっと!しかし間髪入れずネイくんがタックルし、ボールをこぼさせる事に成功!
こぼれ球はサンタマリアくんがフォロー!ドイツの出鼻を挫く事に成功しました!」

観客「よっしゃーーー!いいぞネイ!」「ナイスタイミングのタックルだ!」「見たかドイツ!」

トニーニョはポブルセンのパワーに押し負けたが、続くネイのタックルが運良く成功しこぼれ球になった。
観客の殆どは今のプレイをそう解釈したし、それは間違っていた訳ではなかった。

だが見る目を持つ者は分かっていた。今のディフェンスは運よくタイミングが絶妙だった訳ではない事を。
ネイとトニーニョが立花兄弟をも唸らせる連携で決めたタックルだったと言う事を。

政夫「おい!今の狙ってやっただろ!」

和夫「ああ!間違いない、コンビプレイだ!」

早田「先に行った奴を囮兼壁にして、計算された時間差で本命のタックルを強化したのか!」

三杉「森崎…確か彼らは、こんな技は使っていなかったよね?連携は得意だったが」

森崎「…ああ。俺がチームに居た頃はこんな事出来なかったぜ。全く、敵に回った途端新技なんか覚えやがって」

翼「まずはブラジルが主導権を握るかな?」



放送「ボールを奪い返したブラジル、パスワークを使い堅実にドイツ陣内に攻め入ります。
しかし序盤はガンガン行って良い時間帯、そろそろ仕掛ける頃でしょうか?」

フライハイト・カルツ・カルロス『………』

207 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/12(土) 14:41:21 ID:gepBbMKo
サンタマリア「(やはりカルロスは警戒されているな。だが当然過ぎる事だ)ザガロ!」

バコッ!

カルロスが敵チームの選手達と睨み合いを余儀なくされているのを見たサンタマリアは
躊躇無くザガロにパスをした。ブラジルのタレントはカルロスだけではない為
この程度で彼が困る事はない。ザガロの実力を知っていれば尚更の事である。

ザガロ「よし、行くぜェ!」

ダダダダッ!

放送「サンタマリアくんからザガロくんへ!ザガロくん、突進開始!」

シェスター「来たなウナギマン!クランケ、サポート頼むぞ!」

クランケ「おう(ウナギマンって何だ?)」

ダダダダッ!

ドイツはシェスターとクランケがザガロのパワーに対抗すべくダッシュで迎え撃った。
当然ザガロが強引なドリブルの使い手と知っての事である。

ザガロ「…バカめ!」

バババババッ!

シェスター「えっ!」

クランケ「なにィ!」

ヒュンッ!

208 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/12(土) 14:42:23 ID:gepBbMKo
故に、ザガロが強引なドリブルではなく華麗なドリブルを繰り出しテクニック勝負を
挑んできた時二人の反応は遅れ、大した事も出来ずに抜かれてしまった。

カルツ「(なんだと!?あいつ、ヒューガに似たタイプだった筈なのに!)」

フライハイト「(ブラジル代表としてのテクニックも持ち合わせていたか…)」

放送「ザガロくん抜いたーーーっ!力ではなく技でPA内に切り込みました!
チャンスだ!前半4分で早くも得点チャーーーーーーーーーンス!!」

観客「よっしゃーーー!流石ザガロだぜ!」「行け!先制点を奪っちまえ!」

こうしてブラジルユースはほぼ理想的な展開で最初のシュートチャンスを得た。

グワァアアアアアアアアッ!!

ザガロ「吹っ飛べデカブツ!ぬォオオオオオオ〜〜〜!!」

バッグワァアアアアアアアアアアアアアアン!!
ギュルギュルギュルギュル!

ミューラー「調子に乗るな…!」

209 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/12(土) 14:44:42 ID:gepBbMKo
バッ!
バキィイイイイイイン…!
パァーーーーーーン!

ザガロ「…ちっ!」

ミューラー「この程度のシュートで俺は破れん」

だがいきなりダブルイールでゴールを許す程ミューラーは甘くなく、
勢い良く放たれたボールはミューラーの巨大な拳と地面に挟まれて甲高く破裂した。

放送「撃ったーーーーーっ!!ザガロくんのダブルイールだァ!…ああっとしかし、
ミューラーくんいきなりミョルニルをみせつけた!ボールは哀れ、破裂させられてしまいました。
前半4分、まずはブラジルが1本目のシュートを撃ちましたがこれは見事に防がれました」

観客「あ、あああ〜…」「ちぇっ、そう簡単には行かないか」「なぁに、何度でも撃てばいいのさ!」

カルロス「(よし、行ける。このまま攻撃権を独占し、シュートを撃ちまくる!)」

シュナイダー「(まずは流石はブラジルと言った所か。だがこの程度で萎縮していられん)」

210 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/12(土) 14:46:33 ID:gepBbMKo
上記6レスのコピペをお願いします。

211 :森崎名無しさん:2013/10/12(土) 16:22:36 ID:???
行ってきます

212 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/13(日) 12:26:45 ID:SPjew9YE
ミューラー「ハァッ!」

ボッガァアアアアアアアアアアアアン!!

ミューラーは交換されたボールを勢い良く蹴り出した。当然前線のマーガス狙いである。

マーガス「(よし!コンドルとやらの実力、見せてもらうぞ!)」

サンタマリア「(予想通り、アマラウを意識し過ぎだ…ディウセウ!)」

ディウセウ「(おう!オラの出番だな!)」

放送「ミューラーくん大きくキック!早速ドイツの速攻パターン、マーガスくんの頭狙いです!
しかしブラジルにもコンドルの異名を持つ跳ね返し屋、アマラウくんが居る!
早速二人ともベストポジションを争って走りこみます!」

アマラウ「(本来は一対一で勝負したい所だがな…チームの為だぜ)」

マーガス「(ポジショニングが甘い…?これなら行ける!)」

マーガスはアマラウとの対決を試合前から意識していた。そして実力で打ち勝つつもりでも居た。
ブラジルユースの高いクリア役と言えばアマラウであり、それ以外のDFは自分の相手ではない…
特に大柄でパワーはあるがジャンプ力に欠けるディウセウは殆ど歯牙にもかけていなかった。

だがそれは大きな誤りだった。

バッ!
バッ!
バッ!

213 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/13(日) 12:28:20 ID:SPjew9YE
ディウセウ「キャ!ノ!ン!」

マーガス「!!?」

ガガガッガッ!!

ディウセウ「クリ!アーーーッ!!」

マーガス「ぐわああっ!?」

ドガアアッ!

ディウセウはジャンプ力でこそ及ばなかったものの、体の大きさを上手く行かして
ベストポジションを確保した上で競り合った。こうなるとパワー勝負では彼が圧倒的に有利で、
当然アマラウも居る状況ではマーガスは打ち勝つ事が出来ずに吹き飛ばされてしまう。

シュナイダー「(何!?アマラウだけでなく、ディウセウもあんなクリアが出来るのか!)」

アマラウ「(ジャンプ力がないんならパワーとポジショニングで補えばいい…
理屈は簡単だけど無茶しやがるなあコイツ。ザガロと気が合うのも納得だ)」

放送「ああっとしかし、頭一つ抜けたのはその二人ではなくディウセウくん!
豪快なクリアでマーガスくんごとボールを跳ね返した!これは幸先がいい!」

観客「よっしゃあ!ドイツの速攻パターンを防いだぞ!」「ディウセウ!ディウセウ!」

214 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/13(日) 12:30:16 ID:SPjew9YE
翼「おや?アマラウがマーガスの相手役かと思ったら…」

次藤「なんやアイツ、ワシと似た体格ばってんあんな事も出来っとね?」

若島津「ジャンプ力の無さを体格とポジショニングで補うクリアか。理には適っている」

葵「ドイツ、いきなりポストプレイ対策をされちゃいましたね?」

松山「毎回成功する訳じゃないだろうが、これであんまりマーガスには頼れなくなったな」

若林「…まずいぞ、ドイツ」

山森「そうですね、出鼻を上手く挫かれ続け…」

若林「それだけじゃない。ブラジルはドイツの攻撃パターンのほぼ全てに対策できているかも知れん」

赤井「えっ?マジっすか?」

三杉「…君もそう思ったか。どうやら、翼くんの予想通りの展開になるかもね」



ブラジルがシュートを積極的に撃っていくつもりなのは誰の目にも明らかだった。

放送「再びブラジルボール、しばらくパスを回します。下がり目に位置したサンタマリアくんが
司令塔となったオーソドックスなパスワーク、言わば嵐の前の静けさです」

215 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/13(日) 12:32:23 ID:SPjew9YE
ネイ「おいサンタマリア!そろそろくれよ!」

ダダダダッ!

ヨハンセン「(ネイが来る…?いや!?)」

サンタマリア「ナイスデコイ」

シュッシュッ!
ダダッ!

ヨハンセン「しまった!」

放送「おっとここでサンタマリアくんネイくんとスイッチ…いや!そう見せかけて
右サイドに切り込みました!シュートチャンスだ!」

フライハイト「(焦る事はない。サンタマリアよりも脅威度が高いのは…)」

サンタマリア「任せたぞ!」

ボムッ!

放送「撃たない、バックパス!これは少し距離を取っていたカルロスくんへのパスだ!」

ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

観客「よっしゃー!カルロスに渡った!」「いけーっ!ミラージュシュートだァ!」「決めろカルロス!」

フライハイト「(そう、カルロスだ。撃たせて止める)」

216 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/13(日) 12:35:08 ID:SPjew9YE
前半8分、カルロスがミラージュシュートを放つ。

カルロス「(ブロッカーは…二人か。だが関係ない。撃つ!)行くぜミラージュシュート!」

グワァアアアアアアアアアアアッ!!
バッギュゥウウウウウウウウン!!

放送「出たァ!カルロスくんのミラージュシュート!」

フライハイト「っ!」
クランケ「うわあっ!」

チッ…
ドガアッ!

ミューラー「チィッ!」

バッ!
バコォオオオオン!

これをフライハイトが反転ブロックで威力を弱め、ミューラーはパンチングで
(ブラジル側から見て)左コーナーキックに逃れる事に成功した。

放送「防がれたァ!これはコーナーキック!ブラジルのチャンスは続きます」

観客「あ〜〜〜っ、惜しい!」「なあに、コーナーならまだまだ行ける!」

サンタマリア「(コーナーか。それなら、出し惜しみせずに行くか!)」

217 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/13(日) 12:37:32 ID:SPjew9YE
上記5レスのコピペをお願いします。

218 :森崎名無しさん:2013/10/13(日) 12:44:07 ID:???
行ってきます

219 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/14(月) 00:54:34 ID:oK4BXiDI
更にブラジルのチャンスは続く。

放送「コーナーキック!何かが起こりそうな予感がします!キッカーはサンタマリアくん。
一体どのシューターを使ってくるのか、我々以上にドイツが気にしているでしょう!」

フライハイト「(ディウセウは…駆け込もうと思えば駆け込める、程度の位置か…)」

ミューラー「(どいつもこいつも撃つ気満々…これ程までにシューターが多いチームと
戦った事はない。俺が予測などしたら薮蛇…ならばボールの動きだけを見るか)」

ピィイッ!

ディウセウ「おっしゃ!」

ダダッ!

岬「あっ!これはダイレクトだよ!」

翼「えっ?」

フライハイト「(ディウセウが走りだした…?いや、勢いがない。フェイクか。なら誰に…)」

サンタマリア「今だ!」

ダダッ!
グワアアアアッ!

フライハイト「なにィ!?」

バシュゥウウウウウウウウウウウウウウウウウン!!
ギュルルルルルルル!

220 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/14(月) 00:57:06 ID:oK4BXiDI
放送「おお〜っ!?サンタマリアくんまさかの直接シュート!これは得意のバナナ…いや!
ブーメランシュートだ!バナナシュートより遥かに曲がるブーメランシュートです!」

カルツ「ちょっ、待て!」

シェスター「し、しまった!」

サンタマリアのブーメランシュートはドイツの誰も予測しておらず、
誰もブロックする事が出来なかった。ここまでは完全にサンタマリアの狙い通りだった。

ミューラー「騒ぐなグズども!」

バッ!
バコォオオオオオオオン!!

サンタマリア「なにィ!(ミューラーだけは読んでいたと言うのか?試合経験が少ない筈のアイツが!)」

ミューラー「この程度のシュート、何本撃っても無駄だ!」

シェスター「な、ナイスだミューラー!」

だがサンタマリアにとって誤算だったのはミューラーが最初から選手の動きなど見ておらず、
ボールだけ見ていた為惑わされなかった事だった。

放送「し、しかしミューラーくんこれも力強くパンチング!不意をついた筈のシュートでしたが
彼だけは勘で読んでいたのでしょうか?上手くシェスターくんの前方に弾きました!」

シュナイダー「よし、攻めるぞ!」

ドイツメンバー『おう!!』

221 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/14(月) 00:58:09 ID:oK4BXiDI
上記2レスのコピペをお願いします。

222 :森崎名無しさん:2013/10/14(月) 06:41:23 ID:???
やってみます

223 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/16(水) 00:55:27 ID:hW5I0rKs
シェスター「そろそろ反撃させて貰わなきゃな!」

マウリシオ「そうは行かないッスよ!」

放送「シェスターくんにマウリシオくんがつい…」

シェスター「それ位じゃ俺は止められないぞ坊や!」

ババババッ!

マウリシオ「うえっ!?」

放送「た…がすぐに抜かれてしまいました!そしてシェスターくんパス!このボールはカペロマンくんに!」

早くも3本もシュートを撃たれたドイツは早いうちにやり返したいと言う心理で反撃を狙い、
マーガスのポストプレイに次ぐ得意戦法であるカペロマンのサイドアタックを試みる。

若林「得意のサイドアタックか…だが、これも当然対処済みだろう」

三杉「だろうね。ああ、やっぱりジェトーリオだ」

ジェトーリオ「は〜い、ここは通行止め。諦めてボール頂戴」

カペロマン「フッ。お前が噂の外道野郎か」

放送「このサイドアタックを阻まんとハーフライン間際でジェトーリオくんがついた!」

224 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/16(水) 00:57:12 ID:hW5I0rKs
カペロマン「俺のサイドアタックを止められるか?」

スタッ。
シュシュッ!
ダダダッ!

ジェトーリオ「やるねえ。サイドラインをすっごく上手く使ってるよ。で・も♪」

グイッ!

カペロマン「なっ!?(このタイミングでも審判に見えていないのか?)」

ズサッ!

しかしジェトーリオの見え難い反則を混ぜたディフェンスを突破する事はカペロマンには難しかった。
ただしドイツもただ単純にカペロマンの単独突破に期待していた訳ではない。

ジェトーリオ「それだけじゃ僕は抜けないよ…〜ん!?」

放送「ジェトーリオくん奪いました!…ああっと、しかし!」

シュナイダー「上手いディフェンスだ。ではボールキープの方はどうだ?」

ジェトーリオ「や、ヤバッ…!」

225 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/16(水) 00:58:57 ID:hW5I0rKs
ドゴォオオッ!

ジェトーリオ「ぐべぁああああ〜っ!!」

シュナイダー「こっちは大した事はないな」

カペロマン「おお!良い気味だぜ!」

ゲルティス「…PA内に微速後退。敵に時間を消費させ、切り込みかシュートの二択を強制しろ」

ドトール・アマラウ・ディウセウ『おう!』

放送「すかさずシュナイダーくんに奪い返され、ジェトーリオくん吹っ飛ばされた!
ブラジル、遂に自陣にドイツの侵入を許してしまいました!ドイツの最初のシュートが生まれるか?」

ドイツ側もまたカペロマンが止められた時用にシュナイダーが寄せており、ボールの再奪還に成功した。

中山「おおっ!今のはドイツの読み勝ちか」

日向「だが…ここからどうするつもりなんだろうな?」

シュナイダー「(前には…ドトール、アマラウ、ディウセウの3人か…)」

こうしてとうとうエースストライカーを筆頭に攻め入る事に成功したドイツだったが、
そこから先をどうするかが問題だった。ジェトーリオを突破してもまだDFは3人も残っており、
どの様な攻め方をしても対応が出来る体勢。勿論グズグズしていたらブラジルのMFが戻ってくる。

226 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/16(水) 01:02:22 ID:hW5I0rKs
ポブルセン「何してやがるシュナイダー!撃たないんなら俺に寄越せ!」

シュナイダー「…いいだろう。撃て」

ポンッ。

放送「シュナイダーくんチャンスエリアに駆け込んでから…左にパス!ここにはポブルセンくんだーっ!!」

シュナイダーはドリブルしながら考えた後、ポブルセンに撃たせる事にした。
そのまま通じれば良し、弾かれるのなら自分が追撃すれば良しと判断して。

ポブルセン「ブラジル人どもよ!俺の力を思い知れ!そして…後悔しろーーーっ!!」

グワアアアアアアアアアッ!!

放送「ポブルセンくんのマーダーショット!かなり強力なシュートです!」

ディウセウ「よしっ!いっちょやってみっかァ!」

ゲルティス「(この状況でのマーダーショットがディウセウを突破する確率…55%)」

バギュォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!

ディウセウ「うぅううううりゃーっ!!」

ボグォオオオオオオッ!
ズズズズズ…
ポトッ。

ポブルセン「な…なにィ!?」

227 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/16(水) 01:03:57 ID:hW5I0rKs
ドイツの目論見は叶わなかった。ポブルセンのマーダーショットはディウセウがブロックに完全成功した。
やっと撃てた一本目のシュートはキーパーまで届かなかったのだ。

放送「止めたーーーっ!!ディウセウくんガッチリブロック!巨体を活かして踏ん張り
シュートの勢いに打ち勝ち、弾く事すらせずトラップしました!これはファンプレイです!」

ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

観客「いいぞいいぞディウセウ!」「ちょっとヒヤッとしたが、これなら安心だな!」

森崎「あー、ディウセウはブロック力も上がってるな。当然っちゃ当然だが」

翼「一年間あったんだ。リオカップの時よりはパワーアップしているだろうさ」

松山「でも、ビデオから想像していた姿より更に強いんだが…」

三杉「この大会はこれまで楽勝続きだったからね。新技をいくつか隠していたんだろう」

ディウセウ「ヘッヘヘー…」

ポブルセン「野郎ッ…!」

シュナイダー「(これは…相当な我慢を強いられる試合になるかも知れん…)」

シュート数で圧倒されそうな上に、折角撃てたシュートも厚い壁に阻まれる。
苦戦を予感したシュナイダーの顔は普段より更に鋭く厳しい物になっていた。

228 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/16(水) 01:05:10 ID:hW5I0rKs
上記5レスのコピペをお願いします。

229 :森崎名無しさん:2013/10/16(水) 01:05:42 ID:???
行ってきます。

230 :森崎名無しさん:2013/10/16(水) 01:09:24 ID:???
完了です。

231 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/22(火) 00:15:38 ID:JziXiKPw
ブラジルは更に苛烈な攻撃を続けていく。

ディウセウ「そーりゃっと!」

ボッコォオオオオオオオン!

放送「ディウセウくん大きく蹴り上げた!これをトニーニョくんがジャンピングトラップ。
ここからネイくんとのコンビプレイで攻め上がるのでしょうか?」

トニーニョ「(いや…今回は俺だけで行く。上がれ、ネイ)」

ネイ「(オッケー)」

ダダダッ!

放送「いや、二人の距離は開き気味です。どうやらトニーニョくん、しばらくは自力で攻め上がる模様!」

メッツァ「(あいつもドリブル上手いんだよなー。上手くカルツと連携しないと…)」

トニーニョ「そんな時間をやると思うか?」

ダダダダーッ!
ヒュッ!

メッツァ「えっ!?」

放送「ここでトニーニョくん加速!メッツァくんは驚いたのかノーチェックで行かせてしまいました!」

232 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/22(火) 00:17:25 ID:JziXiKPw
トニーニョは単独で勝負したがらないメッツァの心理を読み、猛ダッシュで彼を置き去りにした。

カルツ「何やってやがるメッツァ!ええいシェスター、援護を!」

シェスター「分かっているさ!」

トニーニョ「(よし、ここで使うべきだ)」

グワアアッ!

放送「ああっとトニーニョくん振りかぶった!?これはロングシュートか?」

カルツ「(こんな距離でシュート?そんな馬鹿な事をしてくれるんだったらむしろラッキーだ)」

シェスター「(これはパスだ!つまり、俺のホウセンカが物を言う!)」

バッコォオオオオン!
ギュワーーーン!

更に逆サイドに流す大きなパスを出す。その軌道にはカルツとシェスターの二人が居た為
このパスの成功率は高くないだろうと思われた。

カルツ「(なんだこりゃ!?やたら速くて高いぞ!)」

シェスター「(届かない…けど、サイドラインを超えるだろうこれは…)な、なにィ!?」

放送「いや、パスです!速くて高い…高すぎるか!?いや、こ、これは!」

233 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/22(火) 00:18:55 ID:JziXiKPw
翼「あれは…!ドライブパスじゃないか!」

ギュルルルルン!

しかしシェスターの予想と頭上を越えていったパスは強烈なドライブ回転により
狙い通り逆サイドにちょうどいい高さに落ちる様になっていた。

トニーニョ「甘いぞドイツ。俺にもこれ位は出来る」

森崎「あの野郎…これも昔に使ってりゃいい物を…」

ダダダダッ!

マウリシオ「ナイスパス!こいつは貰ったぜ!」

バッ!グルンッ!
グワァアアアアアアアアアアアアアアッ!!!

放送「この高いボールに駆け込むのはマウリシオくんだ!高くジャンプして
オーバーヘッドキックに行きます!クランケくん追いすがるが、間に合いそうにない!」

翼「!!?」

若林「あ、あのフォームは…!」

ミューラー「(フン。あんなキック力の無さそうな奴のオーバーヘッドなど…!?)」

バッ!

234 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/22(火) 00:20:10 ID:JziXiKPw
マウリシオ「いっけぇええええええええ!!」

ブワッギュルァアアアアアアアアアアアアアアッ!!!

放送「マウリシオくんのオーバーヘッドキック…!違う!」

トニーニョのセンタリングからマウリシオが放ったシュートはただのオーバーヘッドキックに見えた。

ギュゥウーーーーーーン!!
グ、グ、グッ!

下に向かって打ち下ろされた筈のそのボールが非常識にも上に曲がり始めるまでは。

岬「翼くんのドライブオーバーヘッド…!?」

松山「マジかよ!」

翼「(マウリシオが…これが出来るなんて…!)」

マウリシオ「(俺は年下ってハンデに負ける気はサラサラないんですよ、ツバサ!)」

ミューラー「クッ…こんな…小細工になどォ!」

ブンッ!
バチィイイン!

放送「ドライブオーバーヘッドだーーーっ!!しかしミューラーくんかろうじて弾く!」

235 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/22(火) 00:21:15 ID:JziXiKPw
マウリシオ「(げっ、これでもダメなのか?…まあいいや)」

予想外の大技に間一髪で気付いたミューラーだったがそれでも対応の遅れは拒めず、
咄嗟に腕を振り上げて不恰好に弾き上げるのが精一杯だった。

ネイ「チャ〜ンス♪」

ダダダダッ!
グワアアアッ!

それはつまり、ブラジルのチャンスが継続すると言う事である。

ミューラー「…おのれェ!」

放送「ボールは逆サイド!ネイくんだ!ネイくんが合わせに行っているーーっ!!」

観客「よっしゃーーーっ!!叩き込め!」「キャーーーー!決めてネイーーーーッ!!」

フライハイト「拙い…!」

ヨハンセン「やらせるかーっ!」

ダダダッ!

ネイ「よっと!」

ポコン。
ギュルンッ!
グワアアアアアアッ!

236 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/22(火) 00:22:28 ID:JziXiKPw
フライハイト「(かわされた…が、これなら!)」

ねじ込みを狙うネイは得意のディレイドスピンボレーでDFを振りきり、シュートに行った。

ネイ「決めるぜ!…えっ!?」

シュウウンッ!

ミューラー「うぉーーーーーっ!!」

バギィイイイイイイン!

だがDFをかわした僅かな時間を利用したミューラーが、体勢の悪いまま飛び出しもう一度ボールを跳ね上げる。

放送「おおおおお〜〜っとォ!?しかしミューラーくんが物凄い勢いで飛びついたァ!
シュートが阻止され、ボールは更に弾かれて行く!」

観客「ウッソー!?何でそこに居るのよ!」「折角のネイのシュートだったのに!」

ネイ「(冗談だろ…なんであそこから間に合うんだよ…)」

ミューラー「…くうっ!?」

トニーニョ「まだだ、今度こそ!」

バッ!

237 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/22(火) 00:23:30 ID:JziXiKPw
ここで更にシュートを撃たれていたらドイツは今度こそ失点していたかも知れない。
ブラジルもそれを狙ってトニーニョがこぼれ球に向かって飛んでいた。

マーガス「フザけるな!いい加減にしとけよ!」

バッ!

トニーニョ「うっ!?」

バコォオオオン!

だがドイツもマーガスが戻ってきて競り勝った事でやっとクリアに成功し、
3連続でシュートを浴びる事はかろうじて阻止した。

放送「これをトニーニョくんとマーガスくんが競り合い…マーガスくんクリア!
ブラジル、惜しくも畳みかけきれませんでした。前半18分、ここまで優勢に攻めていますが
ミューラーくんを中心とした粘り強い守りに後一歩の所で持ち堪えられています」

観客「くっそぉ、惜しい〜!」「まあまあ、ここは素直にドイツを褒めてやろうじゃないか」

森崎「ったく、一体いくつ新技用意してきやがったんだブラジルユースは」

シュナイダー「(これは…危険だ。危険な試合だ…!)」

こうしてピンチをまた切り抜けたドイツだったが、キャプテンのシュナイダーは冷や汗を禁じ得なかった。
ここまでのシュートはブラジルが5本に対しドイツはわずか1本。しかもドイツのシュートは
GKまで届いていないのに対し、ブラジルのシュートは全てミューラーの奮闘によって防がれている有様。

試合展開がブラジルの一方的優勢になっているのは火を見るよりも明らかだった。

238 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/22(火) 00:24:38 ID:JziXiKPw
上記7レスのコピペをお願いします。

239 :森崎名無しさん:2013/10/22(火) 00:25:30 ID:???
行ってきます。

240 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/24(木) 00:49:49 ID:sK4QhCMg
ドイツは2度目の反撃のチャンスの先陣をメッツァに切らせた。

放送「このこぼれ球はメッツァくんがフォロー!ドイツにとっては久々の攻撃チャンスです!」

シュナイダー「上がれメッツァ!ネイとトニーニョが戻っていない今がチャンスだ!」

メッツァ「分かってるよ!(でも…)」

ダダダダッ!

放送「パサーとして知られるメッツァくんですが、ここはドリブルで攻め上がります。
あっと、ブラジル誰もチェックに行かない?ネイくんとトニーニョくんが戻りに
走っていますが、このままではブラジルサイド奥深くまで攻め入られてしまうでしょう」

サンタマリア「(メッツァにチェックに行っても、パスカットは難しい。
それよりも他の奴らのマークを固め、パスを出しても意味がないと言う状況を作る)」

メッツァ「(やっぱりこうされちゃうよね〜…さて、どうしたものやら)」

幸運にも、メッツァは軽視された為にマークが緩く今度はボールをブラジル陣内に運ぶのは容易だった。
不幸にも、メッツァがボールを運んだだけでは決定的なチャンスを作るのは容易ではなかった。

山森「パスの出し所に困っていますね…」

若林「メッツァは自分で決定的な仕事は出来ない。故に放置されやすく、
ボールを前に運びやすくなると言うメリットはあるが、そこからどうするかが問題だ」

241 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/24(木) 00:51:01 ID:sK4QhCMg
メッツァ「(…相手の予想通りだろうけど、シュナイダーの体力を余らせないのが一番か)」

バコッ!

放送「ここでシュナイダーくんにパスが通った!ドトールくんとアマラウくんが詰めに行く!
ここで抜かせてしまってはドイツのシュートチャンスになってしまう!」

メッツァは悩んだ末にシュナイダーを頼る事にした。マーガスとカペロマンがしっかりマークされており、
ポブルセンが先程防がれていてはもうシュナイダーの個人技に頼る事しか思いつかなかった。

シュナイダー「(不利だと分かっていてもやるしかないか…!)」

バババッ!

ドトール「無駄だ。通しはしない」

アマラウ「ちょっとムシが良すぎないか、ってな?」

ズザザァッ!
バチィーーーン!

シュナイダー「くっ…!」

放送「通さない!ドトールくん上手くこぼしました!あっとしかし!」

ダダダッ!

カペロマン「まだだ!俺が居るぜ!」

放送「カペロマンくんが中央に寄ってきていた!これをフォロー!」

242 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/24(木) 00:52:43 ID:sK4QhCMg
しかしシュナイダーはアマラウのサポートを受けるドトールにしっかりマークされており、
ドリブルで抜き去る事が出来ずボールをこぼされてしまう。これをカペロマンがフォローしたが、
すぐにでもジェトーリオに追いつかれそうになったカペロマンはすぐ撃つしかない。

ジェトーリオ「あれっ?いいのかなー、君サイドじゃないと役立たずじゃん」

カペロマン「余計なお世話だ!くらえっ!」

グワアアアアアアアアアッ!!

放送「すかさず振りかぶる!カペロマンくんのサイドワインダーだーーーっ!!」

ゲルティス「俺に任せろディウセウ(この位置からのサイドワインダーの得点確率…5%)」

ディウセウ「いいのか?んじゃオラはフォローに備えるぞ」

カルツ「(くそっ…あの位置からじゃ多分…)」

バッコォオオオオオオオオオオオオオオオン!!

ギュインギュインギュインギュイン…!

ゲルティス「(キャッチ成功確率76%…)」

バッ!
シュィイイイイイイイイイイイイン…!

森崎「!!」

ガシイッ!

243 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/24(木) 00:53:50 ID:sK4QhCMg
ゲルティス「キャッチ成功」

カペロマン「…くそっ!」

放送「しかし止めたーーーっ!!ゲルティスくん物凄い反応速度でガッチリキャッチ!
左右にあれ程ぶれるシュートを迷いなく正確に掴み、トレードマークのダークイリュージョンの
凄さを見せつけました!流石はACミラン所属のキーパーマシンです!」

観客「よっしゃー!流石ゲルティス!」「どーしたドイツ!全然ダメじゃないか!」

赤井「出たっス!あれがゲルティスのセービングです!」

三杉「森崎に近いタイプだな。凄い瞬発力を伴ったセービングだ」

森崎「チッ。生意気な…正面からのサイドワインダーなんかキャッチ出来て当たり前だっての。
ありゃサイドから独特の軌道で惑わすから効果的なんだよ。正面からじゃただのツインシュートみたいなモンだ」

岬「うん。カペロマンがわざわざ中央で撃たされた時点でドイツの負けだね」

日向「このままじゃドイツは無様に負けるだけだ。どうするつもりなんだか」

止むを得ず即撃ったカペロマンのサイドワインダーは類まれなる瞬発力を見せた
ゲルティスのセービングに完全に阻まれた。ドイツはこれでやっとシュートを敵GKに
届かせたが、その結果は全く勇気づけられない物だった。

ルディ「(いかん…こうまで攻防両方で圧倒されるとは!このままでは先制点を奪われた時点で負けかねない!)」

シュナイダー「………くそっ」

244 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/24(木) 00:55:35 ID:sK4QhCMg
上記4レスのコピペをお願いします。

245 :森崎名無しさん:2013/10/24(木) 02:52:00 ID:???
いってきます

246 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/29(火) 00:58:24 ID:vl96oUyI
ゲルティスがあっさりサイドワインダーをキャッチした事で、当然またブラジルの攻撃が始まる。
ここでシュナイダーは決断を迫られた。

シュナイダー「(…戻るべきか、戻らぬべきか…)」

この試合彼はここまでカウンターに備え前線で張っていた。
基本的に彼は典型的なストライカータイプで、守備は前線では行うが自陣奥深くまで戻る事は殆どない。

こう表現すると人によっては守備貢献をしない我儘なFWと評するかも知れないが、
速攻に備える事で己の攻撃力で敵チームを威圧するのもFWの仕事の一つである。
FWが攻撃よりも守備を重視し自陣に戻れば当然チームの攻撃力は落ちるし
敵チームのDFが攻撃参加を得意とするタイプであれば積極的にそれを狙ってくるであろう。

だがそれらを承知した上でシュナイダーは今は自陣に戻り守備とボールキープに貢献すべきか真剣に悩んだ。
このまま攻撃され続ければ遠からず失点する確率はかなり高い。
少なくとも試合終了まで無失点のまま切り抜けられる事を期待するのは楽観的に過ぎるだろう。
ならば彼も自陣内でボール争いに関わり、試合の流れを変えるべきではないのか?



ルディ「(くそっ…私の見通しが甘かったと言うのか?だが、これでは修正する箇所など…)」

同じタイミングで彼の父親であるルディ監督も悩んでいた。昨晩与えた指示が殆ど役に立っていないのはまだいい。
作戦にミスがあったのならそれを修正すれば試合の流れを変えられる可能性があるからだ。

だが相手は攻撃力も守備力も想定していた範囲を優に超えており、しかも何か奇抜な事をしている訳でもない。
両チームが自分たちの得意な戦い方で真正面からぶつかりあった結果ブラジルが優勢になっているだけなのだ。
つまりそもそもミスなどしていないのだから、都合よく流れを変えられる修正箇所などない。
正攻法の修正ではなく奇策ならば話は変わるが、勿論それは多大なリスクを伴う。

247 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/29(火) 00:59:40 ID:vl96oUyI
ルディ「(ダメだ…!いっそ私が無能ならまだ良かった!それなら打てる手が何かしらあった筈なのに!
今のままでは選手達が耐え抜き、反撃の機会をみつけるまで待つしかない!…なんと無力な監督だ)」

結果、ルディ監督は動きたくても動けなかった。
最初からベストメンバーを出しているのだから流れを変えられるスーパーサブなど居ない。
またドイツユースにはユーテリティプレイヤーが少なく、特に大胆にポジションチェンジ出来るのは
フライハイト位の物である。フォーメーションを弄って光明を見出すのも難しい。

ルディ「(いや…今、私が監督としてすべき事は選手達を…特に守備陣を信じる事だ。
ブラジルの攻撃は変幻自在の剣林弾雨。しかし問答無用で装甲を貫ける大砲は持っていない。
もし持っていたらとっくに使っていただろう。先制点が喉から手が出る程欲しいのは向こうも同じ。
故に…勝機はカウンターに有りだ!待っていればチャンスは必ず来る!その為には…)」

焦りに耐え抜いた熟慮の末、ルディ監督は動きたくても動けないのではなく、動きたくても動かない事を決めた。
藪蛇をつつく誘惑に耐え自分の作ったチームとそれを構成する選手達を信じる無策の策。
それこそがこの試合の勝利への道だと信じて彼は何も動かずじっと見守り続けた。
彼の息子であるシュナイダーが万が一誘惑に負けてしまった場合はすぐさま止めるつもりで。

ルディ「(お前だけは守備に下がってはいけないぞ、カール)」



カルロス「(相変わらずシュナイダーは前線に残っているのか?)」

サンタマリア「(ダメだな。ジェトーリオのサインは相変わらずだ)」

ブラジルユースもまた、シュナイダーの動きに注目していた。
それもサンタマリアが直接見るのではなくゲルティスからジェトーリオを経由したサインで。
彼らはシュナイダーに自分が観察されている事を視線で気付かれたくなかった。

248 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/29(火) 01:01:20 ID:vl96oUyI
つまり、彼らはシュナイダーに守備に戻って欲しかったのである。

カルロス「(作戦は7割がた成功している。2トップ対策、攻撃権の独占、シュートラッシュ…
全て実現出来ているが、ミューラーが予想以上に固い事とシュナイダーが守勢に
回ってくれていないのが問題だ。奴を自陣に閉じ込めれば9割がた勝利が決まるんだが…)」



シュナイダー「(…戻らない。俺は戻ってはいけない!)」

ブラジルユースの目論見は外れた。わざわざサインを使い気付かれない様配慮したのは無駄になった。

シュナイダー「(ここで戻ってもジリ貧になってブラジルを喜ばせるだけだ。
俺が守備に戻ればキープ率は上がるだろう。だがそれは自陣内のキープ率であり
敵陣に攻め込める時間はむしろ減る。そしてそれはシュートチャンスの減少に繋がるんだ。
ブラジルも見た目程余裕がある訳じゃない。あれだけ撃ちまくっていてもミューラーを
崩せない事は必ず近い内に苛立ちと油断に繋がる!その一瞬のスキこそが反撃のチャンスだ!)」

シュナイダーは熟慮の末にあくまで前線で待ち続ける事を決断した。
この決断が前半と先制点の行方を左右する事になる。

放送「さあここでザガロくんがボールを持ちました!丁度いいシュートレンジです!」

249 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/29(火) 01:02:49 ID:vl96oUyI
上記3レスのコピペをお願いします。

250 :森崎名無しさん:2013/10/29(火) 01:13:57 ID:???
行ってきます。

251 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/30(水) 23:38:22 ID:15HCzSnI
後半23分、またしてもドイツ守備陣を引っ掻き回して作ったチャンスで
シュートを撃ったのはザガロだった。

グワァアアアアアアアッ!!

ザガロ「そろそろ諦めやがれ!ぬぉおおおおおお〜っ!!」

バッグワァアアアアアアアアアアアアアアン!!
ギュルギュルギュルギュル!

放送「ザガロくんのダブルイール!今度こそ決まるか?」

ミューラー「諦めるのは貴様らだ。その程度のシュート、何本撃とうと…」

バッ!
バゴォオオオオオオオン!

ミューラー「俺には通用せん!」

ザガロ「な、なにィ!この野郎…!」

それは適切なシュートレンジからブロッカーの穴を上手く突いた良いシュートだったが、
ミューラーは衰えぬキレを見せ、これも上手く弾いた。

フライハイト「(ミューラーは良く持ち堪えている…だがこれ以上それに依存する訳にはいかない。
ブラジルも試合開始直後からずっと優勢だった事で緩み始める…流れを変えるならこのタイミングだ)」

ダダダダッ!

そしてフォローしたフライハイトがドリブルで上がり始めたのがドイツの反撃の始まりだった。

252 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/30(水) 23:39:33 ID:15HCzSnI
放送「しかしこれも防がれました!まだ得点は…あっと、これをフォローしたフライハイトくん
ドリブルで上がり始めた!攻められっぱなしに堪らずオーバーラップで打開を図ったか?」

サンタマリア「(唯一のブロッカーであるフライハイトが上がってきたか…奪えばチャンスだ!)」

フライハイト「(…ドリブル勝負は危険だ。パスがベターだが、ベストな選択は…)」

この時フライハイトは自分がブラジル陣内まで攻め込むつもりはなかった。
パスで味方に託すか、それ以上の事が出来る様味方がフォローしてくれる事を期待していた。

カルツ「フライハイト!俺にやらせろ!」

フライハイト「…ナイスフォロー」

クルッ!
ダダッ!

サンタマリア「なっ…カルツが!?」

カルツ「(ブラジルユースめ…認めるぜ。お前らは上手い。嫉妬が堪え切れない位にな。
基本も技術も両方とも俺より上だ…だが上手いイコール強いイコール勝てるじゃないんだぜ)」

彼の期待にはカルツが答えた。小柄さを利用してフライハイトを遮蔽に使い、
サンタマリアの視線から隠れてフライハイトの後を追っていた。
それを察したフライハイトはボールを置き去りにしながら反転し、
カルツに攻撃を託して自分は守備に戻って行った。

253 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/30(水) 23:40:39 ID:15HCzSnI
カルツ「(強い奴が勝つんじゃない、勝った奴が強いんだ!ってのはウチのキャプテンの座右の銘でな。
俺はその心がけで何もかも俺より上を行く天才に勝った事がある。今回もそうさせてもらうぜ!)」

サンタマリア「くっ、マウリシオ!フォローを…」

カルツ「遅いぜよ!」

ガガガガッ!
ドゴオッ!

サンタマリア「ぐはぁ!」

不意をつかれたサンタマリアはカルツを止める事が出来ず、自陣内への突入を許してしまった。
ブラジルユースの守りにほころびが出来た瞬間だった。

放送「いや、カルツくんだ!サンタマリアくん吹っ飛ばされた!ドイツ、業を煮やしたか強引な攻めだ!」

翼「カルツが上がってきた…!」

若林「開き直ったか…だが、さっきからカルツは守備であまり貢献出来ていなかった。
ならいっそ攻撃に転じた方が良いかも知れん。なによりカルツはノーマークには出来ない選手だ」

日向「…おい赤井。ブラジルのGKの一対一能力はどんなモンだ?」

赤井「えっ?えーと、ゲルティスは…そうですね、ヘルナンデスに一段劣る位ッスよ。
もしカルツに一対一に持ち込まれちゃったら割とあっさり失点するかも…」

ウワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

観客「おいおい、攻められているじゃないか!」「早く止めろよ!失点するんじゃない!」

254 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/30(水) 23:46:09 ID:15HCzSnI
ジェトーリオ「もう、何やってるのさ!マウリシオ、マーク代わって!フリーにしなきゃいいから!」

マウリシオ「お、おう!」

ゲルティス「シュナイダーとマーガスのマークを外すな。カルツの突破にも備えろ。
カペロマンとポブルセンは撃たせてもいい、俺が止める」

ドトール・アマラウ・ディウセウ『おう!!』

シュナイダー「(対応はしているが、焦り出したな…完璧な守りなどない。
相手がリスクを覚悟すれば尚更の事だ…いける!)」

ここでブラジルは堪らずジェトーリオがカバーに入り、カルツを止めに行こうとした。
このままカルツにみすみす一対一の機会を与える訳にはいかないと言う判断による行動である。
だがカルツが狙っていたのは自力の得点ではなかった。

カルツ「(よし…いい感じに乱戦になってきたぜ。マーガスの位置を確認して…今だ!)」

ボコォン!

ディウセウ「おっ、ロブか!アマラウ、オラと来てくれ!」

アマラウ「分かっていらァ!…えっ!?」

カルツ「おっと、ごめんよっと」

アマラウ「て、てめェ!」

ゲルティス「(…計算外!)」

255 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/30(水) 23:47:17 ID:15HCzSnI
カルツの狙い。それは自分のドリブルでブラジルの守備をかき回してからマーガスを使う事だった。
無論ただ単にマーガスに上げるだけではアマラウとディウセウの二人がかりにやられる確率が高い。

放送「カルツくんボールを横に浮かせた!これにマーガスくんが合わせに…
あっと、クリアに行っているのはディウセウくんだけだ!?アマラウくんダッシュが遅れている〜っ!!」

ディウセウ「いっ!?オラだけかよ!」

マーガス「(すまんカルツ!これだけお膳立てされたんだからやってみせる!)」

よってカルツは狭いチャンスエリアに駆け込み、タイミングと位置関係を吟味してからボールを浮かせた。
彼自身の体が障害物となり、アマラウが一瞬だけダッシュが遅れてしまう様にして。

バッ!
バッ!

ディウセウ「やべっ!キャ!ノ…」

マーガス「無駄だッ!俺は世界一のポストプレイヤーだ!」

ガゴゴゴォオッ!!
ドガアアッ!

ディウセウ「んぐぁああああ〜っ!!?」

マーガス「後は頼むシュナイダー!」

全てはシュナイダーに絶好のチャンスでシュートを撃たせる為である。

放送「ディウセウくん吹っ飛ばされた!ドイツのポストプレイが…成功してしまったーーーっ!!」

256 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/30(水) 23:48:22 ID:15HCzSnI
シュナイダー「(よくやってくれた、皆)」

グワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!

ドトール「いかん…間に合わない!」

アマラウ「くそっ、やってやるよ!やりゃあいいんだろ!」

ゲルティス「(ネオファイヤーショットによってゴールを奪われる確率…51%!)」

放送「シュナイダーくん振りかぶる!ネオファイヤーだ、ネオファイヤーが来ます!」

観客「ギャーーー!!」「守れゲルティス!」「何とかしろォ!」「何やってんだ!」

シュナイダー「ここで決める!ドイツユースのキャプテンとして先制点を奪う!」

森崎「………」ゴクリ



             シュナイダー「 N E O   F I R E ! ! ! 」

          ズワッグォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンン!!!!




257 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/30(水) 23:49:51 ID:15HCzSnI
ギュグォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!
ドガアアアアアッ!

アマラウ「ぐべがーーーっ!!」

ゲルティス「…ハァアアアア!」

バッ!
シュィイイイイイイイン…!
ガシィイイッ!!

シュナイダー「!!」

ギュルギュルギュルギュルギュル…!

ゲルティス「(威力…想定以上!推進力…不足!握力で補填…不可!!)ガ、ァッ!」

バチィイイッ!
ギュパァーーーーーーン!
ドゴォオオオオッ!
ポン、コロコロコロ…

シュナイダー「…ふぅ」

ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

前半27分、シュナイダーのネオファイヤーショットがアマラウを吹き飛ばした後に
一度はキャッチに成功しかけたゲルティスの両手を弾き開かせてブラジルゴールを突き破った。

258 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/30(水) 23:51:50 ID:15HCzSnI



ブラジル 0−1 ドイツ



大会得点ランキング(表記はメインキャラのみ):
10ゴール ストラット
9ゴール シュナイダー、日向
8ゴール カルロス、ディアス
6ゴール ザガロ
5ゴール 火野、ビクトリーノ
4ゴール 翼、カペロマン、森崎、ランピオン、カマーチョ
3ゴール ポブルセン、ナポレオン、ピエール、チャンドラー、ロリマー、ミハエル、サトルステギ
2ゴール トニーニョ、マーガス、李邦内、李邦坤、アルシオン、イスラス、レンセンブリンク、三杉
1ゴール ルーク、肖、岬、山森、フライハイト、ネイ、ロペス、ガルシア、クライフォート、
     カイザー、マッハー、クリスマン、政夫、ディウセウ、マウリシオ

大会アシストランキング(表記はメインキャラのみ):
6アシスト アルシオン
5アシスト サンタマリア
4アシスト 岬
3アシスト マーガス、翼、ダ・シルバ、ネイ、チャンドラー、火野、パスカル、ランピオン、
2アシスト カペロマン、カルロス、バンビーノ、カルツ、ピエール、王、森崎、トニーニョ
1アシスト カルツ、メッツァ、テイラー、飛、山森、早田、ビクトリーノ、エスパダス、クリスマン、イスラス、シェスター、
      バビントン、クライフォート、カイザー、和夫、ジェトーリオ




259 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/10/30(水) 23:53:02 ID:15HCzSnI
上記8レスのコピペをお願いします。

260 :森崎名無しさん:2013/10/30(水) 23:54:04 ID:???
行ってきます

261 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/07(木) 10:53:50 ID:cg/e3gAY
ドイツが先制ゴールを決めた瞬間、ほんの僅かな間だけ競技場の時間が止まった。

放送「ゴ…ゴ〜〜〜ルゥゥウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!
前半27分、シュナイダーくんのネオファイヤーショットがブラジルゴールを突き破りました!
攻めに攻めまくっていた筈の矢先のまさかの失点!ブラジル、カウンターで先制されてしまいました〜!」

ギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

観客「なっ…何やってんだーーーっ!」「バカヤロー!あっさりカウンターさせやがって!」
「あれだけ押していたのに何で先制されているんだよ!」「油断しているからこうなるんだ!」

無論それが長く続く訳もなく、動揺しながらの実況が放送されると共に観客が悲鳴混じりに
怒号を上げ、彼らの期待を裏切ったブラジルユースを糾弾する。
ブラジルの先制点は時間の問題だと思われた所に逆に先制されてしまっては彼らの怒りも
無理のない事であり、中立の立場の全日本ユースの選手達も大きな驚きに満たされていた。

日向「…ドイツが先制しやがったか。それも良い時間帯だ」

三杉「ブラジルに隙があった…と言うよりは、ドイツがじっとカウンターチャンスを
伺っていたんだろうね。フライハイトとカルツの働きが絶妙だった」

松山「マーガスも2人がかりじゃなければ抑えられなかったのが大きいんじゃないか?」

若林「マーガスはそれ位はやってくる。一番大きいのはシュナイダーのここぞと言う時の
勝負強さだ。ここで決められなかったらこれ以降の試合展開の天と地程の差が出ていただろうよ」

中山「キープ率やシュート数の比較で思える程ブラジルが圧倒していた訳でもなかったんだな…」

森崎「へっ、どうだ翼。見事に俺の言った通りになってきたぞ」

翼「何を勝ち誇っているのさ。ブラジルがこの程度で参る訳がないだろう?本当の勝負はここからだ」

262 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/07(木) 10:56:31 ID:cg/e3gAY
ルディ「(よしっ…よし!我慢勝ちだ!良い精神力だ、皆!これでぐっと戦いやすくなる!)」

ロベルト「(えっ?あれ?何でいきなりゴールされているんだ〜〜〜!?
い、いや落ち着けロベルト。たった1点、たった1点だ。すぐに取り返せる…よな?)」

無論両チームの監督も心を動かされない訳がなく、ルディは劣勢に晒されながらも
耐え忍んでから掴んだチャンスをモノにした選手達を誇りに思い、
逆にロベルトは混乱しながらも必死に冷静さを装い口を閉ざしていた。
そしてもう一人、このゴールで心を乱された者が居た。

コインブラ「(…それ見た事か)」

ブラジルユースベンチで腕組みをしていたコインブラである。

コインブラ「(ドイツのミューラー相手にあの程度のシュートを連発してもゴール出来る確率は高くない。
ねじ込みを狙うにしても、ミューラーは飛び出しが強いしクリアの得意なフライハイトも居る。
下手な鉄砲数撃ちゃ当たると言っても、その間に大砲を当てられては何の意味も無いだろうに…)」

昨夜、自分の力なしではドイツが勝つだろうと予想していたコインブラは今
腕組みをしながら苛立ちに顔を歪めていた。双方の戦力を比べた上でブラジルユースの戦術を
考慮した結果、自分が懸念していた通りにブラジルがやられていく。
実に不愉快な光景だった。

コインブラ「(このままでは前半中にドイツがもう1点取るかも知れん。
カルロス達が焦って前がかりになれば、ドイツは確実にそれを突いてくるだろう…
なによりシュナイダーはまだ何か見せていない切り札を隠している気がしてならん)」

彼の視線の先ではちょうどシュナイダーがブラジルゴール前から引き上げる所だった。

263 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/07(木) 10:58:14 ID:cg/e3gAY
ゲルティス「……………」

シュナイダー「(なんだコイツの目は…俺を観察しているのか?)」

見事先制点を上げたシュナイダーだったが、クールな彼は派手な
ゴールパフォーマンスをせず短くガッツポーズをして息を整えるだけだった。
それが幸いし彼はゲルティスが自分を無表情に見つめている事に気付けた。

ゲルティス「(データは取れた…もう0.2秒早く反応すればいい)」

シュナイダー「(この目…ゴールを奪われた悔しさが何処にもない。だが怯えも全くない。
次こそ止めてみせると言う闘志すらない。まるで機械が別の機械をチェックしている様だ…
となると、長時間こいつに観察する時間を与えるのは良くないな)」

ゲルティスは異様な程に冷静にシュナイダーを見つめていた。
それに不気味な脅威を感じたシュナイダーはさっさと自陣に戻り、仲間達と合流する。

マーガス「ナイスゴール、シュナイダー!流石だぜ!」

カルツ「ちゃ〜んと期待に応えてくれたのう。バクチに出た甲斐があったぜ」

カペロマン「全く、何時も何時も美味しい所持っていきやがって」

シュナイダー「…喜びすぎるな。これでやっと互角になった位だ」

メッツァ「えっ?これで互角?」

当然チームメイト達は先制点を大喜びしていたが、シュナイダーはそれを一喝して冷ました。

264 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/07(木) 10:59:39 ID:cg/e3gAY
シュナイダー「リードは出来たが、カウンターを成功させただけでは戦況は変わらない。
シュート数もキープ率も向こうが圧倒していると言う現実は変わらないんだ」

シェスター「そうだけど、リードされたらあいつ等も萎縮するんじゃないか?
もしくはそれを乗り越えようとして、逆に前がかりになるんじゃないか?」

シュナイダー「後者はまだしも、前者は期待できない。こっちに戻ってくる間に
見てきたが、奴らは殆ど動揺していない。元々点を取って勝つつもりだったんだ、
先に一点取られても大した問題じゃない…その思いが奴らを支えている。それともう一つ」

カルツ「なんだ?…あ、さっきゲルティスと睨み合っていた時の事か?」

シュナイダー「そうだ…いや、違うな。あいつは睨んできてなどいなかった。
俺の全てをまるでコンピュータの様に分析していた。恐らく、次にネオファイヤーを
撃たれた時にどうやって止めるかをシミュレートしていたのだろう」

ポブルセン「グダグダ長いんだよ。だったらどうするってんだよ」

シュナイダー「策はある。フライハイト、チャンスだと思ったら上がってきてくれ」

フライハイト「…アレを使うのか?」

シュナイダー「そうだ。ネオファイヤーを止められる自信があるのなら…
わざわざそれに付き合う必要もない。最適な手段を使って2点目を取り、奴らの心を折る」

フライハイト「…分かった。だが何時チャンスが来るかは運が絡む。辛抱強くあってくれ」

シュナイダー「そのつもりだ。皆、これまで以上に強い精神力で戦うぞ!」

ドイツメンバー『おう!!!』

265 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/07(木) 11:00:48 ID:cg/e3gAY
一方フィールドの向こう側ではジェトーリオが首を振っていた。

ジェトーリオ「向こうさんの雰囲気からして、油断はしてくれないみたいだね〜」

ネイ「当たり前だバーカ。そんな甘いチームじゃないのは最初から分かっていただろ」

ドトール「…反省の残るカウンターの食らい方だった」

アマラウ「くそっ、小癪な連携使いやがって!…やられたぜ」

ザガロ「何やってんだサンタマリア!あっさり吹っ飛ばされておねんねしやがって!」

サンタマリア「…ああ、俺の失態だ。そろそろ賭けに出てくるかと思っていたが、手段の読みが甘かった」

ディウセウ「そんな事言うなよザガロ〜。オラだってマーガスにやられちまったんだから」

トニーニョ「誰のせいと言う訳じゃない。大きなミスがあった訳でもない。それより気を取り直そう」

マウリシオ「どうするッスか?カルロス」

シュナイダーが観察した通り、ブラジルユースの面々は先制点を奪われた事を悔やみながらも
殆ど取り乱していなかった。彼らの自信はこの程度では全く揺らがない。
いち早く気持ちを切り換えようと言う空気が形成され、チームの闘志は順調に再構築された。

カルロス「どうと言う事もない。カウンターをゼロにしながら攻め続けられる等と言う
都合の良い手段等無いんだ。相手の強さは素直に認めるんだ、だが萎縮するな。
今まで通り積極的に攻めていけば必ず逆転出来る…俺達にはそれだけの力がある」

266 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/07(木) 11:02:17 ID:cg/e3gAY
トニーニョ「…まあ、何かを変える必要はないな」

ネイ「追う立場になったんだ。より激しく攻撃して当たり前だな」

ドトール「頼んだぞ。守備の微調整はこちらでやっておく」

アマラウ「おう、もうあんな手に引っかかりゃしないぜ」

カルロス「よし、では皆…」

ゲルティス「待ってくれ」

ブラジルメンバー『えっ!?』

ゲルティス「さっきの失点とは無関係に、一つ気付いた事がある。丁度良いタイミングだから
全員に知らせておきたい。ドイツに聞かれない様に俺の側に集まってくれ」

サンタマリア「なんだ?一体何に気付いたんだ?」

ゲルティス「…ドイツの弱点を新たに一つみつけた」

カルロス「!…それは何だ?」

更にゲルティスがドイツに新しい弱点を発見したと言い、その内容を小声で伝えた事で
彼らの士気は更に高まっていく。この士気の高まりが試合のこの後を左右するのは言うまでもない。

267 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/07(木) 11:03:49 ID:cg/e3gAY
ジェトーリオ「え〜?マジ、それ?」

ザガロ「胡散臭えな…そんな都合の良い事があるのかよ?」

ゲルティス「この試合で実際に戦い、観察して確信した。
恐らくは向こうも気付いていない弱点だろうが…俺には分かる」

ディウセウ「う〜ん。ゲルティスが言うんならそうなんかな〜」

サンタマリア「俺も半信半疑だと言わざるを得ないが…幸いその弱点を突く為に
作戦を変更する必要はない。外れていてもノーリスクならば期待してみてもいいだろう」

カルロス「そうだな。もしゲルティスの洞察が当たっていたら試合終盤に活かせるかも
知れないと思っていたチャンスが予定より早く来る。それなら俺達の勝利は確実になる…が、
それに頼るまでもなく得点するつもりで戦うぞ、皆。気合を入れろ!」

ブラジルメンバー『おう!!』

先制点が生まれても、ドイツもブラジルも戦い方を大筋で変えるつもりはなかった。
両陣営のこの決断が、試合を更にヒートアップさせ次のゴールを、その次のゴールを呼ぶ事となる。

268 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/07(木) 11:04:51 ID:cg/e3gAY
上記7レスのコピペをお願いします。

269 :森崎名無しさん:2013/11/07(木) 12:13:39 ID:???
行ってきます

270 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/20(水) 01:45:20 ID:/BJYohSg
ピィイイイイイイッ!

放送「気を取り直す様にブラジルのキックオフからリスタート!ザガロくん、カルロスくんと
渡ってボールはネイくんに。ここは一つ、トレードマークの美技で士気を盛り立てて欲しい物です」

観客「キャーーー、ネイーーーーッ!!」「ネイー!ドイツなんかやっつけてー!」

ブラジルユースのキックオフ後の仕切り直しを任されたのはネイだった。
甘いマスクと話術と派手な個人技で女性ファンが沢山居る彼の活躍を感じ取り、黄色い悲鳴を上げた。

ネイ「(フフッ、女性ファンの声援には応えなくちゃな)」

ネイはそれに誰も予想しなかった方法で応えた。

ダッダッダッ…
ブンブン。

キャーーーーーーーーーーー!!

滝「あれ…あいつ、手を振ってないか?」

井沢「…女に向けてサービスしてやがる」

来生「ギャハハハ!ドリブル中に何バカやってんだ!」

森崎「(ネイ…お前よりにもよって来生に正論言われてるぞ…)」

翼「………!?」

271 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/20(水) 01:46:45 ID:/BJYohSg
放送「お、おおおっ!?なんとネイくん、ドリブルしながら余所見をして観客席に手を振っています…
こ、これはパフォーマンスでしょうか、それともファンサービスでしょうか?」

なんと彼はややゆっくりとドリブルしながら観客席の方を向いて笑顔で手を振り始めたのである。
まるでゴールパフォーマンスの様な余所見行為は誰がどう見てもとんでもない愚行に見えたが、
この時点で一部の者だけは勘付いていた。彼が何をしようとしていたかを。

ポブルセン「テメェ、フザけんなァアアア!!」

ダダダダッ!!

ポブルセンは愚行としか見なさなかった大半の内の一人だった。
元々ネイの様なタイプが特に嫌いな彼は殺意露わに突撃しに行った。

ポブルセン「雌共に媚びるんだったらボールを俺に寄越してからいくらでもしやがれ!」

ネイ「…このボール、欲しいのか?」

ブンッ…
ポーーーン…

それを見たネイはにやりと笑い、ポブルセンを嘲る様な中途半端な勢いで
ボールを浮かせ、ポブルセンの頭上を越えさせた。

ネイ「ならやるよ。取ってこいよ」

ポブルセン「っの野郎ぅゥウウウ〜〜〜!!」

当然ポブルセンは急ブレーキしてUターンし、ダッシュした。
こうすればネイよりも先にボールを抑えられるのは当たり前である。

272 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/20(水) 01:48:03 ID:/BJYohSg
メッツァ「えっ!?ちょっ、ポブルセン!」

ポブルセン「ぬわっ!がっ!てめえ、邪魔だ!」

ドタドタッ!
ドサッ!

同じくボールを確保しようとしていたメッツァと揉み合わなければの話だが。

ネイ「なんだよ、やっぱり要らないのか?じゃあお先に〜っ♪」

ポブルセン「キサマァアアアアアア!!」

放送「おおっとネイくんボールを浮かせ…それを取りに行ったポブルセンくんとメッツァくんが
ぶつかった隙に悠々突破!これは周りを良く見た上でのトリックプレイだ!」

若林「!翼、これは!」

翼「ああ…」

三杉「(ん?この二人のこの反応…まさか!)」

森崎「(ネイの奴、ひょっとして…)」

この時点でネイの新たな力に気付いたのはまだ少数だった。

カルツ「上手くやりやがったな。だが俺はそうは簡単に行かんぜよ!」

放送「だがカルツくんが寄せてきた!ネイくん、サイドライン際に追い込まれる!」

273 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/20(水) 01:49:53 ID:/BJYohSg
カルツ「(さあて、すぐ傍にラインがあるぜ。右か、それとも俺の股下か頭上か…どっちだ?)」

続くカルツはポブルセンの二の舞を踏むまいと慎重にネイをライン際に追い詰め、
ネイの選択肢を減らそうとした。ライン際に追い込んだ以上それ以上サイドアタックは出来ず、
狭い範囲で彼と勝負せざるを得ないだろうと判断した結果である。

だがネイの次のプレイは彼の予想を裏切る物だった。

ネイ「残念…こっちだぜ!」

ダダッ!

カルツ「なっ!?」

ネイは自分だけサイドラインを跨り、ボールをライン上に保ったままドリブル突破を図ったのだった。
それは本当にラインの上ぎりぎりで、近くに居た副審は思わず笛を吹きそうになった程である。

カルツ「くっ…このォ!」

ズザザーッ!

ネイ「遅いぜ!出直してきな!」

バッ!

意表を突かれたカルツが慌ててタックルを仕掛けても間に合う筈がなく、
ネイは余裕を持ってジャンプでかわし3人抜きを達成した。

この奇想天外な発想とそれを為し得るテクニックを併せ持った人種を何と呼ぶか、
知らぬ者はここには居ない。そしてネイがその人種に加入した事もこのプレイで理解された。

274 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/20(水) 01:50:58 ID:/BJYohSg
翼「間違いない。彼もファンタジスタだ!」

ファビオ・デルネイ・フロレンシオ。通称ネイ。彼もまたファンタジスタと呼ばれる人種だった。

放送「おお〜〜〜っ!更にネイくんライン際ではなくライン上のドリブルと言う神業!
これは素晴らしい!予想外のテクニカルなトリックプレイ!これは…これは正に
ファンタジスタ!ファンタジスタと言って良い、予想以上の華麗な美技でした!」

キャーーーーーーーーーーーーーー!!!

観客「ネイーーー!抱いてーーーー!」「すごーーーーい!!」「3人抜きよ!3人抜き!」
「そのままドイツなんかやっつけちゃえー!」「女どもウルセーぞ!」

若林「翼、ディアス、アルシオン、そしてネイ。これでこの大会にはファンタジスタが4人居る訳か」

三杉「なるほどね。君と翼くんがいち早く反応していたのはやっぱりこれか」

日向「ケッ、どいつもこいつも。まるでファンタジスタのバーゲンセールじゃねえか」

松山「でも、あいつただでさえ凄いドリブラーだったのに…あんな事まで…!」

中山「放っておくと何をされるか分からないが、かと言って対処しにくい。やり辛いな…」

森崎「…随分パワーアップしたな。ま、ブラジルならこれ位やってくるって事か」

275 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/20(水) 01:52:00 ID:/BJYohSg
上記5レスのコピペをお願いします。

276 :森崎名無しさん:2013/11/20(水) 07:38:56 ID:???
行ってきます

277 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/20(水) 20:04:26 ID:ef7QqGDs
ファンタジスタと言う世界でも極稀にしか見られない才能をネイが見せた事で
ブラジルユースの面々以外全てが驚愕を味わう。
だがそこからの展開はブラジルもドイツも観客も、誰も予想していなかった物になった。

放送「さあネイくん右サイドを深く抉る!ここからどうするのか?」

ネイ「(勿論こうするのさ!トニーニョ!)」

グワアアアアアアッ!

トニーニョ「(来い、ネイ)」

バッコォオオーーーーーン!

ミューラー「(アーリークロス?…いや、これは!)」

放送「ネイくんここで振りかぶって蹴った!弾丸性のアーリークロス…いや!?」

トニーニョ「(3、2、1…今だ!)」

グワアアアアアアッ!
バッシュゥウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!

放送「これはブースターシュートだァ!トニーニョくんがボレーで蹴り
速度を格段に増したボールがドイツゴールを襲う!」

ミューラー「…このっ!」

バッ!
バゴォオオオオッ!

ネイ・トニーニョ『なにィ!』

278 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/20(水) 20:06:36 ID:ef7QqGDs
それはミューラーがネイとトニーニョのブースターシュートを弾いた所から始まった。
二人分のキック力が足された事で凄まじいスピードで飛ぶこのシュートにはさしものミューラーも
対応に苦慮したが、それでもパンチングで跳ね上げる形で防ぐ事には成功した。

放送「かろうじて弾いた!ボールは高く浮いた!」

カルロス「(チャンス!)」

ダダダッ!
バッ!
グルルルルッ!

フライハイト「シェスター、コースを制限してくれ」

シェスター「任せろ!」

ダダダッ!
バッ!

放送「これにカルロスくんがローリングオーバーヘッドに!しかしフライハイトくんも飛びつき…!」

ガシィイイイイイッ!

カルロス「くっ!(遠かったか…?)」

フライハイト「(押し返せない…!)」

ポーーーーン!

放送「こぼれ球ーっ!ボールはペナルティエリア外の外へ!これをフォローしたのは…」

279 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/20(水) 20:08:23 ID:ef7QqGDs
続くカルロスのローリングオーバーヘッドはフライハイトが味方のサポートを得てこぼれさせた。
そしてザガロがこのボールをフォローし、それにポブルセンが追いすがった事でアクシデントは発生した。

ザガロ「邪魔すんな、どけっ!」

ポブルセン「てめえが消えろ!」

ガガッガッガガッ!!

放送「ザガロくん!しかしポブルセンくんが執拗にアタックしてくる!これは撃てないか?」

ザガロ「この野郎ーーーっ!!」

ガシュッ!
ブシャアアアッ!

ポブルセン「があああああっ!!?」

ドタッ。

ザガロ「あ…」

両チームの最も気性の荒い選手同士がぶつかりあった結果、どちらかが反則を犯すのは自明の理だったかも知れない。
今回先に手ではなく足を出したのはザガロであり、削られたポブルセンは足から流血しながら倒れた。

ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!

ポブルセン「………フシュルルルルルル…!」

ここからポブルセンの暴走が始まった。

280 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/20(水) 20:10:05 ID:ef7QqGDs
上記3レスのコピペをお願いします。

281 :森崎名無しさん:2013/11/20(水) 20:17:02 ID:???
行ってきます

282 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/22(金) 01:03:32 ID:PflVBqDQ
放送「あーーっとこれは反則!ザガロくんがポブルセンくんの足を削ってしまった!
審判が今ザガロくんに近寄って…ああーーーっ!!」

ビッ!

放送「イエローカード!イエローカードが出ました!この試合初の反則ですが
ゴールチャンスに焦って相手を怪我させてしまった事が厳しく判定されました!」

観客「あちゃー、やっちまったか」「ザガロめ。大会中はカードコレクター止めてくれよ」

ザガロ「ぐっ…!」

カルロス「何をやっているんだ。頭を冷やせ」

ディウセウ「まーたやってやがる。ホントにしょーがねーなーアイツは」

シュナイダー「(向こうの攻撃を止めたのはいいが、ポブルセンが負傷か…
ザガロにイエローカードが出た事を合わせてもあまり得とは言い難いな)」

ポブルセンが負傷した事で当然試合は一旦ストップし、ザガロはイエローを食らってしまう。
やや厳しめの判定かも知れないがそれに異を唱える者はおらず、
それよりもポブルセンの負傷の深さとこのアクシデントの影響がどう出るかにすぐさま意識を移す。

審判「大丈夫かね、君」

ポブルセン「………ルゥ………」

カルツ「あーこりゃ完全に出血してるな。タンカ持ってきてくれー!」

だが本当のアクシデントはこれからだった。

283 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/22(金) 01:05:23 ID:PflVBqDQ
クリストフ・ポブルセン。暴力的で自己中心的な性格とプレイスタイルで悪名高い旧東ドイツ出身のMFである。

彼の過去についてはあまり知られていない。
東ドイツの少年サッカーリーグでは記録上かなりの好成績を残していたのだが、その当時から既に
激しい気性を隠さなかったとも証言されている。だが貧しく不安定な東ドイツに見切りをつけ
命がけで西ドイツに亡命したのにも関わらず引き取ってくれるクラブが無かった事、
更に南米に渡っても何処にも買われなかった事が彼の性格を決定的に歪めた原因だと推測されている。
また本人はサッカー等好きではないと何回か公言しており、それもまた彼の歪みの一部だろう。

不幸な生い立ちだが同時に自業自得な人物。彼を知る者は大抵この様な評価を下すだろう。
そして似た様な境遇に負けず前向きに生きる者、例えば同じく東ドイツ出身のフライハイトなどが
居るのだから比較対象として見下し、ごく自然に嫌悪感を抱くだろう。
あるいは下を見たらキリがない、過去よりも未来を重視しろ等と正論を説くかも知れない。

ポブルセンはそう言った良識や正論と言った物が大嫌いだった。
彼にとって何よりも大事なのは自分の恨みと怒り、そしてそれらを堪能する為の暴力だった。
八つ当たりこそが自分の生き甲斐であり存在意義だと開き直っていた。
故に憎い日本やブラジルに翻弄されたり上手く復讐出来ていない
今大会のパフォーマンスに彼は満足していない。満足している訳がない。



ポブルセン「…ゥルルルゥァアアアアアアアアアア!!!」



よりにもよってブラジルユースの選手に怪我をさせられた今、彼は爆発した。

284 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/22(金) 01:07:08 ID:PflVBqDQ
シィーーーーーーーーーーン…

獣ですら発するとは思えない不気味な怒声をポブルセンが出した時、誰も何も言えなかった。
彼の容態を案じていた審判も、治療の準備をしていたドイツユースも、仕切り直しを考えていたブラジルユースも、
ブラジルを応援していた観客も、成り行きを見守っていた全日本ユースも、そして実況放送も。

スッ。
トサッ…

ポブルセン「シェスター、すぐに俺に渡せ」

シェスター「えっ!?」

審判「お、おい、君、血が出てい」

ギラッ!

審判「る…ん…」

そのままポブルセンは自らボールを地面にセットしシェスターにフリーキックを行い
自分にボールを寄越せと要求した。自分が流血しているのにも関わらずである。
審判はポブルセンの怪我を案じて彼を止めようとしたが、
その気遣いで得られたのは殺気に満ち溢れ血走った眼と見難く歪んだ凶悪な表情だけだった。

ポブルセン「笛を吹け」

審判「!!!」

ピ、ピィイイッ!

哀れな審判は本能的な恐怖に逆らえず要求された通りに試合再開の笛を吹いてしまった。

285 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/22(金) 01:08:57 ID:PflVBqDQ
シェスター「(ゲッ、マジかよ!?…いや、ここでやらせなきゃコイツ確実に乱闘する!
ええい、どうせ暴れさせるんだったらインプレー中の方がまだマシだ!)」

バコッ!

シェスターはポブルセンを良く知っていた分、ここで試合再開しなかったらポブルセンが
試合を滅茶苦茶にしてしまうだろうと瞬時に判断し要求通りフリーキックを蹴った。

ポブルセン「…シャァアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

ダカダカダカダカッ!

ザガロ「なっ!?」

ドゴォオオオッ!

ザガロ「グワァアアアアアッ!!?」

ブラジルメンバー『ザ、ザガロ〜〜〜ッ!!?』

そしてボールが受け取ったポブルセンが最初に行った事はブラジル陣内への突撃…ではなく
自分を負傷させたザガロをフレームドリブルで撥ね飛ばす事だった。

放送「…ハッ!?な、なんとポブルセンくん治療を拒否!試合がフリーキックで再開し…
ザ、ザガロくんをドリブルで吹っ飛ばしたァ!?何が起きているのでしょうかこれは!」

286 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/22(金) 01:10:10 ID:PflVBqDQ
上記4レスのコピペをお願いします。

287 :森崎名無しさん:2013/11/22(金) 07:47:58 ID:???
行ってきます

288 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/22(金) 23:27:16 ID:PflVBqDQ
観客「あああ〜っ!?」「おい、プレイ止めるんじゃなかったのよ!」「治療拒否か?」
「つーか今わざとザガロに当たりに行ってたぞ!」「何しやがるこの放火魔野郎!」

翼「あっ…」

若林「あの馬鹿らしいな…」

日向「フッ、良い根性じゃねえか。馬鹿だがな」

カルツ「無茶するなポブルセン!怪我を悪化させる前にワシに…」

ポブルセン「ガァアアアアアアアアアアアアアア!!」

ダダダダダッ!

カルツ「だぁ〜っ、聞きゃしねえ!」

ザガロを吹っ飛ばしたポブルセンは更なる奇声と共にブラジル陣内に向かって中央突破を図った。
観客がどよめこうと味方が宥めようと耳を貸す事なく一目散に走るその姿は
誰の目にも彼らしい怒り任せの愚行にしか見えなかった。
怪我をしたのに治療もしないまま単独でドリブル突破を仕掛けるなど、
例えドリブル能力に自信があっても常識的には無謀かつ危険である。

サンタマリア「(馬鹿め、頭に血を上らせて痛みを無視しても怪我の影響は確実に出る。
しかも負傷悪化のリスクを背負ってまでやる事がただの単独中央突破だと?下策の極みだ!)
マウリシオ、時間差で左右から挟むぞ!念の為ジェトーリオとドトールも中央に詰めておけ!」

マウリシオ「アイサー!」
ジェトーリオ「了解―っと」
ドトール「任せろ」

289 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/22(金) 23:29:28 ID:PflVBqDQ
当然ブラジルはすぐに対処し、サンタマリアとマウリシオが中盤でボールを奪いに行く。
万全状態ならまだしも負傷したポブルセンならボールを奪える確率は高い筈だった。

しかし彼らは即座に思い知る事になる。狂人は時として人の常識を覆し限界を超えてしまう事を。

ポブルセン「死ね!」

ギュウンッ!
ドガガガガッ!!

マウリシオ「えっ!?ぎゃああああああああああっ!!」

サンタマリア「な…何だと!?」

ポブルセンの動きは怪我をしていなかった数分前より鋭くなっていた。
彼のドリブルはパワーとスピードの両方が増しており、マウリシオは哀れにも盛大に吹き飛ばされた。

サンタマリア「(馬鹿な!そんな事は有り得ない!何かの間違いだ!)」

サンタマリアはワンプレイでそれが分かった。だが今まで培ってきた彼の常識と理性がそれを受け入れられなかった。
どんな名選手でも怪我をしたらハンデを負うのは当然。精神力や小細工でそれを補う事や乗り越える事なら出来るだろう。

ポブルセン「殺してやる!」

ズガガガガッ!

サンタマリア「ぐわああああああああ!!」

だが何処に怪我をしたら逆上のあまり普段より明らかに強くなる選手など居るだろうか?
そこまでの怒りと恨みを燃やせる選手などサンタマリアも見た事がなかった。
故に本当にそんな選手が目の前に現れてしまった時、彼にそれを止められる筈がなかった。

290 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/22(金) 23:30:31 ID:PflVBqDQ
放送「あああああ〜っ!?更にポブルセンくん中央突破でマウリシオくんとサンタマリアくんを
暴走列車の如く撥ね飛ばしたァ!何故怪我を治療しない状態であんな事が出来るのか!?
彼は痛みを感じないのでしょうか?目の前の光景が信じられません!」

観客「な、なんだそりゃああああ!?」「血を見てキレたのか?それでパワーアップか?」
「バカ野郎、脚の怪我ってサッカーだと致命的なんだぞ!それでパワーアップ出来て堪るか!」
「でも明らかに勢いがさっきより強くなってるぞ!」「ヤバいぞ、守れーーーーっ!!」

ポブルセンがそんな特殊な選手だとは誰も知らなかった。

翼「な…なんなんだアレは若林くん!明らかに動きが悪くなるどころか良くなったよ!?」

若林「知らん!俺もこんな状態の奴は見た事がない!」

日向「…なんだあのキチガイは。どうなっていやがるんだ」

三杉「彼の狂気の為せる技か…?だとしても、こんな事が人間に可能だなんて…」

松山「ブラジルは完全にパニックに陥っているぞ!」

森崎「おいおい、まさか本当にこのまま一人でゴールしたりしねえだろうな…?」

観客と全日本ユースは勿論、味方のドイツユースの選手達でさえ知らなかった。
ただ彼らはポブルセンと日常的に接していた為、誰よりも早く“ポブルセンなら有り得る”と
割り切る事が出来、その割り切りが彼らに先手を打たせてくれた。

シュナイダー「(なんて事だ!まさか奴がこれ程まで狂っていたとは!如何にポブルセンでも
信じ難い…だが、目の前にあるのは現実だ。そう、俺達にとって有利な現実。
ならばその現実から逃げる理由も、この奇貨を逃す理由もない!フライハイト!)」

フライハイト「(ああ、またとないチャンスだ。アレを使う)」

291 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/22(金) 23:31:57 ID:PflVBqDQ
上記3レスのコピペをお願いします。

292 :森崎名無しさん:2013/11/22(金) 23:39:11 ID:???
行ってきます

293 :森崎名無しさん:2013/11/22(金) 23:40:44 ID:???
完了しました

294 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/23(土) 14:54:54 ID:jBrO0HR2
放送「ポブルセンくんが上がる上がる!相変わらず彼はパスなどしそうにありません!
しかし今は彼の中央突破が得体の知れない脅威となっているのです!早く止めないと危険だ!」

観客「わ〜〜〜っ、何やってやがる!」「早く止めろ!止めろってば!」「そいつに撃たせるなーっ!!」

ディウセウ「落ち着け皆ァ!ジェトーリオとドトールはサンタマリアの指示通りに守るんだ!
アマラウ、もしもの時はオラ達で意地でも止めっぞ!」

アマラウ「分かってる!あんな奴に好き勝手にさせて堪るか!」

ドトール「行くぞジェトーリオ。パターンDで頼む」

ジェトーリオ「Dかよ〜。全くもう、僕に厄介ごと押し付けて…」

同点ゴールを狙おうとしていた矢先のハプニングにさしものブラジルユースの面々も
動揺を隠せなかったが、それでも状況を制御下に置こうと適切な対処はした。
まずはジェトーリオがカペロマンのマークを離れてドトールより一足先にポブルセンに近づく。

クイッ、クイッ。

ジェトーリオ「(ほら、ほら、掴んじゃうよ〜)」

ドトール「(よし、気がそらされている内に回り込めば…)」

ジェトーリオはつかず離れずの距離を取ってからこれ見よがしに手で何かを摘む仕草をしてみせた。
彼の得意とする審判に見えない様にユニフォームを引っ張りその鋤にボールを奪う
通称ダーティディフェンスを仕掛ける事を暗示しているのである。
そしてそれは実際には囮であり、ポブルセンがジェトーリオに気を取られた所に
ドトールが横からスライディングタックルで奪うのが彼らの狙いだった。

だがポブルセンはそんな物に惑わされずに済む方法を思いついていた。

295 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/23(土) 14:56:08 ID:jBrO0HR2
ポブルセン「くたばれ!」

バゴオッ!

ジェトーリオ「ぶぼぉおおおお!?」

ドサッ…

ドトール「なっ!?」

放送「ジェトーリオくんがここでマークについ…あああっ!?こ、これはシュートだったのか、
それともマーガスくんへのフィードだったのでしょうか?ポブルセンくんが蹴り出したボールが
ジェトーリオくんの顔面に直撃!ジェトーリオくん堪らず崩れ落ちてしまったァ!」

観客「なんだとォ!?」「絶対わざとだろ、アレ!」「ジェトーリオより外道な奴が居た!」

ポブルセンはジェトーリオの顔面目掛けてボールを蹴り、その衝撃で彼を倒してしまった。
凶悪ではあるがルール上はファウルにならない行為を食らってしまいジェトーリオは
ユニフォームを掴むチャンスすら与えられずに突破され、ドトールは一対一の勝負を強いられる。

ドトール「くそっ!」

ズザザァアアアアーッ!

ポブルセン「消えろ!」

ドガアアアッ!

ドトール「がはああああああ!」

そしてドトールもポブルセンの突破を許してしまい、いよいよポブルセンがヴァイタルエリアに侵入した。

296 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/23(土) 14:57:26 ID:jBrO0HR2
放送「ドトールくんもダメだぁあああ!!ポブルセンくん、まさかの5人抜き!
まさかまさか本当にこのまま一人でゴールしてしまうのか!?そんな惨劇が起きていいのでしょうか!」

観客「ぎゃあああああああああ!!」「止めろ!止めてくれー!」「何やってるんだ皆!」
「もう頼りになるのはディウセウとゲルティスだけだ!」「2点目なんか入れさせるなーーーっ!!」

ルディ「(ラ、ラッキーな出来事と言えるのかコレは…?)」

ロベルト「(ぎえ〜〜〜!何でこんな事になっているんだ〜!?)」

グワアアアアアアッ!!

ディウセウ「(来るっ!…ポブルセンはオラがなんとかする。ゲルティスおめえはシュナイダーを頼む!)」

ゲルティス「(シュナイダーがフォローに走りこんでいる事を確認。要警戒)」

そしていよいよポブルセンがシュートの為に足を振り上げた時、
ブラジルに残された守備陣はそれでもある程度の冷静さを保っていた。
ポブルセンを止めてももっと恐ろしいシュナイダーにねじこまれては何の意味もないのを
彼らはきちんと意識しており、シュナイダーがポブルセンをフォローする形で
走ってきているのを見逃さなかった。無論マーガスとカペロマンの位置確認も忘れていない。

ポブルセン「てめえら全員!死にやがれぇえええええええええええ!!!」

ブワッギュォオオオオオオオオオオオオオオッ!!!

そして遂にポブルセンのマーダーショットが放たれた。
フレームドリブルと同様、何時もより一段上の威力が乗せられたマーダーショットだった。

放送「撃ったーーーーー!!ポブルセンくんのマーダーショット!」

297 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/23(土) 14:58:53 ID:jBrO0HR2
ボグォオオオオオオ!!

ディウセウ「ぐぅ…ぁあああああ…!!」

約20分前に一本目のマーダーショットを見事トラップしたディウセウも今度は押し負けるかに見えた。

アマラウ「うぉーーーーっ!!」

バッ!
ガシイイッ!

ディウセウ「アマ、ラウ…すまねえ、なっ!」

ポーーーーン!
ドタドタッ!

アマラウ「ぐえっ!」

ディウセウ「ゲホッ…」

ポブルセン「ナ…ナニィイイッ!!」

それを救ったのがアマラウだった。彼はディウセウの背中に飛びつき支える事でかろうじて
ディウセウにシュートを弾かせる事に成功した。無論その代償は安くなく、ディウセウの下敷きに
なる形で倒されてしまうが息を切らしたポブルセンが追撃を加える事は出来なかった。

ダダダダッ!

シュナイダー「(よし。ここからなら蹴り込める)」

ただし、追撃はシュナイダーが加える気満々だった。

298 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/23(土) 15:00:14 ID:jBrO0HR2
放送「ディウセウくんとアマラウくん吹っ飛ばされ…ない!なんとか跳ね返しました!
二人の協力プレイです!ああ〜っとしかし、よりにもよってシュナイダーくんがねじこみにィ!」

観客「危ね〜〜〜っ!」「いや、まだだ!まだ危ない!」「ゲーッ!シュナイダーかよ!」
「止めろゲルティス、止めるんだ!」「もう頼りになるのはお前だけだァ!何とかしてくれ!」

ゲルティス「(ネオファイヤーショット…さっきの軌道をリプレイし、シミュレートするんだ…)」

この場面でシュナイダーのネオファイヤーショットを予期しない者など居なかった。
誰もがあれこそがドイツの最強の主砲だと知っており、この試合でも先制点を上げているそれを
意識しない訳がない。それに匹敵する主砲がもう一つあるなどと誰も予想出来ない。

ピタッ。

ゲルティス「!?」

だが事実、ドイツはネオファイヤーショットに匹敵する切り札をもう一枚隠し持っていた。
それを使う為にシュナイダーは一瞬だけ立ち止まり、何かを待つ。

ダダダダッ!

彼が待っていた物。それはアイコンタクトで呼び寄せていたフライハイトの存在だった。

ゲルティス「(フライハイト!?まさか、ウォッシャードライブ?だが今は晴天…これは!)」

コインブラ「(来た!これが奴の隠していた切り札か!)」

放送「おや?シュナイダーくん立ち止まった…と思ったら誰かが後方から走ってきた!こ、これは!」

299 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/23(土) 15:01:55 ID:jBrO0HR2
        グワアアアアアッ!                      グワアアアアアッ!

       ブラジルメンバー「なにィ!」「ツインシュートだとォ!?」「あの二人が!」

  ゲルティス「(既存データ無し!参考データ…日本のドライブタイガーで代用!演算…時間不足!!)」

                  森崎「あいつら…まだこんな物を…!!」

シュナイダー「 F I R E ! ! 」         フライハイト「 D R I V E ! 」

                バギュゥゥルゥウウウウウウウウウウウッ!!!!

                   ゲルティス「ハァアアア!!」

        そのシュートは翼と日向が使えるドライブタイガーツインシュートと良く似ていた。
         物凄い速度と威力を持ったボールが幾重にもぶれながら急上昇から急降下と言う
               厄介極まりない軌道を描く点ではそっくりだった。

             ゲルティス「(…防御、不能!!)アガアアアアアッ!!」

                       ドガアアアッ!

                 しかし威力と精度はこちらの方が上だった。
             そしてそれ以上にネオファイヤーショットを警戒していた所に
                全くの新技を出されたのが大きかった。大きすぎた。

                        バリィイッ!
                       ブスブスブス…
                       ブギュルルルル…

               ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

300 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/23(土) 15:03:07 ID:jBrO0HR2



ブラジル 0−2 ドイツ



大会得点ランキング(表記はメインキャラのみ):
10ゴール シュナイダー、ストラット
9ゴール 日向
8ゴール カルロス、ディアス
6ゴール ザガロ
5ゴール 火野、ビクトリーノ
4ゴール 翼、カペロマン、森崎、ランピオン、カマーチョ
3ゴール ポブルセン、ナポレオン、ピエール、チャンドラー、ロリマー、ミハエル、サトルステギ
2ゴール トニーニョ、マーガス、李邦内、李邦坤、アルシオン、イスラス、レンセンブリンク、三杉
1ゴール ルーク、肖、岬、山森、フライハイト、ネイ、ロペス、ガルシア、クライフォート、
     カイザー、マッハー、クリスマン、政夫、ディウセウ、マウリシオ

大会アシストランキング(表記はメインキャラのみ):
6アシスト アルシオン
5アシスト サンタマリア
4アシスト 岬
3アシスト マーガス、翼、ダ・シルバ、ネイ、チャンドラー、火野、パスカル、ランピオン、
2アシスト カペロマン、カルロス、バンビーノ、カルツ、ピエール、王、森崎、トニーニョ
1アシスト フライハイト、カルツ、メッツァ、テイラー、飛、山森、早田、ビクトリーノ、エスパダス、クリスマン、イスラス、
      シェスター、バビントン、クライフォート、カイザー、和夫、ジェトーリオ

301 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/11/23(土) 15:04:09 ID:jBrO0HR2
上記7レスのコピペをお願いします。

302 :森崎名無しさん:2013/11/23(土) 15:46:01 ID:???
いってきます

303 :森崎名無しさん:2013/11/23(土) 15:50:10 ID:???
完了しました

304 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/04(水) 00:05:31 ID:ETY9hKHw
放送「ゴ…ゴ…ゴォオオオオオオオオオオオ〜〜〜〜ルゥウウウウウウウ!!!
ぜ、前半36分、ドイツが、ドイツが…!シュナイダーくんとフライハイトくんの
ツインシュート…ファイヤードライブツインとでも言うべきでしょうか…
ツインシュートでゲルティスくんを吹っ飛ばし、2点目…2点目です!
ブラジル、無得点のまままさかの2点リードを許してしまいました〜〜〜〜!!」

まさかのドイツの追加点を実況は悲鳴の様にアナウンスした。

ブゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!

観客「何やってやがんだーーーっ!!」「てめえらそれでもセレソンか!」
「よりにもよって2点リードだと!?わざとやってんのか!」「お前ら負けたいのかァ!」
「ゲルティスッ!貴様イタリアで何を学んできたんだ、八百長のやり方か!?」
「ポブルセンなんかをあそこまで好き勝手やらせやがって!」「まだ1点も取れてないじゃないか!」
「お前ら全員そのユニフォーム脱げ!今すぐだ!」「ブラジルの恥どもめーーーっ!!」

それを聞くのを待っていたかの様に観客の大多数が物凄い騒音を立てる。
彼らはドイツがどれ程凄いプレイをしようとどんな想定外のアクシデントがあろうと
そんな事は関係ないとばかりに敵を力で捻じ伏せるブラジルの姿を期待していたのだ。
その期待がこのままでは惨敗しかねない程のペースの連続失点と言う無様な展開で
裏切られては彼らに怒るなと言う方が無理である。

葵「うわっ、凄いブーイング…セリエAにも劣らないやこりゃ」

赤井「ぼ、暴動にならないだろうな…?過去にいくつか例はあるぞ…」

山森「万が一の時は、最寄りの出口に避難した方が良さそうだね」

305 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/04(水) 00:06:46 ID:ETY9hKHw
松山「それにしてもまさかドイツが前半の内に2点リードとはなあ…」

三杉「展開的にはむしろ押されていた筈なのに、冷静に戦況を見極めチャンスを物にしたね」

若林「ファイヤードライブと言う切り札を隠し持っていた事、それを躊躇なく切った事、
ポブルセンの予想外の暴走をむしろ好機と見なした事…好判断が重なった結果だな」

日向「あのキチガイの評価を上げざるを得ないか…つくづくバカとハサミは使い様だな」

早田「なんだよこりゃあ。ハッキリ言ってブラジル大ピンチじゃねえか」

次藤「味方の筈の観客まで敵に回しちょるばい。どげんすっとね?」

翼「……………」

森崎「……………」

全日本ユースの面々も予想外のスコアにざわめく中、翼と森崎は沈黙を保っていた。
修行先に選んだブラジルがまさかこんな体たらくになるとはと驚く一方、
リオカップではブラジル人ではない彼らが主役だった事も思い出してある意味納得していたのだ。
間違いなく強いのだが、それでも無敵には程遠いのかも知れないと。

この様に誰もがドイツの快調とブラジルの苦境を否定できなくなったこの瞬間、
当事者達はどんな精神状態で居ただろうか。

306 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/04(水) 00:08:32 ID:ETY9hKHw
ブラジルメンバー「………」「くそっ…」「やっべぇ〜」「ひゃー、ブーイングが…」

シュナイダー「(よし。流石にダメージは小さくないな)」

ブラジルユースの選手達は精神的ダメージに耐えていた。逆に言えばそれを隠す余裕はなかった。
それをしっかり観察したシュナイダーは満足気に頷き、次に息を荒げるポブルセンに振り返った。

ポブルセン「てめえ…」

シュナイダー「余計な事を、等とは言わんだろうな?お前があのままゴールを決めていたら
それはそれでとても有り難かったぞ。その前の活躍だけでも十分だったがな」

ポブルセン「クソが…偉ぶるんじゃねえ…」

シュナイダー「人を威嚇したいのならせめて息を整えてからにしたらどうだ?
ついでに治療も今の内に受けてこい。さもなくば負傷悪化で憎いブラジル相手に最後まで戦えず、
日本との決勝戦もベンチから見ているだけと言う下らん結末になりかねんぞ」

ポブルセン「俺に指図…するんじゃねえ…」

ザッザッザッ…

ポブルセンは先程のワンマンプレイで激しく消耗していた。勿論怪我も未治療のままである。
それを指摘し嫌々ベンチに向かわせるのはシュナイダーにとって容易い事である。
そのままフライハイトと共にドイツ陣内に引き上げると他の仲間達に歓迎された。

カルツ「奴さんは本当にどうしようもないのう。今回は奴の暴走が役に立ったが」

フライハイト「…ある意味扱いやすい奴ではあるさ」

307 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/04(水) 00:09:39 ID:ETY9hKHw
カペロマン「お前らも大概な性格だよな」

シェスター「ともあれ、ナイスゴール!絶好調じゃないか」

マーガス「そうそう。ブラジルの奴ら顔を引きつらせてたぜ」

シュナイダー「ああ。1点ならまだしも、2点リードされると言うのは非常に大きい。
如何に猛者揃いのブラジルと言えど、ダメージは隠しきれないし自国民まで敵に回した。こうなると
ホームアドバンテージも逆にプレッシャーとして害の方が勝り、またブラジルだからこそ
“こんな筈じゃなかった”と言う焦りも大きいだろう。奴らの心は最早ヒビだらけになっている」

カルツ「それじゃ、早めに3点目を狙いに行くのかい?」

シュナイダー「…いや、こっちの消耗も激しいからそれは後半に狙った方がいいだろう。
ハーフタイムの時点で2−0のままなら向こうは更に焦り、後半の早い内に隙が生じる。
そこにトドメを刺すのが理想的な展開であり、勝利への方程式だ」

メッツァ「じゃ、前半の残りはマイボールになったら遅攻だね。了解」

シュナイダー「そうだ。今大会優勝候補大本命としてもてはやされ、苦戦らしい苦戦を
しなかったブラジルは精神的な限界が近い。そこを容赦なく突き崩すぞ。気合を入れろ!」

ドイツメンバー『おう!!』

ここでシュナイダーは試合の残り時間、自分達の消耗、そして敵の状態を考慮し
勝ちを焦らず改めて冷静に戦う事を呼びかけた。勝負に徹するリアリストの彼らしい指示と言えよう。

だが彼は一つ知らない事があった。
ブラジルユースの選手達が大会前に自信を粉々にされた経験があると言う事を。
驚愕と絶望と屈辱に対する耐性と、そこから立ち直れる強さを持っていると言う事を。

308 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/04(水) 00:10:57 ID:ETY9hKHw
上記4レスのコピペをお願いします。

309 :森崎名無しさん:2013/12/04(水) 00:11:40 ID:???
行ってきます

310 :森崎名無しさん:2013/12/04(水) 00:14:10 ID:???
完了です

311 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/05(木) 07:32:27 ID:cn6cxfRg
放送「スタジアムが崩壊しそうな程のブーイング!観客は不甲斐ないブラジルユースに
怒りを露わにしています!勿論もしこのまま負けてしまっては更なる批判を避けられません!
なんとか逆転の一手を打って欲しい所ですが、ピッチレポーターによると今の所
ブラジルベンチが動く様子は無いそうです!ロベルト監督も無表情で腕を組んでいるだけです!」

観客「ロベルトーーー!何やってんだこのピンチで!」「早く何か手を打てよ!何かあるだろ!」
「このままじゃ何も出来ないままでやられるぞ!」「黙って見ていりゃ逆転出来ると思ってるのか!」

ロベルト「……………」

観客の怒りはとどまる所を知らず、当然の如く選手達だけでなく監督のロベルトにも向けられる。
だが当のロベルトは指示を出すのでも選手交代を行うのでもなく、微動だにせず無言でいるだけだった。
この状況でそれを好意的に受け止められる筈がなく、更にいきり立った観客たちは別の対象に怒りを向けた。

観客「誰か何とかしろよ!スーパーサブとかさ!」「スーパーサブと言えば…10番のアイツはどうした!」
「コインブラとか言う10番を持ってるクセに試合に出てこないアイツは何やってんだ!」
「この大会一度も試合に出てねーじゃねーか!」「10番持ってるんならさっさと何とかしろーっ!!」

その対象は勿論、謎の10番であるコインブラ。
この大ピンチを覆すヒーローを求める者達は期待に応えようとしない選手に罵倒を浴びせ、
挑発によって力を引き出そうとする。それがコインブラの心に響く事を願って。

コインブラ「(…やはりこうなったか。親父にもこんな事をしていたんだろうな)」

しかし彼らが怒れば怒る程コインブラの心は冷えるばかりだった。

312 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/05(木) 07:33:33 ID:cn6cxfRg
コインブラ「(分かっただろうカルロス。頂点を目指すのは成功しても失敗しても空しい事が。
そしてお前たちではドイツに勝てないと言う事が。それでも尚お前たちは足掻き続けるのか?)」

コインブラは観客の罵声など全く聞こえていないかの様にひたすらフィールドを見続けた。
カルロス達が絶望のあまり彼に助けを求めるのか、それとも絶望の中でもがき続けるかを確かめる為に。

だがカルロス達の反応はそのどちらでも無かった。



カルロス「…皆、怪我はないか?」

ブラジルメンバー「俺は大丈夫だ」「ああ、何とかなァ」「もう確認した、一人も負傷者はいない」

カルロス「そうか、不幸中の幸いと言う奴だな」

カルロスがまず最初にした事は怪我人の有無の確認だった。あれだけ盛大にポブルセンに
暴れられたブラジルユースだったが幸いにも誰も怪我しておらず、治療の必要は皆無だった。

チラッ。

カルロス「………」

コインブラ「………」

そして次に彼が行ったのは平淡な表情で自分達のベンチを見る事だった。
自然とコインブラと視線が合い、一瞬だけ二人の間に目に見えない火花が散る。

313 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/05(木) 07:34:40 ID:cn6cxfRg
だがそうしていたのはほんの1秒程度で、すぐに彼はチームメイト達に向き直り朗々と問いかけた。



カルロス「それでは、コインブラを頼ろうなどと考えている軟弱者も居ないだろうな?」



ザガロ「…当ったり前だ!死んでもそんなマネをして堪るか!」

ネイ「嫌だよ。カッコ悪いし、それで勝てたとしてもサッカー選手失格だろ」

最初にそれに答えたのはもっともプライドが高く気性も荒いザガロだった。
それにネイが続き、その他の選手達も次々と異口同音にコインブラの参加を拒否する。

アマラウ「俺だってお断りだ!いくらアイツに実力があろうともな!」

ディウセウ「2点取られたからってそんだけで諦める程オラは柔じゃねえぞ」

マウリシオ「そんな事する位ならいっそボイコットした方がマシっスね!」

ジェトーリオ「大体アイツが入ったからって状況が良くなる保証もないじゃん」

ドトール「そもそもコインブラはチームにフィットしていない。特に精神的にな」

トニーニョ「俺達がいくらプロフェッショナリズムに徹しても、奴の方にその意識がない」

サンタマリア「戦力的な意味でも反対だ。デメリットがメリットを上回る確率が高過ぎる」

ゲルティス「コインブラの力で勝つ事は他のフィールダー全員の士気と自信を代償とするだろう」

314 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/05(木) 07:35:40 ID:cn6cxfRg
コインブラに頼って勝たせてもらおうと考える者は誰ひとりとして居なかった。
カルロスは満足気に頷き、握り拳を作って熱弁を振るう。

カルロス「俺も正に同意見だ。サッカー選手としてのプライドを犠牲にし、たった一人の力を頼って
得た勝利など何の価値もない。それどころか頼ろうとした結果負ける危険性も高い。
そんな状況では絶対にコインブラは投入できない。監督もそれが分かっているから何もしないんだろう。
今ただただ無言で座っているのは俺達の力で勝ってみせろと言っているんだ。
それが出来ないのならコインブラを加える意味も世界一になる資格も無いとな」

ブラジルメンバー『……………』

カルロス「コインブラに出番があるとしたら、俺達を認めさせた後の決勝戦だ。あいつは昨夜俺にこう言った。
“自分抜きならドイツが3−2で勝つ”とな。そして俺は誓った。その予想を覆してみせると。
そして俺達にはそれが出来る筈だ。ドイツは2点リードしたが、元々俺達のゲームプランでは
2点以上取るつもりだった。ゲルティスがさっき言った事を加味すれば3点以上も取れる筈だ」

ブラジルメンバー『……………』

カルロス「勝つぞ皆!コインブラの驕りも、観客の怒りも、ドイツの誇りも全て
俺達の力で打ち砕き、俺達がセレソンだと証明するんだ!!」

ブラジルメンバー『おおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!』



彼の熱弁に対するブラジルユースの選手達の気合が衝撃波の様にスタジアム中に響き渡った。
自分達はまだ死んでいない、負けていない、そうなるつもりも毛頭ないと宣言していた。

315 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/05(木) 07:36:53 ID:cn6cxfRg
観客「おおっ!?まだやる気だぞアイツラ!」「空元気じゃねーだろうなオイ!」
「さっさと結果を出せよ!せめて前半の内に1点入れておかないと本格的に不味いぞ!」

放送「おお〜〜〜っと!!ここでブラジルユース気合を入れ直しました!
絶対に逆転してみせると言う強い意志を感じさせる声でブーイングが収まりました!
この気合が今度こそ空回らない事を心底願いたいものです!」

それは観客と実況からの信頼を回復させ。

シュナイダー「(何!?何だこの気迫は…虚勢…違う。自棄…違う。開き直り…違う!
自分達の力と勝利を疑っていない自信だ!何故だ、この状況で何故気迫が衰える所か増すんだ!?)」

ドイツを戦慄させ。

森崎「あれ…?あいつら、全然堪えてないのか?ほんの少しも?」

翼「…カルロスは一体どんな魔法の言葉を使ったんだ?」

全日本を困惑させ。

コインブラ「……………!?」

コインブラをも驚愕させた。



ロベルト「(どどしよっどどしよっどどしよっポーカーフェイスなんでなんで2点もリードされてるの
ポーカーフェイスああああ何か手を打たないと何も思いつかないポーカーフェイス
このままじゃ負ける負ける負けるポーカーフェイスヤバいヤバいピッチレポーターがこっち見てる)」

ロベルトは冷静を装うのに精一杯で何も気付いていなかった。

316 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/05(木) 07:37:55 ID:cn6cxfRg
上記5レスのコピペをお願いします。

317 :森崎名無しさん:2013/12/05(木) 07:50:03 ID:???
行ってきます

318 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/06(金) 00:22:48 ID://9Nm2j6
ピィイイイイイイイイイイッ!

放送「ブラジルユースのキックオフ!前半はロスタイムを含めても後精々10分!
後半になる前に何とか1点返しておきたい所ですが、どうするのでしょうか?
まずはパスワークからマウリシオくんにボールが渡りました」

2点リードされてもブラジルは攻め方を変えなかった。
元からシュートを数多く撃つ事には成功しているのだからわざわざ変える必要などないだろう。

マウリシオ「さーて、サイド突破サイド突破」

カペロマン「そう簡単に出来ると思ってるのか?」

マウリシオ「出来るよ。ジャパンカップの時もそうだったけど…」

バババッ!

カペロマン「うっ!」

マウリシオ「やっぱりアンタ守備下手だよな!」

グワアッ…
バコッ!

放送「まずはマウリシオくん左サイドを突破!そのままカルロスくんにパスを出しました!」

シェスター「甘いぞ!ニンポー・ホウセンカ!」

ギュルンギュルンギュルン…!
パシッ!

319 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/06(金) 00:24:08 ID://9Nm2j6
マウリシオ「げっ!?」

放送「しかしこれはシェスターくんがカット!やや甘いパスだったか?」

シェスター「よし、またこっちの攻撃だ!」

バコォン!

ネイ「そうは…」

スススッ…
シュッ!

ネイ「いくか!」

パシッ!

放送「おっと、ネイくんがカットし返した!ブラジルのチャンスはまだ続きます!」

シェスター「なにィ!?一体何処から!」

カルツ「(シェスターの視点だと、ワシの陰に隠れていた様に見えたのか…?)」

岬「上手いなあ。パスカットに向かっている事に気付かせなかったよ」

森崎「ネイの奴また新技を…前はパスカットなんて得意じゃなかったのに」

320 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/06(金) 00:25:11 ID://9Nm2j6
ドイツメンバー「マズい!」「ブースターシュートが…!」

ネイ「おっと、そうとは限らないぜ!」

バコッ!

放送「ネイくんパス!トニーニョくんにボールが渡りました!ここはシュートレンジだ!」

トニーニョ「ナイスパス」

グワァアアアアアアアアアアアッ!!

ドイツメンバー「えっ?ただのグラウンダーのパス?」「今更ただのドライブシュートか?」

ミューラー「(ただのドライブシュート…じゃないな。奴はミラクルドライブも撃てる。それにあの蹴り足は…)」

翼「あ。これはフライングドライブだ!」

トニーニョ「いけェ!」

バッシュゥウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!
ギュルルルルルルルン!!

ミューラー「バレバレだ!」

バッ!
ブォンッ!
バキィイイイイイイイイイイイイッ!!
プシューーー…

321 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/06(金) 00:26:45 ID://9Nm2j6
トニーニョ「くっ…まだ入らないのか…」

ミューラー「ふー…」

放送「しかし…ダメです!ミューラーくんのミョルニル炸裂!トニーニョくん通常の
ドライブシュートではなく斜め回転のフライングドライブを撃ちましたが、
それでもドイツの雷神には通用しなかった!何という難攻不落ぶりでしょうか!」

観客「だああああ、また防がれた!」「畜生、もっと強力なシュートは撃てないのかよ!」

ドイツメンバー「よーし、流石ミューラー!」「その程度じゃ通用しないぜブラジル!」

森崎「トニーニョのフライングドライブか…まああいつキック力大した事ないしな」

翼「(ブラジルユースはもっと強力なシュートを用意してこなかったのか?
チームにゲルティスが居る以上、どれ位のシュートなら世界最高クラスのGKを
現実的な確率で破れるか分かっていなかった筈はないだろうに…本当に数を撃つだけなのか?)」

だがシュートに持っていけても肝心のシュートが悉く防がれる。
いずれはミューラーもミスをするかも知れないが、このままでは逆転は至難の業。
誰もがそう思っていた。

ブラジルメンバー「(良い気になりやがって…)」「(大丈夫だ。必ず作戦の効果は出る!)」

ゲルティス「(………恐らく、次だ。次のシュートで…)」

ブラジルユースの選手達以外は。

322 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/06(金) 00:29:05 ID://9Nm2j6
上記4レスのコピペをお願いします。

323 :森崎名無しさん:2013/12/06(金) 00:29:18 ID:???
行ってきます。

324 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/11(水) 00:42:04 ID:be3nSDWE
バッゴォオオオオオオン!

放送「ミューラーくんのゴールキック!これは前線に一気に届けるハイボールだ!」

ドイツは再びマーガスのポストプレイからのカウンターを狙った。

ディウセウ「わりっ、ちょっと息切れだ。ドトールカバーしてくれ」

ドトール「そう予想していた」

アマラウ「行くぞドトール!」

マーガス「よし、ディウセウが来ないなら…!」

ドドドッ!
バッ!バッ!バッ!
ガシィイイイン!

アマラウ「甘いなァ!」

バシィイイイイイイン!!

マーガス「なにィ!?」

放送「しかし今回はアマラウくんが競り勝った!そうそう何度もポストプレイが成功する物ではありません!
このこぼれ球はサンタマリアくんがフォロー!まだブラジルの攻撃は続きます!」

観客「シュートを跳ね返されてカウンター食らうのは見飽きたぞ!」「いい加減何とかしろー!」

これはアマラウが競り勝った事で失敗に終わり、再びブラジルが攻撃権を得る。

325 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/11(水) 00:43:59 ID:be3nSDWE
サンタマリア「(何とか、か。確かに何とかしなくてはならないな)」

ポブルセン「考え事してんじゃねえ!」

カペロマン「お前なあ、奇襲なら黙ってやれよ」

サンタマリア「(まずはこいつらからだ。どうせカペロマンは守備はサポートする気しかない)」

シュッ!

カペロマン「うおっ!?」

ポブルセン「てめえ、逃げんな!」

サンタマリア「(よってまずはカペロマンに近寄り、手柄を焦るポブルセンを怒らせ)」

パコッ!

カペロマン「わっとっ!?」

ポブルセン「おいっ!?」

サンタマリア「(二人の中間、ややカペロマン寄りの位置にボールを蹴りだし)」

ダダダッ!

カペロマン「なっ…やられた!」

ポブルセン「クソがっ!」

サンタマリア「(”お見合い”を誘発させてから一気に抜き去る!)」

326 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/11(水) 00:45:33 ID:be3nSDWE
次にサンタマリアが頭脳的なドリブルを駆使し、前線に切り込んだ。
こうして再びブラジルがシュートチャンスを得、今度はどうするのかが注目される。

放送「サンタマリアくん二人抜き!良い位置に駆け込んだ!さあここからパスを出すのか、
それとも自分で撃ちに行くのか?しかし最早攻撃パターンはあらかた試されつくした感が拒めません!」

松山「ブラジルは次はどうするんだ?もうドイツも慣れてきた感があるぞ」

三杉「大きな切り札がない限りは、ドイツの油断を待つしかなさそうだが…」

岬「切り札を持っているとしたら、カルロス・サンターナかな?」

ドイツメンバー「(来るなら来い)」「(何度でも防いでやる)」

ミューラー「(さあ、次はどいつが撃ってくるんだ?)」

サンタマリア「………」

タタッ…
ガコッ!

ドイツメンバー「えっ」「なんだ!?」

ここでサンタマリアがしたのは走りながらの突如のバックパス。そこには誰もシューターは居ないかと思われた。

ダダダダッ!

ジェトーリオ「チャ〜ンス♪」

だが実際にはジェトーリオがマーク無しで走り込んでいた。

327 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/11(水) 00:46:56 ID:be3nSDWE
放送「おっとここでサンタマリアくんヒールパス?これを受けたのは…ジェトーリオくんだ!」

グワアアアアアッ!

放送「ジェトーリオくん振りかぶる!得意のドライブシュートか?」

ジェトーリオ「いけェーーー!!」

バシュゥウウウウウウウウウウウウウッ!!
ギュルルルルルルル!

翼「ドライブシュート!…いや、本当にただのドライブシュートだな」

若林「あの程度じゃミューラーにはまず通用しないだろうに…」

ジェトーリオは撃った。得意のドライブシュートを。フリーで撃てた分勢いはあったが、
それでもミューラーを脅かせるとは思い難いただのドライブシュートであった。

ミューラー「…フンッ!」

バッ!
バコォオオオオオオオオオオン!!

そしてそれは当然の様に悠々とパンチングで跳ね返された。大抵の者はこう思っただろう。
無駄撃ちになった。やはりあの程度のシュートではミューラーのセービングは破れないと。

ブラジルメンバー『!!!』

だがブラジルユースの選手達だけはミューラーのセービングに違う物を見た。
それはすなわち、彼らが待ち望んでいた勝機と希望だった。

328 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/11(水) 00:48:24 ID:be3nSDWE
上記4レスのコピペをお願いします。

329 :森崎名無しさん:2013/12/11(水) 08:18:56 ID:???
行ってきます

330 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/12(木) 01:33:15 ID:pRl6buzY
カルロス「(来た!ゲルティスが正しかった!今のセービングを見て確信した!)」

この勝機に誰よりも激しく真っ先に食いついたのがカルロスだった。
ブラジルユースキャプテンとしての不屈の闘志と
世界屈指のストライカーとしてのゴールへの嗅覚両方が彼に叫んでいた。
こここそが勝負所であり、ここで得点しなければならないと。

放送「ダメだ〜〜〜っ!不意打ちのドライブシュートも通用しない!これまたパンチング!
そうこうしている内にもう前半44分!このままドイツの2点リードで後半を迎えてしまうのか!?
このこぼれ球はヨハンセンくんがフォローします!」

ヨハンセン「よし、カルツ!」

バコッ!

カルロス「(ハーフタイムには逃げさせない!前半終了間際のこのタイミングで勝負だ!)」

バッ!
グルルッ!
パシッ!

ヨハンセン「なにィ!」

放送「あっと、ここでカルロスくんがムーンサルトパスカットで華麗にパスカット!
まだだ、まだブラジルの攻撃は終わりません!前半終了間際の猛攻は実を結ぶか!?
ミューラーくんは既に立ち直っていますが得意のミラージュシュートを決めて欲しい所!」

観客「今度こそ決めろーーーっ!!」「ミラージュシュートをぶちかましてやれェ!」

カルロスは自らボールを奪い、僅かに駆け込んでから足を思い切り振りかぶった。

331 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/12(木) 01:34:29 ID:pRl6buzY
                         カルロス「いくぜ!」

                    グワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

                          ミューラー「!!?」

                その時ミューラーは予感した。今までよりも強力なシュートが来ると。

                   シュナイダー「(何!?振り足が今までとは違う!)」
                   フライハイト「(ミラージュシュートではない…!)」

                       森崎「(うおっ!?この感覚は…!)」
                      翼「(カルロス!何かやるつもりだな!)」

                   他にもカルロスが何か切り札を切った事を感知した者は居た。
                      だが立ち向かえるのはミューラー一人だった。



                       カルロス「ファントムシュート!!」

                      ブワッギュゥウウウウウウウウウウウッ!!!
                    ギュゥィインギュゥィインギュゥィインギュゥィイン…!




332 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/12(木) 01:35:46 ID:pRl6buzY
                   左右にぶれながら緩やかなカーブを描くそのシュートは一見
                  ザガロのダブルイールやカペロマンのサイドワインダーに似ていた。
                   速度はそれらより少し上だったが、ネオファイヤーには明確に劣る。

                    ミューラー「(…違う!これはただの横ブレじゃない!)」

                                バッ!

                だがミューラーはこれがただ単に左右にぶれるだけのシュートではないと予感し、
                         油断なく全力でセービングに行った。

                           ブワァアアアアアアアアアアア…!!

                          ミューラー「(…こんな変化かよ!?)」

                              彼の予感は当たった。
                   ファントムシュートはミラージュシュートよりも更に幾重にも分裂し、
                          広範囲のボールの雲を作ったのだった。

                       今のミューラーには半分以上のボールが残像だと看破出来た。
                      だが残ったボール数個の内どれが本物かまでは見極められなかった。

                                ブンッ…

                          ミューラー「くっ…くそォオオオ!!」

                   当たりさえすれば、の思いで振り下ろした腕にボールがかする事は無かった。

                               バリィイッ!
                              トントントン…
                       ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

333 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/12(木) 01:36:47 ID:pRl6buzY



ブラジル 1−2 ドイツ



大会得点ランキング(表記はメインキャラのみ):
10ゴール シュナイダー、ストラット
9ゴール カルロス、日向
8ゴール ディアス
6ゴール ザガロ
5ゴール 火野、ビクトリーノ
4ゴール 翼、カペロマン、森崎、ランピオン、カマーチョ
3ゴール ポブルセン、ナポレオン、ピエール、チャンドラー、ロリマー、ミハエル、サトルステギ
2ゴール トニーニョ、マーガス、李邦内、李邦坤、アルシオン、イスラス、レンセンブリンク、三杉
1ゴール ルーク、肖、岬、山森、フライハイト、ネイ、ロペス、ガルシア、クライフォート、
     カイザー、マッハー、クリスマン、政夫、ディウセウ、マウリシオ

大会アシストランキング(表記はメインキャラのみ):
6アシスト アルシオン
5アシスト サンタマリア
4アシスト 岬
3アシスト マーガス、翼、ダ・シルバ、ネイ、チャンドラー、火野、パスカル、ランピオン、
2アシスト カペロマン、カルロス、バンビーノ、カルツ、ピエール、王、森崎、トニーニョ
1アシスト フライハイト、カルツ、メッツァ、テイラー、飛、山森、早田、ビクトリーノ、エスパダス、クリスマン、イスラス、
      シェスター、バビントン、クライフォート、カイザー、和夫、ジェトーリオ

334 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/12(木) 01:38:32 ID:pRl6buzY
上記4レスのコピペをお願いします。
レス内の改行も含めてコピペしてください。

335 :森崎名無しさん:2013/12/12(木) 08:17:11 ID:???
行ってきます

336 :森崎名無しさん:2013/12/12(木) 08:31:05 ID:???
完了です。

それと、森崎板と創作発表板の仕様の違いについて気付いたことがありますので書いておきます。

森崎板では文章の上下に空行を入れた場合、そのままレスに反映されます。
しかし、その森崎板のレスを創作発表板にコピペした場合(>>331>>333など)
上下の空行は自動で削除される仕様となっています。
創作発表板において文章上下に改行を入れたい場合は最上行と最下行にそれぞれドットを入れる必要があります(本スレ332,334参照)

今後作者のレイアウトを正確に反映するためにも2さんの方で
このスレに投稿する段階で予めドットを入れておいた方が良いかと考えます。

337 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/17(火) 07:26:41 ID:YfIjk7g2
>>336
なんと!そんな仕様があったとは…
有難うございます。今後はドットを入れる事で対処します。

338 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/17(火) 11:02:28 ID:Fd9n/2Hw
ドイツメンバー「あ…」「そ、そんな…」

ブラジルメンバー「よ、よし…!」「やっと…!」

どんどん先細りしつつあったブラジルユースの命運を盛り返す起死回生の一撃が決まり、
スタジアムがほんの短い間だけ静寂に包まれる。

グッ!

カルロス「見たか!これが世界を制する為に編み出した俺の切り札、ファントムシュートだ!!」

ウワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

それは天高く拳を突き上げたカルロスの雄叫びをキッカケに破られた。

放送「決まった!ゴール、ゴール、ゴォオオオオオオ〜〜〜〜〜〜〜〜ルゥウウウ!!!
前半ロスタイム直前にカルロスくんの新必殺シュートが炸裂!その名はファントムシュート!
ミラージュシュートを上回る恐るべき分裂ぶりでドイツの雷神を惑わしたのです!
0−2のまま終わってしまうかに見えた前半終了間際のこの一撃はブラジルの息を吹き返す
値千金の会心の一撃と言って良いでしょう!意地を見せましたカルロス・サンターナ!」

観客「よっしゃあ!」「ようやくかよ!」「信じていたぞ我らがカナリア軍団よ!」
「やっとミューラーがミスしやがったぜ!」「違う、カルロスがやってくれたんだ!」
「このまま後半さっさと逆転しろよ!」「カルロス!」「カルロス!」「カルロス!」

ロベルト「(ふーっ…ようやくやってくれたか。本来は後半まで出さない筈だったんだけどなあ)」

コインブラ「(やっと1点か…だがこれで勝てる訳じゃない。どうするつもりなんだ)」

ルディ「(うぬっ…まだ大きな切り札を隠し持っていたとは…この1点は仕方がないな)」

339 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/17(火) 11:03:44 ID:Fd9n/2Hw
松山「い、今のどうやって撃ったんだ?ツインシュートよりもブレていたぞ?」

三杉「ミラージュシュートの発展形だとは思うけど、詳しい原理は分からないな」

中山「DFの立場からすれば、速くて曲がって更にブレまくるなんて酷いシュートだぜ」

日向「フン、今更この程度のシュートにビビっている訳にはいかねえだろうが」

翼「だけど、無いと思われていた大砲があったのは大きい…流れは変わったよ」

森崎「このタイミングで得点していなけりゃブラジルは大変な事になっていたな…」

ブラジル人が圧倒的大多数を占める観客は当然狂喜乱舞したが、全日本ユースの面々は
比較的冷静にこの流れを眺めていた。カルロスが切り札を隠していたのは
それ程の驚きは呼び起さず、むしろこの1点が試合の後半にどう影響するかに興味津々だった。



シュナイダー「(なるほど…これが奴らの心の支えだったのか。確かにとっておきの新技が
残っていると言う事実は劣勢時に闘志の下限を保ってくれる。そして奴らは見事にその新技を
決めてみせた。それも前半終了間際と言う良いタイミングでだ…流石はブラジルだ。だが…)」

失点したドイツユースの面々は流石に多少は動揺していたが、その中でシュナイダーは
一際冷静さを保っていた。ブラジルユースの選手達とすれ違いながら
ドイツ陣内にゆっくり歩み戻るその姿にはいささかの怯えも見えなかった。

シュナイダー「(こちらも元からブラジル相手に無失点で勝てるなどと楽観はしていない。
俺達は1−0の勝利を至上とするイタリアじゃないんだ。打撃戦で相手に打ち勝つドイツだ。
それを皆に思い出させなくてはな)今のは止められただろう、ミューラー」

ミューラー「………フン!」

340 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/17(火) 11:07:22 ID:Fd9n/2Hw
ドイツゴール前に辿り着いた彼がまず行ったのはミューラーへの挑発だった。
あまり仲が良いとは言えないこの二人は共に超がつく程強気な性格であり、負けん気も強い。
慰めの言葉よりも挑発の方がはるかに心地いい人種であり、お互いをそう理解しているのである。

シュナイダー「実に奇妙な増え方をするシュートだったが、威力や速度は俺のネオファイヤーの方が
明らかに上だ。そしてお前は日常的に俺のネオファイヤーを浴びている。二発目は止められるよな?」

ミューラー「誰に言っているんだ。分かりきった質問をするな」

シュナイダー「それなら良い。他の者も、あの程度で萎縮などしていないだろうな?」

カルツ「当然ぜよ。ブラジルならあれ位やってきてもおかしくないしな」

フライハイト「足への負担も大きい筈だ。カルロスはあれを連発できない」

シェスター「まだまだ俺達が1点リード中なんだ。気を取り直せばいいさ!」

カペロマン「向こうだってディウセウがヘバってきてるしな。いけるいける」

シュナイダー「よし。まずは前半を無事に終えて後半仕切り直しだ。いいな?」

ドイツメンバー『おう!!』

幸いミューラーは悔しさを糧にすぐ立ち直っており、顔の汗を盛大に飛ばす事で挑発に挑発で応えた。
他の者もそれに釣られて前向きなムードを作り直し、シュナイダーの気合に一斉に応答した。

シュナイダー「(これでいい。ここからが本当の勝負だ…だが…)」

しかしこの時シュナイダーは一つの不安を感じていた。彼らしい冷徹な表情の下で
正体不明の違和感を感じており、チームメイト達からそれを隠すのに苦労していた。

シュナイダー「(なんだ…?何かを見落としている気がする…この違和感は何だ…?)」

341 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/17(火) 12:25:58 ID:Fd9n/2Hw
上記3レスのコピペをお願いします。

342 :森崎名無しさん:2013/12/17(火) 13:14:08 ID:???
行ってきます

343 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/26(木) 08:18:52 ID:KAjlsIBw
ピッ、ピィイイイイイイイイイ!!

その後前半は僅かなロスタイム以外は何事もなく終わった。

放送「前半終了です!カルロスくんのゴール以降、両チームとも目立った動きは見せず
約2分のロスタイムは盛り上がりなく終わりました。スコアは1−2、ドイツがリードしています。
ブラジルが序盤からキープ率、シュート数共に明確に上回りながら中々得点できず、
ドイツに上手くカウンターを決められてしまうと言う不気味な展開になっています。
果たして後半、ブラジルの逆転はなるか?緊迫感に溢れるハーフタイムに入ります」

観客「畜生、まだドイツが1点リードか…」「0−2のままよりはずっとマシだが、嫌な試合展開だぜ」
「ファントムシュートもそう何発も撃てないだろうし…マズいな」「後半も前半みたいに支配できるかな?」
「難しいな…ドイツが何も対策してこないハズはないし」「選手達の消耗も心配だ。トバしていたからな」

三杉「流石にブラジルの観客は目が肥えているね。参考になる議論を行っているよ」

松山「そうだな。まだまだリードしているドイツが優位なのを良く分かっている」

中山「ブラジルは積極的に攻撃できるのは良いが、それを前半の内に散々見せちゃったからなあ」

若林「ミューラーの奮闘とカウンターの成功による結果論だが、戦術をミスったかも知れん」

日向「後半序盤が鍵だな。どっちが勝っても手の内を曝け出してくれそうだがな」

翼「ブラジルの落ち着き様を見る限り何かまだ切り札を残しているんだろうか…?」

井出「(切り札…あのブラジルの10番は…未だに出てこないんだな…?)」

後半の展望はスコア通りドイツが有利。ブラジルは何時まで攻勢を続けられるか、そして後半こそ
ミューラーの粘りを崩す事が出来るのか?出来たとして、これ以上カウンターの被害を抑えられるのか?
全日本ユースの選手達を含めた観客達は概ねその様なビジョンを共有していた。

344 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/26(木) 08:20:58 ID:KAjlsIBw
〜ドイツユースロッカールーム〜

ルディ「ポブルセン、ケガの具合は大丈夫か?」

ポブルセン「問題ありませんっつってんだろ…」

ルディ「よかろう。そこまで減らず口を叩けるのならまだまだ戦ってもらう
(限界の見極めは誤ってはならんな…試合終了まで持つかどうかははっきり言って分からん)」

ドイツユースがハーフタイムに行ったのは2点目の殊勲者ポブルセンの負傷のチェックだった。
ポブルセンは確かに負傷している筈なのに動作にも精神にもまるで衰えを見せず、それどころか
キレが増していると言う状態を未だに維持していた。その非常識な精神力が何時まで続くか
一抹の不安を抱きながらもルディは彼を使い続ける事にし、次の懸念事項に移る。

ルディ「クランケ、ヨハンセン。残念ながらお前達は試合から消えていたな」

クランケ「うっ…申し訳ありません」

ヨハンセン「す、すみません」

ルディ「ああいや、責めている訳ではない。ブラジルの攻撃パターンの多彩さが私の予想を上回っていただけだ。
ああまでバックパスやミドルシュートを駆使し、逆にサイドアタックをやる気がないとお前達のスタイル上
どうしても出来る事は少ないだろう。だが、修正出来る事は何もない。サイドを完全にフリーにすれば
そこに進入し狙いすましたシュートを撃ってくるだろうからな…損な役割になるが後半も縁の下の力持ちに務めてくれ」

クランケ「はい…」

ヨハンセン「…分かりました」

345 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/26(木) 08:23:15 ID:KAjlsIBw
ルディ「だが、流石に前半の様にシュートを撃たれまくるのは危険すぎる。なにせ前半だけで11本だ…
後半も11本撃たれたら勝てるものも勝てない。そこでだ、シュナイダー」

シュナイダー「はい」

ルディ「後半は前半よりも守備的にプレイしろ。前半の様にカウンターに専念する必要はない」

ドイツユースにとって後半の最重要課題はブラジルユースのシュート数を減らす事だった。
これを成し遂げる為の対抗策は当然、高いボール奪取力とキープ力を持つシュナイダーの守備参加である。

ルディ「無論隙あらばシュートを狙いに行け。だが後半重要なのはお前が最後までフィールドに立ち、
ブラジルから時間の余裕を奪う事だ。膠着状態になればなる程こちらが有利になるのだからな」

シュナイダー「はい(当たり前過ぎる程の選択だ。故に向こうが最も嫌がる)」

ルディ「他は特に何も変える必要はない。強いて言えばマイボール時は前進よりも支配を心がけて
いけと言う位だな。特にメッツァとカルツが役割分担していけば、ブラジルを困らせる事が出来るだろう」

ドイツメンバー『はい』

346 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/26(木) 08:24:36 ID:KAjlsIBw
ルディ「指示は以上だ。自信を持っていけ。真のサッカー王国はブラジルではなくドイツ。それを証明してこい!」

ドイツメンバー『はい!!』

シュナイダー「はい!!(だが…何だこの不快感は?まだ何かがある様な気がしてならない…)」

このハーフタイムでドイツユースが行った作戦会議の結果は一言で言うならば堅実にして王道。
リードを奪えたのだからそのアドバンテージを最大限活かしつつ、前半味わった脅威に対策する。
人によっては面白味がないと言うかも知れない程当然な戦い方であり、それ故に穴は無い筈だった。

シュナイダー「(ブラジルにまだ何か切り札や隠し玉があっても、それを過剰に恐れる必要はない筈だ。
だが…俺のサッカー選手としての何かが訴えている。優勢ではない、ピンチだと!一体これは何だ…?)」

それでもシュナイダーは得体の知れない不安を感じていた。いくら考えても分からない物は分からないと
割り切り、余計な不安を味方に与えない為にポーカーフェイスを貫く事は出来たがそれだけだった。

ミューラー「(ちっ…何だ?俺とした事が。カルロスに一点奪われた事でショックを受けた?
有り得ん。俺はかつて自信を打ち砕かれ、それを蘇らせた。今更一点位で動揺するバカじゃない…)」

この時ミューラーも人知れずシュナイダーと同様に訳の分からない不快感に苛まされていた。
彼もまたシュナイダー同様周囲に不必要な弱音を吐くタイプではなく、それを口にする事はなかった。

故に当事者のミューラーも含めてドイツの誰も気付かなかった。ミューラーが疲労している事に。

347 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/26(木) 08:26:17 ID:KAjlsIBw
〜ブラジルユースロッカールーム〜

ロベルト「1−2か…2点目は余計だったな…(監督らしい台詞その39、っと)」

ディウセウ「ワリィ、監督。むざむざやられちまった…」

ロベルト「…これ以上の失点が許されないのは当然として、最低でも後2点が必要だぞ。分かっているのか?」

ブラジルユースの方はと言うと、ロベルトの叱責から始まっていた。
攻撃回数で上回っているのにスコアでは下回っていると言うのは失態以外の何でもない。
ロベルトはこういう時は選手達に自主的に改善案を言わせる様仕向ける様にしていた。

コインブラ「……………」

ロベルト「(コインブラが出せればなあ〜…でも皆居ない者扱いしているし、コイツも出るって言わないし…)」

彼自身はコインブラ投入以外の手が思いつかず、その手が実行不可能に近い今内心困り果てていた。
ブラジルユースの恥部であるが、幸いにしてそれを知る者はロベルト本人以外は居ない。

カルロス「分かっています。後半必ず逆転してみます」

ロベルト「ほう。そう言い切る自信の根拠はなんだ?(これで後はサンタマリアとかが説明してくれるな)」

ロベルトは選手達の自主性を煽り自発的に作戦を”提案”や”主張”させる話術に長けていた。
ブレインタイプの選手が複数居るブラジルユースではこのやり方は特に上手く行っており、
普段はサンタマリア、トニーニョ、カルロスなどがロベルトの代わりに積極的に喋ってくれるのである。

ゲルティス「…ミューラーの消耗です」

ロベルト「なにィ!?」

コインブラ「……………?」

348 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/26(木) 08:28:07 ID:KAjlsIBw
しかし今回発言したのはゲルティスであった。予想外の人物から全く予期していなかった指摘が飛び出し、
ロベルトを驚愕させる。同時に誰も見ていなかったがコインブラも疑問符を顔に浮かべていた。

ゲルティス「俺は試合前からミューラーを分析していました。そこで目を惹いたのが
ミューラーの極めて特殊な経歴です。アイツは公式戦はおろか、練習試合すらまともな数をこなしていない」

ロベルト「そ、それがどうしてミューラーの消耗に繋がるんだ?」

ゲルティス「言葉で説明するのは難しいですが…実戦と練習は違うとはあらゆるスポーツに関して言われます。
練習通りの動きが出来る様になる為に、そして練習時以上に冴え渡る為に実戦経験の蓄積が問われるのです」

ロベルト「それは分かるし、文句もないが…ミューラーはプレッシャーに苦しんでいる様にはとても見えんぞ?」

ゲルティス「ええ、それ自体は驚異的な事であり、賞賛に値します。ですがそのツケは確実に現れます。
ゴールキーパーは精神力を問われるポジション。そして経験は精神力を支える物。その支えがないミューラーは
精神力を浪費し、体力が尽きた時それを補う為の蓄えを失くしているのです。プレッシャーの耐え方が非効率的、
とでも言うべきでしょうか。本人はとても強気なタイプらしいので恐らく自分も味方も気付いていないでしょうが…」

ロベルト「んん〜…?何だか、シックリ来ないな…」

ゲルティスの主張は話し方その物は論理的だったものの、それが精神力と言う抽象的なテーマだった為
ロベルトはしきりに首をひねる事しか出来なかった。そこでカルロスが無理もないと苦笑し話をまとめにかかる。

カルロス「俺達もゲルティスが最初に言い出した時は半信半疑でした。これはキーパーでない限り
分からない事なのかも知れません。ですがゲルティスの主張を裏付ける物があります。
前半終了間際、ミューラーの動きが僅かながら鈍っていた事です」

ロベルト「(え、そうだったのか?ヤバい、全然分からなかった…)」

サンタマリア「いずれにせよ、後半も積極的に攻めると言う点で俺達のやる事に何も変わりはありません。
ただ当初の予定よりもミューラーの消耗に期待できると言うだけです。お任せください、監督」

349 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/26(木) 08:29:18 ID:KAjlsIBw
ロベルト「(ええい、分からない物を考えるよりも監督らしいセリフだセリフ!)…良いだろう。
ここはゲルティスの観察眼に期待する。そして攻めて攻めて攻めまくるのも試合前の作戦通りだ。
無論ドイツも修正は施してくるだろうが、それは力でねじ伏せろ。いいな?」

ブラジルメンバー『はい!!』

ロベルト「ファントムシュートは予定より早く使ってしまったが、まだアレとアレが残っている。
それを最も効果的なタイミングで使い、勝負を決めに行け。いいか、ブラジルは勝つからこそブラジルなんだぞ!」

ブラジルメンバー『はい!!』

ブラジルユースの狙いはミューラーの疲弊。そしてそれを後押しする為の温存していた新技の数々。
これらが機能すれば逆転勝利は決して難しい事ではないと言うのが彼らの後半に向けた意気込みだった。

コインブラ「(経験不足によるミューラーの消耗、だと…?)」

ただ一人、コインブラだけはその意気込みを分かち合っていなかった。

コインブラ「(そんな物は奴から見えてこないぞ…)」

選手の力量を見抜く眼力に自信がある彼はゲルティスの言うミューラーの弱点を見出せていなかった。
そんな物があるとは到底信じられなかった。

十数分後、彼は思い知る事になる。彼にも見抜けない物があるのだと。

350 :2 ◆vD5srW.8hU :2013/12/26(木) 08:30:50 ID:KAjlsIBw
上記7レスのコピペをお願いします。

351 :森崎名無しさん:2013/12/26(木) 09:55:20 ID:???
行ってきます

352 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/02(木) 10:13:34 ID:i+26/VtI
ピィイイイイイイイイイイイイイ!

前半はドイツのキックオフから始まった為、後半は当然ブラジルのキックオフから始まる。
ザガロのキックオフを受けたカルロスはまずサンタマリアにボールを戻した。

放送「後半開始です!早い内に同点に追いついておきたいブラジル、まずはサンタマリアくんが
ボールを託されました。そのサンタマリアくんに向かってくるのはシュナイダーくんとポブルセンくん!」

シュナイダー「貰うぞ」

ポブルセン「寄越せェ!」

サンタマリア「(予想通り、シュナイダーが積極的に守備参加しそうだな。やり辛くなりそうだ…だが!)」

グワアアッ…
バシュルルルルルッ!
ギュィイーーーーーン!

シュナイダー「なにィ!」

ポブルセン「なんだと!」

岬「ああ成程。ブーメランシュートが出来るんなら当然これも出来るだろうね」

サンタマリア「お前達では俺のパスをカットするのは難しいだろう?」

まずブラジルはサンタマリアのブーメランパスでシュナイダーとポブルセンを振り切った。

353 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/02(木) 10:14:50 ID:i+26/VtI
放送「鋭いっ!サンタマリアくんがブーメランパスで見事ドイツの二人を翻弄!
大きく右サイドに展開してネイくんが持った!」

観客「キャーネイーーー!!」「後半こそ大活躍してよー!」「派手に決めちゃってー!」

ネイ「いいねえ、黄色い声援ってのは。リクエスト通り派手にやっちゃうか!」

ダダダッ!

ここからネイがドリブルでバイタルエリアに近づき、そのまま突破を試みる。

放送「ネイくんチャンスを作りに切り込む!だがドイツのダブルボランチが立ち向かうぞ!」

シェスター「なんの!女性ファンの多さなら負けないぜ!」

ネイ「ほ〜う、言ってくれるじゃん。ならここでカッコよくお前を抜いてお前のファンも貰うぜ!」

シェスター「そうはいかないぜ。ゲルマン忍者こそ最モテだ!」

サササッ!
バッバッ!

カルツ「お前ら何の話しとるん…じゃ!っと」

ズザザーッ!
バチィ!

ネイ・シェスター『あっ』

トニーニョ「フザけすぎだ…」

だがその試みは失敗し、ボールはこぼされた末にカペロマンの足下に収まった。

354 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/02(木) 10:16:28 ID:i+26/VtI
放送「あーっとネイくん抜けない!こぼれたボールはカペロマンくんの下に!ドイツの反撃が始まる!」

カペロマン「女ファンだったら俺も多いぜ。お前はモテなさそうだな、ボーヤ」

マウリシオ「勝手に決め付けんな!」

ズザザーッ!

カペロマン「それと、お前のディフェンスも人に言えない位軽いぜ!」

シュパァン!

マウリシオ「くそっ!」

カペロマン「(さて、ここまではいいんだが…)」

カペロマンはすぐさま右サイドアタックを開始し、軽くマウリシオを翻弄した。
しかし彼にとって真の問題はこの後に控えるエースキラーのジェトーリオである。

ジェトーリオ「いらっしゃいませー♪ボールはこちらでお預かり致しまーす♪」

カペロマン「気持ち悪いなお前」

放送「カペロマンくんが右サイドを駆け上がりました。しかしここでジェトーリオくんが来ました。
ボール狩りの名人として恐れられる彼を何とかして突破しなければ右サイドアタックは続けられません!」

355 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/02(木) 10:18:18 ID:i+26/VtI
カペロマン「(こいつの汚い守りは極めて厄介だ。審判に捕まるリスクも当然ある筈なんだが、
それは何時起きるか分からないし何時までも起きないかも知れない。この試合中ずっと無事かも知れないんだ。
そんな不確定要素に期待しつつじゃ俺のドリブルでの勝負は分が悪い。どうすれば…)」

ダダダッ!

マーガス「カペロマン!俺だ、俺を使え!」

カペロマン「お、良い所に来たじゃないか!」

パンッ!ダダッ!パンッ!ダダッ!

ジェトーリオ「ありゃー、そう来ちゃうのね…で、も」

ジェトーリオ相手にドリブル勝負は分の悪い賭け。そう割り切ったカペロマンは
マーガスとのワンツーを使ってジェトーリオを抜き去ろうとした。

ジェトーリオ「別に奪う必要はないんだよね僕。君をフリーにさえしなけりゃね」

カペロマン「なにィ!?」

マーガス「こいつ…取る気がないのか…?」

だがジェトーリオはパスコースに割って入ろうとせず、二人の進行を許しながら
一緒に自陣内に下がりカペロマンからつかず離れずの距離を保った。

放送「カペロマンくんマーガスくんとワンツーリターンを開始!ジェトーリオくんこれを取れないが、
必死にカペロマンくんに食らいつく!しかしボールを奪えないまま右サイドへの侵入を許してしまったァ!」

観客「わーっ!また危ないぞ!」「こらージェトーリオ!ちゃんとボール奪えー!」

森崎「(いや、ブラジルとしちゃアレでいいんだろ…)」

356 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/02(木) 10:19:47 ID:i+26/VtI
ジェトーリオはワンツーで振り切られる位ならボール奪取を諦め自陣への侵入を許してでも
カペロマンをフリーにさせなければ失点の危険は薄いと言うサンタマリアの指示に従っていたのである。
当然この行動の意味は分かりやすく、カペロマンが怒りを込めてジェトーリオを睨みつける。

カペロマン「フリーにさえしなければ俺なんか怖くない、ってか?」

ジェトーリオ「うん、その通りだよ」

カペロマン「ナメるなァ!!」

グワアアアアアアアッ!
バッシュゥウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!
グイングイイングィイン…!

放送「撃ったーーーっ!!カペロマンくんのサイドワインダーだァ!!」

ゲルティス「(キャッチ成功確率55.6%…)ハァアアアアア!」

バッ!
シュィイイイイイイイイイイイン…
ガシィイイイッ!!

ゲルティス「キャッチ成功」

カペロマン「そ、そんなァ…!」

ジェトーリオ「君がゲルティスの事をナメてるんじゃないの〜?前半の2失点で雑魚キーパーだと思ったの?」

放送「しかしこれはゲルティスくんがファインセーブ!これ以上の失点は許さないと言う気迫を見せ付けました!」

この読みは当たり、カペロマンのサイドワインダーはブラジルゴールを脅かす事が出来なかった。
何本も撃てばその内入るかも知れないが、そんな余裕はドイツのチャンス数にもカペロマンの体力にもない。

357 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/02(木) 10:20:50 ID:i+26/VtI
上記5レスのコピペをお願いします。

あけましておめでとうございます。
いよいよ最終決戦が近づいてきたキャプテン森崎を今年もよろしくお願いします。

358 :森崎名無しさん:2014/01/02(木) 12:40:09 ID:???
行ってきます。

359 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/06(月) 19:28:33 ID:2Z7EBjc+
パンッ!バコッ!バシュウッ!

ディウセウ「任せっぞ、サンタマリア」

サンタマリア「ああ」

放送「ブラジル、再びサンタマリアくんにボールを回し攻撃の起点を任せます。
ここからどんなゲームメイクを見せてくれるのか?」

3失点目を防いだブラジルはしばしパスを回してから再びサンタマリアにボールを持たせた。

ドイツメンバー「(くそっ、またサンタマリアか…)」「(ブーメランパスに気をつけないと)」

サンタマリア「フッ」

ダダダッ!

ドイツメンバー「あっ!」「しまったドリブルか!」

サンタマリア「パスを警戒されればドリブル。ドリブルを警戒されればパス。基本だ」

放送「サンタマリアくんここはドリブル!ドイツ陣内の中部へ突き進みます。
このままドリブルで何処までいくのか?ひょっとして自分で撃ちに行くのか?」

サンタマリアはまたもブーメランパスか、とドイツが警戒したのを見計らってあえてドリブルで
突き進んだ。無論その程度の意表を突いただけではノーチェックで切り込める範囲は限られる。

ポブルセン「ァアアアアアアッ!!」

ダダダッ!

サンタマリア「(とは言え、ここまで来たらやはりブーメランパスの方がいいな)」

360 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/06(月) 19:29:37 ID:2Z7EBjc+
グワアアアアアアッ!
バシュルルルルルッ!!
ギュィイイイイイ…

放送「サンタマリアくんここでパス!ブーメランパスで一気にシュートチャンスを作りに…」

シェスター「おおっと、2度もやらせないぜ!」

バッ!
ギュィンギュィンギュィン…
バチィッ!

サンタマリア「なにィ!」

ポーーーン…

トニーニョ「なんのまだだ!」

ダダダッ、バッ!
グワアアアアアアアアアッ!!

放送「いやこれはシェスターくんに弾かれた!だがトニーニョくんがすかさず飛びつくぞーっ!」

だがキラーパスとして放ったブーメランパスはシェスターに阻まれ、見当違いの方に飛んでいった。
ならばとトニーニョが飛びつき、スカイドライブを撃ちに行く。

フライハイト「くっ…」

カルツ「くそっ、間に合わん!」

361 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/06(月) 19:31:04 ID:2Z7EBjc+
トニーニョ「スカイドライブだ!」

バッギュワァアアアアアアアン!
ギュルルルルルルルル!!

放送「トニーニョくんのスカイドライブ!」

ミューラー「フン、それはもう見飽きたぞ!」

バッ!
バコォオオオオオオオン!

トニーニョ「くっ!(ハーフタイムである程度回復しているな…)」

フライハイトとカルツもこれを妨害しようとするが間に合わずトニーニョのスカイドライブは放たれた。
しかしこれもミューラーの牙城を脅かす事は出来ず、パンチングでヨハンセンの方に弾く。

放送「しかしこれは弾かれる!後半も磐石だミューラーくん!パンチされたボールはヨハンセンくんの方に!」

ヨハンセン「よし、メッツァ!」

バコッ!

ネイ「はい予想的中!」

シュッ!パシッ!

ヨハンセン「な、なにィ!」

放送「しかしネイくんがすぐさまカット!まだブラジルの攻撃は続くぞ〜っ!」

362 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/06(月) 19:32:05 ID:2Z7EBjc+
ヨハンセンはフォロー後すぐにメッツァに繋ごうとしたが、これはネイに読まれていた。
ネイはパスカットに成功し、すぐさまドイツのPA内に切り込み敵を引きつける。

ネイ「(そろそろ…ほらっ!)」

バコッ!

ザガロ「よし。行くぜーーっ!!」

グワァアアアアアアアアアアッ!!

放送「切り込んで…ザガロくんに!ザガロくん振り上げる!ダブルイールだ!」

バッグォオオオオオオオオオオオオオオン!!
ギュルギュルギュルギュル!

そのままネイはヒールパスでザガロに渡し、ダブルイールを撃たせた。

ミューラー「何度やっても同じだァ!」

バッ!
バキィイイイイイイイイイイッ!
バシュッ、シューーーーー…

観客「ああああっ!」「ま、またかよ…」「畜生!これだけ撃ちまくって入らないってどういう事だ!」
「このままじゃ逆転どころか同点すら怪しいぞ…!」「それどころかもしドイツにもう1点入れられたら…」

363 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/06(月) 19:33:15 ID:2Z7EBjc+
放送「ああ〜っ…し、しかしまたもやミョルニル炸裂ゥ!!ボールが叩き潰された!
何本撃っても崩れてくれない!何と言う鉄壁ぶりでしょうかミューラーくん!
前半の絶好調を維持する彼相手には最早ファントムシュートを撃つしかないのでしょうか?
ドイツにとっては何とも頼もしき姿はブラジルにとっては最早悪魔にすら見えてきます…」

ドイツメンバー「やったァ!」「流石ミューラーだぜ!」「へへ、頼もしいな」

だがこのシュートすらミューラーは勢い良く叩き落とし、ボールを地面に挟んでパンクさせてしまった。
前半終了間際の失点など無かったかの様な鉄壁ぶりを維持するミューラーの勇姿に
元気付けられるドイツユースの面々だったが、ブラジルユースの選手達は知っていた。

ザガロ「(フン、何が何度やっても同じだ…もうそんな事は言えなくなるぜ)」

ブラジルメンバー「(よし…動きが鈍り始めている)」「(ここから更に連射だ)」「(2点目はすぐそこだ!)」

たった今、ミューラーは限界に達したと。

ミューラー「(…なんだ!?今俺の全身を襲った違和感はなんだ…?)」

フライハイト「(ミューラーの様子がおかしい…?)」

シュナイダー「(いよいよもって俺の勘が叫んでいる…!今はピンチなんだと!だが、ピンチの内容が分からない…
考えている時間もない…ならばピンチの側にある筈のチャンスを掴むしかない!3点目を狙う!)」

森崎「ん?…おい井出。今のでブラジルのシュートは何本目だ?」

井出「え?13本目ですよ。前半11本撃ちました」

森崎「13本………」

364 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/06(月) 19:35:00 ID:2Z7EBjc+
上記5レスのコピペをお願いします。

365 :森崎名無しさん:2014/01/06(月) 20:05:18 ID:???
行ってきます。

366 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/07(火) 08:35:56 ID:sSme6GtY
ピィイイイイイーッ!

ポンッ!パンッ!ボコッ!

カペロマン「ナイスパス!」

ジェトーリオ「また君なの〜?」

放送「ドイツ、またしてもカペロマンくんが右サイドアタックを仕掛けます。これが一番確実な手なのでしょうか?」

新しいボールと交換した後試合を再開したドイツの攻め方は再びカペロマンのサイドアタックだった。
ジェトーリオがマークについている分自由に撃てないとは言え、
ワンツーを併用すればブラジル陣内に攻め込む事は可能なのである。

カペロマン「(さてどうしたもんか…サイドワインダーは精々後2本。ムキになって撃ちに行っても
俺の体力とチームの攻撃チャンスをフイにしてしまうだけで終わりそうだ。
だからと言ってワンツーで時間稼ぎなんかさせてくれる程甘い守りはしてくれないし…ん?)」

シュナイダー「(カペロマン、俺に持ち込むんだ)」

カペロマン「(シュナイダーか…そうだな、そろそろメッツァにも働いてもらうか!)」

グワアッ!
バッコォオオオオオン!

放送「あっとカペロマンくん大きくパス!これはサイドチェンジだ!メッツァくんにボールを託しました!」

ほんの数秒迷った末にカペロマンはシュナイダーのアイコンタクトに気付き、シュナイダーに繋ぐべく
逆サイドのメッツァに渡した。当然ブラジルもメッツァを放置する訳ではなく、ネイとトニーニョの二人がつく。

367 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/07(火) 08:37:10 ID:sSme6GtY
ネイ「おっと、こっちだってフリーパスじゃないぜ!」

トニーニョ「ボールが破裂したお陰で俺達も戻れたんだからな」

メッツァ「あー、確かにそうだね。でも」

ブンッ…
バシュルルルルルル!

ネイ「うっ!?」

トニーニョ「そんな!」

メッツァ「ほらだめじゃん。僕のパスを取るのは簡単じゃないよ」

シュナイダー「ナイスパス」

放送「メッツァくんパス!ネイくんトニーニョくんカットできない!ドイツの名パサーの技が冴え渡る!
そして…シュナイダーくんにボールが渡ってしまったァ!ここで止めたい!」

観客「わ〜っ、まずいぞ!」「バカ、何やってんだ!」「早く止めろ〜〜〜っ!!」

ドトール「アマラウ、ついてきてくれ」

アマラウ「おう!」

しかしネイとトニーニョのどちらもメッツァのトップスピンパスを阻む事は出来ず、
シュナイダーがブラジル陣内でボールを受けた。この時彼を止めに向かったのはドトールとアマラウである。
ボール狩りに長けたドトールが相棒のアマラウのサポートを得ればシュナイダーを阻める確率は低くない。

368 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/07(火) 08:38:11 ID:sSme6GtY
シュナイダー「(この試合、ここで点を取らなければマズい!敗北すら有り得る!
俺の勘がしきりにそう叫んでいる。だから今回は…是が非でも押し通る!)」

ダダダッ…
ピタッ!

ドトール「なっ!?」

アマラウ「げっ!」

シュナイダー「HA!!」

ヒュウウウッ!!
ドグワシャッ!

ドトール・アマラウ『ぐわあああああ〜!!』

サンタマリア「なっ!…ま、まずい!」

ただし、確率はあくまでも確率。分が悪いとは言えシュナイダーにもこの二人を突破できる可能性は
ちゃんとあり、今回シュナイダーはカイザーマルシュを用いる事でそれを成し遂げた。

ウワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

こうして後半15分、ドイツにビッグチャンスが訪れた。

369 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/07(火) 08:42:12 ID:sSme6GtY
放送「と…止められないーーーっ!シュナイダーくんの突進が阻めなかった
ドトールくんとアマラウくんが痛々しく宙を舞う!そしてもうここはシュートレンジだーーっ!!」

観客「ギャーーーーーーッ!またシュナイダーにやられるのかよーっ!?」「止めろ、止めるんだ!」
「いい加減意地を見せろ!ゲルティス!」「ディウセウ止めろ!止めないとお前はただの木偶の坊だぞ!」

ルディ「(よし!ここで入れば勝利はほぼ決まりだ!頼むぞカール!)」

ロベルト「(わ〜〜〜っ!そんな馬鹿などうしようどうしようどうしよう!)」

全日本メンバー「ここでネオファイヤーのチャンスだと…!?」「まさか、ハットトリックか?」

森崎「………」ゴクリ

この時ブラジルに残された守備陣はディウセウとゲルティスの二人だけだった。
ドトールとアマラウはたった今シュナイダーの手によって吹き飛ばされ、
ジェトーリオは逆サイドに居り何も出来ない。サンタマリアとマウリシオが戻ってきては
いるものの、やはりブロックに飛べる位置ではないし例え飛んでも役には立たない。

ポブルセン「(防げ!俺の方に弾いてこい!)」

マーガス「(こぼれ球になったら必ず叩き込んでみせる!)」

カペロマン「(お零れ狙いってのはちょっとカッコ悪いが、ゴールはゴールだ!)」

勿論シュナイダー以外のシューター達もチャンスを物にすべく駆け込んでおり、
例え防げても弾き方が悪かったら失点してしまう確率はかなり高い。

失点は勿論駄目。弾くのも駄目。ネオファイヤーと言う超火力の前に厳しい勝利条件を
たった二人で達成しなくてはならなくなったディウセウとゲルティスはどうしたか。

370 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/07(火) 08:43:41 ID:sSme6GtY
             ディウセウ「(ホント、コイツはすげえや…ワクワクが止まんねェ)」

        ゲルティス「(ネオファイヤーが来る…フライハイトは遥か後方。ファイヤードライブの見込み無し)」

        シュナイダー「(このゴールで決勝への切符を掴む!全日本ユースが待つ決勝の舞台への切符を!)」

                     グワアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!

        ディウセウ「(ブロッカーってのは楽しいな!こういうすっげえ奴の一撃を受け止められるんだかっな!)」

         ゲルティス「(シュートコースシミュレート…完了。ディウセウのブロックシミュレート…完了)」

              放送「シュナイダーくんのネオファイヤーショットーーーーーーッ!!!」

                  シュナイダー「 N E O   F I R E ! ! ! 」

               ズワッグォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンン!!!!
                    ギュグォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!

                      ディウセウ「オラがやらなきゃ誰がやるーーーっ!!」

                       ドッゴゥウウウウウウウウウウウウウウッ!!!

                             シュナイダー「!!?」

              ディウセウは怯えなかった。勇気を振り絞りすらしなかった。純粋に喜びで奮い立った。
                人間を軽く殺せそうな威力の恐怖の弾丸に自らの胴体を大喜びで差し出した。

371 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/07(火) 08:44:48 ID:sSme6GtY
                 ほんの一瞬だけ、ディウセウは完全にボールを受け止めたかの様に見えた。

                             ドッガァアアアアッ!!

               次の瞬間ディウセウの巨体はなぎ倒され、ネオファイヤーショットの進撃は再開した。

                           シュナイダー「(…バカな!)」

                    だが強き者達には分かった。その速度と威力が一段落ちたのが。

                           ゲルティス「ハァアアアア!!」

                                 バッ!
                           ガシィイイイイイイイイイイッ!!

                         そしてボールはゲルティスの手中に捕らわれた。

                             シュナイダー「………!」

                          ギュルギュルギュル…ギュル…ギュル…
                                 ピタッ。

                ボールはゲルティスの手を弾かなかった。ゲルティスの手からも弾かれなかった。

                                 スタッ。

                       ゲルティス「キャッチ成功…ナイスブロック、ディウセウ」

                         ディウセウ「ヘヘッ…やったな、ゲルティス!」

            華麗に着地するゲルティスと地面に腹這いのディウセウが賞賛を交し合った時、誰もが認識した。
                   今、シュナイダーのネオファイヤーショットが完全に防がれたのだと。

372 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/07(火) 08:46:51 ID:sSme6GtY
放送「キャ…キャッチ!キャッチ成功!ゲルティスくんスーパーセーブで完全にキャッチしました!!
しかしこれは直前に身体を張ったディウセウくんの奮闘のお陰でもあるでしょう!
彼が身を挺してシュートの威力を弱めていなかったらキャッチではなくこぼれ球になり、
ドイツのゴールチャンスが続いていたかも知れません!しかし現実はこの二人が魅せてくれました!
大会得点王暫定一位の必殺のネオファイヤーショットが!今!破られました〜〜〜〜〜ッ!!」

ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

観客「よっしゃーーーー!何とか防いだ!」「良くやったディウセウゲルティス!」「あっぶねー、心臓止まるかと…」
「やりゃ出来るじゃないか!前半からそうしていろよ!」「ここでネオファイヤーを防いだのは大きい!大きいぞ!」
「ゲルティス!」「ディウセウ!」「ゲルティス!」「ディウセウ!」「ゲルティス!」「ディウセウ!」

ドイツメンバー「そ、そんなァ…」「ネオファイヤーが…完全に…」「あ、慌てるな!日本だって同じ事をしてきただろ!」

コインブラ「(何?…今のは弾いた所をねじこまれると思ったのに)」

森崎「(ちっ、生意気な。ネオファイヤーをキャッチしやがるとは…
しかしこれでドイツの攻撃力はかなり落ちた。そして守備力は…どうなんだ?
ミューラーの体力が大体若林程度だと仮定して、後3本も食らったら動きが鈍りだすぞ…)」

劇的なビッグセーブにブラジル側は沸き立ち、ドイツ側は意気消沈する。
客観的に言って、試合の流れが変わり始めた瞬間と言って良いだろう。

ブラジルメンバー「(勝った)」「(このまま同点、そして逆転だ)」「(次の攻撃でドイツを絶望の淵に叩き込む!)」

カルロス「(ヒヤッとしたが…良く守ってくれた。今度は俺達攻撃陣がこの死守に応えてみせる。
シュナイダー、そしてミューラー。お前達のショータイムはもう終わりだ!)」

だがブラジルユースの選手達だけは確信していた。流れが変わり始めた所ではないと言う事を。

373 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/07(火) 08:50:08 ID:sSme6GtY
上記7レスのコピペをお願いします。

374 :森崎名無しさん:2014/01/07(火) 09:40:48 ID:???
行ってきます

375 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/15(水) 10:36:16 ID:wPL2TDJ6
次に活躍したのはネイだった。

放送「後半16分、さあブラジルの反撃です。ゲルティスくんからジェトーリオくん、
それからネイくんへとボールがつながっていきます。ここからドリブル突破か?」

ネイ「(ネオファイヤーが止められた事でドイツは浮足立った。ここで更に揺るがすぜ!)」

ダダダダーッ!

放送「期待通りにドリブル開始!ブラジルユース屈指のドリブラーがドイツ陣内を切り裂きにかかる!」

ポブルセン「クソがっ!何度も何度も突破させるか!」

メッツァ「(やだな〜何この流れ。早くボールを奪い返さないと…)」

ネイ「フッ!」

ババババッ!
クルッ!
シュパアン!

ポブルセン「な、なにィ!?」

メッツァ「うわ〜やっぱり止められない〜!」

放送「ネイくん抜いた!ポブルセンくんとメッツァくんの二人を抜き去り、尚も切り込む!」

376 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/15(水) 10:37:23 ID:wPL2TDJ6
カルツ「くそっ!ワシらで止めるぜよ!」

シェスター「撃たれる前に止めるんだ!」

ネイ「その判断は良いんだけどな…」

グルンッ!
ヒュンッ!
ダダッ!

シェスター「うっ」

カルツ「そんなァ!」

ネイ「ブラジル代表でドリブラーを名乗るってのは大変なんだぜ!」

放送「ネイくん更に二人抜き!4人抜きだァ!早速ブラジルにチャンスがやってきましたァ!」

観客「キャーーーネイーーーッ!」「ネイ愛してるわーーーっ!」「そのままゴールよー!!」

ネイ「(よし、そろそろ撃つか…体力の余っていそうなのはマウリシオだな)それっ!」

グワアッ…
バッコォオオオオオオオン!

放送「ネイくんここで大きく逆サイドへ展開!合わせに行くのは…マウリシオくんだ!」

ネイは試合の流れの変化を象徴する様な華麗なドリブル突破でドイツを慌てさせ、
ファーサイドへのセンタリングを行った。それに合わせに行くのはマウリシオだった。

377 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/15(水) 10:38:37 ID:wPL2TDJ6
フライハイト「(この流れで決めさせてはいけない!押し返すんだ!)」

クランケ「(こんなタイミングでリードを失って堪るか!)」

ダダダッ!バッ!バッ!

マウリシオ「よーし、同点ゴールを貰っちゃうぜ!ドライブオーバーヘッドだ!」

ダダダッ!バッ!

マウリシオ「うぉおおおおおおおおおりゃっ!!」

クランケ「しまった!」

フライハイト「…不覚!」

バッゴォオオオオオオオオオオオオオオオオン!
ギュゥウウウウウウウウウウウウウン!!

マウリシオは前半と同じくドライブオーバーヘッドを放った。
チーム全体の士気の差が影響したのかフライハイトとクランケはこれを阻止するのが間に合わず、
逆さまのドライブ回転がかかったシュートが勢いよくドイツゴールに向かう。

放送「マウリシオくんのドライブオーバーヘッド!」

ドイツメンバー「(くそっ、また撃たれた!)」「(それでもミューラーなら…)」「(ミューラーならなんとかしてくれる…)」

378 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/15(水) 10:41:39 ID:wPL2TDJ6
この時ドイツユースの選手達は撃たせてしまった事を後悔しつつも、これまで通りミューラーが防いでくれると
当たり前の様に思っていた。実際にこれまでカルロスのファントムシュート以外は全て防いでくれたのだから
ファントムシュートに比べれば数段落ちるマウリシオのドライブオーバーヘッドならきっと問題ない。
そう思ってしまうのもある意味当たり前ではある。

だが、彼らは思い知る事になる。ミューラーに負担をかけ過ぎた代償を。

ミューラー「フン、またこれか………ッ!?」

ズシィン…

シュナイダー「!!?」

ブラジルメンバー『 ( 計 画 通 り ) 』

ミューラー「ぬ…おおおっ!」

バッ!
バコォオオオオオッ!

この時もミューラーはパンチングでマウリシオのシュートを弾く事に成功した。
だがそれは今までの余裕すら伺わせる力強さとは程遠い、第一歩の踏み出しが遅れ
今までより明らかに鈍い飛びつき方の不恰好なセービングだった。

放送「しかしこれも入らず〜っ!不意をつかれたかやや反応が遅れた様にも見えましたが
結局防いでしまいました!流石と言わざるを得ませんこの鉄壁っぷり!」

ドイツメンバー「(ち、違う!不意なんか突かれていない!)」「(ミューラーの様子がおかしい!)」

ミューラー「(なんだこれは…何故だ!?何故体が重く感じる…!何故息が苦しい!)」

379 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/15(水) 10:44:46 ID:wPL2TDJ6
若林「なにィ!どうしたんだミューラーは!?」

翼「明らかに動きが鈍った!」

日向「…ケガでもしやがったのか?」

森崎「いや、これは…!まさか、スタミナ切れなのか!?」

大半の観客には分からなかったであろうミューラーの変調だったが、フィールドの当事者の22人はすぐに気付いた。
しかし何が起きたか分からないドイツユースの選手達とこれを想定し待ち構えていたブラジルユースの選手達では
咄嗟に取れる対応の巧みさに巨大な差があった。差がありすぎた。

そしてその差は値千金の同点弾となって形作られた。

カルツ「(ど、どうしちまったんだミューラーは…ケガか、ケガなのか!?)」

ボールをフォローしたカルツは激しく動揺していた。自分が動揺している事を隠す事すら出来ない程動揺していた。
後日彼はこの瞬間をサッカーをやっていて最も後悔した瞬間の一つに挙げる程隙だらけだった。

カルロス「もらった!」

バシッ!

カルツ「あああっ!?」

放送「このこぼれ球を拾ったのはカルツくん…と思いきやカルロスくんがあっという間に奪ったァ!」

380 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/15(水) 10:46:56 ID:wPL2TDJ6
ドイツメンバー「ヤ、ヤバい!」「カルロスがーーーっ!!」「止めろ、止めるんだ!」

ドドドドドドッ!!

カルロスがカルツからボールを奪った直後、ドイツユースの選手達は思わず四方八方から殺到せずには居られなかった。
前半終了間際に彼が似た様な位置でボールを奪い、そこからゴールを奪った事を思い出さずには居られなかったのだ。

カルロス「…ザガロ!やれ!」

パコン!

ドイツメンバー「(ここでザガロ?)」「(いや、カルロスよりは有難い…!)」

故にカルロスがザガロに低い浮き玉のパスを上げた時彼らは安堵せずには居られなかった。
カルロスにファントムシュートを撃たれるよりはザガロのダブルイールの方が幾分マシだと。

ザガロ「フッフッフッフッフッ…」

ダダダッ!
バッ!
グワアアアアアアッ!

放送「カルロスくん囲まれそうに…なりつつも逆サイドにパス!これに飛びこんだのはザガロくんだーっ!」

ドイツメンバー「なにィ!?」「あいつにダイレクトシュートがあったのか!?」「そんなァ!」

だがザガロはボールをトラップせずにそのままダイレクトでボレーシュートに行こうとしていた。
これが何を意味するか分からない者はドイツユースには居ない。

安全牌だと思っていたザガロにも切り札があったのだ。当然ダブルイールよりも強力な。

381 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/15(水) 10:51:06 ID:wPL2TDJ6
ザガロ「串刺しにしてやるぜ!これが俺のエリアルダブルイールだァ!!」

ブワッギュァアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!
ギュルギュルギュルギュル!!

エリアルダブルイール。それは低空のボールをボレーシュートで放つダブルイール。
言葉で言ってしまえばただそれだけだが、駆け込み飛びつく勢いを乗せたシュートとはそれだけで
厄介な物であり、ただでさえ重く速いダブルイールがそうなるのだから十二分に脅威と言える。

ミューラー「くっ!こんな物ォオオ!!」

バッ!
ガチィイイイイッ!!

ミューラーは必死に飛びついた。重く感じる拳でシュートコースに挟み込んだ。

ミューラー「こ、こんなもの…!」

ググググググッ…

ミューラー「こん、な…うぁあああああああっ!!!!」

バァアアアアーーーーン!
ギュルンッ、ドサッ!グタッ…
バリィイイイイイッ!!

ミューラー「ガ、ハッ…」

ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

だが彼は負けてしまった。拳を跳ね上げられ、身体を横転させられ、地面に叩きつけられた。
その衝撃で息を吐き出させられた彼にはネットが破れる音も笛の音も良く聞こえなかったが、失点した事だけは痛い程分かった。

382 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/15(水) 10:53:40 ID:wPL2TDJ6
.


ブラジル 2−2 ドイツ


大会得点ランキング(表記はメインキャラのみ):
10ゴール シュナイダー、ストラット
9ゴール カルロス、日向
8ゴール ディアス
7ゴール ザガロ
5ゴール 火野、ビクトリーノ
4ゴール 翼、カペロマン、森崎、ランピオン、カマーチョ
3ゴール ポブルセン、ナポレオン、ピエール、チャンドラー、ロリマー、ミハエル、サトルステギ
2ゴール トニーニョ、マーガス、李邦内、李邦坤、アルシオン、イスラス、レンセンブリンク、三杉
1ゴール ルーク、肖、岬、山森、フライハイト、ネイ、ロペス、ガルシア、クライフォート、
     カイザー、マッハー、クリスマン、政夫、ディウセウ、マウリシオ

大会アシストランキング(表記はメインキャラのみ):
6アシスト アルシオン
5アシスト サンタマリア
4アシスト 岬
3アシスト カルロス、マーガス、翼、ダ・シルバ、ネイ、チャンドラー、火野、パスカル、ランピオン、
2アシスト カペロマン、バンビーノ、カルツ、ピエール、王、森崎、トニーニョ
1アシスト フライハイト、カルツ、メッツァ、テイラー、飛、山森、早田、ビクトリーノ、エスパダス、クリスマン、イスラス、
      シェスター、バビントン、クライフォート、カイザー、和夫、ジェトーリオ


.

383 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/15(水) 10:56:42 ID:wPL2TDJ6
上記8レスのコピペをお願いします。

384 :森崎名無しさん:2014/01/15(水) 12:55:18 ID:???
行ってきます

385 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/24(金) 01:05:02 ID:QhWeuL/M
放送「ゴ…ゴール!ゴール!ゴールだぁあああああああああああああ!!!
後半22分、カルロスくんのアシストからザガロくんがボレーシュートでダブルイールを放ち
ミューラーくんを豪快に吹き飛ばして待望の同点弾を決めてくれたぁあああ!
2−2!2−2です!前半2点リードされた時はどうなる事かと悲嘆にくれた
全ブラジル国民を歓喜に湧き上がらせる有難すぎるゴールがたった今決まりました!」

ウワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

観客「よくやったぞザガロォオオオオオオオオオオオオ!!」「やっと活躍したか!待たせやがって!」
「それでこそセレソンのストライカーだ!」「とうとう同点だ!見たかドイツ、ざまあみろ!」
「ザーガーロ!」「ザーガーロ!」「ザーガーロ!」「ザーガーロ!」「ザーガーロ!」「ザーガーロ!」

中山「ど、同点か!これは形勢逆転と言える、が…」

早田「…おい次藤、今の…エリアルダブルイールつったか?あれ、どう思う?」

次藤「うーん…かなり強力なシュートばってん、ネオファイヤーとかに比べるとのう…」

赤井「俺も同感ッス。ミューラーがあそこまであっさりやられたのはおかしいです!」

日向「だったら答えはシンプルじゃねーか。ミューラーに何かが起きたんだろ」

翼「急に動きが鈍っていた。それなら可能性は二つ。ケガか、それとも森崎が言っていた様に…」

森崎「…スタミナ切れだ。間違いない。あれは疲労によるスピードダウンだ!」

ミューラーの異常に気づいた者は最初はほとんど居なかった。観客たちは劇的な同点ゴールに
大騒ぎするのに忙しく、注目の的は敵のミューラーではなくヒーローのザガロだったのだ。
全日本ユースの面々はミューラーの異常にいち早く気付いたが、彼らが気付いたからと言って何かが変わる訳ではない。

386 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/24(金) 01:06:21 ID:QhWeuL/M
ミューラー「ぐっ…うううっ…!」

ドイツメンバー「ど、どうしたんだミューラー!」「しっかりしろ!」

ルディ「くっ…タンカだ!ドクター、来てくれ!」

ブラジルメンバー「(フッ、今頃慌てたってもう遅いぜ)」「(なんならサブキーパーでも入れるか?)」

ロベルト「(おー、ゲルティスの言う通りだった。よっしゃよっしゃ、これで勝った!)」

コインブラ「(…馬鹿な。本当に、ミューラーに、そんな弱点が…!?)」

観客「あれっ?ドイツゴール前がなんかおかしいぞ?」「ミューラーがケガでもしたのか?」

だが何時までも気付かれない訳もなく、滝の様な汗を流しながら立ち上がれないでいるミューラーに
ドイツの選手達やベンチスタッフが駆けつければ自然と観客達の注意もそこに向かう。

放送「あっと、喜びに沸き立つブラジルユースとは対照的にドイツユースはなにやら非常事態の模様!
ミューラーくんが苦しげに立ち上がれないで居ます!これは先程のセービング失敗で負傷したのでしょうか?」

ルディ「どこだ、どこを痛めたミューラー!」

ミューラー「何処も…何処も痛めてなどいない…」

ルディ「強がるな!すぐに交代させるとは限らん、正直に言え!」

ミューラー「本当だ…俺は怪我などして、いないんだ…!」

ルディ「ええい、ドクター!」

387 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/24(金) 01:07:38 ID:QhWeuL/M
最初ドイツユースはミューラーが負傷したのだと勘違いし、チームドクターにチェックを行わせた。
だがチームドクターはミューラーの体を調べていく内に見る見る困惑の表情を浮かべた。

ルディ「どうですか」

ドクター「いえ…何処も負傷していません。彼の言う通りです」

ルディ「なっ…そんな馬鹿な!こんなに苦しそうにしているのに!」

ドクター「…これはただの疲労です。スタミナが切れたのです」

ルディ「はあ…?」

ドイツメンバー「えっ、スタミナ切れ?」「有り得ないだろ!こいつ何時も持久練習でトップクラスだったじゃないか!」

審判「…あの。負傷でないのなら、スタッフはピッチの外に出て下さい」

ルディ「くっ…わ、分かりました…」

放送「今ピッチレポーターから報告が来ました。ミューラーくんは負傷したのではなく
疲労していただけとの事。ドイツは特に選手交代をする様子もありません」

観客「なんだ、スタミナ切れか?」「あんだけシュート浴びてりゃなあ」「でもなんか早くないか?」

ミューラーは負傷したのではなくただ単に疲労しただけだった。
まるで予想していなかった事態に困惑するドイツだったが、ルール上負傷ではないのなら時間を止めては貰えない。
ドイツユースは予想外のピンチに急きょ対処を問われる事になった。

388 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/24(金) 01:08:43 ID:QhWeuL/M
シュナイダー「(こ、これか…!?これがさっきまでの違和感の正体だったのか?
だが何故だ。ミューラーに持久力の欠如が伺えた事なんてなかった。確かにシュートをひたすら
浴び続ければ限界を迎えるのは当たり前だが、後3本程度は持って良かった筈だ…
何故だ?大会で蓄積した疲労か…?いや、今重要なのは何故ではない!
今何が起きていて、それを踏まえてどうするかだ!それが俺のキャプテンとしての義務だ!)」

この時チームをまとめるのはやはりキャプテンのシュナイダー以外は居ない。
彼はいち早く原因の究明よりも現状の把握と対応が大事だと判断し、
前線からドイツゴール前に戻りつつ素早く周囲を見回した。

当然彼が見たのは喜びに沸き返り、ザガロを祝福するブラジルユースの選手達である。

ディウセウ「やったなーザガロ!良いタイミングの同点ゴールだぜ!」

ザガロ「フン、当然だ。あんな奴相手にノーゴールで終わって堪るか」

ジェトーリオ「今まで散々苦労していた癖にね〜。ぶっちゃけ、切り札のお蔭でしょ」

サンタマリア「よせジェトーリオ。ストライカーは結果を出せばそれが全てだ」

ザガロ「ククク。運が良かったな、今の俺は機嫌が良い」

彼らが何を言っているかは距離があった為聞こえなかったが、雰囲気と様子は観察できた。
それだけでシュナイダーは2つ分かった事があった。

シュナイダー「(ミューラーが苦しんでいると言うのに、それを驚く様子も喜ぶ素振りもない…
そうか、奴らにとってはこれは想定していた事態か。どうやってそれを予測していたかは
分からないが、奴らは作戦を成功させた。だが…その作戦には代償もある!)」

まだ勝ち目は十分にある。それを確信したシュナイダーは味方達を鼓舞す為に自陣ゴール前に辿り着いた。

389 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/24(金) 01:09:45 ID:QhWeuL/M
シュナイダー「しっかりしろ皆。ミューラー、まだやれるな?」

ミューラー「…当たり前だ!」

ドイツメンバー「シュナイダー…」「で、でもこれからどうしたら…」

シュナイダー「確かにこれは予定外のトラブルだ。ピンチと言って良いだろう。今までの様に
シュートを撃たれ続ければあっさり逆転される。ただし、今までの様に撃たれ続ければの話だ」

マーガス「そりゃ、撃たれなければ問題はないだろうけど…この試合ずっとシュート数で圧倒されているのに…」

カルツ「…いや、これからはそうとは限らんぞ」

プッ!

最初に立ち直ったのはカルツだった。シュナイダーとの付き合いが長い彼はシュナイダーが
何を言わんとしているかをいち早く察知し、気合を込めて爪楊枝を吐き出した。

カルツ「ブラジルは攻撃しまくり、シュートを撃ちまくった。つまり攻め疲れが必ず発生する。
そういう事だろう、シュナイダーちゃんよ?(ジャパンカップを思い出すぜ)」

シュナイダー「そうだ。さっき奴らの様子を確認してきた。今まで均等にシュートを
撃ち分けさせていた分目立たなかったが、よく見ればシューターの誰もがもう少し疲労したら
動きが鈍り出す状態になっている。フィールダー全般の疲労量では明らかに向こうが上回っているんだ」

シェスター「なるほど。向こうは今までの様に撃ちまくりたかったら更に疲労が深まるって訳か!」

カペロマン「だが、それでも後半終了くらいまでは持ち堪えそうだぞ。どうするんだ?」

ポブルセン「まさか時間稼ぎをするなんて言わねえだろうな…!」

390 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/24(金) 01:11:36 ID:QhWeuL/M
シュナイダー「時間稼ぎではない。持久戦だ」

ポブルセン「ああん?」

シュナイダー「確かにパスで逃げ回ればこのまま同点で延長戦に逃げ込めるかも知れない。
だがそれでは奴らも回復してしまう。ミューラー1人が回復するよりもブラジルのシューター達…
オーバーラップの可能性を除外しても6人か。6人が回復するペースの方が断然早い。
延長戦に逃げ込んでも結局同じくミューラーを消耗させられる展開になってしまう」

フライハイト「…つまり、選択肢は一つ。奴らを消耗させつつミューラーを休ませる。
ボールキープだけを最優先し消極的に逃げ回るのではなく、積極的に中盤で戦い奴らを
脅かしつつボールキープし、フィールダー同士の持久戦を挑むしかない」

シュナイダー「そういう事だ。奴らがミューラーの消耗を狙うのなら、こっちは奴ら全員を消耗させる。
無論相手がこの持久戦に乗ってこない事は有り得ない。そんな事をしたら折角消耗させたミューラーを
むざむざ休ませた上に、こっちに後半終了間際のノーリスクの総攻撃チャンスを与えてしまう訳だからな」

メッツァ「うーん…前線の守備力も高いブラジル相手にそんなマネできるの?」

シュナイダー「お前がそんな弱気でどうする。この作戦で最も活躍しないといけないのはメッツァ、お前なんだぞ」

メッツァ「うえっ!僕ぅ!?」

カルツ「いい加減やる気出せコラ。どうせやる事は何時もと変わらん、自慢のパスで相手を翻弄してりゃいいんだよ」

カペロマン「それにお前だけじゃない。俺やカルツ、シェスター、フライハイトも中盤で戦うんだろ、シュナイダー?」

シュナイダー「ああ、それにマーガス」

マーガス「ああ、俺もやるぞ!ピンチになったら俺に上げろ、仕切り直しのチャンスを作ってみせる!
大丈夫だ、アマラウもディウセウも中盤だと俺についてこない。もしついてきたら逆に俺が2人引き受けているって事だぜ」

391 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/24(金) 01:14:08 ID:QhWeuL/M
クランケ「分かった!俺達もやるぞ!」

ヨハンセン「今まで役に立っていなかった分を取り返す!」

ポブルセン「…そういう事か。同点で逃げようってハラじゃねえんなら別にいい」

ミューラー「(くそっ…こんな形で他人に頼る羽目になるとは…師匠、まだまだ俺は甘かった…)」

フライハイト「シュナイダー、お前は体力節約も兼ねて前線に居てくれ。お前と言う驚異が居続ける限り
ブラジルのDFも大胆なオーバーラップはしにくい。それにお前が疲労したら3点目も取り辛い」

シュナイダー「分かっている、そのつもりだ。よし行くぞ皆。ドイツに底力勝負を挑んだ事を後悔させてやるんだ!
サッカーは強い者が勝つんじゃない、勝った者が強いんだ!俺達の強さは俺達の勝利で証明するぞ!」

ドイツメンバー『おおおおおおおっ!!』

シュナイダーがこの状況で見出した光明。それはミューラーを疲れさせる為にブラジルのフィールダー達が
ドイツのフィールダー達よりもより激しく疲労していると言う事実だった。
相手の作戦が成功したのは仕方ない、ならばその作戦の為に支払った代償に弱みにつけこむ。
“強い者が勝つのではない、勝った者が強い”と言う信条を持つリアリストの彼らしい作戦と言えよう。

ネイ「おっ、向こうさんまだまだやる気だねえ。同点だから当然か」

トニーニョ「この程度で諦めてくれる程甘い相手じゃない。だが奴らの次の手は分かっている」

サンタマリア「ああ。ミューラーを休ませつつ俺達を走らせ、隙あらば得点を狙ってくるだろう」

カルロス「つまり、純粋な体力勝負及びボール争いだ。良いだろう、走り合いでも俺達は負けないぞ」

ただしブラジル側にとってこの作戦は特に意外な物でもなかった。
お互いの手の内が分かった末での真っ向勝負の行方に後半の、そして試合の行方が託される展開となった。

392 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/24(金) 01:15:31 ID:QhWeuL/M
上記7レスのコピペをお願いします。

393 :森崎名無しさん:2014/01/24(金) 07:35:22 ID:???
行ってきます

394 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/27(月) 13:19:20 ID:goDPAxOQ
ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

放送「とうとう2−2となりましたこの試合、4度目のドイツのキックオフです!
前半の貯金を使い果たしてしまったドイツはPK戦を狙うのでもない限り攻撃に出なければいけません!
さあ彼らは一体どうするのか?まずはシュナイダーくんからカペロマンくんへ」

ジェトーリオ「はいはい、いらっしゃーい」

カペロマン「そういう訳にもいかないんで、なっ!」

バコッ!

放送「あっとカペロマンくん、いったんボールをカルツくんに戻しました。カルツくんここから直進!」

カルツ「どけっ!」

ドガアッ!

マウリシオ「うわあ〜っ!!」

サンタマリア「(カルツのキレが増した…これがあいつの底力か。だが恐らく俺を抜きにはかからない筈)」

カルツ「(このまま愚直にサンタマリアに突っ込むのもリスキーだな…)」

バコッ!

放送「カルツくんこのまま上がって…いかない!シェスターくんに展開!シェスターくんは更に
メッツァくんに繋ぎます。ドイツ、ここは時間をかけてじっくり攻めるつもりの様です」

395 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/27(月) 13:20:20 ID:goDPAxOQ
ルディ「(うむ…それしか選択肢がない。多分ブラジルにも読まれているだろうが、
ここはなんとか遅攻で押し勝つんだ!そうすればまだまだ試合は分からん!)」

ロベルト「(なんだよ、焦って速攻とかしてくれればよかったのに…まあ大丈夫だろ
ボール争いでも体力勝負でもウチの方が有利だ。ミューラーが回復しきる前に奪えばそれで勝ちだ)」

若林「これは…ドイツはフィールダー同士での勝負を仕掛けに来たか…」

早田「なるほどな。ミューラーを休ませながら少しずつ戦線を上げていくのが狙いか」

次藤「パスだけで逃げ回っちゃ押し込まれるけん、危険じゃしの」

三杉「同時にブラジルの体力を削る狙いもあるだろうね。ただ、もうしばらくは持ちそうだが」

松山「上手くいくのか、これ?この試合、中盤争いはブラジルが終始リードしていたじゃないか」

岬「いや、ドイツはブラジルを止めるのには苦労していたけど、ブラジルを攻める事自体は出来ていたよ」

中山「この状況では確かにこれが最善の手だ。だけど…これ、ブラジルの思う壺なんじゃないか?」

日向「ああ、読まれているだろうな。ただでさえ決して有利な戦い方とは言えねえのによ」

翼「前半2点リードされて尚この盛り返しぶりと試合運び…これが、ブラジル…」

森崎「(…もしブラジルが決勝の相手だとしたら…俺も、同じ事をやられたら…!)」

396 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/27(月) 13:23:42 ID:goDPAxOQ
その後ドイツは必死に走り回った。逃げ回るのではなく相手を疲弊させる為に。

シュナイダー「(まだだ…これでは全然時間が足りていない…!)」

アマラウ「(くそっ、こいつがここに居るせいで前に加勢できねえ!)」

ドトール「(焦るな。焦ったら負けだ。皆を信じるんだ)」

オフサイドラインぎりぎりの位置でブラジルDFを牽制しつつ後ろを見守るシュナイダーの表情は
隠し切れない焦りを無理やり押さえつけていた為か何時も以上に鋭く険しくなっていた。



この時ドイツで最も活躍したのはメッツァだった。

バシュルルルルルルル!!

ネイ「くそっ!こういう展開の時は本当にうざったいタイプだなお前!」

メッツァ「褒めても何も出ないよ〜(ああんもう、なんで僕がこんな責任重大な目に…)」

トニーニョ「(メンタルは弱いと見ていたが…まだミスはしてくれないか?)」

アンドレアス・メッツァと言う選手は生粋のパサーである。ドリブルもそれなりに得意ではあるが、
彼の取り柄はトレードマークのトップスピンパスであり、成功率の高いそれに頼って
ひたすらパスを供給する事を最優先するのが彼のプレイスタイルである。

はっきり言ってかなり消極的なプレイスタイルであり、それは責任を問われるのを嫌う
自分勝手で弱気な性格の賜物だったが他に優秀な攻撃要員が居るならばチーム貢献度は高い。
相手チームからすれば彼にボールが渡ると高確率で危険なパスを通されてしまうが、
かと言ってマークで人数を割いたりしても本人はパス以外の形では攻撃に関わろうとしない為
結果として他の選手達を活かされてしまうのは変わらないのである。

397 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/27(月) 13:25:10 ID:goDPAxOQ
そして勿論、時間を稼ぐ状況ではメッツァの存在感は増す。
相手チームは早くボールを奪わないといけない為、メッツァにボールが渡る度に
パスで逃げられる事を覚悟の上でメッツァに駆け寄らなければいけない。
ポジション上マッチアップの機会が多いネイとトニーニョは煮え湯を飲まされる事になった。



無論ドイツはメッツァ一人に頼りきりだった訳ではない。

カペロマン「サイドは俺の戦場だ…そう簡単に渡して堪るか!」

ババッ!
キキッ!
バッコォオン!

サンタマリア「くっ!」

マウリシオ「し、しまった!」

ジェトーリオ「(う〜ん、マーガスが嫌な位置に居るなあ。迂闊に突っ込めない…)」

カペロマンは右サイドでボールキープに貢献し。



バッ!
バコォン!

マーガス「よし!拾ってくれ!」

シェスター「オーケーだ!」

398 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/27(月) 13:26:45 ID:goDPAxOQ
ディウセウ「(畜生〜、あそこまで下がられると間に合わないぜ)」

マーガスはボールを奪われそうになった時の緊急避難先として機能し。




カルツ「どけっ!今のワシに近寄るんじゃねえ!」

ガガガガガッ!
ドガアッ!

ザガロ「ぐああああああっ!!」

カルロス「がはぁあああああっ!!」

カルツは中央で何度も暴れ周り。



フライハイト「そこだ」

シェスター「右、来ているぞ!」

クランケ「走れ走れ!」

ヨハンセン「ここまで来て負けて堪るか!」

バコッ!バシーン!
ポーン!ダダダダダッ!

その他の選手達も主に中継地点となる事で上記4人が過不足無く動ける様走り回っていた。

399 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/27(月) 13:28:21 ID:goDPAxOQ
ポブルセン「(ちっ、まだかよ…早くブラジルの奴らを血祭りに上げてえのに…)」

シュナイダー「(神経が削られる思いだ…だが俺が迷いを見せる訳にはいかない。
チームメイトを信じるのもキャプテンの仕事だ。耐えろ、耐えるんだカール・ハインツ・シュナイダー!)」

消耗の激しいポブルセンとシュナイダーはDFラインを脅かしつつ休んでいた。
目先のキープ率を優先すれば3点目を奪う力が無くなってしまうが故の苛立ちと戦いながらの休憩である。
彼らの神経戦が功をなしたか、ドイツは未だブラジルにボールを奪われずに済んでいた。



カルロス「(見事だドイツ!お前達は強かった。それも予想以上に!だがそろそろ終わりだ。
この期に及んでここまでキープされ続けたのは屈辱だが、所詮時間稼ぎは時間稼ぎでしかない。
いずれは攻撃パターンが読まれる物なんだ。後ほんの少し…後ほんの少しだ!)」

ズズッ…

カルロス「(くっ…足が重くなり始めたか。だがまだだ!まだ俺は戦える!)」

カルロスがもうすぐボールを奪えると自信を得たのと、彼が足を引きずり始めたのはほぼ同時だった。

400 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/27(月) 13:30:11 ID:goDPAxOQ
上記6レスのコピペをお願いします。

401 :森崎名無しさん:2014/01/27(月) 18:49:06 ID:???
行ってきます

402 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/30(木) 08:42:38 ID:PaEIpEcE
この持久戦の終焉はメッツァのトップスピンパスからだった。

放送「後半33分!ドイツが懸命にボールキープしながらじりじりと戦線をブラジル側に
押し上げています!次の3点目が恐らく決勝点となるのは間違いない所、
両チーム共意地を張り合う踏ん張り所ですが、まだこれと言った動きは見られません!」

観客「何やってんだ、まだ奪えないのか!」「折角ミューラーがヘバッているのに!今がチャンスなんだぞ!」
「運動量落ちてるぞ!根性見せろ!」「いかん、前半から攻めまくっていたツケが来ている…」

ルディ「(よしっ!このまま40分くらいまで粘れれば…!)」

ロベルト「(あわわわわ…まだか?まだ奪えないのか?)」

放送「ここでメッツァくんにボールが渡った!彼のパスはこの試合中何度もブラジルの選手達を
良い様に翻弄しています!今回もマーカー達が振り切られてしまうのか?」

メッツァ「(あ〜もうまた僕!?さっさと逃げちゃえ!)」

グワアッ…
バシュルルルルル!

ネイ「(くそーーーっ、またか!)」

トニーニョ「(ええい、このままでは本当にこっちの体力が…!)」

シュタタタタッ!
バッ!グルンッ!

カルロス「ここだああっ!」

バチィッ!

403 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/30(木) 08:43:39 ID:PaEIpEcE
メッツァ「あああーーーっ!?」

ヒューーーーーーン…

放送「あーーーっと、ここでカルロスくんのムーンサルトパスカット!メッツァくんの
トップスピンパスの軌道があらぬ方向に変わりました!このこぼれ球の行方は!?行方はどうなる!?」

カペロマン「や、やばいっ!」

ダダダダダッ!

カペロマン「よ、よし…」

ジェトーリオ「はい、毎度有難う御座います!」

グイッ!
バシッ!

カペロマン「うわっ!?き、貴様―っ!」

それはメッツァに頼り過ぎた弊害か、それともカルロスを褒めるべきか。ドイツユースが仕掛けた持久戦は
約10分続いた後にカルロスが弾いたボールをカペロマンが奪われる事で終わってしまった。

放送「カペロマンくんがフォロー!しかしジェトーリオくんがすぐさま奪い取った!
とうとう待望のブラジルボールになりましたァ!!」

ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

観客「よっしゃーーー!良くやった!」「待ってましたァ!」「そのまま3点目を決めるんだーっ!!」

404 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/30(木) 08:45:40 ID:PaEIpEcE
シュナイダー「くそっ!やらせん!」

ダダダダッ!

この時シュナイダーはメッツァのパスが弾かれたのを見た瞬間に走り出していた。
このタイミングでボールを失ったらピンチになる事が分かりきっていた為、
何としてでもボール争いに参加しなくてはならないと瞬時の判断の賜物だった。

ジェトーリオ「おー怖い怖い、炎の皇帝様が来ちゃったよ。でもね…」

グワアアッ!
バシュルルルルル!

シュナイダー「なっ!?これは、ドライブパス…!」

ジェトーリオ「残念!サンタマリアが教えてくれたよ、君パスカット下手だってね♪」

しかしここに到ってジェトーリオも今まで見せなかったドライブパスを披露し、
シュナイダーの好判断を無に帰した。そしてボールは無事トニーニョに渡る。

トニーニョ「よし!ネイ!」

ネイ「何時でもいいぜ、相棒!」

パンッ!ダダッ!パンッ!ダダッ!

放送「ジェトーリオくんここでドライブパス!魅せます美技!そしてこれを受け取った
トニーニョくんが…出たーーーっ!!トニーニョくんとネイくんのゴールデンコンビ!
遂に奪えたボールを早速ゴールチャンスに変えるべく速攻をしかけます!」

405 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/30(木) 08:46:57 ID:PaEIpEcE
ボールを奪えたブラジルは当然の如く速攻を仕掛けた。ミューラーが回復しきらない内に
シュートを撃ち3点目を奪ってしまいたい彼らに遅攻は百害あって一利無しだからだ。

パンッ!ダダッ!

フライハイト「し、しまった!」

フライハイトがあっと言う間に抜かれ。

パンッ!ダダッ!

カルツ「畜生ぉおおっ!」

カルツも為す術も無く抜かれ。

シェスター「くっ!ニンポー・ホウセンカ!」

ビチッ!

トニーニョ「むっ。粘ったな」

ネイ「だが、無駄な足掻きだぜ!」

カルロス「良くやったネイ、トニーニョ。後は任せろ」

ドイツメンバー「あーーーーっ!?」「よりにもよってカルロスにー!?」

シェスターは辛うじて足先にかすらせ連続ワンツーを終わらせたが、そのこぼれ球はあっさりカルロスに拾われてしまった。

406 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/30(木) 08:48:00 ID:PaEIpEcE
放送「速攻!速攻!これは…上手くいった!カルロスくんが良い位置でボールを持ったぞーっ!」

クランケ「くそっ、まだだ!まだ俺達が居る!」

ヨハンセン「ここを通して堪るかァ!」

カルロス「…お前たちでは俺を止められない!」

ブゥウウウウウウン…
シュパアッ!

クランケ「な、なにィ!」

ヨハンセン「そんなァ!」

放送「そしてカルロスくんあっさりドリブル突破しPA内に突入!ミューラーくんと一対一だァーーーッ!!」

ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!

観客「決まれーっ!」「行けーっ!!」「カルロス頼むぞ!」「ここだ!ここで逆転だ!」

全日本メンバー「き、決まるのか!?」「天国と地獄の分かれ目だ…!」

森崎「……………」ゴクリ

後半38分、ついに試合の分岐点が来た。

407 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/30(木) 08:49:24 ID:PaEIpEcE
シュナイダー「(大丈夫だ!)」

この時シュナイダーは必死に己に言い聞かせた。チームメイト達と共に自陣に向かって走りながら
焦りと諦めと戦い、自分を奮い立たせる材料を探した。

シュナイダー「(カルロスのスピードが僅かだが落ちている!もうファントムシュートを撃てる状態じゃない!)」

カルロス「(くっ…やはりファントムシュートを撃つには体力が足りないか…)」

そこで目をつけたのはカルロスがこぼれ球を拾った時、既にPA少し外と言うシュートを撃つのに適した位置に
居たのにも関わらずファントムシュートを撃たず、分身ドリブルでPA内に切り込んだと言う事実だった。
今の息切れしたミューラー相手ならファントムシュートを撃てば決まる確率は高い。

にも拘わらずわざわざDF二人を抜き去り一対一を挑みに行ったのは、ファントムシュートを撃てないからだ。
そうシュナイダーは判断し、実際にその判断は当たっていた。
カルロスも自分の体力の残量を計算し、今ファントムシュートを撃っても失敗するだろうと結論付けていた。

だがそこから先に描いた二人の想像図は大きく違っていた。

シュナイダー「(ここでミューラーが分身ドリブルを止めてくれれば、失点は阻止される!
そこから残り時間全てを総攻撃に費やせば、俺達の勝ちが見えてくる!)」

ミューラー「(来る…分身ドリブルが!止めてみせる!疲労がなんだ、師匠の地獄のしごきに比べれば屁でもない!)」

カルロス「(止むを得ん…出し惜しんだ末の敗北と、実力を見せつけての勝利!どちらが良いか、考えるまでもない…!)」

シュナイダー、そしてミューラーはカルロスが分身ドリブルで抜きにかかると思っていた。
カルロスが今まで見せた事がない一対一用の新必殺シュートを隠し持っているかも知れない。
その可能性をドイツの二人が考えなかったのは、無意識に考えたくないと言う感情のせいだったのか
それとも心身ともに限界でそこまで警戒する余裕がなかったせいなのか。

408 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/30(木) 08:50:59 ID:PaEIpEcE
ブゥウウウウウウウウウウン!!

ミューラー「(来たっ!だが見切れる…!体は動く!間に合う!)」

ヒュンッ!

いずれにせよ、カルロスが分身ドリブル特有の緩急自在の横の動きを開始し
それを阻止すべく腰を落として距離を詰めたミューラーが。

ミューラー「なっ!!?」

ガクン!

シュナイダー「(な、なんだ!?どうしたミューラー!)」

急に体勢を崩し、何もない所に所に手を伸ばした時、シュナイダーには何が起きたのか最初は分からなかった。

パスッ…
コロコロコロ…

カルロス「…俺のもう一つの切り札、ステルスシュートだ。覚えておけ」

ミューラー「………!!!」

シュナイダー「そん、な…」

ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

カルロスは分身ドリブルの動作中に何時の間にかボールをゴールに蹴り込んでいた。
ミューラーはそれを阻止しようとし、間に合わなかった為に何もない所に手を伸ばす羽目になった。
シュナイダーがそれを理解できたのはゴールの笛を聞いてからだった。

409 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/30(木) 08:52:07 ID:PaEIpEcE
.


ブラジル 3−2 ドイツ



大会得点ランキング(表記はメインキャラのみ):
10ゴール カルロス、シュナイダー、ストラット
9ゴール 日向
8ゴール ディアス
7ゴール ザガロ
5ゴール 火野、ビクトリーノ
4ゴール 翼、カペロマン、森崎、ランピオン、カマーチョ
3ゴール ポブルセン、ナポレオン、ピエール、チャンドラー、ロリマー、ミハエル、サトルステギ
2ゴール トニーニョ、マーガス、李邦内、李邦坤、アルシオン、イスラス、レンセンブリンク、三杉
1ゴール ルーク、肖、岬、山森、フライハイト、ネイ、ロペス、ガルシア、クライフォート、
     カイザー、マッハー、クリスマン、政夫、ディウセウ、マウリシオ



大会アシストランキング(表記はメインキャラのみ):
6アシスト アルシオン
5アシスト サンタマリア
4アシスト 岬
3アシスト カルロス、マーガス、翼、ダ・シルバ、ネイ、チャンドラー、火野、パスカル、ランピオン、
2アシスト カペロマン、バンビーノ、カルツ、ピエール、王、森崎、トニーニョ
1アシスト フライハイト、カルツ、メッツァ、テイラー、飛、山森、早田、ビクトリーノ、エスパダス、クリスマン、イスラス、
      シェスター、バビントン、クライフォート、カイザー、和夫、ジェトーリオ

410 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/01/30(木) 08:53:14 ID:PaEIpEcE
上記8レスのコピペをお願いします。

411 :森崎名無しさん:2014/01/30(木) 12:35:25 ID:???
行ってきます

412 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/05(水) 00:15:46 ID:hswY8fJA
ォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!

観客「やったーーーーッ!!」「ゴールだ!ゴールだ!逆転だァ!!」「イヤッホォオオオオオオオオオ!!」
「やっとか!待たせやがって!」「散々気をもませやがって!どうしてやろうかと思ってたぞ!」
「素晴らしいタイミングでの逆転だ!」「見たかドイツ!これがサッカー王国・ブラジルの力だ!」
「今の見たか!?」「見た見た!分身ドリブルの最中にシュートしてた!」「くそっ、見逃しちまった!」
「カルロス!」「カルロス!」「カルロス!」「カルロス!」「カルロス!」「カルロス!」「カルロス!」「カルロス!」

放送「ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーールッッッ!!!!
マイクの力を借りて叫んでも尚かき消されかねない程の大歓声によってブラジルの逆転ゴールが
たった今、後半38分に祝福されています!決めたのは勿論この人、ブラジルユースの
キャプテンにしてエースストライカーのカルロス・サンターナ!本日2点目のゴールで
一時期は絶望的とすら思えた試合を見事引っくり返してみせた英雄に嵐の如く拍手と歓声が降り注ぎます!

そしてゴールの仕方も極めてスタイリッシュで映える物でした!ムーンサルトパスカットで
相手のパスワークを断ち切り、そのまま速攻に参加し、こぼれ球を拾ってゴール前に切り込み、
そして分身ドリブルかと見せかけて目にも止まらぬ早業でボールをドイツゴールに蹴り込んだのです!
前半の1点目とこの3点目が合わさればまさに獅子奮迅にして一騎当千の活躍ぶり!
最早英雄と言う言葉すら物足りなく感じてしまいます!これがカルロス・サンターナなのです!!」

ロベルト「(よっしゃ!よかったー、結局コインブラ抜きでも勝てそうだ。いやーヒヤヒヤした)」

放送「ピッチレポーターによると今までにじっと見守るだけだったロベルト監督も
ここに来てやっとガッツポーズをしたそうです。前半で2点リードされると言う大ピンチに陥りながらも
自分の選手達と戦術を信じ続け戦い続けたその好判断と精神力は賞賛に値する名将ぶりと言えるでしょう!」

ロベルト「(おっといかんいかん、名監督は勝利を確信してもニヤニヤしたりしない。監督らしいクールな無表情っと)」

413 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/05(水) 00:17:44 ID:hswY8fJA
サンタマリア「ナイスゴールだ、カルロス!」

カルロス「ああ、決まってホッとしたよ。ケチらずにステルスシュートを使って良かった」

ジェトーリオ「ま、君が本気になればこんなもんだよね」

カルロス「そうとも限らない。ミューラーが疲弊していなかったらあるいはな」

ザガロ「チッ。ゴールを決めた直後に謙遜なんぞしやがって…」

ディウセウ「怒んなよザガロ。世の中おめえみたいな意地っ張りばっかじゃねえんだって」

ネイ「くそっ、また見切れなかった。一体何時撃ったんだよ…」

トニーニョ「タネが分かっていても尚タイミングが分からない。恐ろしい技だ」

マウリシオ「それは置いとくとして、そろそろドイツも諦めてくれますかね?」

アマラウ「そいつは油断大敵って奴だ。こうなった以上形振り構わず攻めてくるだろうからな」

ドトール「ただしもう気力も冷静さも残っていないだろう。流石にダメージは深い筈だ」

カルロス「その通りだ。丁寧にボールを奪ってからキープに努めればそれで終わりだ。後もう一踏ん張り頑張るぞ!」

ブラジルメンバー『おう!!!』

414 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/05(水) 00:22:33 ID:hswY8fJA
試合を引っくり返す逆転ゴールを後半終盤に決めると言う最高の展開を迎えたブラジルユースと
その味方は言うまでも無い程喜んでいた。あれ程苦しみながらも最初のプラン通りに
攻撃権を支配し、ミューラーを疲弊させ、大量得点に成功したのだから愉快でない訳がない。
こうなってしまえば2失点と言う苦難と恐怖も勝利の美酒を引き立てるスパイスに成り下がると言う物である。



コインブラ「(…バカな)」

そんな大喜びのブラジルユースの中で、唯一コインブラのみは喜びではなく驚愕に打ちのめされていた。

コインブラ「(ドイツの方が強い…俺はそう見ていた。なのに、これは…)」

彼は昨夜、カルロスとの会話で彼抜きならばブラジルは2−3でドイツに負けると言い放っていた。
売り言葉に買い言葉の状況ではあったが、その予想はその場の感情に任せたいい加減な物ではなく
コインブラの経験・知識・眼力に基づいた自信のある予想だった。

だがスコアは3−2で、勝っているのはブラジルだった。
一時期は0−2と言う絶望的なピンチに陥りながら、彼には見出せなかったミューラーの弱点を突く事で
劇的な逆転を成功させた。これは同時にブラジルユースの選手達が彼の予想を覆した事も意味する。

コインブラ「(サッカーにこんな事が…こんな事が…)」

今まで超越者として絶対の自信を持っていたコインブラがこの時人知れず初めて“敗北”を味わっていた。

415 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/05(水) 00:23:41 ID:hswY8fJA
若林「…なるほど。左右の往復の2回目で撃っていたな。こういうシュートもあるのか」

早田「ゲッ、お前今の何時撃ったか見えていたのか!?得意の洞察力か」

若島津「(ハッタリ…じゃないな。こいつなら見切れるか。今更ながらGKとしての差を感じるな…)」

次藤「(いかん…何が起きたのか解説されるまでいっちょん分からんかったばい…)」

中里「ぬうっ、分身ドリブルにこの様な使い方があったとは…恐るべし!」

赤井「ヤバいッスね、カルロスって。こうすれば止めやすいって手段がないですよ?」

中山「強いて言えばパスはそれほどでもないが…パス力が問われる役割じゃないからな」

葵「凄いな〜。前半2点リードした時はもうこれドイツが勝つだろって思ったのに…」

松山「徹底して攻撃し続けたのが功を為したんだが、なんて精神力だ…」

三杉「多分ミューラーの消耗も最初から計算に入れていただろうね。見事の一言だ」

岬「流石にドイツもこれではダメかな。もう体力も気力も時間も足り無さそうだ」

翼「うん…ブラジルが試合を逆転させた上に流れまで支配した。これは大きすぎるよ」

日向「そもそもリードを守り切れなかった時点でドイツの負けだ。もう奴らに攻める力は残ってねえ」

森崎「…シュナイダー…」

同時にこの場で数少ない中立の立場である全日本ユースの選手達も全員試合の決着を予感していた。
ドイツユースの強さを良く知る彼らも、この窮地を更に覆せるとは到底思えなかったのだった。

416 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/05(水) 00:28:18 ID:hswY8fJA
上記4レスのコピペをお願いします。

417 :森崎名無しさん:2014/02/05(水) 07:26:52 ID:???
行ってきます。

418 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/06(木) 00:45:49 ID:17irB+k+
シュナイダー「(なんて…事だ…!)」

事ここに到ってはドイツユースにもう余裕など欠片もなかったのは言うまでもない。
それはシュナイダーも例外ではなかった。

シュナイダー「(無様…無力!くそっ、何を間違えたんだ…?…違う!
もうミスを嘆いている暇はない、ここからどう挽回するかを考えなくては!
だがどうすればいいんだ…ロスタイムを入れても残り時間は精々10分。
攻撃陣の体力も残り少ない…そしてなにより、皆の精神力が…!)」

ドイツメンバー「う、ううっ…」「くそっ、くそっ!」「……………」

彼自身はまだある程度冷静だった。だがそれを他者に分け与える事は出来なかった。
無論チームメイト達も全員焦りと絶望に抗うのに忙しく、これではいくら彼が
キャプテンシーを持って味方を鼓舞そうとしても大した意味はない。

シュナイダー「(やはり…皆もうボロボロだ。このままでは喝を入れても
“やるだけやってみよう”だの“最後まで諦めずに頑張ろう”だのと言った
後ろ向きの闘志しか得られない…それでは駄目なんだ!そんな状態で
ヤケクソの攻撃をしかけても早く終わって欲しい、もうダメだと言う意識がつきまとう!
“まだ勝ち目はある、負けて堪るか”と皆に意識させなければいけないんだ…
だがどうやって?一体何を言えば、何をすればそんなムードを作る事が出来る?)」

ドイツメンバー『シュ、シュナイダー…』

カルツ「(やべえ…シュナイダーですらもうゲキを飛ばせないのか?
だけどこのままじゃ…誰かが何かを言わなくちゃ、俺達は戦わずして負け犬になっちまう…!)」

シュナイダー「(いかん…何か、何か言わなければ…!)」

419 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/06(木) 00:47:35 ID:17irB+k+
当然彼が悩み黙っていたらそれだけチームの士気も余計に下がり続ける。
黙っていたら状況が悪化するので早く何か言わなくてはいけない。
しかし悪化した状況に対し何を言えばいいか分からないから黙ってしまう。
この負のスパイラルに陥ったシュナイダーは絶望に飲み込まれそうになった。

シュナイダー「(ダメだ…皆を奮い立たせられる材料がない!ただの精神論ではダメなのに
皆に希望を持たせられる材料がない!このままではヤケクソに攻めるだけになってしまう!
だがそんな攻め方でブラジルを倒そうだなんて神頼みとなんら変わらない!
何か…何か無いのか!何か絶望を希望に変えられるキッカケは!?たった一つでいい、
何か小さなキッカケでいい!それだけでヤケクソの攻撃を不屈の覚悟に変えられる!
何か、何か、何かないのかァアアアアアアアアアアアアア!!!?)」

シュナイダーは戦い続けた。もう諦めて単純に“最後まで諦めるな”と空虚な言葉を
発したい誘惑に抗い続け、プレッシャーに潰されずに希望の種を探し続けた。

彼が不撓不屈に努めた甲斐はあった。

フライハイト「!?これは…間違いない!」

ポブルセン「あん?どうしたてめえ、狂ったか?」

フライハイト「皆聞け!天はドイツに勝てと言っている!天は俺達の味方だ!」

カペロマン「おいおい、この期に及んで神頼みかよ…」

シュナイダー「………!?」

それはフライハイトの突拍子もない発言だった。
その内容は彼を知らない者からすればオカルト染みた世迷いごとにしか聞こえなかったが、
バイエルンで彼と組んできたシュナイダーにはその意味が分かった。

シュナイダー「天…天だと?」

420 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/06(木) 00:49:07 ID:17irB+k+
マーガス「お、おいシュナイダーお前まで…」

メッツァ「ダメじゃんこれ…もう諦めてもいいよね?」

シュナイダーが綺麗に晴れた空を仰いだ時、いよいよドイツユースの士気は再起不能のレベルまで落ちそうになった。
DFラインの要に続いてキャプテンまで困った時の神頼みに走ったのかと思うと彼らの反応も無理はなかった。

ミューラー「…いや、これは…」

最初にフライハイトとシュナイダーが何を言い出したか気付いたのは山暮らしが長いミューラーだった。

ポツッ。

シェスター「ん?」

ポツッ、ポツッ。
ポタポタポタ…

シュナイダー「そうか…こういう事かフライハイト!」

フライハイト「そうだ!正しくこれは干天の慈雨なのだ!!天はドイツに勝てと言っている!」

ドイツメンバー「あ…雨!?」「雨だ!」「マジかよ!」「太陽が出ているのに!」

その後すぐに誰もが気付いた。晴天であるのにも関わらず雨が降り出した事に。
いわゆる“天気雨”の発生にフライハイトがいち早く気付いていた事に。

放送「おおおっ!?たった今雨が降り始めました!降水など有り得ないと思われた晴天でしたが
非常に珍しい天気雨が発生した様です!場内の皆さまは風邪をひかない様ご注意下さい」

観客「うわっ、雨か!?」「なんだよ、こんな時に…」「まあ暑かったから別にいいけどな」

421 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/06(木) 00:50:27 ID:17irB+k+
観客達はこの天気雨の影響にすぐには気付かなかった。
だが分かる者達は分かっていた。

全日本メンバー「雨!?」「おい、雨と言えば…!」「ドイツのあいつが…!」

カルロス「なにィ!?よりにもよってこんなタイミングで雨だと…!」

サンタマリア「…まずい!これは…!」

ゲルティス「…ドイツの士気回復を確認。警戒が必要と認」

この雨が死にかけていたドイツを生き返らせてしまう事を。

カルツ「シュナイダー!」

シュナイダー「ああ」

カルツに促されたシュナイダーは力強く頷き、ワンテンポ置いてからチームメイト達に言い放った。

シュナイダー「全員攻撃!残る力を全て注ぎ込み同点弾を叩き込む!そして延長に逆転だ!
ブラジルがやっとの思いで掴み取った逆転を幻の塵にしてゲルマン民族の誇りと強さを見せつけろ!!」

ドイツメンバー『ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!』



                 TO BE CONTINUED IN THE NEXT THREAD…


.

422 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/06(木) 00:52:01 ID:17irB+k+
キリが良い所なのでこのスレはここで終わらせ、
430レスまで次スレのサブタイトルを募集します。



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次スレもよろしくお願いします。

423 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/06(木) 00:53:02 ID:17irB+k+
上記5レスのコピペをお願いします。

424 :森崎名無しさん:2014/02/06(木) 13:19:52 ID:???
いってきます

425 :代理です。:2014/02/06(木) 13:21:10 ID:???
シュナイダー「(なんて…事だ…!)」

事ここに到ってはドイツユースにもう余裕など欠片もなかったのは言うまでもない。
それはシュナイダーも例外ではなかった。

シュナイダー「(無様…無力!くそっ、何を間違えたんだ…?…違う!
もうミスを嘆いている暇はない、ここからどう挽回するかを考えなくては!
だがどうすればいいんだ…ロスタイムを入れても残り時間は精々10分。
攻撃陣の体力も残り少ない…そしてなにより、皆の精神力が…!)」

ドイツメンバー「う、ううっ…」「くそっ、くそっ!」「……………」

彼自身はまだある程度冷静だった。だがそれを他者に分け与える事は出来なかった。
無論チームメイト達も全員焦りと絶望に抗うのに忙しく、これではいくら彼が
キャプテンシーを持って味方を鼓舞そうとしても大した意味はない。

シュナイダー「(やはり…皆もうボロボロだ。このままでは喝を入れても
“やるだけやってみよう”だの“最後まで諦めずに頑張ろう”だのと言った
後ろ向きの闘志しか得られない…それでは駄目なんだ!そんな状態で
ヤケクソの攻撃をしかけても早く終わって欲しい、もうダメだと言う意識がつきまとう!
“まだ勝ち目はある、負けて堪るか”と皆に意識させなければいけないんだ…
だがどうやって?一体何を言えば、何をすればそんなムードを作る事が出来る?)」

ドイツメンバー『シュ、シュナイダー…』

カルツ「(やべえ…シュナイダーですらもうゲキを飛ばせないのか?
だけどこのままじゃ…誰かが何かを言わなくちゃ、俺達は戦わずして負け犬になっちまう…!)」

シュナイダー「(いかん…何か、何か言わなければ…!)」

426 :代理です。:2014/02/06(木) 13:25:03 ID:???
当然彼が悩み黙っていたらそれだけチームの士気も余計に下がり続ける。
黙っていたら状況が悪化するので早く何か言わなくてはいけない。
しかし悪化した状況に対し何を言えばいいか分からないから黙ってしまう。
この負のスパイラルに陥ったシュナイダーは絶望に飲み込まれそうになった。

シュナイダー「(ダメだ…皆を奮い立たせられる材料がない!ただの精神論ではダメなのに
皆に希望を持たせられる材料がない!このままではヤケクソに攻めるだけになってしまう!
だがそんな攻め方でブラジルを倒そうだなんて神頼みとなんら変わらない!
何か…何か無いのか!何か絶望を希望に変えられるキッカケは!?たった一つでいい、
何か小さなキッカケでいい!それだけでヤケクソの攻撃を不屈の覚悟に変えられる!
何か、何か、何かないのかァアアアアアアアアアアアアア!!!?)」

シュナイダーは戦い続けた。もう諦めて単純に“最後まで諦めるな”と空虚な言葉を
発したい誘惑に抗い続け、プレッシャーに潰されずに希望の種を探し続けた。

彼が不撓不屈に努めた甲斐はあった。

フライハイト「!?これは…間違いない!」

ポブルセン「あん?どうしたてめえ、狂ったか?」

フライハイト「皆聞け!天はドイツに勝てと言っている!天は俺達の味方だ!」

カペロマン「おいおい、この期に及んで神頼みかよ…」

シュナイダー「………!?」

それはフライハイトの突拍子もない発言だった。
その内容は彼を知らない者からすればオカルト染みた世迷いごとにしか聞こえなかったが、
バイエルンで彼と組んできたシュナイダーにはその意味が分かった。

シュナイダー「天…天だと?」

427 :代理です。:2014/02/06(木) 13:27:12 ID:???
マーガス「お、おいシュナイダーお前まで…」

メッツァ「ダメじゃんこれ…もう諦めてもいいよね?」

シュナイダーが綺麗に晴れた空を仰いだ時、いよいよドイツユースの士気は再起不能のレベルまで落ちそうになった。
DFラインの要に続いてキャプテンまで困った時の神頼みに走ったのかと思うと彼らの反応も無理はなかった。

ミューラー「…いや、これは…」

最初にフライハイトとシュナイダーが何を言い出したか気付いたのは山暮らしが長いミューラーだった。

ポツッ。

シェスター「ん?」

ポツッ、ポツッ。
ポタポタポタ…

シュナイダー「そうか…こういう事かフライハイト!」

フライハイト「そうだ!正しくこれは干天の慈雨なのだ!!天はドイツに勝てと言っている!」

ドイツメンバー「あ…雨!?」「雨だ!」「マジかよ!」「太陽が出ているのに!」

その後すぐに誰もが気付いた。晴天であるのにも関わらず雨が降り出した事に。
いわゆる“天気雨”の発生にフライハイトがいち早く気付いていた事に。

放送「おおおっ!?たった今雨が降り始めました!降水など有り得ないと思われた晴天でしたが
非常に珍しい天気雨が発生した様です!場内の皆さまは風邪をひかない様ご注意下さい」

観客「うわっ、雨か!?」「なんだよ、こんな時に…」「まあ暑かったから別にいいけどな」

428 :代理です。:2014/02/06(木) 13:31:22 ID:???
観客達はこの天気雨の影響にすぐには気付かなかった。
だが分かる者達は分かっていた。

全日本メンバー「雨!?」「おい、雨と言えば…!」「ドイツのあいつが…!」

カルロス「なにィ!?よりにもよってこんなタイミングで雨だと…!」

サンタマリア「…まずい!これは…!」

ゲルティス「…ドイツの士気回復を確認。警戒が必要と認」

この雨が死にかけていたドイツを生き返らせてしまう事を。

カルツ「シュナイダー!」

シュナイダー「ああ」

カルツに促されたシュナイダーは力強く頷き、ワンテンポ置いてからチームメイト達に言い放った。

シュナイダー「全員攻撃!残る力を全て注ぎ込み同点弾を叩き込む!そして延長に逆転だ!
ブラジルがやっとの思いで掴み取った逆転を幻の塵にしてゲルマン民族の誇りと強さを見せつけろ!!」

ドイツメンバー『ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!』



                 TO BE CONTINUED IN THE NEXT THREAD…


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429 :代理です。:2014/02/06(木) 13:33:13 ID:???
キリが良い所なのでこのスレはここで終わらせ、
430レスまで次スレのサブタイトルを募集します。



このスレは、ご覧のスポンサーの提供でお送りしました。

2ちゃんねる
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430 :森崎名無しさん:2014/02/06(木) 13:38:29 ID:???
意味不明なミスをしたorz

431 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 00:30:09 ID:Js/5v1fo
キャプテン森崎は、高橋陽一氏作のサッカー漫画「キャプテン翼」の二次創作です。
大空翼に代わって主人公になった森崎有三を読者の投票によって操作していき、
他のキャラクター達と交流を深めながらサッカー選手として大成するのが目的の
読者参加型企画です。いわゆるゲームブックを想像して頂ければ分かり易いかも。

基本は毎回出る選択肢の中から読者が投票によってどれかひとつを選ぶ事によって
森崎の各数値が上下したり結果が分岐し、その結果によって森崎が活躍したり
しなかったりして物語が進んでいく…といった展開です。例えば敵にシュートを撃たれたら、
森崎の能力値+ある程度のランダム要素によってゴールを守れたり守れなかったりします。

投票や判定では2ch式(注:似ているだけで2chとは別サーバー)の掲示板で
ID付の投票書き込みを行ったりスクリプトでカードやダイスを引いてもらったりします。

過去スレのログはこちらのまとめページで見られます↓
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/11.html

ミス指摘、質問以外の雑談は下のURLの雑談スレでお願いします。
本スレでも更新毎に30レス程度までの反応レスなら問題無しとしています。
尚、30レスを超え雑談スレへの誘導が始まったら速やかに誘導に従って下さい。それがルールです。
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1391137269/
2ちゃんねるとは別の場所の板なので、ブラウザによっては外部板登録が必要です。
なんらかの理由で雑談スレが落ちている時は、本スレでも遠慮なく雑談をどうぞ。

432 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 00:31:18 ID:Js/5v1fo
【前スレまでの簡単なあらすじ】
第一回フランス国際Jrユース大会でMVPとなった若き日本サッカー界の星、森崎有三!
サッカー王国ブラジルに留学した彼はリオカップ、ジャパンカップ、ワールドユースアジア予選と言った
数多の激戦を経てワールドユースに全日本ユースのキャプテンと正GKとして殴りこんだ!
予選グループを勝ち点7の1位で突破した彼らは準々決勝でオランダユースに3−0で快勝し、
準決勝の難敵イタリアユースをも延長含む120分間の死闘の末に2−1で破り決勝進出!
そして今、彼らの前でもう一つの決勝の椅子を争いドイツとブラジルが戦っている。
後半38分ブラジルが3−2でリードした今、ドイツが最後の総攻撃を仕掛けんとしている…
…こんな感じで話は進んでいます。

☆ ☆ ☆ 重要! 読むまたは書き込む前に必ず読んで下さい。 ☆ ☆ ☆

☆本スレへの書き込みは「更新された内容への反応レス」「ミス指摘」「GMへの質問」のみとして、
それ以外の話題は雑談スレでお願いします。また、更新後30レスを越えたら再び更新が為されるまで
雑談スレを使って下さい。これらは更新の文の間隔が開きすぎ読みづらくなるのを防ぐ為のルールです。

☆選手の強さ談義は、厳禁。各選手の様々な能力は筆者の独断と偏見(適当)で決めています。
特にゲーム版キャラの場合シリーズによって強さがガラリと変わるので開き直ってかなりアレンジを
施しましたが、あまり深く考えないでください。繰り返しますが、あくまで「if」の物語ですので。

☆ゲームバランスについてもあまり深く考えすぎないで下さい。辛党と甘党両方を満足させるのは
難しいですし、マスクドデータも多い分GM側にしか分からない部分もあります。
「無理ゲーになったら話が進まない」ので、それを根拠に無理ゲーにはなっていないと思って下さい。

433 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 00:32:47 ID:Js/5v1fo
☆森崎も含め、この物語に登場するキャラクターは皆どこかしか変な所があり原作とはほぼ別人に
なってしまった者も珍しくありません。登場人物全般に奇人変人悪人が多く、善人や常識人は
どちらかと言えば少数派です。一癖も二癖もあるキャラクター達が時には熱血に、時にはシリアスに、
時にはおバカに、時には和やかに絡み合う物語ですので「自分のキャプテン翼を汚されたくない」と
思う方にはお勧めできません。ご参加の際はそれを念頭に上でお読み下さい。

☆今までの流れが掴めない、と言う人は下記のまとめWikiにある過去スレをご参照下さい。
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/11.html
全部読み返すのは時間がかかるので、雑談スレで他の読者に分からない部分を聞くのもアリです。

『用語・方針など』

【ガッツ】
RPGでいうところの体力(HP)みたいなもの。なんらかの行動を取る毎に増減し、又試合中は
1分経過する毎に5回復します。 300以下になると全ての行動に(−1)のペナルティがかかります。
200以下で(−2)、100以下で(−3)、0以下で(−5)とペナルティは激しくなっていきます。

限界値は999ですが、体力自慢でもせいぜい900位です。ドライブシュートなどの必殺技は
通常の行動よりも多くのガッツを消費し、ガッツが足りない時は使用できません。

434 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 00:34:06 ID:Js/5v1fo
【各種能力値】
MAXは100。MINは0。ドリブル、シュート、タックル、セーブなど各種行動に関わる
能力値です。 どんな数値がどれ位凄いのかは以下の様なイメージを持って下さい。
ウィイレ(Winning Eleven)を想像すると分かりやすいかも?

   0〜5: サッカー経験無しの小学生
  5〜10: 経験有りもしくは運動神経が良い小学生
 10〜15: 上手な小学生・運動神経が良い中学生
 16〜20: 小学生全国レベル・経験有りの中学生
 21〜30: 中学生県大会レベル
 31〜40: 中学生全国レベル・普通の高校生
 41〜50: 中学生世界レベル・高校生県大会レベル
 51〜60: 中学生世界屈指・高校生全国レベル
 61〜70: 高校生世界レベル・J1選手レベル
 71〜80: 高校生世界屈指・海外リーグレベル・日本代表レベル?
 81〜90: 海外トップリーグレベル
91〜100: 世界屈指レベル

尚、各能力値は次の様な状況で使われます。

ドリブル:文字通り、ドリブル突破に使われます。これが高ければドリブラーを名乗れます。
パス:サッカーの基本中の基本、パスをする時に使います。ワンツーリターンも同様です。
シュート:地上から、空中から、FKから。ありとあらゆるシュートでこの数値が肝となります。
タックル:相手ドリブラーからボールを奪う力です。スライディングタックルとは限りません。
パスカット:相手のパスをカットする能力です。そのまんまです。特筆すべき事はありません。
ブロック:これが高いと強力なシュートも止め易くなります。体を張ってもらいます。
せりあい:トラップやクリアなどそれぞれの頻度は低いけど多彩な状況で
     用いられる能力値です。キーパーの場合はとびだす、そなえるにも使われます。
セーブ力:キーパー専用の能力値です。これが無いとシュートを止められません。

435 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 00:35:15 ID:Js/5v1fo
【チーム内支持率】
チーム内で森崎がどれだけ支持されているかの数値です。MAXは100でMINは0です。
基本的に低い時は上がり易く下がり難く、高い時はその逆です。支持率が高い程味方に
信頼され指示に従ってもらえますが、逆に低いと指示を出しても無視されたりします。

尚、必ずしも各選手の支持率の合計値を足すと100になるというわけではありません。
例えば翼も森崎も支持する、とかいうメンバーもいる場合翼の支持率が70で森崎の支持率が50、
とかいう状況もあるという事です(※関連項目→【派閥】)。

【派閥】
チーム内支持率に関連します。 レギュラー選手を含む、森崎以外のサッカー選手はそれぞれ自分の
目標とする選手や、個人的に崇拝する選手などの「派閥」に属します。来生の様な特殊なケースも
居ます(例・石崎→翼派閥 滝→森崎派閥 来生→若林派閥と見せかけて来生派閥 など)。

チーム内支持率は、選手本人の活躍で上がりますが 同じ派閥に属する選手が活躍した場合も
若干派閥の主にプラスされることがあります(例・石崎が活躍すると、翼の支持率がちょっと上がる)。

個人プレイで支持率を稼ぐのは効率がいいですが自分の派閥に属する選手をサポートしたり、
プライベートな時間で派閥に属する人間を増やしたりする事も支持率上昇の肝となってきます。

436 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 00:36:52 ID:Js/5v1fo
【必殺技・特殊能力】
森崎や、その他の選手も練習や試合の過程で、必殺技や特殊能力を覚えることがあります。
必ずしも「必殺」ではありませんが、試合の展開に影響する事もあります。一定の確率で発動する
技と能動的に発動できる技の2種類があり、通常行動よりガッツを多く消費する技もあります。

【サッカーのルールに関して】
キャプテン翼のサッカーは格闘技であり、ボール越しなら相手を殺しても許されます。
同じく袖まくり、スカイラブハリケーン、三角跳びなど現実のサッカーのルールでは反則な行為も
キャプテン翼ではなんら問題無しなので、その様に処理します。それ以外では基本的に
現実のサッカーのルール通りに処理します(例外があれば随時説明します)。

【カードの強弱及びJOKERの扱い】
カードの強弱はダイヤ>ハート>スペード>クラブとしており、数字はそのまま13〜1として
様々な判定に使われます。JOKERは特に注釈が無い場合はダイヤの15扱いです。
カードと6面ダイス2個が同時に使われている判定ではダイスの数値が能力値に加算され、
カードはマーク毎の必殺技発動判定などに使われます。JOKERが出た場合はダイスの数値が12になります。

【必殺作戦】
松山の「なだれ攻撃」や三杉の「ファストブレイク」など一部の選手たちはいわゆる必殺作戦を
持っています。これらを発動させると、ガッツ消費率増加等の代償と共に
チーム全員パス力+1等のボーナスを得られます。敵も必殺作戦を使ってくる事があります。

437 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 00:38:01 ID:Js/5v1fo
『数値判定に関わる細かいルール色々』

☆11か12の出目、もしくはJOKERによる成長☆
森崎を除く味方選手は判定のダイスで11以上を出す度にその行動に応じたフラグを獲得し、
もう一回同じ行動で11以上を出すとフラグを回収し行動に応じたスキルや必殺技を習得します。
カードでJOKERが出た場合はダイスが6ゾロに変えられ更に一発でその行動に応じたスキルや必殺技を習得できます。
ただし、この成長が行われるのは攻撃側は≧2以上で勝った場合のみ、守備側は最低でも
こぼれ玉に出来た場合のみです。そうでない場合は成長しません。
また、特定の分野に置ける成長限界に達した選手はこの方法では成長しない事があります。

☆フリーキック補正☆
フリーキック、もしくはフリーキック同様のノーマークでゆっくり狙いを定めて蹴れる状況では
キッカーのシュート力とパス力に+2されます。

☆人数補正☆
守備側の選手たちは判定に参加した人数に応じてプラスの補正を受け有利になります。
具体的には2人か3人で+1、4人〜6人で+2、7人以上で+3です。
キーパーのセービングのみ例外でDFが何人居ても補正はつきません(飛び出しならつきます)。

☆マークについて☆
タックル能力を用いる時間稼ぎの行動です。必殺タックルも発動します。
成功してもボールは奪えませんが、敵の前進を邪魔する事が出来ます。

☆スルーについて☆
シュートを撃つと見せかけてボールに触れない行動です。素のシュート力に+3した状態で
判定が行われ、成功するとキーパーの体勢を崩したりゴールを空っぽに出来たりします。
ただし、成功してもボールが敵選手に渡ったりフィールドの外に出てしまう事もあります。

438 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 00:41:21 ID:Js/5v1fo
☆反則の発生率☆
基本的には、攻撃側と守備側両方が判定時にクラブを引いた時に反則が発生します。
この時反則を犯すのはカードの数値が低かった方です(同数の場合は守備側になります)。
ただしこれはドリブル対タックルやトラップ対クリアと言った接触プレイの時に限られ、
非接触プレイでは反則が発生しない物とします。
浮き球争いなど一部の状況では両側が反則を犯す事もあり、その場合はどちら側も反則を取られません。
その他特殊な状況で上記の限りではない時、発生率が増減する時などはその都度追記します。

☆コンディション別の各状況に置けるケガ発生率☆
攻撃側、守備側共にカードの数字やマーク、結果、状態次第では怪我をする事があります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ケガの深度 非接触 接触 反則受 シュート 接触 反則受
                       吹飛  吹飛  吹飛
万全の状態  無   無   中    小    中   大
なおりかけ    無   小   中    中    中   大
軽傷治療済  小   中   中    中    大   大
軽傷未治療  中   中   大    大    大   危
重症治療済  中   大   大    大    危   必
重症未治療  大   危   必    必    必   必
プレイ不能   必   必   必    必    必   必

無=怪我は発生しない 小=クラブの4か9か13
中=クラブの偶数     大=クラブ
危=クラブかスペード  必=必ずケガをする

☆吹っ飛び係数について☆
パワー系の技には相手を吹き飛ばす効果がついている物があります。これを吹っ飛ばし属性と言い、
数値判定の時に技毎に設定された係数以上の差をつけられて敗北した選手は吹っ飛ばされて
しまいます。吹っ飛ばされた選手はガッツを50消費し、更に低確率で怪我をします。

439 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 00:42:39 ID:Js/5v1fo
☆反則の発生率☆
基本的には、攻撃側と守備側両方が判定時にクラブを引いた時に反則が発生します。
この時反則を犯すのはカードの数値が低かった方です(同数の場合は守備側になります)。
ただしこれはドリブル対タックルやトラップ対クリアと言った接触プレイの時に限られ、
非接触プレイでは反則が発生しない物とします。
浮き球争いなど一部の状況では両側が反則を犯す事もあり、その場合はどちら側も反則を取られません。
その他特殊な状況で上記の限りではない時、発生率が増減する時などはその都度追記します。

☆コンディション別の各状況に置けるケガ発生率☆
攻撃側、守備側共にカードの数字やマーク、結果、状態次第では怪我をする事があります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ケガの深度 非接触 接触 反則受 シュート 接触 反則受
                       吹飛  吹飛  吹飛
万全の状態  無   無   中    小    中   大
なおりかけ    無   小   中    中    中   大
軽傷治療済  小   中   中    中    大   大
軽傷未治療  中   中   大    大    大   危
重症治療済  中   大   大    大    危   必
重症未治療  大   危   必    必    必   必
プレイ不能   必   必   必    必    必   必

無=怪我は発生しない 小=クラブの4か9か13
中=クラブの偶数     大=クラブ
危=クラブかスペード  必=必ずケガをする

☆吹っ飛び係数について☆
パワー系の技には相手を吹き飛ばす効果がついている物があります。これを吹っ飛ばし属性と言い、
数値判定の時に技毎に設定された係数以上の差をつけられて敗北した選手は吹っ飛ばされて
しまいます。吹っ飛ばされた選手はガッツを50消費し、更に低確率で怪我をします。

440 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 00:45:32 ID:Js/5v1fo
【メインキャラの現在の能力値(森崎以外はマスクドデータ(展開次第で調べられます))】

【森崎 有三】
☆最大ガッツ:835
☆状態:問題無し
☆全日本ユースチーム内支持率:74

ドリブル:76
  パス:75
シュート:75
タックル:66
パスカット:64
ブロック:64
せりあい:76
セーブ力:76
高い球補正:+2
低い球補正:+2

441 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 00:46:50 ID:Js/5v1fo
☆必殺技・特殊能力
がんばりダイビング(セーブ力+8)150消費
がんばりセービング・改(セーブ力+10)200消費
真・がんばりセービング(セーブ力+12)250消費
するどいキャッチング(1/4でセーブ力+3)経験値0/10
するどいパンチング(1/2でセーブ力+3)
三角飛び出し(飛び出し力+4)150消費
やや華麗なドリブル(1/4でドリブル力+2)
頭脳的なドリブル(1/4でドリブル力+3)
ヒールリフト(1/4でドリブル力+4)
ジャイロパス(パス力+2)60消費
マリグナントツイン(低シュート力+4、吹っ飛び係数5、要翼)150×2消費
リバーシブルボレー(低シュート力+5)200消費
超モリサキモード(発動中ガッツ消費1.5倍で全行動+2)
スキル・飛び出し+2
スキル・一対一+3
スキル・限界突破(疲労ペナ完全無効(ガッツ不足な技は使用不可))



【大空 翼】
☆状態:問題無し
☆全日本ユースチーム内支持率:58

【若林 源三】
☆状態:問題無し
☆全日本ユースチーム内支持率:33

【日向 小次郎】
☆状態:問題無し
☆全日本ユースチーム内支持率:46

442 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 00:49:21 ID:Js/5v1fo
-------------------------------------------
☆現在のキャプテン候補に対する各選手感情値☆
名前 || 森崎 || 大空 || 若林 || 日向
−− ++ −− ++ −− ++ −− ++ −−
政夫 || − 2 || + 4 || + 1 || − 2
和夫 || − 2 || + 4 || + 1 || − 2
新田 || − 4 || + 2 || + 1 || + 1
来生 || − 2 || + 3 || + 5 || − 1
  滝 || + 5 || + 2 || + 5 || − 1
  岬 || + 3 || + 5 || + 2 || + 3
三杉 || + 5 || + 2 || + 2 || + 1
松山 || + 1 || + 5 || + 2 || ± 0
山森 || + 5 || + 4 || + 2 || ± 0
井沢 || + 2 || − 1 || + 5 || − 1
  葵 || + 4 || + 5 || + 2 || + 1
次藤 || + 5 || + 4 || + 3 || + 2
早田 || + 5 || + 5 || + 3 || + 1
中里 || + 5 || + 3 || + 1 || + 3
石崎 || − 3 || + 5 || + 3 || ± 0
高杉 || − 4 || + 4 || + 5 || − 1
赤井 || + 4 || + 3 || + 1 || + 1
中山 || + 5 || + 4 || + 3 || ± 0
若島 || + 1 || + 1 || + 2 || + 5
−− ++ −− ++ −− ++ −− ++ −−
総合 || 3 3 || 6 4 || 4 9 ||  1 0
-------------------------------------------
−5〜+5まであります。+5で全面的支持、−5で明確な敵意と言う状態です。

443 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 00:51:21 ID:Js/5v1fo
【主な人物相関図・森崎関連】
・森崎→(大嫌い)→翼
・森崎←(友情)→中山・次藤
・森崎→(侮り)→新田
・森崎→(魂の兄弟)←早田
・森崎→(覗き仲間)←中里
・森崎→(同盟?)←三杉
・森崎→(ナンパ野郎)→ネイ
・森崎→(ガイキチ)→カルロス
・森崎→(鰻の強敵)→ザガロ
・森崎→(気持ち悪い)→ディウセウ
・森崎→(自分の同類)←アルシオン
・若林→(殺す)→森崎
・翼→(嫉妬・憎悪)→森崎
・石崎→(侮蔑)←森崎
・滝→(信頼)→森崎
・反町→(尊敬)→森崎・翼
・日向→(敵視)→森崎
・立花兄弟→(危ない奴)→森崎

444 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 00:52:43 ID:Js/5v1fo
・新田→(憎悪)→森崎
・佐野→(恩義)→森崎
・沢田→(恐怖)→森崎
・葵→(憧れ)→森崎
・山森→(尊敬)→森崎・早田
・陽子→(????)→森崎
・シュナイダー→(ライバル)←森崎
・トニーニョ→(不信)→森崎
・カルロス→(トモダチ)→森崎
・ザガロ→(串刺しにしてやる!)→森崎
・オルヘス→(恩義)→森崎
・ブンナーク→(敵意)→森崎
・韓国ユース→(変態!)→森崎
・オワイラン→(強敵)→森崎

445 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 00:54:09 ID:Js/5v1fo
【主な人物相関図・森崎以外その1】
・翼→(利用価値はある)←日向
・翼→(旧友)←ストラット
・若林→(手下)→来生・滝・井沢・高杉
・若林→(友情)←翼
・岬・石崎→(親友)←翼
・岬→(カモ)→ピエール
・岬→(親友)←松山
・岬→(君僕の実の妹なんだよ!?)→美子
・岬←(二股野郎)←南葛高の選手達とマネージャー達
・美子→(岬様ァ〜ん♪)→岬
・美子→(恋敵)←あずみ
・井沢→(嫉妬・嫌悪)→翼
・井沢→(劣等感)→山森・三杉
・来生・滝・井沢・高杉→(???)→若林
・南葛の一部選手達→(ホモ疑惑)→翼・石崎
・日向→(疑惑)→岬
・中山→(誓い)←オワイラン
・中山→(ライバル)←アルシオン
・三杉→(強いライバル心)←翼
・三杉→(特殊な関係)←弥生
・三杉→(嫌い)→日向
・三杉→(敬意)→次藤
・三杉→(紙一重)→来生
・三杉→(師弟)←新田
・松山→(友情)←翼
・松山→(ホモ疑惑)→石崎

446 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 00:55:28 ID:Js/5v1fo
【主な人物相関図・森崎以外その2】
・次藤→(嫌な奴)→日向
・次藤→(羨望)→早田
・佐野→(卑怯者)→日向
・反町→(恐怖)→日向
・反町→(友情?)←早田
・中里→(おぞましい)→ピエール
・中里→(恐るべし大陸系忍者!)→シェスター
・新田→(負けてたまるか)→来生
・新田・山森→(ライバル)→葵
・葵→(崇拝)→翼
・葵→(トモダチ)→ヘルナンデス・新田・山森
・シュナイダー・カルツ→(軽蔑)→若林
・ピエール→(イイヒト)→岬
・ディアス→(このパクリ野朗!)←来生
・ディアス→(恨み)→イタリア
・ヘルナンデス・ジェンティーレ→(恨み)→全日本
・シェスター→(ニンジャ!)→中里・立花兄弟
・マーガス→(借り)→若島津
・ネイ→(汚物)→ジェトーリオ
・ネイ→(からかうと面白い)→ストラット
・ダ・シルバ→(逆恨み)→ネイ
・ストラット→(殺す)→ネイ
・ミハエル→(マイダーリン!)→三杉
・ミハエル←(変態!)←全日本

447 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 00:56:43 ID:Js/5v1fo
【主な登場人物(公式のフルネームが存在しない外国人キャラは適当に名付けています)】

☆☆☆この世界では日本語が世界共通語です。その方が話が作り易いし、原作でも言語の壁はかなり曖昧なので。☆☆☆

【全日本ユースの選手達(背番号)】

森崎 有三(1)
所属:南葛SC→南葛中→全日本Jrユース→パルメイラスユース→パルメイラス→全日本ユース
配置:GK、ごくまれにフィールダー
特徴:瞬発力を活かしたセービング、一対一と飛び出しの強さ、GKの常識を覆すドリブル能力
性格:参加者の選択次第。目的の為には手段を選ばない、勝てば官軍を地で行く男。
概要:小学生時代から中学生時代まで日本一に輝き続けたGK。第一回フランス国際Jrユース
   大会ではキャプテンとして全日本Jrユースを優勝に導き大会MVPに選ばれた上に
   ブラジルの名門クラブパルメイラスにスカウトされた。

大空 翼(10)
所属:南葛SC→南葛中→全日本Jrユース→サンパウロFCユース→サンパウロFC→全日本ユース
配置:MFかFW
特徴:数多の大技、オールマイティな攻撃力、一流の守備力
性格:自他共に認めるサッカー馬鹿。無自覚に傲慢だが、裏を返せば自分に厳しいタイプ。
概要:長きに渡る森崎のチームメイトにして怨敵。二人の関係は憎悪と信頼が入り混じった複雑な物。
   日本のエースだが原作とは比べられない程挫折や失態が多く、恋人と喧嘩別れしたりプロ昇格後
   壮絶なスランプになったりと散々苦労してきたが、それらを乗り越え一皮剥けた男になった。

若林 源三(22)
所属:南葛SC→HSVJrユース→全日本Jrユース→HSVユース→HSV→全日本ユース
配置:GK
特徴:鉄壁のセービング、一対一勝負での絶対の自信と平常心、接触プレイでの強さ
性格:意地の塊の様な男。と言っても現実を認識できない愚か者ではない。
概要:負傷を切っ掛けに森崎に日本一のGKの座を奪われ、更に留学に行った西ドイツでは
   チームに馴染めず結局全日本Jrユースの第2GKに成り下がってしまった不遇の男。
   ジャパンカップで翼には勝ったが森崎には負けた為正GKとキャプテンの座は未だ遠い。

448 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 00:57:53 ID:Js/5v1fo
日向 小次郎(9)
所属:明和FC→東邦学園中等部→全日本Jrユース→東邦学園高等部→全日本ユース
配置:FW
特徴:暴力的なまでのパワープレイ、ズバ抜けた決定力、接触プレイでの強さ、限界まで疲れない体
性格:弱肉強食を体現する暴君。過去の事故のせいで実は無自覚の隠れM。
概要:学生にして株式会社・ヒューガーの代表取締役。森崎の前に何度も立ち塞がった
   怪物ストライカーで、日本の高校サッカーをその無敵ぶりで支配し続けた。
   その後ぶつかった世界の壁も自力で乗り越え、自慢のシュート力で世界を狙っている。

中山 政男(8)
所属:南葛SC→大友中→南葛高校→全日本ユース
配置:MFかDF
特徴:攻守共に基礎に忠実な高レベルの技術、状況に合わせられる数多の技
性格:チャレンジ精神豊富な勇敢な好青年。この物語では貴重な人格者。
概要:幾度の怪我や挫折に悩まされ続けながらもサッカーを諦めなかった隠れ名選手。
   長い間過去の栄光を取り戻そうとしてもがき続けていたが、それが叶わなかった事が
   逆にキッカケとなり新たな力を得始めた。そのポテンシャルは未だ底知れず。

岬 太郎(11)
所属:南葛SC→全日本Jrユース→南葛高校→全日本ユース
配置:MF
特徴:計算高いゲームメイクとパスカット技術、誰とでも合わせられる協調性、神すら欺く演技力
性格:天使の笑顔と八方美人的な態度の下に徹底した利己主義を潜ませている。
概要:翼のパートナーで、誰からも好かれる善人…を演じる希代の詐欺師。表向きは誰にも
   優しく接しながら常に他者の利用価値を計算し続け、何時か日本サッカーのビジネス面を
   支配しようと企んでいる。立ち回りの上手さで本人にも周囲にも利益をもたらすタイプ。

449 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 01:24:36 ID:Js/5v1fo
松山 光(12)
所属:ふらの小→ふらの中→全日本Jrユース→ふらの高校→全日本ユース
配置:MFだがDFも出来る
特徴:粘り強い守備力、そつの無い万能性、地を這うロングシュート
性格:誠実だが騙されやすい。一度受けた恨みは絶対忘れない。ネーミングセンスが独特。
概要:自分の故郷をこよなく愛する道産子。いわゆる天才ではないが存在感のある努力家。
   全日本ユース主力陣では貴重な常識人だがまっすぐ過ぎるが故逆に他者と衝突しがち。
   選手としては大技こそないものの頼れるボランチであり、センターバックもこなせる。

三杉 淳(14)
所属:武蔵FC→武蔵中→全日本Jrユース→武蔵大付属高校→全日本ユース
配置:MFだがFWも出来る
特徴:攻守両方における天才的なテクニック、戦術的頭脳
性格:冷静沈着で歯に衣を着せない。女の子を言葉責めするのが趣味のサディストでもある。
概要:翼を凌ぐ才能を生まれつきの心臓病で活かせない選手。しかし高校3年間をリハビリに
   費やし心臓病を完治させ、更に森崎と取引して自分の才能開花まで目論んだ。
   その甲斐あって世界トップクラスの実力を持っており、全日本に欠かせない存在と言える。

葵 新伍(20)
所属:中原FC→中原中→インテルJrユース→インテルユース→全日本ユース
配置:MFだがFWも出来る
特徴:スピーディなドリブル突破、底無しのスタミナ、がむしゃらなブロッキング
性格:子供っぽく直情的。明るく前向きだがしばしばKYだったりウザがられたりと良い事は少ない。
概要:中学時代はチームメイトに恵まれず埋もれていたが、単身でイタリアに渡り
   無茶を重ねた挙句名門クラブ・インテルに運良く入団出来たドリブラー。
   攻撃力不足のインテルの少年部でエースになり、”太陽王子”の異名を得ている。

450 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 01:25:39 ID:Js/5v1fo
次藤 洋(5)
所属:比良戸中→全日本Jrユース→国見学院→全日本ユース
配置:DF
特徴:巨体を活かしたパワーディフェンス、計略能力、スピードとテクニックの欠如
性格:豪快にして勇敢な九州男児。意外にも頭は良いが、標準語が話せないのがコンプレックス。
概要:強い者を倒したいと言う理由で中学からサッカーを始めた巨漢。経験が浅い為テクニックは
   無い上、体格故スピードも無いが強大なパワーと身長が売りのセンターバック。
   元はケンカの延長上で始めたサッカーだったが今は真剣に取り組んでいる。

早田 誠(7)
所属:東一中→全日本Jrユース→立波高校→全日本ユース
配置:DF
特徴:抜群のボール奪取力、鋭いカーブをかけたパスとシュート
性格:血気盛んでちゃっかりとしている。自分で料理が出来る程度のグルメ。
概要:漫才の時だけ関西弁になる関西人。サイドバックとリベロの両方をこなせる。
   カミソリタックルでボールを奪う技術はワールドクラスだが、それ以外は世界レベルでは
   平凡なのが悩みの種。その弱点を苦労して乗り越えつつはあるが…?

赤井 止也(23)
所属:前田中央高校→サンプドリアFCユース→全日本ユース
配置:DFかMF
特徴:タックル・パスカット・ブロック全てに秀でた守備、ドがつく程下手な攻撃
性格:無謀で突っ走りがち。その割に妙に小心者な所もある。
概要:攻撃の下手さ故に名門校で落ちぶれていた所を特別コーチにやってきた
   イタリア人の激励を信じてセリエAに突撃した冒険野郎。守備面では
   ほぼ全ての状況で活躍が期待できるが攻撃はDFとしても無残な凸凹な選手。

451 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 01:30:22 ID:Js/5v1fo
若島津 健(21)
所属:明和FC→東邦学園中等部→全日本Jrユース→東邦学園高等部→全日本ユース
配置:GKからDFに転向
特徴:機械で増幅した身体能力、三角跳びを始めとする空手技の数々、反側的なクリアの強さ
性格:倫理観よりも”力”を信じる男。基本的には冷静だが熱い心を持っている。
概要:跡継ぎ争いに嫌気が差し、サッカーに転向した元空手家。小学生時代から日向に絶対の
   忠誠を誓い、改造手術まで受けた。Jrユース大会後、日向と共に東邦学園高等部に進学。
   しかしGKとして世界は狙えない事を実感し、自ら志願してDFにコンバートした。

立花 政夫(2)・和夫(3)
所属:花輪SS→花輪中→全日本Jrユース→秋田商工→全日本ユース
配置:FW、ただしMFやDFとしても使われる
特徴:変幻自在のコンビプレイ、様々な空中技、二人揃わないと技の殆どが使えない
性格:何をするのも二人一緒なお調子者。極端に興奮すると猿言語で放す。
概要:アクロバティックな空中技とコンビプレイを得意とする双子の兄弟。彼らのプレイを初めて
   見た者は100%の確率で度肝を抜かれる。Jrユース大会後は秋田商工に進学。
   二人揃わないと技の大半が使えないが、一応一人でも出来る事はある。

中里 正人(4)
所属:南葛中→全日本Jrユース→南葛高校→全日本ユース
配置:DFだがMFとしても使われる
特徴:俊足を活かしたオーバーラップ、高いボールキープ力、忍術を活用したディフェンス
性格:上下関係に気を使う。下調べを怠り判断を誤る事が多い。むっつりスケベ。
概要:足が凄く速い忍者(一部の者しか彼の素性は知らない)。緩やかな滅亡の道を歩む
   里を救う為、スポーツ忍者として資金源になる事を目指している。趣味は風呂覗き。
   Jrユース時代は抜群の存在感を誇ったが、そこから殆ど伸びていないのが玉に瑕。

452 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 01:37:36 ID:Js/5v1fo
山森 正吾(13)
所属:南葛SC→南葛中→全日本Jrユース→南葛高校→全日本ユース
配置:MFだがFWも出来る
特徴:豊富な運動量、精度が非常に高いパス、豊富な空中技
性格:素直かつ誠実で向上心に満ち溢れている優等生。全日本ユースの年下組のリーダー格。
概要:新田と共に南葛SCで全国を制し、南葛中で芽を出した森崎達の一年下の後輩。
   Jrユース大会後は南葛中キャプテンになりV4を達成。その経験あってか基本的には温厚だが
   時には厳しく冷静な事を言う事もある。とある女性にストーキングされている。

新田 瞬(18)
所属:南葛SC→大友中→全日本Jrユース→南葛高校→全日本ユース
配置:FW
特徴:速さと巧さを兼ね揃えたドリブル、スピードに依存したシュート
性格:大胆不敵な野心家。ただし思い通りに行かないと割と簡単に落ち込んでしまう。
概要:森崎達より一つ下の年代のストライカー。秘めた才能はあると目されているが、
   Jrユース大会でそれが開花する事は無かった。しかし高校生になってようやく
   才能が開花し、今や別人となりつつある。山森とは南葛SC時代からの縁。

井沢 守(15)
所属:南葛SC→南葛中→全日本Jrユース→南葛高校→全日本ユース
配置:MF
特徴:優れたジャンプ力、来生と滝との連携
性格:劣等感と嫉妬を努力に変換出来る負けず嫌い。
概要:翼他への劣等感をバネに一花咲かせようと奮闘し続ける南葛のイケメンMF。
   小学生時代からの幼馴染、来生と滝と多くの連携技を持つ。

453 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 01:39:28 ID:Js/5v1fo
滝 一(17)
所属:南葛SC→南葛中→全日本Jrユース→南葛高校→全日本ユース
配置:FW
特徴:右サイドアタックによるドリブル突破とセンタリング、井沢と来生との連携
性格:極めて常識的な普通人。来生へのツッコミ役。
概要:右サイドアタックからのセンタリングのみを武器にする南葛の職人ウィング。
   小学生時代からの幼馴染、井沢と来生と多くの連携技を持つ。

来生 哲兵(16)
所属:南葛SC→南葛中→全日本Jrユース→南葛高校→全日本ユース
配置:FW
特徴:後先考えないドリブル突破、高低両方で打てるダイレクトシュート、滝と井沢との連携
性格:何があっても自信を失わないKY。お世辞にも頭は良くない。
概要:全日本JrユースNo.2FWまで上り詰めた南葛のお調子者ストライカー。
   小学生時代からの幼馴染、滝と井沢と多くの連携技を持つ。

高杉 真吾(6)
所属:南葛SC→南葛中→全日本Jrユース→南葛高校→全日本ユース
配置:DF
特徴:大柄な体を活かしたディフェンス、飛距離が長いスローイン
性格:自称策略家だが実際の行動力は低い。小悪党じみた言動もしばしば。
概要:森崎の下に下る事を良しとせず、旗色が悪くなっても反抗し続ける南葛のスイーパー。
   来生、滝、井沢とは小学生時代からの幼馴染だがポジションが違う為連携技は持たない。

454 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 01:41:06 ID:Js/5v1fo
石崎 了(25)
所属:南葛SC→南葛中→全日本Jrユース→南葛高校→全日本ユース
配置:DF
特徴:根性任せの開き直ったディフェンス
性格:誰にも頭を下げないある意味孤高の男。何気に女好きだが勿論モテない。
概要:翼との付き合いが誰よりも長い南葛のDF。森崎と翼が対立するに連れ彼も自然に
   翼側につき、森崎を憎む様になっていった。高杉と良くつるんでいるが仲は良くない。

455 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 01:50:41 ID:Js/5v1fo
【ブラジルユースの選手達】

カルロス・サンターナ
所属:フラメンゴユース→フラメンゴ→ブラジルユース
配置:FW
特徴:豪華な大技の数々、圧倒的な攻撃力、一流の守備力
性格:スポーツマンシップを尊ぶ優等生。サッカーボールに話しかける癖がある。
概要:ブラジル全国に名声を轟かせる名選手。その余りにもズバ抜けた強さに
   ”サッカーサイボーグ”とまで評される。人格面でも評判が良いブラジルユースのキャプテンだが、
   常に持ち歩く”アーサー”と名付けたボールと会話を始めると周りが沈黙に包まれる。

エウゾ・ゲルティス
所属:インテルJrユース→ACミランJrユース→ACミランユース→ACミラン→ブラジルユース
配置:GK
特徴:超人的なセーブ力、隙の無い守備、コンピューターの様な計算速度
性格:冷静沈着を通り越して機械的。数字を好み、金銭にも五月蝿い。
概要:”キーパーマシン”の異名で呼ばれるGK。少年の頃からわざわざセリエAに
   殴りこみ、イタリア人GK達を押し退け正GKの地位を勝ち取る事で腕を磨いてきた。
   常に脳内で色々な数字やデータを浮かべているのが密かな趣味。

リカルド・サンタマリア
所属:フラメンゴユース→フラメンゴ→ブラジルユース
配置:MF
特徴:卓越した指揮能力、極めて丁寧なゲームメイク、高い守備意識
性格:頭脳明晰だが内面に熱い闘志を持つ。溜まっているストレスも相当な物。
概要:フラメンゴ所属のMFでゲームメイクが非常に上手い。
   性格は絵に描いた様な常識人で、ボールに話しかける癖があるカルロスと
   嫌われ者のジェトーリオに挟まれている為常に胃痛に悩まされている。

456 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 01:52:29 ID:Js/5v1fo
ディエゴ・デ・オリヴェイラ・セウジーニョ(ディウセウ)
所属:サントスユース→サントス→ブラジルユース
配置:DF
特徴:超人的なパワーと意外な程のスピードとテクニックを活かしたディフェンスとオーバーラップ
性格:陽気で友好的な田舎者。ザガロの尻拭いは最早職人芸。ピンクが大好き。
概要:サントスユースのキャプテンを務めていた大柄なスイーパー。その守備力は
   ブラジル屈指であり、ブラジルユースでも守備の要。更に攻撃参加も上手い。
   かわいいからと言う理由で自分の髪をピンクに染めているので外見はかなり気持ち悪い。

ファビオ・デルネイ・フロレンシオ(ネイ)
所属:パルメイラスユース→パルメイラス→ブラジルユース
配置:MFかFW
特徴:相手の死角に潜り込むドリブル、高い攻撃技術、トニーニョとのコンビプレイ
性格:常にマイペースで善意と悪意両方を笑顔で振りまく。自他共に認める女好き。
概要:小柄な体格を逆手に取ったスピードスターとテクニシャン両方を兼ねるMF兼FW。
   ウィングとMF全般が勤められる。絵に描いた様な優男であり、女性ファンが多い。
   トニーニョとは幼馴染であり、二人のコンビプレイは定評がある。

アントニオ・コンセイソン(トニーニョ)
所属:パルメイラスユース→パルメイラス→ブラジルユース
配置:MF
特徴:ここ一番でのドライブシュート、巧みなゲームメイク、空中戦の強さ、ネイとのコンビプレイ
性格:冷静沈着なデータマン。糞真面目だが他者が馬鹿騒ぎをしていても咎めたりはしない。
概要:攻撃全般と空中戦に自信があるMF。得意技はドライブシュート。
   試合中も含めて常にデータを集め、更新していく事に余念が無い頭脳派の選手。
   ネイとは幼馴染であり、二人のコンビプレイは定評がある。

457 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 01:54:33 ID:Js/5v1fo
ジョゼ・トゥーリオ(ジェトーリオ)
所属:フラメンゴユース→フラメンゴ→ブラジルユース
配置:DFかMF
特徴:MF顔負けの攻撃力、反則を混ぜた巧みなディフェンス
性格:常に陽気で友好的な態度を貫く。自ら望んで嫌われている変人。
概要:フラメンゴ所属のDFであり、DFとは思えない程攻撃力があるが
   それに飽き足らず審判にバレない程度の反則を使って守備の要にまでなってしまう。
   ネイに壮絶に嫌われているが、本人はそれが嬉しくて堪らない。

マルシオ・パッソス・ザガロ
所属:サントスユース→サントス→ブラジルユース
配置:FW
特徴:パワーとテクニックを両立させたドリブル、強烈なミドルシュート
性格:鰻。傲慢で挑発好き。鰻。冷静さに欠ける。鰻。頭は悪くない。鰻。
概要:”ディフェンス殺し”のあだ名を持つサントスのエースにして問題児。
   典型的なワンマンストライカーだが、実力は本物で世界トップクラスと言える。
   何故か鰻について日本人よりも詳しく、プロ顔負けのうな重が作れる。

ワグネル・ソアレス・アマラウ
所属:サンパウロFCユース→サンパウロFC→ブラジルユース
配置:DF
特徴:安定して高いディフェンス力、高い浮き球に対する強さ
性格:短気で頭に血が上りやすい。ただし、サバサバしていて冷めるのも速い。
概要:サンパウロFC所属のブラジル屈指の名ディフェンダー。
   特に高い浮き球に強い事からサンパウロのコンドルと言う異名がある。
   ドトールとは幼馴染の関係の凸凹コンビ。

458 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 01:55:48 ID:Js/5v1fo
マグノ・ヴィエイラ・デ・オリヴェイラ(ドトール)
所属:サンパウロFCユース→サンパウロFC→ブラジルユース
配置:DF
特徴:鋭いタックル、低い浮き球に対する強さ
性格:常に冷静であろうと心がける。アマラウの抑え役をしている内にこうなったらしい。
概要:サンパウロFC所属のブラジル屈指のボールゲッター。
   タックルと低い浮き球を得意とする為サンパウロのコブラと呼ばれる。
   アマラウとは幼馴染の関係の凸凹コンビ。

マウリシオ・セザール・レイス・ペレイラ
所属:サンパウロFCユース→サンパウロFC→ブラジルユース
配置:MF
特徴:テクニックを生かしたドリブル突破、意外な程の得点能力
性格:素直さと強気が同居した自信家。調子に乗りやすいとも言う。
概要:カルロス達より1年下ながらブラジルユースに抜擢されたサンパウロの逸材MF。
   体格は小さいが抜群のテクニックで華麗な技を繰り出す。

ジョゼ・パウロ・リベリオ
所属:コリンチャンスユース→サントスユース→サントス→ブラジルユース
配置:MF
特徴:攻守両面に置いてそつの無い能力、バナナシュート
性格:へんじがない。ただのリベリオのようだ…
概要:コリンチャンスからサントスに移籍したMF。

クラウディオ・メオン
所属:グレミオユース→グレミオ→ブラジルユース
配置:GK
特徴:安定したセービングと飛び出し能力
性格:自信過剰な男。一度自信が崩されると取り乱してしまう脆さも。
概要:グレミオ所属のGK。リオカップ開催前は大会ナンバー1GKと評されていた。
   実際にかなりの実力者なのは間違いないが、世界トップクラスとは言えない。

459 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 01:57:03 ID:Js/5v1fo
アルツール・アンチネス・コインブラ
所属:ブラジルユース
配置:MF
特徴:ブラジルユーススタメンクラスをコケに出来る程の総合力
性格:無愛想な男でニコリともしない。頂点や最強と言った概念に魅力を感じない。
概要:突如監督直々にブラジルユースに召集され、10番を与えられた謎の男。
   世界最高クラスの猛者揃いのブラジルユースメンバーを圧倒出来る程の実力?
   ロベルトとカルロスにだけは極僅かに心を許している節もあるが、本当に極僅か。



【選手以外の人々】
見上 辰夫
全日本ユースの監督。元若林の専属コーチだが若林を贔屓したりはしない厳格な指導者。
昔は日本代表のゴールキーパーだった。よく片桐と悪巧みをしており、賀茂とも長い付き合い。
いわゆる”悪い大人”だが日本サッカーを発展させる為の努力は惜しまない。

片桐 宗正
日本サッカー協会の強化本部部長。昔は日本代表のストライカーだったが目の負傷で若く引退した。
グラサンがトレードマークのヘビースモーカー。頭が良いのか悪いのかはっきりしない人。
妹との仲は良好だが、特にシスコンと言う訳ではなくむしろ有能な部下みたいに扱っている。

賀茂 港
日本サッカー協会の関係者だが、具体的に何をしているかは不明。本人曰く主に情報収集をやっている。
陽子と行動を共にしている事が多いからボディガードかも?昔は日本代表のDFでキャプテンだった。
ちなみに指導者としては選手を次々と潰してしまう論外級。しかし本人はそれを認めたがらない。

吉良 耕三
サッカー指導者A級ライセンス保持者の飲んだくれ。日向、若島津、沢田の師匠であり
そのサッカー哲学はかなり過激な物の、作戦立案能力や指導力は割と高い。

460 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 01:58:11 ID:Js/5v1fo
ロベルト・本郷
ご存知翼の師匠にしてブラジルユースの監督。指導者としてはしょっぱいスタートを切ったが、
翼との再会をきっかけにハッタリと口車で凡将ぶりを良い意味での放任主義に偽装する術を会得した。
その後は選手達が勝手に結果を出してくれる様になったので実績だけ見れば名将と言える。
ただし色々と変態的な思考を持つ隠れ露出狂でもあるので迂闊に近づくのは危険。

井出 保
葵の同級生。サッカー選手としては話にならないが、データ収集及び解析能力は優れている。
日夜試合のビデオ研究に余念が無いが、その傍らでAVコレクションもする不届き者。

片桐 陽子
日本サッカー協会の若き役員で、ブラジルで研修しつつ森崎と翼のサポートをしていた。
実は良い所のお嬢さんで、将来政略結婚させられるかも知れない。小食だが酒は大量に飲む。
大胆で行動力があり、人懐っこい性格。この物語のヒロインと言えなくもない気がしない訳でもない。

中沢 早苗
南葛のサッカー部のマネージャー。一応原作通り翼と恋仲になっており、
原作以上に影が薄かった…のは過去の話で、スランプに陥った翼に拒絶され見るも無残な目に…

青葉 弥生
三杉のガールフレンド…と言う事になっている。実態は掌の上で転がされる事に幸せを感じてしまっている子猫。
彼女の出番が多いと原作の少年漫画としての世界観が壊されてしまうのである意味危険人物。

早川 あずみ
岬のフランスでの同級生にして金儲けのパートナー。強気で男勝りな性格。
高校を卒業してから日本に来たが、すれ違いで岬に二股男と言うレッテルを貼ってしまった。

山岡 美子
岬の父違いの妹。しかし本人はそれを知らず、テレビで見た岬に惚れ込んだ挙句
南葛に押しかけ幸運と周囲の誤解を活かしてちゃっかり岬の彼女と言う事になってしまった。

461 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 01:59:12 ID:Js/5v1fo
塩田 琴音
オリキャラ。念写や占いなどが出来る山森のストーカー。その正体は>>2だとか>>2の妹だとか言われていた為
本編には登場していないものの>>2の分身キャラとして姉まで出来てしまった。
サッカーの知識はいまいち不十分だが、山森LOVEの為に南葛高校に就職までした困った女。

マリー・シュナイダー
ドイツのカール・ハインツ・シュナイダーの妹。イタリアのジノ・ヘルナンデスと文通している。
怪しいおにいさんについていっちゃ駄目ですよ。おねいさんとの約束です。等と言っていた事もあったが、
彼女ももうティーンエイジャーの筈なのである程度自由にさせるべき。むしろ妹離れ出来ない兄貴が問題。

462 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/12(水) 02:02:30 ID:Js/5v1fo
上記31レス(ある程度はくっつけた方がいいかも…?)を



【マラカナンで】キャプテン森崎46【釈迦寝ポーズ】



で新スレを立て、コピペをお願いします。
今回は「これはキャプテン森崎だよ!」と思わせてくれるサブタイを選びました。
…本当にマラカナンスタジアムでこんな事やったら暴動で試合中断しそうだけど(笑)

463 :森崎名無しさん:2014/02/12(水) 08:40:33 ID:???
行ってきます。

464 :463:2014/02/12(水) 09:13:26 ID:???
>>448までコピペして連投規制となりました。
>>449以降他の方にお願いします。

注意点
・2レスずつ、「60行」までコピペ可能です。
・2レスまとめる場合は1行空けて、日付等を入れないよう気をつけて下さい。

465 :森崎名無しさん:2014/02/12(水) 19:25:19 ID:???
連投規制解除されたようなので続けます。

466 :森崎名無しさん:2014/02/12(水) 19:31:53 ID:???
>>460までコピペして連投規制されました。
>>461をどなたかお願いします。

467 :森崎名無しさん:2014/02/12(水) 21:49:47 ID:???
>>461を完了しました。

468 :森崎名無しさん:2014/02/12(水) 21:50:27 ID:???
行ってきます

469 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/27(木) 22:53:30 ID:JFRo6uMs
運命の10分間。それに挑む為に配置につくドイツユースの選手達の表情は
激しい嵐を予兆させる静かだが気迫に満ちた物だった。

ドイツメンバー「(やってやる、やってやるぞ…)」「(この程度で俺達に勝てる物か!)」

ブラジルメンバー「(くそっ、ここまで来て…)」「(悪あがきで奇跡は起こさせない!)」

ルディ「(ここに来て雨…ならばまだ希望はある!ウォッシャードライブを撃てればあるいは…!)」

ロベルト「(雨?そういやドイツには雨が得意な奴が居たっけ。まあ何とかなるだろ)」

観客「おい、ドイツの連中まだまだやる気だぞ…」「そりゃ、まだ1点差だから諦めはしないだろ」
「諦めない所じゃないぞ、凄い闘志を滾らせてるぜ」「後10分ぐらいか…?滅茶苦茶長く感じそうだぜ」
「気を付けて守れよーっ!」「ここまで来てまた同点なんて見たくねーぞ!」「落ち着いてやれーっ!」

全日本メンバー「どうなる…?」「ドイツが追いつくか…」「ブラジルが耐え切るか…」「マジで分からねェ…」

この頃になると観客も逆転ゴールが決して有り得ない可能性ではない事に気付き、
折角の逆転弾がふいにされるかも知れないと言う緊張感で唾を飲み込んでいた。
大丈夫、我らがブラジルユースならこのまま逃げ切ってくれる筈と言う期待感と
ドイツユースは底力がある事で有名なのだから嫌な予感がすると言う恐怖感が入り混じり、
息が詰まりそうな独特の雰囲気によってスタジアムが満たされていく。

放送「ボールがセンターサークルに戻されました。ブラジルが得点した為当然ドイツの
キックオフから始まるのです。劇的な逆転ゴールに酔いしれる時間は短かった!
ゲルマンサッカーは伝統的に土壇場でのスタミナと逆境での精神力で知られており、
このドイツユースも追い詰められた時こそ真の牙を剥くと言われています!
果たして彼らの底力と我らがブラジルの底力、どちらが上なのか…」

ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!

放送「それを決める為の笛の音が、今高々と鳴りましたーーーーーっ!!」

470 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/27(木) 22:55:25 ID:JFRo6uMs
カルツ「行くぞォサッカー王国!今のワシは超マジじゃあ!!」

ダダダダッ!!

ドイツの先陣を切ったのはカルツだった。見るからに集中力が滾る表情で突き進むその姿はまるで小さな戦鬼の様だった。

カルロス「こっちだって最初っから本気だ!」

カルツ「どけっ!今のワシに近寄るんじゃねェ!!」

ズザザーーッ!
ドゴァアッ!

カルロス「ぐわーーーっ!?」

トニーニョ「なんの!」

ネイ「カルロスを抜いたからっていい気になるなよ!」

ズシャシャーッ!
ズシャシャーッ!

そこに果敢に挑んだカルロスだったが、今のカルツ相手に単独では
明らかに分の悪い勝負でありいともあっさりと吹き飛ばされてしまう。
だが続くトニーニョとネイは自分たちならば、と自信を持って同時に挑みかかった。

カルツ「ぐっ、こ…このォ!」

ガチィイイッ…
バーーーン!

ネイ・トニーニョ『なにィ!?』

471 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/27(木) 22:56:59 ID:JFRo6uMs
放送「まずはカルツくんが突撃してきた!カルロスくん止められな〜い!
しかし次なる刺客のトニーニョくんとネイくんがツインタックルでこぼした…ああっとしかし!」

この二人のツインタックル相手だと流石のカルツもボールキープはし損ねたが、それでも
勢いで勝っていたのかボールを前方にはじく事に成功した。

ポブルセン「遅ェんだよ、グズグズすんな!」

放送「これをフォローしたのはポブルセンくんだ!ドイツの中央突破は継続している!」

そしてカルツの前に居るのはポブルセンである。

サンタマリア「これ以上貴様にやらせるかーっ!」

ズザザーッ!

ポブルセン「頭デッカチの雑魚は引っ込んでやがれ!」

ダカダカッドガアアッ!

サンタマリア「ぎゃあああっ!」

ディウセウ「サンタマリア!くそっ、やったなー!」

ゲルティス「対シュート態勢を整えろ」

放送「そしてポブルセンくんも突っ込んできた!サンタマリアくん止められません!
本当に怪我をしているのでしょうかこの選手は!?早速ドイツにシュートチャンスが生まれてしまったァ!」

ポブルセンはサンタマリアをあっさりと弾き飛ばし、自分の望むシュートレンジに易々と進入した。
シュナイダーとカペロマンにある程度マークを割かねばならないブラジルは
彼を事前に止める事は難しく、マーダーショットを撃たせて止める態勢の構築を余儀なくされる。

472 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/27(木) 22:58:20 ID:JFRo6uMs
観客「わーっ、ヤバい!」「止めろ!止めるんだ!」「大丈夫だ、ディウセウとゲルティスが居る!」

シュナイダー「今だ、撃てポブルセン!」

ポブルセン「うるせェ俺に指図すんな!死ねぇええブラジルゥウウウウ!!」

グワアアアアアアアアアアアアアッ!!
バッギュゥウウウウウウウウウオオオオオオッ!!

ディウセウ「うぉおおおおおおっ!!」

ドグァアアアアッ…!

ディウセウ「う…あーーっ!ダメだーっ!」

ドサッ!
ヒュゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

ゲルティス「シュートコース算出終了…ハァアア!!」

バッ!
バシィイイイイイイイイイイイイイッ!!
バーーーーン!

ここでもディウセウとゲルティスは協力して立ちはだかり守ったが、
ポブルセンの気迫が威力を増していたのかキャッチし損ねたボールが大きく跳ね返された。

ブラジルメンバー「ルーズボール!」「早く確保…ああっ!?」

フライハイト「天は言っている…ここで俺に撃てと!」

そしてブラジルにとっては不運な事に、このボールに一番近い位置に居たのはオーバーラップしていたフライハイトだった。

473 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/27(木) 22:59:59 ID:JFRo6uMs
上記4レスのコピペをお願いします。

474 :森崎名無しさん:2014/02/27(木) 23:04:08 ID:???
いってきます

475 :474:2014/02/27(木) 23:07:41 ID:???
はじかれてできませんでした。
どなたかお願いします

476 :森崎名無しさん:2014/02/27(木) 23:28:53 ID:???
行ってきます

477 :森崎名無しさん:2014/02/27(木) 23:34:31 ID:???
502が出て書き込めませんでした

478 :森崎名無しさん:2014/02/28(金) 01:24:21 ID:???
この数日創作発表板に繋がらない状態のようです

479 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/02/28(金) 21:51:35 ID:NRqzvtKI
うーむ、創作板がダウン中なら仕方ないですね。
復帰したら貼りつけて頂くと言う事でお願いします。

480 :森崎名無しさん:2014/03/02(日) 11:03:14 ID:???
復旧しているようですのでコピペしてきます

481 :森崎名無しさん:2014/03/02(日) 11:10:53 ID:???
完了です。

482 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/05(水) 00:46:10 ID:6H9bjZ/Q
ここからの数分間は非常に慌ただしく、そしてとてつもなく長く感じられる物だった。

放送「ポブルセンくんのマーダーショット!ディウセウくん止められない!しかしゲルティスくん
なんとか大きく弾き返しました!…がっ!?よりによってフライハイトくんがこのこぼれ球に詰めようとしているーっ!!」

中山「ここでフライハイトが撃ったら…決まる!」

次藤「ディウセウはまだ倒れちょるばい!」

早田「いや、待て!ドトールも駆けつけているぞ!」

ダダダダッ!

ドトール「撃たせはしない…!」

雨天時にしか撃てないフライハイトの大技、ウォッシャードライブ。その脅威はブラジルユースもよく研究しており、
ディウセウが起き上がれずゲルティスも万全の体勢ではないこの瞬間に撃たれては命取りになる事は百も承知だった。

ズシャシャーッ!

故にいち早くフライハイトのマークにつけたドトールはたった一人でも彼を止めようと必死だった。
ここで決められてしまっては今までの努力が全てフイになるのだからその気迫はただ事ではない。

フライハイト「良いタックルだ。だが雨を味方につけた俺を止めるには足りない!」

シュパパパパァ…!
ビュゥッ!

ドトール「くっ…(ダメか!最早ゲルティスを信じるしかない!)」

しかし今のフライハイトを1対1で止める事は難しく、彼は然程時間を稼げずに振り切られてしまった。
ドトールに出来たのはゲルティスが体勢を整えるのに必要な数秒間を稼ぐだけだった。

483 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/05(水) 00:48:16 ID:6H9bjZ/Q
フライハイト「今こそ雨の力を借りる時だ!水よ!風よ!ドイツに勝利を〜〜〜っ!!」

グワァアアアアアアアアアアアアアアッ!!

放送「ドトールくんタックルに行く…しかしかわされた!そしてフライハイトくんが足を振り上げたァアア!!」

ゲルティス「(ウォッシャードライブ…雨による摩擦と下方向へのベクトルを
計算し尽くし落下力に上乗せした強化版ドライブシュート)」

バッギュルゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!!!

直後に放たれたフライハイトのウォッシャードライブ。

放送「撃ったァアアアアアアアアアアアアアア!!フライハイトくんのウォッシャードライブ!」

ドイツメンバー「いけェエエエエエ!!」「決まれーーーっ!」

ブラジルメンバー「ゲ、ゲルティス!」「なんとかしてくれー!!」

ゲルティス「(このシュートのデータは日本戦から取ってある。コース予測…成功!)」

バッ!バシィイイイイッ!!
ズルッ…ポンポンポン…

フライハイト「な、なにィイイ!?」

ゲルティス「(…!?雨のせいでグリップ難度が上がっている!)」

ピィイイイッ!

これはゲルティスはキャッチは出来なかったものの、ゴールバーの上に弾く事には成功した。
無論、ドイツ相手にコーナーキックを与えるのは命拾いではなく次なるピンチである。

484 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/05(水) 00:49:26 ID:6H9bjZ/Q
上記2レスのコピペをお願いします。

485 :森崎名無しさん:2014/03/05(水) 01:07:13 ID:???
行ってきます。

486 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/06(木) 01:04:41 ID:MIGFJ3z+
観客「や、やったァ!弾いた!」「コーナーか…命拾いしたぜ」「バカ野郎!何が命拾いだ!」
「忘れたのか、ドイツにはコーナーキックのスペシャリストが居るんだぞ!」「げっ!ヤバい!?」

ルディ「(くっ、ウォッシャードライブも防がれたか!だがコーナーなら…!)」

ロベルト「(あれ?あれ?なんかヤバい?滅茶苦茶撃たれまくってるぞ?)」

放送「ゲルティスくん弾いたァ!ボールはゴールバーを超えた!コーナーキックです!
通常なら命拾いした、と一息つける所ですがドイツユース相手にはそうはならない!それは…」

ダダダッ!

カペロマン「来たな!とうとう俺の本領発揮だぜ!」

放送「ドイツにはこの人、テオドール・カペロマンくんが居るからです!
サイドからのスナイパーたる彼はコーナーキックをもっとも得意とし、
彼のトレードマークのサイドワインダーはコーナーキックから真価を発揮するのです!
試合は間もなく約3分間と表示されたロスタイムに突入しようとしています!
ブラジル、耐えきれるか!?怒涛のシュートラッシュを凌ぎきれるのか〜っ!!」

ブラジルメンバー「くそっ!」「配置を急げ!」「こんな土壇場でやられて堪るか!」

この試合初めてコーナーキックと言う大チャンスをドイツに与えてしまったブラジルは
大急ぎでサイドワインダーに備えようとしていたが、その際守備の要である
ディウセウは同じく守護神たるゲルティスの傍に駆け寄り小声で問いていた。

ディウセウ「ゲルティス。おめえ、まだやれるか?」

ディウセウには分かっていた。ドイツの高火力の嵐に晒され続けた自分もゲルティスも限界が近く、
間もなく動きが鈍り出す事を。その瞬間をドイツに突かれたら失点してしまうであろう事を。

ゲルティス「(体力残量確認…完了)」

487 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/06(木) 01:06:24 ID:MIGFJ3z+
スッ。

ゲルティスは口では答えず指を2本上げただけだった。それで十分だった。

ディウセウ「(後2回だけか…)分かった!後1回、オラが何とかする!」

ピィイイッ!

放送「ロスタイム突入と同時にコーナーキック!カペロマンくんが走り…サイドワインダーだァ!」

グワァアアアアアアアアアアアアッ!!

カペロマン「唸れェ!サイドワインダー!!」

ブワッギュォオオオオオオオオオオオオオオオオン!!
ギュインギュインギュインギュイン!!

マウリシオ「くそーっ!」

ジェトーリオ「だああっ!なんでこんなに曲がるのさ!」

ディウセウ「でえじょうぶだ!オラに…任せろーっ!」

バッ!
ブゴワァアアアアアアアアアッ!!

カペロマン「くっ!悪あがきしやがって!」

ディウセウ「ふぐ…(ダメだ、トラップできねえ…!)」

バーン!

488 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/06(木) 01:07:46 ID:MIGFJ3z+
放送「ふ、防いだ!ディウセウくんがまたしてもファインプレイ!…あああっ!?」

ディウセウは残り少ない体力と気力を注ぎ込み、顔面ブロックでサイドワインダーを弾いてみせた。
だが彼の献身的なディフェンスを嘲笑うかの様にボールはブラジルにとって一番嫌な場所に転がって行った。

ダダダッ!                             ダダダッ!

ブラジルメンバー「こ、今度はどこ…げえっ!?」「なんでそっちなんだよーーっ!?」

シュナイダー「決めるぞフライハイト!」

フライハイト「任せろシュナイダー!」

シュナイダーとフライハイトの二人の前である。

カルロス「(くっ…だが、もうネオファイヤーを撃てるとは…いや違う!あの二人には!)」

グワアアアアアッ!                      グワアアアアアッ!

放送「し、しかしこぼれ球はシュナイダーくんとフライハイトくんの前へーーーっ!天はブラジルを見離したのか!?」

アマラウ「ええい、今度はこれかよ!ディウセウ…はダウンか。俺がやるしかない!」

ゲルティス「(ファイヤードライブの確率95%。シュートコース算出…)」

シュナイダー「 F I R E ! ! 」         フライハイト「 D R I V E ! 」

バギュゥゥルゥウウウウウウウウウウウッ!!!!

ドイツに残された最後の大技が、ディウセウと言う盾を失ったゲルティスに襲い掛かった。

ゲルティス「(失点の確率…52.1%)」

489 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/06(木) 01:08:49 ID:MIGFJ3z+
上記3レスのコピペをお願いします。

490 :森崎名無しさん:2014/03/06(木) 07:33:00 ID:???
行ってきます。

491 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/08(土) 00:06:37 ID:MmNRyPYQ
ブワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!

放送「出た〜〜〜っ!!ファイヤードライブだーーーーっ!!!」

ファイヤーショットとドライブシュートの力が同時に加わったファイヤードライブ。
それはファイヤーショットの強さと速さ、ドライブシュートの上昇からの急降下、
そしてツインシュートらしく幾重もの分裂を兼ね揃えた驚異のシュートである。

ドガアアアッ!

アマラウ「ぐわああああっ!!」

ドトール「アマラウーッ!」

ディウセウの代わりを果たすべく勇敢に飛び込んだアマラウだったが
彼には残酷な程に荷が重すぎ、何の役にも立たずにあっさり宙を舞う羽目になった。

この運命の瞬間を最も長く感じたのは誰だったか。
それはこのドイツの切り札をたった一人で止めなくてはいけないゲルティスだった。

ゲルティス「………」

機械の様に冷徹な表情に、集中力と緊迫感による感情が籠もっていく。
超高速で急降下してくるボールの雲を見据える瞳の中で、一つの決意が芽生える。

ゲルティス「(キャッチと反応の両立は至難の業。ドイツユースの体力、気力の
残量を考慮すれば警戒すべきシュートはこれが最後…)

0.01秒単位の判断が問われる世界で彼は決断した。キャッチはしなくていい、ゴールに入れさせなければそれでいいと。

492 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/08(土) 00:07:57 ID:MmNRyPYQ
ゲルティス「ハァアアアアッ!!」

バッ!

それは、彼らしくない不恰好なセービングだった。
黒髪、黒肌、そしてユニフォームも黒が基調の彼がまるで幻影の様に素早く動き、
何時の間にかキャッチに成功している為ダークイリュージョンと名付けられたセービングの素早さは発揮していたが
横っ飛びで飛びつくのではなくサイドステップした位置から前に向かってのジャンプ。
割り出したシュートコースに伸びている筈の両腕も左右に広く開かれていた。

森崎「(あれは…!)」

森崎にはすぐその狙いが分かった。ボールの分裂の見切りが必要になるキャッチを完全に諦め、それよりも
予測したシュートコースにいち早く陣取り可能な限り己の体で覆い尽くし、全身の何処かに当たればいいと言う行動。

ボグォオオオオオッ!!

ゲルティス「グァッ…!」

そしてボールはゲルティスの胸にぶち当たった。
腹ならばまだ体をくの字に曲げて衝撃を逃がす事が出来るが、胸は曲げられない。
衝撃を逃がしたかったら後ろに倒れ、ゴールを許すしかない。

ゲルティス「………!」

ズズッ…

だがゲルティスは倒れなかった。胸に走る激痛と息を吐き出させられる苦しみに耐え、
震える足をスパイクで地面に突き刺し、筋肉を総動員してなぎ倒される事を拒否した。

493 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/08(土) 00:09:22 ID:MmNRyPYQ
バァアアアアアアアアアアアアーーン!
ズサッ…

彼の努力は報われた。勢いよくボールを跳ね上げる事に成功するその瞬間に初めて彼は自分が膝をつく事を許した。
彼の顔は負担と疲労で汗の洪水となっていたが、その瞳は勝利を確信して光っていた。

シュナイダー「な…なにィ!?」

フライハイト「そ…そんなァ…」

ズサッ…ドサッ…

そして彼の判断通り、ドイツはもう限界だった。体力をほぼ使い果たしたシュナイダーは膝をつき、
彼以上に疲労していたフライハイトは尻もちをついてしまった。

ドイツメンバー「ば、馬鹿な!?」「ウソだろ…」「なんで、なんで…」

ミューラー「くそっ!」

ダダダダッ!

ここまでやったのに、最後の大技まで出したのに決まらないのか?もうこれ以上は…
そんな気持ちがシュナイダーとフライハイトのみならず、ドイツユースのほぼ全般に広がる。
元々は心が折れそうな所を雨と言うハプニングで持ち直した士気であり、
既に限界を超えて戦っていた所に二人の主力選手の切り札が防がれたショックは大きすぎた。

だがそんなドイツにも例外は居た。

ポブルセン「ウォラァアアアアアアアアアアアア!!」

バッ!

494 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/08(土) 00:10:25 ID:MmNRyPYQ
ドイツメンバー『ぽ、ポブルセン!?』

ブラジルメンバー「くそっ、まだかよ!?」「いい加減にしろーっ!」

ポブルセンはこぼれ球に反応した。怪我を押した上での激戦で彼の疲労はシュナイダー達と比べても
遜色がない程だったが、みなぎる負の感情が足の痙攣も破裂しそうな心肺も無視させていた。
また彼だけはエースのシュートが防がれたショックを感じず、むしろざまを見ろとすら思い、己の手柄のチャンスと見なした。
味方を信じると言う概念がなく極めて自己中心的な彼の性格が皮肉にもドイツに息を吹き返させようとしていたのだ。

シュナイダー「………!」

それは未だ立つ事が出来ないシュナイダーも同様であり、なんとか立ち上がらねばと言う
焦りに支配されていた彼の頭を冷やし、周りを観察する余裕を与えた。

そして彼は見た。
サイドワインダーを顔面で防いだ為にグロッギーになって立ち上がれないディウセウの姿を。
大量の汗をしたたらせ、ガクガク震える膝を必死に叱咤しているゲルティスの姿を。
最早この二人に頼れなくなった為とにかくボールの確保しか考えられない他のブラジル選手達の姿を。

シュナイダー「押し込め!ブラジルはボロボロだ!」

ドイツメンバー『!!!』

シュナイダー「俺たち以上にだ!誰でもいい、押し込めーーーっ!!」

ブラジルメンバー『!!!』

シュナイダーはストライカーとして自分が決めるのではなく、キャプテンとして誰でもいいから決めろと檄を飛ばした。

カルロス「くっ…シュナイダーめ…!」

それはこぼれ球に追いつこうと走り回りながらも運悪くプレイに絡めないでいるカルロスが最もやって欲しくない事だった。

495 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/08(土) 00:12:05 ID:MmNRyPYQ
上記4レスのコピペをお願いします。

496 :森崎名無しさん:2014/03/08(土) 00:15:09 ID:???
行ってきます

497 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/14(金) 21:19:23 ID:RsHIX4qs
放送「ふ、防いだーーーっ!!ファイヤードライブをゲルティスくんがなんとかセーブ!
これで今度こそ命拾い…ではないっ!?ポブルセンくんがねじこみに…」

ポブルセン「ァアアアアアアアアアアアアア!!」

バッ!

そんなシュナイダーの激がポブルセンには聞こえたか、聞こえなかったか?
どちらにしても彼の意思には影響がなかった事は間違いない。
彼は足の痛みも焼け付く様に重く苦しい息も全て無視しボールに向かって
足を伸ばし、強引で不恰好なボレーシュートを撃とうとした。

ドトール「くぉっ!」

バッ!
ボコォン!

ポブルセン「キサマァアア!」

しかしこの時はドトールの必死のクリアがかろうじて割って入る事に成功し、ボールをこぼす事に成功した。
ただしそれにホッとしている暇はブラジルには与えられない。両チーム共最後の執念でボールに詰め寄ろうとしていたからである。

カペロマン「うおおおっ!」

グワアアアアッ!
バッゴォオオオオオオ!!

放送「ポブルセンくんのボレーシュート…はドトールくんが阻止!しかしカペロマンくんが走る!」

498 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/14(金) 21:20:38 ID:RsHIX4qs
そしてこの一刻千金の場面でいち早くこぼれ球にかけこみ足を振り上げたのはカペロマンだった。
最早サイドに居る意味などないと割り切り、最後の力でPA内から強引にサイドワインダーを放ったのだった。

ギュイギュイ…!

ゲルティス「………!!」

そんな近距離から放たれたそのシュートは普段の派手な横揺れもカーブも鳴りを潜め、
純粋な威力もカペロマンの体力切れで落ちていたが、同じく体力が尽きそうになっていた上に
ファイヤードライブのセーブ直後で体勢を整えきれていなかった今のゲルティスには十分な脅威だった。

ゲルティス「ハァアアアア…!」

バッ!
バシィイイイッ!
ガコォオオオン…

カペロマン「嘘だろ!?」

それでもゲルティスは咄嗟に飛びつき、ボールを下から掬い上げて
ゴールバーに跳ね返させる事に成功した。だがその代償は彼に残された全てだった。

バゴォオンッ!!

ゲルティス「ッ!!」

ドサッ…

なりふり構わぬセービングの結果額からゴールポストに衝突してしまった彼は
体力の限界の上に頭部への衝撃で意識を朦朧とさせ、力なく崩れ落ちてしまった。
ゲルティスは最早まともなセーブは出来ないのは誰の目にも明らかだった。

499 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/14(金) 21:22:01 ID:RsHIX4qs
放送「サイドワインダー!ゲルティスくんこれも弾き…あああっ!?」

マーガス「もらったぁああああ!!」

バッ!

そして高い浮き球には当然それを得意とするマーガスが飛びつく。
普段は威力のなさ故に彼自身が得点を狙う事はほとんど無いが、
ディウセウとゲルティス両方がダウンしている現状では難なく決められる。

アマラウ「やらねえよぉおおおお!!」

バッ!
ガコッガココッ!!

マーガス・アマラウ『ぐあっ!』

ポーーーーーン!

ここでブラジルの命綱となったのはアマラウだった。
マーガスと同じく高い浮き球に一目散に飛びついた彼は互角の衝突を演じ、
幸運にもルーズボールをペナルティエリアの外に向ける事に成功した。

放送「マーガスくん、とアマラウくんが激突!こぼれ球は…ペナルティエリアの外へーーーっ!!」

ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

あまりのハイペースに置いて行かれそうになっていた実況と具体的に喋る前に
騒ぐ事しか出来なかった観客が喜びに沸き立つ。とうとうピンチを脱出できそうだと。

500 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/14(金) 21:23:10 ID:RsHIX4qs
シュナイダー「!!!」

それは未だ立ち上がれていないシュナイダーにとっては悪夢の光景だった。

シュナイダー「(そんな…あれだけ撃ったのに決まらないのか…!?
ブラジルの守備陣を完全に粉砕したのに、後たった一発でいいのに、
その最後の一発を撃てる前に試合が終わってしまう………!!)

彼の体感時間が極めて遅くなり、周囲の現状を一瞬で理解させてくれる。
彼の高い集中力と観察力がなせる業だが、この時ばかりは拷問にしかならなかった。
何処に希望を探そうとしても、絶望ばかり見えてくるからだ。

シュナイダー「(フライハイトは…立ってはいるが、もう走れていない…歩いているだけだ…
ポブルセンは…本人は疲労を自覚していなくても、体の動きそのものはまるでスローモーションだ…
カペロマンは…ここも変わらない、痙攣した足で走ろうとしても到底間に合わない…
そもそもこの3人はもうマトモなシュートは撃てない…マーガスは!?あいつならまだ余力が…
ダメだ…!アマラウともつれて倒れ込んでいる!間に合わない、間に合わない、間に合わない!!)」

ブラジルの守備陣は完全に粉砕された。だがドイツにも最早攻撃陣が残っていなかった。
その現実が時間切れの敗北と言う悪夢を刻一刻とシュナイダーの眼前に近づける。
それでも尚諦めず、諦められず、シュナイダーはボールの行方に視線を戻したがそこにも絶望しかなかった。

ズシャシャシャーッ!
ガガッゴッガッ!
バシィーーーーーーーーーン!!

カルツ「(ああっ…!すまんシュナイダー、すまん皆…!)」

シュナイダー「(ダメ…なのか…?)」

こぼれ球をフォローしたカルツは、ネイ、トニーニョ、サンタマリアの3人に囲まれ、突破を阻まれ、
ボールを更に後方に向けて高く跳ね上げられていた。最早カルツの突進すらなくなったのだ。

501 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/14(金) 21:24:44 ID:RsHIX4qs
シュナイダー「!!!?」

だが更にボールの行方を目で追った時、シュナイダーはまるで予想していなかった物を見た。

ジェトーリオ「ふーっ!やーっとこれで終わりっと」

今度のこぼれ球に一番近かったブラジルユースの選手はジェトーリオ。上空から落ちてくるボールを
見上げるその表情は安堵と歓喜に満ちていた。やっとこれで終わる、やっとこれで勝てるのだと。

カルロス「ジェトーリオ!まだだ、前を見ろーーーっ!!」

ジェトーリオ「へ?」

ミューラー「ウォオオオオオオオオオオオ!!!」

バッ!バッ!

だがまだ終わりではなかった。ジェトーリオがそれに気付いた時には遅すぎた。

ジェトーリオ「えっうそっちょっと待ってちょっと待ってぇえええええ!!?」

バコォオオン!ドゴオッ!

ジェトーリオ「ぐべああっ!」

カルロス「くっ!くそォ!」

グルッ!ダダダッ!

ミューラー「シュナイダー!立ちやがれ、この愚図野郎!立ってゴールを決めろォオオ!!」

シュナイダーが見た物。それはオーバーラップしていたミューラーが自分の頭上に向けてボールをヘディングで跳ね返した所だった。

502 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/14(金) 21:25:54 ID:RsHIX4qs
上記5レスのコピペをお願いします。

503 :森崎名無しさん:2014/03/14(金) 21:26:40 ID:???
行ってきます。

504 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/18(火) 06:05:10 ID:U2tcOuNY
放送「あああああっ!!?ぼ、ボールが…ハイボールが、再びブラジルゴール前へぇええええ!!!」

観客「なんだとォーーーーッ!!?」「笛、笛はどうした!」「もうタイムアップだろ!」
「シュナイダーは倒れてい「そのまま座ってろ立つ「ゲルティス立てよ!」ウセウはもうダメか!?」
「クリア出来る奴が誰も「いやーーーーー!!」たれる撃たれるーっ!!」「神様助けて!」

絶対絶命。あれほど苦労して奪ったリードが最後の最後で不意にされてしまう悲劇。
実況も観客も遠慮なく悲鳴を上げに上げたが、それらはシュナイダーには殆ど聞こえなかった。

シュナイダー「(この高さ…ヘディングでは届かない、オーバーヘッドキックではなくては…なのに!)」

今の彼の意識を占めていたのは彼の上空に向かってくるボール、そして。

シュナイダー「(…くそっ…足が、足がっ!)」

いくら気力を振り絞っても悲鳴ばかり上げる己の体だった。

シュナイダー「(動け、俺の足!もっと速くだ!)」

このまま彼が蹴らずに見送ったらこのボールはわずかにゴールポストの横を逸れていくだろう。

シュナイダー「(19年間共に走り続けて来たじゃないか!こういう時の為に!世界を獲る為に!)」

故にどうしても立ち上がらなければならない。彼が立って、跳んで、蹴らなければ全てが終わりなのだ。

シュナイダー「(後1回だけ!後1回だけでいいんだ!それで休ませてやるから!)」

なのに彼の足は彼の叱咤に応えてくれない。立ち上がりつつは居る。だがそれが遅い。
これでも間に合うのか?もう絶対に間に合わないのではないか…

諦めたい。もう休みたい。
この試合何度も脳裏を掠めた思いが彼の闘志をいよいよ消そうとする。

505 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/18(火) 06:09:23 ID:U2tcOuNY
シュナイダー「(…よし…ジャンプ、出来る!)」

彼の闘志は消えなかった。蝋燭の様に儚くはなっていたが、それでも苦難の荒波にかき消される事はなかった。

シュナイダー「(膝を曲げて…跳ぶんだ)」

バッ!

彼は諦めなかった。間に合わないかも知れない、と言う思いを焼き尽くした。
そんな事を考えている暇があったら動け、と言う彼らしい実にシンプルなロジックで。

シュナイダー「(体を回せ。足を振れ)」

グワッ…

それはオーバーヘッドキックと言うにはあまりに弱く穏やか過ぎた。
ただ形だけそうなっているだけで、これをシュートと言い張るのはストライカーの名折れになるだろう。
それでもいい。ただコースを少し変え、ボールをゴールの枠に誘導すればそれでいい。
それで十分だと分かっていたシュナイダーは正確に動きタイミングと打点を合わせる事に集中した。

ジワッ…

シュナイダー「(ぐっ…目が…!気にするな、もう関係ない!)」

間の悪い事に汗が目に流れ込みシュナイダーは目を瞑る事を余儀なくされたが、
それでも彼は構う事なく足を振り続けた。どうせもう見えようが見えまいが関係ない。

シュナイダー「(まだかっ…ボールを、蹴った感触は…まだか…!?)」

永遠に感じられる暗闇の刹那、シュナイダーは最後まで不安と戦い続けた。
結局間に合わなかったかも知れない。ひょっとしたら早過ぎたかも知れない。
飛び上がる地点を間違えたかも知れない。無数の不安が彼を苦しめ続ける。

506 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/18(火) 06:12:39 ID:U2tcOuNY
そしてそれが終わった時、シュナイダーは確かに感じた。

ガスゥウウウウッ!

シュナイダー「!!!」

それは確かにボールを蹴った感触だった。思ったよりも重く強く感じたそれは
間違いなくボールの芯を捕らえているのが彼には分かった。これなら狙い通りに飛ぶと。

シュナイダー「(やった!…あ、あれ…)」

だが彼にはそれ以外の事は分からなかった。暗闇の中で何も見えず、極度の集中の弊害で何も聞こえず、
そして限界を超えた疲労の代償か今や触感すらなくしていた。

シュナイダー「(こ、これは…俺は、気絶しようとしている…?)」

体感時間ではそろそろ地面に落ちていて良い筈。なのに何時までも何処までも
落ち続けていく感覚が終わらない。彼の意識は自分が気を失おうとしている事を認識した。

シュナイダー「(………ダメだっ!!)」

シュナイダーはこれにも抗った。

シュナイダー「(まだ延長戦があるんだ!俺のゴールで獲得した延長戦!
俺はその延長戦を制し、決勝戦に進み、日本を倒し…世界を獲るんだ!!)」

彼は最後の最後まで諦めなかった。戦い続けた。

シュナイダー「(俺は…俺はまだ戦える!戦うぞっ!)」

不安と絶望の闇を払い続けた彼の炎は同点ゴールで勢いを取り戻し、無意識の海すら蒸発させた。
誰にも知られる事のない、彼自身良く覚えていないであろう孤独な戦いに勝った。

507 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/18(火) 06:17:07 ID:U2tcOuNY
ガバッ!

シュナイダー「俺は…俺は、まだ…!」

カルツ「シュナイダーちゃん…」

彼が意識を失いかけていたのはほんの数秒間だった。
最初に彼が見たのは涙を流すカルツの顔だった。

シュナイダー「(どうしたカルツ…嬉し泣きだなんて、案外涙もろい奴だな)げほっ、げほっ」

シュナイダーはカルツに声をかけようとしたが出てくるのは咳だけだった。
同点ゴールくらいで喜ぶな、まだ試合はこれからだと言おうとしたが肺と喉と口が言う事を聞かなかった。

フライハイト「シュナイダー…大丈夫か…」

シュナイダー「(くそ、喋れん…ん?フライハイト、お前もか…?)」

ドサッ…

シュナイダー「(ポブルセン?なんだ、何故倒れる…)」

彼が何かおかしいと気づいたのはフライハイトも涙を浮かべ、更にポブルセンが白目を剥いて倒れるのを見てからだった。

ドイツメンバー「シュナイダー…」「すまん…」「俺たちが、何か出来ていれば…」

シュナイダー「(なんだ…何故謝るんだ。なんで皆泣いているんだ?)」

ブラジルメンバー「ヒャッハー!やったぜ!」「キツかったー!」「終わった終わった。ふぅ」

ウワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

508 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/18(火) 06:24:36 ID:U2tcOuNY
シュナイダー「(なんだ!?何故だ…何故ブラジルが喜んでいるんだ!?)」

間も無く彼は気付いた。過酷な現実に。だがそれを受け入れられなかった。
それでも首は本能的に動いてしまう。受け入れ難い現実を確認する為に。






ブラジル 3−2 ドイツ






電光掲示板には確かにこう書かれていた。

シュナイダー「………」

いくら見ていてもそれが変わる事はなかった。時計も試合終了を示していた。

509 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/18(火) 06:26:00 ID:U2tcOuNY
徐々に記憶が蘇ってくる。力のない自分が蹴ったにしてはあまりに蹴り応えの
あり過ぎたボール。あれは軽くボールを蹴った感触ではなかった。

そう、あれは。

ザッ。

カルロス「大丈夫か?」

シュナイダー「…ああ、大丈夫だ。そして…お前だな?」

カルロス「ん?…ああ。かろうじて間に合った」

シュナイダー「そうか………」

あれは誰かのクリアに押し負けた感触だった。
シュナイダーとカルロスはオーバーヘッドキックでぶつかり合い、カルロスに押し負けたのだ。

今更の様に思い出す。ミューラーがボールを跳ね返した瞬間、カルロスも走り出していたのを。

シュナイダー「……………俺達は、負けたのか」

この瞬間シュナイダーは戦うのを止め、諦めた。涙は出てこなかった。

510 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/18(火) 06:29:58 ID:U2tcOuNY
と言う訳で、やっとブラジル対ドイツが終わりました。
WY編連載時から17年…ついに「こうあるべきだろう」と言う展開全てをつぎ込む事が出来ました。

次はとうとうブラジル戦です。コインブラ抜きでも十分にラスボスを張れる実力に加え、
まさかの2点差をつけられても逆転出来る主人公チームの様な強さも併せ持つ、
間違いなくキャプ森シリーズ最強の敵との対戦となります。乞うご期待!

511 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/18(火) 06:31:15 ID:U2tcOuNY
上記7レスのコピペをお願いします。

512 :森崎名無しさん:2014/03/18(火) 06:58:29 ID:???
いってきます

513 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/19(水) 23:41:55 ID:PdWPAWc6
ピッ、ピッ、ピィイイイイイイイイイイイイイイイ!!

放送「しっ…試合終了〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!ここでこの死闘にホイッスル!
最後は両チームのキャプテン同士のオーバーヘッドのぶつかりあいをカルロスくんが制し、
最後まで逆転ゴールを守りきる事に成功しました!3−2、3−2です!
絶望の2点差を見事大逆転し、最後の猛攻撃を耐えきった我らがブラジルユースの大勝利です!!!」

ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!

観客「やった!」「勝った!」「俺達が勝ったんだ!」「ブラジルユース最高!」「ヒヤヒヤさせやがって!」
「心臓飛び出るかと思った…」「ちょっと苦戦し過ぎたぞ!次はもうちょっと丁寧にやれ!」
「カルロスよくやったー!」「お前こそセレソンのキャプテンに相応しい!」「ザガロ!もう1点くらい取っとけ!」
「よく守り切ったディウセウ!」「ゲルティスは大丈夫なのか!?」「怪我人出ていないだろーな…」

ドイツサポーター「そ、そんなァ…」「ど、どうしてだよ!」「あれだけ頑張ったのに…」「後ほんのちょっと…だった…」

ドイツの最後の猛攻撃を耐えきり、最後はキャプテン同士のぶつかり合いを制して守り切った。
この劇的な勝ち方に観客のテンションは天を突き喉も枯れよとばかりに大歓声を爆発させる。
圧倒的少数派のドイツサポーターがさめざめと泣いて嘆いても最早当人達にしか聞こえない程に。

そして全日本ユースの面々は戦慄の余り誰も口を開けないでいた。

石崎「………ぷはあっ!こ、腰が抜けるかと思った…」

皮きりになったのは詰まった息を吐き出した石崎の発言だった。

若林「ドイツが…負けた。あれ程の力を見せつけ、隠していた切り札まで使ったのに…負けた」

赤井「マジッすか…最後の攻めは決まると思ったのに、絶対延長だと思ったのに」

中里「あれを凌ぎきるとは…ブラジルユース、恐るべし!」

514 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/19(水) 23:45:34 ID:PdWPAWc6
早田「畜生、なんだってんだ。俺達が散々苦労して引き分けたドイツに勝っちまいやがって」

次藤「しかもその勝ち方が曲者ばい。2点リードば引っくり返すとは…」

葵「あの時もう殆どドイツの勝ちじゃないかって思ったのに、信じられないですよ!」

岬「特筆すべきはあの時、殆ど焦りも怯えも見せなかった事だよ」

松山「精神力が半端ないじゃないか…あの観客の悲鳴でもペースを崩す事がなかったんだから」

三杉「確固たるゲームプランがあったお蔭でもあるが、それを信じ続けたのも凄いな」

中山「実力だけじゃない。知力も精神力もズバ抜けている…穴が殆ど見当たらない」

日向「しかもあのシュートラッシュ戦法は、森崎に対しても効果的だぞ」

翼「強いのは分かり切っていた。でも、ここまでだなんて…流石ブラジルとしか言い様がない」

森崎「(ちっ、どいつもこいつもビビリやがって。こういう時はなんと言うべきだ?)」

A 「怯えてんじゃねえ。俺達だってここまで勝ち上がってきたんだ!」激を飛ばす。
B 「だが、ブラジルにも弱点はある!そこを突けば勝てる!」ブラジルの弱点を言う(更に分岐)。
C 「攻撃、守備、スタミナ、戦術、メンタル。全てにおいて超一流だな」素直に褒める。
D 「上等じゃねえか。最強の敵を倒さないと最強とは認めてもらえないだろ」武者震いする。
E 「………ぐがっ。ん?終わったのか?で、どっちが勝った?」寝ていたフリをする。

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515 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/19(水) 23:47:42 ID:PdWPAWc6
上記2レスのコピペをお願いします。

516 :森崎名無しさん:2014/03/19(水) 23:49:02 ID:???
行ってきます

517 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/20(木) 20:45:30 ID:B9I/xQZ2
>B 「だが、ブラジルにも弱点はある!そこを突けば勝てる!」ブラジルの弱点を言う(更に分岐)。

全日本メンバー「な、なんだって!」「それは一体?」「(また何か変な事言うんじゃないだろうな…)」

チームメイト達が口々にブラジルの強さを認めていた矢先、森崎はブラジルにも弱点があると主張した。
彼を知る彼らが皆彼らしいと納得する言動であり、同時に今度は何を言い出すのか期待と不安を込めて注目した。
名案、奇策、迷走全てが入り混じった森崎の実績を鑑みた彼らの嘘偽りなき感情である。

翼「森崎。その弱点はなんだ?」

森崎「それは…」

A 「シューターは質より量な事だ。警戒すべきストライカーがカルロスしか居ない!」
B 「ポストプレイもダイレクトシュートも殆どしない事だ。地上戦に専念出来る!」
C 「絶対的なゲームメイカーが居ない事だ。船頭多くして船山に上る、の状態だ!」
D 「チーム全体がパスカットを苦手とする事だ。パスメインで戦うのが攻略の肝だ!」
E 「ブロッカーがディウセウしか居ない事だ。奴を削り倒せば得点しやすくなる!」
F 「ゲルティスの体力が尽きやすい事だ。奴を削り切ってしまえば俺達の勝ちだ!」

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518 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/20(木) 20:48:56 ID:B9I/xQZ2
上記1レスのコピペをお願いします。

519 :森崎名無しさん:2014/03/20(木) 20:57:53 ID:???
いってきます

520 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/21(金) 22:07:08 ID:B4hKHQ7Y
>D 「チーム全体がパスカットを苦手とする事だ。パスメインで戦うのが攻略の肝だ!」

ざわっ…

森崎の指摘にチームメイト達はどよめきながらも反論はしなかった。
こういうタイミングこそチャンスだと弁えている森崎は更に口火を切る。

森崎「俺はブラジルユースのスタメンクラスは全員良く知っている。奴らはどいつもこいつも
組織的にパスカットを狙うよりも俺が俺がでボールを奪いに行く方を得意としているんだ。
だからパスでペースを握られるとそれを遮断するのを苦手としている。ここが突くべき穴だ!」

翼「…彼らは別に組織プレイを軽視している訳でも出来ない訳でもないけど、
ただ単に個人技でゴリ押しした方が効率が良いからね。そのゴリ押しにこちらも個人技で
ぶつかり合うよりは、パスワークで対抗した方が戦い易くなるのは確かだろう」

ややあって頷き同意したのは、森崎同様ブラジルを良く知る翼だった。
犬猿の仲の二人があえて同意した事でチーム内にも肯定的な空気が広がっていく。

三杉「弱点と言える程大きな穴ではないけど、パスメインで戦うべきなのは間違いないね」

中山「攻め易くなるだけじゃない。ドイツがやった様にペース配分も出来る」

岬「シュートラッシュを食らわない為にも、遅攻を心がけていくのが良さそうだね」

松山「個人技で負けているならチームワークで補う。うん、当然だな!」

葵「流石です、森崎さん!」

521 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/21(金) 22:08:26 ID:B4hKHQ7Y
森崎「(ケチをつけてくる奴も居るが、一応は説き伏せられたな。これでいいだろう。
全く、ビビリ共が多いチームだとキャプテンも大変だぜ)」



*森崎チーム内支持率:74→75



キャプテンシーを発揮できたと満足した森崎だったが、ふと眼下のフィールドの様子が目に入る。
そこでは泣き濡れたドイツユースの選手達がブラジルユースの選手達とユニフォームを交換している所だった。

森崎「(結局ドイツとの再戦は無くなったか…おーおー派手に泣いてやがる。ん?)」

ポブルセンやミューラーなど非社交的な者達はその輪に混じろうとしていなかったが、
シュナイダーもまた自分のユニフォームを脱いでいなかった。
カルロスが自分のユニフォームを差し出していたが、何か話した後結局それを着直していた。

森崎「(シュナイダー………)」

シュナイダー「(モリサキ…すまない。約束は果たせなかった…マリー、お兄ちゃん、また負けちゃったよ…)」

自分に“世界の強さ”を始めて実感させた男が、自分以外の者に敗れて戦場を去る。
その光景は筆舌に尽くし難い複雑な感情を森崎の胸に呼び起した。

522 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/21(金) 22:09:45 ID:B4hKHQ7Y
カルロス「(そういう事か。ならば俺を恨んでくれ、シュナイダー。モリサキの首も俺が貰い受ける)」

シュナイダーとは対極的に今日の勝者であるカルロスはこの時勝利の喜びに打ち震えていた。
ドイツに勝ち決勝戦への切符を手にしたのも当然嬉しいが、人知れず彼はもう一つの勝利も味わっていた。

カルロス「(…そして…)」

コインブラ「……………」

それはベンチで静かに驚愕に固まっていたコインブラに対する勝利だった。

カルロス「(見たかコインブラ。勝ってみせたぞ!)」

コインブラ「………バカな」

カルロス「(これがセレソンの強さだ。これが俺達の強さだ。お前にも分かっただろう。
俺達が何の為に戦い、何を勝ち得たかを!俺は今日、ドイツだけでなくお前にも勝ってみせたぞ!)」

カルロス・サンターナ。ズバ抜けた強さを持つ通称“サッカーサイボーグ”。
実力だけでなく人格面でも定評がある彼は今、自分を圧倒した者に一泡吹かせ自信と誇りまで手にしていた。
全日本ユースが居るスタンドを見上げる彼はブラジルサッカー代表のキャプテンらしい力強い存在感に満ちていた。

カルロス「(さあ次は日本だ。モリサキ、ツバサ。今度は負けんぞ!)」

翼「(凄い気迫を感じる…そうだ、カルロスに取って俺は怨敵でもあるんだ)」

森崎「(リオカップの借りを返すって訳か?ケッ、返り討ちにしてやるぜ!)」

523 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/21(金) 22:10:45 ID:B4hKHQ7Y
上記3レスのコピペをお願いします。

524 :森崎名無しさん:2014/03/21(金) 22:15:17 ID:???
行ってきます

525 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/24(月) 23:24:26 ID:AkhnLW8Y
〜大会23日目〜

ブラジルとドイツの激闘の翌日、ブラジル国内は嵐の前の静けさと言うには既に些か騒がしかった。

大苦戦したものの無事決勝戦へコマを進め国民の期待に応えたブラジルユースへの応援の熱は高まるばかりで
早くも優勝の祝勝会を開く者、自分が戦う訳でもないのに全日本ユースの戦力分析を行う者、
決勝戦の展望を予想する者、勝った場合と負けた場合両方で世界のサッカーのあり方への影響を考察する者…
明後日に控えた決勝戦の待ち方は多岐に及んだが、ブラジル国民のほぼ全てがブラジルの勝利を願っていたのは間違いない。

では日本はブラジル国民にどう見られていたかと言うと、これまた十人十色だった。
所詮はアジアのチームが度重なる幸運で勝ち上がってきただけと豪語する者が居れば、
ドイツと引き分けた事を根拠にブラジルの方が戦力的に上だと主張する者も居り、
両チーム共奇しくも得点22失点3で勝ち上がっている為互角だと評価する者も居て、
果てには少数派ながら周りの顰蹙を浴びながら日本の方が有利だと分析する者まで居た。

いずれにせよかつてない程ブラジル、そして世界から注目される事となった日本サッカー。
日本国内では「流石にブラジルは無理だろう」派と「ここまで来たら優勝だ」派に二分され、
サッカーファンは勿論そうでない国民もマスコミも盛大に騒いでいたが
地球の反対側のブラジルまで応援に行ける者は流石に殆どいない。

〜同日の日本、成田空港〜

骨皮「はーい、点呼終了!それでは皆さん、一時解散としますが飛行機出発予定時間の1時間前には戻ってきてくださいね!」

その数少ない応援団は陽子と事前にやり取りをしており、日本が決勝戦に勝ち進んだ場合のみ
割安で買えるチケットを手配していた骨皮率いる数十人の集団だった。
その大部分は全日本ユースの選手達の元チームメイトや家族である。

南葛関係者達「いやー、本当に決勝戦まで行っちゃうなんてなあ」「ここまで来たんだ、ブラジルにだってきっと勝ち目がある」
「うう〜、なんか俺まで緊張してきちゃうよ…」「気持ちは分かるけど、私達は応援に専念するのが一番よ」

526 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/24(月) 23:25:27 ID:AkhnLW8Y
〜同日のブラジル、リオ州、全日本ユース宿舎〜

周囲が如何に騒いでいようとも、当事者達にはあまり関係ない。アウェーの立場なら尚の事である。
この日、全日本ユース宿舎では森崎が見上に会議室に呼び出されていた。そこに居るのは見上、井出、そして森崎だけだった。

森崎「お呼びですか、監督」

見上「うむ。既に用件は分かっているだろう?」

森崎「ええ、思えば長い付き合いですからね」

見上「結構だ。では井出、まずはブラジルユースの分析結果を見せろ」

井出「はい!」

言うまでもなく彼らの議題は決勝戦とその相手、ブラジルユースについて。
まずは敵戦力を正確に把握する為に井出が分析結果をホワイトボードに書き連ねていく。



ザガロ
突破力:B 得点力:A ボールカット:B ゴール前:B スタミナ:A
自分で持ち込むか、パスを受けるタイプのストライカー。撃たせる前に止めるのが一番。

サンタマリア
突破力:A 得点力:B ボールカット:B ゴール前:B スタミナ:B
個性派集団を鮮やかに使いこなす司令塔。CKは自分で撃って来る事もあるので注意。

カルロス
突破力:A 得点力:S ボールカット:A ゴール前:A スタミナ:A
自軍が一旦ボールを持てばどんな攻め方も出来るFW。これと言った対策を練る事が出来ない。

527 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/24(月) 23:26:58 ID:AkhnLW8Y
トニーニョ
突破力:A 得点力:A ボールカット:B ゴール前:B スタミナ:B
ネイとの連携が攻防両面で厄介極まりなく、またサンタマリアの代わりに司令塔になる事もある。

ネイ
突破力:S 得点力:B ボールカット:A ゴール前:C スタミナ:B
トニーニョと連携してくるファンタジスタ。一旦ボールを持たせたら取り返すのが非常に辛い。

マウリシオ
突破力:B 得点力:A ボールカット:B ゴール前:C スタミナ:B
伏兵的にシュートを撃って来る存在。守備力は大した事が無いのが救い。

ディウセウ
突破力:B 得点力:A ボールカット:A ゴール前:S スタミナ:A
ゴール前で穴の無い巨大な壁と化すばかりか、奪ったボールを自力で前線まで運ぶ事まで出来る。

アマラウ
突破力:C 得点力:D ボールカット:A ゴール前:A スタミナ:B
高い球に凄まじく強い跳ね返し屋。地上ではディウセウには劣るものの、それでも油断はならない。

ドトール
突破力:C 得点力:D ボールカット:A ゴール前:B スタミナ:B
低い球に強いだけでなく、凄く鋭いタックルまで武器とする。対抗するには凄腕のドリブラーが必要。

ジェトーリオ
突破力:A 得点力:B ボールカット:A ゴール前:B スタミナ:B
MF顔負けの攻撃力もさる事ながら、巧妙な反則ディフェンスが恐ろしい。接触は全力で避けるべき。

ゲルティス
セーブ力:S 一対一:A 飛び出し:A
超強力なシュートでさえキャッチしてしまう。出来れば一対一を挑みたい所。

528 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/24(月) 23:29:27 ID:AkhnLW8Y
見上「………さて。この分析を見てどう思う?」

森崎「そうですね…」

A 「総合的な戦力で見れば、俺達を上回っていると思いますね」
B 「いくらブラジルっつっても、誰もが何でも出来るって訳じゃないですね」
C 「殆どの連中が見慣れた顔ですね。今更特に思う事はありません」
D 「俺達全日本ユースの方が強い!そう断言できますよ俺は」

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529 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/24(月) 23:32:24 ID:AkhnLW8Y
上記4レスのコピペをお願いします。

530 :森崎名無しさん:2014/03/24(月) 23:46:12 ID:???
行ってきます

531 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/27(木) 22:35:11 ID:iCDniYl6
>B 「いくらブラジルっつっても、誰もが何でも出来るって訳じゃないですね」

見上「…お前らしい感想だな。どんな強敵が相手でも、すぐに攻略法を考え始めるか」

森崎「だって、強いのは元から分かり切ってますから。
じゃあどこが弱い?って考えた方が時間を無駄にしないで済むでしょう?」

見上「その考え方は監督向きかも知れんな」

森崎「(これは褒められている…んだろうか?相変わらず分かり難いぜ)」

今までにない程高評価ばかりの分析結果を見せられた森崎だったが、最初に彼が注目したのは
如何にブラジルと言えども誰もがオールマイティーではなく、穴が存在する事だった。
それは勝ちに行くのが当然であり、その為の方法をさっさと考えるべきと言う彼らしさの表れである。

彼の返答に対し見上は特に表情を変えず、次の話題に移った。

見上「お前の言う通り、ブラジルユースの選手達でも出来る事と出来ない事がある。
明後日の試合ではそれにどう対抗するかが勝敗の分かれ目となるだろう。
だが一つ、ブラジルの選手達の殆どが出来る事でお前を大いに悩ませる事がある」

森崎「ん?殆どが出来て、俺を悩ませる………ああ。シュートですか」

見上「そうだ。ミューラーを疲弊させられたあの圧倒的な数の暴力。あれはお前に対しても有効だ。
以前より改善されたとは言え、スタミナがお前の弱点である事は変わりないのだからな。
私の見積もりでは、お前の体力は65分前後で底を尽くと予想している」

森崎「…じゃあ、前半か後半は若林に任せてフルタイム出場は諦めろとか言うんですか?」

井出「(あっちゃ〜、やっぱり森崎さん嫌がってるんだな。なんとかフィールダーとしておだてれば…?)」

532 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/27(木) 22:36:49 ID:iCDniYl6
次の話題は対ブラジル戦で間違いなく懸念事項となるであろうブラジルのシュートラッシュの事だった。
森崎の弱点がスタミナである事は最早有名であり、ブラジルユースの面々も去年のリオカップの時点で
それを突こうとしてきている。森崎もミューラーと同じ目に会わされたら似た末路を下るのは間違いない。

故に第二GKの若林の起用が現実的な選択肢として浮き上がってくるのだが、当然森崎としては面白くない。
井出もそれは予期しておりどう説得したものかと頭を悩ませていたが、彼の心配は杞憂に終わった。

見上「いや、お前はケガでもしない限りはフルタイム出場させる」

森崎「えっ?」

見上「途中でスタミナ切れした際は若林を投入するが、それはお前にフィールダーとして体力回復の
時間を与える為だ。今のお前なら息切れしていてもボールを預け捌かせる事なら出来るだろう。
後半の局面ならそれだけでも有り難い場面が十分起こり得る。そして延長戦以降に持ち込めれば
ブラジルの消耗次第ではあるがお前のGK復帰も視野に入れておく」

森崎「そりゃまた…俺にとっちゃ有り難いですが、なんでですかね?」

見上は最初から森崎をフルタイム出場させるつもりであり、スタメンGKも森崎のつもりだった。
若林の起用法もまるで森崎の当て馬と言われかねない使い方であり、何故ここまでするのかと森崎も訝しむ。

見上「理由は二つ…私のお前に対する二つの評価だ。一つ目はお前のセービングはペース配分を度外視すれば
この世代で世界一と評価している。例えば…そうだな、恐らく今大会最強のシュートであろう
ストラットのオムニゾーンシュートをどれ位の確率で防げるか統計を取ってみればお前が一番高い
セーブ率を出すだろう。ゲルティスよりも、ミューラーよりも、ヘルナンデスよりも、そして若林よりもな。
無論そんな統計を実際に取るのは不可能だから、あくまでも私のシミュレーションによる評価だがな。
よって出来るだけ長い時間お前をGKとして活用するのが勝利に繋がると見ているのだ」

森崎「はあ…(珍しく随分高評価してくるじゃないか)それでは二つ目の評価は?」

533 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/27(木) 22:37:58 ID:iCDniYl6
見上「二つ目は…お前の指揮能力、そして勝負運だ。お前はここまでキャプテンとして、正GKとして
日本に数々の勝利をもたらしてきた実績がある。この問題児集団をまとめる一番の問題児としてな」

森崎「…最後の一言のせいで全然褒められている気がしないんですが!?」

見上「とんでもない、嘘偽り無き賞賛だぞ。現にお前は私が現役時代どうやっても想像すら出来なかった
高みに辿り着いているのだ。世界一を争う舞台と言う高みにな。それを為し得たのはお前のガムシャラさ、
そしてお前が周囲に広めた実力主義と競争精神の賜物だ。そんなギスギスした世界の中でも
このチームはある種の絆と信頼で一つとなっている。不愉快でも醜くとも歪でも、それは強固な物となった。
森崎、お前はこの先も多くの敵を作り恨みを買い続けるだろう。だがそれでいい。それがお前の覇道だ。
今更打算無しの礼儀を身に着けたり野心が萎んだ大人になったお前など見たくはない」

森崎「………本っ当にコメントに困る褒め方を………」

井出「(こ、これって説得?なんだな?で、でも森崎さんは案外満更でもない…?)」

見上の思惑の原因は森崎に対する高評価だった。それも善し悪しをざっくばらんに言い放つ評価の仕方である。
歯に衣を着せない言い方に森崎のこめかみはひきつったが、今までの自分を的確に言い表されている自覚もあり
怒るメリットを見いだせず、やがてため息をついて受け流したが次の話題で更に大きく驚かされる。

森崎「はあ〜、分かりましたよ。で、俺がスタメンGKとして、残りはどうするんですか?」

見上「それだが、一つ提案がある。既に井出や片桐くんとも話し合って決めた案だ」

森崎「ん?なんです?」

見上「この試合のフォーメーションとスタメン決定は、お前に託そうと思う。やってみるか?」

森崎「えっ!?」

534 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/27(木) 22:39:00 ID:iCDniYl6
見上は何と森崎に自由にフィールダー達を選ばせる事を提案してきた。
今まで基本は見上が決め、森崎の希望や意見もある程度は取り入れると言う形でチームを運営してきた彼の
突然の提案に流石の森崎も目を白黒させたが、見上は構わずに続けた。

見上「先程も言った通り、お前の指揮能力と勝負運は高く評価している。ならばこの大一番、
お前の好きにやらせて納得の行く形で戦わせてやる事がお前の、そしてチームの力を
引き出すだろうと判断した。無論対外的には私が決めた事になるがな」

森崎「…いいんですか?本当に」

見上「構わん。無論強制するつもりもない。ただでさえ正GKでありキャプテンという重圧があるのだ、
この上監督業まで代行したくないと言うのなら全く構わん。それなら何時も通り私が決めていこう。
別に私は未知の大舞台のプレッシャーに負けた訳でも監督としての責任を放棄したい訳でもない。
ただこの案がよりチームを強くするかも知れんと思ったから、試してみたいだけだからな」

井出「(森崎さんは自分が成り上がる為にだけど、本当にチームとチームメイトを見ているんだな。
既に名監督の片鱗は見せているし…プレッシャーがかかるとむしろ強くなるタイプだと思うんだな)」

森崎「(こりゃあ予想外の話が来たな…どうするか…)」

今までに一度もなかった編成権の譲渡。この提案を森崎は数秒間の考慮の後…

A 「いいですよ。俺の好き勝手にやらせてもらいましょう」承った。
B 「流石にいくらなんでもそりゃダメですよ」断った。

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535 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/27(木) 22:42:08 ID:iCDniYl6
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536 :森崎名無しさん:2014/03/27(木) 23:04:28 ID:???
行ってきます

537 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/28(金) 16:25:34 ID:3OrwGDSE
>A 「いいですよ。俺の好き勝手にやらせてもらいましょう」承った。

森崎は提案を受け入れた。そこにあったのは野心か、愉悦か、それとも別の何かか。
ひょっとしたら森崎本人にも分からなかったかも知れない。

見上「…そうか。なら最後に一応付け加えておくぞ。万が一滝をCBに起用するだの
高杉をCFWにするなどと馬鹿な事を言い出したら即刻でこの提案を無かった事にするし、
どう考えても有り得んだろうと言う箇所が部分的に存在したら私が修正を加える」

森崎「分かっていますよ」

井出「それじゃ、この名前つき磁石とマグネットボードで納得がいく様に弄って欲しいんだな!」

森崎「おう…なんかオモチャみたいだなこれ」

井出「実際にオモチャみたいな物だけど、コンピュータでも使わない限りこれが一番便利なんだな」

こうして森崎は監督の立場に立たされ、選手達の名前テープが貼りつけられた磁石を
サッカーフィールドを模したマグネットボードの上で動かし始めた。

森崎「(う〜ん…戦力的には中山、日向、翼はまず外せないか…?他にもどんなフォーメーションでも
こいつはスタメン確定って言うのは…いや待てよ、選手よりも先にフォーメーションを決めるべきか?)」

A まずはフォーメーションを決めて、それから選手とそのポジションを選ぼう。
B 選手とそのポジションを選んでいけば、フォーメーションなんか自然に決まるな。

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538 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/28(金) 16:29:23 ID:3OrwGDSE
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539 :森崎名無しさん:2014/03/28(金) 18:30:16 ID:???
行ってきます

540 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/29(土) 20:04:59 ID:ulmtW8jw
>B 選手とそのポジションを選んでいけば、フォーメーションなんか自然に決まるな。

森崎「(よし、選手とポジションから選んでいくか。まずは誰にするかな…)」

決定済選手:
森崎GK

残った選手:
日向 政夫 和夫 新田 来生 滝
翼 岬 三杉 松山 山森 井沢 葵
次藤 早田 中里 石崎 高杉 赤井 中山
若島津 若林

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/3/28 21:00:00☆ から投票期間を設けます。
      起用する選手とそのポジション(FWかMFかDF)を書き込んでください。
        最初に三票入った同じ選手とポジションの組み合わせが選ばれます。
     サイドで使うかなどの決定は時間がかかり過ぎるのでGM側で適当に判断します。
         尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

541 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/29(土) 20:06:21 ID:ulmtW8jw
上記1レスのコピペをお願いします。

542 :森崎名無しさん:2014/03/29(土) 20:13:18 ID:???
日付が昨日になっているのですが。

543 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/29(土) 20:17:14 ID:ulmtW8jw
>>542
失礼しました。修正し損ねていました。
本日29日の21時からの投票期間です。

544 :森崎名無しさん:2014/03/29(土) 20:25:23 ID:???
日付修正の上転載してきます。

545 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/29(土) 21:12:55 ID:ulmtW8jw
>MF 翼

森崎「(まあまずは確実に翼をMFにするか。シャクだがあいつは絶対に外せない奴の一人だしな…次は…)」

決定済選手:
MF 翼 
GK 森崎

残った選手:
日向 政夫 和夫 新田 来生 滝
岬 三杉 松山 山森 井沢 葵
次藤 早田 中里 石崎 高杉 赤井 中山
若島津 若林

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/3/29 21:30:00☆ から投票期間を設けます。
      起用する選手とそのポジション(FWかMFかDF)を書き込んでください。
        最初に三票入った同じ選手とポジションの組み合わせが選ばれます。
     サイドで使うかなどの決定は時間がかかり過ぎるのでGM側で適当に判断します。
         尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

546 :森崎名無しさん:2014/03/29(土) 21:14:13 ID:r3sdJ3cA
MF松山

547 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/29(土) 21:15:54 ID:ulmtW8jw
上記1レスのコピペをお願いします。

548 :森崎名無しさん:2014/03/29(土) 21:16:41 ID:???
いってきます

549 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/29(土) 21:47:01 ID:ulmtW8jw
>MF 三杉

森崎「(三杉もMFで使うのが王道だな。わざわざFWやDFで使う理由もないだろう。次は…)」

決定済選手:
MF 翼 三杉
GK 森崎

残った選手:
日向 政夫 和夫 新田 来生 滝
岬 三杉 松山 山森 井沢 葵
次藤 早田 中里 石崎 高杉 赤井 中山
若島津 若林

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/3/29 22:00:00☆ から投票期間を設けます。
      起用する選手とそのポジション(FWかMFかDF)を書き込んでください。
        最初に三票入った同じ選手とポジションの組み合わせが選ばれます。
     サイドで使うかなどの決定は時間がかかり過ぎるのでGM側で適当に判断します。
         尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

550 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/29(土) 21:49:29 ID:ulmtW8jw
上記1レスのコピペをお願いします。

551 :森崎名無しさん:2014/03/29(土) 21:49:33 ID:???
行ってきます。

552 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/29(土) 22:27:00 ID:ulmtW8jw
>MF 岬

森崎「(MFをどんどん決めちまうか。パス要員として必須な岬もMFだ。次は…)」

決定済選手:
MF 翼 三杉 岬
GK 森崎

残った選手:
日向 政夫 和夫 新田 来生 滝
松山 山森 井沢 葵
次藤 早田 中里 石崎 高杉 赤井 中山
若島津 若林

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/3/29 22:40:00☆ から投票期間を設けます。
      起用する選手とそのポジション(FWかMFかDF)を書き込んでください。
        最初に三票入った同じ選手とポジションの組み合わせが選ばれます。
     サイドで使うかなどの決定は時間がかかり過ぎるのでGM側で適当に判断します。
         尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

553 :森崎名無しさん:2014/03/29(土) 22:27:31 ID:???
行ってきます

554 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/29(土) 22:28:41 ID:ulmtW8jw
上記1レスのコピペをお願いします。

555 :森崎名無しさん:2014/03/29(土) 22:30:17 ID:???
早走りすいませんいってきます

556 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/29(土) 22:48:10 ID:ulmtW8jw
>MF 松山

森崎「(松山もMFっと。これでMF4人だな。次は…)」

決定済選手:
MF 翼 三杉 岬 松山
GK 森崎

残った選手:
日向 政夫 和夫 新田 来生 滝
山森 井沢 葵
次藤 早田 中里 石崎 高杉 赤井 中山
若島津 若林

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/3/29 23:00:00☆ から投票期間を設けます。
      起用する選手とそのポジション(FWかMFかDF)を書き込んでください。
        最初に三票入った同じ選手とポジションの組み合わせが選ばれます。
     サイドで使うかなどの決定は時間がかかり過ぎるのでGM側で適当に判断します。
         尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

557 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/29(土) 22:51:17 ID:ulmtW8jw
上記1レスのコピペをお願いします。

558 :森崎名無しさん:2014/03/29(土) 22:52:05 ID:???
行ってきます

559 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/29(土) 23:22:57 ID:ulmtW8jw
>DF 早田

森崎「(早田をDFに入れておかなきゃな。次は…)」

決定済選手:
MF 翼 三杉 岬 松山
DF 早田
GK 森崎

残った選手:
日向 政夫 和夫 新田 来生 滝
山森 井沢 葵
次藤 中里 石崎 高杉 赤井 中山
若島津 若林

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/3/29 23:40:00☆ から投票期間を設けます。
      起用する選手とそのポジション(FWかMFかDF)を書き込んでください。
        最初に三票入った同じ選手とポジションの組み合わせが選ばれます。
     サイドで使うかなどの決定は時間がかかり過ぎるのでGM側で適当に判断します。
         尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

560 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/29(土) 23:32:46 ID:ulmtW8jw
上記1レスのコピペをお願いします。

561 :森崎名無しさん:2014/03/29(土) 23:36:07 ID:???
やってみます

562 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/29(土) 23:59:11 ID:ulmtW8jw
>MF 中山

森崎「(中山は今回はMFで使うか。中盤を厚くしよう。次は…)」

決定済選手:
MF 翼 三杉 岬 松山 中山
DF 早田
GK 森崎

残った選手:
日向 政夫 和夫 新田 来生 滝
山森 井沢 葵
次藤 中里 石崎 高杉 赤井
若島津 若林

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/3/30 00:10:00☆ から投票期間を設けます。
      起用する選手とそのポジション(FWかMFかDF)を書き込んでください。
        最初に三票入った同じ選手とポジションの組み合わせが選ばれます。
     サイドで使うかなどの決定は時間がかかり過ぎるのでGM側で適当に判断します。
         尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

563 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/30(日) 00:02:04 ID:asVXZgq2
上記1レスのコピペをお願いします。

564 :森崎名無しさん:2014/03/30(日) 00:02:29 ID:???
行ってきます

565 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/30(日) 00:16:34 ID:asVXZgq2
>DF 次藤

森崎「(次藤もDFに入れとく。シュートブロックしてもらわないとな。次は…)」

決定済選手:
MF 翼 三杉 岬 松山 中山
DF 早田 次藤
GK 森崎

残った選手:
日向 政夫 和夫 新田 来生 滝
山森 井沢 葵
中里 石崎 高杉 赤井
若島津 若林

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/3/30 00:20:00☆ から投票期間を設けます。
      起用する選手とそのポジション(FWかMFかDF)を書き込んでください。
        最初に三票入った同じ選手とポジションの組み合わせが選ばれます。
     サイドで使うかなどの決定は時間がかかり過ぎるのでGM側で適当に判断します。
         尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

566 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/30(日) 00:19:21 ID:asVXZgq2
上記1レスのコピペをお願いします。

567 :森崎名無しさん:2014/03/30(日) 00:22:24 ID:uQIQmU5w
いってきます

568 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/30(日) 00:23:41 ID:asVXZgq2
手元の時計を見間違えていました。
投下時間まで間が無さ過ぎでしたね、失礼しました…

569 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/30(日) 00:28:20 ID:asVXZgq2
>DF 日向

森崎「(よし、ここだ!ここで奇策を使うんだ!日向をDFにする!次は…)」

決定済選手:
MF 翼 三杉 岬 松山 中山
DF 早田 次藤 日向
GK 森崎

残った選手:
政夫 和夫 新田 来生 滝
山森 井沢 葵
中里 石崎 高杉 赤井
若島津 若林

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/3/30 00:35:00☆ から投票期間を設けます。
      起用する選手とそのポジション(FWかMFかDF)を書き込んでください。
        最初に三票入った同じ選手とポジションの組み合わせが選ばれます。
     サイドで使うかなどの決定は時間がかかり過ぎるのでGM側で適当に判断します。
         尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

570 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/30(日) 00:29:30 ID:asVXZgq2
上記1レスのコピペをお願いします。

571 :森崎名無しさん:2014/03/30(日) 00:29:46 ID:???
行ってきます

572 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/30(日) 00:38:07 ID:asVXZgq2
>FW 葵

森崎「(そしてFWに葵だ。あいつの一対一が武器になるだろう。最後の一人は…)」

決定済選手:
FW 葵
MF 翼 三杉 岬 松山 中山
DF 早田 次藤 日向
GK 森崎

残った選手:
政夫 和夫 新田 来生 滝
山森 井沢
中里 石崎 高杉 赤井
若島津 若林

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/3/30 00:50:00☆ から投票期間を設けます。
      起用する選手とそのポジション(FWかMFかDF)を書き込んでください。
        最初に三票入った同じ選手とポジションの組み合わせが選ばれます。
     サイドで使うかなどの決定は時間がかかり過ぎるのでGM側で適当に判断します。
         尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

573 :森崎名無しさん:2014/03/30(日) 00:38:19 ID:???
行ってきます

574 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/30(日) 00:40:08 ID:asVXZgq2
上記1レスのコピペをお願いします。

575 :森崎名無しさん:2014/03/30(日) 00:44:00 ID:???
失礼、先走りました。

576 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/30(日) 06:52:22 ID:asVXZgq2
>DF 中里

森崎「(最後の一人は…無難にDFで中里だな。こいつのスピードが生きる場面がありそうだ)」



決定済選手:
FW 葵
MF 翼 三杉 岬 松山 中山
DF 早田 次藤 日向 中里
GK 森崎



森崎は選んだ順に名前つき磁石をフィールドを模したマグネットボードに貼っていった。
MFを最初に4人選んでいた時点では見上と井出は特に何の反応も見せず見守っていたが、
中山をMF起用した時点で訝しげな表情が浮かぶ。一体何時FWを、特に日向を選ぶのかと。

そしていざ日向がFWではなくDFの位置に選ばれた時見上は目を大きく見開き、
井出は叫び声を口から漏らしそうになっていった。そのままの表情で最後に中里をDFに
選んだ森崎がマグネットボード上の配置を最終調整するのを見て、見上がやっと声を出す。

見上「4−5−1…それも葵のワントップで、日向がDFだと?」

井出「え、えーと、これだと日向さんはリベロ扱いになるんだな?」

森崎「まーな。攻撃参加もしてくれなきゃいけないからな」

見上「…奴が納得するかどうかは別問題として、このフォーメーションの狙いを知りたいな」

577 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/30(日) 06:55:45 ID:asVXZgq2
森崎「はい。このフォーメーションの狙いはずばり…」

A 「1点勝負です」
B 「遅攻連発です」
C 「敵の混乱です」
D 「膠着誘発です」
E 「大量得点です」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/3/28 12:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

578 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/30(日) 06:58:33 ID:asVXZgq2
上記2レスのコピペをお願いします。

579 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/03/30(日) 06:59:42 ID:asVXZgq2
っと、いけない。投票期間の修正を忘れていました。
正しくは

            ☆2014/3/30 12:00:00☆ から投票期間を設けます。

です。お手数ですが修正後コピペをお願いします。
混乱を招き失礼致しました。

580 :森崎名無しさん:2014/03/30(日) 08:15:20 ID:???
行ってきます

581 :2 ◆vD5srW.8hU (全裸):2014/04/01(火) 23:30:17 ID:NuyEjVMA
>B 「遅攻連発です」

井出「遅攻ですか?確かにシンゴ一人でカウンターは難しいから、ウチは遅攻するしかないですが…」

森崎「いや、違う。ウチだけじゃない。ブラジルにも遅攻を強いる」

井出「えっ!?」

見上「つまり、日向をDFとして使う事でこちらのボール奪取率を上げつつ、こっちも人数をかけて
ゆっくり攻め、例えこちらの攻撃が防がれても向こう陣内の奥深くで仕切り直しになるのが狙いか」

森崎「そうです。葵と日向はその為の相互利用の囮です。葵はジェトーリオとドトール以外なら
逃げ続けるのは難しくないし、葵にマークを集めてくるのならMF達、そして日向が動きやすくなります。
向こうも日向を野放しにはしないで警戒してくるでしょう。そうなると思い切って葵から
ボールを奪いに行く事も難しくなる。結果、奴らは戦線を戻されるまどろっこしいディフェンスを強いられる」

井出「た、確かに…でもその分向こうの守りも厚くなって、点を奪い難くなるんじゃ…あっ!」

森崎「お前が分析したんだからお前が気付けよ。さっき言っただろ、ブラジルだからと言って
全員が何でも出来る訳じゃないって。ブラジルのゴール前で厄介なフィールダーは断トツで
ディウセウで、次点でアマラウとカルロスだ。ディウセウとアマラウはどうせ何時も守りに
居るんだから考える必要がない。カルロスが守りに気を取られるならそれはそれで有り難いんだ」

見上「だが、それなら向こうはこっちのMFが上がった隙に速攻を仕掛けてくるかも知れんぞ」

森崎「問題ありません。向こうの速攻要員はネイとトニーニョ。あいつらがゴールデンコンビで
上がってきたら簡単に裏を取られるでしょうけど、あいつらが俺からゴールを奪えるとしたら
ブースターシュートしかないですがあれは技の性質上トニーニョがネイよりも先の位置に
つかないといけない。つまり速攻の直後には使えない。あいつらの速攻はそんなに怖くないんですよ」

582 :2 ◆vD5srW.8hU (全裸):2014/04/01(火) 23:31:18 ID:NuyEjVMA
見上「速攻を仕掛けてくるのはその二人とは限るまい。カルロスやザガロが突っ込んできたらどうする気だ?
ザガロは元々守備参加に戻らん見込みが高いし、カルロスも開き直って攻撃に専念するかも知れん。
人数をかけて攻めると言う事は、相手に凌ぎきられたら反撃のチャンスを与える事なのだぞ」

森崎「そこは攻撃陣がシュートで攻撃を終える事と、それが失敗した時はDF達の奮闘に期待ですね」

見上「なんだそれは。リスクの甘受ではないか」

森崎「相手はブラジルですよ?ワールドユースの決勝戦ですよ?リスク無しに勝てる訳無いじゃないですか。
リスクを分散し過ぎてチャンスまで霧散させるよりは、予測できるリスクと引き換えに攻めるべきです」

見上「……………」

森崎は持ち前の弁論術と気の強さで自分の意図をこんこんと説き見上を納得させようとした。
そして見上はしばし沈黙した後…
-----------------------------------------------------------------------------
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★見上、ご乱心の最後のチャンス→(!card)★
と書き込んで下さい。カードの結果で分岐します。

JOKER→見上「ええい、もうお前ら若造には任せておけん!ワシがワントップFWとして出る!」とうとうご乱心!
クラブ以外→見上「日向が納得しなかった場合はお前が説得するのだぞ」ため息と共に了承してくれた。
クラブ→見上「いくらなんでも博打要素が大きすぎる。日向はFW、ツートップだ」却下され修正された…

583 :2 ◆vD5srW.8hU (全裸):2014/04/01(火) 23:32:19 ID:NuyEjVMA
全裸で上記2レスのコピペをお願いします。

584 :森崎名無しさん(全裸):2014/04/01(火) 23:37:51 ID:???
いってきます

585 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/03(木) 23:57:11 ID:PZWGWLU2
★見上、ご乱心の最後のチャンス→( ダイヤ7 )★

クラブ以外→見上「日向が納得しなかった場合はお前が説得するのだぞ」ため息と共に了承してくれた。
-----------------------------------------------------------------------------
森崎「はいはい。大丈夫ですよ、アイツは挑発で乗せやすいですから」

見上「そうである事を願おう。さて、次は具体的な配置の仕方を見せてもらおうか」

森崎「そうですね…」



全日本ユース 4−5−1
−−J−− J葵
−−−−−
−−I−− I翼
G−−−F G三杉 F岬
−E−D− E中山 D松山
B−H−A B早田 H日向 A中里
−−C−− C次藤
−−@−− @森崎



森崎「こうです。ドリブルもワンツーも出来て攻撃の起点になりやすいネイとトニーニョの居るサイドに
タックルもパスカットも出来る三杉と中山を割り当てます。逆サイドはマウリシオは正直怖くない。
サンタマリアのブーメランパスはありますが、そこは中里と岬に担当させます。
FW達のドリブル突破は松山と早田に加え、日向を暴れまわらせて牽制していきます。
次藤はシュートブロック専念ですね。日向のカウンターシュートは一回あればラッキー、程度です」

586 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/03(木) 23:58:22 ID:PZWGWLU2
見上「守備は分かった。では攻撃は?」

森崎「攻撃のメインとなるのは葵と翼です。葵が前線で敵をひきつけつつ、やばくなったら翼に戻す感じで。
この二人が時間と距離を稼ぎ、残りの攻撃陣を上がらせて人数を揃えてからゴールを狙う。
ポイントは葵と翼は両方とも一対一からのゴールを狙いやすい事です。この為ブラジルはどちらか
一方をマークし過ぎる事は出来ないし、DFラインも上げにくくなるでしょう。
しかも日向が上がってくる事を警戒する為に向こうのMF達は奴の相手をしなくてはいけない。
このフォーメーションならブラジルは相当守り難さを感じてくれます。以上です」

森崎は具体的な配置を示し、それぞれの役割と攻守に置ける目標を説明した。
見上はそれを聞いてしばらく吟味した後、メモをいくつか取ってから頷いた。

見上「いいだろう。ではブラジル戦はこれでスタートする。くれぐれも私がお前に
決定を託した事は他言無用だぞ。もしあったらこのスタメンとフォーメーションは完全に無かった事にする」

森崎「はい、わざわざ漏らしたりしませんよ(勘のいい奴は気付くかも知れないが、そりゃ知ったこっちゃないな)」

見上「では戻れ。ここからは私の仕事だ」

森崎「はい。失礼します」

こうして結局森崎の案は全て無修正で通った。部屋を出る際の彼の機嫌が良かったのは言うまでもない。
彼が去った後の見上と井出はそうではなく、見上はまたため息をつき、井出は不安気に立ち竦んでいた。

見上「全く。奴が常識的なフォーメーションを組む筈はないと思ったが、まさか日向をDFとはな…」

井出「連携なんか他の選手にやらせればいい、って考えなんでしょうね。ツボに填まれば確かに強くなるでしょうけど、
普通のチームだと日向さんをFW以外で使うにしても精々MFなんだな。ドイツのポブルセンみたいな使い方なら…」

587 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/03(木) 23:59:22 ID:PZWGWLU2
見上「それだけでは足りんと考えたのだろう。だがもう決定は下された。後はここまで日本を勝たせ続けてきた
あいつの強さを、あいつの作り上げたチームを信じるしかあるまい…全く、このチームの監督をしていると胃が痛くて敵わん」

井出「…でも、なんだか勝てそうな気もしてくるんだな。森崎さんならきっとやってくれるって」

見上「…ああ。そう思う。戦力的にはブラジルが一段上だと思うが、不思議と勝てそうな気がする。監督が言って良いセリフではないがな」

森崎の破天荒さを改めて知り、二人は心労が絶えなかったがそれでも
何とかなるのではないかと言う一種の楽観を味わう余裕はあった。

見上「………フゥ」

井出「………あの。やっぱりあれは言っておいた方が…」

もう一つ、森崎には言わなかった懸念事項がある為その楽観は長くは続かなかったが。

見上「コインブラの事だろう?駄目だ」

井出「で、でも!もし分析通りの実力だったら…!」

見上「だからこそだ。お前の分析は信頼している。あの限られた資料で行った分析でも当たっているかも知れん…
だが、当たっていたら結論は“全てが凄すぎるので対策など練れない”になってしまう。
勿論逆に当たっていなかったら不正確な情報を与えるのは害にしかならない。だから教える訳にはいかんのだ」

井出「………結局、出てこないんでしょうかね。あの選手は」

見上「ドイツ戦であれだけ追い詰められても出てこなかった。つまり何らかの事情で使いたくても使えない、
もしくは使いたくないのだ。ならばそれが決勝までのたった3日間で解決出来るとは思えん。
試合前のウォーミングアップには参加しているのだから、怪我と言う線も無さそうだしな」

588 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/04(金) 00:01:21 ID:5sp/dUa+
ブラジルユースの10番、アルツール・アンチネス・コインブラ。
謎に包まれた彼の実力を見上達は南米のストリートサッカーのビデオで知っていた。
限定的で信憑性に疑問符がつく資料に基づいた井出の分析結果はこうなっていた。



コインブラ
突破力:A 得点力:S ボールカット:S ゴール前:A スタミナ:S
ほぼ全ての分野に置いて世界で一、二を争える。対抗出来るのは一流の上に超がつく選手だけ。



井出「もっと資料があれば…ああっもう、なんでこの人は公式戦に出ていないんだな!」

見上「それを悔やんでも仕方があるまい。探偵の真似事が出来る賀茂ですら大した資料は
みつけられなかったのだ。奴は試合に出てこない…それを前提で戦うしかないのだ」

井出「でも、もし…もし、出てきたら?」

見上「………先程も言った。データが正しくなければ対策は練れない。
正しかった場合は…出来る限り避けて戦うしかない。それ位しか出来る事がないのだ」

見上はコインブラの事を選手達に伝えなかった。
そうした方が良いと判断した。

それが吉と出るか凶と出るかは二日後に判明する。

589 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/04(金) 00:02:32 ID:5sp/dUa+
上記4レスのコピペをお願いします。

590 :森崎名無しさん:2014/04/04(金) 00:07:42 ID:???
行ってきます

591 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/05(土) 08:21:28 ID:ZpkRs0do
〜大会24日目、エスタジオ・ド・マラカナン〜

翌日、遂に決勝戦まで後1日となった。

こういう大会に置いて3位決定戦と言う物は盛り上がり難い物である。
準決勝で敗退しモチベーションが低下したチーム同士の戦いであり、しかも大本命の決勝戦が翌日に迫っているのでは致し方ない。
サッカー王国ブラジルと言えど、この日は収容数の多いマラカナンスタジアム満員とは行かなかった。

それでもドイツユースとイタリアユースは戦わなくてはいけない。
例え勝っても決勝戦には行けないのが分かり切っていても、連日の激戦で疲れ切っていても、
ちゃんとプロらしく真面目に戦えると言う事を証明しなくてはならないからだ。

だがこの2チームの対決は見逃した事を惜しまれる様な内容にはならなかった。



ピッ、ピッ、ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!

放送「試合終了!結果は4−1。ドイツ、大差でイタリアを下し3位の称号を手に入れました!」

観客「あー、やっぱりこうなったか」「そりゃあドイツが勝つよなあ」「正直見に来なくても良かったな」

ストラット「…く、くそっ…!」

アルシオン「…割り切るぞ。悔しがるのは後でいい、まずはクールダウンだ」

ジェンティーレとランピオンを欠いた上に120分間の死闘で消耗がより激しかったイタリアがドイツに勝つのはかなり難しい。
事前にそう予想されており、そして何の面白味もなくその予想通りにドイツが大差で勝ったからである。

592 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/05(土) 08:23:02 ID:ZpkRs0do
放送「ジェンティーレくんとランピオンくんと言う主力二人をレッドカードで欠いたイタリアユース!
アルシオンくんのキープ力で粘り、ストラットくんの一発で少ないチャンスをモノにしようとしましたが
それだけで負けてくれる程ドイツユースは甘い相手ではなかった!シュナイダーくんが2点、
ポブルセンくんが1点、カペロマンくんも1点奪い自慢の攻撃力を見せつけてくれました。
イタリアはアルシオンくんのスルーパスからストラットくんがかろうじて1点決めただけに終わりました。
日本戦で感動的な立ちはだかりを見せてくれたヘルナンデスくんも今回は上手く行かず大炎上。
だからと言って彼を責めるのは酷と言う物でしょうし、これで彼の価値が落ちる事もないでしょう」

シュナイダー「無様…と言いたい所だが、今の燃え尽きたお前では仕方ないな」

ヘルナンデス「厳しい事で有名なお前に慰められるとはな…あんまり嬉しくないな」

シュナイダー「お前への慰めではない。俺自身への戒めだ。
不利な状態の相手に勝った事で実力者を見下していては、自惚れと油断に繋がる」

ヘルナンデス「そういう事か。納得が行ったよ」

当然両チームともその事情は把握しており、勝ったドイツは驕る事なく、負けたイタリアも腐る事はなかった。
お互いにある程度面識がある為試合後の交流もあり、特にジュニアユース時代からの付き合いである
シュナイダーとヘルナンデスはキャプテン同士らしく厳かに話し合っていた。

シュナイダー「お互い先は長いんだ。次はもっと面白い舞台で本調子で出会おう」

ヘルナンデス「ああ、個人的にも頻繁に会う事になりそうだしね」

シュナイダー「ん?流石にブンデスリーガとセリエAではそう頻繁に会う機会はないと思うが…
代表試合とヨーロピアンカップとUEFAカップを除けば後はフレンドリーマッチしかチャンスはないだろう?
それともお前はブンデスリーガに移籍してくるつもりなのか?俺は当分バイエルンでやるつもりだぞ」

593 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/05(土) 08:24:57 ID:ZpkRs0do
ヘルナンデス「いや、俺もしばらくはインテルに居るつもりだよ。だがマリーにミラノに来てもらうんだから、
これからは家族ぐるみの付き合いになるだろう?よろしく頼むよ、お義兄さん♪」

シュナイダー「……………あ゛?」

ただし、ヘルナンデスの爆弾発言でその場は台無しになった。

ヘルナンデス「あれっ、君はまだ聞かされていなかったのかい?
もう了承の手紙をもらっているし、親も承諾してくれたって書いてあったんだけど…」

シュナイダー「………そうか。時折マリーがイタリア旅行に行っていたり、
イタリアの友人がドイツに来ているから遊ぶと言っていたのは…貴様か…キサマかぁ…」

ヘルナンデス「(あれ、これ、俺ヤバい?)」



シュナイダー「キサマかぁああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」

ヘルナンデス「ひぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!?」



その後シュナイダーは数分後味方に取り押さえられるまで逃げるヘルナンデスを追い掛け回したが、
観客も実況も特に興味を示さなかった為スキャンダルにならなかったのは幸運だった言えるだろう。



マリー「…お兄ちゃん…何やっているの…!」

ただしドイツに中継していたテレビカメラはシュナイダーにスポットライトを当てようとその映像を拾っていた為、
ドイツでテレビ観戦していたマリーが青筋を立てていたのは不運だったと言えるだろう。

594 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/05(土) 08:27:00 ID:ZpkRs0do
*シュナイダーのヘルナンデスに対する感情が「殺す」になりました。
*ヘルナンデスのシュナイダーに対する感情が「鬼い様」になりました。



大会得点ランキング(表記はメインキャラのみ):
12ゴール シュナイダー
11ゴール ストラット
10ゴール カルロス
9ゴール 日向
8ゴール ディアス
7ゴール ザガロ
5ゴール カペロマン、火野、ビクトリーノ
4ゴール ポブルセン、翼、森崎、ランピオン、カマーチョ
3ゴール ナポレオン、ピエール、チャンドラー、ロリマー、ミハエル、サトルステギ
2ゴール トニーニョ、マーガス、李邦内、李邦坤、アルシオン、イスラス、レンセンブリンク、三杉
1ゴール ルーク、肖、岬、山森、フライハイト、ネイ、ロペス、ガルシア、クライフォート、
     カイザー、マッハー、クリスマン、政夫、ディウセウ、マウリシオ



大会アシストランキング(表記はメインキャラのみ):
7アシスト アルシオン
5アシスト サンタマリア
4アシスト 岬
3アシスト カルツ、カルロス、マーガス、翼、ダ・シルバ、ネイ、チャンドラー、火野、パスカル、ランピオン、
2アシスト フライハイト、カペロマン、バンビーノ、ピエール、王、森崎、トニーニョ
1アシスト カルツ、メッツァ、テイラー、飛、山森、早田、ビクトリーノ、エスパダス、クリスマン、イスラス、
      シェスター、バビントン、クライフォート、カイザー、和夫、ジェトーリオ

595 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/05(土) 08:28:47 ID:ZpkRs0do
上記4レスのコピペをお願いします。
シュナイダーは国際大会の後は暴力事件を起こすのがデフォです。

596 :森崎名無しさん:2014/04/05(土) 08:32:42 ID:???
行ってきます

597 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/10(木) 23:02:54 ID:5zJ3uX06
〜大会24日目、全日本ユース宿舎〜

日本はドイツとイタリアの三位決定戦を観戦せず、後にスコアを知るだけであった。
目の前の決勝戦に集中しろと言う見上監督の方針であり、それに異論を挟む者も居なかった。
全日本ユースはもっぱら自分達の作戦会議で忙しかった。

井出「…以上がブラジルユースの予想スタメンと分析結果なんだな」

どよっ…

会議はまずブラジルユースの分析結果から始まり、選手達のどよめきに応えられた。
強いのは分かり切っていたが、今まで見た事がない程の高評価にうんざりせずには居られなかったのだ。

見上「言うまでもなく、とてつもなく強い。ドイツを破った実績からして、今までで最強と言って良いだろう。
パスが比較的有効、ゲルティスは一対一とスタミナに少しだけ不安あり、特大の切り札を持つのはカルロスのみ…
などとつけいる隙が無い訳ではないが、その程度の不安要素では到底楽観出来る訳がない。

特に優れた突破力と火力を兼ね揃えた選手が何人も居るのは非常に危険だし、
ゴール前の守備も一通り出来る人材が揃っている為様々な攻め方を駆使しなければ崩せないだろう。
更に贅沢なタレントを使いまわせる癖に全選手が豊富なスタミナを持っている上、
ドイツ戦で見せた通り戦術面もメンタルも強い。持久戦になったらこっちが不利になるだろう」

翼「(流石ブラジル…これが、俺が憧れつづけたサッカー王国の堂々たる強さだ)」
日向「(ビビッている奴らが何人か居るな…足を引っ張らなきゃいいが)」
若林「(客観的に言って、ブラジルの方が強いと認めざるを得ないな…)」

598 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/10(木) 23:04:30 ID:5zJ3uX06
見上「だが、強敵とは勝てる可能性がある相手の事だ。絶対に倒せない相手は強敵とは言わない。
お前たちもここまで勝ち上がってきたのだ、世界一を争う資格は十二分にある…
だが今更こんな事は言うまでもないだろう。具体的な作戦の話に移ろう」

見上はブラジルの強さを再確認させた上でフォーメーションとスタメンの発表に移った。
それ自体は当然の事で何の驚きも起きなかったが、いざフォーメーションが発表されるとどよめきが走った。

日向「!」



−−−−− 
−−J−− J葵
−−−−−
G−I−F G三杉 I翼 F岬
−E−D− E中山 D松山
B−H−A B早田 H日向 A中里
−−C−− C次藤
−−@−− @森崎



赤井「え、えええっ!?日向さんがDFですかぁ!?」

若島津「な、な…監督、本気ですか!」

山森「この大舞台でこんな奇策を…!?」

混乱した者達が早速声を上げる中、肝心の日向は…

599 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/10(木) 23:09:23 ID:5zJ3uX06
【分岐】http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
 !card と書き込むとランダムでトランプの絵柄が出るので、(!は半角)書き込んでみて下さい。
(ageでもsageでも構いませんが、★も含めて一回の判定の全文をコピペされてない場合は無効です)

先着(順番通りじゃない書き込みは無効)で
★日向の反応→(!card)★
と書き込んで下さい。カードやダイスの結果で分岐します。

JOKER→日向「ああ、監督も同じ事を考えていたんですね」なんと自分から提案する気だった!!
ダイヤ→日向「良いですよ。合理的だ、やりましょう」意外にも合意した。
ハート→日向「…勝つ為なら仕方がないですね」渋々納得した。
スペード→日向「監督、俺がDFとして動けると思ってるのか?」やはり納得しなかった!
クラブ→日向「森崎…てめえ、何考えてやがんだ…!」バレました☆

600 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/10(木) 23:10:44 ID:5zJ3uX06
上記3レスのコピペをお願いします。

601 :森崎名無しさん:2014/04/10(木) 23:18:30 ID:???
行ってきます

602 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/11(金) 23:29:27 ID:F6yPRKlw
★日向の反応→( ダイヤK )★

ダイヤ→日向「良いですよ。合理的だ、やりましょう」意外にも合意した。
-----------------------------------------------------------------------------
見上「!?」
森崎「なぬ!」
翼「!」
若島津「日向さん!?」

渋々と受け入れるのならともかく、まさか日向があっさり合意するとは誰も思っていなかった。
出来れば森崎に頼らず自分で説得したかった見上も口を挟むタイミングを見計らっていた森崎も
予想外の反応に面喰ってしまった。それを見越して日向は更に続ける。

日向「俺をあえてこんなに後ろに配置するのはドリブラーが豊富なブラジル相手の嫌がらせ。
そしてタックルに優れたディフェンダーが俺をマークしにくくする為でしょう?」

見上「…その通りだ。今まで通りお前をFWに配置しているとジェトーリオやドトールに
止められる危険性が高い。それなら後ろの方でボール狩りをやりつつ撃ち易くすると言う作戦だ」

日向「ですよね。では、それで行きましょう。便宜上はリベロ扱い。連携は他の奴任せですよね?」

見上「うむ…急造DFのお前に連携は求めていない。己の判断で相手を困らせればいい。
そういう訳だ。中山、松山、早田、次藤、中里。フォーメーションのバランスはお前たちで取れ」

中山「は、はい(最初から合わせるのを放棄するのか…仕方ないな)」
松山「はい…(日向にチームワークを期待するだけ無駄だっていうのは分かるけど…)」
早田「はい(日向の奴はタックルは上手いからな。俺もやりやすくなるって割り切るか)」
次藤「はい(作戦上は妥当じゃけん、精々馬車馬ばし走ってもらうばい)」
中里「はい(拙者側にドリブラーが来ても対処しやすくなる。有り難き事也)」

603 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/11(金) 23:31:38 ID:F6yPRKlw
日向は自分をDFで起用すると言う奇策の狙いを端的に解説してみせ、その場の主導権を握った。
無論日向が遊撃する分計算し辛くなり守備陣の負担は増えるのだが、
それぞれの思惑はどうあれ文句を言う者は居なかったのは日向の立ち振る舞いの影響もあっただろう。

三杉「(やはり彼はその凶暴性が暴発しない限りは極めて合理的で知的な人間だな)」
岬「(自分が納得さえすれば、勝つ為には何でもすると言う言葉に嘘はないんだよね)」
山森「(俺は驚いて意味が分からなかったのに…人格は酷いが、頭は流石だな)」
赤井「(この人…こええ。この若さで大企業の社長なんかやってられるのが良く分かった)」
若島津「(これがこの人の強さか…俺はまだまだ甘いのかも知れない)」

事実、日向の今回の言動に感心した者は少なくなかった。

翼「(…日向くんはプロ向きの性格と言えるかもな。協調性の無さが大きなリスクだけど)」

若林「(こいつがプロとして大成できるかどうかは合うチームをみつけられるかにかかっているだろうな)」

過去のキャプテン候補達ですら評価を改める程だった。

森崎「(な、なんか日向の株が上がっている雰囲気だ…!いや、今更こいつにキャプテンの座を
脅かされる事なんてないだろうからどうでもいいが…クソッ、なんかムカつく!)」

森崎は内心歯ぎしりしていた。



*日向チーム内支持率:46→48

604 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/11(金) 23:33:35 ID:F6yPRKlw
上記2レスのコピペをお願いします。

605 :森崎名無しさん:2014/04/11(金) 23:34:06 ID:???
行ってきます

606 :森崎名無しさん:2014/04/11(金) 23:36:45 ID:???
申し訳ありません、支持率の行をコピペミスしてしまい、3レスになってしまいました。

607 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/18(金) 22:52:55 ID:MZfSDumc
見上「ゴホン…では各人の役割の確認に移るぞ。何時も通りそれぞれ自分だけでなく、他者の役割も認識しておけ」

見上は咳払いをして空気を換え、各選手の役割の説明に移った。

見上「葵、お前の役割は最前線の囮だ。日本の攻撃は基本的に遅攻となる。これはブラジルにドイツにやった様に
シュートラッシュを仕掛けさせない為だ。その為にはお前がどれだけ前線で時間を稼げるかが鍵となる。
無論ただ時間を稼ぐだけではない。マークが甘いと思ったら自分で一対一を挑みに行け。
逆にマークがきついと思ったら後ろにボールを戻せ。ブラジルの最終ラインを押し下げるだけでも前に居る意味はある」

葵「は〜い!(今回もFW起用かぁ。日本代表の中盤は激戦区だもんな、仕方ないな。気を切り換えて頑張ろっと!)」

見上「翼、お前は何時も通り攻撃の要となる。求められる役割は多いぞ。自分で得点を狙いに行くのは勿論だが、
今回は葵との連携も重要だ。葵一人ではブラジル相手にボールキープし続ける事は至難の業なのだから、
当然お前がもう一人の囮役としてサポートするんだ。それから速攻は状況が求めない限りは使うな。
基本は味方が追いつくのを待ち、ブラジル陣内で戦う時間と人数を増やしていくんだ」

翼「はい(守備はあんまり出来無さそうだな。その分攻撃で結果を出さなければ、ブラジルには絶対に勝てない)」

見上「日向、お前は既に己の仕事を理解しているな。もう一度言うが、それは攻守ともにブラジルを困らせる事だ。
お前が中盤やディフェンスラインで暴れている事でドリブル自慢が多いブラジルも大いにやり辛くなるだろう。
そして最前線でボールが回ってくるのを待つのではなく、後ろから上がってきて前からボールを受け取るやり方なら
ブラジルもジェトーリオやドトールを前に上げ過ぎる訳にはいかないシュートチャンスも増える。お前の悪知恵を活かせ」

日向「はい(どうもこの監督が考えた作戦にしては違和感があるな。森崎の入れ知恵か?別にどうでもいいか)」

608 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/18(金) 22:54:03 ID:MZfSDumc
見上「三杉、お前がこちらのサイドに配置された理由はタックルとパスカット両方に優れるからだ。
勿論相手をするのはネイとトニーニョだ。ドリブルとパス、もしくは連続ワンツー。何をされても中山と
連携して防げ。そして攻撃参加もしてもらう。もし葵や翼がボールを保ちきれない時はお前の出番だ。
後は…今更言うまでもない事だろうが、ペース配分には気をつけろ。この試合、延長戦も大いに有り得るぞ」

三杉「はい(このサイドを通されたらすぐに撃たれかねない。責任重大だが、やり甲斐のあるポジションだ)」

見上「岬、お前は守備ではサンタマリアのパスを阻害し攻撃ではブーメランパスとブーメランシュートを
使い分ける事が求められる。お前のサイドにはジェトーリオが居るのだから愚直にドリブルで突っ込む事は出来ない。
だがパスでかわし続ければしびれを切らして他者のマークに行くだろう。そこでシュートチャンスがある。
だが無理には狙うな、フリーになれる絶好機を待つんだ。ただ闇雲に撃つだけではブラジルには通じんぞ」

岬「はい(ジェトーリオが離れてもマウリシオやアマラウが来るだろうなあ。だけどそこがあれのチャンスかも)」

見上「中山、お前は今回ボランチとして使う。今回のお前は中盤の守りがメインとなる。三杉同様相手をするのは
ネイとトニーニョだ。この二人は速攻も時間稼ぎも自力での得点も出来るし、ツインタックルでボールも奪える。
更にカルロスもマッチアップの機会が増えるだろう。奴らを自由にさせるな。ハイレベルなシューターが豊富なブラジルは
通常のチーム以上に撃たせる前に止める事が重要となるのだ。ドイツの二の舞を踏むな」

中山「はい(大丈夫だ、やれる!ブラジルは確かに猛者揃いだが、俺は既に世界最高の攻撃的MFを知っている!)」

609 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/18(金) 22:55:21 ID:MZfSDumc
見上「松山、お前がやる事は何時もと変わらん。攻守のつなぎ役だ。お前は向こうのツートップ、
カルロスとザガロを相手する事が多くなるだろう。奴らに好き放題に撃たせていたら勝てる物も勝てん。
責任を持って奴らを止めろ。そしてボールを奪ったら奪い返される前に適切な場所に逃がすんだ。
お前の周囲には翼、岬、中山、中里とボール運びに長けた4人が居る。その時々で適切な者に逃がせ」

松山「はい!(とうとうここまで来た!道産子魂を世界中にみせつけ、故郷に錦を飾るんだ!見ていてくれ、皆!)」

見上「次藤、お前はいつも以上に忙しくなるだろう。元々ミドルシュート要員が多いチームが
これだけ中盤の守りを厚くされたら焦れてシュートを強引に撃ってくる事が予想される。
そういうシュートを食い止めるのがお前の仕事だ。正に体を張ってもらう事になるが、やってみせろ。
展開によってはお前は試合終盤まで体力が続かんかも知れん。早すぎる段階で燃え尽きない様注意しろ」

次藤「はい(流石ワールドユース決勝戦、ごつかシューターがごーぎ居るのう。うんにゃー、楽しみばい)」

見上「早田、中盤が抜かれてしまった場合はお前が撃たれる前の最後の頼みの綱となる。
特にカルロスを相手にする機会がかなり多くなるだろう。あいつは世界のトップ10に入れるドリブラーだ。
だがお前もボールを奪う事にかけては世界のトップ10に入る筈だ。自信と誇りを持って立ち向かえ。
いざボールを奪い返した後は逆サイドの中里をメインに手薄な場所にパスだ。タックル直後のマークにも気をつけろ」

早田「はい(ドリブラー共が選り取り見取り…へへっ、この早田誠がどれ程優れたDFなのか証明させてもらうぜ)」

610 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/18(金) 22:57:13 ID:MZfSDumc
見上「中里、お前はサンタマリアのスルーパスを警戒しつつ基本はバックアップ役だ。
こぼれ球のフォローだけでなく奪われそうなボールの緊急避難先として出番が多くなるだろう。
ただしお前のサイドにはジェトーリオが居る為自力でオーバーラップを仕掛けるのは危険だ。
基本はチーム全体が遅攻で行く事を忘れずに、こちらのボールキープ率の向上に貢献するのがお前の役割だ」

中里「はい(いよいよスポーツ忍者として大成の道が見えてきたナリ。この天下分け目の合戦、大金星を獲ってみせる!)」

見上「…改めて言うまでもないが、スタメンに選ばれなかった者も常に臨戦態勢で居ろ。この試合、延長戦も大いに有り得る。
スタメンだけで最後まで戦おうとするのはまず無理だろう。各自ウォーミングアップを怠るな」

全日本メンバー『はい!!』

見上「最後に森崎。分かっているだろうが、お前が体力切れを起こす事も有り得る。
だからと言ってペース配分に拘り過ぎて失点を重ねては元も子も無い。その塩梅はお前が何時も苦しんできた事だし、
これから先もサッカーをしている限りつきまとうだろう。私から言える事はただ一つ…」

森崎「………」

見上「勝て。お前は勝つ為なら何でもやってここまで来た。勝って、己を証明してみせろ」

森崎「はい(この監督の基準だと、これでも素直に褒めてるんだろなあ。この狸親父め)」

611 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/18(金) 22:58:22 ID:MZfSDumc
見上「さて、森崎。話すべき事は全て話した。明日のミーティングではもう話す事はない。
だから明日まで待つ必要はない。キャプテンとして言っておきたい事を今の内に言っておけ」

森崎「(おっと、このタイミングでか。明日言おうと思っていたんだが…)」

全日本メンバー『……………』

森崎「(まあいいか、今言っちまおう)」

A 「よし、いこう、いこうぜ、みんな!」無難に号令をかけるだけにする。
B 「皆、ここまで良く戦ってきた。後もう一度だけ力を貸してくれ」謙虚にチームメイトを褒める。
C 「俺達が世界一になるのは当たり前だ。何故なら俺達が世界で一番強いからだ!」強気でブチ上げる。
D 「ま、そんなに固くなるなよ。どいつもこいつもリオカップで倒した連中ばかりだ」あえて相手を侮る。
E 「全日本ユース出撃!花見の準備をせよ!」笑いを取りに行く。
F 「世界サッカーの伝統を凌辱するぞ!」凌辱発言! 

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/4/19 00:30:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

612 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/18(金) 23:00:35 ID:MZfSDumc
上記5レスのコピペをお願いします。

>>606
特に支障が出る訳ではないのでお気にせずに。

613 :森崎名無しさん:2014/04/18(金) 23:05:43 ID:???
行ってきます

614 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/22(火) 00:54:53 ID:ICdUPQt2
>C 「俺達が世界一になるのは当たり前だ。何故なら俺達が世界で一番強いからだ!」強気でブチ上げる。

森崎「いいか皆。俺達は明日、勝つ。そして世界一になる」

全日本メンバー『………』

森崎「俺達以外の奴らはどんなに強くても二番目にしかなれない。同じ時代に俺達が居た不運を呪ってもらう。
それが世界一になると言う事だ。日本サッカーは弱い?もうそんなのは過去の話だ。
これからは日本はサッカーが強いのが常識になるんだ。俺達がそういう世界に作り変えたんだ。
もう一度言う。俺達が世界一になるのは当たり前だ。何故なら俺達が世界で一番強いからだ!それを証明しに行くぞ!」

全日本メンバー『ぉおおおおおおおおおおおおおおっ!!!』

見上「(うむ、これでいい。この不遜さこそが森崎の強さだ)」

森崎は自他共に彼らしいと認める強気で傲慢な態度を貫き通した。
彼はこの態度で力を得、勝ち上がり、頂点を掴み取ってきた。
それが最強のサッカー王国、ブラジルにまで通用する物だと誰もが信じていた。



来生「(え?え?え?決勝戦なのに出番なし…?こ、これじゃこのスーパースターが埋もれちゃうじゃないか…
ち、違うんだこれは厚生の罠なんだ俺は填められたんだ…僕が、一番上手くストライカーを…)」

一人だけ、別の事を考えて呆然としていた者も居たが。



*来生がとうとう「スキル・何があっても自信を喪失しない」を喪失しました。

615 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/22(火) 00:56:03 ID:ICdUPQt2
〜同日同時刻、ブラジルユース宿舎〜

ロベルト「…では、以上でミーティングは終了だ。解散!(やっぱりコインブラは出せそうにないか〜…
本人が出たいって言ってこないし、他の皆も認めそうにないし…だ、大丈夫だよな…?)」

同じ頃、ブラジルユースもミーティングを終えていた。何時も通りロベルトはスタメンを発表した後は
具体的な作戦は選手任せで、何時も通りコインブラは最後尾に座ったまま一言も会話に参加する事はなかった。

だが今回は何時もと違う事があった。ロベルトがポーカーフェイスを崩さない内に立ち去り、
コインブラも誰とも関わらずに立ち去るのは何時もの事だったが、他の選手達22人はまだ解散せず
部屋に残りカルロスに視線を集めていた。カルロスもそれを予期していたのか、咳払いをしてからゆっくりと口を開いた。

カルロス「皆、言いたい事は分かっている。コインブラの事だろう?」

サンタマリア「…ああ、そうだ。結局あいつをどうするかを解決しないままここまで来てしまった」

ザガロ「フン、今日はなんとなく居心地が悪そうなツラしてやがったな」

マウリシオ「結局の所何がしたいんスかね?」

カルロス「…あいつの心理は今となってはどうでもいい。ハッキリしている事はただ一つ、
あいつが明日のスタメンに名を連ねていない事だけだ。そしてハッキリさせないといけない事もただ一つ…」

ネイ「監督があいつを途中出場させてきたらどうするか、だろ?」

ディウセウ「オラはどうすっかもう決めてるけど、おめえの考えも聞いておきたいな」

ブラジルユースの決勝戦前の最大の懸念事項。アルツール・アンチネス・コインブラの存在。
もし彼が使われる事になったら、どうするのか?カルロスはその時こう答えたと言う。

カルロス「…俺はプロサッカー選手だ。プロらしくするさ」

616 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/22(火) 00:57:14 ID:ICdUPQt2
上記2レスのコピペをお願いします。

617 :森崎名無しさん:2014/04/22(火) 01:00:28 ID:???
行ってきます

618 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/22(火) 22:21:58 ID:ICdUPQt2
かくして世界一を争う両チームはそれぞれの作戦会議を終え、決戦前夜を迎えた。



〜全日本ユース宿舎〜

決戦を前に誰もが武者震いをしていた訳ではない。
光あれば影あり。勝者の横には必ず敗者が居る。
余程の事が無い限り出番は有り得ず、それ故に士気を保てと言う方が酷な者達も居る。

石崎「はあ…分かっちゃ居たけど、やっぱり決勝でも出番なしか…」

高杉「当たり前だろ、今まで使われていないのに大一番で出られる訳があるか」

井沢「しょうがない、実力が全ての世界だ…ところで来生はどうしたんだ?」

滝「いや…昨日までは決勝戦でスーパーヒーローだ、とか言っていたんだが…」

来生「ぶつぶつ…僕が、一番上手くストライカーを、こなせるんだ…」

井沢「…遂にこいつも現実を思い知ったか。俺達の仲間入りって所か」

修哲出身の4人組と石崎はこの大会結局殆ど出番が無いまま終わりそうだった。
彼らはサブメンバーの中でも一番期待されていないグループなのが明らかであり、
ずば抜けて楽観的だった来生ですら最早自分を誤魔化せない程である。

滝「結局何がいけなかったんだろうな?俺達だって日本一になって、日本代表になって…
そこが限界だったんだろうか?後ちょっとの差がどうしても埋められないんだよな…」

高杉「知るかそんな事。あの若林さんですらサブに追いやられてあの森崎なんかが
正GKでキャプテンでプロになってやがるんだぞ。何がいけなかったなんて俺が知りたい」

619 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/22(火) 22:23:31 ID:ICdUPQt2
石崎「そういえば南葛小の頃はお前らに0−30でやられてたりしたんだっけ。
今までよく考えなかったけど、あの頃から考えりゃ夢にも思わない程出世したもんだ…」

高杉「下を見てたらキリが無いぞ。代表選考から漏れた佐野やら反町やら沢田やら、
長野やら岩見やら…あいつらは俺らを羨ましがっているだろうさ。ま、上を見てもキリがないけど」

井沢「…だからと言って、そんな理屈で諦めて堪るかよ!」

滝「井沢?」

それでももういいと自棄にはならないのは、彼らもまた日本代表たる証だろう。

井沢「確かに俺は今のチーム内のMFとしてはビリッケツだろうさ。それは認める。
だけど何時までもそのままだなんて誰が決めた!日本代表になれたら試合に出られなくてもいい…
そんなカッコ悪い事を思う位なら死んだ方がマシだ!まだサッカー人生は長いんだ、俺は絶対に返り咲くぞ!」

滝「…いやまあ、その覚悟は立派だし俺も同意見なんだが…お前の場合はちょっと無謀過ぎないか?」

石崎「よりによって翼に対抗心燃やしてるんだから、ある意味来生より身の程知らずだぜお前」

井沢「な、なにィイイ!!」

高杉「(総合力では勝ってるのに、チーム単位で見るとこいつより来生や滝の方が役に立つって言うのがなんとも哀れだ…)」

だからと言ってその諦めの悪さが吉と出る保証など何処にもないのも日本代表と言う勝負の世界の掟である。

来生「速いボールが見えたり消えたりしている。あはは、速い…シュートかな。イヤ、違う、違うな…」

620 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/22(火) 22:25:44 ID:ICdUPQt2
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621 :森崎名無しさん:2014/04/22(火) 22:40:44 ID:???
行ってきます

622 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/23(水) 22:01:12 ID:Ppkwvt+c
将来に望み得る栄光が物足りないと嘆く者も居れば、輝く未来への展望を喜ぶ者も居る。
とは言っても展望はあくまでも展望であり、未来が過去になるまでは安心など出来ないのだが。

葵「イヤッホー!やったぜ!」

赤井「…良いニュースだったっぽいな、その様子は」

葵「うん!インテルがトップに加えてくれるって!一軍!遂に一軍になれるんだ!」

山森「それは素直に凄いな…おめでとう」

新田「でも、試合に出場するまでが大変なんだろ?」

赤井「下手するとレンタル移籍要員だからなあ。浮かれてたら痛い目見るぞ」

葵「大丈夫大丈夫!なんとかしてやるって気持ちが大事なんだよ!」

ホテルの別所ではたった今インテルの首脳陣から電話で一軍昇格のニュースを伝えられた葵が
小躍りしながら戻ってきた。年下組の4人は自然と固まって行動する事が多く、今夜もそうしていたのだ。

赤井「はあ〜、楽観主義は努力の証とは言うが…お前のその気楽さは羨ましいぜ」

山森「赤井はサンプドリアからの知らせは特に来ていないのか?」

赤井「今大会あんまり活躍していないしな…後もうちょっとで上がれると思うんだけどな〜」

新田「お前は堅実に実績を積み上げるタイプだから大丈夫だろ。少なくとも既にクラブに居るんだから羨ましいぜ」

葵「あれっ、新田や山森も何回かスカウトっぽい人達と会ってたりしなかった?
賀茂のおっさんも毎日色んな名刺を色んな人達から貰ってきて配ってきているじゃん」

623 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/23(水) 22:07:05 ID:Ppkwvt+c
山森「ああ、一応沢山名刺は貰っているよ。でもなあ…」

新田「うん、でもなあがつくクラブが多いんだよな…」

既にある程度の格があるヨーロッパのクラブに所属している葵、赤井、若林の3人以外の全日本ユースの選手達は
連日連夜色んなクラブからスカウトを受けていた。しかし当然勧誘の数や質は選手によってまちまちであり、
今まで集めた名刺をテーブルの上に広げる山森と新田は苦笑を隠せない表情になっていた。
それらを眺めていくと葵と赤井の二人もとても微妙な顔になっていく。

葵「どれどれ?これはトルコ、これはスイス、これはポルトガル、これはロシア…うーん…」

山森「それらはまだマシな方だよ。他にもスコットランドとかベルギーとかギリシャとかあるぞ」

赤井「ん?これは…カタールだと!?これってまさか…」

新田「ああ、片桐さんも多分帰化選手狙いだろうからこれは止めておけ、だってさ…下手するとオイルマネーで
無理やりFIFA規則を捻じ曲げようとするスキャンダルの当事者になってしまうぞって言われたよ」

葵「うわっちゃあ…あ、でもリーグ・アンとかエールディビジのスカウトの名刺もあるじゃん!
よく見たらブンデスリーガもプレミアリーグのもちょっとだけある!…あ、でも…降格圏内の下位クラブだね…」

山森「ああ。当たり前の事だけど、リーグの格が上がるとその分リーグ内の地位が下がるチームになるんだ。
賀茂さんにも有名リーグのチームなら何処でもいいなんて考えるなよ、チームになじめるかどうかや
降格の危険性も考慮すれば日本に居た方がずっとマシだって事も十分有り得るんだ…って力説された」

新田「なんか…世知辛いな、プロの世界って。選択肢がある分まだマシなんだろうけど…」

赤井「ま、まあ大丈夫だろ。ワールドユース決勝戦まで来たんだ、大会後にまたドバッと来るって」

一寸先は闇。光が続く保証はない。年下組はそれぞれ不安な夜を過ごしていた。

624 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/23(水) 22:27:28 ID:Ppkwvt+c
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625 :森崎名無しさん:2014/04/23(水) 22:30:11 ID:???
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626 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/25(金) 21:33:38 ID:GmqirbB2
特に集まり易いグループが存在しない者達が結果的にグループを作る事もある。
政夫、和夫、次藤、早田、中里の5人はそんなグループだった。

次藤「ふー…流石に緊張してきて飯も喉ば通らんとね」

早田「おいちょっと待てお前何時も通り人の三倍は食ってたじゃねーか」

中里「実に美味そうに食うでゴザルな。力士も吃驚するであろう」

政夫「こいつと飯食ってると食欲が失せるんだよなー」

和夫「ダイエットしたい女にはモテるかもな」

次藤「なんやなんや、皆してワシをだごにして」

食欲がないと言いながらも人の数倍食べた次藤を他の4人で呆れて冷やかす。
そんな間の抜けた時間を過ごしていたのは5人とも明日を見据えて緊張していたからかも知れない。

政夫「俺は本当に食欲減ってたぞ。いや、スタメンじゃないけどさ…」

和夫「多分、明日も出番はないんだろうなあ…くそっ」

早田「仕方ねーだろ。お前ら二人一緒じゃないと出す意味がないんだから」

中里「一人で出来る事は他のFWが出来るからのう。それでは日向が居る限りは日の目を見れまい」

次藤「ばってん、明日の試合はとにかく一点が必要な場合もあるかも知れんばい?」

政夫「確かにそういう展開になりゃ俺達の出番もあるかも知れないけどよ」

和夫「チームが追い込まれた状況になるのを望むのは流石にしたくないぜ」

627 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/25(金) 21:34:46 ID:GmqirbB2
早田「まあ望むもんじゃねえな。けど相手はブラジル。いくら覚悟してもし過ぎって事はないぜ」

中里「その言葉の割にはお主は落ち着いておるな?」

早田「そりゃあ、今更一夜漬けの猛特訓でどうにかなる訳じゃないからな。落ち着くしかないだろ」

次藤「そうタイ。負けた時の事ば考えるより、勝った時の想像の方が楽しかとね」

政夫「勝った時…ブラジルに、勝って、優勝して、世界一か…うーん、想像しにくいな」

和夫「多分日本中からヒーロー扱いされるんだろうけど、それからどうするかって話だよな」

中里「勝って兜の緒を締める、でゴザルよ。それからは狙われる立場になるのだからな」

早田「狙われる立場か。良い言葉だぜ…倒すべき奴らが自分から来てくれるんなら楽でいいや」

次藤「Jrユース大会で優勝しても世界的にはマグレばし思われていたとね」

政夫「思えば日本サッカーも随分変わったモンだなあ」

和夫「三年前はワールドカップアジア予選敗退のニュースでガッカリしてたのになあ」

次藤「ワシらが変えたとね。新時代と言う奴タイ」

早田「次の目標は、日本はワールドカップに出て当たり前って言われる様になる事かな」

中里「(スポーツ忍者の夢も現実となりつつある。さすれば世界中の美女達の裸体も…フヒヒ)」

ブラジルを恐れつつもその恐怖を乗り越え糧とする。
そんな作業に勤しむ彼らの雰囲気は意外な程に和やかだった。

628 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/25(金) 21:37:03 ID:GmqirbB2
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629 :森崎名無しさん:2014/04/25(金) 21:41:53 ID:???
行ってきます

630 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/29(火) 23:58:16 ID:/yOKgAsY
チーム内の役割が近いスタメン組がグループを作る事もある。
中盤と中盤からやや後ろでプレイする事が多い岬、三杉、松山、中山の4人は今夜ロビーで集まっていた。
今夜の話題は日本に置けるプロサッカーの欠如と、それが変わりつつある手段だった。

松山「日本に…プロサッカーリーグ!?」

岬「うん、さっき片桐さんに聞いてみたんだ。そういった動きはありませんかって」

中山「そうしたら…どうだったんだ?」

岬「まだ何かハッキリ話せる段階じゃないけど、既に日本サッカー協会は色々準備しているそうだよ。
Jrユース大会優勝だけじゃ足りなかったけど、ワールドユースでここまで来たら効果抜群みたい」

三杉「日本には既にJSLがある。それを発展させる形で本格的なプロリーグ設立も可能だろう」

松山「マジかよ…何時かは出来るだろうと思っていたけど、こんなに早いとは思っていなかった…」

中山「有り難い話だよ。サッカーが強い国はプロサッカーリーグが必ずあるからな」

三杉「だが、あるだけではいけない。ちゃんとレベルの高いリーグとして運営される事が重要だ。そうだな…
ここは君の意見を聞きたいな、岬くん。日本がハイレベルなリーグを作り、維持するのは何が重要だと思う?」

岬「僕かい?うーん、難しいテーマだなあ…(三杉くんは頭が良いから迂闊な事言いたくないし)」

三杉「ゆっくりでいいよ。どうせ就寝時間まで長いし、欧州リーグを見る機会があった君の視点は
かなり参考になりそうなんだ(今、警戒したな。彼は自分の頭の良さをひけらかすリスクを良く知っている様だ)」

631 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/29(火) 23:59:46 ID:/yOKgAsY
松山「そうだな、俺も聞いてみたいよ!岬の話なら参考になりそうだ!」

中山「(岬は頭も人望もあるタイプだからなあ。引退したらサッカー協会でお偉いさんになるかも)」

岬「そうだね…(しょうがないな。三杉くん相手には下手に隠す方が怪しまれそうだ)
人口、経済力、交通網等はもう十分に整っていると思う。そして僕たちの活躍でサッカー人気が
急上昇しているのも間違いない。だから設立そのものは簡単だと思うんだ」

松山「設立は、って事は…運営が難しいのか?」

岬「うん、そうだよ。サッカークラブ運営ってお金がかかるからね。スポンサーは必須だし、
チケットやグッズの売上も重要だ。欧州のクラブはこれらが上手く行かずに経営難に陥る事も珍しくないよ」

中山「そうなのか…あ、そういえば貧乏クラブで苦労した選手の自伝とかあったな」

三杉「南米では欧州以上にそれらの特徴が顕著らしいね。日本人の場合元から生活レベルが高いから
設備をおろそかにする訳にはいかない。初期投資に見合う健全な経営が求められていくだろう」

岬「だからちゃんとお金が儲かる体制が必要だろうね。それには大勢のサポーターがお金を出してくれるのが
一番なんだけど、それだと年に数回の代表戦で活躍しているだけじゃ駄目だと思う。
設立段階である程度以上のレベルのサッカーを見せ、そこから代表戦で活躍する選手がどんどん出てくる様に
ならないとお客さんに飽きられちゃうんだけど…元がJSLだから、いきなりレベルを上げるのは難しいかな…」

松山「ああ、JSLはなあ…高校サッカーや大学サッカーと大してレベルが変わらないんじゃ…」

中山「確か、お前と岬はアジア予選前にJSLのチームで練習していたんだっけ」

632 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/30(水) 00:01:17 ID:DWEY3JPI
三杉「確かに既存の選手達だけでは、サッカーだけに専念出来る環境を整えても劇的な成長は難しいだろうね。
僕は外国人選手を多く入れるべきだと思う。世界の基準を肌で知り、それらを上手く取り入れたクラブが
リーグ内で優位に立てると言う状況を作れば選手達もクラブも急速なレベルアップを強いられるだろう」

松山「なるほど、そんな手段もあるのか…ああでも、追いつけないクラブも出てくるよな?
そういうのはどうするんだ?二部リーグを作って、昇格と降格を争わせるのか?」

中山「そういえば有名なリーグは必ずいくつかのレベルに分けられているな…これもきっと重要なんだろうな」

三杉「そう、それがいいだろう。敗者の受け皿と屈辱を用意しつつ、新規の競争相手でリーグのマンネリ化を防ぐのに効果的だ」

中山「…気がついたら随分具体的な話になってきたな。俺達が決める側じゃないのに」

松山「あっ…でも俺達だってもう当事者だろ。俺達の活躍に日本サッカーの未来がかかっているんだから」

岬「日本サッカーか…フランスに住んでいた頃は、馬鹿にされるばっかりだったなあ」

三杉「もう時代は変わったのさ。僕たちは世界サッカーの秩序に革命を起こした。次は革命後にどうすべきか、だ」

中山「全国大会に出る為に必死になっていたのが遠い昔みたいだ…不思議な物だな
(そう…俺はとうとうここまで来た。森崎の背中が遠ざかるのを見るだけじゃなくなった…長かった…)」

松山「(よーし、故郷に特大の錦を飾るぞ!それで…きっと藤沢と…)」

彼らは歴史の当事者達である。
彼らの世界への挑戦は、自国を大きく変貌させようとしている。

633 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/04/30(水) 00:03:33 ID:DWEY3JPI
上記3レスのコピペをお願いします。

634 :森崎名無しさん:2014/04/30(水) 00:05:18 ID:???
行ってきます

635 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/01(木) 00:24:44 ID:EFIEpwVQ
それぞれの事情でチーム内から孤立している者達も居る。
日向と若島津は仲が良い者がおらず、彼ら自身も親交など求めていなかった為この時も二人きりだった。

日向「若島津、お前はこの大会の後はどうするつもりだ?」

若島津「はい、いくつかそれなりのクラブから接触されていますがあまり有望な候補はありません。
ある程度の妥協は必要となりますが、選手を育てて売るタイプのクラブに行こうと思っています」

日向「そうか…言うまでもないが、俺は最初からビッグクラブを狙うぞ。既に列が出来ているからな」

若島津「そうですか…そうでしょうね」

日向「若島津、今更俺から慰めだの激励だのつまらん物は期待していないだろう。
俺はお前を利用する。お前は俺を利用する。それが俺達の関係だったし、これからもそうだ。
周囲は仲良くしているんだと捉えるだろうが、価値観と人生観が似通っているだけの話だ」

若島津「はい。貴方も俺も自ら望んで戦いに明け暮れる修羅です。今俺達の力の差、
立場の差は歴然としていますが…いずれは貴方の首を貰い受けに行きますよ」

日向「それでいい。それが勝負の世界の鉄則だ。どんな屈辱にまみれようとも、
どんな強敵が表れようとも、最後に生き残った奴が勝ち…これだからサッカーは止められんぜ」

若島津「他者を屈服させる喜び…チームスポーツなのにそれがある。堪りませんね」

スポーツマンシップと言う言葉を鼻で笑いたがるこの二人は上機嫌だった。
望んで修羅道を歩む彼らの先にも栄光が見いだせない訳ではない。
勝負の世界に身を置く者達は誰しも多かれ少なかれこの様な覚悟を強いられるのだから。

636 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/01(木) 00:26:15 ID:EFIEpwVQ
翼と若林もこの夜二人きりだった。彼らは日向達とは異なりチームメイトとの親交が無かった訳ではなく、
むしろ現キャプテンの森崎よりも人望自体は多く集めていると言えるかも知れない。
しかし早くから海外に出てプロになっていた為か、その影響でアジア予選には参加しなかった為か、
なんとなく特別扱いされる事が多いこの二人は今夜は特に誘うまでもなく二人きりになっていた。

翼「…とうとうここまで来たね。ワールドカップの前哨戦のワールドユースの決勝…
そして相手はドイツを倒したブラジルだ。随分とよく出来たシチュエーションだよ」

若林「俺もお前も子供の頃からこういう日を夢見ていた。そして今、それが現実になろうとしているんだ。
思い返せばお前が南葛小に引っ越してきてからの付き合いか。俺達は夢を…叶えたんだよな」

翼「うん。俺も君も有名なリーグのプロ選手になって、日本代表として戦っている…筈なんだけど」

若林「分かる…分かるぞ。夢を叶えた筈なのに、こんな筈じゃなかった…そう思っているんだろう?」

翼「そう、俺は夢を叶えつつある。子供の頃誰に言っても理解されなかったり笑われたりした夢が
段々現実になりつつあるんだ。武者震いはする。喜びもある。だけど…何か、ね」

若林「お前はまだいいさ。俺はサブGKだ。世界一になる瞬間をベンチから見ているってのは笑いそうだぜ」

翼「何なんだろうね、本当に。俺は森崎さえ倒せば全てが解決すると思っていたけど、
実際に森崎に勝っても何も変わらなかったよ。これが大人になるって言う事なのかな?」

若林「これが人生だ。不満なら自力で何とかしろ…そう言える様になるのが大人になるって事だと思うぜ」

翼「ハハハ…明日も勝とうね、若林くん」

若林「精々頑張って点を取れよ。そうしなきゃ森崎がまた何か馬鹿をやらかすぞ」

二人の表情は19歳とは思えない程大人びていたが、それを目撃したのもこの二人だけだった。

637 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/01(木) 00:28:51 ID:EFIEpwVQ
上記2レスのコピペをお願いします。

638 :森崎名無しさん:2014/05/01(木) 00:43:57 ID:???
行ってきます

639 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/01(木) 22:27:23 ID:EFIEpwVQ
チームメイト達が思い思いの夜を過ごしている時、森崎はどうしていたのか。

森崎「ん〜、やっぱり世界一になる前夜ってのは独特の雰囲気があるな。
この俺でもほんの僅かばかり緊張せざるを得ないとは…なんちゃって」

森崎は独り言をつぶやきながらホテルの中を探索して暇つぶししていた。
彼がおどけた態度を取っているのはそれだけ余裕なのか、それともそういう心づもりを
作ろうとしているのかは彼自身にも良く分からない所だった。

森崎「…暇だな。まだ眠くないし、かと言って今チームメイトと話すのもダルいし…ん?」

陽子「………ふぅー」

そんなタイミングで彼がホテル備え付のバーの傍を通りがかり、
カクテルを飲みながらくつろいでいる陽子を発見したのは何かの運命だろうか?
陽子の表情からは軽くない疲労が伺え、森崎が通りがかったのにも気付いていない様だった。

森崎「(陽子さん…)」

A 決勝戦前なんだ。声をかけよう。
B 決勝戦前なんだ。黙って去ろう。

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/5/1 11:30:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

640 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/01(木) 22:29:43 ID:EFIEpwVQ
上記1レスのコピペをお願いします。


それと、投票開始は23:30からでした。申し訳ありませんが訂正の上でコピペをお願いします。

641 :森崎名無しさん:2014/05/01(木) 22:35:50 ID:???
行ってきます

642 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/02(金) 22:32:35 ID:gvF7ETNA
>A 決勝戦前なんだ。声をかけよう。

森崎「陽子さん」

陽子「っ!」

森崎が声をかけた途端陽子はビクッと肩をひくつかせ、それからゆっくりと振り向いた。
その顔には緊張感が隠せない程表れており、まるで隠し場所をみつけられた子供の様だった。

陽子「も、森崎くん…しまったなあ、こんな所で飲むんじゃなかった…」

森崎「なんだよ、俺と会いたくなかったのか?」

陽子「うん…だって、決勝戦前じゃない。こんな日に会うのはちょっと…」

A 「決勝戦前だからこそ、だろ。モヤモヤしたままじゃ嫌だぜ」
B 「俺はそんなの気にしないぜ。こんなプレッシャー、何時もの事だ」
C 「森崎くんに配慮しないと、って思いながら話すのが嫌なのか?」
D 「分かっているが、陽子さんを見たら話しかけられずには居られなかった」
E 「そうか。じゃあ今夜は止めておくよ。邪魔したな」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/5/2 23:30:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  15  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

643 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/02(金) 22:34:26 ID:gvF7ETNA
上記1レスのコピペをお願いします。

644 :森崎名無しさん:2014/05/02(金) 22:52:00 ID:???
行ってきます

645 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/05(月) 21:02:45 ID:IBd1v2mM
>B 「俺はそんなの気にしないぜ。こんなプレッシャー、何時もの事だ」

森崎「俺はそんなの気にしないぜ。こんなプレッシャー、何時もの事だ」

森崎は何時もの彼らしく大胆不敵な笑みを浮かべながら陽子の隣に座った。
だがその返答は陽子の眉をひくつかせる物だった。

陽子「森崎くんが気にしなくても、私が気にするのっ」

森崎「えっ?」

陽子「私は森崎くん程プレッシャーに強い訳じゃないんだから!」

森崎「(なんだなんだ、藪蛇だったのか?)」

A 「落ち着いてくれよ。こんな所で騒ぎを起こしちゃマズいだろ」
B 「悪い、デリカシーがなかった。チームメイトに接するみたいにやっちまった」
C 「酔ってるのか、陽子さん?何時もはここまで感情的じゃないぜ」
D 「だったらそのプレッシャーを俺に肩代わりさせてくれよ」
E 「だったら慣れてくれ。これからこの先、定期的にこういうプレッシャーを味わうぜ」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/5/5 22:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  10  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

646 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/05(月) 21:16:05 ID:IBd1v2mM
上記1レスのコピペをお願いします。

647 :森崎名無しさん:2014/05/05(月) 21:16:45 ID:???
行ってきます

648 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/06(火) 21:14:32 ID:T3dZy1Hg
>D 「だったらそのプレッシャーを俺に肩代わりさせてくれよ」

森崎「だったらそのプレッシャーを俺に肩代わりさせてくれよ」

陽子「…それって、どうやって?言う程簡単な事じゃないと思うんだけど」

森崎はあくまで強気で押し、自分の精神力を誇示した。
それが陽子にとって望ましい事なのかは彼女のふくれっ面からは何とも判断し辛かった。
照れている様にも見えるし、不機嫌の様にも見えるのだ。

森崎「どうやってって、そりゃあ…」

A 「俺はどんな奴が相手でも負けない。勝ち続けるのが当たり前になってみせる」
B 「俺を傷つけちゃいけないとか思わないでくれ。俺は陽子さんの本音が見たい」
C 「俺はどんなに苦境に追い込まれても諦めない。だから陽子さんも諦めないでくれ」
D 「俺を陽子さんと一緒に戦わせてくれ。フィールドの内外は関係ないぜ」
E 「俺は負けたらどうしようなんて考えない。勝ったらどれ程嬉しいか考える」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/5/6 22:30:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  10  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

649 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/06(火) 21:17:16 ID:T3dZy1Hg
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650 :森崎名無しさん:2014/05/06(火) 22:21:55 ID:???
行ってきます

651 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/07(水) 00:41:57 ID:9B+6AMzU
>B 「俺を傷つけちゃいけないとか思わないでくれ。俺は陽子さんの本音が見たい」

森崎「俺を傷つけちゃいけないとか思わないでくれ。俺は陽子さんの本音が見たい」

陽子「っ…!」

森崎がこう発言すると、陽子は目で見える程ビクッと震えて森崎をにらみつけた。
その目は浮き上がる涙で潤んでいて今にも水滴を零しそうだった。

陽子「…無理よっ、そんなのっ」

そのまま陽子は涙を拭い、グラスに残っていた酒を一気に飲み干してから
手の仕草だけでバーテンに次の酒を要求した。
顔の火照りが一気に激しくなったのは酒のせいだけではないだろう。

陽子「世界大会の決勝戦前なのよ!?そんなタイミングで対等に物が言える訳ないじゃない!
私が言った事が原因で森崎くんのメンタルコンディションが崩れたらどう責任取ればいいのよ!
ああっもう結局こんなに叫んでる!これでもう明日日本が負けたら私ずっと後悔し続けちゃうのよ?
どんな対応したってそれが原因で、なんて思わずには居られないんだから!」

森崎「………」

A 「有難う、本音を言ってくれて。それが聞きたかった」
B 「俺と一緒になってくれるんだったら、その悩みはずっと付き纏うんだぜ」
C 「もういいんだ陽子さん…いや、陽子。もう俺に憧れる必要はない」
D 「こんな風に距離を取られる方がよっぽど傷つくって分かってくれよ」
E 「飲み過ぎだぜ。マスター、さっきのオーダーはキャンセルで水をくれ」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
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652 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/07(水) 00:44:13 ID:9B+6AMzU
上記1レスのコピペをお願いします。

653 :森崎名無しさん:2014/05/07(水) 05:54:58 ID:???
いってきます

654 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/13(火) 09:46:31 ID:b7d0zvQo
>C 「もういいんだ陽子さん…いや、陽子。もう俺に憧れる必要はない」

森崎「もういいんだ陽子さん…いや、陽子。もう俺に憧れる必要はない」

陽子「………な、なによそれ。このタイミングで呼び捨てって、卑怯よ」

それでも尚森崎は一歩踏み出し、初めて陽子に敬称をつけず呼びかけた。
それを聞いた陽子はビクッと肩を震わせ、しばし黙ってから森崎を非難した。
しかし非難の言葉とは裏腹に彼女の顔は泣き笑いに変わっていた。

森崎「この前言っていたよな。自力で運命を切り開く俺に憧れて、
箱入りのお嬢様を止めたくなって、日本サッカー協会に駆け込んだって」

陽子「…うん…」

森崎「もうその夢は叶いつつあるじゃないか。俺…と翼をブラジルでサポートしてくれたのは
決して無駄じゃなかった筈だぜ?勿論その他諸々の働きもだ。
面倒な事をぜーんぶやってくれたから、俺達はサッカーに集中出来るんだ」

陽子「でも、それは私じゃなくても誰でも出来た事で…」

森崎「何言ってんだ。陽子は13歳で大学卒業してたんだろ?中学の勉強でヒーコラ言ってた
俺には想像もつかない世界だぜ。そのままいわゆるエリートコースの人生が待っていたんだろ?
でもその人生を投げ出して、未知の世界に飛び込み、こうして成功しているんだ。
こんなの、誰でも出来る事じゃない筈だぜ…俺には分かる。俺は世界を変えている真っ最中なんだからな」

陽子「………そこまで、私の事見て、考えてくれてるんだね」

森崎「そうだぜ。陽子は俺を見上げる側だと思っていたんだろ?でもこうして俺も陽子を見ている。
俺は興味の無い奴はあっさり切り捨てる。欲しいと思ったら素直に欲しがる。知ってるだろう?」

655 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/13(火) 09:49:51 ID:b7d0zvQo
陽子「ふぅ〜………あ、すみません。ミネラルウォーター、レモン付でください」

森崎「(お、酔いを醒ます気になったのか?)」

森崎の熱弁に陽子は段々ホッとした表情になっていき、先程注文した酒に手をつけず
水を注文したっぷりとレモン汁を絞り入れてからそれをゆっくりと飲み干した。
ここは間を置いて彼女の返答を待つべきだと判断した森崎も口を閉ざし彼女の顔の赤みが
薄らいで行くのを見守る。ややあって期待通りに陽子は口を開いた。

陽子「…私と本気で交際する様になったら大変だよ?」

森崎「片桐財閥の事か?」

陽子「うん。お父さん、サッカー大嫌いで仕事一筋の人だから…今の所は何もしてきてないけど、
その内色々嫌がらせしてくるかも知れない。森崎くんを呼び出したりするかも知れない。
あるいはマスコミにスキャンダルを書かせたりするかも…でも…」

陽子は今一度確認する様に自分の家庭事情とそれに森崎を巻き込んでしまう事を説明した。
それに対する森崎の返答は。

森崎「………」

ニヤリ。

陽子がため息をつきたくなる程の悪人めいた笑みだった。

陽子「はぁ〜…そうよね。あなたがそんな事、怖がる訳ないものね。
全く、なんでこんな唯我独尊どころか傲岸不遜な…」

だがその笑みは陽子の次の言葉と行動で消え去った。

656 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/13(火) 09:54:03 ID:b7d0zvQo



陽子「…こんな人、好きになっちゃったんだろ…」

森崎「えっ!?んむっ!」



陽子は突然好意を打ち明け、森崎がその驚きから回復する前に顔を寄せて唇を重ねてきた。
それはほんの一瞬の事で、すぐに彼女は離れたが、その瞳は潤みながらもまっすぐ森崎を見据えていた。



陽子「有難う…ゆ、有三。私、もう貴方には憧れない。何時までもそれだけじゃ嫌だから…頑張る。
後ろから憧れるんじゃなくて、ちゃんと胸を張って、大好きな貴方の隣に居られる様に…ね」

森崎「よ、陽子…」

陽子「…も、もう寝るわね。明日に備えてちゃんと寝なさいよ!これで睡眠不足だったりしたら承知しないんだから!」

スタタタ…

勇気を全部出しつくしたのか、陽子は酔いを物ともしない駆け足でバーから立ち去っていった。
後に残された森崎はポツンとしてから、自分の唇に指で触れてみた。



森崎「ファーストキスはレモンとカシャッサの味、か…」




657 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/13(火) 09:55:32 ID:b7d0zvQo
バーテン「祝福を申し上げます。ですが、あの女性はお勘定を忘れてしまいまして…」

森崎「ん?あー、いーよ、俺が払っておくよ。俺が割り込んだ形だったしな」

バーテン「有難うございます。さて、カップルの誕生にはバーテンとして祝福致しますが、
ブラジル人としては明日の試合のご武運は祈れません。それはご了承ください」

森崎「要らねえよ。どうせ俺は明後日からはブラジル中から恨まれている立場になるんだ。
あの夜下剤でも仕込んでおけばよかった!って思う事になるぜ」

バーテン「ハッハッハ、聞きしに勝る大胆不敵ぶりですね。ですがそういった男性に人間的魅力があるのも事実。
野心に燃え、それを叶えられるかも知れない力を持つ男性に憧れる女性も少なくない。
そんな特別な存在に特別扱いされるのもまた愛情ですからな。ツメを誤りさえしなければ
彼女のハートはいずれ貴方の物となります…とお節介を焼いておきましょうか」

森崎「…バーテンって人種はそういうアドバイスをしたがるもんなのか?」

バーテン「然様です。人間観察が好きでなければこういう仕事は辛いですからね」

森崎「全く…もう帰る。勘定頼むぜ」

バーテン「はい、ただいま」



*陽子→森崎の関係が「????」から「大好き」になりました。

658 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/13(火) 10:03:15 ID:b7d0zvQo
森崎「(そうか…陽子には俺の足手纏いになるんじゃないかって後ろめたさがあったんだな。
だったら安心させなくちゃな。俺は女を欲しがっただけでダメになる様な奴じゃない。
女だろうと世界一だろうと、欲しい物全てを全力で手に入れてみせる男だって言う所を見せる。

そうだ、俺は森崎有三だ。欲しい物は何でも手に入れる。今欲しいのは世界一だ!
世の中には二種類の人種が居る。ナンバー1と、ナンバー2以下だ。
俺はナンバー2以下になるのは嫌だからここまで来た。そして今度もナンバー1になる!
ここも通過点に過ぎない。ワールドカップにヨーロピアンカップ。
バロンドールに…今年から設立されるFIFA最優秀選手賞ってのもあったな。それも頂きだ。

俺は森崎雄三だ!相手がブラジルだろうと何だろうと、必ず勝って、全てを手に入れる!)」



バーテン「こちらがお勘定になります」

森崎「おう…ん!?な、なんだこの値段!?ってそういやブラジルはインフレが激しいんだった…」

カサカサカサ…
チャリンチャリンチャリン…

バーテン「…大変失礼ながら、これでは足りません」

森崎「…チ、チームメイトから借りてくる…(ブラジルの金を持っていそうな奴…ゲッ、あいつしかいねえ!)」



翼「ふーん、いきなり来て何を言うのかと思えば…いいよ、ちゃんとインフレを考慮して返してね」ニヤニヤ

若林「プッククク…」ニヤニヤ

森崎「ぐ、ぐぐぐ…さ、サンキュー…(くっそぉおおおお!決勝戦前夜にこんなムカつく思いを〜〜〜っ!!)」

659 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/13(火) 10:05:30 ID:b7d0zvQo
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660 :森崎名無しさん:2014/05/13(火) 10:23:17 ID:???
行ってきます

661 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/14(水) 00:08:37 ID:DMJOwuf+
〜大会25回目〜

何らかの玉を蹴る遊びは紀元前から世界の様々な場所で存在していたと言われるが、
現在サッカーと呼ばれる競技が正式に生まれたのは19世紀中期のイギリスとされている。

この競技はブラジルと日本には1870年代と言うほぼ同じタイミングで伝わったとされるが、
その後の発展の仕方は全く異なる物であった。



最初にブラジルにサッカーを広めようとしたのはイングランド留学帰りの一人のスコットランド人だったと言う。
まず上流階級にサッカーが広まり、1930年代から国技と呼ばれる程人気が高まっていき、
当時から世界屈指の強豪国と見なされていたもののワールドカップで初優勝を達成したのは
1958年のスウェーデン大会だった。その後1962年のチリ大会、1970年のメキシコ大会でも
優勝し通算三回の優勝で1991年の時点では旧西ドイツと並び最多優勝回数を誇る。

しかし1982〜1990年のワールドカップでは3回とも優勝はおろかベスト4にすら入れず、
“歴史と実績があり間違いなく強豪国だが、最近は低迷しつつある”といまいちな評価が
定着しかけているのが今のブラジルである。この現状をブラジルが良しとする訳もなく、
今回自国開催となったワールドユースで華々しく優勝し1994年ワールドカップでの復活に
繋げたいのは言うまでもない。ましてや突如現れた新興国にそれを阻まれるなどあってはならないのである。

662 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/14(水) 00:10:31 ID:DMJOwuf+
一方日本においては最初はイギリス人が日本にサッカーを持ち込み、体育の一環として全国に広がった。
しかしあくまで学生の教育の一環とされた日本サッカーは1917年に行った初の国際試合で
当時の中国とフィリピンに大敗する程脆弱だった。その後も基本的にサッカー弱小国とされたまま
第二次世界大戦の影響でサッカー文化が中断されてしまい、1968年のメキシコオリンピックで
銅メダルを獲得した事以外はまるで良い所がなく、1991年の時点で未だワールドカップには未出場である。

この取るに足らないアジアの弱小国と言う評価は今、驚天動地の勢いで全く別物に塗り変えられつつある。
1986年フランスで行われた第一回国際Jrユース大会でお客さんとして招待された筈の
日本がまさかの優勝を遂げたのだ。この時のチームのメンバーが主となって今回のワールドユースでも
アジア予選初突破、本大会初出場に飽き足らず決勝戦まで勝ち進んだ事によって
日本のサッカー文化も世界のサッカー勢力図も劇的に作り変えられつつある。



かたや復活を目指す誰もが認める伝統的な強豪国。

かたや世界で類を見ない程急速に成長した新興国。

これから数年のワールドサッカーの行方を左右するであろう決戦の日がついに来た。

663 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/14(水) 00:13:30 ID:DMJOwuf+
日本人記者達「ぐわーっ、なんて人ごみだ!?」「ホントにこの道でいいのかよ?」「人の流れに沿ってりゃ辿り着くだろ!」

日本サッカー協会関係者「ここも渋滞か…」「おいおい、三時間は余裕を見た筈なのに…」「これで間に合うのか?」

南葛関係者達「に、肉まんの波に押しつぶされるぅ〜…」「痛い痛い痛い!押されて体が痛い!」
「もう駄目、暑くて暑すぎて倒れる…」「やだ、折角持ってきた応援グッズが汗だらけ!」

この日のリオデジャネイオロは当事者の2国は勿論、世界各国から報道陣とサッカー関係者が押し寄せていた。
地球の反対側まで応援にかけつけた日本人達は筆舌に尽くし難い苦労をしながらマラカナンスタジアムに進んだと言う。

骨皮「よ、陽子しゃん、ただいま到着しました〜…」

陽子「ご、ご苦労様…大丈夫?もうすぐ選手達のバスが来るけど…」

骨皮「えっ、もうですか!?皆、急いで旗とか横断幕とか用意して!」

南葛関係者『お、おう!!』

賀茂「日本から来てくれたのは良いが、ちと危ない目に会わせちまったな」

片桐「サポーターが快適に応援できる環境作りも今後の重要な課題となりますね」

長野「旗よーし!」

岩見「幕よーし!」

小田「メガホンよーし!」

早苗「…うん、これで準備OKね」

664 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/14(水) 00:16:05 ID:DMJOwuf+
上記3レスのコピペをお願いします。

665 :森崎名無しさん:2014/05/14(水) 00:18:32 ID:???
行ってきます

666 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/15(木) 21:05:29 ID:Tp/GLA8M
ブロロロロロ…
プシュゥウウン。

森崎「よーし、着いた着いた…うおっ!?」

翼「!!!?!」

ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

一番先にバスのドアから降りた森崎を皮切りに、全日本ユースの選手達全員が応援団の盛大な歓迎を受けた。

長野「来た!森崎だ!うぉーい、久しぶりー!」
岩見「サプライズ計画は成功だな」
小田「うわー、凄いオーラを放ってるなー…」
大川「全日本ユース決勝進出おめでとう!」
小暮「森崎先輩!お久しぶりです!」
山田「もう一度世界一の日本を見せて下さい!」
剛田「アンタならやれる!やっちまえ!」
森崎父「す、すごい立場になっちゃったな有三…」
森崎母「我が息子とは思えない出世ぶりだわ…」

特に数が多く目立つのは南葛の関係者達で、彼らの多くが森崎に群がりながら
“世界を手にする日本の風雲児! 森崎有三”と書かれた横断幕をデカデカと見せつけてきた。

森崎「なんだこりゃ…あ、骨皮!お前の仕業か!」

骨皮「そうですよ!決勝戦になったら皆で駆けつけようって企画していたんです!」

667 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/15(木) 21:07:33 ID:Tp/GLA8M
A 「粋な事するじゃないか。皆、わざわざブラジルまで来てくれて有難うな」
B 「チェッ、照れるだろうが。こんな事されなくても俺は勝つぜ」
C 「皆、帰りは気をつけろよ。日本人はしばらく恨まれる事になるからな!」
D 「よう皆。南葛は今どうなってる?まだ日本一の座を保っているか?」
E 「親父…お袋…そんなにキョロキョロしないでくれよ、恥ずかしい…」

      http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1369149231/l50にて
            ☆2014/5/15 22:00:00☆ から投票期間を設けます。
    そこから  10  票カウントし、一番多く票が入った選択肢で続行します。引き分けの場合は
   その次の票をタイブレーカーに使います。尚、投票はageた書き込みのみを採用しています。

668 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/15(木) 21:14:17 ID:Tp/GLA8M
上記2レスのコピペをお願いします。

669 :森崎名無しさん:2014/05/15(木) 21:14:47 ID:???
行ってきます

670 :2 ◆vD5srW.8hU :2014/05/16(金) 23:36:25 ID:9d5PSlbg
>C 「皆、帰りは気をつけろよ。日本人はしばらく恨まれる事になるからな!」

グッ。

予期していなかった応援団の登場に、森崎がサムズアップと共に返した答えは実に彼らしいものだった。

森崎「皆、帰りは気をつけろよ。日本人はしばらく恨まれる事になるからな!」

彼は日本が優勝しブラジル人の恨みを買う事になる、と豪語したのだった。

長野「お〜っ、優勝するから恨みをぶつけられない様にしろって意味か!」

岩見「確かに気性の激しいファンが暴動を起こす可能性もあるな」

小田「ハハハ、森崎らしいや…負けたらどうしようなんて考えないんだな…」

南葛市民「うぉー!」「カッコいいぞ森崎ー!」「きゃー!素敵ー!」

その強気の態度は好意的に受け止められた。
以前森崎とチームメイトだった者達はこの精神力の強さを良く知っており、
それに伴う横暴さももう直接被害を受ける事はない立場になると良い思い出に美化されたのだ。
勿論その横暴さを味わう機会が無いただのファンは単純に頼もしいとしか感じない。

ただ、この気の強さは決して遺伝による物ではないのだろう。

森崎父「お、おいおい、いいのかそんな事言ってしまって…」

森崎母「母さん、暴徒に乱暴されるなんていやよ!?」

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