キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【Other】鈴仙奮闘記23【World】
1 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/14(金) 00:07:15 ID:???
このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品で、
東方Project(東方サッカー)とのクロスオーバー作品です。
内容は、東方永夜抄の5ボス、鈴仙・優曇華院・イナバがサッカーで師匠を超えるために努力する物語です。
また、ストーリーやカードの展開次第で、いくつかのキャプテン森崎のキャラクターも、
それぞれの思惑を持ちながら、幻想郷の住人との交流を通じてサッカーを極めていくことになるでしょう。
他の森崎板でのスレと被っている要素や、それぞれの原作無視・原作崩壊を起こしている表現。
その他にも誤字脱字や稚拙な状況描写等が多数あるかと思いますが、お目こぼし頂ければ幸いです。
☆前スレ☆
【光を】鈴仙奮闘記22【掴み取れ!】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1412866801/
☆攻略ページ(キャプテン森崎まとめ@Wiki内)☆
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/104.html
(※このスレの目標や今後の予定、ゲーム進行の流れなどが分かります。
過去ログもありますので、初めて来て下さった方は、一読すればより楽しめると思います!)
☆あらすじ☆
ある日突然幻想郷にやって来た外来人、アラン・パスカルと中山政男との出会いにより、
師匠、八意永琳に並ぶ選手になると決心した鈴仙・優曇華院・イナバ。
「鈴仙、貴女は――『プロジェクト・カウンターハクレイ』が新たに創るチームの、キャプテン候補として選ばれました」
全幻想郷選抜大会初戦を勝利で迎えた鈴仙に、永琳はある日の夜こう告げる。
それはこれまでの鈴仙が描いていた将来――全幻想郷代表として、永琳と肩を並べること――とは全く別の道。
そんな中始まった全幻想郷代表選抜大会第2回戦は、地底の強豪・地霊殿サブタレイニアンローゼスが相手。
試合も残り20分を切ったクライマックスの中、ルナティックスは3−2でリードしているものの、
地霊殿チームはキャプテン・古明地さとりを中心に一致団結。 勝利という光を掴みにかかる!
しかし、矢車の殻を被った地獄の少年――松山光の心は未だ癒されぬまま。
幻想郷と現実世界。 二つの異なる世界を舞台に、少年達の、そして少女達の想いはサッカーを通じて繋がり合う!
……とか言いつつ、ブリッツボールとかやってるかもしれません(汗)
449 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/26(水) 00:33:56 ID:???
鈴仙「ちょっと失礼、動きすぎで汗が垂れて来ちゃって……」
さとり「(――心を読めるとわかっていても、心に無い社交辞令を欠かさないのは染みついた習性かしら。
外界では社交辞令が大事とは言うけれども。 幻想郷では珍しい習性を持っているわね、この子……)」
鈴仙は堪らず、冷や汗を拭き取ろうとスカートのポケットに手を突っ込ませる。
さとりが呆れたような表情で鈴仙を見つめていたが、敢えて気にしない事にした。
スカートの生地では無い、何か布の感触があったので鈴仙はそれを取り上げる。
鈴仙「(あれっ、今日持ってきたのって白いハンカチだったっけ。
それにこのハンカチ、何だか妙に細長いような気がするけど……)」
さとり「……それ、ハンカチじゃなくてハチマキじゃない。
――折角のハチマキを身に着けず、汗拭きに使うのは、何だか関心しませんね」
鈴仙「わ、わざとじゃないわよーぅ!」
――ハンカチじゃなくて、何時か輝夜に献上する為に用意しておいた「愛のハチマキ」だった。
考えてみれば、このハチマキと鈴仙との付き合いもそれなりな気がする。
鈴仙「(最初は、無縁塚に何故か落ちていた「呪いのハチマキ」だったのよね。
それを、巫女やら厄神やらに助けて貰って、呪いを浄化して「愛のハチマキ」になったんだっけ。
……最初に発していた呪いからして、このハチマキの正体も案外謎よねぇ……)」
鈴仙は心に無い苦笑いを浮かべ、あははと乾いた声を漏らしながらハチマキを焦ってしまおうとすると。
450 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/26(水) 00:35:03 ID:???
さとり「……ハチマキですか。 そういえば、あの松山君――最初は矢車君でしたか。
彼も最初、無縁塚で倒れていた時も、その右手に布の切れ端を堅く握りしめていたのだけれど。
――それはひょっとして、ハチマキだったのかしら……なんてね」
鈴仙「……さとり、さん?」
さとり「ああ、いえ。 こっちの話ですよ」
――意外にも、さとりがハチマキに対して食いついて来た。
どんな話題にも興味が無さそうに見えるさとりが、ハチマキを引き合いに松山/矢車の話を出すのは、鈴仙にとって少し新鮮だった。
そして、先程のさとりの話にどこかひっかかりを覚えていたのも事実だった。
鈴仙「(私がこのハチマキを拾ったのは無縁塚。 さとりさん達が、松山君達を見つけたのも無縁塚。
そして、松山君の手には、ハチマキのような布の切れ端が握られていた……?
まさか、何か関係があるのかしら? 私のハチマキと、松山君達とには――?)」
外界の色んな不要物が流れ込んで来る無縁塚において、布きれが混じりこむ事は日常茶飯事。
鈴仙がハチマキを拾ったという事実と、松山/矢車の手にハチマキのような布片が握られていたという事実は
恐らく何の関係も無い、偶然の産物である可能性が高い。
しかし、あのハチマキが最初鈴仙に見せたどす黒い風景と、松山がこの試合見せたどす黒い感情とには、何か共通点があるような気がする。
――と。 そこまで鈴仙が考えを巡らせていた時だった。
松山「……も、もう……もう! 限界だよあにきぃ……!!」
ガクッ……バタッ!
451 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/26(水) 00:37:01 ID:???
さとり「――松山君っ!? どうしたんですか!?」
放送「あっ、とぉお〜〜っ? 松山選手、再びフィールドに倒れ込んでいます!
試合中を見る限り、彼の体力にはまだ余裕があったような気がしたのですが……一体どうしたのでしょうか!?
身体をくの字に曲げて、呼吸を荒げて苦しんでいます! 救護班も今松山選手に向かった〜〜!?」
鈴仙「えっ……!? まさか、急激な運動による心臓発作とか……!?」
永琳「――いや。 それならとっくに試合中にポックリ逝っているわよ、あの運動量とパフォーマンスじゃあ。
……となると、肉体では無く。 どちらかと言えば心療内科の分野では無いかと思うのだけれど。
――私、メンタルヘルスはちょっと苦手なのよね」
鈴仙「(すみませんけどそんなイメージがあります、師匠……!)――じゃ、じゃあどうすれば……!?」
永琳「……時間に身を任せる、かしらね。
精神に効く薬は私も知っているけれど、最高にして副作用の無い薬と言えば、時間だから」
お燐「お、おいおい……! 仮病とかだったら、ブン殴っちゃうんだからね……!?」
空「か、影山さん大丈夫!? まさかさとり様の虫妖怪除けネックレスの副作用で、虫妖怪になっちゃうんじゃ……」
さとり「私はそんな物騒な物を与えてませんし、勝手に黒幕っぽいキャラにするのもやめてお空。
ついでに彼の名前は影山じゃなくて松山よ。 ……影山だと、なんだか縁起が悪いじゃない」
松山?「……ぐっ。 ……ぅうううううっ。 ―――……はぁ」
救護班がまだ辿り着いていないにも関わらず、松山の様態は少しずつ快方に向かっていた。
……向かっていたが、彼の身体は再び大きな変化が生じつつあった。
鈴仙「(松山君が……再び、矢車の姿に……!?)」
452 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/26(水) 00:38:09 ID:???
彼の体は一回り大きくなり老けて、短い白髪は少し伸び、何故か着ている服まで丈長の黒コートに変わり行く。
その姿はもはや松山では無く、彼が試合前に採っていた姿――即ち、矢車想のそれだった。
永琳「(極度の解離性同一性障害者は、人格の交代を機にその姿までも変貌すると月の科学書には書いてあったけれど、
私も地上に降りてからだと、実際に見たのは初めてね……。
ただ、彼の場合は人格の交代というよりは、彼にとっての理想的ヒーローという殻の、『装着《プットオン》』と言った方が正確かしら)」
矢車「……はぁ。 満足したか、相棒」
松山(矢車の脳内)「(あにきぃ。 俺はこの試合でやっとわかったよ。 俺には兄貴しかいないって……!
時々イタイ電波女が兄貴の真似して擦り寄って来たけど! やっぱり、俺には兄貴しか……!)」
矢車「……そうか、そうか。 ……最悪だったなァ」
松山(矢車の脳内)「(うんっ、最悪だった! 地獄に相応しいドン底の真っ暗闇だったよ!)」
矢車は一人でボソボソと何かを呟いていた。
まるで、引っ込んでしまった松山と会話を楽しんでいるようだった。
さとり「……松山、君。 いえ、……今は矢車君ですか。 貴方は――」
救護班「――すみません、救護班です! 遅くなってすみませんっ!!」
矢車「……はぁ」
放送「あっと、ここで専属の河童達による救護班が到着したようです!
救護班のリーダー、キャプテンのさとり選手に事業を聞いています。
さとり選手は複雑そうな表情ですが、松山選手――いや、今は矢車選手と化した彼の容体を説明してるようですね」
453 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/26(水) 00:39:18 ID:???
さとり「……私ならば、彼の心を開かせる事が出来る――そう思ったのですが、今の私ではまだ駄目だったようです。
ええ、外傷ではありません。 ですが、ええ、可能ならば河童の診療所で検査をして下されば――」
救護班「そうですねー。 念の為に痛い栄養注射位は撃っておく位は……(ゲシィイイッ!)――って、ひゅいぃっ!?」
ゴロゴロゴロゴロ! ……ドガッ!
矢車「治療は不要だ。 ――それに、言っておきたい事がある」
矢車は元気な様子だった。 ――自分を治療しに来たらしい、救護班長の青髪の河童をけっ飛ばす程度には。
大きなリュックに治療用品を抱えていたらしい青髪の河童は、
荷物を吐き出しながらゴロゴロとサッカーボールのように、今や無人のフィールドを転がって行く。
そして救護班の中に、そんな彼女をフォローする者はいなかった。
矢車は、さとりの瞳を一直線に見据え、彼女を庇うように手を伸ばし。
怯える救護班や、戸惑うチームメイト達に対してこう宣言した。
矢車「この人は――俺が守る」
454 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/26(水) 00:40:27 ID:???
ヤマメ「えっ!? 何ソレ!? 告白!? キャ〜ッ! カッコ良いー……って、アイテテ」
キスメ「ヤマメは大やけどしたんだから。大人しくしてなきゃダメだよ……」(←桶修理中)
矢車「……………この人は、俺の相棒を守ってくれた。
だから、俺が――この人を守らなくてはいけない。 同じ、地獄の住民として」
不思議に浮ついた雰囲気になりかけた周囲を、矢車はそう静かに語る事でぴしゃりと収めた。
ただでさえ狂気と絶望に沈んでいる彼の表情が、悲壮な決意を帯びていた為に、
彼の宣言が単純な色恋沙汰では無い事が周囲にも容易に理解できた。
さとり「……私はやはり、殻に過ぎぬ貴方の心を読む事が出来ません。
ですが、そうで無くとも、私は貴方が何を言いたいか。 それが分かるような気がします」
矢車「…………」
矢車は押し黙って答えない。 さとりはこう続けた。
さとり「……その上で。 私は貴方にこう答えます。 『いいえ。 貴方も、彼を守って下さい』……と。
――私には、仲間が居るから大丈夫だけど。 彼には、未だ貴方と――この私しかいないから。
それと……」
矢車「それと……?」
455 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/26(水) 00:41:33 ID:???
さとり「――勇儀さん、ボディに一発入れといてください」
勇儀「うっし! 了解だ古明地!」
ガシッ、ボガァァァァアアアアアアアアアアッ!!
矢車「うわぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
ギューーーーーーーーーーーーーン、ドガーーーンッ!!
放送「矢車選手、吹っ飛ばされた〜〜〜!! 等速直線運動の如く真っ直ぐ平行に空を飛び!
先程救護係の青髪の河童が転がるフェンスに激突!」
さとり「……善意でやって来た救護の方を、言い掛かりみたいな理由で蹴っ飛ばさないで下さい。
ただでさえ乱暴者の集団、という地底のイメージが、余計に悪くなっちゃうじゃないですか」
鈴仙「(……さとりさん。 心が読めているなら聞いて欲しいんですが。
――それだけの理由で人を数十メートル吹っ飛ばす方も、結構乱暴だと思います)」
永琳「(――それでも、彼の精神は試合を超えて幾分は変化したようね。
少なくとも、矢車は松山君に対して献身した古明地さとりを信頼している。
……でも、それだけでは未だ解決には時間が掛かりそう。 と、言った様子かしら)」
456 :
森崎名無しさん
:2014/11/26(水) 00:42:06 ID:???
やっぱり消し飛ぶ矢車www
457 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/26(水) 00:44:54 ID:???
――そんな地底のメンバーの様子を遠目で見ていた鈴仙(と、永琳)。
ハチマキに関する疑問は未だ消えないでいたが……しかし、鈴仙が今の彼女達に介入するのは難しい。
想像以上に、地底妖怪達の絆とか友情とかは厚かったようだ。
鈴仙「(――さとりさんも、ハチマキの事とかは気になってたみたいだし。
あの様子からして、松山君の為になる事だったら、地霊殿でも歓迎してくれそう。
……しょうがないけれど、今日は色々話すのは止めて。 また次に地底に来た時にした方が良いかしらね。
さとりさんはもちろんだけど、あの矢車も最初と比べて随分丸くなった様子だから、
【松山君の為に、突然ハチマキを奪って来る事はまずしない】でしょうし……)」
――だが、実際に旧都に向かい、試合を行った事で、鈴仙の地底妖怪に対する偏見が更に薄れた事は事実。
(さとりの読心能力には、まだ苦手意識が残るが……)
気が向いたら、もう一度地底に行ってみようか。 今度は手土産にラーメンでも持って……と、決意する鈴仙だった。
458 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/26(水) 00:48:19 ID:???
……と、いったところで今日の更新はここまでです。
試合イベントはこれで終わりでなく、もう少しだけ続きます。
そのため、人気度の上昇などの勝利ボーナスは、明日にまとめて行います。
明日は永琳による強化イベントと、妖夢との特訓イベントの判定位は出来れば…と思っています。
それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。
459 :
森崎名無しさん
:2014/11/26(水) 00:53:25 ID:???
乙でしたー。
ラーメンは手土産になるのね。
饅頭も日向の手土産ようかしら。
シリアスな場面のはずなのに、何故かコントに(笑)
私はこういうノリは大好きですが。
妖夢特訓と師匠特訓か、カードさんお願いしますね。
460 :
森崎名無しさん
:2014/11/26(水) 21:15:10 ID:???
やはりラーメンが手土産になるのか
じゃあトロピカルラ・メーンをプレゼントだーw
461 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/26(水) 23:44:56 ID:???
こんばんは、更新を再開します。
>>459
乙ありがとうございます。
饅頭は本スレリスペクトで、日向の好物ですね。
矢車さんはシリアスな笑いに定評があるので、たぶんこれが普通ですw
>>460
トロピカルラ・メーンって何かと思ったら、カブトに出てたんですね(失念)
462 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/26(水) 23:46:24 ID:???
***
鈴仙「さ〜て。 帰りに人里の店で冷たいジュースでも買っておこうかしら……」
――試合終了後。
一旦解散となった鈴仙は、珍しく一人でぶらぶらと、試合の熱狂冷めやらぬ人里を散歩していた。
佳歩やてゐ、パスカル達が一足先に永遠亭に帰っている中、こうして町をぶらつくのも悪くない。
人間の里は旧都と比べて猥雑な賑わいは無いが、秩序立った活気に満ち溢れている。
鈴仙「(――半年前は、地震やら瘴気やらでバタバタしていたけれど。
それでも、人間ってのは凄いモンね。 もう前の明るさを取り戻している)」
サッカーコートのある大通りには多くの店や露天商、住宅が並び、
往来では人間を中心に妖怪や妖精、獣人達が楽しげに行き交う。
鈴仙「――ま、技術とかでは月の都には当分追いつかないでしょうけどね……」
疲れもあってか、ふわりと欠伸をしながら鈴仙は何気なく周囲を振り返り、
最近出来たらしい西洋風のオシャレな衣装店の外装を眺める。
やはり若い女性に人気の店らしく、衣装店には友人連れやカップルがしきりに出入りしているようだった。
鈴仙「(オシャレなお店ねぇ。 ――私も一回入ってみたいけど、一人じゃ恥ずかしいな。
今度、妖夢でも誘ってみようかな……)」
と。 そんな風に鈴仙が客の行き来を眺めている時、一組のカップルらしき男女が店を出ていく姿を見かける。
鈴仙はその姿を本当に何となく見ていて――。
463 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/26(水) 23:47:53 ID:???
鈴仙「――ふ、ふぇぇぇえっ!?」
かなり情けない声を上げてしまった。
周囲の人妖が何事か、と一斉に振り返って鈴仙を見ている。
鈴仙は頭を下げながら猛ダッシュで大通りを駆け出し、人の少ない路地へ抜けて一息。
鈴仙「――う、嘘……だよね?」
しかし、それほどまでに、鈴仙が見た光景はショッキングだった。 あれは間違い無かった。
鈴仙「(ど……どうして? いや。 でも確かに今日のハーフタイムの時――あの子は『二人分の飲み物』を用意していた!
それに、『何かの手がかりを得たかのような』穏やかな雰囲気だった。
手がかりって、ひょっとして。 そ、それはつまり……そう、そういう……?)」
……それは些細な事。
されど偶然とはいえ――ああ、偶然とはいえ鈴仙は見てしまった。
浮ついた事が大嫌いで、衣服などにほぼ一切興味を持たなかった彼女らしからぬ、
可愛らしいワンピースを手に持ち、楽しそうに寄り添い歩く――。
妖夢「………! !!」 少年「――……!」
――妖夢と、見知らぬ少年の姿を…………。
*地霊殿サブタレイニアンローゼスとの試合を勝利で終えました! 人気度がボーナスで加算されます。65→68
*試合後の会話イベントにより、さとりの評価値が上がりました。
*鈴仙が、「愛のハチマキ」と松山との関係に気付きました。次に地霊殿に行くことでイベントが進行します。
464 :
森崎名無しさん
:2014/11/26(水) 23:49:31 ID:???
岬に釣られたか
465 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/26(水) 23:49:50 ID:???
〜特別イベント〜
【永琳の特訓・そのA】
鈴仙「(あんなの見せられたら、ジュースどころじゃないわよ……!)」
鈴仙は先程のショッキングな映像を振り払うように人里を抜け出し、のどかな秋晴れの幻想郷を飛んでいた。
鈴仙「(一緒に特訓するって約束してたけど。 私、どんな顔して妖夢に会えば良いんだろう……)」
本当なら、あの時妖夢の肩を掴んででも事情を聴くべきだったのかもしれない。
ひょっとしたら、たまたま他人と並んで店を出ただけなのかもしれないし。
……しかし、今から人里に戻って妖夢を探すのも気まずいし、そもそも疲れている。
鈴仙「(しょうが無いから、今は敢えて妖夢の事は忘れて。
――解散直前に師匠としていた、選手の強化特訓の事にでも思いを馳せようかしら……?)」
――そのため、鈴仙はいつもの手段に出る事にした。 いわゆる、現実逃避というヤツである。
鈴仙の意識はつい30分程前。 試合終了後の人里サッカーコートへと移り……。
〜ちょっとだけ回想シーン〜
永琳「……今日の試合。 私はあまり活躍出来なかったわね」
鈴仙「ど!? どどど、どうしたんですか師匠!? そんな謙虚な態度だなんて、師匠らしくないですよ!?」
永琳「――ウドンゲ。 アンタは私を何だと思っているのよ……」
鈴仙「す、すみませんっ」
永琳「……まぁ。 今はそんな事は重要では無いわ」
466 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/26(水) 23:51:20 ID:???
輝夜が真っ先にシャワーへと向かい、てゐがウサギ達の面倒を見ており、
慧音と妹紅とパスカルが談笑している間、鈴仙と永琳は少しだけ会話を交わしていた。
永琳「――ウドンゲ。 私はこの試合の失態への詫びとして、一度選手層の底上げを実施しようと思うわ」
鈴仙「……もっと頑張ったり、謝ったりするんじゃないんですね」
永琳「もっと頑張るのは当然だし、謝罪にしても、貴女達がそれを望むなら、そうするけれど。
私がそれをしたところで、チームは成長しないもの。
悪いけれど、私は、私にしか出来ない事で借りを返させて貰うわ。 ……不満かしら?」
鈴仙「――いえ。 そんな事はありません。 むしろ、師匠らしくって良いと私は思います」
永琳は「そう、良かった」……と、安堵の溜息を吐くと。
永琳「――それじゃあ、特訓ルールのおさらいをするわね」
今度は一転して淡々と、メタな視点からの説明を始めた。
永琳「特訓出来る選手は1名で、特訓内容と成果はウドンゲの特訓と同じ。
(参考:
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1372258333/774
)
だけど、どんな仲間でも自在に特訓出来るかと言われると、実はそうじゃないの。
何故なら、
・【51】を超える能力値については、成長させる事が出来ない。
・総合力が【341】を超える選手については、成果が一段階ダウンしてしまう
から。
あと、輝夜の成長についても数値にペナルティが掛かるわね。
私が甘やかすから……じゃなくて! ――GK能力を伸ばすのは、そう簡単じゃないのよ」
鈴仙「(苦しい言い訳だなぁ……)」
467 :
森崎名無しさん
:2014/11/26(水) 23:53:23 ID:???
総合力が【341】を超える選手って誰のことでしたっけ?
468 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/26(水) 23:54:06 ID:QSKPJS+o
永琳「――コホン。 以上の事を踏まえて、ウドンゲには育てたい選手を1名選んでもらうわね。
誰が特訓可能とかのリストについては、私がパネルにまとめておいたから、あんたは選ぶだけで良いわ」
――と、最後に永琳は、どこからか取り出したパネルを持って来てくれた。 パネルには、こう書いてあった。
***特訓させたいメンバーの名前を指名してください。(例:妹紅)***
(特訓可能メンバー:てゐ、慧音、妹紅、佳歩、つかさ、ウサギB、ウサギC、ウサギD、ウサギK)
(ペナがかかるメンバー:
パスカル(総合値327以上のため。 また、ドリブル、パス、タックルは51以上のため成長しない)、
輝夜(GKの為成長にペナ。 また、セービングは51以上のため成長しない))
(参考・名無しウサギの能力傾向
ウサギB…パスがウサギ達の中では得意、総合力はウサギ達で最高。 パス(orてゐとのコンビプレイ)フラグ有
ウサギC…ドリブルがウサギ達の中では得意。タックルフラグ有
ウサギD…パスカットがウサギ達の中では得意。つかさとのコンビプレイフラグのフラグ有
先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
*ウサギKの場合は、GKですが成長にペナはかかりません。 ……理由はと言われると、そうじゃないと可哀想だからです(汗)
469 :
森崎名無しさん
:2014/11/26(水) 23:54:57 ID:NrA5elaw
妹紅
470 :
森崎名無しさん
:2014/11/26(水) 23:55:56 ID:0u4q4ySs
てゐ
471 :
森崎名無しさん
:2014/11/26(水) 23:56:15 ID:2xDvlteY
てゐ
472 :
森崎名無しさん
:2014/11/26(水) 23:56:22 ID:iISp5W+o
てゐ
473 :
森崎名無しさん
:2014/11/26(水) 23:57:53 ID:???
てゐはガッツ少ないから有用だね、妹紅さんはガッツ上昇量に制限かかるかな?
474 :
森崎名無しさん
:2014/11/26(水) 23:58:26 ID:???
中山がもう少しで帰ってきて総合力が上がるのを
てゐを鍛えて更にバランスを強化、いいと思うよ
475 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 00:04:40 ID:???
鈴仙さんは岬と面識なかったっけ?
三章以降の、岬達のチーム勧誘かな?
中山さんのアドバイスでは、例え別の道を行ったとしても、友達であることは変わらないと伝えてあげる、
みたいな感じだったな。
例え三章でチームが別れても、ライバルとして……か。
妖夢が、鈴仙と共に行く道を選択してくれるなら、大歓迎だけど。
妖夢の選択は……とはいっても、まったく見当違いかもしれませんが(汗)
476 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 00:07:08 ID:???
勧誘じゃなくてただのデートだったりしてw
相手は誰だ?シェスターか?ブルノか?
477 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/27(木) 00:09:12 ID:+NXd4L1Y
特訓対象→てゐ
鈴仙「……それじゃあ、てゐを鍛えてやってくれませんか。
てゐは確かに本気を出すと強いけれど、それでも、周囲の成長に比べたら見劣りする点もありますし。
何しろ、チーム力の底上げには中盤の強化が必須です。
てゐをトップ下やボランチに安心して置くことが出来れば、チームの攻め幅も広がりますから」
永琳「――分かったわ。 それじゃあ、私はてゐにそう声を掛けておくから。
『ウドンゲに脅されたから、今から地獄の猛特訓を始める』……ってね」
鈴仙「や、やめてくださいよ師匠!? そうなったら私がリアル地獄に堕ちちゃいます!?」
永琳「……フフ、冗談よ。 ――それじゃあウドンゲ。
貴女は疲れてるでしょうから、暫くゆっくりしてからお帰りなさいな。
日没までには、特訓を終わらせておくから」
鈴仙「はい、ありがとうございます…(――今から日没っていうと、2、3時間くらいね。
……師匠。 どんだけ密度の濃い練習を考えているんだろう……)」
〜回想シーン終わり〜
鈴仙「……今考えると、てゐには非常に申し訳ない事をしたような。
――で、でも! スタミナ不足とか特にあの子の欠点だったし!? チームの為、仕方なかったのよぉ……た、たぶん」
そこまで妄想して気が付くと、鈴仙は既に永遠亭の上空にまでたどり着いていた。
時間は日没には少し早い。 となると、永琳とてゐはまだ特訓をやっているのだろう。
鈴仙は罪滅ぼしにと(?)練習風景を見てみる事にした。
すると、そこでは―――。
478 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/27(木) 00:11:56 ID:+NXd4L1Y
先着2名様で、
★永琳の指導風景→! card★
★てゐのやる気→! card★
と書き込んでください。数値の合計で分岐します。
35→彼女に一体何が…? ガッツ+150、全能力+3、更に更に…?
31〜34→超進化!! ガッツ+100、全能力+2、更に…?
26〜30→進化! ガッツ+50、全能力+1、攻撃系or防御系各+1
16〜25→特訓は成功だ! ガッツ+50、全能力+1
10〜15→そこそこの成果だった。ガッツ+50、攻撃系各+1
2〜9 →残念な感じだった…。 ガッツ+30、防御系各+1
*攻撃系=ドリブル・パス・シュート・せりあい で、防御系=タックル・パスカット・ブロック・せりあい です。
*マークか数値が一致した場合、判定に+5されます。これらの効果は重複しません。
*合計値が21以上の時、フラグ習得!(既にあれば回収。無い時は判定)
*合計値が26以上の時、必殺技習得!(分野は判定)
*攻撃系の合計と防御系の合計を比較して、低い方=2〜9 高い方=10〜15 で表示しております。
*JOKERが出た場合は『ダイヤの15』として扱います。オールマイティにはなりません。
479 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 00:12:47 ID:???
★永琳の指導風景→
スペード3
★
480 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 00:12:50 ID:???
★永琳の指導風景→
ダイヤ3
★
481 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 00:13:11 ID:???
★てゐのやる気→
ハート10
★
482 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 00:13:45 ID:???
アミバェ
483 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 00:16:35 ID:???
特訓したことないから苦手なんや
484 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 00:17:29 ID:???
アミバ「ん?まちがったかな?」
485 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/27(木) 00:23:48 ID:+NXd4L1Y
師匠がミスったけど、てゐが意外とやる気あって、ドリブル+1、パス+1、シュート+1、せりあい+1となったところで、
今日の更新はここまでです。
てゐはこれでパス50の大台に達しましたので、技と本気モードも相まって、一流のパサーと呼んでも良いレベルになったと思います。
>妖夢について
詳しくは、明日の妖夢との特訓イベントで説明があると思います。
もしかしたら、ブルノさんとのデートかもしれませんがw
>岬と鈴仙の面識について
私は、直接には無かったと記憶しております。
新聞記事でそれっぽい記事を見た事はありますし、
ひょっとしたら遠くで人影を見た…みたいな描写があったかもしれませんが、
直接近くに会って会話まではしてなかったと思います。
私も勘違いしてないか確認してみますが、もしも間違いだったら教えて頂ければ幸いです。
それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。
486 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 00:41:17 ID:???
乙でした。
いや、私も鈴仙さんと岬くんは面識なかったと思います(自信もって言えませんが)
なかったっけ?じゃなくて、なかったよね?
が正しいですね、失礼しました。
永琳「おかしいわね……私ならこれくらい一回で習得できるのだけど」
てゐ「永琳様は基準がおかしい」
輝夜「だってえーりんは天才だもの!」
487 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 01:05:33 ID:???
所詮アミバ乙
悪い男につかまったか・・・それかポストプレイ(意味深)か
まぁいいさ、別れさせる方法はやろうと思えばいくらでもある
488 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 07:26:15 ID:???
名選手が名将になるとは限らないからね。
トルシエも選手時代はモブDFだったみたいだし。
永琳「タックルは、ここでびゅーんとして、グワァーッとして…」
てゐ「(全く意味不明ウサ…。びゅーんって何ウサ…)」
永琳「パスカットは、スパパパーンとするのよ!」
てゐ「(本屋で『ポブルセンの攻撃サッカー入門書 これで貴様もバーサーカー』を買っておいて良かったウサ)」
489 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 11:55:40 ID:???
詐欺師で女を口説く、まんまウラタロスだな
490 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 13:45:56 ID:???
>>488
物騒なタイトルの入門書だな…
てゐ「他にも『明和特攻スライディングタックル部隊に学ぶ 上手くなる守備入門』も持っているウサ」
鈴仙「『ポストに祈れ! ブルノ流GKコーチ入門』か…。買ったら姫様も喜ぶかしら」
491 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 16:38:29 ID:???
SGGPさんの召喚スキルを習得できるのか、すごいぞブルノ流!
492 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 18:09:32 ID:???
そのかわりポスト以外全部ゴールになりそう
493 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 18:53:20 ID:???
妖夢さんが会っていた相手が岬くんだとしたら、十中八九、新チームに勧誘されたのかな。
日本代表の実力者に認められたと思えば、妖夢さんが立ち直りつつあることにも納得できる。
妖夢さんも口八丁で乗せられたりしないだろうし、岬くんに適切なコーチングとかしてもらって、信用を勝ち取ったのかもしれない。
更に、岬くんは相手にも利益を与え、自分も良いところ持っていくよ
という思考だから、妖夢さんの不利益にならないようにしているはず。
そもそも、妖夢さんの性格的に絶対ゆゆ様に報告するはずたがら、変な話ならゆゆ様が激おこだろう。
うーむ、妖夢さんが頼れる味方になるか、それともよきライバルとなるかって感じか。
どちらにしても、妖夢さんにとって悪くないか。
これは下手に反対したら却ってややこしくなる、妖夢さんを信頼して意見を尊重するって考えが正しく思えてきた。
まあ、あくまで相手が岬くんの場合であって、ブルノさんだった場合はお帰りください。
494 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 22:32:37 ID:???
もし別れさせたいならてゐを使うべきだな
同じく新聞を見てるし相手が詐欺をしていたということはわかっているはず
正直鈴仙だけだとミサキーヌにいいように騙されて逆に利用されるのがオチだろうし
というか太子様に言われてやってたことなんですと言われてあっさり信じる主人公の図が見える
495 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/27(木) 22:48:38 ID:+NXd4L1Y
こんばんは、今日も更新していきます。
>>486
さん、
>>487
さん。 乙をありがとうございます。
>ブルノ流について
ライフスプリングインフィニティがが強くなるかもですw
496 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/27(木) 22:50:14 ID:+NXd4L1Y
★永琳の指導風景→ スペード3 ★
★てゐのやる気→ ハート10 ★
10〜15→そこそこの成果だった。ガッツ+50、攻撃系各+1
鈴仙が永遠亭特設の簡易サッカーコートを覗くと、そこには……
永琳「――さて。 じゃあ今からシュートを撃って貰いましょうか。
私が一本一本フォームをチェックするけど、あまり気負いすぎないでね」
てゐ「ほ〜いっ」
鈴仙「……あれっ。 思ったより普通に練習してる」
――意外にまともな練習をしている、永琳とてゐが居た。
先程まではドリブルの練習でもしていたのか、フィールドにはカラーコーンが並んでいたり、
パス練習に使ったのかもしれないボールが辺りに転がっている。
てゐ「あ、鈴仙ちゃん。 お帰りなさ〜い」
永琳「意外と早かったわね。 もう少しノンビリしていても良かったのに」
鈴仙「あの……師匠。 この、普通のサッカー部みたいな練習光景はどうしたのでしょうか……」
てゐには悪いが、正直言ってもっとおぞましい練習が繰り広げられていると思っていた。
鈴仙「(だって、師匠と私との特訓って言ったら。
サッカー場に仕掛けられた謎のアスレチックを五十周するとか、
崖の上から大岩とともに転がされたサッカーボールを、GKでも無いのにキャッチして受け止めるとか、
そんなワケの分からない特訓ばっかりだったのに……)」
てゐ「(――そんな特訓をおかしいと思わず、唯々諾々と受け入れてた鈴仙も多少は悪いウサ……)」
497 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/27(木) 22:51:38 ID:+NXd4L1Y
永琳「……まぁ、今日は激しい試合の後でもあったからね。
低いモチベーションで無理やり特訓をしても効果が薄いと踏んだから、敢えて内容を絞ったの。
――基礎的な技術と、体力の底上げにね」
鈴仙「そ、そうだったんですね……(――でも、てゐはどっちかと言うと熱血系じゃないから。
むしろこういうしっかりとツボを押さえた練習の方が良い……って、師匠も踏んだのかな?)」
てゐ「(――まぁ、私としてはもうちょいきつい内容でも良かったんだけどねぇ。
……そんな事言ったら、明け方まで追加特訓になりそうだから黙ってるけど)」
――永琳は永琳で、てゐの事を考えた特訓をしていたようだった。
(もっとも今回に限っては、てゐのモチベーションは永琳の想像以上だったようだが)
鈴仙はそんな普通の青春サッカー的な展開に安心して、とりあえずの一休みをする事が出来た。
*てゐのドリブル、パス、シュート、せりあいが+1。最大ガッツが+50されました。
498 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/27(木) 22:52:57 ID:+NXd4L1Y
【鈴仙と妖夢。 真・友情特訓!?】
〜早朝・永遠亭特設サッカーコート〜
妖夢「ご、ごめんね鈴仙。 昨日の今日で来てしまって……」
鈴仙「――あぁ、別に良いのよ。 そっちだって忙しいでしょうから。 ……ちょっとだけ、眠いけど」
――地霊殿との試合を終えた次の日の早朝。
鈴仙の部屋の窓を叩く音が聞こえたと思うと、それは妖夢だった。
練習すると口約束した翌日の早朝に押しかけて来るのは、些かせっかち過ぎるきらいもあるが、
一度決めたらとことん突き進む妖夢らしいと言えばそうだと、鈴仙は妙に納得していた。
鈴仙「……うん。 前に言ってた特訓の話よね」
妖夢「そう。 ……色々考えていたけど、やっぱり今日しかない、って思って……!」
妖夢の様子は落ち着かない様子ではあったが、しかし前のように思いつめすぎた雰囲気では無かった。
鈴仙はひとまずそんな妖夢に安心しており、寝起きという事もあってか幸いに、
昨日の夕刻、妖夢と見知らぬ少年が歩いていた事についてまではすぐに思い至らなかった。
鈴仙「――まぁ。 折角遠路遥々冥界から来てくれたんだし。
……妖夢! お互い悔いの無い位に、練習頑張ろうね!」
妖夢「(鈴仙。 やっぱり昔と違って明るくなったなぁ……)――うん、宜しくお願いする」
かくして、これまでのわだかまりや不安は一旦捨て置いて。
――鈴仙と妖夢。
異なる立場ながら似た境遇を持ち、同じように道に迷い。
しかし、今まさに違う道を選ばんとする二人の特訓が――今、始まった。
499 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/27(木) 22:55:43 ID:+NXd4L1Y
先着2名様で、
★鈴仙の想い→! card★
★妖夢の思い→! card★
と書き込んでください。数値の合計で分岐します。
35→彼女に一体何が…? ガッツ+150、全能力+3、更に更に…?
31〜34→超進化!! ガッツ+100、全能力+2、更に…?
26〜30→進化! ガッツ+50、全能力+1、攻撃系or防御系各+1
16〜25→特訓は成功だ! ガッツ+50、全能力+1
10〜15→そこそこの成果だった。ガッツ+50、攻撃系各+1
2〜9 →残念な感じだった…。 ガッツ+30、防御系各+1
*攻撃系=ドリブル・パス・シュート・せりあい で、防御系=タックル・パスカット・ブロック・せりあい です。
*マークか数値が一致した場合、判定に+5されます。これらの効果は重複しません。
*合計値が21以上の時、フラグ習得!(既にあれば回収。無い時は、鈴仙は選択可で、相手は判定)
*合計値が26以上の時、必殺技習得!(分野は鈴仙は選択可で、相手は判定)
*攻撃系の合計と防御系の合計を比較して、低い方=2〜9 高い方=10〜15 で表示しております。
*JOKERが出た場合は『ダイヤの15』として扱います。オールマイティにはなりません。
*妖夢はルナティックスメンバーでは無いため、特訓結果は実際の数値よりも1段階下のものが採用されます。
500 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 22:56:09 ID:???
★鈴仙の想い→
クラブ2
★
501 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 22:56:38 ID:???
★妖夢の思い→
スペード3
★
502 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 22:57:23 ID:???
もうだめだぁ…おしまいだぁ…
503 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 22:57:40 ID:???
知ってた
504 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 23:00:08 ID:???
地獄姉妹というか地獄少女というかそんな感じだな
505 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/27(木) 23:02:19 ID:???
すみません、鈴仙の最大ガッツは800を超えているので、最大ガッツの上昇幅が低くなっております。
そのため、鈴仙のガッツ上昇は+30では無く、+10です。
(参考:
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1381414268/59
)
大変失礼いたしました。
506 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 23:05:01 ID:???
わーい、タックルとパスカットとブロックと競り合いが1ずつあがったよー(棒)
……さて、妹紅さんとの特訓目指そう
507 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 23:06:09 ID:???
この結果もすべて鈴仙ってやつの仕業なんだ
508 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 23:06:57 ID:???
あはっ、リグルサイコー(現実逃避)
509 :
森崎名無しさん
:2014/11/27(木) 23:20:28 ID:???
逆に考えるんだ
次の敵が強化されなくてよかったなー
と考えるんだ
510 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/28(金) 00:19:13 ID:???
★鈴仙の想い→ クラブ2 ★
★妖夢の思い→ スペード3 ★
→鈴仙のガッツが+10、防御系各+1! 妖夢は効果なし……。
妖夢「――は、はぁぁぁぁぁぁっ!!」
グワアァアッ、バギュウウウウウウウウウッ! ……ガイーンッ!
鈴仙「み、見事なシュートね……! ――ポストに当たってさえいなければ」
妖夢「う、うううっ……どうして……?」
――意気込んで行った鈴仙と妖夢との特訓だったが。
生真面目で不器用という互いの気質が悪い方向に重なってしまったのか、
特訓のハードさに比べて結果は芳しく無い。
特に妖夢は最悪だった。 迷いが残っているのか、それとも冥界から永遠亭まで来た事による疲れか、
練習を重ねるごとに、むしろプレーが雑で精彩を欠いた物になっているのが、鈴仙からでも容易に見て取れる。
鈴仙「――妖夢。 一旦……休憩した方が良くないかしら?」
妖夢「――まだまだ。 私は、このままでは終われない……!」
ふらつく足を引きずりながら、妖夢はボールに手を伸ばし、再びシュートに向かおうとする。
それは彼女本来の真面目さと言うよりは、別の何かに突き動かされているような気がした。
鈴仙はそんな不自然な妖夢の姿を見て――。
鈴仙「――やっぱり。 何かあるよね、妖夢。 ……私の知らない、何かが」
……不意に、機が熟するまで隠そうと思っていた言葉が口を突く。
妖夢「鈴仙――やっぱり、分かるかな。 ……私って、単純だし」
511 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/28(金) 00:21:06 ID:???
妖夢はそんな鈴仙の言葉に目を大きく開いて、拾い上げたボールを地面に落とす。
ボールはポーン、ポーン……とバウンドしながら、二人から離れて行く。
鈴仙は何も話さず、妖夢をじっと見つめていた。
妖夢「ハーフタイムの時、『大事な話がある』……って言ってたよね? それと関係があるんだけど……」
妖夢は始めこそ戸惑っていたが、しかし元々鈴仙には隠す気は無かったのだろう。
決然とした面持ちで、鈴仙に少しずつ話し始める。
しかし、妖夢が鈴仙に語る内容は――どれも、鈴仙にとって驚くべき事ばかりだった。
妖夢「……どこから話せば良いかしら。 ……そうだ。 ――ねぇ、鈴仙。
――鈴仙は、『プロジェクト・カウンターハクレイ』……って、知ってる?」
鈴仙「…………!?」
――『プロジェクト・カウンターハクレイ』。
博麗霊夢や八雲紫を中心とする幻想郷の秩序に穴を空け、以て人間や弱い妖怪の地位を向上せしめんとする、
ヒューガーや八意永琳を中心にして進んでいる一大計画。
鈴仙もまた、永琳と輝夜によって、その計画のキャプテン候補である事を告げられているが――。
鈴仙「……妖夢、も。 ひょっとして、妖夢も声が掛かっていたんだ!?」
妖夢はゆっくりと頷いた。
妖夢「――そうよ、鈴仙。 私もまた、過去に『プロジェクト・カウンターハクレイ』の一員として、
幻想郷という縛りを離れて強くなれと、言われた事があるの。
……他の誰でも無い、我が主君の――西行寺、幽々子様にね……」
鈴仙「えっ、幽々子さんが……!? でも、『プロジェクト・カウンターハクレイ』は、
幽々子さんの親友である、八雲紫にとって喜ばしくない計画なんじゃ――!?」
512 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/28(金) 00:24:06 ID:???
妖夢「……幽々子様の考えは、私にも良く分からない。
けれど幽々子様は、私の事を想ってそう言って下さった……と、思う」
妖夢ですら分からないのだから、鈴仙には西行寺幽々子の考える事は余計に分からない。
鈴仙にとっての幽々子は、輝夜を数倍飄々とした風にして、永琳を数倍謎めいた風にしたイメージだ。
つまり、最高クラスに意味不明な人物……と、言う事である。
だから鈴仙は敢えて、幽々子の思惑については考えない事にした。
妖夢は話を続ける。
妖夢「だけど私は、その誘いを断った。 ――何故なら、あの時の私には……怖かったから。
幽々子様と幻想郷を捨てて、戦う事が怖くって。
私は強くなる事よりも、幽々子様と並んで戦いたいって言ったけれど……それは、卑怯な逃げだとも思った。
自分の力が試される事が、怖かったんだと思う」
鈴仙「妖夢……。 その気持ち、何となく分かるよ。 ……でも、それが――『大事な話』?
確かに私も、件のプロジェクトで妖夢も一緒に戦ってくれれば、本当に頼もしいと思うから、
誘いを断ったのは残念だけど」
妖夢「ううん、違う。 『大事な話』はそれだけじゃないの」
妖夢はここで一旦会話を切り、鈴仙から一歩離れて、小さな額についた汗を手のひらで拭う。
二人の間を朝日が照らす。 妖夢と鈴仙、二人のシルエットがサッカーコートに長い影を落とす。
――妖夢は、鈴仙に向けてこう告白した。
妖夢「鈴仙、やっぱり私は――。 貴女と、同じ道を歩くことは……もう、出来ない」
513 :
森崎名無しさん
:2014/11/28(金) 00:30:33 ID:???
バイバイベイビー
514 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/28(金) 00:33:42 ID:???
――と、言ったところで中途半端ですが今日の更新はここまでです。
>>493
ネタバレすると、ブルノさんじゃないですねw
詳しくは書けませんが、中山さんの言ってる事はおおよそ正解です。
>>494
別れさせるという選択肢も不正解ではありませんね。
>特訓成果について
ちょっと流石に予想外でしたね…w
一応これで鈴仙のカット力も結構マシにはなりました。
>>508
その頃、リグルは優秀なサッカーコーチでもある父の元、
幻想郷のエースとしての才能に開花しつつあった――(たぶんウソ)
それでは、皆さま、本日もお疲れさまでした。
515 :
森崎名無しさん
:2014/11/28(金) 01:49:45 ID:???
乙です
敵となるならこの結果はありがたい
自分だけ強くなって相手の強化を防ぐことができたしね(まぁその分伸びは微妙だが)
とりあえずどんな道を選んでも親友とか言っちゃったし反対はだめっぽいね
強くなるためにその水戸を選んだのなら仕方のないことだ
516 :
515
:2014/11/28(金) 01:51:01 ID:???
水戸ってなんだよ・・・道だよばか・・・
517 :
森崎名無しさん
:2014/11/28(金) 09:58:42 ID:???
ホーリーホックに移籍するのかな?(すっとぼけ
518 :
森崎名無しさん
:2014/11/28(金) 11:03:23 ID:???
おっ水戸ナチオか?
519 :
森崎名無しさん
:2014/11/28(金) 14:43:40 ID:???
俺が水戸と道を間違えて打ち込んだのも鈴仙ってやつの仕業なんだ
鈴仙ぜってぇ許さねぇ!
520 :
森崎名無しさん
:2014/11/28(金) 15:19:55 ID:???
>>515
のPCを狂わせるなんて、鈴仙、なんてやつだ・・・!
ゆるせねぇ!ドン・イナバンド!
521 :
森崎名無しさん
:2014/11/28(金) 17:25:47 ID:???
鈴仙のせいよ!
522 :
森崎名無しさん
:2014/11/28(金) 19:24:33 ID:???
続きが気になるところですな、乙です。
なんでも鈴仙のせいにされた。
特訓で成果が出ないこと、シュートが決まらないこと、地霊殿が負けたこと、水戸……
やがて……彼女がキレた。
永琳「じゃあ本当にウドンゲが全ての事象を操れるようにしてやるわ! これでみんなをあっと言わせてやりなさい!」
鈴仙「本当にできそうだから止めてください師匠」
佳歩「もしかして鈴仙さまと新チームでツートップ……?」
ウサギC「もしかして新チームのゲームメイカー……?」
ウサギB(佳歩ちゃんはともかく、ウサギCちゃんはどうしてそう思ったんだろう……?)
523 :
森崎名無しさん
:2014/11/28(金) 23:01:10 ID:???
やめてくれないか!そうやって何でも鈴仙のせいにするのは!(ホモ並感)
524 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/29(土) 01:03:28 ID:???
こんばんは、短くなりますが、更新を再開します。
>>515
さん、
>>522
さん。 乙をありがとうございます。
>鈴仙のせいについて
作中の扱いならともかく、参加者にまでここまで理不尽に責任を問われている主人公も珍しいのではないでしょうかw
鈴仙が全ての事象を操れたら、やっぱり全ての責任は、全ての事象を操れる鈴仙のせいになる……?
ウサギCは……む、ムードメイカー(震え声) ――いえ、今から頑張って育てたら佳歩やつかさに負けない選手にもなれる筈です(汗)
525 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/29(土) 01:05:12 ID:???
――自分は、鈴仙と同じ道を歩くことはもうできない。
妖夢がそう鈴仙に伝えた時、辺りは静寂に包まれた。
静かに吹き抜ける風が、鈴仙と妖夢の前髪を揺らした。
鈴仙「……どういう、こと」
鈴仙は、何とか言葉を紡ぎだすことができた。しかし、それが精いっぱいだった。
妖夢「最後まで踏ん切りが付かなかったけれど、今日の特訓をやって……決めた。
――私は。 幽々子様からも、鈴仙からも離れよう……って」
鈴仙「…………」
鈴仙は妖夢の結論を見守る事しかできなかった。
果たして、妖夢が出した結論はある意味鈴仙の予想通りであり。
妖夢「そして、私は決意した。
――少し前に幻想入りした聖人・豊聡耳神子により発足された新チーム、『ハイパー・カンピオーネ』の一員となる事を……!」
鈴仙「――『ハイパー・カンピオーネ』……!?」
――そして一方で、聞き慣れぬ不穏な単語に、鈴仙は思わず聞き返してしまう。
妖夢「『ハイパー・カンピオーネ』計画は、人間の人間による人間の為の計画。
妖怪では無く、人間を中心とした幻想郷の統治を目指しつつ――。
今は、サッカーという人気スポーツで、人間たちの結束を広報していく、っていう事が目下の目標よ」
鈴仙「人間を中心とした、幻想郷の統治……(――にしては、何だか胡散臭いような気もするけど。
妖夢は、一体どうしてそんな新興宗教みたいな集団に……?
それだけ、私や幽々子さんの知らない所で、妖夢も追い詰められていたって事……?)」
526 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/29(土) 01:06:55 ID:???
妖夢が話す『ハイパー・カンピオーネ』の理念とは、鈴仙が聞けば聞くほど、胡散臭いように思えた。
サッカーで人間を妖怪の支配から解放する。
確かに、鈴仙も薬売りの最中、飢えや災害に苦しむ人間達の切実な声を聞いた事がある。
恐らく、そうした弱い立場の人間にとっては、その言葉は鈴仙が思う以上に快い物なのだろう。
鈴仙「――でも、妖夢。 貴女は……そんな理想に力を貸したいって言うの……?
確かに妖夢らしいって言えば、そうなのかもしれないけれど」
妖夢「……私はそんなに綺麗な人じゃない。
見えなかったかもしれないけど、私は――鈴仙が活躍する影で、いつも暗い気持ちになってた。
どうして、鈴仙が出来るのに自分が出来ないんだろう、って。
――ううん、もっと言えば。 私、鈴仙にずっと嫉妬してた。
さっき私が言った、『プロジェクト・カウンターハクレイ』に入らなかった理由。
自分の力が試される事の恐怖も勿論あったけれど。
本当はね、鈴仙。 ――あなたと一緒に、肩を並べて居られる自信が無い……って言うのもあったんだ」
鈴仙「妖夢……」
妖夢「――鈴仙の周りには、ちょっと怖いけど本当は優しい永琳さんが居る。
ふざけているようで、実は一番鈴仙の事を分かってくれてる輝夜さんが居る。
色々悪戯されてるけれど……それでも、心から鈴仙を心配してくれるてゐさんが居る。
それに、永遠亭の妖怪兎だって、皆鈴仙の事が大好きだって言っている。
慧音さんや、妹紅さんだってそう。
私が偶に人里に行くと、あの二人ったら、いつも鈴仙の事話しているんだよ?」
鈴仙「えっ、そ、そうなの……たはは」
妖夢「そこで照れないでよ。 ……本当に鈴仙ったら暢気なんだから」
鈴仙「ご、ごめん」
527 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/29(土) 01:08:20 ID:???
妖夢の言い回しに、場違いにも満更でない表情をしてしまう鈴仙だったが、
それが却って、妖夢とこの場の緊張を和らげてくれたような気がする。
妖夢はここで一旦切って――最後まで、一気に鈴仙に対して話し始める。
妖夢「――でも、だからこそ。 私はそんな鈴仙とは一緒に戦えないって思った。
皆から愛されて、皆と一緒に強くなって、皆と一緒に勝ちに行ける鈴仙が、私には眩しすぎた。
そして同時に、プライドの高い私は、これ以上幽々子様を失望させたくも無かった。
私は兎に角、力が欲しかった。 ……一人でも、しっかりと立ち、歩いて行ける力が。
――だから、私は鈴仙や幽々子様の居る、全幻想郷代表や、『プロジェクト・カウンターハクレイ』に入らない。
半霊の私だけど、私はあくまで人間として――『ハイパー・カンピオーネ』の一員となり、力を身につけよう……。 そう、決めたの」
鈴仙「――要するに。 今の妖夢は、私や幽々子さんに頼らず、自分一人の力でどこまで行けるかを試したい。
そう思って、胡散臭い事を承知で『ハイパー・カンピオーネ』の一員になる事を決意した。 ……そういう、事なのね?」
妖夢はハッキリとした意志を持って頷く。
妖夢「豊聡耳神子や、彼女の部下を信頼している訳じゃない。
だけど――あの人たちは私の才能を認めてくれた事だけは事実。
自分の力が試される事が怖い。 そう思っていた私の肩を押してくれた事には本当に感謝しているし」
――妖夢は、あくまでも強くなりたかった。鈴仙や幽々子とは違う道を歩む事で、強くなりたいと思っていた。
それは確かに、鈴仙が目指していた道とは違う。
鈴仙は、永琳や中山など、他者の力を借りて成長し、てゐやパスカルなど、仲間と力を合わせ勝利して来た。
勿論、そこに鈴仙個人の努力も多々あったが……それでも、今の妖夢よりも周囲に恵まれていた事には間違いない。
鈴仙は、妖夢と自分との間には大きな隔たりがあった事に気付き、愕然とした。
528 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/29(土) 01:09:35 ID:???
鈴仙「(私は……私は。 妖夢の事を、何にも分かっていなかったのね……)」
鈴仙と妖夢は、似た者同士であると思っていた。
二人とも奔放で辛辣な上司の下で苦労していて、半人前で、失敗ばかりしていて――。
確かにそれは事実ではあったが……しかし、それは表層的な観点に過ぎなかった。
鈴仙「(私は……妖夢の友達だって浮かれてて、妖夢の苦しみを何にも分かろうとしていなかった!
一緒に練習したり、試合を見に行って応援したくらいで、妖夢の友達面をしていただけだったんだわ……。
――妖夢がここまで悩み、ここまで大きな決断を抱えていた事なんて、全然知らなかった!)」
……無論、そんな鈴仙を責める者などこの世のどこにも居はしない。
鈴仙は彼女なりに、妖夢の友人として出来る事を精いっぱいこなしていた。
ただ少し、ボタンを掛け違えただけだった。
鈴仙「(こんな私が。 ……妖夢の嫉妬や苦しみを理解できなかった私が。
――それでも友人として言ってあげられる言葉って。 一体、何だろう……?)」
――それでも、この場で食い下がる事は、今の鈴仙にはできなかった。
鈴仙にとって妖夢は大事な友人であると思っていた。 例え、暫く会えない時期が続いても。
だからこそ、逃げ出さずに、何かを残さなければならない。
529 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/29(土) 01:11:48 ID:Q7oZFu8Q
鈴仙「(中山さんと昔約束したとおり。 私は――もう、逃げない)」
鈴仙は勇気を振り絞って、俯き押し黙る妖夢に向かって答えた。
A:「……そう。 だったら、私も妖夢が選んだ道を応援するわ。 やると決めたら、やるっきゃないってね!」
B:「妖夢の気持ちは分かった。 でも……妖夢は、独りじゃないよ」
C:「ごめんなさい。 今まで気付いてあげられなくて。 でも……今気付いたから、私は妖夢を応援する」
D:「分かったわ。 でも、やっぱり豊聡耳神子とその一派は信頼できないわ。 気を付けて」
E:「妖夢の目指す道は分かったわ。 でもね妖夢、私が目指す道を行くには、妖夢の力が必要なんだけど?」
F:「これからは妻として私を支えて欲しい」
G:その他 自由選択枠 ヒント神によるヒントもこちらで(料金に! dice×100円かかります)
先に2票入った選択肢で進行します。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。
*今回は難しい選択肢ですが、21スレ目
>>313-
の中山さんパワーにより、明確なハズレは無くなったので2票決とします。
*Fについてはあまり気にしないで下さい(汗)
530 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/29(土) 01:14:51 ID:Q7oZFu8Q
――と、言ったところで今日の更新は短いですがここまでです。
2票決となっておりますが、皆さんなりに、鈴仙に言わせたいセリフ、妖夢に言ってあげたいセリフを考えて下されば幸いです。
それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。
531 :
森崎名無しさん
:2014/11/29(土) 01:17:56 ID:fatkNuew
A
532 :
森崎名無しさん
:2014/11/29(土) 01:19:06 ID:???
G:「これからはブルノの妻として姫様のポストを支えて欲しい」
533 :
森崎名無しさん
:2014/11/29(土) 01:19:50 ID:ZN3ABgFY
G C+そして、成長した妖夢と戦えることを楽しみにしているわ!
次の試合はもちろん、妖夢がハイパーカンピオーネに入ってからもね!
良きライバルとして、友人としてね!
534 :
森崎名無しさん
:2014/11/29(土) 01:20:26 ID:b/yKXki2
B
535 :
森崎名無しさん
:2014/11/29(土) 01:20:59 ID:???
C
536 :
森崎名無しさん
:2014/11/29(土) 01:22:40 ID:fatkNuew
G
>>533
に変更お願いします
537 :
森崎名無しさん
:2014/11/29(土) 01:25:37 ID:???
>次の試合はもちろん、妖夢がハイパーカンピオーネに入ってからもね!
しかし、次の試合に姿を現した妖夢の姿は既にリグルパパと魔王に蹂躙されたものだった…
妖夢(伝説の超作画崩壊)「にげるんだぁ…かてるわけがないょ…」
538 :
森崎名無しさん
:2014/11/29(土) 01:25:41 ID:GpN7py+g
G あなたの気持ちはわかったわ、だから・・・次とその次で戦うときは容赦はしないわ
私は友人として、ライバルとしてあなたをも踏み越える
539 :
森崎名無しさん
:2014/11/29(土) 01:36:35 ID:???
蹂躙された中西
,.-'''"-─ `ー,--─'''''''''''i-、,,
,.-,/ /::::::::::::::::::::::!,, \
( ,' i:::::::::::::::::::::;ノ ヽ-、,,/''ー'''"7
`''| |:::::::::::::::::::::} ``ー''"
! '、:::::::::::::::::::i
'、 `-=''''フ'ー''ヽ、::::::::::/ヽ、-─-、,,-'''ヽ
\_/ ヽ--く _,,,..--┴-、 ヽ
``" \>
540 :
森崎名無しさん
:2014/11/29(土) 09:40:28 ID:???
乙です。
明確な外れはない……つまり、Fも外れじゃない!?
鈴仙「これからは妻として私を支えてほしい」
★妖夢の反応→! card★
JOKER→妖夢「なに言ってるのよ! 鈴仙は嫁よ! ここは譲れないわ!」 ここで妖夢の下剋上だ!
ハートK→妖夢「そこまで私を思ってくれてたなんて……分かったわ、よろしくねあなた!」
ダイヤ→妖夢「鈴仙ってば、なに冗談いってるの。でも、なんだか気分が晴れたわ」 冗談としてだが、ツボにはまったみたいだ!
ハート・スペード→妖夢「鈴仙……女性は男性としか結婚できないよ?」 素で返された……
グラブ→妖夢(ま、まさか鈴仙にそんな性癖があったなんて。だから、中山さんやパスカルさんになびかなかったのね) 誤解? された!
クラブA→佳歩「鈴仙さま! ツートップの相棒は私じゃないんですか!?」 なぜかいた佳歩が鈴仙に詰め寄る!
541 :
森崎名無しさん
:2014/11/29(土) 10:09:03 ID:???
★妖夢の反応→
クラブJ
★
542 :
森崎名無しさん
:2014/11/29(土) 17:02:28 ID:???
別世界での妖夢の師匠の松岡さんのカレンダーが売れてるw
543 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/29(土) 22:12:10 ID:Q7oZFu8Q
こんばんは、更新を再開していきます。
>>537
まさかリグルパパが、魔王に比肩する凄腕選手だったなんて…
娘さんの将来が楽しみですねw
>>540
乙ありがとうございます。
もしFになってたら、結婚ENDとかにして選び直しにしてたと思いますw
>>541
妖夢「NO THANK YOU」
>>542
あれは師弟と言って良かったんでしょうか…w
544 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/29(土) 22:14:18 ID:Q7oZFu8Q
G C+そして、成長した妖夢と戦えることを楽しみにしているわ!
次の試合はもちろん、妖夢がハイパーカンピオーネに入ってからもね!
良きライバルとして、友人としてね!
鈴仙は考えに考えた。 妖夢に対して、自分はどんな言葉を掛けてあげるべきか。
そして、その結果――
鈴仙「ごめんなさい。 今まで気付いてあげられなくて……。
妖夢がそこまで、色々と一人で考えていたなんて」
鈴仙は、……素直に自分が感じた事を、口にする事にした。
妖夢「……そんな。 鈴仙が謝る事じゃないのに」
鈴仙「だって、私ってば少し練習に誘ったくらいで、今まで妖夢の為にロクに何もしてなかったし。
……だからと言って、今の私には謝る事以外に、何も出来る事が無いんだから」
正直に、鈴仙は妖夢の為にほとんど何もしてあげられなかったと話す。
妖夢は首を振って否定してくれるが、それでも、鈴仙は妖夢に謝りたい気持ちでいっぱいだった。
そして、その上で。
鈴仙「……いや。 あと一つだけあったかな、今の私が出来る事」
鈴仙は、中山がかつてどこかで言っていた事を思い出しながら。
鈴仙「――私は、妖夢を応援しているから」
妖夢「鈴仙……!?」
例えどんな道を歩もうとも、自分はあくまでも妖夢に対して対等な立場にありたいと思い、
鈴仙は……妖夢を押しとどめたい気持ちを押し切り、そう表明した。
545 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/29(土) 22:15:32 ID:Q7oZFu8Q
妖夢「鈴仙。 ……本当に、応援してくれるの?
――私が選んだ道は、自分で言うのも難だけど、あまり好ましくない道だと思う。
私は、鈴仙や幽々子様。 それにひょっとしたら、他の皆を敵に回す事になるんだよ?
それでも、鈴仙は、私を応援してくれるの……?」
妖夢にとって、鈴仙のその姿勢は予想外だった。
自分が今している事は、友や主君、もしかしたら幻想郷に対する裏切り行為かもしれない。
だから、鈴仙にも引き留められるか、最悪口汚く罵られる事すら覚悟していた。
それなのに、今ここに居る鈴仙は、妖夢が選んだ道を肯定してくれた。
鈴仙「――そして、私も楽しみにしてる。 成長した妖夢と戦える事を。
次の試合はもちろん、それから先――妖夢が、そのチームに入ってからも。
だって。 ……それが良きライバルであり、友達でしょ?」
妖夢「友達……。 ――今日の特訓にしたって、鈴仙の足を引っ張ってばかりの私が。
そこまで言ってくれてるのに、他のチームに行こうとしている私が……友達?」
妖夢は押し黙る。 俯いて表情は見えないが、堅く握りしめた拳が震えていた。
妖夢「鈴仙……」
暫くして、妖夢は再び顔を上げ、鈴仙の赤い瞳をじっと見つめる。
見る者を狂気に引き込むとされる鈴仙の瞳。
かつての異変で初めて出会った時、その瞳に強く影響されていた妖夢だったが、
今の彼女はもはや、鈴仙の瞳を見ても揺らぐ事は無かった。
瞳は赤く染まらず、依然黒く澄んだ光を湛えている。
546 :
鈴仙奮闘記
◆85KeWZMVkQ
:2014/11/29(土) 22:16:39 ID:Q7oZFu8Q
妖夢は最後に、鈴仙に対してこう告げた。
先着1名様で、
★ようよう白くなりゆく竹林→! card★
と書き込んでください。マークで分岐します。
JOKER→妖夢「やっぱり私、鈴仙と離れたくない! 私も鈴仙と一緒の道を選ぶ! ついでにルナティックスに入れて!」
鈴仙「い、今までの展開は何だったの〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
ダイヤ・ハート→妖夢「……鈴仙ってば。 本当に――何も、変わってないね」
スペード・クラブ→妖夢「ありがとう、鈴仙。 ……私は、きっともう迷わない」
クラブA→紫「いいえ。 それは許しませんわ」 幽々子「………ごめんね、妖夢」 妖夢「ゆ、幽々子様に……紫様っ!?」
547 :
森崎名無しさん
:2014/11/29(土) 22:17:30 ID:???
★ようよう白くなりゆく竹林→
スペード10
★
548 :
森崎名無しさん
:2014/11/29(土) 22:20:54 ID:???
JOKERだと台無しすぎるwww
549 :
森崎名無しさん
:2014/11/29(土) 22:28:09 ID:???
ついででチームを離れたらさすがにゆゆ様もあ然(笑)
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