キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【Other】鈴仙奮闘記23【World】 

1 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/14(金) 00:07:15 ID:???
このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品で、
東方Project(東方サッカー)とのクロスオーバー作品です。

内容は、東方永夜抄の5ボス、鈴仙・優曇華院・イナバがサッカーで師匠を超えるために努力する物語です。
また、ストーリーやカードの展開次第で、いくつかのキャプテン森崎のキャラクターも、
それぞれの思惑を持ちながら、幻想郷の住人との交流を通じてサッカーを極めていくことになるでしょう。

他の森崎板でのスレと被っている要素や、それぞれの原作無視・原作崩壊を起こしている表現。
その他にも誤字脱字や稚拙な状況描写等が多数あるかと思いますが、お目こぼし頂ければ幸いです。

☆前スレ☆
【光を】鈴仙奮闘記22【掴み取れ!】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1412866801/
☆攻略ページ(キャプテン森崎まとめ@Wiki内)☆
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/104.html
(※このスレの目標や今後の予定、ゲーム進行の流れなどが分かります。
  過去ログもありますので、初めて来て下さった方は、一読すればより楽しめると思います!)

☆あらすじ☆
ある日突然幻想郷にやって来た外来人、アラン・パスカルと中山政男との出会いにより、
師匠、八意永琳に並ぶ選手になると決心した鈴仙・優曇華院・イナバ。

「鈴仙、貴女は――『プロジェクト・カウンターハクレイ』が新たに創るチームの、キャプテン候補として選ばれました」
全幻想郷選抜大会初戦を勝利で迎えた鈴仙に、永琳はある日の夜こう告げる。
それはこれまでの鈴仙が描いていた将来――全幻想郷代表として、永琳と肩を並べること――とは全く別の道。

そんな中始まった全幻想郷代表選抜大会第2回戦は、地底の強豪・地霊殿サブタレイニアンローゼスが相手。
試合も残り20分を切ったクライマックスの中、ルナティックスは3−2でリードしているものの、
地霊殿チームはキャプテン・古明地さとりを中心に一致団結。 勝利という光を掴みにかかる!
しかし、矢車の殻を被った地獄の少年――松山光の心は未だ癒されぬまま。
幻想郷と現実世界。 二つの異なる世界を舞台に、少年達の、そして少女達の想いはサッカーを通じて繋がり合う!
……とか言いつつ、ブリッツボールとかやってるかもしれません(汗)

839 :森崎名無しさん:2014/12/08(月) 22:28:29 ID:???
★観客席巡り?→ クラブA

840 :830:2014/12/08(月) 22:42:55 ID:???
もちろん構いません。
というか、こんな稚拙なまとめでいいのかと、恐縮してしまいますが。
良ければぜひ使ってください。

841 :森崎名無しさん:2014/12/08(月) 22:48:22 ID:???
えーと騒動の発端の人です
なんかこう混乱させるような書き込みをしてすみませんでした
一応自分の中で簡潔にまとめるとこうでした

思想と思想のぶつかり合いは戦争だ→負けたほうが迫害される可能性が高い
→では『葉k具合されないためにはどうすればいいのか→自分で戦争を止めるために戦えばいい
という非常に子供っぽいくだらない発想でした

みなさんすみませんでした
これは鈴仙のせいではなく自分の責任でもあります
ホント書き込まず自分の頭の中だけに閉しまっておけばいいものを・・・
皆さんお騒がせしてすみませんでした

842 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/08(月) 23:28:11 ID:nhfTJysA
★観客席巡り?→ ハートJ ★
ハート→二枚見る事ができた!

ヒョイッ。

鈴仙はこころに気付かれないように、屈んだ姿勢のままお面を広い裏返した。
そのお面は一見すると、浮かれた表情を見せるただの喜びの面。
しかしこの造形に、鈴仙は見覚えがあった。

鈴仙「(この喜んでる男? のお面。 どうして無駄に髪型が天パなのかしら。 これじゃまるで……)」

――疑念を抱きつつも、鈴仙は何となく嫌な予感がしてもう一つ近くに落ちているお面を拾う。
裏返した面はどうやら怒りの面だったのだが――この怒る男の肌は浅黒く、
そして顔だけなのに無駄に袖まくりをしている波長が伝わって来る。これも見覚えがある。
……その二つの面を元に、鈴仙はこんな仮説を立てた。

鈴仙「(ひょっとして……こいつ、新しい面を手に入れてる!
それも、恐らく――。 『これまで幻想郷にやって来た外来人のサッカー少年を模した面』を!
そしてきっと、そのお面の効果は……!!)」

鈴仙は、前にこころと戦った時を思い出す。
確か、彼女は戦っている途中にも面をコロコロと変え、それによって使う能力を変えていた。
もしも彼女が、他のお面――今、鈴仙の手元にある面を戦闘の。
いや、有体に言えばサッカーの方面でも活用したらどうか。

鈴仙「(秦こころのサッカー選手としての特徴。
それは……『自分の意思で、自らのプレースタイルを大きく変更できる』――とかだったりして……!
それこそ、時によっては来生君のような高いドリブル突破能力を。
時によっては日向のような強力な必殺シュートを。
――そりゃあ、最初から何でも出来る万能型に比べれば見劣りするけれど。
でも、場面によって攻め手を増やしたり守り手を増やせたりするとなると。 超厄介よ……!)」

843 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/08(月) 23:30:21 ID:nhfTJysA
鈴仙の思考はそこまで発展していく。
そしてその仮定が正しかったとしたら……彼女を従えるチームの柔軟性は大きく増すだろう。

鈴仙「(――しかし、喜びと来て怒と来たら。 次は……哀? っていうか、4つしか無いのかな?
哀しみは一体誰で、楽は誰になるんだろ――)」

意外な収穫を得た鈴仙の頭は更に冴えていく。
もう一つ落っこちているお面を拾い上げたら、何かが分かるかもしれない。
そう思った鈴仙は、少し離れた場所で裏返しになっている第三の面も調べてみようとするのだが――。

こころ「あっ! 私のお面とっちゃダメーっ!」

ブウン! ドゴオオオオオオッ!!

鈴仙「ひゅいっ!?」

――……と、言った所で、呑気な事に漸く鈴仙の存在に気付いたこころが、
思いっきり鈴仙を突き飛ばして来た。
描写は省いて来たが、段差状になっているこのサッカーコートにで突き飛ばされた鈴仙はどうなるかというと……。

ガタンッ! ゴロゴロゴロッ……!!

鈴仙「あ〜れ〜〜〜っ!!」

――と、言う風に無残に人ごみを掻き分けつつも、段差を転げ落ちていく。
節々の痛みもそうだが、鈴仙にとっては迷惑そうにしている観客達の目線の方がもっと痛かった。

*鈴仙が、こころの能力傾向をやや把握しました。
*観客席を転げ落ちて情けなかったので、人気が心無し下降します(すぐ取り戻せます)。68→67

844 :森崎名無しさん:2014/12/08(月) 23:34:22 ID:???
あれ、わかったのはそっちか
てっきり目的の方かと・・・

845 :森崎名無しさん:2014/12/08(月) 23:34:25 ID:???
哀=影山?

846 :森崎名無しさん:2014/12/08(月) 23:36:50 ID:???
いわゆるオメンライドか

ファイナルオメンライド、ヒュヒュヒュヒュウガァ!ファイナルタイガー!

847 :森崎名無しさん:2014/12/08(月) 23:43:16 ID:???
この前は倒されたあげく興味ない発言
今回はお面拾ってあげたのに突き飛ばされ階段転がり。

うどんちゃん散々だ。

848 :森崎名無しさん:2014/12/08(月) 23:46:51 ID:???
これ813だったらどうなったんだろう

849 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/08(月) 23:53:58 ID:nhfTJysA
……と、言ったところで今日の更新はここまでです。
ここまでですが、追加イベントの判定を入れ忘れておりましたので、ここで1判定だけ先にやらせて頂きたく思います。

先着1名様で、

★アイデアロール→! card★

と書き込んでください。マークで分岐します。

JOKER→ダイヤ+特殊イベント発生。
ダイヤ→追加イベント発生!
ハート・スペード・クラブ→特にイベント発生せず

>>830さん
承諾ありがとうございます!
いえいえ、私自身自分で書いておきながら、中々これまでの展開を纏めるのは難儀しておりましたので…(汗)
こちらこそ、意図と違うように加工してしまうかもですが、
>>835,841
こちらこそ上から目線で色々と言ってしまいお恥ずかしいです。
色々至らない点や、思うようにいかない点もあるかと思いますが、また楽しく参加頂ければ幸いです。
どんな道を選んでも鈴仙は色々戦う事になると思いますが、決して悪い結果にはならないと思います。
>>844
一応>>811でヒントを出していたのですが、今のこころの目的を知るにはCが最適でしたね。
>>845-84
多分そんな感じです(適当)
>>847
Aで颯爽と拾っていれば交流できたかもですね。
本人に後ろめたい事があったのも原因かもしれません。
>>848
高確率でバレて戦闘になりそうですが、運が良ければアイテム入手+こころ弱体化になってたかもです。

それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。

850 :森崎名無しさん:2014/12/08(月) 23:54:57 ID:???
★アイデアロール→ ハートJ

851 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/08(月) 23:58:01 ID:???
すみません、>>830さんへのコメントを書きかけで送ってしまってました(汗)

>>830さん
承諾ありがとうございます!
いえいえ、私自身自分で書いておきながら、中々これまでの展開を纏めるのは難儀しておりましたので…(汗)
こちらこそ、意図と違うように加工してしまうかもですが、何卒ご容赦頂ければ幸いです。

――と、書くつもりでした。大変失礼いたしました。
それでは、今度こそお疲れ様でした。

852 :森崎名無しさん:2014/12/09(火) 00:35:51 ID:???
乙でした。
親切心で拾う選択肢だと大勘違い、私が良かれと思う選択肢は大体違っているという。
かつての師匠になんで妖夢にそこまでする必要あるのかの返答も見事に地雷踏み抜きました(てへり)

しかしこころさんチートですな。

ウサギさん育成キャンペーン開催中!
期間限定でウサギ達が覚醒確率アップ&特訓効果1.5倍!
更に期間内に全ウサギを名有り昇格させることで、限定ユニットウサギHをゲットできる!
ウサギHは低確率でピンゾロを、ジョーカー扱いにするレアスキルを所持しているぞ!
(冗談で書いたブラウザゲーム宣伝風。本気にしないでくださいね(汗))



853 :森崎名無しさん:2014/12/09(火) 00:44:11 ID:???
失礼は承知で言うけど、文章読解力が低すぎる
そこをなんとかしないと色んなところで地雷踏みまくって痛い目にあいまくると思う

854 :森崎名無しさん:2014/12/09(火) 00:50:48 ID:???
今森崎板で地雷埋められてるスレってある?
結構どこも簡単に思えるけど

855 :森崎名無しさん:2014/12/09(火) 00:52:07 ID:???
今回の選択肢を親切で拾うと言う解釈には普通思い至るわけがない。
本人に悪気なくても見るからに地雷選択肢選びまくって、他の参加者に被害を与えるのはちょっとどうかな……

悪気がないなら改善は難しいから、正解が明白な選択肢以外は他の参加者に任せた方が良いよ。

856 :森崎名無しさん:2014/12/09(火) 00:55:02 ID:???
ちょっとちょっと待った、
分かる人以外投票しない、そうすべきなんてのはダメでしょ。
そうやってダメになったスレ知ってるぞ!

857 :森崎名無しさん:2014/12/09(火) 00:57:18 ID:???
そうなんだけど、せめてもう少しでいいから文章をしっかり読む癖位はつけて欲しい

858 :森崎名無しさん:2014/12/09(火) 01:02:44 ID:???
第4勢力で騒動の発端になった俺が言うのもなんだけどまぁ落ち着きなさい
地雷を踏み抜くのもこういうタイプのスレにはつきものだ
そら地雷を好んで踏み抜くような人はあんまりいないと思うけどね
もし踏んだなら踏んだで仕方ないかなって思う
それより多人数参加型なんだから正解が分からないなら少しくらい議論しようぜ
スムーズな進行求めてほかの人が選ぶ無難な選択肢選ぶのもいいけどさ
出来ればでかく当てたいじゃん?

859 :森崎名無しさん:2014/12/09(火) 07:16:02 ID:???
>>852とかただの煽りでしょスルーしようぜ
結局自分が望んだ選択肢を選びたいなら張り付くしかないって

860 :852:2014/12/09(火) 07:47:13 ID:???
煽ったつもりはなかったです。
そう取られたのならすみません。

861 :森崎名無しさん:2014/12/09(火) 11:16:58 ID:???
ごめん、火に油を注ぎそうなのを承知で言うけど852が煽ってるようには俺には全く見えない

862 :森崎名無しさん:2014/12/09(火) 12:11:33 ID:???
承知なら言う必要ないじゃん
本人がそんなつもりなかった、謝るってのに
そんな言いがかり、文句つけられても困るでしょ?

863 :森崎名無しさん:2014/12/09(火) 21:45:07 ID:???
それは853にも言えるな

864 :森崎名無しさん:2014/12/09(火) 22:09:59 ID:???
お面変更ってスローインとかになった時に変更できるのかしら
いや、来生で突破した後に日向でシュートみたいな常時変更可だけはご勘弁をー(命乞い)

865 :森崎名無しさん:2014/12/09(火) 23:06:50 ID:???
>>862 フォローのつもりで言ったんだけどな、エラソーなこと言うけどなんかみんな余裕なくなってないか?
   リラックスしなさいリラックス

そういえば授業中こっそりメモするふりして動画見てて思いついた選抜に進んだ場合の展開

紫「内側から永遠亭と聖徳一向をぶっ潰そうと考えたのよ。悪いのは、妖怪でも人間でもない。
   妖怪と人間を強制的に操っている・・・その両方よ。」
霊夢「それは・・・私も、そう思うけど」
紫「でしょう? 昔から、あなたとは気が合うと思ってたの。
   あなたと私が組めば・・・きっと彼女らのたくらみを叩き潰すことができると思う。」

紫「でも・・・信用できないのは鈴仙よ。あいつは秩序の破壊を楽しんでいる。
   サッカーで勝利することで・・・自分の力を試しているのよ。 あなただって
  ・・・彼女に挑まれたでしょう?」
霊夢「いや・・・それは・・・試合で・・・」
紫「違う・・・あいつは口が上手いのよ。鈴仙・・・奴はあなたたち人間の敵であり・・・私たち妖怪の敵よ」

紫「都合が悪いのよ、あなたと鈴仙が仲良くなっては。いろいろとね・・・」

うん、我ながら違和感がそこまでない

866 :森崎名無しさん:2014/12/09(火) 23:13:37 ID:???
このスレがライダーネタに侵食されたのも鈴仙ってやつの仕業なんだ

867 :森崎名無しさん:2014/12/09(火) 23:20:58 ID:???
>>866 そのネットスラングが逆に有名になって村上さんが実際に使ったりゲームのスキルや技やカードになったりするのも
    乾巧ではなく鈴仙ってやつの仕業なんだ

868 :森崎名無しさん:2014/12/09(火) 23:22:32 ID:???
カイザー「漫画で俺がスタメン落ちなのも鈴仙って奴の仕業なんだ」
レンセンブリンク「なんだってそれはほんとうかい」
クリスマン「試合に出ていても俺たちと一緒に背景化で評価大暴落だろうけどな…」

869 :森崎名無しさん:2014/12/09(火) 23:26:31 ID:???
あえて、ここは俺が考えたルートを提示しよう!
妖夢ルート:俗に言う幼なじみルート、説明不要
虎ルート:俗に言う先輩ルート、収入の差で上下関係が既に決まってる
佳歩ルート:俗に言う後輩ルート、もしかしたらヤンデレかもしれない
パッチェルート:俗に言う先生ルート、想定の範囲外です
……このうどんちゃん、案外節操なくね?


870 :森崎名無しさん:2014/12/09(火) 23:30:31 ID:???
大丈夫、大抵ラスボスに懐かれる楽園の素敵な巫女さんに比べたらうどんちゃんはまだまだ。

師匠ルートやけーね先生ルートもあるかも!?
もこたん? だってもこたん特訓してくれないんだもん。
それに姫様という相手がすでにいるし(素)


871 :森崎名無しさん:2014/12/09(火) 23:33:03 ID:???
姫様はミサキーヌルートに入る可能性もあるから、あきらめたらそこで試合終了だよ

872 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 00:03:11 ID:???
こんばんは、判定も投票もないですが投下していきます。
>>852さん、乙ありがとうございます。
何気に今ウサギHちゃんが来ても、佳歩が強くなった影響で不動のFWになれない可能性も…?

>書き込みについて
昨日も先日も、ネチケットを大事にして、配慮ある書き込みをお願いします、
と申し上げてはいますが、誰かがちょっとでも不快に感じた書き込みは全部荒らしで煽り……
とまで行くと、それは行き過ぎだとは思います。その辺りの線引きは、誰か一人では無く、皆で決めるものだと思います。

>選択肢について
勘違いや主観によるズレを避ける為に、ロールプレイを推奨している場面では無く、
ゲーム的な損得が交わる場面では、>>811のように、
「どんな行動をしたらどんな結果になるか」……を極力事前に提示したいと思っています。
むろん、それでも間違える場合もありますでしょうが、1回間違えただけでご破算、
……のようなバランスにはしていないつもりですので、あまりカリカリせずに参加頂ければ幸いです。

>>864
常時変更可だったら、最初っから全能力が高いのと同じなので、多少のペナルティはかかると思います。
森崎→超モリサキに変身する際のタイムラグみたいなのを想定しています。
>>865
そんな展開になるか、それともならないかは、鈴仙の行動に掛かって来ると思います。
ややネタバレになりますが、選抜ルートを選んだ場合は、>>865の展開にならないように、
もしくはなってもそれを変えるべく、鈴仙が奮闘する話になると思います。
>ルートについて
私はやはり姫様ルートでしょうか(異端でもない)

873 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 00:04:13 ID:???
佳歩「……あっ、鈴仙さま。 し、試合始まってます。 始まって、ますけれど……!?」

鈴仙「はひぃ……酷い目に遭ったわ……」

――鈴仙が色々な配慮を終えて、ルナティックスメンバーが陣取る観客席に戻って来た頃には、既に後半戦が始まっていた。
酷く打ったおしりをさすりながら、涙目になりながら座席に這いより、
どこか慌てた様子の佳歩が買って来てくれた コーヒー を貰って、意識を試合モードへとシフトさせていく鈴仙。

鈴仙「さーて、試合は後半3分で始まったばかり。 今は紅魔が1−0で聖徳にリードしているんだっけ……」

――と、ノンビリとフィールドに視線を向けた時。

鈴仙「――えっ……? な、何この展開っ!?」


岸田「悪く思うなよっ。 あれもこれも全部お上の命令なんだ……っと、『シャークタックル』!」

ブウン、ズザザザザーーーッ!!

パチュリー「……む、むぎゅっ!?(――こいつら! 後半戦になってから私を露骨に……!!)」

ドゴオオオオッ!!

実況「あっと、パチュリー選手吹っ飛ばされた〜〜!!
この試合、珍しく後半戦も継続して出場しているパチュリー選手ですが、
やはり彼女の支配力はホウリューズにとっても脅威なのでしょうか! 執拗にマークを続けております!」

咲夜「……パチュリー様!(――馬鹿な! あれはどう見てもパチュリー様を……。
いや、パチュリー様を『吹っ飛ばす』事に意識を集中しているプレイ。
反則では無いけれど。 そもそも、あいつ等はもうパチュリー様の能力の欠点を見抜いていたと言うの……!?
既に調査済み。 いや、お嬢様の『スカーレットマーチ』を見抜き零したように……。
豊聡耳神子は、一瞬見ただけでパチュリー様の全てを理解したというの!?)」

874 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 00:05:17 ID:???
神子「(……私の耳は十人の声を同時に聴けるんだ。 そんな私が一人の声を聴こうとしたら、聴力は常に凡人の十倍。
――全ての技やスキルは、この私の前では常に情報公開状態と考えた方が良い)」

――パチュリー・ノーレッジが鈴仙の協力を経て開発した大魔術、日符・『フォトシンセシス』。
太陽エネルギーを媒介にして供給される大量の魔力を元に、パチュリーは自身の喘息を無理やりに食い止めているのだが…。
しかし、魔術とは辺て等価交換。『フォトシンセシス』にもやはり欠点が存在している。

パチュリー「(喘息を完全に克服する代わりに、普段は気にならないレベルの虚弱体質の悪化……か。
この魔術にも、まだまだ改良が必要みたいね……)――(ドゴオッ)……むぎゃふんっ!!」

岬「ああ……本当に悪いね。 悪気では無いんだが、少し肘が入ってしまったようで」

実況「本間選手の貧弱なパスをカットしたパチュリー選手、
すぐ前方のフラン選手に渡そうとしますが……今度は岬選手のチャージで吹っ飛ばされる!
岬選手は、外の世界ではフィールドのアーティストとも称される技巧派プレイヤー!
やはりこれは、無理を押して後半戦に出ているが故の副作用なのか〜〜!?」

パチュリー「技巧派……技巧派ね。 ……大した技巧派だこと(……でも、賢者の目には狂いが無い。
――あんたがこういうプレイヤーである事は当に読めている。 だったら、対策だって――!)」

岬「(しまったな。 彼女も三杉と同じタイプか。
天才肌で、賢者と連呼しているから来生タイプと勘違いしていたが……。
今みたいな「際どい」プレーは、今回限りにしておくべきか。 ――と、ここはそんな表情で)」

フラン「(…………)」

875 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 00:06:25 ID:???
――鈴仙が見る限り、後半戦が始まって以来、
聖徳ホウリューズは得点よりも、中盤の要たるパチュリーに対してのマークに執心していた。
タックル力に優れる岸田を中心に、岬までもがパチュリーに張り付きタックルに向かう。
無論、中盤の要たる岬や、一芸特化のストッパーたる岸田にそうした無理な動かし方をさせる事により、
圧倒的に高かった聖徳ホウリューズのボール支配率は大きく下がる。
しかし、そうして中盤でボールを得た紅魔は――、レミリアに上げるにしても咲夜に下げるにしても、
少なくとも一旦はパチュリーを経由する事が多い。
ホウリューズは、その一瞬の隙を狙って、仕切りにパチュリーにタックルを浴びせて来るのである。

鈴仙「な……何よ何よ! あんなの、反則でしょ!」

ウサギB「パチュリーさんの突破を警戒している……って言うか。
どっちかと言うと、パチュリーさんの存在そのものを警戒しているみたいです。
兎に角沢山プレーさせて、いち早く負傷なり疲労で退場させたいような――」

つかさ「……後半開始直後です。 神子さんが指を頭上で鳴らしながら、”たわむれはおわりじゃ”って。
そう言ってから、チームの人たちも「われにおまかせを!」とか「やってやんよ!」とか盛り上がり始めて。
……何が起きるかと思ったら、これなんです」

ウサギC「ぱっちぇさん、前半でも結構動いていたから。 もう既にボロボロって感じだよ〜!」

慧音「……勝つ為とは言え、フィジカルに不安のある選手を執拗に狙うのは道徳的には恥ずかしい事だ。
私は、そう思っているのだが――果たして、他の皆も同じに思うか……」

ウサギD「ど、どうしてですか慧音先生! だいいち、あんなの可哀想です! 観客さんだって、ブーイング……」

輝夜「それがしてないのよねぇ。 ――不思議なくらいに」

ゴールやボールの支配よりも、一人の選手の弱点を突き続ける聖徳ホウリューズのやり方に、
疑問を覚え憤慨したのは純粋にパチュリーと親交があった鈴仙。それと、元々気性の大人しい永遠亭の妖怪ウサギ達だった。
そして、慧音を始めとする、ルナティックスの仲間達にも一連のプレーに首を傾げる者は多かったが……。
――輝夜が周囲を見回しながら示すように。

876 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 00:08:00 ID:???
観客「――ワァァァァァァアアアアアアアアアッ!!」「いいぞーー!! もっとやれーーー!!」
「人を殺し病を広める魔女は退治しろー!!」「くそっ! 岬さんは何て悪意の無い! 岸田みたく、もっと吹っ飛ばせば良いのに!」

永琳「――後半になってから。 聖徳ホウリューズのサポーターが、不自然に幅を利かせているようで。
『勝利の為ならば、反則でない限り、あらゆる手段を使うべきだ』。
……そんな、幻想郷的には珍しい考え方が、このサッカーコート中に広まっているみたいね」

鈴仙「……そんな!」

――まるで誰かにより事前に申し合わされたかのように。
人里サッカーコートに居る観客の殆どが、聖徳ホウリューズの取った行動を評価しているようだった。
この時、一定数いた筈のスカーレットムーンズのサポーターの声は殆ど聞こえず。

レミリア「(……まさに四面楚歌、と言った感じか。 力は妖怪の山をひっこ抜き、霧は幻想郷全体を覆う私だが、
……さて、時と運は未だ私に利してくれるのかしらね)」

逆境だらけの現状にも動じず、ゴールを見つめて静かに笑うレミリアは自らの運命を愉しみ。

フラン「(――あいつ。 あの笑顔でパチェにこっそり肘入れてた人間。 ……あいつ、好きじゃない)」

一方で、狂気を克服しつつある中、未だ幼さが抜けきらぬフランドールは、
この逆境に、鈴仙が感じたのと同じような、純粋な不満と憤りとを覚えていた。

877 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 00:09:02 ID:???
――と、駆け足になりましたが今日の更新はここまでです。

それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。

878 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 00:10:29 ID:???
やっぱりウサギ仮面で出場しとけばよかったw乙

879 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 00:19:56 ID:???
ベストイレブンに爽やか893ディフェンス、前から似合ってると思ってたんだ
やったら人望ガタ落ちだけど

880 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 00:27:00 ID:???
宇宙の王者ばりに汚いチームだな
ヒール役としては申し分ない

881 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 00:27:47 ID:???
これはサクラかな?
次回はフラン活躍の巻の予感。狂気を克服しているようでなにより。
しかし予想以上に岬くん黒いな。

霊夢「私の勘が告げている! 鈴仙をウサギ仮面としてさっそうと登場させれば、この騒動は治まるわ!」
鈴仙「なにその傍迷惑かつピンポイントな勘は!?」
紫「博麗霊夢は全て正解よ」
鈴仙「なんであんたも来ているのよ!? しかも既に仮面用意済み!?」
早苗「鈴仙さん! ここ幻想郷では常識に囚われてはいけないのですよ! 大丈夫、鈴仙さんならできます!」
鈴仙「だからどっから出てきたー!? そしてなんで全て託したみたいなこと言っているのよ!?」
永琳「ウドンゲ。もはや貴方は強者。それなりの責任と役割が課されるのよ。そう、今がそのときなのよ!」
鈴仙「師匠までなに言っているんですか!」
佳歩「(よく分からないけど)鈴仙さまなら大丈夫です!」
鈴仙「その無条件の信頼やめて! 心に痛いから!」

乙でした。

882 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 00:33:39 ID:???
乙です
あーあ、見事に罠に引っかかるなぁ
やっぱりフランはマリーシアの餌食になるか
予想はできてたけどね

これで妖怪と人間の対立が深まるな
戦え・・・戦え・・・最後の一人になるまで・・・

883 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 03:16:37 ID:???
あれ、パサーっていなかったっけか
小悪魔に渡せばいいのになぜ

884 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 08:30:16 ID:???
あれ、パサーっていなかったっけか
小悪魔に渡せばいいのになぜ

885 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 17:15:12 ID:???
見損なったぞ岬太郎!ドゥンガの教えを受けたジュビロ磐田の黄金期の先輩方が
おまえのことを見たらきっと失望するだろうな!

にしても改めてみると福西崇史ホントスゲーな、手癖が悪いなんてレベルじゃない
何で本当にこの人ファール貰わないんだろうねw


886 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 17:15:17 ID:???
ガレリ「助っ人です、なんなりとお使いください」
伝説の超ブロリコン「レミリアとフランをいじめる奴は俺が破壊しつくすだけだ!」
岬犬「もうだめだ…おしまいだぁ…!」神子「一人用のPODで非難するじゅんびだぁ(死亡フラグ)」

887 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 17:17:39 ID:???
岬犬が893ディフェンスをしてきたということは神の手シュートも当然のごとく搭載か

888 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 17:21:04 ID:???
本物の893の功績(探せばまだある)
http://www7.atwiki.jp/fuku293893/pages/19.html

889 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 17:23:06 ID:???
なんとなくだけどGKにヘディングシュート決められてミサキーヌが地獄を見そうな気がするw

890 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 17:30:27 ID:???
手刀ディフェンス(DF)

891 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 23:39:54 ID:???
こんばんは、今日も描写だけで終わってしまいました(汗)
ちょっと急展開かもですが、読んで頂ければ幸いです。
>>878
乙ありがとうございます。
ウサギ仮面が出てたら、鈴仙が代わりに吹っ飛ばされてましたね…(違)
>>881
乙ありがとうございます。
観客や岬の行動についても、また説明があると思います。
>>882
乙ありがとうございます。
マリーシアすら必要無いかもしれませんね。
>パチュリーじゃなくて小悪魔に渡せば?
描写を省いてしまってましたが、同じ列の咲夜と同様な理由で、中々ボールが渡らない。
キープ力が低めなのを神子に突かれているなどで、ボールが渡っても奪われる…
と、いう風に解釈して頂ければと思います。
>893ディフェンスについて
>>888のアドレス先を見たのですが、リアルキャプ森キャラみたいな人、この世に居るんですね…w

892 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 23:42:51 ID:???
岸田「あーらよっと、もういっちょ!」

――ドゴオオオオオオオオオオオオオオッ!

パチュリー「……ぐっ!(今、逆走していたわねコイツ……!)」

小悪魔「――ぱ、パチュリーさまぁ! ど、どうしてこんな事、平気な顔して……!」

岸田「スマン。 アンタ等には悪いが、これも幻想郷や世界を良くする為には必要なんだ。
……と、お上も言っていたしな」

岬「(――『上からの命令』。 この魔法の一言で人間はどこまでも残酷になれる。
かつて大量のユダヤ人を虐殺した、アドルフ・アイヒマンを見ればすぐにわかる事だよね)」

実況「あ〜っと、パチュリー選手、これで早くも5度目の吹き飛び!
岸田選手のタックル自体はボール越しの何ら反則性も無いプレーでしたが、
やはりフィジカル不足が祟ったのでしょうか、ボロ雑巾のように弾き飛ばされます!」

フラン「……! パチェ、あなたケガしたんじゃ……!」

パチュリー「――まさか、妹様に心配されるなんてね。 ……でも大丈夫よ。
賢者は魔法使いじゃなくて僧侶のスキルも使えるし回復とかもケアルガとか使えて強いから無敵だし。
賢者は主役で吸血鬼は悪役だからやはり賢者は最強だから……」

咲夜「……やはり錯乱しています。 後半何言ってるか良く分かりませんし」

美鈴「というか、賢者も割と脇役キャラですよね?」

パチュリー「……大丈夫。 少し足を捻っただけだから。 本当に、大丈夫……。
――後美鈴は試合終わった後呪殺するから」

美鈴「ヒイィッ!?」

893 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 23:44:16 ID:???
フラン「……パチェ!」

レミリア「(…………)――待ちなさいフランドール。
……あいつが大丈夫だって言っているんだ。 ここは、あいつを信じてやろう……」

フラン「で――でも!」

パチュリー「……ほら、フラン。 貴女は大事な点取り屋なんだから、棒立ちしてないでしゃきっと走る。
そういうレミィも。 まさかこの試合、たったの1得点で満足しているんじゃないわよね?」

レミリア「……ほら。 あいつはこういう奴なんだ。 あいつはどうも、理論派を気取っている割には堪え性が無さ過ぎる」

パチュリー「――行くわよ……!」

ダッ!

フラン「……あっ!(……どうして? どうして賢者賢者うるさいけど基本は優しくて。
ずっと閉じ込められていた私にも、ドヤ顔で魔法を教えてくれたパチェが、ああやって苛められなくちゃいけないの……!?
そりゃあパチェはたまにというかいつも、どーでも良いうんちくを披露してて寒いけど、凄く良い魔法使いなのに……!)」

実況「おっと、ここでパチュリー選手に近くのチームメイトが集まりますが……ですが、おっとどうやら試合は続行の模様!
パチュリー選手、先程の吹き飛びで負傷が疑われましたが、気丈にも再びボールを確保せんと走り回る!」

神子「――へぇ、意外だな。 あなたはもう少し、効率的に物事を考える魔女だと思っていた。
……即ち、次以降の試合に支障を来さないよう、この場は一旦退場する……とね。
実際の話、ここで勝たなくとも、恐らくあなた達のチームは二位で予選を突破出来るだろうから」

パチュリー「私もそう思う。 ……だけど、悪い友達に影響されてね。 気が随分と短くなったのよ……!」

ダッ、シュパァァアッ!! ――パシッ!

石田「……松山。 素晴らしいタックルだ」

894 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 23:45:18 ID:???
実況「――そしてパチュリー選手、必要最小限の動きで、中央に寄っていた石田選手からボールを奪い取る!
石田選手のドリブルがパスと比べてお粗末という事情もありましたが……しかし、それでも、
パチュリー選手の動きは冴えている! そう言ってしまっても構いませんでしょう!」

パチュリー「(ここで恐らく、背番号11番(岬)かさっきの岸田が即座にタックルに来る!
……だけど、私の『芸術的なドリブル』ならばキープは充分可能。
一瞬でも隙があれば、後は小悪魔の『トップスピンパス』なり、咲夜の『ザ・ワールド』なりで反撃出来る! そうすれば――!)」

岬「……さぁ。 ――チェックメイトだ」

――パチュリーの予測通り、振り向くと岬は仮面のような笑顔で彼女に肉薄していた。

パチュリー「(恐らくは、絶対にバレないと断言できる程精度が高いダーティディフェンスを披露するのでしょうけど。
ええ、やってみなさい。 それで私を退場させなさい。 そうしたら――相打ちにしてあげるから!)」

パチュリーは自身の周囲に纏わせた魔力を確認しながら、
覚悟を決めたように目をぎゅっと瞑り、そして向き直ると――そこには、パチュリーの想定の範疇外の影が二つあった。
一つは、岬の居た方向から死角の位置で、肘を突き上げタックルに出ようとしていた本間の影と。

フラン「これ以上……パチェを、いじめるなーーーーーーーーーーーーーーーっ!」

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ――――!!
        バギュウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!! ドッガァァァァァアァァァァァアン!!

本間「――ぐはっ!?」

――ピッ、ピピピピッ。 ピィィィィィィィィィィイィイーーーーーッ!!

パチュリー「……フラン。 貴女――何、を………!」

その本間に対して真横から錐揉み状に突っ込み、遥かサッカーコートの観客席の端まで突き飛ばした、
……フランドール・スカーレット。 彼女の影だった。

895 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 23:47:21 ID:???
岬「(本間君に、『紅魔館の賢者は反則を意識させるポーズに弱い。
だから、反則にならない程度に肘を突き上げるなどポーズを取っておけば、君でもボールが取れるかもしれない』
……と、アドバイスをしておいて良かった。
下手なマリーシアをして失敗するのも、ああやって吹き飛ばされることも辛いからね。
――自分の手は汚さずに欲しい物を手に入れる事は、優秀な為政者の基本。 あの太子様と僕とは、やはり気が合うらしい)」

神子「(私は何もしていない。 狂気の妹君の破壊に対する欲望を聴き取り、岬君にその臨界点を教えただけ。
――全く違法な行為はしていない、全て秘書がやった事だからね)」

――実況や観客が言葉を失ってただただ混沌にどよめき、審判が血相を変えてフランドールに赤い札を突きつける姿を見て、
岬と神子は互いに偽善者染みた、悲しい笑みを浮かべていた。



フラン「……そうよね。 サッカーでも弾幕ごっこでも、ルール違反の実力行使は許されない。 ――別に良いもん」

悲しげに俯くフランドールには、審判の叱責や困惑の声はどこかぼやけて聞こえていた。

フラン「(お姉様が私をずっと閉じ込めていたのも、今のでなんだか分かった気がする。
――やっぱり、私は狂っているんだ。 さっきだってそう。
少しでも気に入らない事があると、それだけで全部をブチ壊そう……って事くらいしか思えなくなってた。
折角お姉様が私を期待して外に出してくれて。 それだけじゃなく、パスとか……合体ツインシュートとか教えてくれたのに……)」

――惨めな気持ちだった。何度も何度も禁じられていて、他の皆があたり前に出来ている事が、
……それが、自分にはどうしても出来ない。 努力が足りないと言われればそれまでだ。
しかし、では……何をどうすれば良いのだろうか。 それを考えるには、今の彼女は幼すぎた。

896 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 23:47:33 ID:???
ウサギ仮面とブロリコン、今すぐ交代だ

897 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 23:48:32 ID:???
咲夜「……フランお嬢様。 せめて私めが、ロッカールーム――控室までご案内いたします。
何卒それで、貴女に対してどこまでも無力な私を……お赦し下さい」

美鈴「(ど、どうしよう。 妹様が辛そうだけど言葉が思いつかない!
……それにやっぱり、あの吹き飛ばされた本間君って子も気になるし……!)」

陸「全く、あれでも妹君はずいぶんと手加減していただろうに。 リーベンレン(日本人)は相変わらず大袈裟アルね」

小悪魔「そ、それよりパチュリー様! パチュリー様はご無事なんですかーー!?」

――従者にしてチームメイトの慰めや同情、あるいは全く無関係の声が聞こえてくる。
しかし、それでもフランドールの気持ちは晴れない。
今の彼女には、もっと自分の近くに寄り添ってくれる存在の声が必要だった。

レミリア「フラン。 ……さっきの行動は、淑女として決して誇らしい物では無い。
……淑女とはつまり、あらゆる状況においても法と礼節――サッカーで言えばルールを重んじなくてはいけないのだから」

フラン「……お姉様、ごめんなさい。 ……ごめんなさいっ!」

それを知っているレミリアは、何時の間にか審判を押しのけてフランドールに駆け寄り。
紅魔と当主として厳格な口調を保つ裏腹――愛しい妹の頭を優しく撫でていた。

レミリア「……そういった意味では、誇り高き紅魔を総べる当主として、貴様は恥ずべき存在だ。罰しなくてはならない。 でもね――」

フラン「でも……?」

――そして、自分とそう背丈も変わらぬ妹に対して目を合わせ向き合い、レミリアが再び口を開こうとしたその時。


        霊夢(観客席)「その審判、ちょーっと待った〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

――空を飛んで、巫女が一人、神聖なフィールドに乗り込んで来た。

898 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 23:54:54 ID:???

ビュウウン!!

神子「!? ……あれは、巫女!(――ま、まずいな。 これは想定外ね……)」

布都「なんと!? 博麗の巫女とは神子様だったのか!? ……ん、ではどっちが本当の太子様なのじゃ?」

屠自古「布都は黙ってて。 話がややこしくなりそうだから……」

実況「あ〜〜っと! なんと! ここで試合を観戦していた当代博麗の巫女・博麗霊夢が!
空を飛んで文字通りの飛び込み乱戦〜〜〜!! これは一体どうした事でしょう!」

レミリア「……どうしたのよ、霊夢。 今折角、私のカリスマが炸裂するシーンだったのに」

霊夢「どうもこうも無いって。 レミリアさ、あんた、今の判定で良いの?」

レミリア「……どういう、意味かしら」

紅魔スカーレットムーンズと聖徳ホウリューズの試合に乗り込んで来た霊夢は、
親しさと冷たさを併せ持った怒り表情で、レミリアにびしっと人差し指を指してきた。

パチュリー「……私が、巫女に依頼したのよ」

そんな霊夢に支えられ、辛うじて立っていたのはパチュリーだった。
そして、彼女の右手には……一つの水晶玉が握られていた。

霊夢「ん。 そうそう、パチュリーがね。
『聖徳ホウリューズが故意に反則をしている事を示すべく、周囲の魔力を集めて、
カメラみたく過去の映像が映る珠を作ったから、この珠に映る映像が偽りで無いかを確認して』……ってね」

899 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 23:56:41 ID:???
じゃあ肘入れてたミサキーヌ問答無用でレッドじゃんw

900 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 23:57:48 ID:???
岬「(な……何だって……!? そんなご都合主義的な事があって堪るか……!?
確かに、僕の故意の反則について彼女は察しているようだったが、しかしそこまで準備していたなんて……!)」

パチュリー「(……あまり褒められたやり方では無いと思うけど。 ――けれど。
私は賢者である以前に魔法使い。 魔法使いは考えて、考えて……そして、汚くとも勝利を掴みたがる事が性分。
……レミィがどう考えるかは分からないけれど。 ――これが、今の私が勝利を目指す為に出来る、唯一の事だから)」

実況「――え、ええー。
つまりどうやら、博麗の巫女は、一連の聖徳ホウリューズのプレーに反則があった!
――と、いう事実を確認証明する為に呼ばれた。 そういう事だそうです!

確かに、幻想郷において博麗の巫女は中立。秩序の象徴です!
また、こと異変やもめ事の解決において、彼女の影響力は確かに大きい。
パチュリー選手はどうやら、事前に聖徳ホウリューズの目に見えない反則を予期して自前のカメラに映像を保存した上で、
更にはその信頼性を博麗の巫女に担保させる事で、ホウリューズメンバーの反則を告発しようとする意図のようです!」

観客「わ、ワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?」「ど、どういう事だー?」「審判じゃなくて、巫女が判断するって事?」
「それってアリかよ!」「いや、でもそっちのが良いんじゃね? いつもそうして来たし」「何でもいいから早く決めろー!」

鈴仙「……ど、どうなのかしら、それって。
何だか、パチュリーさんがいつの間に都合良く風景を映像化していたのも不思議だけど、
それを巫女が見て、それで妥当性をジャッジするなんて……!」

パスカル「――まぁ、外界ではあり得ないな。
ワールドカップでの審判の判断に対して、たまたま試合を観戦していた米国大統領がケチを付けるような物だろう?
あまりに唐突なデウスエクスマキナの出現だ。 ……幻想郷では、今みたいな事が良くあるのか?」



901 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 23:59:51 ID:???
ああ、なるほど、これで全部鈴仙って奴の仕業になるのか

902 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 00:02:21 ID:???
>リアルキャプ森キャラみたいな人、この世に居るんですね…w
そして日本代表でラブマリーという現実

903 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 00:03:08 ID:???
ちなみに893の動画はニコニコよりYoutubeで探した方がいい
ニコニコにはほとんどない

904 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/11(木) 00:07:09 ID:???
てゐ「うんにゃ。 今日が初めてだよ、パスカル君。
……っていうか、あんな聖徳ホウリューズみたく、ルールスレスレなプレースタイルをするチーム自体、
今まで居なかったからね〜。
パッチェさんがあんな飛び道具使ったり、こんな混沌としちゃうのもある意味しゃあ無いと思うけど」

佳歩「たぶん、皆混乱しているんです。 さっきは確かに聖徳ホウリューズのやり方を褒める声が大きかったけど、
今はまた困惑に戻っている。 どっちが正しいか分からない。 だから……巫女が求められ受け入れられるのも、おかしくないと思います」

ウサギC「ひとをボール越しでりょ〜じょくするのは、ルールスレスレじゃないの〜……?
っていうか、スレスレ以前に今のよりも、よゆ〜でルールアウトな気が……?」

ウサギB「Cちゃん、黙って。 これ以上いけない」

慧音「……だが、不正があるならば、公平に裁かれるべきと。 頭の固い私は、そう思ってしまうな。
――公平とは何か、不正とは何か。 それに対する答えを持ち合わせていない私がこう言う事自体、おこがましいかもしれないが」

妹紅「何だかんだで、巫女が来たらもう安心だ。 後は巫女に任せておけば良い……って思ってしまうのかなぁ、皆。
――そこまで期待されるのも、何だか疲れそうだけど」

――ルナティックスメンバーも、一連の展開に対しては困惑の方が強かった。
特に外界出身のパスカルにとっては、審判の判断よりも霊夢の判断が優先され得る事は信じられないと憤る。
他のメンバーも、思い思いに今の状況について口にしていたが、決然とした結論を出せる者は少ない。
果たして鈴仙達がフィールドの方に意識を戻すと、事態は更に動こうとしていた。

905 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/11(木) 00:08:35 ID:JltK0CqY
霊夢「……吹っ飛ばされた子は可哀想だけど、フランも信じらんないくらい狂気を克服しているし。
それに、元が相手チームの反則だとしたら、フランの反則も情状酌量の余地があるって事でイエロー位にして、
その代わりに……えっと、あの岬君ってのをレッドカードにした方が良いんじゃないかしらね?
――私、ぶっちゃけサッカーの反則の基準って良く分からないけど」

霊夢は何時の間にか、審判に対して進言までしていた。
普段の生活では霊夢の立場がここまで特別かと言えばそうでは無いが、
審判を含めた全ての人妖が、今までの幻想郷らしからぬ異変染みた展開に驚いていた。
そのためか、霊夢がサッカーのルール――審判の判断は絶対――を越権して、
こうして真面目な顔でフランへの処遇について指示を出していても、それを疑問に思う者はいない。
……恐らく、霊夢本人すら自身の行為の妥当性について疑っていない。

神子「(むむむ。 八雲紫はプロジェクト・カウンターハクレイ潰しにご執心と聞いていたから、
それを受けて博麗の巫女も我々では無く、ヒューガーの方に行っていると思っていたのに……)」

岬「(――どうやって責任を逃れる? 故意では無かった? ……駄目だ、僕たちは何度も彼女に執拗にタックルへ行っている。
――上司の命令で仕方なく? ……駄目だ、僕の上司は使えない人材は容赦なく切り捨てる。 逆に僕に全責任を負わせて来るだろう。
……くそっ。 僕としたことが、逆に騙される羽目になるとは――迂闊だった)」

――それは、今まさに自身に不利な判断を下されようとしているホウリューズにとっても同じだった。
傍目から見て如何に信じられない展開だろうと、納得をせざるを得ないと感じていた。
――故に。

レミリア「……いや、ちょっと待って霊夢。 それはあんたが決めて良い事じゃあない」

霊夢「……えっ?」

……そんな霊夢に対して口を挟む事が出来たのは、
強大な権力を持ちながらも高潔で、それに溺れる事を何よりも嫌い。
そして何よりも、あらゆる状況においても法と礼節……即ちルールを重んずる貴族の中の貴族。
――紅帝。レミリア・スカーレットただ一人だった。

906 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/11(木) 00:10:37 ID:???
……と、いったところで今日の更新はここまでです。
コメント等については、また明日まとめて返していければと思います。

それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。

907 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 00:27:45 ID:???
乙です
ここで判定だ!

★岬(ここはこういえば切り抜けられるんじゃなかな)→! card★
JOKER→これも全部鈴仙ってやつのしわざなんだ(必ずみんな信じます)
それ以外→いきなり赤い目をしたウサギが狂気の瞳を使ってきて・・・

908 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 00:36:09 ID:???
乙でした

909 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 00:37:27 ID:???
★岬(ここはこういえば切り抜けられるんじゃなかな)→ スペード8

乙でした。
裏はあれど、それなりにまともな集団かと思って妖夢の背中押したけど、これで良かったか不安になってきた。
けど、これ妖夢の耳にも入るか。

この裁決がどうあれ、神子と岬達の評判はがた落ちだよね、もうご破算……いや、奥の手の一つや二つあるのかな?
霊夢さん仕事した!
パスカル君は不満そうだが、個人的にはグッジョブ(古い)
レミリアさんのカリスマ回かな、次回は。


910 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 00:39:21 ID:???
妖夢のことは信じろ、信じるものは救われるのデース
ちなみに次の試合に応援に行くのかしら?

911 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 01:25:43 ID:???
乙でした

マリーシアは大嫌いだから、正直言って岬は退場になってほしい。
だけど、霊夢の乱入を許したら、審判の判定は絶対だという秩序が崩壊してしまう。
例えば、パチュリーが明らかに反則したにも関わらず、観客席にいた霊夢が乱入して取り消しが認められた。なんて事態が起こりかねない。
その先にあるのは、審判の判定に誰も耳を傾けない、買収の公然化といった、悪夢のような光景だ。
うーん、難しいところだなぁ…。

912 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 01:32:15 ID:???
現実でも思ってたけど審判の技術をもっとしっかりさせてくれ
大舞台で噛み付きや飛び膝蹴りかましてもレッド出さないのは論外以下だ

やはりマスターアンパイアを現実入りさせるしかないか…

913 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 06:55:13 ID:???
審判を欺く技術自体はいいんだけど当然超えてはいけないラインというものがある

914 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 09:23:41 ID:???
幻想郷の秩序を守ろうとしている霊夢が、サッカールールという秩序を破壊しようとする矛盾

レミリアは、さすが紅帝だね。妹のピンチに一番抗議したいのはこの人のはずなのに。心を鬼にして霊夢に待ったをかけるとは

915 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 11:40:29 ID:???
霊夢の行動は最善ではなくても、それに近いものかな。

見過ごすのは完全にNG。
紅魔が完全に悪者になる。
この後恐らくパチュさんも負傷させられ、観客は当然の報いと騒ぎ立てる。
マリーシアのレベルを完全に逸脱した神子や岬達が称賛され、人間と妖怪の仲が最悪になる。
幻想郷の秩序を守るものとして動かないわけにはいかない。

逆に霊夢が完全に判断を下して強硬すれば、サッカーにおける審判の絶対性が覆した前例を作ることになる。
が、あくまで進言に止めており、審判を尊重しているからね。
ベストなのはあくまで岬達の不正を暴くだけで、判断は審判に一任することかも知れないけど。

しかし、この試合見に行かなかったらどうなってたんだろう?

妖夢「私はハイパーカンピオーネを止めるぞ鈴仙ーっ! 詳しくは今日の朝刊で!」
みたいなことになってたのかな?

916 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 16:35:46 ID:???
なんというか相手チームにも滅多に敵を作らないプレイスタイルの本編岬は相当な策略家なんだなと変な所に感心してしまった。

917 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 21:03:27 ID:???
この状況を紫はどうみるんだろうね

918 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 21:04:00 ID:???
ここの岬君は、神子にはめられた結果、本来の矜持を捨てざるを得なかった岬君か。
本来なら、上手くことが運んでも、確実にレミリア達を敵に回すこんな真似は絶対しないだろうし。

919 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 21:04:21 ID:???
紫「これも全部鈴仙ってやつのしわざなんだ」

920 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 21:07:37 ID:???
もう全部神子の仕業でいいんじゃないかな
あれ、あながち間違っていない気がするぞ?

921 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 21:12:01 ID:???
現実の神の子が神の手シュートしていたから
この世界でも神子が手を使ってシュートしてきたりして

いや、岬犬と神子で神の手ツインシュートでくるか(迷推理)

922 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/11(木) 23:53:29 ID:JltK0CqY
こんばんは、書いていきます。
また、先日言っておりましたとおり、>>830-831さんの書き込みを参考に、
まとめwikiに【第1章までのストーリーの流れ】と【現在鈴仙を取り巻く勢力】欄を新規追加しました。

http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/104.html

これから新しく拙作を読んで下さる方。暫くスレを離れ、今の状況が掴めない方などにとっても、
参考になれば大変うれしく思います。
重ねてとなりますが、>>830-831さん。書き込みありがとうございました。(少しというか結構改変してるかもですが…)

>>907さん、>>908さん、>>909さん、>>911さん。乙ありがとうございます。
>神子と岬について等
今のところ、反則の決定的瞬間は出ていない感じです。
霊夢も「まあパチュリーが正しいかな〜」程度なくらいですね。

この二人は特に、本来のキャラとはずれた行為をしているかもしれません。
分かり易いヒールポジションであって欲しいとは思っていますが、
それでも、そのキャラらしさを活かせるよう、もう少し上手く描写したいと思います。

それと、これはまた後日じっくり描写したいと思っていますが、
妖夢は神子が今日の試合のように、勝つために汚い手をも堂々と使いうる…
という事を知った上で計画に乗ると決意しています。

923 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/11(木) 23:54:56 ID:???

レミリア「多分、そのパチェが隠し撮りしてた映像を見ると、あいつらはきっとクロなんだろうね。
まぁ、それも汚い魔女の合成映像だ……とか言われると厳しいし、
パチェはそれを見越して、バベルの塔位高いプライドを折ってまで、霊夢に検証を依頼したんだろう。
――ん、バベルの塔は高さ90メートルで、現代からすると案外高く無かったんだっけか。 ま、いいか。
兎に角、パチェは体を張って、あいつ等――聖徳ホウリューズの反則プレイを告発しようとした……と」

霊夢「……あんたねぇ。 カリスマだか中二病だか知らないけど、もうちょっと分かり易く話しなさいよ。
しかも会話の内容も昨日の展開のおさらいみたいだし。 そういう配慮とか要らないから」

レミリアは勿体ぶった尊大な言い回しで、親しげに霊夢に向かって歩み寄って来た。
霊夢は審判の肩程の背丈しかないが、今近寄って来た吸血鬼の少女はその霊夢の肩程の背丈しかない。
それにも関わらず、一番身体の小さな彼女の態度が一番大きい。

レミリア「……霊夢。 あんたの言う事は何時だって正しいかもしれない。
今の局面だって、多分アイツ等が悪いし卑怯な手を使ったのかもしれない」

レミリアは腕を組んで悩む素振りを見せていたが、霊夢には分かった。
こいつはもう既に自分なりの結論を決めている。
敢えて勿体ぶって、霊夢にこうして語り掛けているのだ……と。
呆れた霊夢の表情の理由を知ってか知らずか、レミリアは訥々と語る。

レミリア「このまま私も黙っていたら、あのイヤミな笑顔の岬犬とやらを退場させる事ができて、
ついでにフランの反則もイエロー位で済むかもしれない。
――何だ、私達にとって良い事ずくめじゃないか。 さっすが霊夢、私が見込んだ女なだけはある」

924 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/11(木) 23:56:09 ID:???
霊夢「……そりゃどうも。 で、他に言う事も無ければ、早速パチュリーが作った映像珠でも再生してみようと思うけど。
――検証と。 曝し上げも兼ねてね」

――そして、全てを察しつつも霊夢は、観客達にも広く神子や岬達の悪事を周知する意図で、
岬の反則映像が映るらしい魔法の珠を高く掲げようとするが……。

レミリア「……スカーレットシュート!」

バシュッ!―――――――ガ シ ャ ァ ァ ァ ァ ン !!

霊夢「……(ま、予想はしていたけど)」

パチュリー「――はぁ。 馬鹿を友人に持つと、ほんっとに疲れるわ……」

――その珠は、したり顔のレミリアが放った真紅の弾丸により撃ち抜かれて破壊される。

実況「……ん!? これはどうした事でしょう! どうやら……レミリア選手が、
自身の魔力を練って作った弾丸で、パチュリー選手の作った映像を破壊してしまった!?
これで……これでは映像の真贋以前に、聖徳ホウリューズの不正の証拠すらなくなってしまいました〜!」

霊夢「……一応聞いてあげるけど。 どうして、こんな事したの?
黙っていれば、あんた達にとって困る事は全く無かったのにさ」

そう言う霊夢は、心底レミリアにあきれ返っている様子だった。
そろそろレミリアとも永年の付き合いになろうかと思われる霊夢だったが、
それでもこの少女がしばしば行う、突拍子も無い行動だけは理解できなかった。

レミリア「――確かにあいつらは反則をしていたかもしれない。
だが、紅魔の当主たる私は、それに対して一ミリたりとも怒っていない。
……むしろあいつらのプレーに関心していたのよ」

925 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/12(金) 00:02:55 ID:???

パチュリー「(……ぁあ。 この馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿吸血鬼……!
試合途中で、チルノとすり替わったんじゃないかしら――いや、それは無い!
チルノでも、わざわざ自分に有力な証拠を、自分からぶっ壊しはしないんだから……!)」

神子「(……本当は、ここで私が演説をして場を取り戻したかったが――吸血鬼に取られてしまったか。
そうなると、どうしようか……。 こころをこっちに呼び戻すか、それとも……?)」

そんなレミリアの態度に、紅魔スカーレットムーンズのメンバーも、聖徳ホウリューズのメンバーも、
呆気に取られて(一部は更なる謀略に頭を巡らせていたが)、
鎮まり返った場にレミリアは満足して、政治家のお株を奪うかのような、幼くも凛々しい声で演説を始めた。

レミリア「――かつて。 ああ、私がここに居を構える前だ。
……数世紀前、私は人間に恐怖を抱かせる邪悪なる魔物としてその名を馳せた物だったが。
その時の人間も、本当にありとあらゆる手を尽くして、私を殺しに掛かった。

ある人間は、大量の大蒜が入った袋を盾に取り。 ……あの時は臭いが取れなくて大変だった。
ある人間は、酒で眠らせ寝入りに銀の釘を心臓に打ち付け。 ……そこまでするなら、もっと色々やっても良かったのに。
ある人間は、そう。 ……まだ幼いフランを人質に取ろうともした。 ……まぁ、その人間の末路はお察しだけどね。

――ここじゃあ言えない。 もっと卑怯かつ残酷な手で、弱い人間は私を――私達を殺そうとしていた。
しかし、私はそれを理由に人間を恨み憎んだだろうか? ――答えは勿論ノー。
何故なら、人間はそうでもしないと吸血鬼に勝てない。 汚くならなければ殺されるからね。
そして、そんな人間を見下す為に――私は常に高潔な淑女たらんとした。
人間の条理が通じぬ、恐怖の権化であり続ける事こそが、我々悪魔の存在意義だから」

フラン「お姉様……。 勿体ぶってて偉そうだって思ってたけど。 ……そんな事考えてたんだ」

陸「(そう考えると、朕が今まで生きて来れたのって軽く奇跡な気がして来たアル)」

926 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/12(金) 00:04:53 ID:???
観客席の全てが、レミリアが醸し出す生まれついての高貴さに魅了されつつある中。
――レミリアはここで一旦息を吸って続ける。

レミリア「……そして、そう考えれば。
パチェやフランには悪いが、彼らの行為だって立派な吸血鬼対策。 『銀の弾丸』だ。
なんせ、これまで審判は一度も笛を吹いていない――即ち、ルールを破っていない。
私も昔少し齧ったけど、反則プレイをバレないようにするってのは案外難しい。
例え道徳的に一線を越えた行為であっても、それを一つの技にまで昇華出来ている証拠だ。

……だから、巫女が出る幕は無い。 サッカーは審判の判断が絶対。
パチェや巫女の言い分が正しかったとしても、審判が笛を鳴らさなかった以上、それは通らない。
紅魔の当主の矜持に賭けて、ルールに反した裁定をされるのは、許せない。
仮に敵が、ルールに「反しそうな」プレーを行っていた可能性が高いとしても、
紅魔の当主たる私は、称賛こそすれど抗議する言われは無いのだから」

霊夢「……相変わらず、良く分かんない考え方ね」

レミリア「私は単にルールに従ってサッカーがやりたいだけよ。
それに、あいつ等が単なる汚い小物集団だったら、霊夢の出る幕無しにすぐに馬脚を露すでしょうしね」

霊夢は呆れを通り越して笑っていた。
恐らく、他のスカーレットムーンズのメンバー……もしかしたら、渦中の聖徳ホウリューズのメンバーすら、
紅帝のあまりに奔放過ぎる物言いに、苦笑を隠せなかったかもしれない。

岬「(……黙っておけば圧倒的に有利になる局面で、敢えて敵に塩を送る行動。
それが吸血鬼なりのノブリス・オブリージュならば、傲慢過ぎると言わざるを得ないが。
――まぁ。 もう楽観的に思考するのは止めよう、つまり、彼女には自信があるからなんだろうね)」

岬は引き攣った笑みを隠しながら、この次に紅帝が告げるであろう言葉を予測していた。
レミリア・スカーレットは何もお人好しが高じて岬達のプレーを黙認した訳では無い。 そうに決まっている。

927 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/12(金) 00:08:43 ID:???

レミリア「そんな訳で、霊夢はもうお呼びじゃないわ。 帰っていいわよ」

霊夢「……別に、アンタに呼ばれた訳じゃないけどさ。 ……まぁ、またノンビリ試合見てるわ」

ビュウウッ……!

……レミリアは巫女をシッシッと猫のように追い払うと、
未だ状況を呑みこめていないフランと、負傷と疲労により立ち上がれないパチュリー。
そしてそれを取り囲うスカーレットムーンズの従者達を穏やかに見つめると、
レミリアは再び先程の――いや、先程を大きく超える怒気を孕んだ瞳で神子と岬を交互に睨み。

レミリア「……私は『紅魔の当主』として、お前たちのプレーを褒め称えた。
――だが。『フランドール・スカーレットの姉』及び『パチュリー・ノーレッジの友人』としての私は。
……簡単には、貴様等を赦しはせんぞ?」

ズッ……!

……研ぎ澄まされた刃のような。
フランドールのようにただただ膨大では無いが、洗練された鋭利な殺意を向けた。

928 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/12(金) 00:10:07 ID:???
――と、いったところで今日の更新はここまでです。
最近無駄に文章が嵩んですみません……。 明後日には試合描写が終わると思います(汗)

それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。



929 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/12(金) 00:14:29 ID:???
無駄に、というのは読んで頂く側にとっても失礼な言い方だったかもしれませんね。
ですが、もう少し描写や展開を良い意味で短く、洗練出来ればいいな…とは考えております。

930 :森崎名無しさん:2014/12/12(金) 00:15:58 ID:???
ごく普通に岬犬という単語が使われてるw
893乙

931 :森崎名無しさん:2014/12/12(金) 00:22:04 ID:???
乙です。

お嬢様かっこいい!
これは利は捨てても名は大きく売っただろう。
「博麗の巫女」が審判を覆したということも防いだし、長期的に観れば一番いい結果なんじゃないか?

それにしても、レミリアと霊夢のやりとりが、いかにも二人っぽい。
霊夢もレミリアに食い下がったりせずあっさりと立ち去るのも素敵だね。
「中立」として信頼できそうだ、紫の言葉を鵜呑みにしたりはしなさそう。

932 :森崎名無しさん:2014/12/12(金) 00:34:03 ID:???
乙です
2チームとも逃げる姿勢を全くもっと見せないね
どちらも負けたら恥を大きくさらす行動に出てる
でもその姿勢、嫌いじゃないわ!

さて、これで審判も霊夢も聖徳も紅魔も損せず得せずな結果となったね
これで人間&妖怪VS鈴仙という悲劇は避けられた

審判が咎められた場合→紫「鈴仙が狂気の瞳使ったんじゃね」?→これは鈴仙の仕業に違いない!
紅魔が咎められた場合→紫「自分の力が及ばないばっかりにこんなことに」→鈴仙がいなきゃ起こらなかったに違いない
聖徳が咎められた場合→試合が荒れた→紫「鈴仙にかまってる間に・・・これは裏でつながってるに違いない」→全部鈴仙のせいだ

933 :森崎名無しさん:2014/12/12(金) 00:34:59 ID:???
人間&妖怪VS鈴仙www

934 :森崎名無しさん:2014/12/12(金) 17:50:11 ID:???
鈴仙「楽しくサッカーしてただけなのに、いつのまにか敵にされてた」

935 :森崎名無しさん:2014/12/12(金) 18:19:04 ID:???
自業自得って言葉、知ってるかい?

936 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 02:10:06 ID:???
こんばんは、遅くなりましたが、更新を始めていきます。
>>930
乙ありがとうございます。お嬢様はノリが良いですし多分岬犬位は使いますね。
>>931
乙ありがとうございます。二人っぽいと言ってただけて嬉しいです。
霊夢達との対決は、第一部の総決算として盛り上げていきたいので、
ラスボスの霊夢もそれに相応しい大物感が出せればと思います。
>>932
乙ありがとうございます。
かつて争っていた人間と妖怪が手を組んで鈴仙を倒す。感動的な良い話ですね…。(鈴仙以外にとっては)

937 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 02:11:56 ID:???

神子「……素晴らしい欲だ。 私の心臓をボール越しに射止めて殺したい。
そんな欲が、貴女の内から暴風のように吹きすさんで来る」

レミリアの殺意に対して、豊聡耳神子は涼しげに笑った。
一連の後ろめたいプレーの証拠が闇に葬られたからか、新たな謀略を思いついたからか。
もしくは更なる奥の手を隠しているのか――。
その真意は不明だが、兎に角彼女は既に、何時もの落ち着きを取り戻していた。

レミリア「随分と余裕だな。 民意が無くてはただの人たる政治屋風情が、私に勝てるとでも?」

神子「………ただの人か、大いに結構。 いつの時代の物語でも、尊大で傲慢な悪魔を倒すのは、平凡な人間だった。
――まぁ、私は人じゃなくって聖人だけどね(さて……こうもなった以上仕方あるまい。 プランBで行こう)」

咲夜に連れられて「ルール通り」に退場するフランドール。
そして、既に疲労と負傷でこれ以上の試合続行は見込まれない様子のパチュリーを一瞥した上で、神子は語った。
……自身の安全を確保した上で、万全を期し策に出る抜け目なさは、レミリアには無い神子の人間臭さだった。
そして、伝承上の悪魔にとって、こうした人間の機転と知恵が天敵だった。

神子「(巫女の邪魔は恐らくもう入らない。 八雲紫は私達の茶番に付き合っている暇も余力もない!
それならば――今はむしろ好機だ! 私達も一矢報いて見せようじゃないか!)

……かくあらば、私の方からも吸血鬼殿の為に、最高の舞台を用意させて頂こう!
即ち――多くの有象無象による、吸血鬼への恐怖と憎悪。 それを撃ち滅ぼす人間の為の、希望の舞台だ!」

パチッ!
……―――ワァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!

神子は大きく腕を上げ、マントをはためかせて指をパチリと鳴らす。
刹那、観客席の雰囲気が再び急変した。

938 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 02:19:15 ID:???
観客「う……う、ウォオオオオオオ!」「殺せー!! 悪魔は殺せーーー!!」
「神子様は人間の希望だ!」「そうだ! 人間たちを解き放て!」「みーこ!」「みーこ!」

鈴仙「(この不自然な波長の揺らぎ……まただわ! でも、これは今までのよりも――大きいッ!)」

佳歩「う、うあああああっ! み、みこさまーーーっ!!」

ウサギD「ば、ばんざーいっ! ばんざーいっ!」

ウサギC「げ、げんそうきょ〜をすくうのはぶるのさましかいな〜〜〜いっ!」

つかさ「……ど、どうしたの、皆……!?」

ウサギB「みんな、頭がおかしくなっちゃってる……!? でもCちゃんだけ若干ちがう気がする……」

観客達は――佳歩やつかさなどルナティックスのメンバーをも含め――、
多くが一斉に、唐突に、何の前触れも無く。 神子達聖徳ホウリューズへのサポーターとなった。

神子「――政治家は、群衆の支持が無くては正当性が保てない。
神権、武力、血統……。 それが無くては、確かに私はただの聖人だ。
――だけど、この劇場には今! 私への支持で満ち満ちている!!」

――――――――ワァァァァァァァァァァァァァァッ……!!

神子が言う通り、今この場において、間違いなく神子に対する希望が観客席を取り巻いていた。
その感情は、普段からの神子の支持者の間だけでは無く、神子と接点の無い人妖においても、気持ち悪い位に同じだった。

輝夜「……支持率99パーセント、ってとこかしらね。 凄い一体感を感じるわー。
……私は絶対、こんな息苦しい国にゃぁ住みたくないけど」

鈴仙「――さすがに、私も姫様に同感です……!(……凄い波長の揺らぎ!
私も中山さんとの出会いが無く、ズルズル来ていたら。 絶対に一瞬で神子派になってたわね……)」

939 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 02:22:51 ID:???
こころ(観客席)「これがー、『いけー! がんばれー! 聖徳ホウリューズ!!』……って表情ー」

……無論、裏はあった。
先程まではレミリアの演説に強く靡いていた観客達は、感情を操る面霊気により感情を操られていた。
下地には地道に人里の人間を中心に支持を挙げて来たという実績があり、
また、神子自身の為政者としてのセンス、カリスマに依る処も多分にあったが。
しかし、力の大半を解き放ち感情を操る面霊気の少女――秦こころの力はそれ以上に莫大。
ルナティックスの幼いウサギ妖怪が、赤の他人である神子に声援を贈る程度に、それは呪縛染みていた。

岬「(秦こころ。 聖徳太子が秦義勝に分け与えた面の付喪神。
しかしオーパーツ級の宝具を依代に発現した彼女の力は尋常で無く、
精神の弱い人間を、問答無用で望み無き仮面舞踏会〈マスカレイド〉へと導く力を持つ。
そんな彼女を観客席に配置したのは、最初からこうなる事を見越していたから……。
――というのは、流石に太子様を買いかぶり過ぎたかな?)」

霊夢(観客席)「(――面霊気がどこに行ったかと思えば、神子に懐柔されていたなんてね。
……ま、でも。 これも含めて真正面から突き破るのがアンタのやり方でしょ?
だから……個人的には、応援させて貰うわね。 ――レミリア)」

――この時、異変染みた熱狂にも……博麗の巫女は動かなかった。
中立を標榜している彼女だったが、もしも今ここで自分がその原因を叩き潰したとしたら。
その行為は自身の友人である、誇り高き吸血鬼の誓い――(ルール違反とされない範囲で)弱き者のあらゆる手段を許容する――を、
穢す事になると思ったからだ。

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0ch BBS 2007-01-24