キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
キャプテン森崎まとめ掲示板TOP

■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 801- 901- 最新50


レス数が1000を超えています。残念ながら全部は表示しません。
【Other】鈴仙奮闘記23【World】 

1 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/14(金) 00:07:15 ID:???
このスレは、キャプテン森崎のスピンアウト作品で、
東方Project(東方サッカー)とのクロスオーバー作品です。

内容は、東方永夜抄の5ボス、鈴仙・優曇華院・イナバがサッカーで師匠を超えるために努力する物語です。
また、ストーリーやカードの展開次第で、いくつかのキャプテン森崎のキャラクターも、
それぞれの思惑を持ちながら、幻想郷の住人との交流を通じてサッカーを極めていくことになるでしょう。

他の森崎板でのスレと被っている要素や、それぞれの原作無視・原作崩壊を起こしている表現。
その他にも誤字脱字や稚拙な状況描写等が多数あるかと思いますが、お目こぼし頂ければ幸いです。

☆前スレ☆
【光を】鈴仙奮闘記22【掴み取れ!】
http://capmori.net/test/read.cgi/morosaki/1412866801/
☆攻略ページ(キャプテン森崎まとめ@Wiki内)☆
http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/104.html
(※このスレの目標や今後の予定、ゲーム進行の流れなどが分かります。
  過去ログもありますので、初めて来て下さった方は、一読すればより楽しめると思います!)

☆あらすじ☆
ある日突然幻想郷にやって来た外来人、アラン・パスカルと中山政男との出会いにより、
師匠、八意永琳に並ぶ選手になると決心した鈴仙・優曇華院・イナバ。

「鈴仙、貴女は――『プロジェクト・カウンターハクレイ』が新たに創るチームの、キャプテン候補として選ばれました」
全幻想郷選抜大会初戦を勝利で迎えた鈴仙に、永琳はある日の夜こう告げる。
それはこれまでの鈴仙が描いていた将来――全幻想郷代表として、永琳と肩を並べること――とは全く別の道。

そんな中始まった全幻想郷代表選抜大会第2回戦は、地底の強豪・地霊殿サブタレイニアンローゼスが相手。
試合も残り20分を切ったクライマックスの中、ルナティックスは3−2でリードしているものの、
地霊殿チームはキャプテン・古明地さとりを中心に一致団結。 勝利という光を掴みにかかる!
しかし、矢車の殻を被った地獄の少年――松山光の心は未だ癒されぬまま。
幻想郷と現実世界。 二つの異なる世界を舞台に、少年達の、そして少女達の想いはサッカーを通じて繋がり合う!
……とか言いつつ、ブリッツボールとかやってるかもしれません(汗)

874 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 00:05:17 ID:???
神子「(……私の耳は十人の声を同時に聴けるんだ。 そんな私が一人の声を聴こうとしたら、聴力は常に凡人の十倍。
――全ての技やスキルは、この私の前では常に情報公開状態と考えた方が良い)」

――パチュリー・ノーレッジが鈴仙の協力を経て開発した大魔術、日符・『フォトシンセシス』。
太陽エネルギーを媒介にして供給される大量の魔力を元に、パチュリーは自身の喘息を無理やりに食い止めているのだが…。
しかし、魔術とは辺て等価交換。『フォトシンセシス』にもやはり欠点が存在している。

パチュリー「(喘息を完全に克服する代わりに、普段は気にならないレベルの虚弱体質の悪化……か。
この魔術にも、まだまだ改良が必要みたいね……)――(ドゴオッ)……むぎゃふんっ!!」

岬「ああ……本当に悪いね。 悪気では無いんだが、少し肘が入ってしまったようで」

実況「本間選手の貧弱なパスをカットしたパチュリー選手、
すぐ前方のフラン選手に渡そうとしますが……今度は岬選手のチャージで吹っ飛ばされる!
岬選手は、外の世界ではフィールドのアーティストとも称される技巧派プレイヤー!
やはりこれは、無理を押して後半戦に出ているが故の副作用なのか〜〜!?」

パチュリー「技巧派……技巧派ね。 ……大した技巧派だこと(……でも、賢者の目には狂いが無い。
――あんたがこういうプレイヤーである事は当に読めている。 だったら、対策だって――!)」

岬「(しまったな。 彼女も三杉と同じタイプか。
天才肌で、賢者と連呼しているから来生タイプと勘違いしていたが……。
今みたいな「際どい」プレーは、今回限りにしておくべきか。 ――と、ここはそんな表情で)」

フラン「(…………)」

875 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 00:06:25 ID:???
――鈴仙が見る限り、後半戦が始まって以来、
聖徳ホウリューズは得点よりも、中盤の要たるパチュリーに対してのマークに執心していた。
タックル力に優れる岸田を中心に、岬までもがパチュリーに張り付きタックルに向かう。
無論、中盤の要たる岬や、一芸特化のストッパーたる岸田にそうした無理な動かし方をさせる事により、
圧倒的に高かった聖徳ホウリューズのボール支配率は大きく下がる。
しかし、そうして中盤でボールを得た紅魔は――、レミリアに上げるにしても咲夜に下げるにしても、
少なくとも一旦はパチュリーを経由する事が多い。
ホウリューズは、その一瞬の隙を狙って、仕切りにパチュリーにタックルを浴びせて来るのである。

鈴仙「な……何よ何よ! あんなの、反則でしょ!」

ウサギB「パチュリーさんの突破を警戒している……って言うか。
どっちかと言うと、パチュリーさんの存在そのものを警戒しているみたいです。
兎に角沢山プレーさせて、いち早く負傷なり疲労で退場させたいような――」

つかさ「……後半開始直後です。 神子さんが指を頭上で鳴らしながら、”たわむれはおわりじゃ”って。
そう言ってから、チームの人たちも「われにおまかせを!」とか「やってやんよ!」とか盛り上がり始めて。
……何が起きるかと思ったら、これなんです」

ウサギC「ぱっちぇさん、前半でも結構動いていたから。 もう既にボロボロって感じだよ〜!」

慧音「……勝つ為とは言え、フィジカルに不安のある選手を執拗に狙うのは道徳的には恥ずかしい事だ。
私は、そう思っているのだが――果たして、他の皆も同じに思うか……」

ウサギD「ど、どうしてですか慧音先生! だいいち、あんなの可哀想です! 観客さんだって、ブーイング……」

輝夜「それがしてないのよねぇ。 ――不思議なくらいに」

ゴールやボールの支配よりも、一人の選手の弱点を突き続ける聖徳ホウリューズのやり方に、
疑問を覚え憤慨したのは純粋にパチュリーと親交があった鈴仙。それと、元々気性の大人しい永遠亭の妖怪ウサギ達だった。
そして、慧音を始めとする、ルナティックスの仲間達にも一連のプレーに首を傾げる者は多かったが……。
――輝夜が周囲を見回しながら示すように。

876 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 00:08:00 ID:???
観客「――ワァァァァァァアアアアアアアアアッ!!」「いいぞーー!! もっとやれーーー!!」
「人を殺し病を広める魔女は退治しろー!!」「くそっ! 岬さんは何て悪意の無い! 岸田みたく、もっと吹っ飛ばせば良いのに!」

永琳「――後半になってから。 聖徳ホウリューズのサポーターが、不自然に幅を利かせているようで。
『勝利の為ならば、反則でない限り、あらゆる手段を使うべきだ』。
……そんな、幻想郷的には珍しい考え方が、このサッカーコート中に広まっているみたいね」

鈴仙「……そんな!」

――まるで誰かにより事前に申し合わされたかのように。
人里サッカーコートに居る観客の殆どが、聖徳ホウリューズの取った行動を評価しているようだった。
この時、一定数いた筈のスカーレットムーンズのサポーターの声は殆ど聞こえず。

レミリア「(……まさに四面楚歌、と言った感じか。 力は妖怪の山をひっこ抜き、霧は幻想郷全体を覆う私だが、
……さて、時と運は未だ私に利してくれるのかしらね)」

逆境だらけの現状にも動じず、ゴールを見つめて静かに笑うレミリアは自らの運命を愉しみ。

フラン「(――あいつ。 あの笑顔でパチェにこっそり肘入れてた人間。 ……あいつ、好きじゃない)」

一方で、狂気を克服しつつある中、未だ幼さが抜けきらぬフランドールは、
この逆境に、鈴仙が感じたのと同じような、純粋な不満と憤りとを覚えていた。

877 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 00:09:02 ID:???
――と、駆け足になりましたが今日の更新はここまでです。

それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。

878 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 00:10:29 ID:???
やっぱりウサギ仮面で出場しとけばよかったw乙

879 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 00:19:56 ID:???
ベストイレブンに爽やか893ディフェンス、前から似合ってると思ってたんだ
やったら人望ガタ落ちだけど

880 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 00:27:00 ID:???
宇宙の王者ばりに汚いチームだな
ヒール役としては申し分ない

881 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 00:27:47 ID:???
これはサクラかな?
次回はフラン活躍の巻の予感。狂気を克服しているようでなにより。
しかし予想以上に岬くん黒いな。

霊夢「私の勘が告げている! 鈴仙をウサギ仮面としてさっそうと登場させれば、この騒動は治まるわ!」
鈴仙「なにその傍迷惑かつピンポイントな勘は!?」
紫「博麗霊夢は全て正解よ」
鈴仙「なんであんたも来ているのよ!? しかも既に仮面用意済み!?」
早苗「鈴仙さん! ここ幻想郷では常識に囚われてはいけないのですよ! 大丈夫、鈴仙さんならできます!」
鈴仙「だからどっから出てきたー!? そしてなんで全て託したみたいなこと言っているのよ!?」
永琳「ウドンゲ。もはや貴方は強者。それなりの責任と役割が課されるのよ。そう、今がそのときなのよ!」
鈴仙「師匠までなに言っているんですか!」
佳歩「(よく分からないけど)鈴仙さまなら大丈夫です!」
鈴仙「その無条件の信頼やめて! 心に痛いから!」

乙でした。

882 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 00:33:39 ID:???
乙です
あーあ、見事に罠に引っかかるなぁ
やっぱりフランはマリーシアの餌食になるか
予想はできてたけどね

これで妖怪と人間の対立が深まるな
戦え・・・戦え・・・最後の一人になるまで・・・

883 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 03:16:37 ID:???
あれ、パサーっていなかったっけか
小悪魔に渡せばいいのになぜ

884 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 08:30:16 ID:???
あれ、パサーっていなかったっけか
小悪魔に渡せばいいのになぜ

885 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 17:15:12 ID:???
見損なったぞ岬太郎!ドゥンガの教えを受けたジュビロ磐田の黄金期の先輩方が
おまえのことを見たらきっと失望するだろうな!

にしても改めてみると福西崇史ホントスゲーな、手癖が悪いなんてレベルじゃない
何で本当にこの人ファール貰わないんだろうねw


886 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 17:15:17 ID:???
ガレリ「助っ人です、なんなりとお使いください」
伝説の超ブロリコン「レミリアとフランをいじめる奴は俺が破壊しつくすだけだ!」
岬犬「もうだめだ…おしまいだぁ…!」神子「一人用のPODで非難するじゅんびだぁ(死亡フラグ)」

887 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 17:17:39 ID:???
岬犬が893ディフェンスをしてきたということは神の手シュートも当然のごとく搭載か

888 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 17:21:04 ID:???
本物の893の功績(探せばまだある)
http://www7.atwiki.jp/fuku293893/pages/19.html

889 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 17:23:06 ID:???
なんとなくだけどGKにヘディングシュート決められてミサキーヌが地獄を見そうな気がするw

890 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 17:30:27 ID:???
手刀ディフェンス(DF)

891 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 23:39:54 ID:???
こんばんは、今日も描写だけで終わってしまいました(汗)
ちょっと急展開かもですが、読んで頂ければ幸いです。
>>878
乙ありがとうございます。
ウサギ仮面が出てたら、鈴仙が代わりに吹っ飛ばされてましたね…(違)
>>881
乙ありがとうございます。
観客や岬の行動についても、また説明があると思います。
>>882
乙ありがとうございます。
マリーシアすら必要無いかもしれませんね。
>パチュリーじゃなくて小悪魔に渡せば?
描写を省いてしまってましたが、同じ列の咲夜と同様な理由で、中々ボールが渡らない。
キープ力が低めなのを神子に突かれているなどで、ボールが渡っても奪われる…
と、いう風に解釈して頂ければと思います。
>893ディフェンスについて
>>888のアドレス先を見たのですが、リアルキャプ森キャラみたいな人、この世に居るんですね…w

892 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 23:42:51 ID:???
岸田「あーらよっと、もういっちょ!」

――ドゴオオオオオオオオオオオオオオッ!

パチュリー「……ぐっ!(今、逆走していたわねコイツ……!)」

小悪魔「――ぱ、パチュリーさまぁ! ど、どうしてこんな事、平気な顔して……!」

岸田「スマン。 アンタ等には悪いが、これも幻想郷や世界を良くする為には必要なんだ。
……と、お上も言っていたしな」

岬「(――『上からの命令』。 この魔法の一言で人間はどこまでも残酷になれる。
かつて大量のユダヤ人を虐殺した、アドルフ・アイヒマンを見ればすぐにわかる事だよね)」

実況「あ〜っと、パチュリー選手、これで早くも5度目の吹き飛び!
岸田選手のタックル自体はボール越しの何ら反則性も無いプレーでしたが、
やはりフィジカル不足が祟ったのでしょうか、ボロ雑巾のように弾き飛ばされます!」

フラン「……! パチェ、あなたケガしたんじゃ……!」

パチュリー「――まさか、妹様に心配されるなんてね。 ……でも大丈夫よ。
賢者は魔法使いじゃなくて僧侶のスキルも使えるし回復とかもケアルガとか使えて強いから無敵だし。
賢者は主役で吸血鬼は悪役だからやはり賢者は最強だから……」

咲夜「……やはり錯乱しています。 後半何言ってるか良く分かりませんし」

美鈴「というか、賢者も割と脇役キャラですよね?」

パチュリー「……大丈夫。 少し足を捻っただけだから。 本当に、大丈夫……。
――後美鈴は試合終わった後呪殺するから」

美鈴「ヒイィッ!?」

893 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 23:44:16 ID:???
フラン「……パチェ!」

レミリア「(…………)――待ちなさいフランドール。
……あいつが大丈夫だって言っているんだ。 ここは、あいつを信じてやろう……」

フラン「で――でも!」

パチュリー「……ほら、フラン。 貴女は大事な点取り屋なんだから、棒立ちしてないでしゃきっと走る。
そういうレミィも。 まさかこの試合、たったの1得点で満足しているんじゃないわよね?」

レミリア「……ほら。 あいつはこういう奴なんだ。 あいつはどうも、理論派を気取っている割には堪え性が無さ過ぎる」

パチュリー「――行くわよ……!」

ダッ!

フラン「……あっ!(……どうして? どうして賢者賢者うるさいけど基本は優しくて。
ずっと閉じ込められていた私にも、ドヤ顔で魔法を教えてくれたパチェが、ああやって苛められなくちゃいけないの……!?
そりゃあパチェはたまにというかいつも、どーでも良いうんちくを披露してて寒いけど、凄く良い魔法使いなのに……!)」

実況「おっと、ここでパチュリー選手に近くのチームメイトが集まりますが……ですが、おっとどうやら試合は続行の模様!
パチュリー選手、先程の吹き飛びで負傷が疑われましたが、気丈にも再びボールを確保せんと走り回る!」

神子「――へぇ、意外だな。 あなたはもう少し、効率的に物事を考える魔女だと思っていた。
……即ち、次以降の試合に支障を来さないよう、この場は一旦退場する……とね。
実際の話、ここで勝たなくとも、恐らくあなた達のチームは二位で予選を突破出来るだろうから」

パチュリー「私もそう思う。 ……だけど、悪い友達に影響されてね。 気が随分と短くなったのよ……!」

ダッ、シュパァァアッ!! ――パシッ!

石田「……松山。 素晴らしいタックルだ」

894 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 23:45:18 ID:???
実況「――そしてパチュリー選手、必要最小限の動きで、中央に寄っていた石田選手からボールを奪い取る!
石田選手のドリブルがパスと比べてお粗末という事情もありましたが……しかし、それでも、
パチュリー選手の動きは冴えている! そう言ってしまっても構いませんでしょう!」

パチュリー「(ここで恐らく、背番号11番(岬)かさっきの岸田が即座にタックルに来る!
……だけど、私の『芸術的なドリブル』ならばキープは充分可能。
一瞬でも隙があれば、後は小悪魔の『トップスピンパス』なり、咲夜の『ザ・ワールド』なりで反撃出来る! そうすれば――!)」

岬「……さぁ。 ――チェックメイトだ」

――パチュリーの予測通り、振り向くと岬は仮面のような笑顔で彼女に肉薄していた。

パチュリー「(恐らくは、絶対にバレないと断言できる程精度が高いダーティディフェンスを披露するのでしょうけど。
ええ、やってみなさい。 それで私を退場させなさい。 そうしたら――相打ちにしてあげるから!)」

パチュリーは自身の周囲に纏わせた魔力を確認しながら、
覚悟を決めたように目をぎゅっと瞑り、そして向き直ると――そこには、パチュリーの想定の範疇外の影が二つあった。
一つは、岬の居た方向から死角の位置で、肘を突き上げタックルに出ようとしていた本間の影と。

フラン「これ以上……パチェを、いじめるなーーーーーーーーーーーーーーーっ!」

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ――――!!
        バギュウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!! ドッガァァァァァアァァァァァアン!!

本間「――ぐはっ!?」

――ピッ、ピピピピッ。 ピィィィィィィィィィィイィイーーーーーッ!!

パチュリー「……フラン。 貴女――何、を………!」

その本間に対して真横から錐揉み状に突っ込み、遥かサッカーコートの観客席の端まで突き飛ばした、
……フランドール・スカーレット。 彼女の影だった。

895 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 23:47:21 ID:???
岬「(本間君に、『紅魔館の賢者は反則を意識させるポーズに弱い。
だから、反則にならない程度に肘を突き上げるなどポーズを取っておけば、君でもボールが取れるかもしれない』
……と、アドバイスをしておいて良かった。
下手なマリーシアをして失敗するのも、ああやって吹き飛ばされることも辛いからね。
――自分の手は汚さずに欲しい物を手に入れる事は、優秀な為政者の基本。 あの太子様と僕とは、やはり気が合うらしい)」

神子「(私は何もしていない。 狂気の妹君の破壊に対する欲望を聴き取り、岬君にその臨界点を教えただけ。
――全く違法な行為はしていない、全て秘書がやった事だからね)」

――実況や観客が言葉を失ってただただ混沌にどよめき、審判が血相を変えてフランドールに赤い札を突きつける姿を見て、
岬と神子は互いに偽善者染みた、悲しい笑みを浮かべていた。



フラン「……そうよね。 サッカーでも弾幕ごっこでも、ルール違反の実力行使は許されない。 ――別に良いもん」

悲しげに俯くフランドールには、審判の叱責や困惑の声はどこかぼやけて聞こえていた。

フラン「(お姉様が私をずっと閉じ込めていたのも、今のでなんだか分かった気がする。
――やっぱり、私は狂っているんだ。 さっきだってそう。
少しでも気に入らない事があると、それだけで全部をブチ壊そう……って事くらいしか思えなくなってた。
折角お姉様が私を期待して外に出してくれて。 それだけじゃなく、パスとか……合体ツインシュートとか教えてくれたのに……)」

――惨めな気持ちだった。何度も何度も禁じられていて、他の皆があたり前に出来ている事が、
……それが、自分にはどうしても出来ない。 努力が足りないと言われればそれまでだ。
しかし、では……何をどうすれば良いのだろうか。 それを考えるには、今の彼女は幼すぎた。

896 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 23:47:33 ID:???
ウサギ仮面とブロリコン、今すぐ交代だ

897 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 23:48:32 ID:???
咲夜「……フランお嬢様。 せめて私めが、ロッカールーム――控室までご案内いたします。
何卒それで、貴女に対してどこまでも無力な私を……お赦し下さい」

美鈴「(ど、どうしよう。 妹様が辛そうだけど言葉が思いつかない!
……それにやっぱり、あの吹き飛ばされた本間君って子も気になるし……!)」

陸「全く、あれでも妹君はずいぶんと手加減していただろうに。 リーベンレン(日本人)は相変わらず大袈裟アルね」

小悪魔「そ、それよりパチュリー様! パチュリー様はご無事なんですかーー!?」

――従者にしてチームメイトの慰めや同情、あるいは全く無関係の声が聞こえてくる。
しかし、それでもフランドールの気持ちは晴れない。
今の彼女には、もっと自分の近くに寄り添ってくれる存在の声が必要だった。

レミリア「フラン。 ……さっきの行動は、淑女として決して誇らしい物では無い。
……淑女とはつまり、あらゆる状況においても法と礼節――サッカーで言えばルールを重んじなくてはいけないのだから」

フラン「……お姉様、ごめんなさい。 ……ごめんなさいっ!」

それを知っているレミリアは、何時の間にか審判を押しのけてフランドールに駆け寄り。
紅魔と当主として厳格な口調を保つ裏腹――愛しい妹の頭を優しく撫でていた。

レミリア「……そういった意味では、誇り高き紅魔を総べる当主として、貴様は恥ずべき存在だ。罰しなくてはならない。 でもね――」

フラン「でも……?」

――そして、自分とそう背丈も変わらぬ妹に対して目を合わせ向き合い、レミリアが再び口を開こうとしたその時。


        霊夢(観客席)「その審判、ちょーっと待った〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

――空を飛んで、巫女が一人、神聖なフィールドに乗り込んで来た。

898 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 23:54:54 ID:???

ビュウウン!!

神子「!? ……あれは、巫女!(――ま、まずいな。 これは想定外ね……)」

布都「なんと!? 博麗の巫女とは神子様だったのか!? ……ん、ではどっちが本当の太子様なのじゃ?」

屠自古「布都は黙ってて。 話がややこしくなりそうだから……」

実況「あ〜〜っと! なんと! ここで試合を観戦していた当代博麗の巫女・博麗霊夢が!
空を飛んで文字通りの飛び込み乱戦〜〜〜!! これは一体どうした事でしょう!」

レミリア「……どうしたのよ、霊夢。 今折角、私のカリスマが炸裂するシーンだったのに」

霊夢「どうもこうも無いって。 レミリアさ、あんた、今の判定で良いの?」

レミリア「……どういう、意味かしら」

紅魔スカーレットムーンズと聖徳ホウリューズの試合に乗り込んで来た霊夢は、
親しさと冷たさを併せ持った怒り表情で、レミリアにびしっと人差し指を指してきた。

パチュリー「……私が、巫女に依頼したのよ」

そんな霊夢に支えられ、辛うじて立っていたのはパチュリーだった。
そして、彼女の右手には……一つの水晶玉が握られていた。

霊夢「ん。 そうそう、パチュリーがね。
『聖徳ホウリューズが故意に反則をしている事を示すべく、周囲の魔力を集めて、
カメラみたく過去の映像が映る珠を作ったから、この珠に映る映像が偽りで無いかを確認して』……ってね」

899 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 23:56:41 ID:???
じゃあ肘入れてたミサキーヌ問答無用でレッドじゃんw

900 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/10(水) 23:57:48 ID:???
岬「(な……何だって……!? そんなご都合主義的な事があって堪るか……!?
確かに、僕の故意の反則について彼女は察しているようだったが、しかしそこまで準備していたなんて……!)」

パチュリー「(……あまり褒められたやり方では無いと思うけど。 ――けれど。
私は賢者である以前に魔法使い。 魔法使いは考えて、考えて……そして、汚くとも勝利を掴みたがる事が性分。
……レミィがどう考えるかは分からないけれど。 ――これが、今の私が勝利を目指す為に出来る、唯一の事だから)」

実況「――え、ええー。
つまりどうやら、博麗の巫女は、一連の聖徳ホウリューズのプレーに反則があった!
――と、いう事実を確認証明する為に呼ばれた。 そういう事だそうです!

確かに、幻想郷において博麗の巫女は中立。秩序の象徴です!
また、こと異変やもめ事の解決において、彼女の影響力は確かに大きい。
パチュリー選手はどうやら、事前に聖徳ホウリューズの目に見えない反則を予期して自前のカメラに映像を保存した上で、
更にはその信頼性を博麗の巫女に担保させる事で、ホウリューズメンバーの反則を告発しようとする意図のようです!」

観客「わ、ワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?」「ど、どういう事だー?」「審判じゃなくて、巫女が判断するって事?」
「それってアリかよ!」「いや、でもそっちのが良いんじゃね? いつもそうして来たし」「何でもいいから早く決めろー!」

鈴仙「……ど、どうなのかしら、それって。
何だか、パチュリーさんがいつの間に都合良く風景を映像化していたのも不思議だけど、
それを巫女が見て、それで妥当性をジャッジするなんて……!」

パスカル「――まぁ、外界ではあり得ないな。
ワールドカップでの審判の判断に対して、たまたま試合を観戦していた米国大統領がケチを付けるような物だろう?
あまりに唐突なデウスエクスマキナの出現だ。 ……幻想郷では、今みたいな事が良くあるのか?」



901 :森崎名無しさん:2014/12/10(水) 23:59:51 ID:???
ああ、なるほど、これで全部鈴仙って奴の仕業になるのか

902 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 00:02:21 ID:???
>リアルキャプ森キャラみたいな人、この世に居るんですね…w
そして日本代表でラブマリーという現実

903 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 00:03:08 ID:???
ちなみに893の動画はニコニコよりYoutubeで探した方がいい
ニコニコにはほとんどない

904 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/11(木) 00:07:09 ID:???
てゐ「うんにゃ。 今日が初めてだよ、パスカル君。
……っていうか、あんな聖徳ホウリューズみたく、ルールスレスレなプレースタイルをするチーム自体、
今まで居なかったからね〜。
パッチェさんがあんな飛び道具使ったり、こんな混沌としちゃうのもある意味しゃあ無いと思うけど」

佳歩「たぶん、皆混乱しているんです。 さっきは確かに聖徳ホウリューズのやり方を褒める声が大きかったけど、
今はまた困惑に戻っている。 どっちが正しいか分からない。 だから……巫女が求められ受け入れられるのも、おかしくないと思います」

ウサギC「ひとをボール越しでりょ〜じょくするのは、ルールスレスレじゃないの〜……?
っていうか、スレスレ以前に今のよりも、よゆ〜でルールアウトな気が……?」

ウサギB「Cちゃん、黙って。 これ以上いけない」

慧音「……だが、不正があるならば、公平に裁かれるべきと。 頭の固い私は、そう思ってしまうな。
――公平とは何か、不正とは何か。 それに対する答えを持ち合わせていない私がこう言う事自体、おこがましいかもしれないが」

妹紅「何だかんだで、巫女が来たらもう安心だ。 後は巫女に任せておけば良い……って思ってしまうのかなぁ、皆。
――そこまで期待されるのも、何だか疲れそうだけど」

――ルナティックスメンバーも、一連の展開に対しては困惑の方が強かった。
特に外界出身のパスカルにとっては、審判の判断よりも霊夢の判断が優先され得る事は信じられないと憤る。
他のメンバーも、思い思いに今の状況について口にしていたが、決然とした結論を出せる者は少ない。
果たして鈴仙達がフィールドの方に意識を戻すと、事態は更に動こうとしていた。

905 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/11(木) 00:08:35 ID:JltK0CqY
霊夢「……吹っ飛ばされた子は可哀想だけど、フランも信じらんないくらい狂気を克服しているし。
それに、元が相手チームの反則だとしたら、フランの反則も情状酌量の余地があるって事でイエロー位にして、
その代わりに……えっと、あの岬君ってのをレッドカードにした方が良いんじゃないかしらね?
――私、ぶっちゃけサッカーの反則の基準って良く分からないけど」

霊夢は何時の間にか、審判に対して進言までしていた。
普段の生活では霊夢の立場がここまで特別かと言えばそうでは無いが、
審判を含めた全ての人妖が、今までの幻想郷らしからぬ異変染みた展開に驚いていた。
そのためか、霊夢がサッカーのルール――審判の判断は絶対――を越権して、
こうして真面目な顔でフランへの処遇について指示を出していても、それを疑問に思う者はいない。
……恐らく、霊夢本人すら自身の行為の妥当性について疑っていない。

神子「(むむむ。 八雲紫はプロジェクト・カウンターハクレイ潰しにご執心と聞いていたから、
それを受けて博麗の巫女も我々では無く、ヒューガーの方に行っていると思っていたのに……)」

岬「(――どうやって責任を逃れる? 故意では無かった? ……駄目だ、僕たちは何度も彼女に執拗にタックルへ行っている。
――上司の命令で仕方なく? ……駄目だ、僕の上司は使えない人材は容赦なく切り捨てる。 逆に僕に全責任を負わせて来るだろう。
……くそっ。 僕としたことが、逆に騙される羽目になるとは――迂闊だった)」

――それは、今まさに自身に不利な判断を下されようとしているホウリューズにとっても同じだった。
傍目から見て如何に信じられない展開だろうと、納得をせざるを得ないと感じていた。
――故に。

レミリア「……いや、ちょっと待って霊夢。 それはあんたが決めて良い事じゃあない」

霊夢「……えっ?」

……そんな霊夢に対して口を挟む事が出来たのは、
強大な権力を持ちながらも高潔で、それに溺れる事を何よりも嫌い。
そして何よりも、あらゆる状況においても法と礼節……即ちルールを重んずる貴族の中の貴族。
――紅帝。レミリア・スカーレットただ一人だった。

906 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/11(木) 00:10:37 ID:???
……と、いったところで今日の更新はここまでです。
コメント等については、また明日まとめて返していければと思います。

それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。

907 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 00:27:45 ID:???
乙です
ここで判定だ!

★岬(ここはこういえば切り抜けられるんじゃなかな)→! card★
JOKER→これも全部鈴仙ってやつのしわざなんだ(必ずみんな信じます)
それ以外→いきなり赤い目をしたウサギが狂気の瞳を使ってきて・・・

908 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 00:36:09 ID:???
乙でした

909 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 00:37:27 ID:???
★岬(ここはこういえば切り抜けられるんじゃなかな)→ スペード8

乙でした。
裏はあれど、それなりにまともな集団かと思って妖夢の背中押したけど、これで良かったか不安になってきた。
けど、これ妖夢の耳にも入るか。

この裁決がどうあれ、神子と岬達の評判はがた落ちだよね、もうご破算……いや、奥の手の一つや二つあるのかな?
霊夢さん仕事した!
パスカル君は不満そうだが、個人的にはグッジョブ(古い)
レミリアさんのカリスマ回かな、次回は。


910 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 00:39:21 ID:???
妖夢のことは信じろ、信じるものは救われるのデース
ちなみに次の試合に応援に行くのかしら?

911 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 01:25:43 ID:???
乙でした

マリーシアは大嫌いだから、正直言って岬は退場になってほしい。
だけど、霊夢の乱入を許したら、審判の判定は絶対だという秩序が崩壊してしまう。
例えば、パチュリーが明らかに反則したにも関わらず、観客席にいた霊夢が乱入して取り消しが認められた。なんて事態が起こりかねない。
その先にあるのは、審判の判定に誰も耳を傾けない、買収の公然化といった、悪夢のような光景だ。
うーん、難しいところだなぁ…。

912 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 01:32:15 ID:???
現実でも思ってたけど審判の技術をもっとしっかりさせてくれ
大舞台で噛み付きや飛び膝蹴りかましてもレッド出さないのは論外以下だ

やはりマスターアンパイアを現実入りさせるしかないか…

913 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 06:55:13 ID:???
審判を欺く技術自体はいいんだけど当然超えてはいけないラインというものがある

914 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 09:23:41 ID:???
幻想郷の秩序を守ろうとしている霊夢が、サッカールールという秩序を破壊しようとする矛盾

レミリアは、さすが紅帝だね。妹のピンチに一番抗議したいのはこの人のはずなのに。心を鬼にして霊夢に待ったをかけるとは

915 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 11:40:29 ID:???
霊夢の行動は最善ではなくても、それに近いものかな。

見過ごすのは完全にNG。
紅魔が完全に悪者になる。
この後恐らくパチュさんも負傷させられ、観客は当然の報いと騒ぎ立てる。
マリーシアのレベルを完全に逸脱した神子や岬達が称賛され、人間と妖怪の仲が最悪になる。
幻想郷の秩序を守るものとして動かないわけにはいかない。

逆に霊夢が完全に判断を下して強硬すれば、サッカーにおける審判の絶対性が覆した前例を作ることになる。
が、あくまで進言に止めており、審判を尊重しているからね。
ベストなのはあくまで岬達の不正を暴くだけで、判断は審判に一任することかも知れないけど。

しかし、この試合見に行かなかったらどうなってたんだろう?

妖夢「私はハイパーカンピオーネを止めるぞ鈴仙ーっ! 詳しくは今日の朝刊で!」
みたいなことになってたのかな?

916 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 16:35:46 ID:???
なんというか相手チームにも滅多に敵を作らないプレイスタイルの本編岬は相当な策略家なんだなと変な所に感心してしまった。

917 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 21:03:27 ID:???
この状況を紫はどうみるんだろうね

918 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 21:04:00 ID:???
ここの岬君は、神子にはめられた結果、本来の矜持を捨てざるを得なかった岬君か。
本来なら、上手くことが運んでも、確実にレミリア達を敵に回すこんな真似は絶対しないだろうし。

919 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 21:04:21 ID:???
紫「これも全部鈴仙ってやつのしわざなんだ」

920 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 21:07:37 ID:???
もう全部神子の仕業でいいんじゃないかな
あれ、あながち間違っていない気がするぞ?

921 :森崎名無しさん:2014/12/11(木) 21:12:01 ID:???
現実の神の子が神の手シュートしていたから
この世界でも神子が手を使ってシュートしてきたりして

いや、岬犬と神子で神の手ツインシュートでくるか(迷推理)

922 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/11(木) 23:53:29 ID:JltK0CqY
こんばんは、書いていきます。
また、先日言っておりましたとおり、>>830-831さんの書き込みを参考に、
まとめwikiに【第1章までのストーリーの流れ】と【現在鈴仙を取り巻く勢力】欄を新規追加しました。

http://www32.atwiki.jp/morosaki/pages/104.html

これから新しく拙作を読んで下さる方。暫くスレを離れ、今の状況が掴めない方などにとっても、
参考になれば大変うれしく思います。
重ねてとなりますが、>>830-831さん。書き込みありがとうございました。(少しというか結構改変してるかもですが…)

>>907さん、>>908さん、>>909さん、>>911さん。乙ありがとうございます。
>神子と岬について等
今のところ、反則の決定的瞬間は出ていない感じです。
霊夢も「まあパチュリーが正しいかな〜」程度なくらいですね。

この二人は特に、本来のキャラとはずれた行為をしているかもしれません。
分かり易いヒールポジションであって欲しいとは思っていますが、
それでも、そのキャラらしさを活かせるよう、もう少し上手く描写したいと思います。

それと、これはまた後日じっくり描写したいと思っていますが、
妖夢は神子が今日の試合のように、勝つために汚い手をも堂々と使いうる…
という事を知った上で計画に乗ると決意しています。

923 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/11(木) 23:54:56 ID:???

レミリア「多分、そのパチェが隠し撮りしてた映像を見ると、あいつらはきっとクロなんだろうね。
まぁ、それも汚い魔女の合成映像だ……とか言われると厳しいし、
パチェはそれを見越して、バベルの塔位高いプライドを折ってまで、霊夢に検証を依頼したんだろう。
――ん、バベルの塔は高さ90メートルで、現代からすると案外高く無かったんだっけか。 ま、いいか。
兎に角、パチェは体を張って、あいつ等――聖徳ホウリューズの反則プレイを告発しようとした……と」

霊夢「……あんたねぇ。 カリスマだか中二病だか知らないけど、もうちょっと分かり易く話しなさいよ。
しかも会話の内容も昨日の展開のおさらいみたいだし。 そういう配慮とか要らないから」

レミリアは勿体ぶった尊大な言い回しで、親しげに霊夢に向かって歩み寄って来た。
霊夢は審判の肩程の背丈しかないが、今近寄って来た吸血鬼の少女はその霊夢の肩程の背丈しかない。
それにも関わらず、一番身体の小さな彼女の態度が一番大きい。

レミリア「……霊夢。 あんたの言う事は何時だって正しいかもしれない。
今の局面だって、多分アイツ等が悪いし卑怯な手を使ったのかもしれない」

レミリアは腕を組んで悩む素振りを見せていたが、霊夢には分かった。
こいつはもう既に自分なりの結論を決めている。
敢えて勿体ぶって、霊夢にこうして語り掛けているのだ……と。
呆れた霊夢の表情の理由を知ってか知らずか、レミリアは訥々と語る。

レミリア「このまま私も黙っていたら、あのイヤミな笑顔の岬犬とやらを退場させる事ができて、
ついでにフランの反則もイエロー位で済むかもしれない。
――何だ、私達にとって良い事ずくめじゃないか。 さっすが霊夢、私が見込んだ女なだけはある」

924 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/11(木) 23:56:09 ID:???
霊夢「……そりゃどうも。 で、他に言う事も無ければ、早速パチュリーが作った映像珠でも再生してみようと思うけど。
――検証と。 曝し上げも兼ねてね」

――そして、全てを察しつつも霊夢は、観客達にも広く神子や岬達の悪事を周知する意図で、
岬の反則映像が映るらしい魔法の珠を高く掲げようとするが……。

レミリア「……スカーレットシュート!」

バシュッ!―――――――ガ シ ャ ァ ァ ァ ァ ン !!

霊夢「……(ま、予想はしていたけど)」

パチュリー「――はぁ。 馬鹿を友人に持つと、ほんっとに疲れるわ……」

――その珠は、したり顔のレミリアが放った真紅の弾丸により撃ち抜かれて破壊される。

実況「……ん!? これはどうした事でしょう! どうやら……レミリア選手が、
自身の魔力を練って作った弾丸で、パチュリー選手の作った映像を破壊してしまった!?
これで……これでは映像の真贋以前に、聖徳ホウリューズの不正の証拠すらなくなってしまいました〜!」

霊夢「……一応聞いてあげるけど。 どうして、こんな事したの?
黙っていれば、あんた達にとって困る事は全く無かったのにさ」

そう言う霊夢は、心底レミリアにあきれ返っている様子だった。
そろそろレミリアとも永年の付き合いになろうかと思われる霊夢だったが、
それでもこの少女がしばしば行う、突拍子も無い行動だけは理解できなかった。

レミリア「――確かにあいつらは反則をしていたかもしれない。
だが、紅魔の当主たる私は、それに対して一ミリたりとも怒っていない。
……むしろあいつらのプレーに関心していたのよ」

925 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/12(金) 00:02:55 ID:???

パチュリー「(……ぁあ。 この馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿吸血鬼……!
試合途中で、チルノとすり替わったんじゃないかしら――いや、それは無い!
チルノでも、わざわざ自分に有力な証拠を、自分からぶっ壊しはしないんだから……!)」

神子「(……本当は、ここで私が演説をして場を取り戻したかったが――吸血鬼に取られてしまったか。
そうなると、どうしようか……。 こころをこっちに呼び戻すか、それとも……?)」

そんなレミリアの態度に、紅魔スカーレットムーンズのメンバーも、聖徳ホウリューズのメンバーも、
呆気に取られて(一部は更なる謀略に頭を巡らせていたが)、
鎮まり返った場にレミリアは満足して、政治家のお株を奪うかのような、幼くも凛々しい声で演説を始めた。

レミリア「――かつて。 ああ、私がここに居を構える前だ。
……数世紀前、私は人間に恐怖を抱かせる邪悪なる魔物としてその名を馳せた物だったが。
その時の人間も、本当にありとあらゆる手を尽くして、私を殺しに掛かった。

ある人間は、大量の大蒜が入った袋を盾に取り。 ……あの時は臭いが取れなくて大変だった。
ある人間は、酒で眠らせ寝入りに銀の釘を心臓に打ち付け。 ……そこまでするなら、もっと色々やっても良かったのに。
ある人間は、そう。 ……まだ幼いフランを人質に取ろうともした。 ……まぁ、その人間の末路はお察しだけどね。

――ここじゃあ言えない。 もっと卑怯かつ残酷な手で、弱い人間は私を――私達を殺そうとしていた。
しかし、私はそれを理由に人間を恨み憎んだだろうか? ――答えは勿論ノー。
何故なら、人間はそうでもしないと吸血鬼に勝てない。 汚くならなければ殺されるからね。
そして、そんな人間を見下す為に――私は常に高潔な淑女たらんとした。
人間の条理が通じぬ、恐怖の権化であり続ける事こそが、我々悪魔の存在意義だから」

フラン「お姉様……。 勿体ぶってて偉そうだって思ってたけど。 ……そんな事考えてたんだ」

陸「(そう考えると、朕が今まで生きて来れたのって軽く奇跡な気がして来たアル)」

926 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/12(金) 00:04:53 ID:???
観客席の全てが、レミリアが醸し出す生まれついての高貴さに魅了されつつある中。
――レミリアはここで一旦息を吸って続ける。

レミリア「……そして、そう考えれば。
パチェやフランには悪いが、彼らの行為だって立派な吸血鬼対策。 『銀の弾丸』だ。
なんせ、これまで審判は一度も笛を吹いていない――即ち、ルールを破っていない。
私も昔少し齧ったけど、反則プレイをバレないようにするってのは案外難しい。
例え道徳的に一線を越えた行為であっても、それを一つの技にまで昇華出来ている証拠だ。

……だから、巫女が出る幕は無い。 サッカーは審判の判断が絶対。
パチェや巫女の言い分が正しかったとしても、審判が笛を鳴らさなかった以上、それは通らない。
紅魔の当主の矜持に賭けて、ルールに反した裁定をされるのは、許せない。
仮に敵が、ルールに「反しそうな」プレーを行っていた可能性が高いとしても、
紅魔の当主たる私は、称賛こそすれど抗議する言われは無いのだから」

霊夢「……相変わらず、良く分かんない考え方ね」

レミリア「私は単にルールに従ってサッカーがやりたいだけよ。
それに、あいつ等が単なる汚い小物集団だったら、霊夢の出る幕無しにすぐに馬脚を露すでしょうしね」

霊夢は呆れを通り越して笑っていた。
恐らく、他のスカーレットムーンズのメンバー……もしかしたら、渦中の聖徳ホウリューズのメンバーすら、
紅帝のあまりに奔放過ぎる物言いに、苦笑を隠せなかったかもしれない。

岬「(……黙っておけば圧倒的に有利になる局面で、敢えて敵に塩を送る行動。
それが吸血鬼なりのノブリス・オブリージュならば、傲慢過ぎると言わざるを得ないが。
――まぁ。 もう楽観的に思考するのは止めよう、つまり、彼女には自信があるからなんだろうね)」

岬は引き攣った笑みを隠しながら、この次に紅帝が告げるであろう言葉を予測していた。
レミリア・スカーレットは何もお人好しが高じて岬達のプレーを黙認した訳では無い。 そうに決まっている。

927 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/12(金) 00:08:43 ID:???

レミリア「そんな訳で、霊夢はもうお呼びじゃないわ。 帰っていいわよ」

霊夢「……別に、アンタに呼ばれた訳じゃないけどさ。 ……まぁ、またノンビリ試合見てるわ」

ビュウウッ……!

……レミリアは巫女をシッシッと猫のように追い払うと、
未だ状況を呑みこめていないフランと、負傷と疲労により立ち上がれないパチュリー。
そしてそれを取り囲うスカーレットムーンズの従者達を穏やかに見つめると、
レミリアは再び先程の――いや、先程を大きく超える怒気を孕んだ瞳で神子と岬を交互に睨み。

レミリア「……私は『紅魔の当主』として、お前たちのプレーを褒め称えた。
――だが。『フランドール・スカーレットの姉』及び『パチュリー・ノーレッジの友人』としての私は。
……簡単には、貴様等を赦しはせんぞ?」

ズッ……!

……研ぎ澄まされた刃のような。
フランドールのようにただただ膨大では無いが、洗練された鋭利な殺意を向けた。

928 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/12(金) 00:10:07 ID:???
――と、いったところで今日の更新はここまでです。
最近無駄に文章が嵩んですみません……。 明後日には試合描写が終わると思います(汗)

それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。



929 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/12(金) 00:14:29 ID:???
無駄に、というのは読んで頂く側にとっても失礼な言い方だったかもしれませんね。
ですが、もう少し描写や展開を良い意味で短く、洗練出来ればいいな…とは考えております。

930 :森崎名無しさん:2014/12/12(金) 00:15:58 ID:???
ごく普通に岬犬という単語が使われてるw
893乙

931 :森崎名無しさん:2014/12/12(金) 00:22:04 ID:???
乙です。

お嬢様かっこいい!
これは利は捨てても名は大きく売っただろう。
「博麗の巫女」が審判を覆したということも防いだし、長期的に観れば一番いい結果なんじゃないか?

それにしても、レミリアと霊夢のやりとりが、いかにも二人っぽい。
霊夢もレミリアに食い下がったりせずあっさりと立ち去るのも素敵だね。
「中立」として信頼できそうだ、紫の言葉を鵜呑みにしたりはしなさそう。

932 :森崎名無しさん:2014/12/12(金) 00:34:03 ID:???
乙です
2チームとも逃げる姿勢を全くもっと見せないね
どちらも負けたら恥を大きくさらす行動に出てる
でもその姿勢、嫌いじゃないわ!

さて、これで審判も霊夢も聖徳も紅魔も損せず得せずな結果となったね
これで人間&妖怪VS鈴仙という悲劇は避けられた

審判が咎められた場合→紫「鈴仙が狂気の瞳使ったんじゃね」?→これは鈴仙の仕業に違いない!
紅魔が咎められた場合→紫「自分の力が及ばないばっかりにこんなことに」→鈴仙がいなきゃ起こらなかったに違いない
聖徳が咎められた場合→試合が荒れた→紫「鈴仙にかまってる間に・・・これは裏でつながってるに違いない」→全部鈴仙のせいだ

933 :森崎名無しさん:2014/12/12(金) 00:34:59 ID:???
人間&妖怪VS鈴仙www

934 :森崎名無しさん:2014/12/12(金) 17:50:11 ID:???
鈴仙「楽しくサッカーしてただけなのに、いつのまにか敵にされてた」

935 :森崎名無しさん:2014/12/12(金) 18:19:04 ID:???
自業自得って言葉、知ってるかい?

936 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 02:10:06 ID:???
こんばんは、遅くなりましたが、更新を始めていきます。
>>930
乙ありがとうございます。お嬢様はノリが良いですし多分岬犬位は使いますね。
>>931
乙ありがとうございます。二人っぽいと言ってただけて嬉しいです。
霊夢達との対決は、第一部の総決算として盛り上げていきたいので、
ラスボスの霊夢もそれに相応しい大物感が出せればと思います。
>>932
乙ありがとうございます。
かつて争っていた人間と妖怪が手を組んで鈴仙を倒す。感動的な良い話ですね…。(鈴仙以外にとっては)

937 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 02:11:56 ID:???

神子「……素晴らしい欲だ。 私の心臓をボール越しに射止めて殺したい。
そんな欲が、貴女の内から暴風のように吹きすさんで来る」

レミリアの殺意に対して、豊聡耳神子は涼しげに笑った。
一連の後ろめたいプレーの証拠が闇に葬られたからか、新たな謀略を思いついたからか。
もしくは更なる奥の手を隠しているのか――。
その真意は不明だが、兎に角彼女は既に、何時もの落ち着きを取り戻していた。

レミリア「随分と余裕だな。 民意が無くてはただの人たる政治屋風情が、私に勝てるとでも?」

神子「………ただの人か、大いに結構。 いつの時代の物語でも、尊大で傲慢な悪魔を倒すのは、平凡な人間だった。
――まぁ、私は人じゃなくって聖人だけどね(さて……こうもなった以上仕方あるまい。 プランBで行こう)」

咲夜に連れられて「ルール通り」に退場するフランドール。
そして、既に疲労と負傷でこれ以上の試合続行は見込まれない様子のパチュリーを一瞥した上で、神子は語った。
……自身の安全を確保した上で、万全を期し策に出る抜け目なさは、レミリアには無い神子の人間臭さだった。
そして、伝承上の悪魔にとって、こうした人間の機転と知恵が天敵だった。

神子「(巫女の邪魔は恐らくもう入らない。 八雲紫は私達の茶番に付き合っている暇も余力もない!
それならば――今はむしろ好機だ! 私達も一矢報いて見せようじゃないか!)

……かくあらば、私の方からも吸血鬼殿の為に、最高の舞台を用意させて頂こう!
即ち――多くの有象無象による、吸血鬼への恐怖と憎悪。 それを撃ち滅ぼす人間の為の、希望の舞台だ!」

パチッ!
……―――ワァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!

神子は大きく腕を上げ、マントをはためかせて指をパチリと鳴らす。
刹那、観客席の雰囲気が再び急変した。

938 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 02:19:15 ID:???
観客「う……う、ウォオオオオオオ!」「殺せー!! 悪魔は殺せーーー!!」
「神子様は人間の希望だ!」「そうだ! 人間たちを解き放て!」「みーこ!」「みーこ!」

鈴仙「(この不自然な波長の揺らぎ……まただわ! でも、これは今までのよりも――大きいッ!)」

佳歩「う、うあああああっ! み、みこさまーーーっ!!」

ウサギD「ば、ばんざーいっ! ばんざーいっ!」

ウサギC「げ、げんそうきょ〜をすくうのはぶるのさましかいな〜〜〜いっ!」

つかさ「……ど、どうしたの、皆……!?」

ウサギB「みんな、頭がおかしくなっちゃってる……!? でもCちゃんだけ若干ちがう気がする……」

観客達は――佳歩やつかさなどルナティックスのメンバーをも含め――、
多くが一斉に、唐突に、何の前触れも無く。 神子達聖徳ホウリューズへのサポーターとなった。

神子「――政治家は、群衆の支持が無くては正当性が保てない。
神権、武力、血統……。 それが無くては、確かに私はただの聖人だ。
――だけど、この劇場には今! 私への支持で満ち満ちている!!」

――――――――ワァァァァァァァァァァァァァァッ……!!

神子が言う通り、今この場において、間違いなく神子に対する希望が観客席を取り巻いていた。
その感情は、普段からの神子の支持者の間だけでは無く、神子と接点の無い人妖においても、気持ち悪い位に同じだった。

輝夜「……支持率99パーセント、ってとこかしらね。 凄い一体感を感じるわー。
……私は絶対、こんな息苦しい国にゃぁ住みたくないけど」

鈴仙「――さすがに、私も姫様に同感です……!(……凄い波長の揺らぎ!
私も中山さんとの出会いが無く、ズルズル来ていたら。 絶対に一瞬で神子派になってたわね……)」

939 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 02:22:51 ID:???
こころ(観客席)「これがー、『いけー! がんばれー! 聖徳ホウリューズ!!』……って表情ー」

……無論、裏はあった。
先程まではレミリアの演説に強く靡いていた観客達は、感情を操る面霊気により感情を操られていた。
下地には地道に人里の人間を中心に支持を挙げて来たという実績があり、
また、神子自身の為政者としてのセンス、カリスマに依る処も多分にあったが。
しかし、力の大半を解き放ち感情を操る面霊気の少女――秦こころの力はそれ以上に莫大。
ルナティックスの幼いウサギ妖怪が、赤の他人である神子に声援を贈る程度に、それは呪縛染みていた。

岬「(秦こころ。 聖徳太子が秦義勝に分け与えた面の付喪神。
しかしオーパーツ級の宝具を依代に発現した彼女の力は尋常で無く、
精神の弱い人間を、問答無用で望み無き仮面舞踏会〈マスカレイド〉へと導く力を持つ。
そんな彼女を観客席に配置したのは、最初からこうなる事を見越していたから……。
――というのは、流石に太子様を買いかぶり過ぎたかな?)」

霊夢(観客席)「(――面霊気がどこに行ったかと思えば、神子に懐柔されていたなんてね。
……ま、でも。 これも含めて真正面から突き破るのがアンタのやり方でしょ?
だから……個人的には、応援させて貰うわね。 ――レミリア)」

――この時、異変染みた熱狂にも……博麗の巫女は動かなかった。
中立を標榜している彼女だったが、もしも今ここで自分がその原因を叩き潰したとしたら。
その行為は自身の友人である、誇り高き吸血鬼の誓い――(ルール違反とされない範囲で)弱き者のあらゆる手段を許容する――を、
穢す事になると思ったからだ。

940 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 02:24:16 ID:???
―――ピィィィイイイッ!!

長い時を経て、やがて試合再開のホイッスルが鳴る。
紅魔は結局、フランドールが退場しパチュリーは途中交代。
フランドールに代わるFWとしてCBの美鈴を登用し、美鈴が空いた穴は咲夜が入る。
パチュリーの穴埋めとして、控えのメイド妖精を入れて小悪魔をトップ下に置いたが……やはり不安は隠せない陣形だ。
その一方で、本間は奇跡的に――いや、フランドールが手心を加えていたからか――、負傷を逃れていたため、
聖徳ホウリューズの陣形は未だ盤石のまま。
レミリアが怒りに震えていたと言えども、紅魔の不利は否めない。

−−@−− @川上
C−A−B C高杉 A布都 B大丸
−−−−−
−−D−− D岸田
E−−−G E石田 G岬 
−−I−− I神子
−−−−− 
J−H−F J小田 H屠自古 F本間
聖徳ホウリューズ:3−4−3
紅魔スカーレットムーンズ:4−3−2
−H−J− H美鈴 Jレミリア
−−−−−
−−I−− I小悪魔
G−−−F 
−−−−−
−DEA− E咲夜 
−−B−− 
−−@−− @陸

941 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 02:25:24 ID:???

実況「……えー。 えー! すみません、観客席からの罵声や歓声が凄く、音声が聞き取りづらいかもしれませんが…!
試合が、今再開されました!
後半10分! フランドール選手の反則により、聖徳ホウリューズがフリーキックの権利を得たシーンから再開です!
本間選手が吹き飛ばされたのは、スカーレットムーンズから見て中盤深め――30メートルの位置のため、
聖徳ホウリューズは、あわよくば直接ゴールを狙って行ける距離! ここはどう攻めるか〜〜〜!?」

神子「――では、私がフリーキックを(うん。 急造とは言えこの程度の人気ならば――「アレ」で行ける!)」

実況「どうやらキッカーは神子選手だ! 神子選手はこれまで素晴らしいパスだけでなく、
『ドライブシュート』を見せておりますが、しかし現状、シュートの全てはGKの陸選手の脚により悉く止められている!
ここは堅実にパスで行くのでしょうか、神子選手!」

観客「ワァァァァァァァァァァァァァァッ!!」「みーこ!」「みーこ!」「えーい、決めちまえ〜!」「吸血鬼に負けるなー!」

屠自古「この観客の盛り上がり。 そして決めれば同点の局面。 ――「アレ」で、決めるのですね」

神子「……その通り。 とりあえず今はこころの能力で場を盛り上げる事に成功したけれど。
正直、この手はかなり無理やりだ。 このままでは一時凌ぎにしか過ぎない。
となると、このチャンスを有効に使うしかない。 ……そう言う事さ」

レミリア「……お喋りは済んだかい?」

神子「――いや、最後に一つだけあるかな。 どうしても言いたい事が」

レミリア「そうか。 なら、さっさと言ってしまう事ね」

神子「ああ、そうする―――!」

タッ!

942 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 02:27:27 ID:???
直接フリーキックの場面。 10人となってしまった紅魔スカーレットムーンズは美鈴と数名の妖精メイドを残し、
咲夜や小悪魔。 そしてレミリアまでもが壁を作り、聖徳ホウリューズのプレーに意識を集中していた。
笛が鳴ってから時間は経っている。 神子は、気障っぽい笑顔を一旦仕舞い、ボールへと駆けて行き。

神子「―――三に曰く!」

――グワァァァァァァァァァァァァアァアアアアアアアアアア………ッ!!

レミリア「……ふん。 何を言うかと思えば詔(みことのり)か。
――少なくとも貴様は、他の小物とは少し違うようね。 そうこないと、殺し甲斐がなくてつまらん」

神子「――政治家とは即ち、人々の希望を一身に纏い悪を滅ぼす勇者なり!!
群衆からノーを突きつけられている吸血鬼は、もはや幻想郷の無駄! 事業仕分けの対象だ!」

咲夜「(観客席からの支持が。 豊聡耳神子への「人気」が! 実体化して一つに萃まっている――!?)」

――神子は、これまでに無い勢いで右脚を大きく振りだした。
神子への期待の歓声が、レミリアへの怨嗟の罵声が、全ての観客の意思が神子の右脚に集約するような。
そんな錯覚を、ブロックに向かった咲夜は覚えていた。

神子「君をば則(すなわ)ち天とし、臣(しん)をば則ち地とす!
天覆(おお)い地載せて四時(しじ)順行し、万気(ばんき)通うことを得(う)!
地、天を覆わんと欲するときは、則ち壊(やぶ)るることを致さむのみ!
是を以て、君言(のたま)えば臣承(うけたまわ)り、上行なえば下靡(なび)く!!」

グウウウッ―――! …………ド! ドドドドドドドドッ……!!

パチュリー(ベンチ)「(――古代の国々は、辺て牛を神の遣い。 神聖なる生き物として珍重して来た。
そうなれば、彼女が今放たんとするシュートはまさしく牛殺しの〈アキュート〉シュート。
……神魔霊獣による支配からの解放を暗示する、聖なる人間による啓示!
相性だけで言えば、レミィの天敵とも言えるシュートだけど……!?)」

943 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 02:30:42 ID:Biv0COhE
陸「ちょ、ちょと僅かに凄い気を感じるアルね……! だが――朕の気とて負けておられんッ!」

実況「神子選手の右脚が物凄い音を立てながらボールに向かう! これは……このシュートは……!!」


                 神子「このシュートで貴女を貫く! ――『詔を承けては必ず慎め』………ッ!」

               バッギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!

               レミリア「クク、ハハハッ……! その程度で紅帝を支配できると踏んだか、聖人よ!
                    ならば――我が憤怒の紅き炎が貴様の牛刀、焼き返して見せるわ……!」

               ―――バァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ…!!

944 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 02:35:04 ID:Biv0COhE

先着4名様で、

★神子→詔を承けては必ず慎め 61 ( ! card )+( ! dice + ! dice )+(フリー補正+2)=★
★レミリア→ブロック 49 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+2)+(紅帝の怒り+1)=
 咲夜→ブロック 50 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+2)=★
★小悪魔→ブロック 48 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+2)=
 メイドB→ブロック 50 (! card)(! dice + ! dice)+(人数補正+2)=★
★陸→雷斬脚 58 (! card)(! dice + ! dice)+(30m補正+2)=★

と書き込んでください。カードやダイスの結果で分岐します。

【シューター】−MAX【ブロッカー】
≧5→シュートは邪魔される事無く放たれた!GKとの勝負へ。
=4〜2→シュートは放たれた。しかしこの数値差の人数分威力が落ちてGKとの勝負へ。
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(屠自古がフォロー)(メイドDがフォロー)(メイドAがフォロー)
≦−2→スカーレットムーンズボールに。

【シューター】−【キーパー】
≧2→神子の「詔を承けては必ず慎め」がスカーレットムーンズゴールに託される!
=1、0、−1→ボールはこぼれ球に。そして左から順に
(屠自古がねじ込み)(聖徳のコーナーキック)(メイドAがフォロー)
≦−2→スカーレットムーンズボールに。

【補足・補正・備考】
神子の「詔を承けては必ず慎め」には吹飛係数2があります。
レミリアのマークがダイヤで、「カウンターシュート(+10、300消費、成功時敵シュート撃ち返し)」が発動します。
咲夜のマークがダイヤで、「プライベートスクウェア(+6、150消費)」が発動します。

945 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 02:44:08 ID:???
――と、言った所で今日の更新はここまでです。
それと、そろそろスレも950に近くなり、また容量も467kbまで行きましたので、
少し早いですが次スレのスレタイを募集したいと思います。

【】鈴仙奮闘記24【】

の形で考えて頂ければ嬉しく思います。
恐らく次スレは、大会6日目午後〜8日目位。
具体的には日常フェイズと、今度こそブリッツボールがメインになる予定です。
9日目午前の永遠VS西行は、ひょっとしたら試合開始前位までなら描写できるかな?
…と、考えています。(予定ですので未定です(汗))

それでは、皆さま、本日もお疲れ様でした。

946 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 02:46:39 ID:???
その欲望、解放しろ
★神子→詔を承けては必ず慎め 61 ( スペード4 )+( 5 + ! dice )+(フリー補正+2)=★

947 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 02:48:40 ID:???
うわ、ミスった
★神子→詔を承けては必ず慎め 61 ( JOKER )+( 3 + 5 )+(フリー補正+2)=★

948 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 02:50:11 ID:???
案外たいしたことあるわ…

949 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 02:51:55 ID:???
★レミリア→ブロック 49 ( クラブJ )( 4 + 6 )+(人数補正+2)+(紅帝の怒り+1)=
 咲夜→ブロック 50 ( クラブ2 )( 2 + 4 )+(人数補正+2)=★
レミリアが引くはずのJOKERが見事にずれおった…w

950 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 02:56:38 ID:???
ウサギC「ご、ご〜る〜をすくうのはぶるのさましかいな〜〜〜いっ!」
【ブリッツボール】鈴仙奮闘記24【おしえて!】
今度こそブリッツで乙

951 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 03:20:52 ID:???
見たか!化け物ども!これがわれわれ人間の力だ!我々人間は決して貴様らのような悪に屈指はしない!
いつの時代だって我々はそうやって貴様らに勝利してきた!それは人間の知恵と努力と正義の心のたまものである!
ゆえに我々が貴様らに負けるはずがないのだ!正義は必ず勝つ!この、化け物がァ!

(やべぇもん引いちまったアァァァァ!!これは間違いなく聖徳サイド指示増えてまう!
 鈴仙のせいだ!これも全部鈴仙のせいだ!あいつさえいなければ・・・!
 ・・・あれ、つかさに見た感じ影響がないぞやっぱりつかさはディケイドなのか!?)

【信じる者が】鈴仙奮闘記24【ジャスティス!】
【秩序の破壊者】鈴仙奮闘記24【おのれ鈴仙】
【崩壊する】鈴仙奮闘記24【日常】
【これも全部】鈴仙奮闘記24【鈴仙ってやつの(ry】
【運命なんて】鈴仙奮闘記24【弱者のexcuse】

952 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 04:04:55 ID:???
おおおおお落ち着けハマーD!!ライダーネタをオンパレードしすぎDA!
【案外】鈴仙奮闘記24【太子たことあるね】

953 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 04:14:37 ID:???
紘汰さん「勝つためには手段を選ばない上皆を洗脳して感情を操るだなんて絶対に許さねぇ!
聖徳ホウリューズ、テメエらはここで俺がぶっ潰す!」
\フルーツバスケット!/

954 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 05:29:53 ID:???
マンUの負傷離脱者は延べ47人… “野戦病院化”

ブローリン(負傷)「ば、ばかなぁああああああああああああああああああああああああああ!!(断末魔)」
ガレリ「現実は小説より奇なり」カグロット「最近のマンUの話題が暗黒期すぎるわ…」

955 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 07:03:57 ID:???
【ヴァンパイア】鈴仙奮闘記24【セレナーデ】
【戦場】鈴仙奮闘記24【朱色の雨】
【紅魔は】鈴仙奮闘記24【二度死ぬ】
タコ科学者「コンピューターの計測によりますとマンUは壊れておりますじゃ、うわへへwww」

956 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 08:33:35 ID:???
マンU「ドン・サウザント絶対ゆるさねぇ!」

957 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 08:35:29 ID:???
★陸→雷斬脚 58 ( クラブ3 )( 2 + 3 )+(30m補正+2)=★

958 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 10:54:08 ID:???
★小悪魔→ブロック 48 ( クラブA )( 6 + 4 )+(人数補正+2)=
 メイドB→ブロック 50 ( ダイヤA )( 3 + 1 )+(人数補正+2)=★

959 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 11:15:07 ID:???
私たちは今非常に感動的な場面に直面している!
なぜなら運命を操るという力を持つ邪悪なる吸血鬼を人々の希望の力で粉砕する瞬間を目にしているのだから!
我々人類は勝てる!みんなが力を合わせればどんな強大な力を持つ敵にも勝てるのだ!
人間万歳!人類万歳!それに気づかせてくれた神子様万歳!本当にありがとう!

さて、ここで紅魔が失点したもう一つの理由を説明しよう
>>946で俺が狂気の瞳にかかったからだ、これは鈴仙がこの世界を混乱させようとして使ったからに違いない
妖怪の仲間のふりをしてそれをばれないように瞬時に裏切ろうとするなど極悪非道の極みだ
しかもゴールしたことで支持が高まる可能性が高い、ということは明らかにのちのパワーアップフラグの可能性が高い
自分の手を汚さず人に強力な妖怪を始末させようとするなどなんて最低なやつだ!

★陸→雷斬脚 58 ( ダイヤ6 )(! dice + 4 )+(30m補正+2)=★

960 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 11:20:03 ID:???
★陸→雷斬脚 58 ( ダイヤ6 )( 2 + 2 )+(30m補正+2)=★

961 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 16:51:47 ID:???
面白い展開だし結果は気にしないんだけど
判定でコメントつけるんだったら判定ミスしないようにして欲しい
>>946>>959が同一人物っぽいし

962 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 17:01:13 ID:???
乙でした。
これ見ると明らかに鈴仙よりもヤバい気がする。
紫さん対応順序間違えてません?

【誇り高き】鈴仙奮闘記24【紅の姫】
【そんなことより】鈴仙奮闘記【サッカーしようぜ】
【幻の】鈴仙奮闘記24【カウンターシュート】
【佳歩】鈴仙奮闘記24【鈴仙から改宗しました】
【深遠なる】鈴仙奮闘記24【蒼きフィールド】
【開演】鈴仙奮闘記24【ブリッツボール】


963 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 17:11:43 ID:???
紫さん対応順序間違えてるって?
妖精チームにやったことを考えると元から色んなところの対応方法間違えてるっぽいから…w

964 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 17:24:42 ID:???
鈴仙よりも1人で妖精達を強くし続けている来生の方が影響力としては強いんじゃ……
あかん。外伝、来生奮闘記が始まってしまう。

965 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 17:26:14 ID:???
レミリアとパチュリーがいなくなってから即同点、絶体絶命
この状況でスタンドの鈴仙はどうする?

966 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 19:10:16 ID:???
【全世界】鈴仙奮闘記24【ナイトメア】
【黄昏の紅魔】鈴仙奮闘記24【飛翔の聖徳】
【目指せ!】鈴仙奮闘記24【ブリッツの頂点】
【吸血鬼】鈴仙奮闘記24【レクイエム】


967 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 19:27:53 ID:???
もちろんウサギ仮面として紅魔に参戦だ!
なに、淑女たる幽香さんと、正体不明、所属チーム不明の向日葵仮面が交代したケースもあるし大丈夫だ!

お嬢様が許さない? なに、尊敬するマスターの借りを返すという名目で行けばいい。

968 :森崎名無しさん:2014/12/13(土) 19:38:22 ID:???
シュナイダー応援位にしとこう…w

969 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 22:30:55 ID:???
こんばんは、更新していきます。
>>948
一応神子有利の勝負ではあったのですが、なんとなくヘタれるイメージがあったので予想外でした…w
>>949
レミリアがJOKERでも、それはそれで凄い展開でしたね…。
>>950
ブルノさんはゴールを全然救えていないのですが、それは…
ブリッツ乙ありがとうございます。
>>951
スレタイ提案ありがとうございます!
このおかげで(?)神子の方も完全な小物で終わらず、悪役としての存在感と魅力を増す事ができたかもです。
つかさとか鈴仙とか姫様に影響がないのは、それだけ精神が強いからですね。
>>952
スレタイ提案ありがとうございます! 案外大したことあって、私もびっくりしています。
>>955
スレタイ提案ありがとうございます!
>マンUについて
私はあまりというか全然詳しくは無いのですが、なんだか地獄行きしそうな話題ですね…w
>>959
狂気の瞳の後遺症が抜けきっていませんね…w(判定的な意味で)
>>962
乙とスレタイ提案ありがとうございます!
>紫の対応順序とかについて
神子はこれまで隠れて活動をしていたのもありますが、
一回霊夢に倒されている事もあって、未知の外敵である中山(≒鈴仙)やヒューガーよりも、
御しやすい存在であると判断したのかもしれません。
純粋に何らかの理由で判断力が衰えているのもあるかもしれません。
>>964
外伝が始まったら私としては大変嬉しいですが、鈴仙の影響力についても、これから描写していきたいと思っています(汗)
>>966
スレタイ提案ありがとうございます!

970 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 22:32:19 ID:Biv0COhE
★神子→詔を承けては必ず慎め 61 ( JOKER )+( 3 + 5 )+(フリー補正+2)(*JOKERよりダイヤ15)=76★
★レミリア→ブロック 49 ( クラブJ )( 4 + 6 )+(人数補正+2)+(紅帝の怒り+1)=62*吹き飛び!
 咲夜→ブロック 50 ( クラブ2 )( 2 + 4 )+(人数補正+2)=58★*吹き飛び!
★小悪魔→ブロック 45 ( クラブA )( 6 + 4 )+(人数補正+2)=57*吹き飛び!
 メイドB→ブロック 42 ( ダイヤA )( 3 + 1 )+(人数補正+2)=48★*吹き飛び!
★陸→雷斬脚 58 ( ダイヤ6 )( 2 + 2 )+(30m補正+2)=64★*吹き飛び!
≧2→神子の「詔を承けては必ず慎め」がスカーレットムーンズゴールに託される!


バギュウウウウウ……………ッ!

神子の右脚から放たれたのは、まさに一陣の光の矢。
紅魔スカーレットムーンズのゴール、そのど真ん中に狙いを定めて光を撒き散らしながらシュートは走る。

レミリア「……偽りの人気により練られた、偽りの正義を振りかざして何になる?
勝利に執着するのは分かるし、私もそれは否定はしないが――どうにも解せないね。
勝利が尊いのは、それに至るまでの過程が厳しく、そして楽しいからだろうに」

そのシュートコースに真っ先に割り込んだのはレミリアだった。怒りというよりは、純粋な興味から彼女はそう独り言ちる。
そんなレミリアの疑問に対して、神子はシニカルな笑みを浮かべて応える。

神子「如何なる汚い手段を取ろうとも、最善の結果を得る事こそが重要にして、為政者が果たすべき義務でもある。
必死に頑張ったから、努力したから……。 そんな過程は結果の前に全て霞んでしまう事など、歴史を見れば明らかだ。
――だから、私は勝利する。 そして勝利を積み上げて――私は再び、生ける伝説となる!」

          カ      ッ    !

……そして、白い光と紅い光がフィールドで衝突した。
神子が放った白きシュートに、レミリアの紅く小さな身体が触れ、サッカーコート中に光が炸裂する。
両者の力は互角であるように思えた。

971 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 22:33:19 ID:???
レミリア「―――H  A!」

ブウンッ、ドガガガガガァァァァッ!!

その均衡を最初に破ったのは、レミリアだった。
吸血鬼にとって弱点でもある聖なる光を至近距離で浴び、その身体は現在進行形で酷く焼け爛れていた。
しかし、その痛みをもろともせず、レミリアは左脚で一気に踏み込み、右脚で神子のシュートを中心から正確に捉える。
一連の動きは淀みなく、ごく一部の観客は、かの紅帝が何を狙っているかを明確に理解する事が出来た。

パスカル(観客席)「あの動き、もしや……!?」

霊夢(観客席)「(『カウンターシュート』……か。
――そういや、何時かの大会で私がやってみせた時、あいつったら悔しさと対抗心で顔真っ赤にしてたからねぇ。
これだけ期間もあれば、レミリアも習得していてもおかしくはないか)」

レミリア「(……私もまた、貴様には負ける訳にはいかん!
その動機が貴様の言う下らない過程であったとしても、私はそれを切り捨てたりはしない!
だって。 ―――その方が、楽しいからね……!)―――ァァァァァァァアアアッ!!」

ググッ……グググッ…………!!

レミリアの怒気に合わせて、空中に制止したボールが少しずつ前に押し返されて行く。
このままでは、レミリアが本当に劇的にボールを弾き返してしまうのではないか?
そんな思いが、少しずつ観客達の中にも広がって来ていた。
神子の人気は、元々こころの能力を使って得た一時的な熱狂。 一種の集団ヒステリーに過ぎない。
それ故に、人々の人気を力に放たれた神子の『詔を承けては必ず慎め』は、少しずつその威力を減じていく。
……かのように思われたが。

972 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 22:37:10 ID:???
神子「……先程も言った筈だ。 私はただの人間では無く――聖人だ!
僅か程度、このシュートを防いだ程度で……!!」

―――ゴオォオオオッ……!!

レミリア「……!(威力が、再び上がって行く……!
このシュートは、観客達の人気を拠り所とするシュートでは無かったのか!?)」

パチュリー(ベンチ)「(……集団スキルである『トータルフットボール』もどきに、
弱小選手の一芸特化による戦力化。 そして反則をも辞さないダーティプレイ。
……これら一連の聖徳ホウリューズの周到な戦略作戦が、私達に一つの誤解を無意識に与えていた!
即ち――『聖徳ホウリューズの集団戦術は高いが、それを統べる豊聡耳神子の能力は、
レミリア・スカーレットや八意永琳。 風見幽香と比べても一段落ちるのではないか?』……という誤解!
……そんな都合の良い事、ある訳が無いのに!
間違いなく、彼女もまた日本史上に残る最高の為政者にして英雄。
――文句なしに、彼女は幻想郷はおろか世界でもトップクラスの選手! だとすると……)
―――レミィッ!! 危ない、避けてーーーーー!!」

パチュリーは、無駄と分かっていてもそう叫ばざるを得なかった。
吸血鬼の癖に、妖精並みに無鉄砲な彼女が避ける筈無いと、頭では分かっているのに。
そして……そう叫んでいる間にも、神子『自身』から発せられる霊力が凄まじい勢いで膨張しているというのに。

神子「――レミリア・スカーレット! そなたは我の聖徳伝説の礎となるが良い!」

ゴオオォオオオオッ……!!

ズッ……!

レミリア「(――ちいいっ。 これは悔しいが……私の負けだ。 心の底で奴を侮蔑し油断していた報いかな。
……でも、何が一番悔しいって。 それは―――)」

973 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 22:38:34 ID:???
レミリアの全身は、神子から放たれた燐光により既に灰と化していた。
それでも尚、右の脚でボールを押えていた事はまさに彼女の執念染みた、恐るべき精神力の賜物だった。
だが――運命の悪戯か、それとも必然か。 その抵抗も、あと僅かで無に帰ろうとしていた。

神子「(……もしも彼女の位置取りが少しズレていて、もう一歩早く踏み込まれていたら。
――そうしたらきっと、私の全力を以てしても、このシュートは撃ち返されていたかもしれない!
……全く、死ぬ直前まで末恐ろしい少女だった……!)」

ガシャッ。 バギィイイイイイイイィィイッ!!

レミリア「……フラン、パチェ。 ……ごめん」

咲夜「お……お嬢様ァァァァーーーーー!!」

バギィイイイイッ……!!

小悪魔「さ、咲夜さ〜〜んッ!」

バギイイッ……!!

メイドB「きゃ、キャー!?」

ドゴオオオオオオオオオオオオオオッ!!


974 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/13(土) 22:39:50 ID:???

陸「……(あんぐり)――い、いかんいかん! ビビって無いアル! ビビッて無いアル!
――チェストーーーーーーーーーッ!!」

ブウン、ガキイッ、  ……ドゴオオオオオオオオオオオッ!!

陸「あ、アイヤーーーーーー!? ば、化け物……!!」

バシュン! ―――ドゴオオオオオオオオオオオオオッ!


………ピピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!


紅魔スカーレットムーンズ 1 − 1 聖徳ホウリューズ



大会得点ランキング(表記はメインキャラのみ):
6ゴール 鈴仙
4ゴール 勇儀、諏訪子、レミリア
3ゴール フランドール、来生、早苗
2ゴール 射命丸、神奈子、ピエール、星、神子
1ゴール 妹紅、佳歩、咲夜、美鈴、謎の向日葵仮面、赤蛮奇、サニー、リリーB
      影狼、反町、藍、メルラン、空、屠自古、霊夢、魔理沙、森崎、天子

大会アシストランキング(表記はメインキャラのみ):
3アシスト 早苗、ピエール
2アシスト 小悪魔、てゐ
1アシスト 鈴仙、パチュリー、影狼、大妖精、橙、お燐、諏訪子、神子
       衣玖、針妙丸、小町、空、リリーW、マミゾウ

501KB
掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

0ch BBS 2007-01-24