キャプテン森崎 Vol. II 〜Super Morisaki!〜
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【秋空模様の】鈴仙奮闘記36【仏蘭西人形】

112 :鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2016/04/14(木) 00:53:27 ID:f/ZmiHSA
ピエールとアリスは同じ場所で暫く自主練習をし、ピエールが先に帰った。
アリスは胸の高まりを隠さず、女性のように美しく、獣のように逞しいピエールに対し……こう告白した。

アリス「あ、あの……私と、トモダチになってください!」

……アリスは思う。恋愛とは実に贅沢な行為であると。
恋愛をするためには他者と適切なコミュニケーションを取る事が必須条件であるが、
恋を謡い愛を説く奴らは、世界中の人類全てがその能力を等しく兼ね備えている事を信じて疑わない。
違うのだ。世界には自分のように、まずはトモダチ作りから始めなくてはならない、
恋愛で言う所の「必須条件」とやらを兼ね備える事に、大変な苦労をしている人種が存在する。
そして残念ながらアリスさんは、「必須条件」とやらを兼ね備える事に大変な苦労をしていた。
要するにアリスさんは、ピエールに対して恋愛だとか、そんなレベルの高い感情を抱く余裕が無いのである。

ピエール「(愛の告白じゃないのか……まぁ、それならそれで、困る訳だが……)」

ピエールは顔を真っ赤にしたアリスの顔を見つめながら、暫く呆気に取られていた。
しかし数秒後、彼は再び柔和な笑顔を取り戻すと、アリスに対してこう返答した。

ピエール「……俺達は同じクラスメートだろう。その時点で、俺はクラスの皆が、俺のトモダチだと思っているよ。
      だから、君もそう思えば良い。そう思うだけできっと、君は孤独じゃなくなる」

ピエールは、そう言って踵を返し――そして去っていった。最後には再び、アリスさんとボールが残された。

アリス「(……ピエール君。私でも話せて仲良くなれそうと思ったけれど。
     やっぱり彼はダメだわ。レベルが高すぎて、対等に付き合える気がしない……。
     というか何よ。魔女の技術って。テンパってるのがバレバレじゃないのよぉ……)」

そして、先程の会話の脳内反省会をするにつれ、
ネガティブな思考に切り替わって行くアリスさんは気付いていなかった。
こうして過去の些事に拘り、他害的な妄想に囚われがちなその思考パターンが、
自身から多くのトモダチを遠ざけている事に……。

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