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【伝説の】Another-CU_9【継承者】
[567]アナカン ◆lphnIgLpHU :2014/07/01(火) 15:18:53 ID:??? ゆかり「す、スゴイ…」 早苗「まるで翼くんを見ているようだったわね。」 マネージャー達も選手ほどではないがショックを受けていた。 彼女らは何年も近くで選手達を観てきた分、彼らの上手さは分かっているつもりだった。 だがマネージャーとしての目は中山と彼らの間にかけ離れた実力差がある事を理解させた。 つまりは彼らにかける言葉が何一つ見つからなかった。 久美「海外での経験ってこんなに凄いものなんですかね…」 杉本久美も中山のプレーに感嘆を隠せなかった一人だ。 彼女は早苗同様、中山のプレーを大空翼に重ねて見ていた。 だがあの頃の様にように胸がトキメクことはない。 山森の件で体験した恐怖が恋愛感情に蓋をし、心に響くことをさせなかったのだ。 中山「とにかくこれで俺、というより世界の実力を少しは分かってくれたと思う。」 馴れ馴れしく肩を組んでくる来生に苦笑いしながら、中山が選手達に言葉をかけている。 久美(世界…か。) 南葛を日本一にしたいと考え、チームの勝利だけを喜びと考えてきた彼女にとって、世界 という言葉は実感に欠け… しかし確かな空虚さをもたらした。
[568]アナカン ◆lphnIgLpHU :2014/07/01(火) 15:20:22 ID:??? 久美(まともな恋愛を一生出来そうにもない私が、唯一打ち込んできたマネージャー… みんなと一緒に喜び、一緒に悲しみ、選手達の背中を押して日本一を夢見てきたけど。) それが狭い世界で一喜一憂していただけなんだと彼女は理解した。 夢から覚めてしまった感覚だった。 夢から覚めて、いま自分に何があるのだろう? 冷静に考えるのはとてもとても怖かった。 考えたくなくて、中山と選手達の会話だけに全神経を集中させた。 中里「中山殿、お主は伊太利亜で指導を受けていたと言っておられたな?」 中山「ああ、そうだ。」 中里「同年代のプレーヤーと比較して、お主の実力はどの程度に位置しているのか窺いたい。」 滝「ああ、それは俺も聞きたい。」 山森「3年前、世界と俺達の間にここまで開きがあったとは思えません。 それどころか俺は世界を経験して、成長したつもりでした。」 高杉「海外のDFは中山みたいに何でも出来るのか?」 中山「ちょ、ちょ、いっぺんに言わないでくれ。」 中里の問いかけが切っ掛けとなり、質問攻めの口火が切られた。 聖徳太子ではない中山はこれに慌て、一人一人順に答えるからとなだめる。 中山「うーん… 俺は一応、DFとしてはトップクラスを争っていたと自負してるかな。」 西尾「イタリアでトップクラスかぁ…」ホッ
[569]アナカン ◆lphnIgLpHU :2014/07/01(火) 15:21:30 ID:??? 中山「でもゴールを守りきれなかった時だってあるし、サンドバッグになった事だってある。」 中里「中山殿ほどの実力者でも、でござるか。」 中山「そりゃそうさ、サッカーはチームワークだからな。 俺個人が多少上手くても、チームで崩されればゴールは守れない。 あ、いや、個人技でやられた事もあるか。 でも組織プレイの方が怖いな、うん。」 岩見(聞けば聞くほど山が高くなっていくのが分かるな…) 中山「それに、当たり前だけどMFやFWとしては本職には敵わないよ。 まあいざって時に攻撃に参加できるDFは間違いなく評価されるし、俺以外にもそう いうDFは何人かいた。 本当、どいつもこいつも手強かったよ。」 積極的に質問を投げかけていた選手達も徐々に消沈へと戻っていく。 彼らは中山がイタリアで敵無しレベルである事を期待したが、そうではなかった。 中山はDFとしてトップクラスで頼れる存在だったが、決して無敵ではなかったと言った。 そして彼が手強いと口にするような… 同じように南葛イレブンを手玉に取るレベルの選手達が どうやら他にもゴロゴロといるらしい。 山森「あーあ、3年前につけた自信はなんだったんだろ!」 自ら視野を広げ、鍛錬に努めてきたつもりだった山森が頭を抱えて唸った。 これは一つ間違えれば彼を自暴自棄へ一直線に走らせるかも知れなかった。
[570]日本の描写終わり。ここでまた区切りますアナカン ◆lphnIgLpHU :2014/07/01(火) 15:22:55 ID:??? 中山「山森… いや、俺は3年前のフランス国際は出場していないから何とも言えないが… み…いや、あいつだ、新田も俺と同じ環境でスゴいFWになったんだぞ?」 (久美「!」ハッ) 山森「えっ… 新田ってあの新田ですか!?」 中山「ああ、新田瞬だよ。 だからお前だってまだこれかr 「詳しく!「新田!?「あいつ今・・・ 中山が新田の名前を出した所で、消沈していた選手達に再び活気が戻った。 再び中山は質問攻めとなり大変困った様子になった。 全員が好き勝手に質問を投げるため、会話が成り立つ状態ではなくなった。 久美(新田瞬……) その名前を耳に捉えた時、杉本久美は脱力した心をしばし忘れた。 憎たらしい、嫌いな奴の名前だった。 そいつの顔と、南葛中4連覇の悲願を奪った隼ボレーが鮮明に頭の中で再生された。 そして映像だけでなく感情までも刻銘に再生され始めた。 どうやらまだ自分はあのチビの事がいけ好かないみたい。 そう考えて久美は久しぶりに『アハッ』と破顔した。
[571]アナカン ◆lphnIgLpHU :2014/07/01(火) 18:45:22 ID:??? <UAE 某都市/私有地> ズバシュゥッ!!! ピイィィィィィィィィィィィィィ!!!! アルシオンのミドルシュートが敵チームのゴールをまたも貫いた。 試合終了までもう間もなくだが、彼は今日これで5得点目だった。 シニョール「ヒュー♪ ったく格が違うよなあ。」 ナムリス「まあ奴ならこれくらいは当然だ。」 フィッツウォルタ「突破力SS、得点力SS… 相変わらずの桁外れだ。 しかし…」 アルシオンのゴール数は数ヶ月前よりも増加傾向にあった。 反面、アシスト数は激減の一途を辿っている。 サッカーが得点を競うスポーツである以上、そこに懸念が生じる余地は無い筈である。 しかしそうもいかないのは、選手達が人間だからであろう。 蓮子「ゴールしても誰も駆け寄らなくなっちゃった。」 宇佐美蓮子は只の事実を口にして、薄い溜め息を吐いた。 カンピオーネの選手達は別に薄情なのではない、アルシオンを嫌っているわけでもない。 これはゴールした後のチームメイトの祝福を、彼自身が嫌がった結果による光景なのだ。
[572]本日はこれで終わりです、選択までいかないなあアナカン ◆lphnIgLpHU :2014/07/01(火) 18:47:39 ID:??? 蓮子「あれから、なのかな…」 10月にブラジル・サンパウロの郊外でのちょっとした騒動。 アルシオンはコインブラと名乗った少年に1on1を挑まれ、それを見事に退けた。 しかしそれ以来、アルシオンは酷い苛立ちを示すようになったのだ。 ブラジルの後には共に日本へ向かい、蓮子の個人的な用事(大学への休学届提出)を 済ませた後にご当地案内をするという予定であった。 しかし蓮子はアルシオンの様子を案じ、一足先に帰国させた。 11月になって蓮子も再びUAE入りし、アルシオンと再開を果たしたが… 彼は初めて顔を合わせた頃に戻ったみたいに無口だった。 アルシオン「砕け散れぇっ!!」 ビリビリッ 蓮子「っつ…!」 アルシオンの絶叫と共に、空気が鋭く震えた。 鼓膜に響いて痛むのとは違う、別の種類の痛みを蓮子の痛覚はこの時に認識していた。 『ああ、ピクシーがまた境界を越えるんだ。』と、結果を見ることなく蓮子は確信し、耳を塞いだ。 直後には怒号に似た衝撃音が襲ってくるのが、彼女にも判りきっていたからだ。
[573]アナカン ◆lphnIgLpHU :2014/07/02(水) 15:41:34 ID:??? ドサッ 自室に戻ると、蓮子はベッドに身体を委ねた。 天蓋付きの大仰な装飾、常に柔らかな羽毛。 自分には不釣合いなベッドだが、いい加減これも馴染んだ。 蓮子「でも今は、そんな事はどうでもいいんだ。 重要なことじゃない。」 そう、そんな事より彼女が気になるのはアルシオンの現状だ。 以前より身体能力が向上しているようだが、反面精神状態はとても優良には見えない。 一触即発と喩えるべきか… 何か一つの切っ掛けで、廃人になってしまそうな危うさを感じる。 だがそう感じるというだけの話でもある。 毎週行われているドクターチェックの結果は毎回異常なしと聞いている。 何とかしたいと考えてみても、彼の身に何か異常である事を示す根拠があるでもなし。 あったところで異常を緩和、解消させる提案が出来るとも思えない。 彼女の専行は超統一物理学… エンジニアの卵でありセラピストではないのだ。 蓮子「知るか!」 ガバッ ウーン、ウーンと思い悩んでいたが、彼女はとうとう考えるのを止めた。 理屈で考えたところで行動の否定しか出てこない。 しかし彼女はアルシオンが心配で、どうにかしたいと思っているのだ。 蓮子(だったら感情のままに行動してやんべというのが女という種独自の超理論だ。 それなら私だって女だ、理屈に反して行動してみたって誰も文句はない筈だ。) 誰に言い訳するでなく、自分自身のポリシーにそう言い聞かせ、蓮子は部屋を飛び出した。
[574]アナカン ◆lphnIgLpHU :2014/07/02(水) 15:42:44 ID:??? 先着で ★蓮子の向かった先→!card★ と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。 《ダイヤ》 とある少年A 《ハート〜クラブ》 ナムリス 《JOKER》 とある少年Bを尾行 《クラブA》 アルシオン
[575]森崎名無しさん:2014/07/02(水) 15:50:02 ID:??? ★蓮子の向かった先→ ハート7 ★
[576]森崎名無しさん:2014/07/02(水) 18:25:27 ID:??? 今回のワールドカップでフォーメーションの新しい歴史出てきたっぽいですよねー
[577]3バックの復権ですねアナカン ◆lphnIgLpHU :2014/07/02(水) 19:03:45 ID:??? > 《ハート》 ナムリス ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 蓮子「アルシオンの事なんだけどっ!」 ナムリス「え… ええ、はい…?」 感情のままに行動すると決めたならば一直線、蓮子はナムリス・ユブンタイの執務室へと押しかけた。 彼の他にアルシオンと交流のありそうな人間を知らない為、自動的にターゲットはナムリスになった。 蓮子「(試合が終わった後にも仕事をしているナムは見上げた物だけど、それはそれ。) アイツの精神状態が心配、ちょっと孤立が行き過ぎだし、最近全然喋らないし。」 ナムリス「ああ… なるほど、そういう事ですか。 しかしそれは先輩の杞憂ですよ。」 蓮子「杞憂ですって?」 ナムリス「元々ボクのチームの選手達は個々の我が強いのですよ、実力に応じてね。 その中でもアルシオンは飛び抜けた存在です、孤高になって当然です。」 蓮子「ほう…」 ナムリス「試合以外でのプライベートな親交も個々に任せており、制限は設けていません。 アルシオンが他のメンバーと個人的な親交を持たないのは、それが煩わしいからですよ。 蓮子先輩も経験がないわけではないでしょう、あまりに学力レベルの違う相手と話すのは ストレスがかかる物です。 とりわけレベルの高い方にとってはね。」 蓮子「そんな事ないよ、言葉を交わすのに学力レベルなんて障害にならない。 それは自分の話したい話題に相手がついて来れないって見下してるだけ。 会話を楽しむには、共通の話題とそれを楽しみたいって気持ちがあればいい。」
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0ch BBS 2007-01-24