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【大空翼VS】TSUBASA DUNK 10【桜木花道】


[565]TSUBASA DUNK:2009/06/23(火) 11:27:26 ID:lCZqgQ1Q
普段と何も変わらない無機質な機械音がコートに鳴り響き、試合の終了を告げる。

ブーッ!

この瞬間、神奈川県の高校バスケ界の歴史が変わった。10年以上、無敗を誇っていた海南を
ほとんど無名だった湘北高校が破るという快挙を成し遂げたのだ。会場に訪れていた観客たちは
「歴史の証人になった」と興奮気味に語る。

それとは対照的にコート上は静まりかえっていた。湘北の選手たち、1年生2人は……

流川「……」
省37

[566]TSUBASA DUNK:2009/06/23(火) 11:28:29 ID:lCZqgQ1Q
3年の三井。彼もまた複雑な気持ちだった。湘北を全国制覇に導く、そう1年の頃に宣言した。
しかし、怪我と自身の心の弱さからバスケ部から離れ、あげくバスケ部をつぶそうとすらした。
結局、監督や部員達の計らいでこうして再び湘北のユニフォームを着ることができ、試合でも
十分な活躍を見せた。自分の働きに満足する一方で、もしも3年間ずっとバスケに打ち込んで
いたら……という後悔の念も強くなっていた。
省41

[567]TSUBASA DUNK:2009/06/23(火) 11:43:48 ID:lCZqgQ1Q
同じように押し黙る海南の選手たち。もちろん湘北とは違い、彼らの沈黙は喜びのためではない。
学年は違い、自責の念の大きさもそれぞれ違うだろうが、それでも彼らの視線の先にあるものは
同じだった。

『常勝』

海南の応援幕である。自分たちが物心付く前から続いていた海南の勝利。それを止めてしまった
ことへの責任感からそうしているのではない。ただ、チームが、そして自分が負けたことへの
悔しさ、そして苦しさを誤魔化すため、より大きな敗北に目をやっているにすぎない。
省24

[568]森崎名無しさん:2009/06/23(火) 12:06:24 ID:???
「はいあがろう。『負けたことがある』というのがいつか大きな財産になる」(31巻)

スラダンの中で一番好きな台詞です。
今の海南に送ります。


[569]TSUBASA DUNK:2009/06/23(火) 12:23:13 ID:???
>>568
ありがとうございます。自分もそのセリフすごく好きです。
今回も思い出しましたが、使っていい時じゃないと我慢しました。
面影はあるけど。

>>567で打ち切りではありませんので、今後ともよろしくお願いします。
とりあえずここまでです。

[570]568:2009/06/23(火) 13:16:14 ID:???
>>569
出すぎたマネをしてすみませんでした。
これからも楽しみにしてますね。

[571]TSUBASA DUNK:2009/06/23(火) 14:16:03 ID:lCZqgQ1Q
>>570
こちらもそれくらいその言葉が好きってだけで「思いついたけど使わなかったんだよーだ!」
って言ってるわけではありませんので。お気になさらずに。

***
コートの片付けがあらかた済んだ頃、救護室のベッドに寝かせられていた翼も目を覚ます。

翼(俺は……試合の途中でスタミナが切れて……情けない。ここは救護室か。ん、誰かいる?)

まだ焦点の定まらない視界の隅に、自分のことを見ている人物が映る。

翼(誰だ?)

その人物は……
省23

[572]森崎名無しさん:2009/06/23(火) 14:28:21 ID:???
誰→  スペードA

[573]TSUBASA DUNK:2009/06/23(火) 15:43:49 ID:lCZqgQ1Q
>誰→  スペードA
>スペード→海南の選手たちだった。

馬場「あ、目を覚ましましたよ、翼くん!」

心配そうに翼を見ていたのは馬場だった。その言葉に狭い救護室の中を手持無沙汰でブラブラ
していた他のチームメイトも集まる。それぞれが翼を心配する言葉を投げかける。翼も出来る
限りひとつひとつに返事をするが、さすがに次から次へと飛んでくる言葉の全てに返すことは
無理だった。

牧「少し寝て、いくらか体調も戻ったか?」

翼「ええ。……試合は?」
省26

[574]TSUBASA DUNK:2009/06/23(火) 15:46:12 ID:lCZqgQ1Q
牧「お前の努力は知っている。だが、この舞台に立っている人間なら誰だってそれくらいの
  ことはしている。お前の9か月があの赤木の3年間に、中学、いやそれ以上かもしれん
  バスケ歴に勝ると思うか?悪いが、俺はそうは思わん」

牧は赤木の名前を出してはいたが、赤木に自分を投影させていることは翼にも分かった。赤木や
俺のバスケに懸けてきた時間は翼が比べることすら許されないくらい長く、濃密なものだった。 省48

[575]TSUBASA DUNK:2009/06/23(火) 15:47:13 ID:lCZqgQ1Q
その後も、思い思いの言葉で部員たちが翼を慰める。誰もが同じように悔しい思いをしている
はずなのに。

翼「牧さん、武藤さん、みんな……ありがとうございます!俺、もっと上手くなります!!」

翼はベッドの上で上半身を深々と折り曲げ、チームメイトに頭を下げる。

牧「みんなで上手くなろう。そして、強くなろう。全国への道が閉ざされた訳じゃない」

一同「おう!」

こうして部員たちの気持ちが再び1つになった。より結束を強めて。
省10


0ch BBS 2007-01-24