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1- レス

キャプテンブライト9


[91]キャプテン・ブライト ◆xWA.3pF8tM :2011/09/23(金) 03:04:21 ID:dNxKCxxY
D:次回の「別撮り」は。ティアナを無傷で帰してあげる。
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私、ティアナ・ランスターには親友がいる。

時間と友情が育んだ結晶。
決しておカネで買えない存在。

仕事場でのパートナーにも随分慣れてきたきたけれど、それとはまた別で。

小学校のクラスが同じで、席が隣だったのがキッカケだと思うけど。
そんな小さい頃から、ずっと一緒だった。

ウェス・オリゾナールちゃん。資産家の長女で、小学校ではちょっと浮いていた。 省32

[92]キャプテン・ブライト ◆xWA.3pF8tM :2011/09/23(金) 03:05:39 ID:dNxKCxxY
それよりも。ようやく機動六課に戻れたのだ。ここで手術なんてしたら、また脱落してしまう。

ドアのチャイムが鳴った。見てみると、親友ウェスちゃんの顔。急いでドアを開ける。
 ティアナ「ウェスちゃん。どうしたの?」
 ウェス「ティアナちゃん。…近くまで来たから、なんとなく」
 ティアナ「メールでもしてくれれば、何か準備できたのに」
 ウェス「ふふっ。いらないわよ、そんなの」

彼女は私と性格が正反対だ。開放的で外交的だった私と、内向的でお淑やかだったウェスちゃん。 省31

[93]キャプテン・ブライト ◆xWA.3pF8tM :2011/09/23(金) 03:06:50 ID:dNxKCxxY
 ウェス「…ティアナ、大丈夫?」
 ティアナ「う、うん…」
 ウェス「私のほうで、お医者様、探そうか?」
 ティアナ「平気よ。だいたい、医者は役に立たないもん。時空管理局の医者だけじゃなく他でも診てもらったけど。
  そういうトコで処方されるクスリって全然ダメ。気休めにもならないわ。やっぱり、なのはさんのクスリが一番」

 ウェス「ならいいけど…。でも心配なの。ティアナって最近、妙なテンションの時があるし。 省25

[94]キャプテン・ブライト ◆xWA.3pF8tM :2011/09/23(金) 03:08:06 ID:dNxKCxxY
 ティアナ「そう言えばさ。イストちゃんは元気?」

ウェスの妹のことだ。今は中学生になったあたり。
年齢が離れてるからか、ウェスはイストのことをとても可愛がっている。
イストの性格は姉と逆で、開放的で外交的。すぐに誰とでも仲良くなれる。

 ウェス「元気よ。あの事件でティアナのことも随分心配してたわ。
  ただお父様の言いつけで、もう、ティアナにあまり会いに行くなって言われてるけど…」 省33

[95]キャプテン・ブライト ◆xWA.3pF8tM :2011/09/23(金) 03:09:14 ID:dNxKCxxY
警察から釈放された後、ウェスとは何度も会ったんだ。でもイストとは会ってない。
イストは、私から見ても妹のような感じだった。
小さい頃。ウェスと一緒によく三人で遊んだし。
もう二度と会えない…ということはないだろうけど、ビデオチャットでは味気ない。

そうだ、明日は非番だし。
こっそり、会いにいっちゃおう。
少しはゆっくり話したいし、イストの学校が終わる放課後がいいかな。

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学校の行き帰りには、イストは専属の運転手つきの車で通学している。 省36

[96]キャプテン・ブライト ◆xWA.3pF8tM :2011/09/23(金) 03:11:00 ID:dNxKCxxY
 イスト「ティアナおねーちゃん、久しぶりー☆」
 ティアナ「イストちゃん。元気だった?」

陽だまりの、いい匂いがする。前に見た時よりも、少しだけ大きくなったかな? 気のせいか。
この前に会ったのだって、せいぜい何ヶ月か前なだけだし。

 イスト「…ねえティアナおねーちゃん」
 ティアナ「ん?」

 イスト「ティアナおねーちゃんは、犯罪者じゃないよね?」 省31

[97]キャプテン・ブライト ◆xWA.3pF8tM :2011/09/23(金) 03:12:35 ID:dNxKCxxY
送迎用の車から降りてきたのは、やや若い、柔和な顔立ちの男の人だった。
 運転手「すいません。おやっさんが急に腰を痛めてしまって。私は代理です。詳しくはお母様に聞いてください」
 イスト「はい」

なんだろう、またアタマが痛む。

 運転手「そちらの方は?」
 イスト「私の古くからのお友達です。一緒に乗せていっていいですね?」
 運転手「構いませんが…。信頼できる人なんでしょうね? 揉め事はごめんですよ」
 イスト「大丈夫ですっ!!」
省26

[98]キャプテン・ブライト ◆xWA.3pF8tM :2011/09/23(金) 03:15:04 ID:dNxKCxxY
車は、裏道に入って。少し目的地から外れて。人通りの少ない道へと入って。
次の瞬間、車の後ろで軽い爆発音のような音がした。同時に衝撃。
 イスト「な、なに…?」
 ティアナ「爆発!?」
 運転手「ちょっと見てきます」
運転手さんは車の外に出て、後ろに回りこんでから…戻ってきて運転席のドアを開いた。
 運転手「今日は本当にツイてません。パンクです。予備のタイヤに変えるんで、10分くらい待っててください」
省34

[99]キャプテン・ブライト ◆xWA.3pF8tM :2011/09/23(金) 03:17:45 ID:dNxKCxxY
目を覚ました時は、薄暗い部屋の一室だった。
思い出したくもないけれど、両手首に懐かしい感覚がする。
見なくてもわかる。手錠だ。それも、魔力ごと封じ込める手錠。
並みの魔法使い…少なくとも今の私では、これをつけられたら魔法はほとんど使えない。
 ティアナ「ッ!」
起き上がろうとして、首のあたりが突っ張った。
…手錠は、警察の取調べで慣れている。でも。
警察でも。いや、警察だからこそ。人間の首を鎖で繋ぐような扱いはしない。
省42

[100]キャプテン・ブライト ◆xWA.3pF8tM :2011/09/23(金) 03:20:00 ID:dNxKCxxY
 運転手「警察は俺たちを 全 力 で 探さない。動いても形だけ。そういう『取り決め』だったんだ」
 ティアナ「取り決め?」
 運転手「ある種の紳士協定があってな。お巡りさんの中にも悪い人がいるし、俺らの中にもマシなのもいる。
  今日はそういうヤツらの小さな集会でね。俺たちがイストお嬢ちゃんの身柄を確保して、
  代わりに俺たちのパトロンが何かを確保するとか、そういう話」

 ティアナ「『何か』って?」 省44

[101]キャプテン・ブライト ◆xWA.3pF8tM :2011/09/23(金) 03:22:23 ID:dNxKCxxY
 運転手「本来、イストお譲ちゃんの捜索届けは、出されてもなかなか上に上がらないようになってたんだが。
  お前の友人か仕事仲間の誰かが、別口で『お前の』捜索届けをも出したらしい。
  必然的にイストお譲ちゃんの捜索届けも、上に上がって。このままじゃ俺たちの誘拐事件が世間に流れる」
 ティアナ「…どういうこと!? どうなるって言うの!?」
 運転手「それはボスが今、各方面と交渉中。まあこれくらいの想定外なら予想もつくけどな」
省34


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0ch BBS 2007-01-24