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【見開き1ページの】キャプテン森崎43【晴れ舞台】


[247]2 ◆vD5srW.8hU :2012/02/21(火) 11:45:05.05 ID:UYPmJjzL
自分の提案が聞き入れられなかった森崎は脳内でケチをつけるが、当然そんな事を気にする見上ではない。
彼は手元のノートに何か書き込んだ後また唸りだした。

森崎「今度は何ですか?」

見上「何時もの通り、FWをどうするかだ。相変わらず日向に釣り合う選手が居ない」

森崎「ま、そうでしょうね。どいつもこいつも何かしら問題がありますし」

見上「どうせ口を挟むタイミングを窺っているのだろう?好きに言ってみろ」
省62

[248]2 ◆vD5srW.8hU :2012/02/22(水) 08:41:08.83 ID:diDwLCby
>I 「フッフフフ…監督、お忘れですか?もう一人居るじゃないですか、この俺が!」

見上「……………」

第二の問題、日向と組ませる相手について森崎は自ら立候補を申し出た。
それに対する見上の反応は実に胡散臭い物を見る目と無言だったが、そんな物で怯む森崎ではない。

森崎「メキシコユースとエクアドルユース相手に俺の力は見せたでしょう?
守備は無理ですが、今の俺はドリブルだけじゃなくパスもシュートも、攻撃全部がやれますよ? 省42

[249]2 ◆vD5srW.8hU :2012/02/28(火) 11:35:22.87 ID:/Q8hCuOX
★森崎はFWで出られるか?→ ハート8 ★

クラブ以外→「やるからには結果を出せ。私が言うのはそれだけだ」
-----------------------------------------------------------------------------
森崎「お任せ下さい!そもそも活躍出来る自信がなきゃ立候補しませんって(もったいぶんじゃねえっての)」

見上「では…お前と日向のツートップで行くとして、スタメンはこうなるか」



全日本ユース 4−4−2
−J−H− J森崎 H日向 省31

[250]2 ◆vD5srW.8hU :2012/02/28(火) 11:35:38.13 ID:/Q8hCuOX
クラマー「…以上が日本の最新データだ。見ての通り、かつて戦った相手とは完全の別物だ」

オランダメンバー『………』

この日、オランダユースも全日本ユースとの対戦に向けたミーティングを行っていた。
一度全日本ユースに大勝した事がある彼らの表情には油断の色はなく、皆真剣に監督の話に聞き入っていた。

クラマー「改めて言うまでもないが、これはただ単にモリサキやツバサなど当時いなかった主力選手が 省32

[251]2 ◆vD5srW.8hU :2012/02/28(火) 11:35:53.52 ID:/Q8hCuOX
クラマー「ではクライフォート、お前は明日の試合をキャプテンとしてどの様に考えている?」

クライフォート「はい、監督のおっしゃった通り力の差は狭まりました。ですがチーム単位でも選手単位でも
特徴自体はあまり変わっていません。例えばマツヤマ。奴の性格を利用しない手はないでしょう」

クラマー「そうだな、彼の事だ。我々に対してムキになって居るだろう。
だが向こうも馬鹿ではない、あえてマツヤマを使わないと言う選択をしてくるかも知れんぞ?」
省30

[252]2 ◆vD5srW.8hU :2012/02/28(火) 11:36:39.42 ID:/Q8hCuOX
〜クラマーの回想シーン〜

数十年をサッカー指導者として生き、並大抵の才能では大して驚かなくなっていた頃だった。
ワシがオランダでクライフォートと出会ったのは。

クライフォート「ブライアン・クライフォートです!よろしくお願いします!」

彼は少年時から既に天才の頭角を現していた。特に個人技だけでなく
オランダのトータルフットボールを使いこなし、司令塔となれる素質があった事がワシの関心を買った。
省35

[253]2 ◆vD5srW.8hU :2012/02/28(火) 11:37:06.29 ID:/Q8hCuOX
クライフォートは所属クラブのイタリア遠征から帰ってきた所だった。
それは何てことはない、少年チーム同士の対戦で遠征と言う行為に慣れておく為の物だった。

だが相手に選んだチームに問題があった。それはイタリアの下位チームだったが、
指導者の方針かそれとも選手たちの資質か、反則覚悟のディフェンスを厭わないチームだったのだ。
更に地元びいきの判定でPKが与えられ、クライフォート達は無念の0−1負け。
省57

[254]2 ◆vD5srW.8hU :2012/02/28(火) 11:37:50.24 ID:/Q8hCuOX
クラマー「それはワシにも分からんよ」

クライフォート「………え?」

故にワシは正直に答えるしかなかった。どの様に答えても先の不安がぬぐえないのなら、
せめてクライフォートの信頼を損ねない様にするのが一番だと判断したのだ。

クラマー「この歳になるまで生きてきても、何が正しく何が正しくないのか分かった事より分からない事の方が何倍も多い。
分かったと思っていたのに覆された事もたくさんある。サッカーだけでなく、サッカー以外の事でもな…」
省48

[255]2 ◆vD5srW.8hU :2012/02/28(火) 11:38:06.55 ID:/Q8hCuOX
クライフォート「違うって…何が…」

クラマー「人は正しさ無しには何も出来んよ。少なくとも、利益のみを追求する小悪党が大成する事はない。
確固たる信念、指針、野心、夢…そう言った類の物が無ければ何も長続きしないのだ。人は移り気な生き物だからな」

クライフォート「………でも僕は、その信念を失ってしまいました。僕はこれから何を支えにすれば…」

今でも時に悔やみ、自答する事がある。もっと他の答え方があったのではないかと。 省44

[256]2 ◆vD5srW.8hU :2012/02/28(火) 11:38:22.64 ID:/Q8hCuOX
叱咤激励と言えば聞こえは良い。だが実際にあの時ワシが言った事は
”善悪を考える前に勝つ事を考えろ”と言う極論に過ぎなかった。その時はそれでも良いと思っていた。
これ程の逸材が躓いたまま立ち上がれなくなる事が何より怖かった。

だがクライフォートはワシが想像していたよりも賢かった。ワシの陳腐な言葉を自ら発展させ、
実のある思考に変える事が出来たのだった。ワシが全く思いも寄らぬ方向に。

クライフォート「………あっ」
省22


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