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異邦人モリサキ
[204]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/06(水) 01:14:51 ID:???
「セーシン論かよ。汗臭ぇ〜……」
「経験論だっつーの。ま、サボりたきゃ適当にサボればいいさ」
苦笑しながら森崎が続ける。
「所詮、傭兵なんてのは食い詰め浪人だしよ。キツいツラいで鍛錬から逃げて、
明日死ぬのが仕事みてえなもんだ。ま、俺ぁ今日鍛えて生き残る方を選ぶ。そんだけよ」
「……」
飄々とした言葉に盛られた毒にネイが口を閉ざす。
代わりに森崎へと話しかけたのはトニーニョだった。
「そういえばモリサキ、お前は東洋人だろう?」
省34
[205]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/06(水) 01:15:52 ID:???
「いや、いいんだネイ。今のは確かに俺が悪い」
「……」
それでも不満そうに口を尖らせるネイを見やってから、トニーニョが森崎に向かって軽く頭を下げる。
「気を悪くしたのならすまない、そういうつもりではなかった」
「……まあ、謝ってもらうもんでもねえさ」
「俺が気になったのはモリサキ、お前は随分と年若いように見えるが、それにしては
かなりの経験を積んでいる風だと思ってな。……気になるとつい口に出る。悪い癖だ」
省33
[206]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/06(水) 01:16:56 ID:???
「……? どうした、モリサキ」
「俺……数え十八の時分に国を飛び出して、かれこれ十年……くらいになるんだが」
「そうか。……って、なにィ!?」
「嘘だろぉ!?」
「ふうん」
驚愕する一同を前に、森崎が眉間に皺を寄せたまま肩を落とす。
「はぁ……どっと疲れた。先に帰らせてもらうぜ……」
「あ、おいモリサキ! ちょっと待てって!」
「お、俺たちが悪かった! そ、そうだ! 途中で一緒に飯でも食わないか!」
省11
[207]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/06(水) 01:17:58 ID:???
//体術訓練
「走れ! 走れ! 走れ! 基礎体力のない奴にこなせる訓練などない!」
今日も今日とて、広い荒野にヤングの大音声が響き渡る。
三百人の荒くれ者どもがその声に尻を叩かれるようにしながら(そして時折、本当に木剣で尻を叩かれながら)
走り続けて、もう何時間になるだろうか。
「クソッ! 楽しそうだな、あのサド教官! この運動場のだだっ広さときたら、思う存分
訓練ができるように……じゃなくて、単にあいつのダミ声で近所から苦情が来ないように
省32
[208]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/06(水) 01:18:59 ID:???
「そこ! そんなに気に入ったのなら、今日も石を上げるか!」
「なにィ!?」
よく見えなくとも真っ直ぐ自分に向けられていると分かる雷光のような視線と
強烈な指向性を持った声が、森崎を直撃していた。
恐るべき地獄耳に驚く間もなく、声は森崎めがけて降ってくる。
「モリサキといったか、貴様だけ特別にメニューを追加してやってもいいぞ!」
「……おとなしく走るよ! 走ればいいんだろ!」
「まあそう遠慮するな!」
省32
[209]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/06(水) 01:20:00 ID:???
//魅力訓練
ふぉん、と風を切る音を立てて刃が走る。
訓練所の荒野では青空の下、傭兵たちが素振りの最中であった。
と、森崎が剣を振るう手を止めて振り返る。
「どうした、モリサキ?」
聞いたトニーニョに、森崎がニカリと笑って言う。
「なあ、どうだ? そっちの角度から見るのが一番カッコよくねえか、俺?」
「……いいから真面目にやれ、また教官にどやされるぞ」
呆れたように眉根を寄せて素振りに戻ったトニーニョに、森崎がなおも言い募る。
省33
[210]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/06(水) 01:21:05 ID:???
短槍の柄でこそげ落とすようにジェトーリオを引き剥がすネイを横目に、
森崎がトニーニョに話しかける。
「で、どうなのよ、トニーニョさんは。切った張ったでいつくたばるかもわからねえ身空、
たまにゃ剣の鈍色じゃねえ、桃色に囲まれたかねえかって話よ」
「俺は……その、そういうのに興味は……」
ニヤニヤと笑いながら迫る森崎に、珍しくトニーニョが言い淀む。
冷静沈着を旨とするこの男には稀有な反応であった。
省27
[211]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/06(水) 01:23:00 ID:???
「ん? どうしたお前ら、急におとなしくなりやがって……」
「……お前、女どもに騒がれたいのか、そうかそうか」
「そりゃそうだろ、……って……」
すぐ後ろから響いた、重厚な声に思わず軽口を叩きかけた森崎が、何かに気付いたように
ゆっくりと全身を軋ませながら振り返る。
果たして、そこに立っていたのは
「俺がお前を男前にしてやろう……誰からも一目置かれるような、立派な男前にな……!」
「い、いや、その……」
省19
[212]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/06(水) 01:24:18 ID:???
******
*D26.4
メインイベント
『少女の騎士(後編)』
「っくあぁぁぁーーーー! 全身痛ぇー……」
よく晴れた春の青空の下、大きく伸びをしたのは森崎有三である。
長剣一本をベルトで腰に提げただけの平服で石畳の上を歩いている。
「あの鬼教官、俺を目の敵にしやがって……他の連中の倍はしごかれてんぞ、絶対!」
『すっかり標的だねえ……あれ? でも、この前はズイブン偉そうなこと言ってなかったっけ?
省40
[213]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/06/06(水) 01:25:19 ID:???
『……キミ、空しくない?』
「まあ、ちょっとな……」
『……』
「……」
『さ、バカなことやってないでお買い物済ませちゃお。まず臭くない下着ね!』
「今あるの、旅の間からずっと水洗いだけして履いてるヤツだからな……」
ちらりと自らの体を見下ろして襟元をはだけ、立ち上る異臭に思わず天を仰いで
歩を早めた森崎が、しかしすぐにぴたりと立ち止まって首をひねる。
「あー……っと、で、この手のモンを買うとなると……どこだ?」
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0ch BBS 2007-01-24